貴重な資料だと思います。
この本で感動的な映画が1本できると思うくらいいろいろな暖かいエピソードが綴られ戦場のメリークリスマスを思い出してしまいました。
1944年12月のクリスマスのシーンはドラマのようです。
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英国人捕虜が見た大東亜戦争下の日本人―知られざる日本軍捕虜収容所の真実 単行本(ソフトカバー) – 2019/3/5
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これは74年前の“日本"が詰まったタイムカプセルだ!
元捕虜が赤裸々に綴った“東京俘虜収容所"の貴重な記録
シンガポール陥落後、日本軍の捕虜となったイギリス兵クラークは、
台湾の台中キャンプを経て、東京の大森捕虜収容所へと送られた。
著者クラークは、翻訳者が驚愕するほどの観察力、記憶力で、
当時の捕虜たちや日本人の姿を極めて正確に描いている。
著者の体験をより深く理解するための、豊富な“訳註"を、巻末に収録!
本書の舞台となった国内の主な場所
第17章 日出づる国へ――北九州市門司
第18章 大森捕虜収容所――大田区平和島
第19章 ビーチの仕事――品川区勝島
第22章 小名木川――江東区北砂(小名木川駅)
第23章 太る隅田川――荒川区南千住(隅田川駅)
第24章 芝浦――港区海岸(日の出埠頭、芝浦埠頭)
第33章 川崎の地獄――川崎市(空襲)
元捕虜が赤裸々に綴った“東京俘虜収容所"の貴重な記録
シンガポール陥落後、日本軍の捕虜となったイギリス兵クラークは、
台湾の台中キャンプを経て、東京の大森捕虜収容所へと送られた。
著者クラークは、翻訳者が驚愕するほどの観察力、記憶力で、
当時の捕虜たちや日本人の姿を極めて正確に描いている。
著者の体験をより深く理解するための、豊富な“訳註"を、巻末に収録!
本書の舞台となった国内の主な場所
第17章 日出づる国へ――北九州市門司
第18章 大森捕虜収容所――大田区平和島
第19章 ビーチの仕事――品川区勝島
第22章 小名木川――江東区北砂(小名木川駅)
第23章 太る隅田川――荒川区南千住(隅田川駅)
第24章 芝浦――港区海岸(日の出埠頭、芝浦埠頭)
第33章 川崎の地獄――川崎市(空襲)
- 本の長さ304ページ
- 言語日本語
- 出版社ハート出版
- 発売日2019/3/5
- ISBN-104802400691
- ISBN-13978-4802400695
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出版社より
『英国人捕虜が見た大東亜戦争下の日本人』の著者デリク・クラーク
1942年2月5日、シンガポール島沖で、日本陸軍の99式軽爆の攻撃を受け、炎上する輸送船エンプレス・オブ・アジア。著者のクラークはこの船に乗っていた。その後沈没。
1944年のクリスマス、大森捕虜収容所で開催された捕虜演劇会シンデレラの閉幕シーン。そのすばらしいショーは、捕虜からも日本人からも絶賛された。
寒い冬の日の朝、木炭トラックに乗って作業現場である芝浦貨物駅(日の出埠頭)に向かう捕虜たち。
終戦後に米軍が撮影した大森捕虜収容所の全景。著者クラークがいたのは第二兵舎。その後、東條英機元首相をはじめ、“戦犯”指名された政治家・軍人が一時的に収容された。
商品の説明
出版社からのコメント
正誤表(PDFファイル)
http://www.810.co.jp/book/errata/9784802400691.pdf
http://www.810.co.jp/book/errata/9784802400691.pdf
著者について
著者:デリク・クラーク(Derek Clarke)
1921年8月生まれ。イングランド出身。セイクレッド・ハート・カレッジに進学。
子供の頃からキプリングの冒険小説に憧れ、世界中を冒険したくて陸軍に入隊。
シンガポール陥落後、日本軍の捕虜となる。絵が得意なクラークは、プロパガンダ要員として
