オーウェン・ウィルソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
オーウェン・ウィルソン
Owen Wilson
Owen Wilson
2017年
本名 Owen Cunningham Wilson
生年月日 (1968-11-18) 1968年11月18日(55歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国テキサス州ダラス
職業 俳優
ジャンル 映画
活動期間 1994年 -
著名な家族 アンドリュー・ウィルソン英語版(兄)
ルーク・ウィルソン(弟)
主な作品
映画

テレビドラマ
ロキ
テンプレートを表示

オーウェン・カニンガム・ウィルソン(Owen Cunningham Wilson, 1968年11月18日 - )は、アメリカ合衆国俳優声優脚本家

来歴・人物[編集]

生い立ち[編集]

テキサス州ダラスにて、アイルランド系アメリカ人の両親のもとに生まれる。父のロバート・アンドリュー・ウィルソン(1941年 - )はテレビ局の広報担当、母のローラ・ウィルソン英語版(旧姓カニンガム)は写真家。兄のアンドリュー英語版、弟のルークも俳優。ニューメキシコ州の軍隊高校を卒業後、テキサス大学オースティン校に進学した。

キャリア[編集]

大学在学中にウェス・アンダーソンと出会い、共同で執筆した脚本が『アンソニーのハッピー・モーテル』として映画化された。『天才マックスの世界』や『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』の脚本も書いている。『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』ではアンダーソンと共にアカデミー脚本賞にノミネートされた。

ジャッキー・チェンと共演した『シャンハイ・ヌーン』、『シャンハイ・ナイト』や『ウェディング・クラッシャーズ』、『トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合』といったヒット作にも出演し、ハリウッド人気スターとなる。

ケーブルガイ』に出演して以来、ベン・スティラーとの共演作も多い。

来日[編集]

2014年10月に、東京国際映画祭において自身の出演作『マイ・ファニー・レディ』が公開されるのに合わせ、ピーター・ボグダノビッチ監督と共に初来日を果たした[1]10月29日には、ボグダノビッチ監督と共に六本木の上映会場でQ&Aなども行った。

私生活[編集]

2007年撮影

変わった鼻の形をしており、高校時代にフットボールで怪我をしたのが原因らしいが、本人はそれについてあまり語りたがらないという[2][信頼性要検証]。『ウェディング・クラッシャーズ』の音声解説では、高校時代に教師から顔面を強く殴られて地面に倒れてしまい、後になってレストランで会った時も恐怖を覚えたほどだったと、述べている。

2007年8月26日に両手首を切り、錠剤を過剰摂取するなどして自殺を図り、病院に運ばれる[3][4][5]。その後が心配されたが、10月4日には『ダージリン急行』のプレミアに姿を見せた[6]ベン・スティラーが監督を務めた『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』(2008年公開)にカメオ出演する予定だったが降板となり、マシュー・マコノヒーが代役を務めた。なお、自殺未遂の原因は当時交際していたケイト・ハドソンと破局したためではないかという噂もあるが、これを否定する意見もある[7][信頼性要検証]

性格[編集]

2011年、カンヌ国際映画祭でのウィルソン

映画の中では能天気なプレイボーイを演じることが多いが、実際には生真面目で誠実な性質である。夜遊びに関しては、一般的なイメージに反してかなり否定的で、『シャンハイ・ヌーン』では、自身のスタントマンに対して「妻子がいるのに(他の女と遊ぶなんてひどい)!」と非難したエピソードを語っているし、『ウェディング・クラッシャーズ』の際にも「こうした馬鹿げたことはせいぜい20代までで卒業すべき」といった趣旨の発言をしている。ウィルソンがコメディ映画に出演していることについて、親友のウェス・アンダーソンは「ずっとシリアス俳優だと思っていたから、陽気でイージーゴーイングな兄貴っていうイメージが定着したことに、ちょっと驚いている」と述べている[8]。アンダーソンはウィルソンのために『ライフ・アクアティック』のネッドを書き、誠実で優しい青年として描いている。

非常に頭がよく、『Mr.ボディガード/学園生活は命がけ』ではほとんどぶっつけ本番で演じたり、『ミート・ザ・ペアレンツ2』では音楽に合わせて楽器を吹く動きを短時間で習得した。

