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7 6 7 Jidai kyogen kessaku shu 

K26 
v.6 



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c u y 



I く^ : 



解 說 

WIS たに ふなば £6- 

一 一谷 嫩 軍記」 は資曆 元年 十二月、 大阪豐 竹 座に 初めて 上場され た 義太夫 劇で、 作者 は 並木 宗輔、 淺 

田 一 鳥、 浪岡 驗兒、 並木 正 三、 難 波 三藏、 豐竹 甚六の 合作になる ものであるが、 三段目の 切、 (卽ち 本 

卷に牧 めた もの) 迄 は、 宗輔の 筆に なった ものである。 四 段 目の 道行 『花の 追風』 と 云 ふ 菊の 前の 道行 

から、 岡 部六彌 太と 菊の 前との 件り は、 前記した 他の 作者 達が、 宗輔の 案に 隨 つて 書いた ので ある。 

この 新作 淨 瑠璃 は大 好評 裡に迎 へられ、 古今の 大入りで 翌年 迄打績 け、 盆から は 切に 操り 踊り を附 

けたと 傳へ られ る。 

この 曲 は 全段で 五段 物、 その 場 割 を 擧げて 見る と、 

序 段の 口 は 堀川 御所の 場で、 本卷の 序幕に 當 るが、 原作で は、 熊 谷 も 六 彌太も 自身に 顏を 出す ので 

あるが、 歌舞伎の 方で は 立 物の 役者が 序幕から 出る の を 好まない 習慣が あつたので、 堤 軍 次と 深 谷 七 

郞 とが 代理に くる 事に なって ゐる。 又 俊 成から 使に 來る 萩の 侍從 とい ふ 女 も、 原作で はや はり 菊の 前 

が この 使に 來 るので ある。 中 は 北 野天 神の 場で、 義經と 卿の 君が 花見の 折 柄、 卿の 君 は 自分が 時忠の 

懈 a i 



時代 狂言 傑作 集 一 1 

娘で ある 所から 義經の 身に 後難の 來 るの を 恐れて、 自害す る 場。 切 は 參議經 盛 邸の 場。 敦 盛の 身分に 

っハて はこの 段に 「口外へ 出さねば 知る 人 ある まじ。 そ もこの 敦盛卿 は 我 子に て 子に 非す もとこの 御 

臺 i の 方 は 法皇へ 宫仕 へし 御 寵愛 深う して、 御 胤 を 身に やどせし が 人の 妬みの 強ければ と、 先祖 平の 

忠 盛へ 白河院 より 下されし 祇園 女御の 例に 任せ、 懐胎の 身 を その 儘、 某が 妻に 賜 はりて 出生 ありし こ 

の敦 盛」 と ある。 それ故に 義經は 孰 盛 は 院の御 胤と て 熊 谷に 因果 を 含める ので ある。 經盛は 院の御 胤 

故に、 平家の 犠牲になる なと 勸め るの を 敦盛は 振 切って^ 陣 する。 養女の 玉 織 姬も後 を 追 ふ。 この 前 

に 玉 織 は 時忠の 娘で あるから 時忠の 許し を 得て、 平 山の 武者 所が 妻に ほしいと て大館 玄蕃を 使者に よ 

こす。 玉織姬 はけ がら はしい とて 玄蕃を 切捨てる。 かう いふ 經緯が あるから、 須 磨の 濱邊で 平 山が 玉 

織姬 をく どくので ある。 

l、&Ii^li は 陣門。 4. は 組 打。 切は菟 原の 里。 いづれ も 本 卷に牧 めた 場で ある。 

11; ゆ 1^61^ は 彌陀六 家の 場。 彌陀 六の 娘 小雪 (實は 重 盛の 子) と 若衆 (實 は敦 盛) との 色模様が あ 

り。 4. は 石塔 場。 切 は 熊 谷 陣屋になる • , ■ 

^あ ぁ は 道行の 後六彌 太の 邸で、 舅と か しづく 樂人齋 は實は 三位 中 將重衡 の 家臣、 臆病者の 名 を 取 

つた 後藤 兵衞守 長の 子で あり、 卽ち菟 原の 里の 太 五平で ある。 一 の 谷で 六彌 太が 忠 度に 組みし かれた 



の を 太 五平が 忠 度の 右の 腕 を 切り 六 彌太を 助けた ので、 六 彌太は 太 五平 を 命の 親と し 舅と 云 はせ るの 

である。 菊の 前 は 夫の 敵六彌 太に 一 太刀 恨みん とやって 来る。 太 五平の 妹 初霜 は 島 原の 太夫 菅原 とて 

六彌 太に 身請け されて 來る。 樂人齋 は 六 彌太を 殺さう と し て 事 成就し ない 中に 六彌 太に 見 あら はさ 

れ、 割腹して 死ぬ。 菊の 前 は 夫の 敵 は六彌 太で なく 太 五平で ある 事 を 知り、 太 五平 を 切る。 菅原、 

林、 菊の 前 は その後 六彌 太の 情で いづく ともなく のがれ 去る。 

五段 目 は 義經が 時忠を 法師に して、 源氏の 繁榮を 祝して めでたく 納まる。 

さて この 作 を 歌舞伎に 移して 江戸で 初めて 演じた の は、 寶曆七 年の 森 田 座で 中村傳 九郞、 澤村宗 十 

郞 (二世) 等の 一座で あつたが、 役割 は 判明し ない。 次いで 明 和 七 年の 六月、 市 村 座で 初代 尾 上 菊 五 

郞が熊 谷 を 勤めた が、 評判 はよ かった と傳 へられる。 その 次 は 寬政七 年の 三月 都 座で 上演。 その 時の 

役割 は、 

熊 谷、 六彌太 (三世 澤村宗 十郞) 相模、 菊の 前 (三世 瀧 川 菊 之亟) 忠度、 義經 (二世 坂 東彥三 

郎) 敦盛、 小次郞 (岩 井条 三郞) 等であった。 

右の 如く 種々 な 役者が 熊 谷 を 演じた が、 熊 谷 役者と して 最も 適役で あつたの は、 四 代 目の 市 川團十 

郞で、 後世に 傳 へられた 型 は、 大抵 この 人に よって 定められ たもの だとい ふ。 大阪 では 三代 目の 中 村 



時代 狂言 傑作 集 ほ 

(梅 玉) 歌 右衛門が この 役 を 得意と したが 「小兵ながら 手 だれの 芝翫 なれば 故人の 仕來 と 違 ひ、 新 

らしき 無量の 思 入 を 加へ たりければ、 二の ロ須 磨の 浦 組 討の 場 は 古今に ある まじと 評よ かりき。 三の 

切物 語 迄よ く、 幕 切、 切拂 うたる 有髮の 僭の 所に て、 兜の 下く りく 坊主な り。 義經 より 暇の 出る や 

否 やわから ぬに 靑坊 主になる と は、 あまりなる 思 入と て 甚だ 不評」 (文化 十 年 歸阪の 折) であった と、 

西澤 一鳳 は その 著 傳奇作 書の 中に 記して ゐる。 しかも その後 度々 出し、 坊主頭 も 見馴れた 故 見物 も 笑 

はすな つたと 云 ふ。 然して 今日で は、 皆 この 型に よって ゐ るので ある。 

今日 行 はれる 熊 谷の 型に は 二通り ある。 一は 圑十郞 型、 一は 芝翫 型で ある。 圑十郞 の 方 は 七 世圑十 

郞 から 九 代 目に 傅った もの。 芝翫は 三代 目の 歌 右衛門から 四 代 目に 傳 はり、 更に 先代 芝翫に 傅った も 

ので ある。 型の 相違 は隨 所に 見られる が、 陣屋の 段 切に、 幕 外にな つて 坊主 姿でば た/. -と駄 込む の 

は 圑十郞 型であって、 芝翫の 方で はたや 引 張りの 見得、 本卷の 幕切れの やうに 終る ので ある。 出の 上 

下 も 圑十郞 型で は 荒い 龜甲縞 を 用 ひるが、 芝翫 型で はさう でない。 形容に 於て は 芝翫が 勝り、 精神に 

於て は 圑十郞 が 勝る と 云 はれて ゐる。 

四 段 目、 六彌 太の 件り で 今日 上演され る もの は、 原作 を西澤 一鳳が 書き直した ものである。 七 代 目 

圑十郞 の 望みに よって 書いた もので、 田 五平 は 後藤 兵衞守 長の 悴と ある を、 伊賀 平 內左衞 門の 悴と直 



し、 一お 原 を^ 谷の 奥方と し、 忠度は 生きて ゐる 事に して、 傾城と なり 入 込ました もので、 俗に 傾城 忠 

度と 呼ばれる ものである。 弘化 三年 稿 下の もので、 江 口の 遊君 漣 實は薩 摩 守 忠度を 荒 璃珏、 岡 部六彌 

太 を 海老 藏圑 十郞が 勤った。 この 作 は 一時 新 歌舞伎十八番の 中に 加 へられた 事 もあった とい ふ。 

この 作 は 並木宗 輔の作 中、 S 傑作の 部に 入るべき ものである。 中に も 檀特山 卽ち組 討から 陣屋に 引 

铵 いた 件、 卽ち熊 谷と 敦 盛の 件が 傑出して ゐる。 淨 瑠璃 作者の 通弊で ある、 持って 廻りす ぎた 難 は あ 

る もの ゝ熊 谷の 所謂 一 枝 を 切らば 一 指 を 切る 苦忠 など は、 寺子屋の 松 王と 同じく 歌舞伎 劇 ある 限り は 

淡 緩され る もりで あらう。 松 王 程 藥の强 くないの も 却って この 作 をす つきり さして ゐる。 初めに 篛經 

が!: 部 六^ 太、 熊 谷 直 實に命 を 下して^々 に 事件 を 起させた 手腕 は、 作者 宗輔の 得意な 手法で ある 

が、 天晴な 技巧と 云 ふべき であらう。 

けいせい はる とリ 

「馬^り」 と 俗に 稱 する 一 幕 物 は 「傾 狨靑陽 鶴」 とい ふ 長い 狂言の 一 部分で ある。 「傾 狨靑陽 鶴」 は 

辰 岡 萬 作の 作で、 寬政六 年 一月、 卽ち大 阪で云 ふ 二の 巷り 狂 一一 目と して、 角の 芝居に 於て、 淺尾 奥次郞 

た 書 卸された ものである。 

この 長い 狂言 は、 綠田 Ifi の 世界で 小 田の 家督 相績の 事から、 柴田 修理 介 勝 重 (勝 家の 事) の^^ 



時代 ^言 傑作 集 六 

が あら はれ、 遂に 眞柴 久吉、 三輪 五郎左衛門 等の 忠節に よって 自滅し、 小 田家 は 信 長の 嫡孫 三 法師 君 

によって 相鑌 せられる 迄 を 書いた ものである。 大 阪の當 時の 正月 狂言の 例と して、 規桟 が實に 大きく 

序幕に は 高麗の 場 を 出し、 高麗 韃靼が 同盟して、 小 田家の 家督 爭 ひから ひいて、 日本 國 中が 亂れ たの 

に乘 じて、 日本 を 取らう とするな ど、 手廣ぃ 大規模 狂言で ある。 

然し 柴 田の 叛逆と いふの は 表面の 嚷 であって、 實は本 多 上野 之 助の 所謂 「宇都 宫騷 動」 を 題 村と し 

たもので、 これに 松 平 長 七郞の 「日本 橋の 馬 切り」 の 事蹟 を 交へ て、 幕府の 目 を 巧みに 眩ました もの 

であった。 卽ち柴 田 は 本 多 上野 之 助で あり、 三輪 五郎左衛門 は大久 保彥左 衞門を 暗示し、 彥左衞 門の 

事缓 として 世に 傳 へられる もの を 巧みに 應 用し、 小 田 三 七 信 孝 は 松 平 長七郞 にあて たので ある。 

小 田 三 七 信 孝 は、 六十 餘 州に 望み はない、 又舊臣 等が 小 田家の 輔佐に ならう として 際限の ない 蝸牛 

角 上の 爭 ひに 飽きた とて、 自分から 我 身 を 追放して、 あてど もな く 出て 行く。 とい ふの は 紛失した お 

家の 重寳 蛙聲 丸の 刀 を 捜して ゐ るので ある。 後、 刀 を 捜し出してから も、 天下 を 取る は 本望で ない と 

信 孝 法師と 名 を かへ て、 九州の 地に 閑居し 刀 を 久吉に 渡す やうに 傳ー 一目す るので ある。 尙馬 切りの 場に 

出る 宅 間 小 平 太と 云 ふ 男 は、 柴 田へ 一味の 叛逆 人で あり、 それ を 知って 信 孝が 切り殺す、 又 高野山へ 

納める 三千 兩の祠 堂 金 は、 久吉が 信 孝に 貢ぐ 爲に わざと 取 計らった とい ふ 事も傳 へられて ゐる。 



初演の 時の 役割 は、 

三 七 信 孝、 眞 柴久吉 (四 世 市 川圑藏 )、 宅 間 小 平 太 (山村 友 右衛門)、 三輪 五郎左衛門 (初 世淺 

尾 爲十郞 )、 柴田勝 重 (嵐 小 六) 等であった。 この 小 六 は 云 ふ 迄 もな く 初代の 嵐 雛 助で ある。 

國藏の 三 七 信 孝 は 無類の 當り藝 で、 圑藏が 演じて 以来、 この 狂言 はた^ 「馬 切り」 の 場 だけが、 今 

日 迄演續 さる \ やうに なった。 彼の この 役が 如何に 勝れて ゐ たか^ 窺 はれる。 當 時の 評判記に も 「姿 

の はまりから 落 付いた る 仕様、 よしある 大將と 見える」 と 迄 激賞され てゐ る。 最初の 與 行の 折 病氣に 

なって 舞臺を 退いた ので、 嵐 小 六が 代役で 信 孝に 扮 した。 世人 は 小 六 は圑藏 より 勝る と 信じて ゐた 

が、 かへ つて 小 六の 方が 劣って ゐ たので、 圑藏は 益々 名 聲を裼 げたと いふ。 

この 信 孝を演 する 俳優 は 何よりも 先づ 品の い-とい ふ 條件を 要する。 「馬 切り」 の 場 はた^ 單に信 

孝の 出來 にの みよって 見るべき 芝居で ある。 

江戸で この 幕を演 する 時 は、 よく 時代 を 足 利に 直し、 信 孝の 役名 も 足 利 三 七郞春 孝と 改めて やった 

ものである。 

因みに 「傾城 靑 陽篛」 の 原作 は、 坪內 逍遙 渥美 淸太郞 氏 共編の 「歌舞伎 狂言 傑作 集」 第 十二 卷に載 

せられて ゐる。 就いて 參 照せられ たい。 



時代 狂 雷 傑作 集 A 

rif&ml は 近 松 門左衞 門の 作。 賓永七 年 八月、 大阪竹 本 座に 上場され た 搡り釗 である。 一 說に 

は 寶永五 年 狩 野 元 信の 百 五十 年忌 を あてこんで、 上場され たの だと も 云 ふ。 

全曲 は 三 段物で 上中下の 三つの 卷 になって ゐる。 上の 卷 では、 狩 野 四 郞次郞 元 信が、 天滿 天神の 神 

の吿げ により、 越 前國氣 比の 浦へ 松を畫 きに 下る が、 目當 ての 松が なく、 困却の 折 柄 土 佐の 將監 光信 