東京の大森捕虜収容所に送られるも採用されず、品川区の勝島、江東区の小名木川駅、
南千住の隅田川駅、そして港区の日の出埠頭や芝浦埠頭で労働する日々を過ごした。
本書では収容所、作業現場、そして空襲の体験を克明かつ正確に綴っている。
戦後は、オックスフォードシャー州テームにアトリエを構え、そこで妻ジョアンと暮らしながら、
プロのアーティストとして活躍。
ビール会社サミエル・スミスが経営するパブの看板デザインなどを担当した。
2000年12月に79歳で他界。
訳者:和中光次(わなか・みつじ)
工業系の大学を卒業後、システムエンジニアとして勤務しながら、
海外の貴重な文献などを、数多く日本に紹介してきた。
1921年8月生まれ。イングランド出身。セイクレッド・ハート・カレッジに進学。
子供の頃からキプリングの冒険小説に憧れ、世界中を冒険したくて陸軍に入隊。
シンガポール陥落後、日本軍の捕虜となる。絵が得意なクラークは、プロパガンダ要員として
東京の大森捕虜収容所に送られるも採用されず、品川区の勝島、江東区の小名木川駅、
南千住の隅田川駅、そして港区の日の出埠頭や芝浦埠頭で労働する日々を過ごした。
本書では収容所、作業現場、そして空襲の体験を克明かつ正確に綴っている。
戦後は、オックスフォードシャー州テームにアトリエを構え、そこで妻ジョアンと暮らしながら、
プロのアーティストとして活躍。
ビール会社サミエル・スミスが経営するパブの看板デザインなどを担当した。
2000年12月に79歳で他界。
訳者:和中光次(わなか・みつじ)
工業系の大学を卒業後、システムエンジニアとして勤務しながら、
海外の貴重な文献などを、数多く日本に紹介してきた。
登録情報
- 出版社 : ハート出版 (2019/3/5)
- 発売日 : 2019/3/5
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 304ページ
- ISBN-10 : 4802400691
- ISBN-13 : 978-4802400695
- Amazon 売れ筋ランキング: - 167,753位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 37位旧日本軍
- - 29,645位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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関西出身、東京都在住。システムエンジニアとして勤務しながら、海外の貴重な文献などを、数多く日本に紹介してきた。twitterでは第二次世界大戦における捕虜問題や“戦犯”問題についてよくツイートしている。猫を飼っている。
イメージ付きのレビュー
5 星
日本人が知らないユーモアあふれる英国人捕虜の大冒険物語
「英国人捕虜が見た大東亜戦争下の日本人 -知られざる日本軍捕虜収容所の真実」を読んで普段、戦争物は好んで読まないのですが、著者が好きだったという「少年キム」を私も好きだったこと、捕虜として日本で過ごした著者のエピソードが、他にはない英国人的なユーモアに富んだ冒険物語として描かれていると紹介されていたので読んでみることにしました。これは、日本人が知らないもう一つの外国人捕虜の記録であり、戦争本が苦手な人にも読みやすいおすすめの本です。前半は敵性国家である日本に対する著者や仲間たちの言葉にいちいち不快感を覚えたり、「チビ」「出っ歯」「つり目」といったよくある日本人の描写に少しがっかりすることも多かったです。そして、捕虜になる前の激しい戦闘の場面辺りから、辛くて読み進めるのが段々嫌になり始めたので、なんとか読破するために途中からは訳注もチェックせずに流し読みで進めました。すると、気づいたのです。この本全体に漂う空気感が、今まで読んだ戦争本とは全く違うことに。さらさらと読もうと思えば、どんどん進めます。