気象庁|桜島 有史以降の火山活動

桜島 有史以降の火山活動

 大正時代以前の大噴火については、小林 (1986)、 小林・溜池(2002)以外に以下の論文を参照した。 天平宝字噴火(小林,1982;味喜,1999;Okuno et al.,1997、1998)、安永噴火(井村,1998;小林,2009)、大正大噴火(中央防災会議,2011)。 その他の噴火記録は福岡管区気象台(1965)など気象庁記録によった。

有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)

年代 現象 活動経過・被害状況等
▲708(和銅元)年 噴火?
▲716(霊亀2)年 噴火?
▲717(養老元)年 噴火?
▲764(天平宝字8)年 マグマ水蒸気噴火→マグマ噴火 大規模:天平宝字噴火:噴火場所は南岳東山腹。
鍋山が出現し、その前面の長崎鼻溶岩(瀬戸溶岩)が流出した。
マグマ噴出量は0.27 DRE km3
▲766(天平神護2)年 噴火 群発地震
▲950年頃 マグマ噴火 南岳火口、大平溶岩の流出。
▲1200年頃 マグマ噴火 南岳火口の北縁外側,降下火砕物、溶岩。中岳の形成。
▲1468(応仁2)年 噴火
▲1471~76(文明3~8)年 大規模:マグマ噴火 文明大噴火:噴火場所は北岳北東山腹および南岳南西山腹。
1471(文明3)年11月に黒神方面に溶岩流出、噴石、降灰、死者多数.1473(文明5)年噴火.1475(文明7)年9月降灰砂、野尻方面に燃崎生成. 1476(文明8)年10月島の北東側に多量の溶岩流出.噴石、降灰砂のため埋没家屋多数、人畜多数死亡。
総マグマ噴出量は0.77 DRE km3。(VEI4)
▲1478(文明10)年 噴火? 降灰。
▲1642(寛永19)年 噴火 4月。
▲1678(延宝6)年 噴火 3月。
▲1706(宝永2)年 噴火
▲1742(寛保2)年 噴火 4月。
▲1749(寛永2)年 噴火 降灰。
▲1756(宝暦6)年 噴火
▲1779~82(安永8~天明元)年 大規模:マグマ噴火 1779(安永8)年11月8日「安永大噴火」:噴火場所は(南岳山頂)、南岳南山腹、北岳の北東山腹から北東沖合の海底(1780、1781年)。
数日前から地震頻発、当日朝から海岸の井戸沸騰流出、海水紫に変色。 11:00頃から南岳山頂火口から白煙、14:00頃南岳南側中腹から黒煙を上げ爆発、まもなく北東側中腹からも噴火。 翌日早朝から溶岩を流出。夜には北東沖で海底噴火が始まる。その後1781年までに海底噴火により津波が発生、船が転覆する等の被害。 海底噴火地域の隆起により桜島北東海中に8つの小島が出現、その後接合あるいは水没して5島となる。 大正噴火後にまた1島が水没し、現存するのは4島のみ。死者150余名。マグマ噴出量は1.86 DRE km3。(VEI4)
▲1780(安永9)年 噴火 9、10月。海底噴火により津波発生。
▲1781(天明元年) 噴火 4月。噴火場所は高免(こうめん)沖の島。
津波を起し死者8名、行方不明者7名、負傷者1名。船舶6隻損失。5月にも高免沖で海底噴火。
▲1782(天明元年) 噴火 1月。高免沖で海底噴火。
▲1783(天明3)年 噴火 9月。南岳山頂火口。
▲1785(天明5)年 噴火 11月。降灰
▲1790(寛政2)年 噴火 7月。鳴動、降灰多量、農作物被害。
▲1791(寛政3)年 噴火 9月。降灰。
▲1792(寛政4)年 噴火 降灰。
▲1794(寛政6)年 噴火 降灰。
▲1797(寛政9)年 噴火 降灰多量、農作物被害。
▲1799(寛政11)年 噴火 3月。降灰、農作物被害。
▲1860(万延元)年 噴火 降灰。
▲1899(明治32)年 噴煙 9月。降灰。
1913(大正2)年 火山ガス 東桜島村有村で火山ガスにより母子死亡。
▲1914(大正3)年 大規模:マグマ噴火 1月12日「大正大噴火」:噴火場所は南岳西および東山腹。
噴火の1~2ヶ月前から桜島の一部集落で井戸水の水位が低下。
1月10日から地震、11日には有感地震も含め頻発、12日8:30頃脇、有村など島の南海岸から熱湯噴出。 噴火開始の2時間前には南岳の山頂と中腹から白煙が上昇、10:00頃西側中腹(標高約350m)から噴火、 約10分後には南東側中腹(標高約400m)からも噴火。黒煙・火山雷・空振など22:00から翌13日1:00にかけ特に顕著。 13日20:00頃から溶岩流出開始。西方の溶岩は海に達し沖合の烏島を飲み込む。約2週間後には流出が止まる。 一方,南東方の溶岩は脇、有村、瀬戸を埋没し、1月29日に瀬戸海峡を閉塞。降灰は仙台に達する。 マグマ噴出量は1.58 DRE km3 (VEI4)。噴火に伴う地盤変動大。
この噴火が始まった12日の18時29分(噴火開始から約8時間後)にマグニチュード7.1の強震が発生し、鹿児島市を中心に被害多発。 また、小規模な津波が発生。地震、噴火による被害は死者58名、負傷者112名、噴火による埋没・全焼家屋約2140戸,農作物大被害、地震による全壊家屋約120戸等。
▲1935(昭和10)年 噴火 9月。降灰多量、農作物被害。噴火地点は南岳山頂火口。10月にも噴煙。
▲1938(昭和13)年 噴火 3月。噴煙、降灰。
▲1939(昭和14)年 噴火 10~11月。噴火場所は南岳東南東中腹(昭和火口の形成)。
10月26日、南岳東南東の中腹(標高750m)で噴火し、29日には小規模な熱雲発生、11月3日には島外のかなりの範囲に降灰し、11月12日に活動停止。
▲1940(昭和15)年 噴火 噴火場所は昭和火口。
4月頃から噴煙増加し、6月に小爆発、降灰のため農作物被害
▲1941(昭和16)年 噴火 4~6月。噴火場所は昭和火口、南岳東南東中腹。
南岳東南東の中腹で時々爆発し、噴石、降灰など。8月にも爆発し、降灰。
▲1942(昭和17)年 噴火 7月。噴石、降灰、空振。