の 娘の 女郎に なった 遠山に 逢 ひ、 土 佐の 家の 祕傳 の繪本 を傳授 して 貰 ひ、 遠山と 元 信と は 深い 仲に な 

る d 4. は 江 州 高 島の 城主 左 京の 太夫 賴賢 公が 上洛の 留守中、 執權不 破の 入道 道 犬 その 嫡子 伴 左衞門 

は、 御 家の 拚 師長 谷 部 雲 谷と 謀り、 同役 名 古 屋山三 郞と四 郞次郞 と を 罪に 落さん と 企む。 繪を 書き 上 

げた 四 郞次郞 は、 その 繪を 持って 高 島の 邸へ 參 入し、 かねて 許嫁の 姬君 銀杏の 前に 對 面し 睦 事の 最中 

に 道 犬 等が 亂 人して 四郞次 郞を虜 とする。. 下男の 雅樂之 助 は 力一杯 防いだ が、 衆寡 敵せ す敗戰 し、 一 

方の 血路 を 開いて 將監 方へ 注進に 行く。 次 は 本 卷に牧 めた 吃 又の 件り になる。 吃 又と は 岩 佐 又 兵衞の 

事で 土 佐 派から 出て、 浮世!! の 一派 を 開いた 繪師 で、 その 事蹟 も 種々 傳說 化された 人物で ある、」 おは 

叉 平お 德が高 島へ 向 ふ 途中、 姬 君に 廻り 逢った 所へ 雲 谷 一味の 者が 來て、 その 住家 を 取り 固む。 家の 

中から 奴、 若衆、 娘、 袁、 猪、 鷲、 鷹な どが 出て 應戰 して、 散々 に 打破る。 之 等 は 皆 又 平の 大津繪 か 



ら 抜け出した 精靈 であった。 

この 後 は 吃 又に は關 係の ない 事で あるが、 遠山 は 四 郞次郞 に 許嫁が あると 聞いて、 憂悶して 死ん 

だが、 魂 はこの 世に とに まり、 銀杏の 前の 嫁入りの 途中 を 待 受けて、 姬 から BR を 一 七日の 間借りて 自 

分が 四 郞次郞 方へ 乘 込む。 そして 香 を 絡 やさす 焚いて 幻の 姿 を あら はす。 四 郞次郞 は 勿論 それが 妄執 

の 幻と は 知らす、 二人で 道行な どが ある。 この 景事を 「三 熊 野 かげら ふ 姿」 と 云 ふ。 これが 『傾城 反 

魂 香』 の 名 題の 出た 所以で ある。 反 魂 香と は 支那の 漢 の孝武 帝が、 最愛の 李 夫人に 別れ、 戀 しさの 餘 

り 名香 を 燻 じて、 その 姿 を ありく と 見た とい ふ 故事から 出て ゐ るので ある。 悪者の 道 犬 等 は 名古屋 

山 三郞の 忠誠に よって 滅び、 土 佐の 將監 はめで たく 勅勘が 許される とい ふに 終る。 

今日 演ぜられる 吃 又は、 近 松の 原作 通りで はない。 後年 何人 かによ つて 改作せられ たもので ある。 

原作で は 修理 之 助が 虎 を 書き 消す 件り は、 吃 又の まだ 來 ない 先の 事に なって ゐる。 改作 者 は 又 平に 觀 

客の 同情 を 起させる 爲 にかくし たので あらう が、 これが 爲に 將監が 何でも 又 平に 辛くあたる。 物の 道 

理を わき まへ ない 師匠に なった 傾きが ある。 筋 は 殆んど 同一 であるが、 近 松の 原作で は 將監が あれ 程 

迄に 憎く は 響いて 來 ない。 一 利 あれば 一 害の ある 改作 振りで ある。 

吃 又の 狂言が 江戸で 初めて 演ぜられ たの は寬政 十三 年 (享和 元年) 九月 中 村 座で、 役割 は、 

解お 九 



時代 狂言 傑作 集 10 

吃の 又 平 (四 世 市 川圑藏 )、 おとく (小 佐 川 常世)、 將監 (市 川 友 藏)、 修理 之 助 (市 川 七 藏)、 

雅樂之 助 (市 川 荒 五郎) 等で 「何れも 犬で きなり」 と 歌舞伎 年代記 は 記して ゐる。 

この 狂言 Q 與味は 吃 又とい ふ 人物 を 吃りに した 點 にある。 しかも あく 迄 篤實な 人間で あ-る 所に 盡き 

ざる 興味が ある やうに 思 はれる。 近お として は 吃 又の 件り より、 他の 部分に 重き を 置いて 書いた もの 

であらう が、 我 々の 興味 はや はり 吃 又の 件に ある。 

「軍法 富 士見西 行」 は 延享ニ 年 二月 大阪竹 本 座に 上場され た 操り 劇。 作者 は 並木 千 柳、 三 好 松洛、 竹 

田 小 出 雲 等 三人の 合作に か i る ものである。 

この 作の 骨子と なるべき もの は、 西 行 法師に ついての 傳說 と、 西 行の 歌と を牽 强附會 した 荒唐無稽 

の 翻案に ある。 淨瑶璃 作者の 慣用 手段 を、 巧みに 應 用した ものである。 全曲 は 五段 物。 今 その 梗概 を 

述べる と、 

ゆ ゆの か は、 嶋立澤 の 場。 西 行 法師 は、 院の命 を 受け 道行 振りで 鴨 立澤に 着く。 折 柄 源 賴朝は 江 間 

小 四郞義 時、 鼓 判官 賴員兩 人 を 供に 連れて 來 か. -り、 西 行に 對 面し 軍法の 臭 儀 を 聞く。 西 行は審 かに 

奥 儀 を 明かす を、 鼓 判官 は疊の 上の 水練と あざけって、 誠の 軍法の 證據を 見せよ と 云 ふ。 西 行 直ちに 



弓矢 を 取って 筌を 飛ぶ 小鳥 を 射 落す。 判宫 は尙 減らす 口 をたん いて 法師の 身と して 殺生 戒を 破る は 如 

何に とな じる。 西 行が 小鳥の 矢を拔 けば 小鳥 は 飛び さる。 矢先 は 羽 を 縫った ばかりであった。 頼 朝 は 

甚だ 感心して、 今 都に 狼藉 を 働く: 源義 仲の 心腹 を 探って くれと 西 行に 賴み、 白銀の 猫を與 へる。 中 は 

鼓 判官の 篛仲を 罪に 落さう とい ふ惡 談合が あり、 ぎに なって 篛 仲の 妻 松 殿の 娘 葵の 前の 邸で、 執權伊 

逹庄 司親忠 の 獨 り娘窭 菊と、 その 許婚の 夫 手 塚太郞 との 色模様が ある 。 

^一、 一 ゆ li^ 小 は 本 卷に收 めた 序幕で ある。 切 は 松波靱 負の 家で、 貧乏暮しの 所から 西 行の 娘 寫鎗姬 

と 妻の 兄齋藤 五郎から 預かった 六 代 君と に は、 袖 乞に 行く 事 は 知らせ やに 置く。 借 錢の掛 取りな どが 

來て 無暗に 金 を 取らう とする。 妻のお 六 は 詮方な さに 江 口の 里へ 傾城 奉公に 出る 事に なり、 駕籠に 乘 

つて 出かける。 それが お 六でなくて 寫緖姬 で、 靱負は 盲目の 悲し さに とり 違へ たので ある。 寫綺姬 の 

お が玆 る。 それに は 夫婦の 者の 心 遣 ひが 不便 さに 自分の 身 を 沈める と ある。 ® 負の 驚いて 既 出す 門 

口へ、 六 代 御前 詮議の 源氏 方が 來る。 靱負は 之 を 相手に 戰ふ 中に 深手 を 負 ひ、 後事 を齋 藤五郞 に賴ん 

で 死ぬ。 靱负 が心盡 しで 半 榧の 中へ 隱 してお いた 六 代 御前 は、 手 塚太郞 のために 奪 ひ 取られ、 行衞知 

si すになる。 

三段目 は 本 卷に牧 めた 一 一幕 目。 

籽 K 」ニ> 



時代 狂 雷 傑作 集 二 t 

i! 段 ii 以後 は 全く 西 行に 關係 はない。 ごく 大略の 筋 を 述べる と、 口 は 手 塚 太郞の 家で、 太 郞が奪 ひ 

取って 來た靱 負の 子供 乙 石と 六 代 御前と を 育て i 居る 中、 鼓判宫 と 妻 菊と が 上使に 來る。 手 塚の 母が 

乙 石の 首 を 六 代と 偽って 渡す。 六 代は義 仲の 方へ 引立てられる。 切は義 仲の 館で、 齋藤 五郎と 妹お と 

り は 六 代 を 救 ひ 出さん と 館へ 込む。 ^折に 手 塚に 逢 ひ 五郎 は父實 盛の 敵と 言って 切りつ ける が、 それ 

は 伊達 庄 司で、 手 塚の 勘當 御免 を (乎 塚 は 恩の ある 實盛を 討った 科で 勘當 されて ゐる) 義 仲に 乞 ふ。 

義仲は 心根 を 不便に 思 ひ 勘當を 許し、 また 五郎に ゅ實 盛の 直 垂を賜 はる。 直垂の 下に は 六 代が 入れて 

あるので ある。 

あ^ ii は 一 の谷屋 島の 戥を義 仲が 夢に 見る 仕組み。 義仲は 鼓 判官 を 討 取り 源氏 は榮 える。 

こ の 狂言 は 西 行 法師の 前身が 武士で あつたと いふ 點に のみ 重き を 置い て、 歌人と しての 味 は微鹿 "も 

見出されな いが、 時代物と して は 華やかで も あり、 山 もあって、 面白い ものである。 これが 後世 迄演 

ぜられ る 原因で あらう。 然し 現今で は あまり 上演せられ ない。 廓の 場で、 石 黑左衞 門に 從ふ四 人の 男 

達の 臺詞 など は 原作に は 勿論ない。 これ は 後世 舞臺を 華やかに する 爲に、 狂言 作者の つけ 加へ たもの 

で、 狂言 作者の 手柄に 歸 すべき ものである。 



むかしお は C ?2 しゃ,.^ s U にんむす め 

『昔談 柄三莊 太夫』 の 原作 は 「三 莊 太夫 五 人 嬢」 と 云 ふ 享保士 一年 八月 大阪竹 本 座 上場の 操り 劇で、 

作者 は 竹 田 出 雲で ある。 

ゆらせん SV2 つ 》3 »y と 

歌舞伎の 方面で は、 寶曆四 年 八月 市 村 座に 「由 良 千 軒蟢鬼 港」 とい ふ 名 題で 上演され てゐ る。 その 

時の 役割 は 

人 買 山 岡 太夫、 三莊 太夫 (二世 松 本 幸 四 郞)、 佐 渡次郞 (二世 澤村宗 十 郞)、 安壽 (瀨 川吉 次)、 

對王丸 (坂 東彥 三郞) 等であった。 二世 幸 四 郞は四 世 圑十郞 の 前名で ある。 

之 等に よって 資曆十 一年 五月に 「凼 良 湊千軒 長者」 とい ふ 義太夫が、 竹 本 座に 上場され た。 作者 は 

二 歩 堂、 近 松 半 二、 竹 本三郞 兵衞、 コ 一好 松 洛 等の 合作で ある。 次いで 天 保 八 年 七月 市 村 座で 「三莊 太 

こ ifioAI ひどし 

夫銑鷄 歳」 が 上場され、 三莊 太夫と 大和 田藏之 進に は、 六 世 市 川圑藏 (當時 九藏) が扮 し、 岩 城 判官 

とおさん に は 十一 一世 市 村 羽左衞 門が 扮 したと 云 ふ。 

その 次が 「昔 談 柄三莊 太夫」 である。 嘉永五 年 四月 河原 崎 座の 興行であった。 本 卷の臺 本 はこの 時 

の ものである。 共 時の 役割 は、 

山岡植 六、 おさん (三世 嵐璃 寛)、 岩 木 判官 (尾 上 新 七)、 安壽姬 (市 川 猿藏/ 對王丸 (河原 崎 

長 十 郞)、 時廉、 三莊 太夫、 鬼 柳 一 學 (市 川 海老 藏)、 藏之進 (市 川 九 藏)、 元吉耍 之 助 (八 世圑十 

解說 二 11 



時代 狂言 傑作 集 1 四 

郞) 等。 海老 藏は云 ふ 迄 もな く 七 世 圑十郞 、長 十郞は 後の 九 代自圑 十 郞猿藏 は 八 世 や 丸 世 圑十郞 の 

兄弟で 夭死した 人で ある。 璃寬は 葉 村 屋巖獅 といった 上方 役者で、 最初の 江戸 下りの 折の 事で ある。 

以上 列擧 した 狂言 は、 皆 少し づ\ 改作され て 來てゐ る。 鷄 娘の 件な ど は 原作に はない。 た^ 原作で 

は三莊 太夫に 五 人の 娘が あるが 四 ^迄 不具者であって、 た^おさん のみが 滿 足な 人間な ので ある。 三 

莊 太夫 はもと 都の 梅津 家の 侍 鈴 村 兵 庫と いふ 者で あつたが、 舊 主の 若君 梅 津中將 は 安 壽姬と 許嫁と 知 

つて、 姉弟 を 助けてお さんに 供 を させて 逃す ので ある。 後に 三莊 太夫が 斬罪に される とき まった 時、 

安 壽姬の 言葉に よって、 一命 は 助かる 事に なって、 めでたく 岩 木の 家 は 治まる ので ある。 

この 狂言 は 古来の 傳說 を原材 として、 三莊 太夫 を 強慾 非道の 人 問に した 所に 興味が ある。 コ; 莊 太夫 

の 性格に ついては、 近 松の 「傾城 酒存 童子」 の ひらぎ の 長に 負って ゐる所 か 多い やうに 思 はれる。 

(例によって、 本卷の 校訂、 解說に 際して は、 文 學士間 民 夫 氏の 援助、 研究に 俟っ所 多い こと を . 

附記して 謝意 を 表する。 大正 十五 年 十 一 月 初旬、 河 竹 繁^し るす。) 



^ 

かい せつ 

解 說 T 一四 

いちの た に ふたば */ ん さ 

◎ 一 谷嫩軍 記 (能 谷 陣屋 • 五 幕) 1 

けい せい はるの と o 

© 傾 城 春陽 鶬 (馬 切 ら • 一 幕) 一二 五 

けい せい はん ごん かう 

© 傾城 反 魂 香 (吃 又 • 一幕) 一四 三 

• ぐんば ふ ふ じ み 3 い 53 やう 

法 富 士見西 行 (富 士見西 行 • 二 幕) 一七 五 

むかしが た D さんしゃう ど い ふ 

◎ 昔談 柄三莊 太夫 (三 莊 太夫 • 五 幕) 二 五 五 



护^. 

の 目次と 說明 



〇 馬 切 い 卷 頭 

(豐齋 氏 筆の 錦输。 明治 二十 九 年 七月 歌舞伎 座 上演の 時に 出刊 された もの。 

馬 を曳く 三. 七 信 孝 は 中 村 福助 (現 歌 右衛門)。 馬士は 先代 片岡市 藏。) 

〇 八 代 目の 三 七 信 孝 二 一 五 頁の 前 

(龜 戶豐國 筆の 錦输。 八 代 目 市 川 圑十郞 の 似顔 繪。) 

〇 一 の 谷 二 頁の 前 

(嘉永 五 年 九月 河原 崎 座に て 八 代 目 市 川 圑十郞 等の 上演せ る 時の 辻 番附。 ) 

〇 吃の 又 平 一四 五 頁の 前 

(龜 戶豐國 筆の 錦输。 三世 中 村 歌 右衛門の 又 平。) 

〇 と り 娘 二 五 五 頁の 前 

(龜 戶豐國 筆の 錦綰。 三世 澤村田 之 助 似顔のと り 娘お さん。) 




