「”イクメン”は死語。ダサい」 どうなる?令和のパパ像 スタンダードは「子育ても仕事も全力で楽しむ」  | 東京すくすく | 子育て世代がつながる ― 東京新聞

「”イクメン”は死語。ダサい」 どうなる?令和のパパ像 スタンダードは「子育ても仕事も全力で楽しむ」 

(2018年5月1日付 東京新聞朝刊に一部加筆)
 家庭内の性別役割分業が根強かった昭和、共働き世帯が増加した平成を経て、迎えた令和の時代。父親たちのありようも変化し続けています。子育て中の男性や、家族のトレンドに詳しい現場を取材すると「子育ても仕事も全力で楽しむパパ」が新たなスタンダードになりそうな未来が見えてきました。

娘の結愛ちゃん㊧を連れ、イベント会場を見回る千葉祐大さん

娘と一緒に仕事へ「反応が参考になることも」

 IT企業に勤める千葉祐大(ゆうた)さん(36)は3月末のある日、東京都千代田区で開かれた子育て関連のイベント会場に、長女の結愛(ゆな)さん(3つ)と一緒に現れた。勤務先の「インタースペース」(新宿区)がネット上の告知に協力した催し。千葉さんは歓声を上げる結愛さんを見守りながら、出展企業の傾向や来場者の反応などを確認した。

 家族の朝食を作り、2人の娘を保育園に送るのが日課。仕事の現場に子連れで向かうこともある。経営企画室長として子育て情報を集めたサイトを運営しており、社内外で子育て支援の事業を手掛けている。「娘の反応が参考になる時もある。子育てと仕事は別物ではなく、互いに良い影響を与え合っている」

家事・育児が女性任せだったら「かっこ悪い」

 独身時代は連日深夜まで働き、仕事後に飲みに行く「昭和型サラリーマン」だった。結婚し、子どもがいる今では、家事・育児を女性に任せるのは「かっこ悪い」と明言。「イクメン」という言葉も「もはや死語だし、ダサい」と考える。

 育児に奮闘する父親に横のつながりをつくってもらおうと、知人らと座談会も開催している。毎回、仕事との両立やセックスレス、教育費など話題は尽きない。「男性は仕事以外ではつながりにくい。実際は多くの人が『パパ友』を求めていた」

「昭和型」世代がつくる応援メディアも続々

 メディアも「子育てに積極的な父親」を後押ししている。番組や編集を指揮するのは、「昭和型」の働き方が大多数だった40~50代の男性が中心だ。

 NHKは2013年、BSプレミアムで「おとうさんといっしょ」の放送をスタート。子どもと楽しむダンスや遊び、実験などを紹介している。5月に始まった2分間のミニドラマ「ある日のおとうさん」では、俳優の大森南朋(おおもりなお)さんが子育てに奮闘する父親をコミカルに演じている。収録現場や番組関連のイベントで多くの父親に接する上米良(かんめら)光一郎シニアプロデューサー(49)は「子育てを頑張るお父さんたちを応援したいという気持ちで番組を作っている。最近、子どもと一緒にはじける父親が多くなった印象だ」と語る。

最近の理想の父親像について語る「MADURO」総編集長の大久保清彦さん

家事・育児は「負担」ではなく「喜び」です

 子育てしている男性は格好いい-。1児の父で、男性誌「MADURO(マデュロ)」の大久保清彦総編集長(53)も、社会全体の価値観の変化を感じている。誌面では、子育て中のモデルや俳優、読者モデルらが、自分の子どもと一緒に登場し、家族を大切にするライフスタイルを提案。家族で楽しめるファッションやアウトドアを紹介し、子育ての悩みも扱う。「こうした男性の子がパパになったら、わが子にも同じように関わっていくだろう」と期待する。

父親の育児雑誌「FQ JAPAN」発行人の清水朋宏さん

 とはいえ、家庭内における育児・家事の負担は、まだまだ女性に偏りやすい現状がある。子育て中の男性が主な読者層の季刊誌「FQ JAPAN」の発行人で、2児の父の清水朋宏さん(51)は、男性たちが家事や育児を「負担」とみる発想に異を唱える。「家事や育児を頑張り、子どもを自立させることは、古い時代の男性になかった喜びだ。人任せではもったいない」

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