▲1943~45(昭和18~20)年 噴火 噴煙、鳴動。
▲1946(昭和21)年 中規模:マグマ噴火 昭和噴火:1~11月。噴火場所は昭和火口。
1月から鹿児島市までときどき降灰、3月にはほとんど毎日となる。3月9日の夜に昭和火口(標高800m)から溶岩を流し始める。 山麓で東北と南に分流し、東北方向の流れは4月5日に黒神海岸に、南方向の流れは5月21日に有村海岸に達した。 山林焼失、農作物に大被害、死者1名。6月には次第に噴火は衰えたが11月頃までときどき降灰。 マグマ噴出量は0.096 DRE km3
▲1948(昭和23)年 噴火 7月下旬。噴火場所は昭和火口。
▲1950(昭和25)年 噴火 6~9月。噴火場所は南岳山頂。ときどき小爆発、降灰。
▲1954(昭和29)年 噴火 12月。噴火場所は南岳山頂。11月上旬から白色噴煙の量がやや増加し、12月3日、7日、14日、15日に火口から高さ200~400mの灰白色の噴煙。
▲1955(昭和30)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 10月。噴火場所は南岳山頂。
10月13日14:52頃南岳山頂で爆発し、死者1名、負傷者7名、降灰多量(噴出物総量50万トン)で農作物に被害、15日15:08の爆発でも南岳で負傷者2名。
▲1956(昭和31)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
全年にわたり南岳山頂で繰り返し爆発。降灰、火山雷、噴石など。
▲1957(昭和32)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳でときどき爆発。被害を生ずるほど大きなものはなかった。
▲1958(昭和33)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。前年とほぼ同様。
▲1959(昭和34)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳で爆発、噴石のため1月には山火事発生、12月21日には旅館の土壁一部損壊。
▲1960(昭和35)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳での爆発回数は記録的に多かった。1月20日には噴石により黒神町で屋根瓦破損、降灰により停電。
▲1961(昭和36)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳で全年にわたりときどき爆発。3月6日には東桜島町で窓ガラス多数破損。
▲1962(昭和37)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。南岳でときどき爆発。
▲1963(昭和38)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。前年とほぼ同様。
▲1964(昭和39)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳の爆発は引き続き活発であったが、2月3日には中岳で登山者8名が重軽傷。
▲1965(昭和40)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。南岳の爆発回数はやや減少。
▲1966(昭和41)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。前年とほぼ同様。
▲1967(昭和42)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
1月以後爆発回数が増し、降灰、噴石、地鳴り、火山雷、火炎を伴うこともあり、5、7、10、11月には南岳火口に溶岩上昇が認められた。 11月1日には鹿屋海上自衛隊機のフロントガラス破損。
▲1968(昭和43)年 ブルカノ式噴火地震 噴火場所は南岳山頂。南岳の爆発回数やや減少。
5月29日未明に桜島東部で有感地震が群発(京都大学によれば、午前2時過ぎから7時半までに47回の有感地震を観測)。
▲1969(昭和44)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳の爆発は前年10月以後しばらく休止、2月18日に124日ぶりの爆発。以後ときどき爆発、7月降灰多量、8月火口に溶岩上昇認められる
▲1970(昭和45)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳の爆発回数は多くなかった。11月には噴石による山火事発生。
▲1971(昭和46)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。南岳の爆発は減少し、5月以後爆発なし。
▲1972(昭和47)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
3月2日に308日ぶりに南岳で爆発。次第に活発となり7月4日には航空機のガラス被害、9月13日には噴煙多量で、降灰のため農作物に大被害。 10月2日の爆発は大きな爆発音、空振を伴い、多量の赤熱噴石が3合目まで飛散、山火事多発。
▲1973(昭和48)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
火山礫で6月1日負傷者1名、車ガラス破損、11月28日車ガラス破損。降灰多量のため農作物の被害、車のスリップ事故など発生。
▲1974(昭和49)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に夏季に爆発回数増加。降灰多量のため農作物被害大。土石流、鉄砲水など二次災害発生し、6月17日と8月9日に合計8名死亡。 2月8日噴石でビニールハウス、窓ガラス、車ガラス等の被害。