一 0§ 





序 嫩 



記 

五 



堀 
川 

御 

所 
の 



役名 判官 義經、 深 谷 七郞、 堤 軍 次、 大納言 時忠、 醒ケ井 五郎 末宗、 奴須磨 

平。 卿の 君、 萩の 侍從、 等。 

本 舞臺三 間の 間 高足 二重。 半 御簾 御殿。 向 ふ 金 襖瓦燈 口。 上手 盼 ^體。 すべて 高 櫬附。 下の 方辋代 

*。 曰 覆より 紅白 梅の 釣 校。 こ、 に時忠 冠束帶 太刀。 平 大納言に て 床几に か、 り、 義^ち はや 差拔金 

烏帽子 中啓 を 持ち ゐる。 平 舞 臺に雜 色、 烏帽子 半素袍 にて 上下に 分 れゐる。 眞 中に 唐櫃 を 据置き、 仕 

丁 二人 附添 ひゐ る。 下り 端に て 幕 あく。 

ごく し^= f K a-J- げ けん ば ひと いたば ときんば » が い 《- つ これ * ほ いは たいこう 

戰克の 將は國 の 爪牙、 犬馬の 人 を勞る 則、 帷蓋を 以て 是を覆 ふ、 況んゃ 大功 

の 人に 於て を や、 重んぜ ずん ば あるべからず と、 漢書に 見えし も宜 なる かな、 

〜ら! わんよ しつ n この かみ げち * ごへいけ うち ほろ ぽ てう か *■ す たて m つ 

九郞剁 官義經 兄 の 下知に よって、 矯る 平家 を 討 亡し、 朝家 を 安んじ 奉 ら 



いちの た に ふたば ぐん き 



ハ 時代 狂 言 傑作 集 = 

ぐん 9 よ ほ9 か tt ご しょ 

んと、 軍 慮 をうな がす 堀川 御所。 

t»t ち, や, , , -yf ころ じ, J? え^ SJ ん ら JS なかば S やう きみ おんち H (い! ごんと S 

日夜に 評議 區々 な り、 いで 其 頃 は壽永 三年 如月 半、 卿の 君の 御 父 平 だ yli^ 

fcff ひ おか す ま <ゎ うきよ じゅら い もう じ やう T 

忠、 竊に須 磨の 皇居よ 入來を 設けの 上座に すゝ め。 

F 、 うけ ゆ ま は \ ま ^ ぶ-め. 5ゃ や げムけ はたいろ げ あ" の H そのいき *5 み. As とき 

時忠 イカ-一方々 承 れ、 今 四海に 武名^ く 源 家の 旗色、 實に朝 £ の ^ る Sf 勢、 それに. の^^ 

> ひ む, こ はう ぐわん ヱし つね かね かお だいじ しゅび しお ほ 501 

も 娘が 婚 たる 判官 義經、 豫て Bg らふ 一 大事、 首尾よく 仕 終せ はる <\ft。 

たびむ ま けいご そた し に^ 

雜 〇 旅 向の獰 固 は某兩 人。 

i: , > お ち?. く> うへ • >• ► I i ごか 55,2 

雜厶 異議なく 御着の 上から は、 全く 君の 御幸 運、 た 5- く、 

: I , めで ぞ, ん &1 

仕 皆 お 目 出た う 存じ 奉ります る。 

義經 先づ 以て^ 路の 千戤 にござる。 シテ^ だよ り^て ^のた S の^は、 槭^ りさ 

n ら メ ナ 

時忠 されば/ \ 、やうく 瘢てを もって 1^ と A^l* は f| なう ^ひ^せし が、 き はと 十^の 11、 

あんと ベ てんのう タカ やや ゐ しん まし £ おも まか ま ふ- f) いろ しし ぼう うけと J 一よ 

安德 天皇 直 夜隨身 在せば 思 ふに 任せす、 先づ 1 一色の 神 |ぉ を 受取り 給へ。 

おん あ ふ ご もっとも 玄ら はラ ぐわん よしつ ねこの たび ち. * かひ メ おく レ きみ い -f モビ 、よ 

S 獨 仰せ^: 尤 に 候へ ども、 判官 義經此 度の 戰 は、, 私なら ぬ 君の 鼠 命。 さるに よって、 



しみ Y 』?5 , さんろう そ$ レ み ふ せう そ;^ しばん たんし 5 ご やくめ ま "あ こ ic お わた 

淸水 八^へ 參 籠の 某、 まった 身不背 なれ ど、 某 萬 端 守護の 役目 罷 在れ ぼ、 心 匿 かすお 渡し あ 

つて 然るべ し。 

^こと の ときた e げ ん ぶく 

詞 すてし く 述べければ、 時忠實 にもと 感服し。 

•• 、 を しんじ めい うけと ひつ い お その しなこれ 

時忠 さあら ばいかで か 惜しむべき 、神璽 明鏡 受 取られよ。 (ト思 入あって) ャァ 榧に 入れ 置く 其 品^ 

ox 委細 長って ござります。 

ト雜色 OX 榧より 二 品 を 出し、 

f» 上 しつね つ. o sftti 

と あ, 9 ければ、 義經 謹んで 頂拜ぁ 6VO 



かたじけな ご ねんし これ 6y( けん くん お rts い か あ, が だ ぞん ^CK つ 

S コハ忝 き 御念 志、 是 偏に 腎 君の 御 働きと、 如!: ばかり か 有難く 存じ 舉る。 

、 さヒ またへ いけ えう がい せ.^ そ たの ち 9 ぢん ど, ようい こと fs ゑづ みと 

© 忠 扨 又 平家の 要害、 險阻を 頼みの 地理 陣取、 なか <容 易の 事に あらす。 则ち 繪圖に 認め まッこ 

とほ 

の 通り。 

r\ と" いだ ズ わた ちぐ はいけん とこ も 

取 出し手に 渡せば、 逐一 拜見 ある 所へ。 

ト時忠 懐中よ リ 袱紗 包みの 絝圆を 取 出し 義^に 渡す。 義綞 取って 押 開き 見る。 此時 花道 にて、 



睦代 狂言 傑作 集 B 

.ix ぜぃさ つ し レゃ 

呼ビ 俊 成 卿より お 使者。 

おも ひよ レ しゃ > , - 

OX ナ 一 1, 思 寄らざる お 使者と は。 

なにごと 

義經 ハ テ 何事 やらん。 

.£ 、 , <?c i と こと ろけんう へ 

時忠 ナ 一一 サ く、 さして 驚 Nis かれ、 もし 事 露 飄 の 上から は に 

ト時 忠義 餒に攝 く。 

icn- » I , .S ^て だ H> & さいかし. 二 i fci > . 

義經 いかさま よろしき 御手 段、 委細 長り 奉る。 

呼ビ お 使者。 

n«i^^ d な S- そで ばな か a ttsa じじゅう ラ ちかけ^, Si? 1- ろ 

取次ぐ 聲 ゃ長釉 の、 花の香 名のみ 萩の 侍從、 禰襠 姿の つ しらと、 たば ひ 頃な 

しらぎぐ つゆ お ごと ^ぐ うちと ほ 

る 白菊の 露 を帶 びた る 如くに て、 おめず 臆せず 打 通,^。 

ト 花道より 萩の 侍 從楠襠 衣裳に て 短冊 箱 を 持ち 來り、 

£cr: , k お- f ひ, ぼ . レ しゃ eic え しし to- おも;! a 

義經 これ はく 、思 掛けな き 女 儀のお 使者 は 心得す、 シテぉ 使者の 趣 は。 

ト 下り 端に て 萩の 侍從思 入あって、 

-C ) ^5tf.^^ A ,^ .24 もつ. & ^ザい, おく づと » は^ じじゅう 3 %0 I こんにち T b . うけ fcs は 

萩の 成程 御 不審 は 御 尤 、妾 は 俊 成が 奥勤め、 萩の 侍從と 申す 者、 女ながら も 今日の 役 5! を 承 ^ 



ちく そのよし 5fcl9 

遂 一 其 由 申 上げる で ござり ませう。 

S 仔細 ぞ あらん、 先づく 釓 へ。 

さ やう ご めん くだ 

萩の 左^ならば、 御免な されて 下さり ませう * 

おんたい しゃ n ご 4o ちか て 

"御大 將の 御座 近く、 しとやかに 手 を 仕へ、 

ト^に て 萩の 侍 從舞兹 へよ ろしく 來リ、 下に 住 ひ、 管絃 になる。 

み ぜぃ *,ス ほどきん , ぞ- いし ぷ やく を; 5 から りょじん ぉぽ も o このろ た しふ く は J-i ひたすら 

三位 俊 成 は此程 禁裹 にて 千載 あの 役、 折 柄 旅人と 覺 しき 者、 此歌 を枭に 加へ て 42 はれと 只管の 

ねが と "あ: み > , あつ おれ し, ういつ- ^ん わなく レ く は こと さ だ おうな ためさん 15- 

^ひ 取 上け 兒れ ば天啧 秀逸と^ じながら も、 私に 加 へん 事 も 定かなら す、 御: g ひの ^ 參上 

致し まし て ご ざり ます。 

^たん J<- く ご ぜん さし s だ よしつ n ftK のり え ?- かし ていて. Co- 1* 

短佌 御前に 差 出せば、 義 經も忠 度が 詠歌と 知れ ど、 さあらぬ 體 手に 取上げ、 

ト義转 短冊 を 出して 見て、 . 

, , なみ し が S. こ JK レ お * さ \s かんば 

00 「さビ 波 ゃ志贺 の 都 は あれに し を, 昔ながら の 山 櫻 かな。」 (ト思 入あって〕 ハレ 香 じゃあて やか 

や、 天晴の 秀逸。 

レ iYn Sj ことば ときた ビラ ち ゆ 

賞獒 の詞 を時忠 打消し。 

1 の 谷 五 



時代 狂言 傑作 集 六 

時忠 ャァ其 歌、 集に は 入れられ まじ、 罷なら ぬ。 

获の ィャ f し 網、 お £ きの I り あの g は、 SMi 肥續も S じ、 ?*s< まします を、 Si にた 

iovw こ 1 - ±.vk *V ** ど ぎん ご ひ-^ つ ^ 

れ なと る は、 誤りば しあ, つての 事 か、 ^りながら 今一度、 呤 じかへ て 御 評議 を 

へい た, n 

言 はせ も 立てず W 

te& . s-ofc さつ ま? しら ひげ/? つじん しゃさん とき > しが, 一,, いぬ^- 、 U ) 

時忠 ィャ 1 かく、 臬ぉ は 軋き¥ 忠 度が 白 髭 明 神へ 社參の 時に 志賀 にて 詠みし は 犬 打つ 箭も 知る 

0. より I 驗は磁 船が i5l、 ^におお へ^ &り、 ^ろ^き^き、 ^ひ^されよ。 ソレ 

も ©ど も ひつ た > • 

者 共、 引立てい。 

OX サ、 お立ちな されい。 (ト雜 色 OX キッと 言 ふ。 〕 

萩の ィャ^ 4- には^ち ますまい。 ^子 最貭に 平家に 心 寄す ると は、 大^なる 今のお 詞、 それに は 愤 

力な 

ti-p , 一 ^ そ う しゅじん f *i へ さつ ま 0ff みっつうい.^ - ^ , u ^ > 

時忠 ホ、 i# と 一 f きふ は^ 方が 主. 4 の 菊の 前と、 薩 摩守忠 度と 密通 致し をる 事まで 知るまい と" 1 

f- つ U2« ^ へ,, ナ か i しょぞん それがし あま » へ ふい.:^, k i*l / 

い, うつけ な^の、 其 綠に俊 成が 平家 を^ ふ 所存と いふが 某が 誤り か 返答 致せ ナ 、介ん 



と o 



4-, 丄、 ぃチ * ぜ,? ご, V-C こと a よしつ ss と CAM 

へ鉱 も^. 熟で あ. 9 ながら、 前後 揃 はぬ 詞だ、 かひ、 義經 しばし と 止め 給 ひ- 



ゝ- けがち えん たん ふ しんた ろへ し 8^ ザい をち ど しぷ い こ ひ-か k -、 ,き 

義經 平家 方に 欲 ありと 一 B; 不審 立つ 上 は、 俊 成 卿まで 越度と なり、 氣に 入る 事 難 かるべし, さりな 

し, ぞん このたん ざく よし 力ね あ NS きみ . 55> fci つ £ かく こ のぞた ち 

がら 所存 も あれば、 此ー. iw は義 &が預 り、 君へ 伺 ひ 奉る、 兎も角も はから はん、 此锬 立お つ 

て俾 へられよ。 

Ai5 (んた ふ. 》 つと. 》 t き た54 こと a ひか およ • K?a じ C ゆ つ な ほ すり よ て 

風 It の 返答 尤 と時忠 詞を控 ゆれば、 力 及ばす 萩の 侍從、 猶も摺 寄 & 手 を つ 

力 へ 

ぜぃ このえい. a こと ほか を CA S-? . S ^;? しづ ► JW へ * カ^ 」*£ あ: . 。 

萩の 俊 成 も 此詠驮 殊の外 惜しむ 心に 條 へば、 後より よきに 御 差圓、 偏にお 願 ひ 中 上げます る。 

AT さ だ こと K はな あらしと きた e 1 てろ のこ 

思 ひ 定めし 言の葉 も、 花に 嵐の 時忠 に、 心殘 して。 

さ やう はう ぐわん ばめ 

左樣 ならば 判官^。 

義轾 使者のお 役目 大儀に こそ あれ • 

侍從 ハツ。 

トコ 一 味 線 入" m れ にて、 萩の 侍 從會釋 して 悠々 と 花道へ は ひる。 

^ つ S3 かた やた らう だう ふか や らう ぐ まがへ かしんつ I* ぐんじ』 ひ, 4 力 1 *^ 

あ 次の 方より 六彌 太が 郞黨深 谷 七郞、 熊 谷が 家臣 堤の 軍 次、 披露 そ 待た す 立 

出で、。 



時代 狂言 傑作 集 凡 

ト 序の 舞に なり、 上手より 深 谷 七 郞素袍 大玟立 烏 帽チ、 下手より 提の軍 次 同じき こしら へ にて 出て、 兩 

人 思 入あって、 

し S じん を かぺ や た み. S つ.; > MSC こうよう あ ひ. As s*s< や r だ 4 かしん A かや らう > 

七郞 < ッ、 主人 岡 部 六彌太 忠澄屮 I 仕 あるべき 處、 公用 相 重なり、 それ 故 名代と して 家臣 深 谷 七郞、 

くまが へ じ らうな ほざね らう だう つ-み ぐんじ o やつ にん 若 * い ぎ ま はやび *sv 

軍 次 熊 谷の 次 郞直實 が郞黨 堤の 軍 次、 兩人罷 出で まする 儀 は、 唯今 早 飛脚 を もって、, 

よりと もこう お すュ つまた うらい 

七郞 頼 朝 公より 御 《 附到 來。 

さしいだ よしつ tt おど & かう ベ さ 

恭 しく 差 出せば、 義經 驚き §を 下げ。 

おろ モ お すみつき ひ けんいた 4 め ま おそ しさい いか 

義經 疎かなら ぬ 御墨附 淤 見 致す は^り 恐れ、 仔細 は 如!: に。 

さいこく S さ ひ かャ えんいん つ さい ご さいそく いさ これ おは ときお *-w^* を くちよ ? キ- み uir 5 ば 

七郞 西國の 軍日數 延引に 付き 再三の 御 催促、 諫 むれ ども 是に 在す る時忠 卿の 息女、 卿の 君に 心 を 奪 

ぼうずよ かま い 3^ . 

はれ、 亡 慮の 構へ なんど X 言 ふ 噂と り 

い 4 かほくら ね レ じ^お ほ よ, ともこう ざんげ.? まも S う § つ あし _ 

軍 次 今銶 倉に て は 惊 人 多く 、頼 朝 公に 讒言 申す 族 も ありと 承 はれば、 時 移る は惡 かりなん • 

ひつ S ^だ じゃく おんみ おびい さ むね しゅじん fcr 卞み しん ぼい 

七郞 必定 惰弱の 御身 なれば、 三度 諫めて はから ふ 旨と、 主人 忠 澄が 心配。 

さ ほどぐ し; を &ぃ *N 3 いごく. so ぢ.: > け L 含 かまく ら^め お さ ぶ X じんこう , ふさ 

軍 次 左程 愚 將の污 名 を 受けても 西國 出陣の 氣色 もな く、 まった 鎌 倉跺の 御^ ひ、 世の 人口 も 塞がれ 

じ らうな ほざね てう ぽ きプか ぼっか: しょぶ し めんく こと レん らう > 

すと、 次 郞直實 朝 暮の氣 iS ひ、 慕 下に 從ふ諸 武士の 面々 殊 ない 心 勞。 

M お すみつき くだ JS つちん え.? いん とが *£( 

七郎 全く 御 墨 附下タ し は、 出 陴 延引のお 咎めと 評議 區々 • 



しか . ご けんさつ > 

軍 次 然るべ く 御^ 察。 

兩人 下さるべし。 

5? にん さきほど う us なによ あてつ ごと はう ぐわん *o の わ 

時忠 ィャナ 一一 雨 人、 先程より 承 はるに、 こり や 何 か 予に當 付けた るね すり 言、 判官 殿が 我が 娘 卿 

せみ .S ろ か ぉぽ ほう" よ きつく わ:; し ごく み- さは き いま ごん み この さ 

の 君が 色香に 溺れ、 亡 慮な ど-は 奇怪 至極、 耳に 障って 閗 きにくい、 今一 言いって 見よ、 此座 

た ぴ ら-フ 巴と 

は 立た せぬ、 尾笳な 事 を。 

, はった と 怒れば 堤の 軍 次。 

U > こと み- 5 は <K を もっと-? A まくら ど Q お すみつき s\i えん ひん ひと S き 

軍 次 コハ 如何な 事が お 耳に 障り 申した な、 尤鎌倉 殿よりの 御 墨 附 とい ひ戰の 延引、 人の 嘲り 世上 

の 取沙汰。 

- r> に 化 まだ へ. い,^ い (ナぢ k い/ * げんべ. い 丄の W けう た- -なか い ろか もつ ひと まど .《 つ; 5 ん いうよ 