非常に動物好きで、ガルシアという名のオーストラリアン・キャトル・ドッグを飼っている(2008年時点)。『シャンハイ・ヌーン』では、初めてにもかかわらず馬を乗りこなし、気が立っていた馬の背に優しく手をかけて落ち着かせる一幕もあった。『マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと』の撮影中は、登場する犬たちの面倒の大半を引き受けたという。

撮影時には、過酷な要求にも我慢強く応じることで知られ、『シャンハイ・ヌーン』では、日照りの中で首まで地面に埋められた状態で何時間も耐え、続編の『シャンハイ・ナイト』でも逆さ吊りのまま何度も水に漬けられる場面をスタントなしでこなし、監督らから讃えられた。

ミート・ザ・ペアレンツ』では、懐古趣味だと語られている。

主な出演作品[編集]

映画[編集]

公開年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1996 アンソニーのハッピー・モーテル
Bottle Rocket
ディグナン 兼脚本
ケーブルガイ
The Cable Guy
ロビンのデート相手 家中宏
1997 アナコンダ
Anaconda
ゲイリー・ディクソン 大黒和広(ソフト版)
松本保典(日本テレビ版)
パーマネント ミッドナイト
Permanent Midnight
ニッキー 小野塚貴志
1998 アルマゲドン
Armageddon
オスカー・チョイ 世古陽丸(ソフト版)
松本保典(フジテレビ版)
土田大(日本テレビ・テレビ朝日版)
1999 ホーンティング
The Haunting
ルーク・サンダーソン 横堀悦夫
ブレックファースト・オブ・チャンピオンズ
Breakfast of Champions
モンテ・ラピッド 田中完
クアドロフォニア -多重人格殺人-英語版
The Minus Man
ヴァン・シーゲート 水島裕
2000 ミート・ザ・ペアレンツ
Meet the Parents
ケヴィン・ローリー 横堀悦夫
シャンハイ・ヌーン
Shanghai Noon
ロイ・オバノン 森川智之(ソフト版)
堀内賢雄(テレビ朝日版)
2001 エネミー・ライン
Behind Enemy Lines
クリス・バーネット大尉 楠大典(ソフト版)
宮本充(フジテレビ版)
ザ・ロイヤル・テネンバウムズ
The Royal Tenenbaums
イーライ・キャッシュ 兼脚本・製作総指揮
アカデミー脚本賞ノミネート
平田広明
ズーランダー
Zoolander
ハンセル・マクドナルド 森川智之
2002 アイ・スパイ
I Spy
アレックス・スコット 内田夕夜
2003 シャンハイ・ナイト
Shanghai Knights
ロイ・オバノン 安原義人
イェー・ライト!英語版
Yeah Right!
オーウェン・ウィルソン カメオ出演
2004 ライフ・アクアティック
The Life Aquatic with Steve Zissou
ネッド・プリンプトン 平田広明
ミート・ザ・ペアレンツ2
Meet the Fockers
ケヴィン・ローリー カメオ出演 横堀悦夫
80デイズ
Around the World in 80 Days
ウィルバー・ライト カメオ出演 中川剛(劇場公開版)
森川智之(テレビ東京版)
スタスキー&ハッチ
Starsky & Hutch
ケン・“ハッチ”・ハッチンソン 平田広明
ビッグ・バウンス英語版
The Big Bounce
ジャック・ライアン 川島得愛
2005 The Wendell Baker Story ネイル・キング N/A
ウェディング・クラッシャーズ
Wedding Crashers
ジョン・ベックウィズ 森川智之
2006 ナイト ミュージアム
Night at the Museum
ジェデダイア・スミス クレジットなし
トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合
You, Me and Dupree
ランドルフ・デュプリー 兼製作 落合弘治
カーズ
Cars
ライトニング・マックィーン 声の出演 土田大
2007 ダージリン急行
The Darjeeling Limited
フランシス・ホイットマン 内田夕夜
2008 Mr.ボディガード/学園生活は命がけ!英語版
Drillbit Taylor
ドリルビット・テイラー (吹き替え版なし)
マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと
Marley & Me
ジョン・グロガン 森川智之
2009 ナイト ミュージアム2
Night at the Museum 2: Battle of the Smithsonian
ジェデダイア・スミス
ファンタスティック Mr.FOX
Fantastic Mr. Fox
コーチ・スキップ 声の出演 間宮康弘
2010 サーフィン ドッグ
Marmaduke
マーマデューク 声の出演 堀内賢雄
幸せの始まりは
How Do You Know
マティ・レイノルズ 川島得愛
ミート・ザ・ペアレンツ3
Little Fockers
ケヴィン・ローリー 横堀悦夫
2011 ホール・パス/帰ってきた夢の独身生活<1週間限定>
Hall Pass
リック・ミルズ 松本保典
カーズ2
Cars 2
ライトニング・マックィーン 声の出演  土田大
ミッドナイト・イン・パリ
Midnight in Paris
ギル・ペンダー 森川智之
ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して
The Big Year
ケニー・ボスティック
2013 インターンシップ
The Internship
ニック・キャンベル
2014 グランド・ブダペスト・ホテル
The Grand Budapest Hotel
M.チャック
ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密
Night at the Museum: Secret of the Tomb
ジェデダイア・スミス 森川智之
インヒアレント・ヴァイス
Inherent Vice
コーイ・ハーリンゲン 鈴木正和
マイ・ファニー・レディ
She's Funny That Way
アーノルド・アルバートソン 川島得愛
2015 クーデター
No Escape
ジャック・ドワイヤー 森川智之
2016 ズーランダー NO.2
Zoolander2
ハンセル・マクドナルド
2017 カーズ/クロスロード
Cars3
ライトニング・マックィーン 声の出演 土田大
ワンダー 君は太陽
Wonder
ネート・プルマン 森川智之
ファーザー・フィギュア
Father Figures
カイル・レイノルズ 日本劇場未公開 (吹き替え版なし)
2021 ブリス 〜たどり着く世界〜
Bliss
グレッグ・ウィットル 志賀麻登佳
フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊
The French Dispatch
アーブサン・サゼラック 板取政明
2022 マリー・ミー
Marry Me
チャーリー・ギルバート 森川智之
Secret Headquarters ジャック・キンケイド / ザ・ガード
2023 アントマン&ワスプ:クアントマニア
Ant-Man and the Wasp: Quantumania
メビウス・M・メビウス クレジットなし 志村知幸
カールの絵画教室英語版
Paint
カール 日本劇場未公開 森川智之
ホーンテッドマンション
Haunted Mansion
ケント 片岡愛之助