▲1975(昭和50)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に2~4月と11月に爆発増加。3月12日と6月23日は地震群発し、火口周辺で震度1~2の有感地震もあった。 8月以降火映が頻繁。10、11月には強い鳴動を鹿児島地方気象台でも観測。爆発音は2、12月には都城市で、3、11月には都城市、宮崎市でも聞えた。 3月13日日南市(火口の東南東70km)まで降灰。7月5日高免町、黒神町で降灰(通称赤灰)により農作物に被害。 11月には鹿児島市に降灰多量。4月8日航空機のガラスにひび割れ。4月17日、9月17日大雨による土石流、4月桜島町の河川氾濫、県道一時不通。 9月野尻川、古里川氾濫、橋のブロック破損や乗用車が流されたり、国道が不通となったりした。
▲1976(昭和51)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に5月から爆発が増え、火山灰の噴出も多くなった。9、12月爆発音が都城市でも聞えた。 5、6月鹿児島市に降灰多量。5月13日には日南市、串間市まで降灰、黒神町、垂水市牛根で噴石により、車48台のガラス破損、大隅半島で農作物に被害。 5月17日空振により、桜島の南~南東側、古里町のホテルの窓ガラス24枚・垂水市海潟の小学校の窓ガラス100枚以上が破損、火山礫により有村町で車4台のガラス破損。 6月9日桜島白浜仁田河原で、6月10日ハルタ山山腹で土石流。8月30日22:25桜島町と鹿児島市吉野町で有感地震(震度1)、震源は桜島町藤野付近。 9月7日桜島町に降灰(通称赤灰)多量。9月9~12日火山ガスで農作物に被害。12月11、13日黒神町塩屋ヶ元と宇都で噴石により車各1台のガラス破損。
▲1977(昭和52)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
5月から爆発が多発、5~9月火山灰の噴出多量、11、12月には爆発力の強いものが多かった。5~9月鹿児島市内に降灰多量。 11、12月宮崎市、都城市、日南市で爆発音。空振により2月1日垂水市海潟の小学校の窓ガラス56枚、12月8日古里町で窓ガラス3枚破損。 11月30日有村町に人頭大の噴石落下、古里町、有村町では噴石による火災3件、空振により窓ガラス多数(100枚以上)破損、有村町で火山礫により車1台のガラス破損。 5月2日車2台、4日車1台のガラス破損。12月25日航空機のガラスにひび割れ。
▲1978(昭和53)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
爆発力が強いもの(特に1~3月)と火山灰の噴出が多かった。爆発音は宮崎市、都城市まで時々、5月22日は屋久島、枕崎市でも聞こえた。 空振により1月19日垂水市牛根で1枚、1月20日古里町で3枚、3月4日古里町で1枚、同28日19枚、5月22日垂水市海潟の小学校で25枚の窓ガラス破損。 8月10日東桜島支所で1枚の窓ガラス破損。5、7~10月には鹿児島市に降灰多量。 7月31日鹿児島市吉野町に火山礫(最大径約3cm)多量に降り、水俣市にも降灰、桜島町で負傷者3名、車77台のガラス・住家の窓ガラス151枚破損、鹿児島市でも車7台のガラス破損。 市電交通障害、吉野町で停電事故。7、8月桜島・鹿児島市で農作物に被害。3月12日有村町付近で車1台のガラス破損。12月4日航空機のガラスにひび割れ。
▲1979(昭和54)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
南岳は5~7月爆発なし、その他は全月爆発。特に10~12月多発。11月12日古里町方面に降灰多量、農作物に被害、停電事故発生。 9~11月鹿児島市に降灰多量。6月29日~7月3日黒神町で火山ガス、4日降灰(通称赤灰)により農作物に被害。 1月5日垂水町海潟で5台以上、11月10日古里町で1台、同18日黒神町で車数台のガラス破損。11月18日(2件)、12月18、24日航空機のガラスにひび割れ。
▲1980(昭和55)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に5月は活発。4、5月は鹿児島市内に降灰多量。3月21日黒神町で降灰と火山ガス。 5月8日降灰で鹿児島の市電脱線・停電事故。5月2日市電の脱線事故。5月12日黒神町、持木町で土石流、持木川では橋のガードレールやブロック破損。 11月8日有村町で車5台のガラス破損。11月28日空振により古里町で窓ガラス2枚破損。
▲1981(昭和56)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
6月から火山灰の噴出が多くなり、8月から爆発が多発。6、8、9月鹿児島市に降灰多量。 1月20日山麓の有村町で噴石により直径1.3m、深さ0.5mの穴があき、山火事発生。 11月16日古里町側の山腹で山火事。11月21日有村町で車数台のガラス破損。
▲1982(昭和57)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に3月爆発多発。6月14日黒神町で車1台のガラスと家屋の窓ガラス1枚破損。 7月24日土石流により持木川の橋が流された。 8月24日桜島町・鹿児島市に降灰多量、県庁屋上で5.3kg/m2降灰、交通障害発生。 11月23日航空機のガラスにひび、桜島口付近で車1台ガラス破損。