七郞 殊に 貴殿 は 平氏の 家^、 今 源平と 鎬を 削る 唯 中へ、 色香 を 以て 人 を 惑 はせ、 出陣 とても 猶豫の 

,s さ S せん せん- そこ もと つ お ぼ いひ わ. b 

有樣、 詮議に 詮議 致したら、 其 許の 胸中に も覺 えが あらう、 ナント あで も 言 譯 ござる か。 

: . いひ わけ かお はふ ifc てん 5 かな とき fcr み けつ ぼく いまみ 

時. S 言 譯とは 片腹痛い、 天 利に^-ふ 時忠 が、 身の 潔白 を 今^せ うや。 

fc^. のぞ U のせ けつば くき 

ォ、 それ こそ 望む 此揚の 潔白。 

p> 、 ft. なか かへ ざ むら ひ ら こと むねむ <M み ひと こく? や, 

時忠 ハ、、 、 、、 井の 中の 蛙 侍 とは汝 等が 事、 無位 無官の 身 を もって、 人の 黑白釓 さうな どと、 

ひと ぶし. a こと ホ うね おそ 9ょ£5 おとばね ぶれいし ご V もの ども I ゥ にん ひつお 

そり や 人ら しき 武士の 言 ふ 事、 高位 も 恐れす 慮外の 顎骨 無禮 至極、 ソレ者 共、 兩人を 引立てい。 

一 の 谷 九 



時代 狂言 傑作 集 10 

0X 心得ました。 

へォち .V が ?<- うしき ども さい 5 わか たち か/ な,? ひとり ぐ^ r\ * ゴズ - > 

下知に 隨ひ雜 色 共、 左右へ 別れて 立钥 る、 難なく 一 人 を 組敷いて、 旣に 力う 

よと 見えけ ると 乙 ろ。 

ト七郎 と 軍 次に 雜色褂 る も、 兩 人立遒 つて 一人 づ. - 相手に よろしく 立 廻りあって 追 込む。 時 忠キッ と 

なって 太刀に 手 を かける。 義經是 を 支へ て、 

にん ひか . > 

義經 兩人控 へ をら う。 

兩人 それ ぢ やと 申して (ト 管絃 になり) 

A5. & お & はう ぐわん め U よ-つし や くだ , fc* いま 9? にん そ』 こつ ときた はこう 

義經 ^^の &れ 、揮りながら 判官に 愛で、 御 容赦な し 下さるべし 唯今 兩 人の 粗忽 時. ^公の 御 

ごもっともし ごく p§ し.? とも き わぶ きみ. K つ S ん えんいん て J5 ^»«^ いり やく- - は i?? ごと うち 

^り 5^ 至極、 き 臣共 によく 聞かれよ、 あ 君 出陣 延引 も 敵に 油 斷の御 計略、 謀 は 帷幕の 內 

^っこ と り そと 1 しじう. ^ゥり » よし P ね はつ. A うお そ あんと ベ 

にめ ぐらし、 滕事を 千里の 外に 顯す こそ、 始終の 勝利た るべき なり 義經發 向遲な はる は 安 德 

00kis i へ M す を f f 、 00? fp. t:if§ となら 

あまつ > つ s つた > もと くらやみ こ A いた おの, & つ y^Ak いん - : ひ. 5 

ば、 寶 舴の傳 へます 日の 本は喑 闇、 とや せんかく やと 心 を 痛め 自づと 出陣 延 きせし ^るに 

-R へ なごん とき. * ぶ つ もんじ たの はや かけい これみ. - -i;2ii>.iLc^i ^ぶて 

お に. S すお^ぎ ssl^ きと fff となり、 頼む より 早駔 入って、 是 見よ 神璽 內侍所 は^ 手に 人り 

i- ゥナ o おん ヒ くて. life,? .* よな お ま てだて もつ うは かへ えう がいきぶ 一い け ► 

しか ど、 寳氣は 安德帝 御^ を 離し 給 はねば、 手段 を 以て 奪 ひ 返さん、 まった 要害 厳しき 平家の 



傲へ、 繪圖に 蒈 かせて 案內を 知る。 

ト義鸫 以前の 繪阖を 取 出し 開き、 

見よ/ \ 方々 

けんそ た Q ゆだん みあ は ひよ ど 9 ごえ * つくだ 5 かおと せめ S ■ *5 て へいけ 

險阻を 頼みの 油 斷を兒 合せ、 鹎 越より 3呉 下り、 逆落しに 攻 入りな ば 周章 ふためく 平家の 

る. Q うちと しゅ W- 

1 類、 討 取る は 手 裏に あり。 

ち じん § う ! :- D^9k^5 ぐんり よ き るる めい かん 

智 仁男備 の良將 の、 軍 盧を閡 いて 居 合 はす 銘々、 はっと 感ずる ばかりな り。 

ト此 セリフに て 七郞軍 次顔兑 合せ 悅ぶ思 入。. 時忠不 {# の こなし。 義弒思 入 あ つ て、 

4 ォ fcrf たん 上ん く う ( ぺっ しん む, J51 てんか ため はかりごと み cic さ • たま I 

ナウ^ 忠卿、 一 H: 綠を 組みし 上 は 別 心なき 婚 H、 天下の 爲の 謀 、 御 心に 障へ 耠 ふな。 

ト時忠 思 入。 

なに ごと むこよし つね eic め てんうんし だ. s あ ひ S » 

ィャ 何事 も聱義 ^ が 心に 愛で、 天運 次第 相 待たん。 

いさ ギ| よ モ のこ ま よ? VI もこお 《J ぞ まん そく k よう^、 せいさ" ,f ほ 5« 

ハ、 ァ潔 き 其詞、 賴朝曰 !3 にあら うなら 嘸 や 満足。 ャァ 誰か ある 用意の 制札 持ち 參れ 

A\ 乙 た かう さつ s S ブ 上しつ ねり やう にん う 力 むか I 

はっと 答へ て 高 礼 持ち出る、 義經兩 人に 打 向 ひ。 

ト近習 1 入ハ ッと 奧ょリ 制札 を 持ち 來り 義鸫の 前へ 置く。 義鸫思 入あって、 床の間の 生花の 樓を 取つ 

て、 以前の 短冊 を 結 付け 左右へ 並べ、 蒈絃 になり、 



時代 狂言 傑作 集 1 二 

§ にん このたび い v« s$^9 t わ is し 9 い やた さつ まの ^tfcr の B ぢん むか お 

いかに 雨 人、 此 度の 軍 は 勅^の ー戰、 私の 趣意に あらす、 六^ 太は薩 摩守忠 度が 陣へ向 ひ、 御 

ねが ご え いか さ いし ふ い 4? かん おんみ な あら はぶ よみびとし し る 

願 ひの 御詠歌 千載 集に 入れし かど、 勅勘の 御身 なれば、 名を顯 はさす 憚りて 請 人知ら すと 記さ 

おも ひ M えんぜつ しふ い その .i-s このたん ざく むす つ i ま! v/ら おく さじつ.^ 

れし趣 を演說 し、 集に 入りた る 其 印に、 此 短冊 を 結び付け たる 山 櫻 を 送るべし と 申 傅へ よ。 

ト 短冊 を 差 出す。 

ft S5. & しこ s I* 

七郞 委細 長 つて ござり まする。 

じ ら- つな ほざね めしいだ M£ つ ^^て つ. 5; もり あつ もり かた す *r ん しょ うちむ か わか ま 

篛經 まった 次 郞直實 を 召 出し 申 付く る は、 搦手の 密盛敦 盛 固めた る、 須 磨の 陣 所へ 扛向 ひ、 若木の 

1 00 S んゃ よしつ 力 はな £ さきだつ むさし ばう べんけい ふで と この かう さつ この 

櫻 を汝が 陣屋、 義 i 花に 心 を 込め、 先達て 武藏坊 辨慶に 筆 を 取らせし 此 高札 (ト思 入あって :- r 此 

はな *j う/一ん しょむな り しせつ たう とも 絵 おい てん^い ころえ ふ れい t か し^ しき 

花 江 南 所 無 也、 一 枝 折 盜の荤 に 於て は、 天 永 紅葉の 例に 任せ、 1 枝 を 伐ら ば 一 指 を 剪るべし。」 

*J のきん さつ こ 4 ろ さと わか ま 1 しゅご もの くさが へ ほか 3 く このむ ねき つと tic え 

此 禁札の 心 を 論し、 若木の 櫻 を 守護 せん 者、 熊 谷なら で 外にな しと 申し送れ、 此旨吃 度 心得よ。 

軍 次 畏 つて ござり まする。 

n. B*5 にんれ うじ &ゥ _J- る ふぐ せい _* ゥ そと やばら わか みちば な たいしゅう 

はっと 雨人領 掌し、 心 を 含む 制札の、 外 を 和ぐ 和歌の 道、 花 をいた はる 大將 

み いろ な * & ば ざ と^た e ことば ふ, AV た 力 あが ふたり ゆう 

に、 實 あ,^ 色 あ, o 情 あら 恥 ある 時忠詞 なく、 不承々々 に 立 上れ ぱ、 二人の 勇 

し た いしゅつ そこ -V こい ほ 9 か a 

士も返 出の 底の 底意 も 堀川 や。 

はう ぐわん よしつ ね よ も はやたい おつ 

時忠 钊宫 義經、 予は 最早 退出 せん • 



軍 七 義 

次郞 經 



ときた *-¥i> Z おくでん 

義經 ィ ャ時忠 卿に は 先づ奧 殿へ。 

しか あんない 

時忠 然 らば^ 內。 

pf にん * 

兩人 さらば。 

ハツ。 

,深き 惠みを 汲み わけて、 祝 ひこと ぶく。 

ト七郞 は 樓の枝 を 持ち、 軍 次 は 制 礼 を 抱へ、 時忠 ,翁貍 は 立上り、 四 人よ ろしく。 送り 三重へ 樂を 冠せ 

かけ、 よるし く。 





一一 幕 目 須磨浦 組 討の 場 

役名 熊 谷次郞 直赏、 無官 太夫 敦盛、 平. W の 武者 所季 重、 小 次郞直 家。 玉 織 

姬、 軍兵 大勢。 



^代 狂 言 傑作 集 一 1 四 

本舞臺 一一 一間の 間 上の 方に 陣門。 正面 柵 矢來。 すべて 須 磨の 浦 陣 所の 體。 どん ちゃんに て 幕 あく。 

f»3 ォき H ま is みお たの きばま とき かな よ C ん えいぐ わ S め あと 

洒 極る 時は亂 る、 樂 しみ 極る 時 は 悲しむ とか や、 二十 餘 年の 榮 華の 夢、 跡な 

さ みやこ (いけ るん たてこ & す ま ラら だいり えう がい ^へ うみ 

く覺 めて 都 を ひらき、 平家の 一門 立籠る、 須 磨の 浦の 內 裏の 要害、 前に は 海、 

ラ( けば ひよ ど W- ごえ おはて いくた からめて たに やま C なみうち; 一!6 に さぐ 

上に は險 しき 鵷 越、 大手 は 生 田 搦手 は、 一 の 谷の 山手よ. 5、 波打 際まで 柳 

ゆ ひま tt あかはた かぜ ふきな ぴ さんぎ つね もり ぼつ し むくわん た いふ あつ o "り ち V か は ^ 

結 廻し、 赤旗 風に 吹 靡かせ、 參議經 盛の 末子 無官の 大夫敦 盛、 父に 代って 陣 

しょ かた ことげ ん§ う み I 

所 を 固め、 事嚴 重に 見えに けら 

^ころ や よ ひ はじ つき い ぐら よ ぐ まがへ し 乙 じらうな はい C 3 きがけ 

比は彌 生の 始めつ かた、 月 さへ 入, 5 て 暗き 夜に、 熊 谷が 一子 小 次郞直 家、 魁 

う ひ ちん こうみ やつ あら いでた た おもお か しほす ひたたれ こ 

して 初陣の 功名 を顯 はさんと、 出立つ 姿 は澤瀉 を、 一 入摺 つたる 直垂 に、 小樱 

1 ちごよ ろひゐ ぐ^ き はしかぶ と ほし ひ.? た 4* き こ、 る がう む し^わらち あし 

絨の兒 鎧 猪首に 着な す 星 兜、 星の 光に 唯 一騎、 心 は剛の 武者 草鞋、 足に まか 

を &ま ft ちい はかど 窆ら たに にし き ど V- ん もん ばし 

せて はやり 男の、 山道 岩角 嫌 ひなく、 1 の 谷の 西の 木戶、 陣門に 走. ON つき、 

いきつ よ R- なが ヽ 

一 息 吐いて 四方 を 詠め。 

ト此 文句の 内 かすめた る 遠 寄せに て、 花道より 小次郎 若衆 篓、 鎧、 跳への 陣 立の なりに て 走り出て、 

本 舞 臺へ來 り、 あたり を見廼 し、 



ろれ われ ばん さ i^t: も G あと ひと つ r $ きりい 

次 ァ、 嫁し や、 我より 一番に 魁す る 者 もな し、 後より 人の 頼かぬ 先、 イデ 切入らん。 ォ、 さう 

ぢゃ。 

へ か ま は らんぐい ぎ すきま きび とざ ちんしょ & ん S か C み まば 

瓯け 廻れ ど亂杭 さか も 木 隙間な く、 厳しく 閉す陣 所の 門、 如何 はせんと 見廻 

す內、 遙 かの 奥に 管絃の 音。 . 