というのが、著者があまりにも事実を淡々と粛々と描いているからでした。同僚の死に際しても、自分が殺した日本軍に対しても、その事実のみがさらりと軽い調子で書かれているので、まるで食事をしたら歯磨きをするように、ごくありふれた日常の出来事として読み流してしまいます。これは、こちらの感情が置いてきぼりにされるような、何とも言えない感覚でした。でも、それに慣れていくと、著者が感情を必要以上に書いていないゆえに、より明確に浮かび上がってくる現実感は、それが日常生活である世界に突然送り込まれた人間が、精一杯自分を守る術だったのかもしれないと思うようになったのです。いちいち一喜一憂していては自分の体も精神も正常に保つことができない、毎日毎時間、生と死の交錯する世界に投げ出されたとき、人はこのようになるのかもしれません。そして、思いがけないことに、この本では著者が捕虜となってからがより明るくユーモラスな展開になっていきます。特に、日本の大森捕虜収容所に送られた後、彼らが生き生きする様が見て取れます。この本を読むまでに私が描いていた外国人捕虜とは、映画「戦場のメリークリスマス」で観たような過酷で悲惨な姿でした。しかし、著者たちは違いました。そこに描かれていたのは、前向きで機知に富み、日本人の支配を越えて生き延びようとするしたたかでどん欲なエネルギーに溢れた逞しい捕虜たちの姿でした。特に、監督官の目を盗んで食料を盗み食べまくった結果、体重が44kgから人生最高の70kgまでに増えた-というエピソードは笑えました。一般の日本国民の食糧事情が厳しい折、捕虜という立場でそこまで食べられたことに驚くばかりです。さらに、クリスマスのシンデレラの上演は愉快だったし、さらに終戦後、味方からかなり乱暴に届けられた空からの物資投下が、まるで爆弾のようだった場面も笑えました。残酷さや悲惨さ、絶望しかない戦争という時代の中にあって、自分の希望も将来も犠牲にし、国家のために命を懸けて戦った人々、そして、そんな状況で敵味方として出会った男たちの、過酷な中にも時に人情の触れ合いも垣間見える複雑に絡み合ったリアルな世界を知ることができました。著者の驚くべき記憶力、描写力によってつづられたこの本は、現代人にとって素晴らしい歴史的資料になるでしょう。しかし、私のような戦争に無知な人間は、1回読んでも豊富な情報を消化することができませんでした。2回目、3回目と読めば読むほど、著者が生きた時代感、価値観、人々の生活が徐々に理解でき、その中で著者を始めとした外国軍人や日本軍人、そして彼らを泣く泣く送り出さざるを得なかった家族や母国民たちの、逃げ場のない苦しみや悲しみ、苦難に寄り添うことができるのではないでしょうか。また、この本の著者は、敵であり支配者である日本軍人に対しても、必要以上の憎悪や恨みにとらわれることなく、とても客観的にユーモラスに描いている点が他の戦争本とは全く違います。それゆえに、任務とはいえあこぎな叱責や暴力をふるう彼らの姿や葛藤、終戦宣言直後の複雑な感情を爆発させる姿さえも、ユーモアを交えつつどこか慈愛を持って描かれているように感じました。それこそがこの本の最大の特徴であると思えるのですが、それは、決して感情に流されて誰かを必要以上に責めたり貶めたりしない、著者のおおらかで優しく思慮深い人間性によるものではないでしょうか。そして、この本全体を包み込むユーモアの存在はとても大きいです。どんな状況でも明るくユーモアで乗り切れる著者だったからこそ、命をつなぐことができたのだろうと強く感じました。この戦争の時代が、「少年キム」にあこがれた著者にとって、過酷ではあったけれど多くの幸運にも恵まれた約4年の世界一周の冒険旅行として描かれたことは、私にとって大きな救いになりました。たとえ、このような幸運な捕虜たちがごく一部に過ぎなかったとしても。最後になりますが、和中光次さんの訳はとても分かりやすくて素晴らしかったです。戦争に関するあらゆる知識に秀でていなければ、このような訳は実現できなかったでしょう。素晴らしい本を世に送り出していただき、ありがとうございました。今尚、当時の問題を掘り返され、あの時代の真実を探し求めている多くの現代日本人に、学校では教えてくれない、大人たちも教えてくれない歴史の一節を知るために、そして、日本のために戦った先人たちのリアルな生きざまに触れるためにも、この本を読んでほしいと思いました。