▲1983(昭和58)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に2月爆発多発。1月26日桜島口~有村方面で車4~5台ガラス破損。 2月2日桜島南部の河川で土石流発生、古里地区では砂防用コンクリート壁を倒し、国道224号を500mにわたって埋め、ホテル、商店、民家に土石浸入。 2月18日有村町で噴石落下、物置小屋焼失。 2月21日有村町付近で車4台ガラス破損。3月2日桜島の東、南部で土石流発生、黒神川と有村川氾濫、国道一時通行止め。 5月22日黒神町で火山雷により停電、テレビ、クーラー故障。 5月26日持木町、東桜島町で車23台以上ガラス破損、体育館の屋根20か所にひび割れ、園芸温室のガラス屋根1枚破損。 8月2日京都大学防災研究所ハルタ山観測室構内に、直径50~60㎝の噴石落下。 8月14日野尻町で車16台ガラス破損。民家2棟の窓ガラス、物置小屋のタキロン屋根太陽熱温水器3台破損、また、対岸の鹿児島市鴨池新町で車3台ガラス破損。 8月16日持木町、東桜島町で車26台ガラス破損、太陽熱温水器4台破損。 8月17日有村町で車1台ガラス破損。8月27日桜島町西白浜で太陽熱温水器2台破損。 9月19日降灰により鹿児島市電脱線。 9月20日空振により鹿児島市鴨池新町の寺院(火口の西約10km)で窓ガラス数枚、桜島町白浜で火山礫により太陽温水器1台破損。同日、野尻町野尻川で土石流発生、一時国道閉鎖。 10月10日持木町、野尻町で車2台ガラス破損。12月7日垂水市牛根で車1台ガラス破損。12月13日古里町で窓ガラス9枚以上破損。
▲1984(昭和59)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に12月爆発多発。 1月4日有村町で車1台ガラス破損。 1月10日火山礫により黒神小学校の引戸ガラス1枚破損。 1月11日東桜島町の民家窓ガラス1枚、古里町のホテルガラス戸2枚破損。 2月4日の爆発では火山雷38回、700mの火柱。 2月28日有村展望所で径6~7mmの白っぽい火山礫が降った。 3月8日有村町で車1台ガラス破損。 4月12日古里町のホテルガラス戸など2枚、黒神小学校の窓ガラス1枚、鹿児島港待合所及び県警本部で窓ガラス各1枚破損。 4月19日第2古里川で土石流発生、ホテル、民家7棟が被災し、国道224号に土砂が氾濫した。 4月29日鹿児島市鴨池町で窓ガラス1枚破損。 5月4日鹿児島市易居町で窓ガラス1枚破損。 5月8日野尻町で病院の網入りガラス1枚にひび割れ。 6月3日桜島町横山で窓ガラス破損、1名負傷、同町藤野中学校の窓ガラス2枚、同町小池の民家の窓ガラス1枚破損。 6月8日黒神川や周辺で土石流発生、消防車が押し流されて横転、国道一時通行止め、欄干、水道管破損。 7月21日噴石が有村地区に飛散、民家11棟の瓦37枚を割り、屋根を突き抜けボヤ発生、道路5か所・畑など3か所に被害。 8月25日野尻川で大規模な土石流発生、国道一時通行止め、欄干破損、住民避難。 12月13日延岡市、12月20、27日宇和島で空振が感じられた。 12月20日有村付近から桜島口にかけて車数台ガラス破損。 12月31日古里町でホテル窓ガラス11枚破損。
▲1985(昭和60)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
特に7、12月爆発多発、年間回数は474回に達した。空振が宮崎市、都城市、日南市、延岡市、日田市、飯塚市、宇和島市で感じられた。 1月29日古里町でガラス1枚破損。 2月24日有村付近で車28台ガラス、桜島口で電話ボックスのガラス1枚破損、垂水市牛根麓で屋根瓦や太陽熱温水器が破損、被害家屋53棟。 3月31日有村付近で車3台ガラス破損。 4月9日小規模の熱雲。 4月13日有村付近で車5台ガラス破損、スリップ事故発生。 6月8日東桜島町湯之の持木登山道に直径50~70cmの噴石が落下、アスファルト舗装陥没。 6月13桜島町赤水と野尻町で太陽熱温水器26台と車13台ガラスが破損。降灰により市電の踏切11か所で遮断機故障。 6月22日古里町でガラス破損、高免で車1台ガラス破損。 6月30日野尻町の畑に噴石落下、最大直径3.7m、深さ1mの穴をあけ、近くの家畜小屋2棟の屋根損傷、持木登山道に直径25cmの噴石落下、アスファルト舗装損傷。東桜島で車11台ガラス破損。 7月2日野尻川、黒神川で土石流発生、国道一時通行止め、住民避難。 7月6日有村町の小屋に噴石落下(火口から約3km)、屋根に直径2mの穴をあけ、1階の床を突き抜けボヤが発生。 7月10日有村町の民家裏に噴石落下(火口から約3km)、破片で住宅の屋根瓦16枚と戸袋破損、電線切断。 7月21日降灰により鹿児島市内のJR踏切で遮断機作動せず事故発生、同市高麗町で学校の窓ガラス5枚、同市上福元町で窓ガラス1枚破損。 9月12日黒神町で車1台ガラス破損。 11月25日熱雲らしきもの。 12月3日鹿児島市内22か所と桜島3か所で玄関ガラス8枚、窓ガラス180枚破損。 12月5日有村付近で車1台ガラス破損。 12月16日有村付近で車1台ガラス破損。 12月19日早朝垂水市二川、牛根麓で57戸の窓ガラス85枚破損、黒神町で車1台ガラス破損。夕方には有村町の宅地内茶園に噴石落下、直径1mの穴があく。
▲1986(昭和61)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