ト小 次郎思 入あって、 陣 所の 傍へ ッ 力?, \と 行き こなし、 音 樂聞 える。 

f. X しんかう »x をり ぶし や a ち かぜ かいじ やう なみし プ sa がく しら 

夜 は 深更に 及んだ も、 折節 山路に 風 もやみ、 海上 も: i 靜 まれば、 伎樂の 調べ 

あば おもしろ き こ Z じ ら XV お K> しんに す さ、 と 

哀れげ に、 さも 面白く 聞え け, ON 、小 次 郞は思 はず も、 心 耳を澄まし 聞 惚れて。 

ト小 次郞思 入あって、 

b. §ら う こびと 53 ふか eA S ち-は.. - ものがた リ いま おも あは か みだ 

ァ、 實 にも 上 菔 都人 は 情 も 深く 心 も 優しと 父母の 物語、 今 こそ 思 ひ 合せたり、 ァ 、斯 かる 亂 

よ なか ゆみや さけ おと いとたけ *5V しら 丄ぃ か く p ザ.? 1 ゆか い 

れの 世の中に、 「p 矢叫びの 音 はなく、 糸竹の 曲 を 調べ 詩歌 管较を 催さる、 ハ 、ァ 床し さよ、 如 

*, わぶ < じゃけん わた. f> うま いで a ろ ひかぶ V! ゆみや と. ひと.. 5\ てき たち む. * 

佝 なれば 我々 は 邪見の 田舍に 生れ 出、 鎧 兜 弓矢 を 取り かく やん ごとな き 人々 を 敵と して 立 向 

しゅ ら つ 2 こと あさ 

ひ、 修羅の 劎を斫 ぐ 事は淺 まし やな ァ。 

へ あさ ぉぼ • な. さ as" わかこ じら, み 

淺 まし さよとば か ftv にて、 覺ぇ す淚を 流した る、 まだ うら 若き 小次郞 が、 ^ 



時代 狂言 傑作 集 一六 

ほど. (- ぐみ わ かん, i かた けば あし At たれ 

の 程々 を 汲 分けて、 感 する 心 どし をら しき、 後の方に 險 しき 足ず、 誰なる や 

9%* うち ひらや a む しゃ! ur-IC よろ ひ o- V か o た 乙 じらう か はみ 

らんと 窺 ふ內、 平 山の 武者 所 鎧 凛々 しく 龃け來 り、 小 次 郞が顏 見る よら も、 

て *- み かた さか 

敵 か 味方 か 訝しく。 

ト此內 やはり ぢ やん くになり、 花道より 平 山の 武者 所季重 鎧の こしら へ にて 槍 を 持ち 走り出て 來 

り、 花道に て 小 次 郞を窺 ひ 見て、 

てき み かた なにもの リ 

平 山 ャァ、 それに ゐるは 敵 か味ガ か、 何者なる ぞ。」 

か こじら 5 すかみ 

聲& くれば 小 次郞も 透し 見て。 

さい おんみ ナもし 

小 次 ャァ 左 言 ふ 御身 は 季^ 跺 か。 

ト言ひ 乍ら 舞 臺へ來 る。 

わぶ f く も おも I5C がけ しん ペラ { ほ. A ひと ひら *i, 

平 山 ム、、 犹 より 先へ 來る者 はよ も ある まじと 思 ひしに、 ホ、 ォ 心懸祌 妙々々、 外の 人なら 平 山が 

せん ぢん あ-さ ほん の B- い う ひぢん けなげ せんちん |W ち ゆ. き づ か さ M- い 

先陣 を爭 うて 一 番に乘 入らん が、 初陣の 健氣 さに 先陣 を 汝に讓 る、 氣逸 ひなし に 斬 入れく。 h 

ひら 4 キ^め く なげん おと お き さて くも うへ びと また やさ ちが 

小 次 ィャ ナウ 平 山殷、 あの 管^の 音御閗 きな され、 扨 も 雪の 上人 は 叉 優し さが 違 ひます る。 

わ 之し レ しょかつこう めい し ぼちうた つ おしよ せんかお つ 02 

平 山 ィ ャサ、 それ を 和 殹は得 知るまい。 昔 諸葛孔 明が 司 馬 仲 達に 押 寄せられ、 詮ガ^ きて 櫓に 登 

* う ^ .1 うく こと お.^ み はかりごと わ ちゑ まよ ちうた つ C 

り、 香 を 焚いて 悠. ^と 琴を彈 じて ゐるを 見て、 謀 も あらん かと、 我が 智惠に 迷うて 仲 達 は 逃 



げし と^く、 ァレ あの 散 緩 も 其 通り、 ナー I 怪しむ 事 は ござらぬ、 早く 一 ^入り 攻名 せよ、 但し 

b N 力 ^1 そ?^ レ * ん 5 ん - 

和 i が 恐し くば、 某が 先陣せ うか。」 

次 サァ それ は。 

山 サァ。 

\t V S 6 4; つき C じらうな ほい ( S ど ぐち 11 し は * .» ん 

へ 化と, „\ とお を 持た され、 血氣に はやる 小 次郞直 家、 木戶 口に 走り 寄り、 門 

うちお、 だ^^ん あ > 

打 叩き 大昔 上げ 

ト是 にて 小 次郎ッ 力く と 行き 門の R を 打 叩き、 大音 にて、 

次 i の繫 へま おさん、 露の M の, しの i の sg、 驗のゃ I 疆が 一 や 觀小 次郞& 

^ん ちん む^ であ しょ/ぶ { 9 

先陣に 向うたり、 出合うて^ 员々々 

へお, X もんない さわ た てきよ で- J s、 

* 高らかに 呼ば、 れば、 門內も 騒ぎ 立ち、 す はや 敵の 寄ゼ たる ど 出合うて 討 

と きど ^しひら ^つと り t* 

取らん と、 木戶押 開き 押 取卷き 

ト どんぐ になり S: 門 を あけ、 內ょリ 軍兵 大勢 拔き 連れ バラく と 出て、 

ソ レ 逃すな。 



時代 狂言 傑作 集 • 一八 

、 にパ ぐんぴ やう ども にわか さわ とさの こ ゑ た ち ク とひ.^ ご ゑ かほ W す 

へそれ^ すなと 軍兵 共、 俄に 騷ぐ 鯨^、 太刀 音人聲 喧 し 

ト小次 郎^ 兵 を £ 手に 立 廻り、 門の 內へ 追って は ひる。 

^:£f , 翳のお ■、 わがみの^ おに S し、 fs 

きた > 

け 來ら。 、 

トぢ やん, C にて、 花道より 熊 谷武實 、 好み 銑への 鏜 なりに て 走" 出て 來り、 平 山 を 見て、 

ひら * まど ふ せ: らうみ,. ^ま - > o 

熊ハ 4: ャァ平 山 殴 候な、 枠 小 次 郞見給 はす や 

こじら う だんく お ほぜい てき なか V き うち A な 

平 山 さ^ばく、 髮き^ へ^え しゅ も、 小次郞 にいろく^ 气 あの 大勢の 敵の 中へ 一騎討 は 叶 は 

L- ごづ. C ま こと いろ. ("いさ 今- t 

ぬぞ、 g におし に& され、 後 詰 を 待っての 事が よから うと 種々 諫めても, はやり 切った る若武 

都、 無二無三に 斬 入って ござる わえ。 

A S な は ざ U かみ さ 力 だ 3 

聞く よ 6. 直赏髡 逆立ち。 

熊 谷 ナ 一一 4 次郞 一騎に て S 込みし とナ、 南無 三 资、 ソレ。 

A\ こ .0 しな し し (、き は ひ てき ぢんしに上 かし , o 

子 を 失 ひし 獅子の 勢 、 敵の 陣 所へ 駆 入った. 9 

ト^ 谷 こなしあって、 陣門の s へ 走り は ひる。 

、ここ かしこ J- の. J ゑ..' 

(此處 や 彼處の 鯨波 (ト 此時奧 にて) 



軍兵 エイく ォ ゝ 。 (ト 烈しき ぢ やん く を 打 込む) 

^き ひらや a ひと ゑ 

聞く に 平 山獨, 9 笑み。 

PU /き A • / ヽ ゝ /-rfs * ぉォ こと もふくろ 爱 まう ひ -J ろ <t 

hru へ、 ム、 へ 、へ、、、、 ふ^/ \ 、親チ 共に 袋の 鼠、 今の 間に 討 たれ をろ、 からの^ 

谷め と六彌 太め が 出頭 を、 くゐ くと 思うて ゐ たに、 ェ 、時 |s も あれば ある もの、 お を I! らさ 

あの まより よい i、 st$ is ひと 1 かば、 塞 f f し をら う、 f 

しさせ 討& さし、 共 後へ 仕^ くれば、 ^fei,^ は ひの^、 うまい ぞ>\ 。- 

w * . ^» き, ど ぐち あ a た ひと ご! * 

どく 勇み 悅ぶ 所へ、 木 口に 數 多の 人 聲。 

軍兵 H 、ぐ ォ、。 

ト殍 する。 平 山 こなし。 

M - 一; ほ、 ゆ . ま" ぐら asa ぐ as- へ じら.;' なほ?;; j c t 

す はや 敵 どと 身 構へ し、 窺 ひ. Q る も 暗 紛れ、 熊 谷次郞 K»、 わがお を和 鉱に 

ひん 抱へ、 陣所 をず つと ^ 出で。 

ト 門の 内より^ 谷 小 次郎の 吹替を 引立て 出て 来り 

熊 谷 平 山 M 在す るか、 ,や 爵 を钳 うたれば、 霞 | へに に f ん、 龜は I! つ V4f か 

されい。 



時代 狂當 傑作 集 ヒ 

^e- ひす と ごと かそ ゆ , 

ハ言 拾て く、 飛ぶ が 如くに 急ぎ 行く 

ト 烈しき ぢ やん くになり、 熊 谷 吹替を 引立て 花道 揚 幕へ 走り は ひる。 

ヘ^^! にぎぎ して、 ^IK ならず と ふ 趣へ、 i: ん ほよ, の issl れて 

われ^き らんと S4、 づれ ば、 ^得た-と 拔合 はせ、 受けつ 流しつ 多勢 を 相手 

46 し v4V あ、 のぎ li は 六 f i め、 ffsk 

ト此內 軍兵 大勢 出て 平 山に か-る。 早 笛に なり 立廼リ よろしくあって、 軍兵 花道へ 逃げて は ひる。 此 

時門內 ょり敦 1 鏜兜 好みの こしら へ、 馬に 乘り 出て 來り、 

へ を かるよ. ci、 まっしぐらに 打 寄り 給へば、 さしり た, 9 と 渡り合 ひ、 し 

f & せんと む しゃど ころ 乙と お ほぜい とり * ^ sft 

ばし はさ、 へ 打 合 ひしが、 先 を 取られて 武者 所、 殊に 大勢に 取卷 かれ、 腈病 

W, チ さ あしだ C- げ^ だ ぐ あ ふ た あと した A 

ぎの 誘 ひて や、 一足 出して 逃 出せば、 何處 まで もと 煽り 立て、 後 を 慕うて 追 

うて 行く。 

ト此内 太鼓 入りの 鳴 物に なり、 敦盛平 山へ 斬って か、 る。 槍と 太刀に てよ ろしく 文廼" あって、 ト,、 

平 U 花道へ 逃げて 行く。 敦盛後 を 追って 花道へ は ひる。 ト 知らせに つき 一面の 浪慕を 振 落し。 上下よ 

り 岩の 張 物 を 出す。 



へ あ r- も" S やう あと した す ま うら ぺ へそで な な だ た 印な 9 ひめ き はるかぜ 

敦盛 卿の 後 を 慕 ひ、 須 磨の 浦 邊をラ ろ/. \ と。 袖 は 淚の玉 織姬、 氣も 春風 や 

な ぼろよ u--tc は そ み こし か い C あなた はし こなた な 上 ) 

朧-: 仪に、 心細 身の ー腮搔 込み、 彼方へ 走 6 此方へ 迷 ひ。 c ト花 If て〕 

あつ 1*M さま た ぃぷ si 

教成樣 いなう、 大先樣 いなう。 

ト 波の音 こだまに なり、 花道より 玉 綠姬緋 の 袴 好みの こしら へに て、 匕首の 短刀 を 持ち出て 來り、 花 

逍を うろく と 呼びたがら 舞臺 へ來 る。 

f» そこ ここ た .ゥ さ MM た W ば やしの、 め ひとかげ ほの み やまみち 

-其處 ょ此處 よと 尋ね 彷徨 ひ 給 ひけり、 早柬 雲に 人影 も、 仄かに 見えし 山道よ 

ひらや m む し A どこ み に すま うら しほ.. o いさ つ うち た おりひめ み 

り 平 山の 武^ 所 やう 处げ のび 須 磨の 浦、 暫く 息 を 吐く 內に、 玉 織 姬と見 

るよ りネ 

ト此內 上手より 平 山 出て 來り玉 綠姬を 見て、 

たま § ろで あ A つ 35 みモ めさき 

平 山 ャ玉 織で はない か、 テモ よい 所で 出逢ったり、 I: 時ぞゃ 京で 見 あめてから、 目の 先に ちらつく 

お ね わす おも ひ あ £ おやご ときたい どめ . い や 

やうで、 起きても^ て も 忘られす、 思餘 つて そ さまの 親御 時忠 殿へ 言う たれば, 遣らう と ある 

*is む. A そのお と $ ひぶ § ぉ- , 

を 幸 ひ、 迎ひ にやった 其 後で、 ァ 、^娘なら 術な がろ まあ 寢て どうして かう してと, ほんに 

くび ま むか げん^ = ろ 1. え 

/\首 をな がくして 待って ゐ たに、 迎ひ にやった.^ # を 殺し、 よう 待ぼう けに 召さった なう。 

これ つ A に本 つばう 

サァ是 から 速れ て 行て、 女房に する わい やい。. 



平 山 



時代 狂言 傑作 集 一一 一一 

ひつ た ぶり はな > 

A 引 立 つれば 振 放し。 ち $ あ 

i h 、あた f しい、 i& すが どうせう が、 雜觀 と は 二 rf、 かう いふ 內に is 逢う 

ンょ ,ノ^ ま 

て 死なば 一 緖、 邪魔し やん な。 . 

\ ^ ^ だ 力 I 

へ&け 行く を ひん 抱へ。 、 

ム 、^^を^ね るか、 コ レ なん kfe ねても^ 齢の t 仏^、 S の 底まで 尋ねても 在所 は 知れまい。 

玉 織 そり や 又 何故に。 • 

平 山 ォ 、環 は¥たゃ ま S が r かけて i つてし まうた。 

あつ も;" さま う k 

玉戟 ャァ ナント、 敦盛樣 を 討った とや ハフ — 

, h, .-- > わ ごぶ あ なげし プ たま o 

へ はっとば からに どラと ぬし、 人目 も 分かず 聲を 上げ、 歎き 沈ませ 給 ひし 力 

ト玉 綠姬泣 落し、 思 入あって 懐^ を拔 き、 

i ひら 4 ま > く, に „ 

夫の 敲平山 8悟。 # 

かたき f つ うで " び と ► k D 

. 夫の 敵と 斬 付ける 腕首 取って 

ト玉 錢姬平 山へ 突いて か、 る。 ちょっと 立 廻" あって、 平 山 玉 織 姬の腕 を 押 i 

S ャ了 ssife ひか、 もう ならぬ、 と 言 ふ 所 を 一 百 はぬ わい やい。 



» -. • このて じんじ? ひ & f . 

(ト思 入あって) テモ此 手の 柔か さ^ 常 さ、 どうもぐ ァ、 &jlis がする^ どうも ならぬ。 コ 

わる れ うけん s*5 一れ * レ ^ 

レ惡ぃ 了簡 ぢゃ、 とんと 心 を入替 へて、 おれに g ふきに なれば、 お 殿に 掛 つて!^ がると も、 

どうか/ \-。 

> C こ^; ご A ひ め いか M 

どラ 力/ \ と 猫 撫聲、 姬は 怒. 9 の淚 まじり。 

Hs H 、世が 世なら 其方が やうな むくつ けな ボひ は、 li へ もお せっけぬ に、 穀 になび けと g かし 

> • は^た 

い H 、股が 立つ。 

ra^fi リ しつ "で ^さあ と %s 

又靳 付ける 腕首^ 上げ 取って 押 へ 。 

ト平山 を 綠姬又 斬 付ける。 ちょっと 立 i~ り 玉 織 姬を引 敷き。 

> u*c ばう いや ころ 

干 山 サ 7 になる かならぬ か、 厭なら 殺す が ナントく。 

f> た ち ぬき R- «5 じ やぐぶ じん 

太刀 拔 持って 傍若無人。 

ト平山 太刀 を拔 き、 玉 綠姬に 差 付ける- 

ォ、? ^& せ? 賜め、 H 、! I ぞ^いが が^て、 4^ を鳅 つで くれぬ かいな ァ。 

^0 ゆ * ,ぃた がう S ひら々 S » 

悶え 給 ふ ど 痛 はし、、 平. 5 むっとせ き^げ。 

平 山 ャァ 彫い 始め、 f ぬぎ It の輕 髮、 SS& かされ I ならぬ、 ffp0 



時代 狂 首 傑作 集 二 四 

なが つら あた へんば うお も レ _ 

と 詠め? す もむ やくしい、 ゥヌ 辛く 當 りし 返報 思 ひ 知れ" 

\ & れ たなむな いた つきと は こ ゑぐ る をリ から うし かた とき 

, と 持った る 刀 胸板ぐ つと 突 通せば、 あっと 一 聲 苦しむ 折 柄、 後ろの 方に 閧の 

こ Kf 

聲。 

ト此時 奥に てぢ やん C と閧 の^す る。 

V むお つてて *- J > 

南無 三 追手の 敵なる か、 さう だ 

へ われ S ぐて き あとみ, 5 

我お 追 ひ來る 敵なる やと、 後 を も 見す して 落 失せ けれ 

ト平 山う ろた へ 玉 織 姬の死 S を 岩の 張 物の 內へ 蹴込み、 うろく して 上の 方へ は ひる。 と 知らせに 付 

き 切 つて 落 y。 

本舞^ M: ふ 一面の 須 磨の 浦の 遠见。 三 段の 波 手招 * 上下 岩の 張 物よ ろしく、 波の音に て逍具 納まる。 

*w A f-ん ぶね ば じ け みな )(- ふ U うか の T み- ! 3 ば X 

さる ほどに 御船 を 始めて 一 家 皆々、 舟に 浮めば 乘り 遲れ じと 水際に 寄れば、 

ご ャ、 ふ; 3 ひやう せん はる の たま 

御座 船 も 兵船 も遙 かに 延び 給 ふ。 

、むく. S たいふ あつ もリ みち てき みうしな ござ ぶれ tt ゥ ち- * つね 5- み 

ぺ 無官の 大夫敦 盛 は、 ^にて 敵 を 見失 ひ、 御座 船に 馳せ 付けて、 父經 盛に 身の 

うへ つし すま うらべ いて ふね そう 

上 を、 吿げ 知らす 乙と ありと、 須 磨の 浦逡に 出られし が、 船 一艘 も あらば 乙 

せんかたな み w こま のりい ^き ばう う た X 

そ、 詮方 波間に 駒 を乘 入れ、 沖の 方へ ど 打た せ 給 ふ。 



ト波 手すり 高 ニ茧の 上に、 子役 遠見の 敦^ 後ろ向き にな リ、 1 つ 所に 歩きして, o る。 

^ k とたみ うしる ぐ S がへ じ c うな ti ぎ U 

カゝ りけ る^に 後よ. 5、 熊 谷の 次郞 直實。 

ト 揚幕 に て 

熊 谷 ォ、 ィ/ \ -。 

t こも か 乙 ** tt や A ジ w-fc 

ォ ヽ ィ/ \と聲 を钹 け、 駒 を 早めて 追 かけ 來, 9。 

ト かけ リ にな リ、 花道より 熊 谷 以前の 馬に 乘リ、 口の 丸の 陣扇を 持ち出て 來り 

それへ tf I ふ は、 お S?Q?S とか iv s なう も i に g をぎ i ふか、 1 して 錢 

か あれ、 かく f ¥ は 鑿の M の i 襲の や g 靈、 せん、 M さ &へ、 ォ、 ィく。 

^§ あ さしまね てき こ- A な: c ラ t > 

E?- 上け て i ゴ" けば、 敵に!? かけられて、 何 < か 猶^の あるべき ど、 ^0 

を 引返せば、 if 粒んで f 、 ,に m まし かざし、 ^に i く £1 

f\2, ほ- f ケ *t - * マ はばが へ a ろ こ W あし a み - , 

5.1 駔 寄せて う/ \/\、 蝶の 羽 返し P めぶみ、 駒の 足 S かッ し/ \、 g 

處は須 磨の^ 風に、 il の 船 は ひら c/\、 | れゐる s-sis.¥ むら /\ 

f , %, ゆき.; L は » ^ - かハ かへ * たうち きょ < じつ/ \ ぶ-: - ぶ 

ばつと nxv 汐に、 寄せて は 返, 9 返. て は、 又 打 か、 る虚々 赏々 勝 かも はてし あ 

1 の 谷 二 五 



時代 狂官 傑作 集 二 六 

ら ざれば。 

ト 鼓の 合方に なり、 熊 谷 逸 散に 岩 組の 後ろへ 入る。 向 ふ 子 投の敦 盛 正面向き にたる 此 ft 子役の 熊 谷 追 

E け 出て、 是 より 兩 人馬 上の 立 廻りよ ろしく あって 双方 太刀 を 打 捨て、 

熊 谷 イデ ャ 組まん。 

げ もっとも . 