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2023年9月16日に日本でレビュー済み
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2023年6月12日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
仕事柄、当時のことは「理解」しているつもりですが、本書により当時の感覚を「感じる」ことが出来ました。
脚注も豊富で、「史料」としても重要なものであると思います。
脚注も豊富で、「史料」としても重要なものであると思います。
2023年4月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
会田雄次氏が書いた「アーロン収容所」は、ビルマ戦線の日本陸軍兵士の終戦後の捕虜生活を描いているが、捕虜に対する管理側の態度と、捕虜の状態や行為: 空腹、役務、泥棒、娯楽はどこでも同じという事がわかって興味深い。
2019年3月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳ということを感じさせない自然な文章で、何をおいても読みやすい。戦闘までの部分では軍事用語も多数出て来るが違和感なく読める。翻訳者さんは多分、軍事知識が豊富であり用語だけでなく背景についても正確を期しているだろうことが分かる。
本編は解説にあるように確かに冒険譚ではある、が、勧善懲悪でもないし著者クラークの英雄譚でもないし、リアルな体験としての臨場感あり。それを冒険譚と言うなら正に冒険と言えるか。
クラークはそれなりの愛国心はあっても特別戦意高揚している訳でもない、あれよと言う間に大西洋を渡り、今度はインド洋を越えてシンガポールへ、そして日本との開戦。気がついたらシンガポール前線で戦闘の最中にいる。現実とは、戦闘員になるというのは案外こういう風に進んでいくものなんだろうと思わせる。
後半は台湾~日本本土での捕虜収容所生活。戦闘の場面からそうだが、読んでいる自分まで、どうにも「食べ物」が気になって仕方ない。さて次はいつ何にありつけるのか、最後までずっと気になる。
日本での収容所生活、「大森収容所」と言えば映画にもなった『アンブロークン』が有名だ。反日映画ではないかと騒がれた事もあったが、それを置いてもどうにも現実味に欠ける感が強い映画だった。本書でも横暴であったという同じ看守=通称バードが登場するが、中心人物にはなっていない。収容所生活描写が「アンブロークン」ではどうにも現実味がなく、”ボク被害者・オマエ加害者”の構図が押し付けがましく、はっきり言ってウソ臭かった。案の定、他にどちらにも出て来る所内でのリクレーション「シンデレラ劇」の様子など全然違ってるではないか。当時の本物の写真も何枚か挿入されているが衣裳など本格的で豪華なものだ。「アンブロークン」が如何に捏造・誇張されたものと分かる意味で、本書を読んだ後に映画を観るのも一興かと思う。
そしてとにかく「食料」だ。収容所から駅や倉庫に作業に出る度に、それなりのものをクスネて来る捕虜達。あの手この手の工作が面白い。監視の班長は見逃さない事もあり、時により人に依っては見て見ぬふりする事も。日本全体が食料難であったこの時期に日本側は組織としても現場の個人も、捕虜に対して出来得る限りのことをやっていた事が分かる。
それにしても赤十字から捕虜への慰問品が手つかずできちんと捕虜に渡っていたのは当然であるとしても、戦時という非常時には驚きでもある。
他にも収容所生活が描かれる中で、その裡に当時の日本人の姿が見え隠れする。海外で考えられている戦前日本・日本軍人の悪魔視とは違う、血の通った現実の日本人が居た事が伝わってくる。