7、12月爆発やや減少。空振が宮崎市、都城市、日南市、日田市、延岡市、屋久島で感じられた。 1月1日有村付近で車6台ガラス破損。 2月6日垂水市で82枚窓ガラス破損、テレビ落下破損、柱時計落下破損、古里町で窓ガラス4枚、黒神町で窓ガラス1枚、鹿児島市与次郎浜で窓ガラス1枚。 4月16日東桜島町でガラス1枚、有村町でガラス1枚、古里町でガラス1枚、そのほか、民家の窓ガラス数枚破損、噴石が野尻川土石流警報装置ケーブルを切断。 4月23日黒神町で車1台、垂水市牛根麓で車7台ガラス破損。 6月10日持木町から野尻町にかけて車3台ガラス破損。 6月12日桜島町小池で車1台ガラス破損。 6月24日高免地区で太陽熱温水器1台破損、事務所・倉庫スレート屋根10棟破損、牛舎スレート屋根16棟60枚破損、住宅屋根3棟破損、国分市上空で航空機ガラスに傷。 10月30日有村で車3台、そのほかで車3台ガラス破損。 11月21日桜島口で車3台ガラス破損。 11月23日、大きな噴石が複数個、古里町に落下、うち1つは、平屋のホテルの屋根と鉄筋コンクリートの床を突き破り、径約3mの穴をあける。 従業員と宿泊客の計6名が負傷。また、同ホテルから700m北西の牛舎付近に落下した噴石により、飼料乾燥室が全焼。 12月19日垂水市牛根麓で車1台ガラス破損。 12月30日黒神町から桜島口にかけて直径4~5cmの噴石が落下、黒神町で車6台、垂水市牛根麓から二川で車8台ガラス破損。
▲1987(昭和62)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
2~8月爆発回数減少(8年ぶり)。 7月17日持木川で土石流発生、護岸堤防破損、住民避難。 9月24日桜島町武で車6台ガラス、太陽熱温水器14台、車1台損傷。タキロン屋根1件、窓ガラス1件、姶良町で車1台ガラス破損。 11月14日南東海岸付近で車1台ガラス破損。 11月17日の夜半,大きな爆発が2時間継続。1000mの火柱が観測され、火砕流が数回発生。また火山雷も多数発生した。 噴出物は軽石が主体であったが、軽石状に発泡した異質物質も多量(5 %以内)に含まれていた。噴出量は約40万トンであった。 東桜島町湯之の廃車置場に噴石落下し、廃車10台焼失。風下側の垂水市・輝北町で車10台ガラス、太陽熱温水器23台破損、曽於郡大隅町で車のスリップ事故発生。 11月28日垂水市5か所で8枚、古里町のホテルで1枚窓ガラス破損。
▲1988(昭和63)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
年の後半爆発回数減少。空振が宮崎市、都城市、日南市、宇和島市で感じられた。 1月30日古里町のホテル3棟34枚・民家1枚の窓ガラス破損。 2月3日桜島口で車ガラス2台、4枚の窓ガラス破損。 2月9日身代湾付近で車1台ガラス破損。 2月10日有村町で車1台ガラス破損。 3月27日黒神町で車2台ガラス破損、古里町でホテルの窓ガラス2枚破損。 6月15~16日3回の爆発を含む活発な噴煙活動が続き、鹿児島地方気象台の日降灰量2.67kg/m2(観測史上最多)。 6月20日鹿児島市電が脱線事故。 8月22~23日野尻川で土石流3回、国道一時通行止め、住民避難。
▲1989(平成元)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
1~9月爆発回数は月1~3回と少なかった。 1月28日古里町付近で車8台ガラス破損。
▲1990(平成2)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
爆発による被害は、5月1日建物ガラス21枚、8月28日車ガラス2台、11月30日8:30車ガラス13台以上・建物ガラス4枚、11月30日15:04建物ガラス5枚、タキロン屋根15枚、車ガラス7台、12月25日車ガラス1台。
▲1991(平成3)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
爆発による被害は、5月10日窓ガラス1枚、6月29日窓ガラス1枚、屋根6枚、車ガラス2台、8月5日航空機ガラス、8月20日・11月18日 自動車ガラス1台、12月5日建物ドアガラス1枚。年間295回爆発。
▲1992(平成4)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
爆発による被害は1月2日、2月1、2日車ガラス(各1、7、2台)。年間165回爆発。
▲1993(平成5)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
爆発による被害は4月7日車ガラス1台。年間91回爆発。
▲1994(平成6)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
2月2日自動車2台ガラス破損。年間爆発148回。
▲1995(平成7)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
8月23~25日活発に噴火し、交通障害、九州北部まで降灰。年間爆発226回。
▲1996(平成8)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
1~3月までは高いレベルの活動が続き、3月は爆発回数が69回(歴代5位)に達した。4月以降は総じて穏やかな活動が続き、8月は1ヶ月間噴火がなかった。 また、10月の地震回数と微動回数の合計20回は、1965年(昭和40年)1月の観測開始以来最少であった。年間の爆発回数は171回。この年は火山活動による被害は発生していない。
▲1997(平成9)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
年間を通して穏やかな活動が続いた。3月は地震がやや多くなり、5月11日の爆発では噴石が4合目まで飛散した。 年間の爆発回数は35回と少なく、桜島が噴火活動を開始した1955年(昭和30年)以降では5番目に少ない回数となった。火山活動による被害は発生していない。
▲1998(平成10)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