S 實 に尤。 

ト此内 始終 誡へ 大小 入 D 笛になる。 

ぼ じさ < こ _* 5^ たが あぶみ ふみば ブ ,? ば 

馬上ながら にむ んづと 組み、 えい -の聲 の內、 互 ひに 镫 を 踏 外し 兩馬 

I お, 3 

が 間に どうと 落つ。 

ト兩 人馬 上に て 組 打よ ろしく 見 IT 此 きっかけに チヨ ン くと 浪慕を 振 落す。 此浪幕 打拔の ^中へ 落 

し兩入 を^し、 璣打 際の 蹴込み は玆 る。 上手の 岩 組 も 其 儘に 残る。 ト早 笛に なり、 敦 盛の 馬舞臺 を 蹴 

立て、 花道へ 走り は ひる U ^具 出來 次笫、 浪幕 切って 落す と、 向 ふに 見えし 波 手摺 弒ぐ によき 所へ 引 

附 ける。 跳へ の^^になる。 舞}: さ 中より 熊 谷敦盛 組 打の 見得に てせ り 上る。 

n. み m ぐ まが < "あつ もリ と fes > 

"す はやと 見る 間に、 熊 谷 敦盛を 取つ て 押へ。 

ご うん き は うへ おんな な なほ ざね かう みやつ fti あら あ こん £5 なにごと お- » ©こ 

熊 谷 かく 御 運の 極まる 上 は、 御名 を 名乘り 直實が 高名 譽れ を顯 はし 給へ、 今生に 何事 にても 思ひ殘 

こと £ls fc つま J_« > 

す 事 あらば、 必. f 達し 參 らせん。 



<*ss んご s を あつ も sv おんこ さわ や k 1 

「懇ろに 申す にど、 敦盛 御聲爽 かに 

ォ、^ しき, f、 ^ながら も ik っ酽れ 粼か、 かく i あるお かのお にか-り 死 せん 事^! の 面目、 

ま^ S に S くより、 M を 5k^vsl れ、 S てな き^と^ る^に^ ひお く 事 更にな し、 さりな が 

あれ 1 きは^の 气因|* &れ應 と顏? I と 11 き S ひ^る、 ffsi 

あと しおい § ち- ホく あま Z ► 

後に て わが 死默、 必チ父 へ^り 給 はれ 

A 允り かき あ tt ぞレ 

と 襟 搔な 口せ 座 を 占め 糸 こ 

わり さんざ つね もり ぽ つし む \、2 た いふ あつ もり > 

^こそ 參議經 盛の 末子、 無官の 大夫敦 盛な り 

<\ よ 3 た a へた m ぐす き ぐ まがへ み め だ ぐ なにお, 

"か^ ひし ー甬 はし さ、 木石なら ぬ 熊 谷 も、 見る目 淚に 暮れけ るが 何 リ 

ひ& おこ おろ ひ ちり うちはら 

けん 引 起し、 ^の 鹿 を 打拂 ひ。 

谷 i こそ 議 i きの 8 に よな、 srr:fe けしとて、 に&け もせ まじ、 

ft^ ^と ss>i Z こ お fci はや > 

M に 人 もな し、 一先 づ此處 を^ち 給へ、 a- うく。 

、:ゃ い す わか と こ も _0 しあ 率 M む しゃど こる あま た ぐん 

* 早う, (\ と 言 ひ 捨て、、 立 別れん とする 所へ、 後の 山より 武者 所、 數 多の^ 

ゃゥこ AA\ 

兵聲々 に。 



時代 狂言 ^作 集 一 J し 

ト此時 波の音に て 下の 岩 組の 間より 平 山 牛 分 出掛り、 舞臺を キット 見下ろし、 

平 山 ャァ— & 一谷、 平家^の 大 S を きながら 辦 ける は? 1 おに |_ れ なし、 g ねぐ るめ ^つて^,^ 

軍兵 M イ^ \ ォ、。 

、熊 谷 はは ッと ばか 6 に、 |« はせんと り、 しとやかに。 

敦盛 とてもき ぬ^の 霸、 ぎき かり ts につ 下す 司 S の ft り、 き あさんよ え ^ 

おんみ て > と Iv£ J 

く 御身が 手に かけて、 人の ひ 晴らされよ。 

西に 向って 手 を 合せ、 御 目を^お て!: ち^へば、 « はしながら g ^は、 « お 

a き £.s に藝 & ぶげ ながら、 たき やうなる sp、 

情な や 無き やなと、 sfff. sfrf 

ソド. - > なげ とき ラっ 

き 暮^ 討ち かねて、 歎きに 時 も 移る にど。 

ト^ 谷 白刃 を拔き 、 敦盛を 斬らう として 愁 ひの s\。 

I ャァ 後れし か 谷、 おや/ \^ をぎ ねられよ。 

< "、5 む ゅス か^ み めぐ こ^-き 

捻ち 向きた まふ 御颜 を、 1 るに 目 も 暮^、 レ 1 え。 



ェ-£レ こ じ らう ま を も 5^ ど きみ としかつ かう こんて う SWJ , <M» でせ うく お > I f んャ- 

熊 谷 某に も 枠 小 次郞と 中す 者、 r 度 君の 年格好、 今朝 軍の 魁して 雜傷少 a うたる ゆ ゑ 陣屋に 

のこ 4<- こ 4 お こ なか おも いまこ、 うちた y5 さぞ おんち. * つ. も 

殘し S いたる さへ、 心に か i る は 親子の 仲、 それ を 忍へば 今爰で 討 奉らば、 嘸 や 御 父 終 盛 卿 

たげ おも ナご ぃ^ さら 

の 歎き を 思 ひ 過され、 今更に。 

A たげ も ふ なさ ぐ 

さし もに 猛き 武士 も、 そ^ろ 淚に^ れ. Q たる 

なほ ざね あくにん とも す ぜんにん れ S ^ね この こと は くびう > な かう たの 

敦盛 ャァ恧 ゃ痕實 、 惡 人の 友 を 捨て、 善人の 敬 を 招け とは此 事、 早 や 首 討って 亡き^の 向 を^ 

し が. S 

む、 さなく ば 生害せ うか。 

はや > 

熊ハ介 マ 早まめ 給 ふな" 

/、まが へ ^なげ ときう つ ひけ ふ をめ. i と, k 

敦盛 ャァ熊 谷、 汝欤 きに 時 移り、 卑怯の 汚名 を 取らす るか,」 

熊 谷 サァ それ は。 

あつ も M- こ; J し I? が. S ) 

敦盛 教盛 ぁ にて 生害せ うや。 

熊 谷 サァ。 

敦盛 但し が 討ち 召さる \か* 



時代 狂 首 傑作 集 nio 

熊 谷 ム 、 。 

敦盛 はやく i を 刎ねられよ。 

熊 谷 ハ、 ハツ。 

"諫められ。 

e^K んビゃ v えんと も ばだい みらい si V れんた くし § なむあみだぶつ なむあみだぶつ » 

順 綠逆緣 供に 菩提、 未 來は必 す 一蓮托生、 南無 阿彌 陀怫、 南無 阿彌 陀佛、 エイ 

へ f び W へ お 

首 は 前に ど 落ちに ける。 

ト熊谷 思 切って 敦 盛の 首 を 討 落す。 板 返しに て敦 盛の 首 前へ 出る。 熊谷愁 ひの 思 入に て 首 を 取上げ。 

、ひとみ め はづか おんぐ £> かきいだ ぐ& こ ゑば あ 

人の 見る目 も 恥し と、 御 首 を搔 抱き、 曇りし 聲を 張.^ 上け て 

へいけが te t む くわん fc いふ あつ も S くまが へ じ らうな ほ ざ ねうちと ► か f どき ( > 

平家^に 隠れな き、 無官の 大夫敦 盛 を、 熊 谷の 次 郞直實 討 取ったり 勝 鬨々々 

軍兵 h ィ/ \- ォ、。 

ト どんち やん 打 上げる。 是 にて 殘らず 山間へ は ひる。 

、い- V ぷ た * お n- ひめ たい きす g *! つと した ねんり S み、 4 , 

磯に 臥した る 玉 織姬、 絕ぇ 入りし 斌も 一筋に、 夫 を 慕 ふ 念力の、 耳に 入らし 

かむ つくと 起き。 



ト此時 倒れし 玉 織 姬此錄 にて 起 上り、 這 ひ 出て 前へ 出て、 

ま あつ も;" さま う A- かひと な ご 

玉 辯 ナウし ばし 待って たべ、 敦^ 檨を 討った と は、 如!: なる 人 か 恨めし や、 切め て 名残りに 

* ひとめ み • 

を 一 E なりと も 見せて 給べ 

A\ ^ こ ゑ ふかで よわ いき み く i が、 A ん ぐ^た ブ*- あゆ X 

言 ふ 聲も深 傷に 弱る 息づ かひ、 見る より 熊 谷 御 首 携へ步 み 寄 わ、 

あつ もり i-t し た A ま いか ひと あま 

熊 谷 敦盛卿 を 慕 ひ^ふ は、 如 W なる 人に てわたら せ 給 ふや。 

^たヅ いま は ぐる こわね 

尋 ぬれば、 臨終の 苦しき 聲 -IB にて。 

わぶ あつ も, つま さ だ た *、 おりひめ 

玉 雄 抝 こそ は敦 盛の^と 定まる 玉 錕 姫。 

あつ も tj? ご れんち う ださお 9 

熊 谷 スリ ャ敦盛 卿の 御旅 屮、 ァノ 玉^と や。 

あつ も W さま う おんく び 

敦盛樣 を 討った と ある、 シテ御 首 は • 

熊 谷 ャ。 

何^に ぞ。 

熊 谷 ャ。 

, モ& くび > 

玉弒 サァ其 首 は。 

熊 谷 サァ其 首 は • 

1 の 谷 三 1 



時代 狂言 傑作 集 11 三 

玉 織 H ゝ モウ 目が^えぬ。 

a ミ- めみ A "ャ& *>a せいめん WIS 

熊 谷 ム、、 ナ 一一お 目が 見えぬ とや。 (ト熊 谷 玉^の 側へ^ リ、 疵口 をよ く、 \i て) 胎隨を 莨き 肺肝 忽ち 

£さ も はやおん め いた いま た. ^は .、4 あつ も M-il^JO 

に袞 へ、 S 早 御 目まで も。 (ト思 入あって〕 ム、、 ァ 、お 痛 はしゃな ァ、 今 は || 憚らす 歙盛 卿の 

なんく: i ナ: ほ -Z 

御 首、 則ち 爱に、 

クァ I 。 

、てわた な つき ひぞ だ きえ い たえい 

手に 渡せば、 わつ と 泣く 1 しがみ付、 膝に のせ 抱きしめ, て、 消 入 6 絕入. 9 

なげ o 

歎き L 力 

ト^ 谷 首 を 渡す、 玉 織 姬铋り 付いて 思 入。 

あつ も 9 さま はか ズた たま S んゃ i で fci お あと レ お «$A\ たづ 

ナウ 敦盛樣 か、 ァ某跑 ない 娈 になり 給 ふ、 陣屋 を 出させ 給 ひしょり、 御 後 を 慕 ひ 方々 と ts- ぬる 

なか げんじ ぶ し ひら 4 ま む しゃど ころ とら > む 六い 水ん K だま う £な わざ この ごと て 

中に 源氏の 武士、 平 山の 武者 所 われ を捉 へて 無體の i 慕、 騙し 討たん も 女 業、 此 如く 手に か i 

ふた J ふた 《- * な さい J!J ) 

り 二人が 二人で 悲しい 最期。 

わか おんか^ みし I 

せめて 別れに 御顔 を、 見て 死にたい と 思へ ども。 

ふかで J5C ひ *i / め み かな, ) 

深 傷に 心が 引 入れて、 目 さへ 兒ぇ ぬか 悲し やな ァ。 

たなんぐ S- なで ぐ わ げん ぶえ とき のち こ とぼ こんじ やう ご * 

又 御 首を撫 さすり、 宵の 管鉉の 笛の 時、 後に と あ, 9 しお 詞が、 今生 後生の 



筐 かや。 

? ffi. It は f S う。 • 

添 ひ 遂げて たべ わが 夫と、 顔に^ て 射に^ へて、 ^ひの^り gl り、 ^く |日 

は I の 13. 鳥、 fi^rn, II と かくぎ、 ちし ごと かえて き 

は: くまが へ ぼうぜん 

え 果てたり、 熊 谷 は 茫然と。 

I ア^れ を^も ま g、g の I? より r ぬ "は^かる、 g に お りて だ き | を、^ 

乙と ナ ま うら 、ど. •* 

j 人 もな き須 磨の 沛、 なみ/ \ ならね 人々 の、 成り^つ る か の g はしゃな ァ。 

非 I の淚 に^れけ るが、 もな く, まの、 なき ビ^ K め、 1^ を ほど 

いて,、 I 爵を 群み、 i おって 1 び、, Ef Is つくる、 

鞍の 塵 手 やし を/ \ と、 r 手に ぎん^ 攝 へて、 ^に 観の^ れ^に、 ^^ぎんの F 

f 力 

き 別れ。 

ト此 文句の 内^ 谷敦 盛の 吹 替の胴 人形 を、 馬へ 母 衣の 緒に て 結び付け、 よろしく 思 入あって。 

悉陀 太子 As りたる、 が匿 童子の i しみ も。 



時代 狂言 傑作 集 三 四 

おな おも かたた , つな なみだ 

同じ 思 ひの 片手 綱、 淚 ながらに、 

る てん がいむ ゐ しんじつ はう しゃ な む あ み ぶ, つ { { ( {> 

流轉 三界 無爲 ^實 報謝、 南無 阿彌 陀怫々 々々々々々。 

へ か ( D 

歸 りけ, 9。 

ト此時 次第に 遠 兑束雲 の 桉揆、 太陽 を 引出し、 朿 西の 窓 を あける。 熊谷フ ト首拔 を見愁 ひに 沈 も お 

時 上下に て、 

軍兵 H 、ィォ ゝ。 

ト遠 寄せ を 打 込み、 一 足に 立 上る。 浪 g より 數 多の 千鳥 を 日 覆へ 引上げる。 熊 谷 首を搔 込み キッと 兑 

得。 1 萆、 カケリ にて、 

冪 



三暮目 蔸 原野 里の 場 

役名 薩 摩守忠 度、 岡 部六彌 太、 菟原田 五平、 捤原 平次景 高、 人足 廻し 茂 次 



兵衞。 俊 成 卿 息女 菊の 前、 菟 原の 林 等。 

本舞蹇 三 問の 間 芻葺常 足の 二 ffi。 上手 九 尺の 障子 岸體。 いつもの 所 門口 此 外に 跳への 生坦、 林 世話な 

りの 母に て 打 盤の 上に 洗濯物 を乘 せ、 手槌 にて 打って ゐる。 在鄕 唄に て 幕 あく。 と テン ッ、 にて 花道 

より 百姓 〇x の 四 人 鋤 鍬な ど携 へて 出て 來り、 直に 本舞臺 へ 來リ、 門口 を 硯き內 へ は ひって、 

B コレ 婆樣、 いつもく よう 精が 出ます の、 年に 似が はぬ 達者 ゆ ゑ、 每 S 休みと いふ 事な くだ 仕 

^ • モで はる ひなが L ごと き ぼ やう 

事 をなん ぼ 其 やうに 稼いでも 春の 日永、 もう 仕事 もし まって、 氣保養 もさつ しゃれ や。 

さ ゃラ Z とし さく 

林 ハ ィく 左様し ませう、 したが 今年 は 作 はどうで ござり ませうな。 

> ^ し とほ , ねんで き $ はる う *s つけ ひとし ほげ o*, 

X されば いなう、 婆樣も 知っての 通り、 一年の 出来秋で、 春の 植付 も 一入 元氣 があって ようご ざ 

る わい の ** 

^ , 1» ひ £9 ふ じ ^5 ま. J に *«5 ゆ fc づ * si _1 ん 》fc 

厶 コレぁ お 一人で 不自由で ごさら うが、 毎日 畑へ 行く ほどに 尋ねて 見ます から、 必す 遠慮なく 

よう .a 

用が あるなら 言 はっしゃれ や。 

林 ォ 、其 やうに ^ 切に 忝 う ござります、 マァ 一 服 喫んで 行かし やり ませ、 J| も溫 うなりました 

, > ひ 4 ゆ 

が 一っ^んで 行かつ しゃり ませ。 

ト林 茶^ 土瓶な ど を 出す。 皆々 取って 呑む 事。 

一 の 谷 5 



時代 狂 言 ^作 笾 W 一六 

〇 が 意 はっしゃるな、 兎 やかう 言 ふ內 日が 闌 けた、 もう 一 と^ぎ やら うぢ や ござるまい か 

は さま ちす あ 

□ それが よう ござらう、 そんなら 婆樣、 明日 また 逢 ひませ う 

林 ォ 、 乇ぅ 行かつ しゃる か、 靜 かに ござれ や。 

ト又 テン ッ、 になり、 百姓 四人^ 道へ は ひる。 林 後 を 見送り、 

ハテ あの 衆 もよう 親切に。 (ト思 入 あ" つて) とかう 言 ふ內、 もう 日が 暮れる さうな。 ドリ ャ火を 

と あ 

S さう か。 

トぉ內 杯 は 打 盤に て 洗濯物 を 打ちし まひ、 其處ら を片啬 けな どして ゐる。 

、よう み ね 5!" しの ひと ぐし さつ M かみた C の P 

A 世の 憂き にい さ、 めなら ぬ 身の 願 ひ、 忍びて 人に つげ 櫛の、 薩摩の守 忠度は 

0^ ぜ 5- き やう <£! す 4 ちん や. 少へ . い-ベ _ ^、- 、 t ど ; : 