本書は巻末の訳注がかなり充実しており、それだけで一冊本が仕上がりそうなほど情報が濃い。翻訳者さんの緻密な取材ぶりが伺える。まずは本編を読んで、二度めは訳注だけを読んでも充足感ありそうだ。
本編は解説にあるように確かに冒険譚ではある、が、勧善懲悪でもないし著者クラークの英雄譚でもないし、リアルな体験としての臨場感あり。それを冒険譚と言うなら正に冒険と言えるか。
クラークはそれなりの愛国心はあっても特別戦意高揚している訳でもない、あれよと言う間に大西洋を渡り、今度はインド洋を越えてシンガポールへ、そして日本との開戦。気がついたらシンガポール前線で戦闘の最中にいる。現実とは、戦闘員になるというのは案外こういう風に進んでいくものなんだろうと思わせる。
後半は台湾~日本本土での捕虜収容所生活。戦闘の場面からそうだが、読んでいる自分まで、どうにも「食べ物」が気になって仕方ない。さて次はいつ何にありつけるのか、最後までずっと気になる。
日本での収容所生活、「大森収容所」と言えば映画にもなった『アンブロークン』が有名だ。反日映画ではないかと騒がれた事もあったが、それを置いてもどうにも現実味に欠ける感が強い映画だった。本書でも横暴であったという同じ看守=通称バードが登場するが、中心人物にはなっていない。収容所生活描写が「アンブロークン」ではどうにも現実味がなく、”ボク被害者・オマエ加害者”の構図が押し付けがましく、はっきり言ってウソ臭かった。案の定、他にどちらにも出て来る所内でのリクレーション「シンデレラ劇」の様子など全然違ってるではないか。当時の本物の写真も何枚か挿入されているが衣裳など本格的で豪華なものだ。「アンブロークン」が如何に捏造・誇張されたものと分かる意味で、本書を読んだ後に映画を観るのも一興かと思う。
そしてとにかく「食料」だ。収容所から駅や倉庫に作業に出る度に、それなりのものをクスネて来る捕虜達。あの手この手の工作が面白い。監視の班長は見逃さない事もあり、時により人に依っては見て見ぬふりする事も。日本全体が食料難であったこの時期に日本側は組織としても現場の個人も、捕虜に対して出来得る限りのことをやっていた事が分かる。
それにしても赤十字から捕虜への慰問品が手つかずできちんと捕虜に渡っていたのは当然であるとしても、戦時という非常時には驚きでもある。
他にも収容所生活が描かれる中で、その裡に当時の日本人の姿が見え隠れする。海外で考えられている戦前日本・日本軍人の悪魔視とは違う、血の通った現実の日本人が居た事が伝わってくる。
本書は巻末の訳注がかなり充実しており、それだけで一冊本が仕上がりそうなほど情報が濃い。翻訳者さんの緻密な取材ぶりが伺える。まずは本編を読んで、二度めは訳注だけを読んでも充足感ありそうだ。
2021年3月10日に日本でレビュー済み
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まだ読んでませんが、パラパラと捲ってみて
よもやの横書き左開き
英語ならわかるが、日本語で?
はっきり言って読みづらいです
よもやの横書き左開き
英語ならわかるが、日本語で?
はっきり言って読みづらいです
2019年3月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1941年10月28日、20歳の工兵デリク・クラークと3千名の仲間を載せた船は、イギリスのエイヴォンマス港を出発する。翌2月5日、シンガポール目前で、日本軍の攻撃を受け、船は撃沈するが、乗員の多くは助かった。炎上する船から海に飛び込んだクラークだが、「海水は温かい。サメのことが頭に浮かび、ワクワクしてきた」と、冒険を楽しんでいるほどの余裕ぶりである。
無事上陸し、すぐに日本軍との戦いが始まる。目の前で仲間がやられるなど、激戦を経験するが、英軍は数日で降伏し、長い捕虜体験が始まる。
シンガポールの捕虜収容所は、「臭い泥に不衛生な環境、飢えるほど乏しい食事」。次の台湾への輸送船では、暑さや喉の渇きに苦しめられ、赤痢による死者も出た。