年間を通して総じてやや活発な火山活動が続いた中で、5月19日に火山性地震の群発が発生し、その後2週間にわたり噴火活動が活発となった。 地震の群発は19日17:00過ぎから20日0:00頃まで7時間継続し、総地震回数は334回、A点における地震の最大振幅は6μmであった。 この地震の群発に先立って5月4日と9日に南岳火口直下を震源とするA型地震が1回ずつ発生している。地震の群発後、南岳の噴火活動が活発化し、 20日に5回、21日に6回の爆発があり、2週間にわたり噴火・爆発を繰り返した。 年間の爆発回数は103回。火山活動による被害は発生していない。
▲1999(平成11)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
前半は総じて穏やかな火山活動が続いていたが、7月から噴火活動が活発になった。 3月10日に火山性地震が群発し、その後1週間にわたり噴火活動が活発になったが、その後は7月中頃まで比較的穏やかな活動が続いた。 5~7月にかけてA型地震が10~20回/月に増加し、7月下旬から噴火活動が活発になった。特に10月30日夜から31日朝にかけて火山性地震の群発があり、その後は活動レベルの高い状態が続いた。 12月10日5:00の爆発では火柱1000m、多量の噴石を4合目まで飛散する爆発が発生し、黒神町の県道一帯に最大径4~5cmの火山礫が落下した。 幸い爆発が早朝であったため、人や車の通行がなく火山礫による被害は報告されていない。この年12月の爆発回数は88回と歴代2位を記録するなど、活発な状態は翌年2月中頃まで続いた。 なお、年間の爆発回数は237回。火山活動による被害は発生していない。
▲2000(平成12)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
前年に引き続き2月中頃まで噴火活動が活発であった。 3月以降は比較的穏やかな活動が続いたが、10月7日16時42分の爆発で噴煙を火口上5000m以上あげ、桜島町袴腰付近で最大径3~4cm火山礫により車のガラス35台以上を破損した他、 ビニールハウスのフィルム等が破れる被害があった。 また、強い東風のため、鹿児島市中部から北部にかけて大量の降灰があり、北埠頭周辺では直径2~3mmの火山礫も飛散。 噴火活動は10月中旬から11月上旬にかけて一時期やや活発になった。年間の爆発回数は169回。
▲2001(平成13)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
年間を通してやや活発な火山活動が続いた中で、8月は1ヶ月間に44回の爆発があり、一時的に火山活動が活発になった。 年間の爆発回数は110回。噴火活動による被害は発生していない。
▲2002(平成14)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
比較的静穏であった。年間の爆発回数は59回とここ10年で2番目に少ないなかで4月上旬と11月中旬に噴火活動がやや活発化した。 火山性地震、火山性微動は少ない状態で経過した。噴火活動による被害は発生していない。
▲2003(平成15)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
比較的静穏であった。年間の爆発回数は17回。山頂噴火を始めた1955(昭和30)年以降では、1955年(6回)、1971(昭和46)年(10回)に次ぐ少ない1年だった。 11月中、下旬と12月31日にA型地震が増加した。火山性地震、火山性微動は総じて少ない状態で経過した。噴火活動による被害は発生していない。
▲2004(平成16)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
比較的静穏。年間の爆発回数11回。噴火活動による被害なし。
▲2005(平成17)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂。
比較的静穏。年間爆発回数12回。噴火活動による被害なし。
▲2006(平成18)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
比較的静穏。6月4日南岳東斜面(昭和火口)で新たな噴火が開始し、6月20日まで断続的に続く。年間の爆発回数15回(すべて南岳山頂火口)。噴火活動による被害なし。
▲2007(平成19)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
比較的静穏。5~6月にかけ昭和火口で噴火活動。年間の爆発回数10回(すべて南岳山頂火口)。噴火活動による被害なし。
▲2008(平成20)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
昭和火口の活動が活発化。2月3日に昭和火口で爆発、6日には爆発に伴った火砕流が昭和火口から東側へ1.5km流下。 4~9月にかけ昭和火口では噴火や爆発を繰り返す。7月28日の噴火では熊本県芦北地方まで降灰。年間の爆発回数は南岳山頂火口で4回、昭和火口で25回。
▲2009(平成21)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
昭和火口では、2月1~2日に噴火活動が一時的に活発となり2月5日まで続いた。 3月1~2日にも昭和火口の噴火活動が活発となり、 3月10日5:22分の爆発では、大きな噴石が2合目(昭和火口から2km付近)まで達した。 4月9日15:31に昭和火口で噴煙が火口縁上4、000mを超える爆発、火砕流発生。 6月下旬から昭和火口の噴火活動が再び活発化。 10月3日16:45に南岳山頂火口で爆発。噴煙が火口縁上3、000mまで上がり、大きな噴石が4合目まで達した。 10月以降は昭和火口の爆発の回数が更に増加。年間の爆発回数は南岳山頂火口で3回、昭和火口で545回。
▲2010(平成22)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口。