俊 成 卿の 館より 須 磨の 陣屋へ 歸 らんと 急ぎの 道 も 行き 幕れ て 宿り も 力な 

ここ かしこ あ のき ぼ まばら ふせ や かど たち はた- g 3 

と此處 彼處、 荒れし 軒端 も 疎なる、 伏屋の 門に 立 寄り 給 ひ。 

ト此内 時の 鐘に なり、 花道より 忠度壺 折り 衣裳 庭下駄、 肩 蓑、 笠 を かざし 出て 來り、 思 入あって 門口 

へ來 り、 

み 4> こがお さ いこく うたし ゆ £5 たび も ち ない し みちつ か, ひ ス: : めいわ;^ い A • で p. じ 

忠度 1 方より 西 國へ歌 修行の 旅の 者、 案內も 知らぬ 道に 疲れ 日 も 暮れ たれば 迷惑 致す 卒爾な が 

やど ご む しんた の, い I 

ちお 宿の 御 無心 賴み 入る。 



、た S ぃ 

お、 み 入る とど ありければ。 

ト林是 を閗 きこなし あつ て、 

林 ィャ S は 所の 法度に て 人馆は 致さね ども、 われ も 人 も 行き暮れて Is ない は 難, な もの、 變 

お .5 うだ サ. -vi- ご しゅ かた & v つで う や? ちほ こ 

優しき 歌枕、 御 修行のお 力と M けば 別條も あるまい、 {伯 はせ すと もま あく は ひって、 !g 草で 

も參 らっしゃり ませ。 . 

戶ロ を^け て。 (ト 林ニ茧 ょリ 下り、 門口 を あけて 見て、) 

ャァ、 あなた はどう やら 見た やう, な。 

» - - モ. ち おもざし おば 

忠度 さう 首 ふ 其方が 面 差 も、 どうやら 覺 えの、 

< ^ » ヘ^-た みやこ め ,6- fcKofsi 1 

材 ォ、 それよ 前方 都で お 口に 掛 りし、 忠度樣 では ござり ませぬ か。 

、 f I ゆに おも あは そ S でう み. カゼい きく まへ -C ま J 

^度 佝 さま ra:J ひ 合すれば、 北 ハ方ゃ 五條 三位 俊 成 卿の 館. にゐ やった、 菊の 前が 乳^で ないか。 

林 あなた も 御 無事で。 

忠度 共 方 も 健 E で fa &々々 。(ト 思 人あって; > シテ は、 S ハ^が か。 

C 1, ばら や この ほ 1- 

林 茅屋な れど此 婆が。 

-、f- ^ひ, んじ ゆる 一 

忠度 件 居と あらば 暫時 許し や. do j 



時代 狂言 傑作 集 三 八 

林 マァく 此方へ。 

\ 2 ,- at I i- ん. V ぐ て *J け 15 うきよ しの みの か s. 4fn; つち^ち L ^ ゆ は 

先づ 此方へ と 伴 ひて、 洗足 盥手 稍の 水、 浮世 を 忍ぶ 簑 笠の 鹿 打拂ひ 入り 給へ 

はやし てビ しこ あら ねぐ ふぐ さもの じ やつ ぞ なほ ズ - *o 

ば、 ともに 林が 手敏 く、 洗うて 拭 ふ 袱紗 物、 上座に 直し 手 をつ 力へ 

ト 誹への 合方、 忠度內 へ は ひり 上座に 住 ふ。 

マア^ か 穀|1 きお tss- 中し ませう は、 此度 源氏の 軍 k 牛 家 を 攻めん と 都へ 亂人 に付き、 一門 殘 

らす^ 斷へ& ち させぎ ふと 承り ましたが、 あなたば かり 何として 今迄 都に は ござりました。 

そ し か. a HI ち し とほ それがし .>e ムビぃ でし しゅ \ : * ゝ、! 13 

忠度 ホ、 ゥ其 仔細 は豫て 其方の 知る 通り、 某 は 俊 成 卿の 弟子と いひお けて 親しき 付なる 力 ル 

^^の 淤 まれし 千^^に &が を S はりな ば、 sfe の 手に か-り、 屍 は 野 山に 曙す とも、 

このよ :? うき k き ひ: 、お. f , こ、 > ひ, と 叶. 5,":ぉ"^: ほ- fj- く的ぱ * き ダ^こ t3 

此 世の 本 ^敷 島の 道 を 求めし 甲斐 あらんと ^ふ 心の 一 筋に 狐 h より:..? 返し 俊 成 s の 館に 立 

- *ノ き 3 ゝ ナ t 、 s bte<^ i その さ fc うち は 

^え^ひし が、 か-る Mi にお i の; M 耿、 ^に 人れ られ すと、 いまだ 其 沙汰な き內 に、 早 や 

ぉ疆ち 中つ と ぎ かれて る、 sff の 1 も 匪し と は訃 ひながら、 S に S ば, 4 ほも^ 

この >£ ろ たち よ ふしぎ タん _ > 

くま じと 此 所へ 立 寄りし も、 不思議の 緣 であった よな ァ 

< ふしぎ えん € たま > 

不思 諺の 緣と宣 ふに。 

林 されば 臧レ もき 1 の f r 所よ &ん、 きりに して f し 知れす、 Mi? とめて i 麵 へが S 



こう やしな ひ? 2U く *-*へさまご せいじん つき sxi か- «^ きしゃう わる かんだ ういた 

公、 養 君 菊の 前樣 御成 人に 付お 暇 巾し、 褂 るべき 枠 も あつたれ ど、 氣 性が 惡 さに 勘當 致し、 

.5 まひと み ひんら く - おう く ら 5 lotsi きく まへ さ i わけ 

• 今 獨 り 身 贫樂 應ぜぬ 苦勞は ござり ませぬ が、 承 はれば あなたと 菊の 前樣 はどう やら 譯の 

わ IN し ご ゑん" よ こ と は なし ま を こと 

(ト思 入あって ;- ホ、 ヽ、、 ィャ私 に 御 遠慮 はいらぬ 事、 それにつ いてお 話 申す 事 も あれ ど、 

モ こり や I 一っての 事、 マァ/ \ 遠路の 草臥れ、 あれへ ござって 御休^ あばし ませ。 

、•: > TJi ちう ' ^ > . かんせ > このす まひ じゅ 4.-S- 

忠度 いかさま 旅 屮の勞 れを 休めん。 (ト忠 度 立上り あたり を 見て: > ハテ閑 I! なる 此 住居、 一樹の 宿り も 

た し f ^ 

他生の 緣。 

Z よ ひ よ とも ものお た 35 いた 

林 八^ I は 夜と 共お 物語 致し ませう,. 

忠度 I 寢の 1^ 然、 ハテ何 をが な。 

へい や たてと りいだ こぶ かたへ や しゃう じ I! き 

. 言 ひつ、 矢 立 取 出し、 心に うな づき 傍なる、 破れた る 障子へ さら/, \ と、 書 

たま み iV ひと R- じ うば さしよ て 

なし 給 ふ 三十 一 文字、 乳母 は 差 寄り 手 をつ かへ。 

ト此 內忠度 跳への 扇形の 矢 立 を 出し、 障子へ 欲 を 書く、 林是を 見る。 

» < こ しおかぜ *. ど ほな こ よ ひ あるじ 

忠度 行き^れて 木の 下 隙 を 宿と せば、 花や 今宵の 主人なる らん • 

なか しゅ うた さすお みやこ た r の 9 さま み ぐる ,く ま - 

林 か&る 中に も 一 首のお 歌.: 流石 は 都の 忠度 樣、 見苦し けれど 奧の 問へ。 

tt^u ぁム ない I 

忠度 林、 案內。 



林 



林 



時代 狂言 傑作 集 四 o 

いで あそ 

かう お出 遊ばし ませ。 

<\ やさ もてなし ひんか ち つぐろ あるじ あないう ちつ £ 

いふ も 優しき 持 成に、 貧家の 塵 も 繕 はぬ 主人が 案 內に打 連れて、 一と 間に rJ 

そ は 入り 給 ふ。 

ト林 先に、 忠度思 入あって 上の 屋體へ は ひる。 

f 上 ひ くも ろ久- こ ,-ろ ぐら xsa s AttJMS 3 こく いけがき;" しゃぶ 

まだ 宵ながら かき 曇る 空 も 心 も 暗 紛れ、 うそく 窺 ふ 大男、 枳殼の 生垣 押 破 

あが ぐちなん ど し か さしあしぬ さるし しの 乙 2 あるじ はやし 

り、 ぬつ と は ひって 上り口 納戶へ 仕掛ける 差足拔 足、 忍び込む 問に 主の 林、. 

ものおとき. -* つ たちい s» が ほ ふくる い こし こ 

物音 聞 付け 立 出で、、 窺 ひわる ともしす まし 顔、 袋に 入 6 し 一 腰 かい 込み、 

おもて かた い 

そろり-/ \ と 表の 方、 出 でんと する を。 

ト此内 花 S3 ょリ、 時の 鐘に て 太 五平 廣袖 襠袍 のな リ、 腰に 酒の 入りし すつ ぼん を 提げ、 うそ 7\ 出て 

來り、 下の S 枞を押 分け 二重の 横へ 出て 窺 ひく 暖簾 U へ は ひる。 袋入りの 刀 を 盗んで 出る。 此內上 

の 障子 を あけ 林 出て 來リ、 太 五平 表へ 出ようと する を 見て、 

A すび とま > 

コリャ お 人 待て。 

ヽこゑ に ゆ さ 一ろ と むしゃぶ ひきもど 

おかけられて びっくりし、 逃げ 行く 所, V 飛び か、, 9、 武者 振らつ いて 引戾せ 

のが や つか ひつば- ほ、 かぶ ね お かほみ 

ば、 逝 さじ 逍ら じと 摑 みつき、 引 張る はすみ に頰 冠り、 股げ て 落ちた る 顔 見 



付け。 

ト此 2: 兩入 やら じと 爭ふ 内、 太 五平の 手拭 とれる。 林 钹を兑 て、 

林 ャァ、 わり や 太 牛ぢ やない か、 ェ、 おのれ は/ \。 

は. - じゃひと こ &た か い ぬ 十つ と ら • み : わぶ こ , fc ひと I-i* 

太 五 H 、コ レく母 者 人、 ^高く 言 はっしゃるな、 ^人 を 柿へ て 見れば^ f なりけ りち や、 人が 知 

まへ pes ぶん わる I 

つて はおれより マァ、 お前の 外分が 惡 いわいの。 

さて こく しゃう わる 牛つ また I 

林 テモ^も^ やの く、 おのれが やうな 性の恶 い 奴が、 又と あるかい やい (ト 合方) 

セ-サ いろごと こ つち さか つ る か 5 けんく わ めった *< へさき 

太 五 ハテ あれば こそ 酒も飮 みます、 色事 は 此方 任せ、 三絃 もちつ くり 嗨 るて や、 喧嘩 も 滅多に 前 先 

み こと また く B- よぐ わい 

の 兄えぬ^ はせ ぬ、 又 これく もたん まりに して かすり は ゆ ひませ ぬわい の、 へ& 慮外ながら 

ほん たつ > 

萬 能に 達した 男ぢ やわい の 

その わる こと つも お % さま <\ なん VT- .vf^ ひ 2 つと ザつ こう > ► * / - ) % 

林 サァ共 恋い $ が^って、 親に 樣々 難儀 を かけ 妹娘 を 勤め奉公 にやった もみん なお のれ 故 ま 

モ aAvf う. I ぬ 9 A す いんぐ わ だち ほか 

だ 共 上に 上塗 かけ、 盜 みする やうに なった は、 よく/ \ 因果な 產れ 性、 そして マ 7 外で も あら 

う 事 か、 親の 家へ は ひると は、 H 、 マァ おのれ はく。 

まへ としに ぶ ことい » た-にん ほ- C 

太 五 ァ ゝ コレく 、 お前 もほんに 年に 似ん 口 はぬ、 まだな 事 を 一一 ほ はっしゃる わい の コレ 他人の ザ 

I M のく び も * つ. > ち k > 

へ は ひるとの、 忽ち 此 首が ござらぬ わい な、 そこで 若し 見付けられても 命に 氣镇 ひの ないや 

1 の 谷 四 1 



時代 狂 首 傑作 集 四 二 

うに、 ^を^って n の M へがった はもが チ ながら も天晴 な者ぢ やと, 褒めて 吳 れいで 何ぢ や、 

らくど/ \ くどくと、 愚痴な 事 言 はっしゃる わい の、 コレ そんな 事閗 くと 氣が 詰る わい の。 

J- ひ 乙し るり あ ちゃわん o 

言 ひつ、 腰の すっぽんから、 有 合 ふ 茶碗へ どく ( — ^ 

ト太 五平 腰の 吸 筒より 酒 を W して 飮む 事。 林是を 見て 思 入。 

そのき け や おこ こと あう ち き】 で I — k 9 ' . * *1 >^ > に、 JiS 

林 そ^く 其 酒が 止まぬ から 起った 事、 橫 着な 氣も 出る わい なう コリ ャャィ 見る^ もない 此 

は..!", としごと そ ひ おく, i I : y 3>b 

^が 人 仕事して やうく と 其 日 を 送れば いかな/ \ 一 錢の貯 へ もな レゎ いやい 

太 五 サァ あって I る もの か、 そのない SI はおれが よう 知って ゐる、 ぢ やによ つて 錢 銀の 望み はな 

= の ひとこし ほ > 

い、 コレ此 一 腰が 欲し さぢ やわ 

ト 以前の 袋入りの 刀 を W して 見せる。 

おや ぢ 》:3 こ お. ぢカ だい > ) > » o 

林 ィャ そり やならぬ、 親 父^が 遣して 置いた 重代の 寳物 ちゃわ やい 

. ^ 3 .> ま もとで レ J な ^2 

太! H サァ それ ぢ やによ つて、 よう 斬れう と 思うて 商 ひせう にも 资本 はなし、 仕^れた 職 もな H れば 

Ms しの £Ai が S にか-つて ゐ V4s&m しても、 g けにく いは sl、 それに Fnss 

も^はに やなら す、 三^でも^ つ た^は、 ^かは^んで やっての ける、 是 ぢゃ濟 まぬ と 思 ふか 

. 「 . ^E- ,y み ま は ひろ くび ち so 

ら、 ふっと まの I: いた は、 おず^ S の牝、 うそくと 見廻って 抬ひ 首で もしたら、 知行になる 



おも, つ 

まも な f と:。 f きはついても i ではなら ぬき、 ii^If 

の \ 親の 物 は T の物ぢ や、 こり やわし が m ひます ぞゃ。 

林 ァレ まだ その やう I 太 あばかり、 r れ^れ ど. わり や 霧したり や わい やい。 

太 五 サァ、 そんなら り ま 亡う。 

栌 ィ、 ャ、 ならぬ わ やい。 

なん ち 

太 五 れ でも おれが 借りに やならぬ。 

^ , 7 なか fc ん そぐ ま は &, レぺ义 

せり 合 ふ 中へ、 人足 廻し の 茂 次兵衞 が。 

1 兩 人^-ひ ゐる。 テン ッ、 に なり、 它 I ょリ ? た nj、f 、 , > ノ -.- :• , r 

. : ^這よ, 茂 次乒衞 力る さん 三尺 大風 呂歧 へ^への 鎧 小手 膪當な 

と を 包ろ ^を 引つ かたげ 出て 來り、 門口へ 來り、 

I コ レ太 五平 爰にゐ やる か、 ャァ km、 ii やらせり^ ぢゃ 十、 C: : ^k/^ き 

まいと いふず とか。 せ ム ちゃ ナ — 扨 は勘當 のぎ 間く 

林 ィャ /\i 所 ぢゃ ござらぬ、 やつば り き1 が g ら ぬわ いの • . 