台湾の収容所で丸1年過ごすが、「その大部分が、病気と死、半飢餓状態、悲惨な労働、絶望、の長い物語である。」多くの捕虜が栄養失調により病気になり、クラークも様々な病気に苦しめられる。
「小さな墓地は、空いていたところがどんどん埋まっていった。捕虜の中には、全く気力をなくし、まるで死人のような者たちがいる。悲しいことに、体のどこも悪くないのにそうなってしまう奴が大勢いた。生への執着をなくしてしまったのだ。」
その後、クラークは絵が得意ということをかわれて、他の一芸に秀でた仲間たちと共に、東京の大森捕虜収容所に移動させられる。門司で船から降ろされたクラークは、汽車から見た東京までの景色を「まるで芸術のように美しい」と表現している。
大森収容所では、作業も選択でき、食料も良く、本国からの手紙も届いた。作業は食料品や日用品の荷下ろしで、盗み出すのは容易だった。たまに盗みがバレて日本兵の看守に殴られることもあったが、ほぼ毎日戦利品を手に入れることができ、ガリガリに痩せ細っていた捕虜たちは体力を取り戻す。看守の中には、盗みに気づいていながら、見逃していたケースもあったと思われる。
本格的な芝居やショーも度々行われ、大成功を収めた「シンデレラ」の劇で、衣装を用意してくれたのは、捕虜から嫌われていた看守だった。看守の中には、捕虜たちから尊敬されていた者と嫌われていた者(後者の方が断然多い)がいたが、訳註を読むと、後者の中にも捕虜の為に尽力した者もいて、彼らの多くが戦後、厳罰を受けたことに理不尽さを感じた。
東京大空襲の描写もある。「昼間のように明るかった。鳥たちが飛び、さえずっていた。鳥たちも勘違いしたようだ。」その後も空襲が度々あり、他の捕虜収容所で多くの犠牲者が出た。捕虜を運ぶ途中の船が撃沈されることもあり、「味方にやられるとは、なんと運が悪いのだろう」とクラークは書いている。
そうして終戦を迎え、8月29日、米軍の巡洋艦がやって来て、捕虜たちは解放される。
「私の人生で、最も長かった3年半。息が詰まるような暑さ、魂が凍える寒さ、非人間的な現場の親方、延々と続く強制労働の日々、絶望が分厚い毛布のように覆い被さっていた。忌まわしい日もあれば楽しい日もあり、不運に見舞われる日もあれば、のんびり過ごせる日もあった。体調のいい時もあれば、そうでない時もあった。ひどいジャップもいたが、良い人もいた。いつも病気と隣り合わせで、そのすぐ後ろには死が待っていた。腹一杯食えることもあったが、ほとんどは半飢餓状態だった。そして名前ではなく、番号で識別されていた。それが終わったのだ。」
淡々とした描写で、ユーモラスなところもあり、悲壮感は感じられなかった。大森捕虜収容所では、砂糖の支給すらあり、一般の日本人より良い食事を支給されていたくらいではないかと思えた。にも拘わらず、戦後、多くの日本兵が捕虜虐待で厳罰を受けたことに、連合軍の横暴さを感じた。
他のレビュアーも言っているが、訳者の注釈が充実していて読みごたえがあった。クラークによるイラストも良い。
無事上陸し、すぐに日本軍との戦いが始まる。目の前で仲間がやられるなど、激戦を経験するが、英軍は数日で降伏し、長い捕虜体験が始まる。
シンガポールの捕虜収容所は、「臭い泥に不衛生な環境、飢えるほど乏しい食事」。次の台湾への輸送船では、暑さや喉の渇きに苦しめられ、赤痢による死者も出た。
台湾の収容所で丸1年過ごすが、「その大部分が、病気と死、半飢餓状態、悲惨な労働、絶望、の長い物語である。」多くの捕虜が栄養失調により病気になり、クラークも様々な病気に苦しめられる。
「小さな墓地は、空いていたところがどんどん埋まっていった。捕虜の中には、全く気力をなくし、まるで死人のような者たちがいる。悲しいことに、体のどこも悪くないのにそうなってしまう奴が大勢いた。生への執着をなくしてしまったのだ。」
その後、クラークは絵が得意ということをかわれて、他の一芸に秀でた仲間たちと共に、東京の大森捕虜収容所に移動させられる。門司で船から降ろされたクラークは、汽車から見た東京までの景色を「まるで芸術のように美しい」と表現している。