昭和火口では、活発な噴火活動が継続。年間の爆発回数は896回(すべて昭和火口)。7月にA型地震増加。
▲2011(平成23)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
昭和火口では、活発な噴火活動が継続。南岳山頂火口では2月7日に2回爆発が発生。年間爆発回数は、南岳山頂火口が2回、昭和火口が994回。
▲2012(平成24)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口及び昭和火口。
昭和火口では、活発な噴火活動が継続。南岳山頂火口では、7月24日19時15分、および12月2日16時34分に爆発が発生。
年間爆発回数は、南岳山頂火口が2回、昭和火口が883回。
▲2013(平成25)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、活発な噴火活動が継続。8月以降噴煙高度が3,000mを超える噴火が増加。8月18日16時31分の爆発では、 噴煙が火口縁上5,000mに達し、鹿児島市内から薩摩川内市甑島にかけて広範囲で降灰を確認。9月4日鹿児島市古里町から有村町にかけて 最大約4cmの小さな噴石(火山れき)により十数台の車でガラスが割れる被害が発生。垂水市中俣地区(昭和火口から南南東側約8km)でも 約1.5cmの小さな噴石(火山れき)により1台の車でガラスにひびが入る被害を確認。 9月25日の爆発では、噴煙が火口縁上4,000mまで上がり桜島島内から種子島にかけて降灰を確認。鹿児島市有村町では最大約2cmの小さな噴石(火山れき)により数台の車でガラスが割れる被害が発生。年間の爆発回数は835回(すべて昭和火口)。
南岳山頂火口では、ごく小規模な噴火が1月、8月、11月、12月に発生。
▲2014(平成26)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、活発な噴火活動が継続。5月10日13時07分、6月6日13時11分の爆発では、噴煙が火口縁上4,500mに達した。 大きな噴石が、3合目(昭和火口から1,300~1,800m)まで達する爆発が10回発生、火砕流は3回発生。
南岳山頂火口では、11月7日に小規模な噴火が発生し、噴煙が火口縁上1,400mまであがった。そのほかごく小規模な噴火も発生。
年間爆発回数は、450回(すべて昭和火口)。
▲2015(平成27)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火)、地殻変動 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、6月までは活発な噴火活動がみられたが、7月以降は活動が低下。 5月21日10時20分の爆発では、噴煙が火口縁上4,300mに達した。 大きな噴石が、3合目(昭和火口から1,300~1,800m)まで達する爆発が12回発生し、火砕流は6回発生。
南岳山頂火口では、9月13日、9月28日に小規模な噴火が発生し、噴煙が最高で火口縁上2,700mまであがった。そのほかごく小規模な噴火も発生。
8月15日07時頃から桜島島内を震源とする火山性地震が多発。最大の地震は15日10時47分に発生した最大震度2。8月15日09時頃から、桜島島内に設置されている傾斜計及び伸縮計で山体膨張を示す急激な地殻変動が観測され、GNSS連続観測でも島内の基線を主として数cm程度の比較的大きな変動がみられた。これらの活動は、南岳直下の海面下1~3kmを中心とする領域にマグマが板状に約200万立方メートル貫入したと考えられる。
年間爆発回数は、737回(すべて昭和火口)。
▲2016(平成28)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、2月から7月まで活発な噴火活動がみられたが、8月以降は活動が低下。7月27日以降、小規模以上の噴火は観測されなかった。噴煙の高さが 3,000mを超える噴火が6回発生。火砕流は4回発生。2月5日 18時56分に爆発が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が3合目まで達した。4月29日17時17分の噴火では、火砕流が昭和火口の南東側へ約 500m流下し、4月30日09時25分の噴火では、昭和火口の東側へ約500m流下。7月26日00時02分の爆発では、噴煙が火口縁上5,000mまで上がり、桜島島内の西側から南西側でやや多量の降灰が観測されたほか、鹿児島市から日置市にかけての広い範囲で降灰を確認。7月27日から噴火は観測されていない。
南岳山頂火口では、3月から6月にかけて小規模な噴火が時々発生。爆発は発生しなかった。5月13日16時38分の噴火で、噴煙が火口縁上3,700mまで上がった。
年間爆発回数は、47回(すべて昭和火口)。
▲2017(平成29)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、前年7月から噴火は観測されなかったが、4月26日の噴火以降、10月中旬頃まで活発な噴火活動が継続。噴煙の高さが3,000mを超える噴火が10回発生。5月2日03時20分の噴火では、噴煙が火口縁上4,000mまで上がり、桜島の西側から北西側の鹿児島市から日置市及びいちき串木野市にかけての広い範囲で降灰を確認。9月29日00時55分及び10月1日21時35分の爆発では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(昭和火口より800~1,300m)まで達した。