テレビ[編集]

放映年 邦題
原題
役名 備考 吹き替え
1999 Heat Vision and Jack ヒート・ヴィジョン / ダグ 声の出演 N/A
2016 サタデー・ナイト・ライブ
Saturday Night Live
Hansel McDonald Larry David/The 1975
2021- ロキ
Loki
メビウス・M・メビウス Disney+オリジナル作品  志村知幸
松本保典(予告編)
2022 カーズ・オン・ザ・ロード
Cars on the Road
ライトニング・マックィーン 声の出演 土田大

日本語吹き替え[編集]

シャンハイ・ヌーン』(ソフト版)以降、森川智之が大半の作品で担当している。

その他にも、横堀悦夫松本保典平田広明川島得愛土田大などが複数回、声を当てている。

出典[編集]

  1. ^ オーウェン・ウィルソンが初来日!名匠ボグダノビッチ作品への出演は「誇り」”. 2015年2月14日閲覧。
  2. ^ Owen Wilson - IMDb
  3. ^ “自殺未遂か?『 ナイト ミュージアム』オーウェン・ウィルソン手首を切る”. シネマトゥデイ. (2007年8月28日). https://www.cinematoday.jp/news/N0011340 2013年3月22日閲覧。 
  4. ^ “Owen Wilson Hospitalized After Suicide Attempt”. Trans World News. (2007年8月27日). http://www.transworldnews.com/NewsStory.aspx?storyid=21608 2007年8月27日閲覧。 
  5. ^ “Movie & TV News at IMDb.com - WENN - August 29 2007”. IMDb.com. (2007年8月29日). http://www.imdb.com/news/wenn/2007-08-29 2007年8月29日閲覧。 
  6. ^ “Wilson Makes First Public Appearance”. IMDb. (2007年10月5日). http://www.imdb.com/news/wenn/2007-10-05/#celeb11 2007年10月6日閲覧。 
  7. ^ Travel, Yahoo (2007年8月28日). “OWEN IN ‘SUICIDE ATTEMPT’” (英語). New York Post. 2021年1月11日閲覧。
  8. ^ ライフ・アクアティック インタビュー: ウェス・アンダーソン監督インタビュー(2) (2)”. 映画.com. 2021年1月11日閲覧。

外部リンク[編集]