大森収容所では、作業も選択でき、食料も良く、本国からの手紙も届いた。作業は食料品や日用品の荷下ろしで、盗み出すのは容易だった。たまに盗みがバレて日本兵の看守に殴られることもあったが、ほぼ毎日戦利品を手に入れることができ、ガリガリに痩せ細っていた捕虜たちは体力を取り戻す。看守の中には、盗みに気づいていながら、見逃していたケースもあったと思われる。
本格的な芝居やショーも度々行われ、大成功を収めた「シンデレラ」の劇で、衣装を用意してくれたのは、捕虜から嫌われていた看守だった。看守の中には、捕虜たちから尊敬されていた者と嫌われていた者(後者の方が断然多い)がいたが、訳註を読むと、後者の中にも捕虜の為に尽力した者もいて、彼らの多くが戦後、厳罰を受けたことに理不尽さを感じた。
東京大空襲の描写もある。「昼間のように明るかった。鳥たちが飛び、さえずっていた。鳥たちも勘違いしたようだ。」その後も空襲が度々あり、他の捕虜収容所で多くの犠牲者が出た。捕虜を運ぶ途中の船が撃沈されることもあり、「味方にやられるとは、なんと運が悪いのだろう」とクラークは書いている。
そうして終戦を迎え、8月29日、米軍の巡洋艦がやって来て、捕虜たちは解放される。
「私の人生で、最も長かった3年半。息が詰まるような暑さ、魂が凍える寒さ、非人間的な現場の親方、延々と続く強制労働の日々、絶望が分厚い毛布のように覆い被さっていた。忌まわしい日もあれば楽しい日もあり、不運に見舞われる日もあれば、のんびり過ごせる日もあった。体調のいい時もあれば、そうでない時もあった。ひどいジャップもいたが、良い人もいた。いつも病気と隣り合わせで、そのすぐ後ろには死が待っていた。腹一杯食えることもあったが、ほとんどは半飢餓状態だった。そして名前ではなく、番号で識別されていた。それが終わったのだ。」
淡々とした描写で、ユーモラスなところもあり、悲壮感は感じられなかった。大森捕虜収容所では、砂糖の支給すらあり、一般の日本人より良い食事を支給されていたくらいではないかと思えた。にも拘わらず、戦後、多くの日本兵が捕虜虐待で厳罰を受けたことに、連合軍の横暴さを感じた。
他のレビュアーも言っているが、訳者の注釈が充実していて読みごたえがあった。クラークによるイラストも良い。
2020年7月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
好感(笑)の持てる、ユーモアあふれるイギリス人の若い捕虜の記録です。
タイトルから重々しく憎しみに溢れた本だろうかと、恐る恐るページをまくりました。が、期待を裏切りました。
彼らは、毎日どのような気持ちで過ごしたのか?どうやって、気を紛らわしたり、日々の楽しみを見つけたのか?
そして、終戦を迎えた瞬間を彼の目線で一緒に体験することができます。
最後に付いている注釈の奥深い説明付き。いちいち、読み直してしまいました。
戦争に興味がある方にかかわらず、沢山の方に読んでいただけたらと思います。
タイトルから重々しく憎しみに溢れた本だろうかと、恐る恐るページをまくりました。が、期待を裏切りました。
彼らは、毎日どのような気持ちで過ごしたのか?どうやって、気を紛らわしたり、日々の楽しみを見つけたのか?
そして、終戦を迎えた瞬間を彼の目線で一緒に体験することができます。
最後に付いている注釈の奥深い説明付き。いちいち、読み直してしまいました。
戦争に興味がある方にかかわらず、沢山の方に読んでいただけたらと思います。
2019年5月21日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
こういう体験記ってなかなか読めないので楽しめました。日本軍の捕虜の扱い方って下手だったんだろうなぁとは想像していましたが、捕虜側も日本側もどうすれば良いのか苦慮していたような気がします。でも英国人(というか白人)だからこんな感じだったんだろうなとも思います。捕虜というともっと怠惰で険悪かと思っていましたがそうでもないのですね。