南岳山頂火口では、3月25日18時03分の噴火で、火砕流が南岳山頂火口の南側へ約1,100m流下。11月7日10時25分には爆発が発生。11月13日の爆発では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が5合目(南岳山頂火口より1,000~1,300m)まで達した。この噴火に伴い、鹿児島県及び宮崎県の一部では、窓ガラスが揺れるなどの空振があった。その後も同月14日まで火口周辺に噴石を飛散させる程度のごく小規模な噴火が断続的に発生。11月13日から11月29日にかけ、火映を時々観測。
年間爆発回数は、81回(昭和火口:77回、南岳山頂火口:4回)。
▲2018(平成30)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
南岳山頂火口を中心に噴火活動が活発となった。6月16日07時19分の爆発で、多量の噴煙が火口縁上4,700mまで上がり、火砕流が南岳山頂火口の南西側へ約1,300m流下。7月16日15時38分の爆発では、多量の噴煙が火口縁上4,600mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が4合目(南岳山頂火口より 1,300~1,700m)まで達した。また、同火口では火映を時々観測。
昭和火口では、年間で噴火が4回発生。4月3日以降、噴火は観測されなかった。4月1日16時11分の噴火で、火砕流が昭和火口の東側へ約 800m流下した。
年間爆発回数は、246回(すべて南岳山頂火口)
▲2019(令和元)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口。
南岳山頂火口では、噴火活動が 2月頃から8月頃まで低調であったが、9月以降、再び活発な状態となった。7月28日17時25分の爆発及び同日17時54分の噴火で、それぞれ多量及びやや多量の噴煙が火口縁上 3,800m及び 3,500mまで上がった。火口から北側の鹿児島県霧島市、湧水町及び熊本県の一部などで、降灰を確認。弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で4合目(南岳山頂火口より 1,300~1,700m)まで達した。また、同火口では火映を時々観測した。
年間爆発回数は、228回(すべて南岳山頂火口)
▲2020(令和2)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口。
南岳山頂火口では、噴火活動が 2019 年9月以降活発となり、3月から6月にかけて噴出規模の大きな噴火の頻度が増加し、噴煙高度が火口縁上3,000mを超える噴火の頻度が増加。6月4日02時59分の爆発では、大きな噴石が火口より約3kmの地点まで飛散しているのを確認。大きな噴石が火口から3kmを超えて確認されたのは、1986年11月23日以来。7月頃には、噴火回数が減少し噴火活動は低下したが、8月以降、噴火活動は緩やかに活発化の傾向。8月9日05時38分の爆発では、多量の噴煙が火口縁上 5,000mまで上がり、鹿児島市、姶良市、霧島市、湧水町及び宮崎県と熊本県の一部で降灰を確認した。昭和火口では、噴火は観測されなかった。
年間爆発回数は、221回(すべて南岳山頂火口)
▲2021(令和3)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口。
南岳山頂火口では、2020年12月頃から活発な噴火活動が続いてたが、2021年5月に入り低下した。噴煙が火口縁上3,000mを超える噴火が2回発生し、3月27日02時36分の爆発では、やや多量の噴煙が火口縁上3,200mに達した。大きな噴石が4合目(南岳山頂火口から1,300~1,700m)まで飛散する爆発が3回発生した。また、同火口では、火映をほぼ連日観測した。昭和火口では、噴火は観測されなかった。
年間爆発回数は、84回(すべて南岳山頂火口)。
▲2022(令和4)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は南岳山頂火口。
南岳山頂火口では、6月まで噴火活動は概ね低調な状態で経過していたが、7月中旬以降は活発となった。噴煙が火口縁上3,000mを超える噴火が3回発生し、1月28日13時19分の爆発では、多量の噴煙が火口縁上3,400mに達した。7月24日20時05分の爆発では、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から東方向へ概ね2.4kmまで飛散した。また、同火口では、火映をほぼ連日観測した。昭和火口では、噴火は観測されなかった。
年間爆発回数は、85回(すべて南岳山頂火口)。
▲2023(令和5)年 噴火(ブルカノ式噴火・連続噴火) 噴火場所は昭和火口及び南岳山頂火口。
昭和火口では、2月8日から噴火活動が時々みられた。昭和火口において噴火を観測したのは、2018年4月2日以来。
南岳山頂火口では、2022年7月中旬頃から2023年5月頃にかけて噴火活動が活発となった。その後噴火活動は低調な状態で経過したが、10月中旬から下旬にかけて一時的に活発となった。10 月 24 日には、03 時 46 分に発生した噴火が 04 時 30 分頃まで継続し、噴煙は火口縁上 3,400mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石は南岳山頂火口から概ね 1,200mまで達した。黒神町、有村町、黒神町で降灰を確認した。また、同火口では、火映をほぼ連続的に観測した。
年間爆発回数は、89回(昭和火口:4回、南岳山頂火口:85回)

日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)による。2012年以降は火山活動解説資料(年報)による。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。



このページのトップへ