茂 さ ァ、 コ レぐ 度らぬ と は 言 はれま ハ、 ^^^^ , 

れ うけん ト ォ. 3- レ ^オズ 世1 にして 力ら 減 切と ような りました、 そり や 

う 了簡して やらつ しゃれ、 コリャ ひに、 3 I C . 

« のい ャぐま 牛う つかりして ゐ る所ぢゃ ない; Is につい 

四 一 II 



時代 狂言 傑作 集 四 四 

A み 》0 ち P リ i- 一 にしぶ ,; それ..^ ひと せんさく はた もち た 

て、 ^持 檢 持のと 太が 人夫が 耍るゅ ゑ、 夫々 の 人 を 穿鑿して やった が、 まだ 旗 持が 足らぬ ゆ 

そ ち やと おも べん たづ ほか こと,' , * , はんく 、て- f i 

ゑ、 其方 を 履 はう と 思って 一遍と^ ねた, 外の 事よ り しんどう はせいで マァ 督 力よ い カー わ 力 

ぬか。 

ちん い v=w ば い C ちがけ よ > o 

林 ィ H/\ なん ぼ賃 がよ うても 戰揚は 命褂, こり や 止しに したら よ 力ら うそ や 

きづか W やと もの ひと タ 志つ ち .iif; て I ^ 9 

茂 次 ハテ やくたい もない、 氣遺ひ あれば 雇 はれる 者 は 一人 も ござらぬ 彼方の 拊 人と 笾 うて 道具 

もち チリ あ ひ X- つ ぶ ながやく とま > 

持 は 斬 合の 勝 員 はせ す、 もし 流れ矢で も 來る時 は (ト思 入あって) 

たて うし A かぐ , . 

> 楣の 後へ ちゃつ と 隱れ。 

ほ さま 

義 えいか。 

\ やりな 53 なた ひと £ み か W , 

槍 長刀が ひらめけば、 人の 後へ ちゃつ と 屈む。 

と かく *v てんき たち £ は け が こと し 

兎角 ちゃほや 氮轉 利かして 立 廻れば、 怪我す る 事 は ござらぬ、 ほんの こけ 知ら 卞と いふ もの ぢ 

その だん この もじ ぺ I& うけあ ひ これす は さきさま き ^やつぶ し s.-r ぞくみ > 

や、 其 欧は此 茂 次 兵 衞が請 合、 是 則ち 先 樣 から 來た 丈夫な 装束 兒せ うか。 

へ ふろしき と り だ *o ふ ひ ゃゥ な. t さんが さよろ ひ み a たへ い だ 3 

風呂敷 ほどき 取 出す は、 雜兵 並の 陣笠 鎧、 見る 間に 太 五平 どく つき出し 

の n 一 おせ ぜ い * ゥち まじ いみ 

太 五 そり やおれ が 望む 所ぢ や、 大勢に 打 交^、 H ィくォ 、が 言うて 兒た いわ。 



茂 次 そんなら 直ぐに 身 持へ する がえ いわ。 

is つ と このよ, cis せ み 

太 五 そんなら 一 寸、 此鎧^ て兒 ようか。 

茂 次 サァ くそれ がよ いく。 . 

<\ てんで なびと ね じゅばん う ( ぐろ かば i-^tt^v し I 

各自に 帶解 きどん ざ脫 ぐ、 襦袢の 上に 黑 革の、 鎧上帶 しっかと 締め。 

ト しころ の 合方。 

ス ひとこし さむら ひ こ てす; S" あて te あ ちん S-3 つ — 

, 一 腰 さすが 侍 の、 小手 臑當も 似合うた と、 陣笠 着けて。 

ト此内 太 五: f 着物 を脫 ぎ、 茂 次兵衞 林手傳 うて u 小手 臟赏を 着せる。 太 五平 嬉しき 思 入。 

太 五. 先づ で 支度 は出來 たが、 鼓から マ ァ何處 へ 行く のぢ や。 

なるほど そ たた さ * さま し いへ, い S き 

茂 次 成程、 共 方 は 先樣を 知るまい から、 おらが 家へ 往て所 を 間いた がよ い。 

がって^ は-しゃ ぴと このかたな もら ) 

太 五 オット 合點、 そんなら 母 者 人、 此刀貰 ひました。 

とて ついで をり がみ そ f これ その かたな f 

科 ォ、 迚もの 序に 折紙 も 添へ て やり ませう、 待ち やく。 (ト林 奥より 折紙 を 出し〕 ^ は 其 刀の 折 

^ ぢゃ ほどに 大事に しゃ。 

* ん をり がみ そ くだ か たじけ な > • 

太 五 何ぢ や、 ァ、 折 i も 添へ て 下さる か、 ヱ、 忝 い <。 

^ § けが く, 

林 コレ/ \必 す 怪我して 吳れ るな よ。 



時代 狂言 傑作 集 四ナ 

ば さ *< S > 

茂 次 コ レサ 婆樣、 案じぬ がよ い。 

太 五 ォ、 よい、 よいく よん やな。 

ト太 五平 力 味 返って っッ ばる こなし、 林 茂 次 兵衞思 入あって、 大太鼓 入りに てよ ろしく。 

よいく よい やな。 

A\ V- ^ ねりもの み ごと いさ す、 い-, ベ ゆ r o 

身振り は 練 物見る 如く、 勇み 進んで 乙 そ は 急ぎ 行く 

ト此瞌 太 五平 は 花道へ は ひる。 林 跡 を 見送って ゐる。 

A はやし あと うちな?" J 

"林 は 後 を 打 眺め。 

林 おきな^が と、 あり やう は 不便に ござる、 兎にも角にもお 前のお 世話、 忝 う, こざり ま 

n » さ. - jS と しん おく レ ごと とり ちお * なん ど . 

する、 お 1 が てらに 酒 一 つ 進ぜたい が、 奥に は 仕事 を 取 散らして 置きました 鈉戶 でな とま ゐ 

つて 下され。 

むよう , , _ 

茂 次 ィャ そり や 無用に さっし やれ。 

か しし よ モ もら もろはく . ^ § , ひ, と >J 

林 ハテ K うて は 進ぜぬ、 餘 W から 貰うた 諸 白に, ^の 肴で 唯た 一 つ 

こと ひと ごち ェろ k a 

茂 次 それほどに 言 はれる 事、 そんなら 一 つ 御馳走に なり ませう 力 

なんど ぜひ , 

林 サ アマ 了 納戶で 是非ともに。 



へ ぜひ むりやり なんど おしや かって て. し さか, つき も ゆ こ 

"是非に ( -と無 现 矢理 に、 納戶 へ押逍 り 勝手から、 铫子 杯 持ち 行く も、 子 

ゆ ゑの 愛想と 知られけ り。 

ト茂次 兵 衞を奧 へやり、 林 こなしあって、 铫子杯 を 持ち 思 入あって 奧へは ひる。 

へ か 4- みち しぐれ t ひ み ぬれさ S3 きぐ a (はしつ や, * 

ノ風 さそ ふ 道の 時雨 も戀ゅ ゑに、 身 は 濡鷺の 菊の 前、 走り 着いた る 一 つ 家の, 

かど と うちた、 

門の 戶け はしく 打 叩き 

ト 花道より 菊の 前廣 振袖 衣装、 市 女 笠 杖に て 足早に 出て 門口 へ來 り、 

菊の コレ爰 あけて たも ひなう。 

へ CS* はやし 3、 つ } 

あけて, -\ と宣 へば、 林 は 聞 付け。 

ト 奥より 林 行燈を 提げ 出て 來り。 

林 ^ ぢゃ く。 

だいじ %0 ) 

菊の ィャ 大事ない 者ち やわい の。 

だいじ. もの どなお fc^ 

林 大事ない 者と は 何方 ぢゃ、 Si ぢゃ。 

f まへ I 

菊の ハテ わし ぢゃ、 菊の 前ぢ やわい の。 

Irtc え ひめさま 

林 ャァく 心得ぬ、 お 姬樣ぢ や。. 

1 の 谷 四 七 



時代 狂言 傑作 集 四 八 

, 庭に 駆け下, 9 戶を あけて。 

ト林は 門口 を あけて 菊の 前 を 見て、 . 

ひめさま こ ち は ひ あ, v 

ほんに お 姫樣ぢ や。 マァく 此方へ お入り 遊ばし ませ- 

^\ うち ど き プか 

, とい ふ內も 可う やら 氣瘇 ひ。 (ト 菊の 前 を內へ 入れ、 林 思 入あって〕 

み つ そ ひと なん よい ひとり . ^ / ► 

見れば 附添ふ 人 もな し、 何として 夜に 入って お 一 人お 出な された ぞ。 

fcj* の W- さま あそ うた こと と かく ひまど うち まち か たち き 

菊の されば いの、 忠度樣 の 遊ばした お 歌の 事に 兎や角と、 隙 取る 內に待 兼ねて、 お 立 ありし と閗く 

は ちと した で iJA i か あし *r き お^つ , み^ ^1, 

より 早 やお 後 を 慕うて 出 たれ ども、 心に 任せぬ 女の 足、 爱 まで 来ても 追 付かれす、 道 は 知らす 

A く そ なた § まへ かお やまね ときよ たよ たづ し *? な , I , こめ > • 

H は 暮れる、 其方の 所 は 前が に 摩&參 りの 時 寄った を 便り、 やうく 尋ね 當 りしが、 此 やうに 

おく fc*- の n- さま あ こと 

後れて は、 忠度樣 に 逢 ふ 事 は。 

林 なると も- (-、 コレ逢 はれます るぞ え。; 

菊の そり や 又 どうして。 

fcr の W- さま さキ; ほど .sly おく 1 ^ 

林 コレ忠 度樣は 先程お 出な されて、 奧に ござります わい の。 一 

こと うれ うそ この や " 

菊の ャァ そり や ほんの 事 かいな う、 ャ レ,. 嬉し や。 ィャ そり ゃ噓ぢ や、 どうして あなたが 此 家の 

うち いで - はす み ザ § なぶ 

內へ お出な されう 笞 がない、 コリ ャ自を 嬲る のかい なう。 



9f! ぶ わぶ こ だいじ, おも まへ さま こと はる 

ホ、、 ゝ、、 こり や マァひ よんな お 疑 ひ、 &子 にか へ て も 大事と 思 ふお 前樣、 殊に 遙々 ござつ 

P モ いつは 《- ま & その >5 こ ま を し¥ じ ;, 1* のり さま V 

たもの、 噓 僞 を 申し ませう か、 其 證據と 申す はァ レ あの 障子へ 忠度樣 が、 お書きな された あ 

ろお ご らん あそ 

の耿、 あれ を御覽 遊ばして、 お 悦びな され ませい なァ。 

なん .1 このし ぞ r じ 3*5 こ 

何と 言 やる、 此 障子が 證據と は。 

、うれ こと きぐ まへ なに ヰう す しら かみ レ f じ のこ もっと うた み 

嬉しき 事 を 菊の 前、 何 か樣子 も白弒 の、 障子に 殘る 夫の 歌、 見る よりび つく 

o 

あ :4 つま C しゅせき ZX き ^ はや ち あ fct 

ほんに 是 こそ^ 夫の 御 手蹟、 どうして S へ來 31 ひし ぞ • ァ 、早う 逢 ひたい、 逢 はせ てぎ ひなう。 

々る ほ? i . . , . ' £5 たび. 0か rf け fc-s おこ a だ 

成程お 逢 ひなされ まし、 ぢ やが 是 旅疲れで 休んで ござる、 消 魂し う 起さす とそつ と は ひって 肌 

み k,l よし 

身 をつ け、 しつ ぼ り と御寢 なされ ませ。 

^する ことば T 

粹な詞 に 面 は ゆく。 

ラ i こと 

ォ 、乳母と した 事が。 

A\ なん わけ 乙と 

じ やら, /\ と 何 どい の、 譯 もない 事ば ッ から。 

へ い かた ほ , ゑみ W ゆ ひら ま *i ちか ー 

言 ひつ ゝ片頗 に 笑の 眉、 開く 澳も 待^ね て、 5, そ/ \ として。 



時代 狂言 傑作 集 五 〇 

うば そっち む 

乳母、 其方 や 向いて ゐゃ いなう。 

、い た w > 

入ら 給 ふ。 

ト 上の 屋體へ 菊の 前 を 突き 遣る。 菊の 前. こなしあって 屋體 の內へ は ひる。 

をり ふし-なんど の れんぐ ち あぐ び *i ちで もじ ぺゑ 

"折節 納戶の 暖簾 n、 欠伸 まじ もで 立 出る 茂 次 兵衞。 

ト奧 より 茂 次兵衞 洒に醉 ひし こなしに て 出て 來り、 

ば さま ざ う さ 

茂 次 コレ婆 樣." いかい 雜 作に なりました ぞゃ。 

さて こと ぶ 5 は *} 5. く しゅぶ » る くミ 

林 これ は 扨、 わしと した 事が 不作法な、 かま ひもせ ぬ 客 衆 振り、 許して 下さり ませ。 

てじゃく さ おさ てうし >|9 ひっか ね う 5 

茂 次 ィャモ 手酌で 差しつ 押へ つ、 铫子切 引 掛けたり や、 くつい りが してぐ つたり と&て のけた, 家 

だ レ ぶ よう ち そう また うちき 

に 大分 用が ある、 いかい 馳走に なりました、 又 その 內來 ませう。 

林 そんなら もうお M りで ござります るか。 

こと は よ み ill ゆ とし ほど 

茂 次 ォ、 サ歸る 事 は 51 るが、 かう 醉 つて 見る と 泊って 行きたい、 年 はとっても よい 程ぢ や、 ど うぢ 

や/—。 (ト林 を 引 寄せ 惡身 ある。 林 は振拂 つて) 

とし ふ そく 4 かげんお, ,1 かへ 

林 H 、 モ年も 不足の ない 癖に、 よい 加減に 置かつ しゃれ。 ェ 、歸 らっしゃれ く。 

ト茂次 兵 衛の手 を摑み 引出す。 



れ うけん > 

アイ タ《、 了簡せ い/ \。 

ェ 、きり/ ^ らっしゃれ。 

ト 門口の 外へ 茂 次 兵衞を 突出す。、 

f はや レ なんど i ) 

林 は 納戶へ 入りに けり 

ト林 は鈉戶 口へ は ひる。 茂 次兵衛 窺ひゐ て、 

A 6 じぺ ゑ とぐち 

ぺ茂次 兵衞戶 口に 窺 ひ/ \。 

いまお.,/ やうす き へいけ たいし さつ まの^ A た- -の u- ok き 4-5 す いまみ きく まへ 

今 奥で 樣チを II けば、 平家の 大將薩 摩守忠 度と やらが^ へ來て ゐる樣 子、 今兒 えたの は 菊の 前 

なん この ことか ぢ はらさ ま ちう しん ほう び かね 

とやら、 何でも 此事梶 原樣へ 注進して 褒美の 金、 うまい/ \-。 

ト 時の 鐘に て、 逸 散に 花道へ は ひる。 

M\ts X さわ なん <• ぅナ きぐ ま( ふす>* すそけ かけい 

が 時し も 一と 間騷 がしく、 何の様 子 か 菊の 前、 襖 を あけて 裾 蹴 はらし、 駆 出で 

はやし *? どる 

給へば 林 は 驚き。 

ト 障子の 內 バタく にて、 菊の 前 走り出る、 と暧馄 口より 此物 音に て、 林 も 出て 來り押 止めて、 

ま を ひ! C? みさ ま なにごと .K>> け し.? 2 こ 申う 

コレ 中し 姫君 樣、 何事が 起った か、 氣色を かへ てと つか はと、 あなた は 何處へ ござります、 様 



菊の 

林 



菊の 



林 

忠度 



時代 狂言 傑作 集 五 二 

T 仰 言れ、 サァ どうで ござります ぞいの。 

そ S やうす た r の M- さま どうよく ひま J 

サァ 其檨子 は、 忠度 樣が脶 慾な、 わしに 暇 を やる といの。 

はらだち *s たか ひく に# ほう ひ^ 

ム ゝ、 そんなら あなたの お腹 立 は 尤も ぢ やが、 高い も 低い も 夫が 女房に^ を やる と は, よく/ \ 

れ うけ ん こと その わけ た と!^ き卞 き 

了簡なら ぬ 事、 其譯を 立てな さらに や、 コレ 科ない あなたに 疵 がっく ぞぇ、 マァ とっくりと 氣 

しづ し あん ご らう 

を 鎖め、 思案して 御覽じ ませ。 

し あん その わけ た たが おも そ § つま ^ .A は 

ィャ/ \ 思案まで もない、 其譯は 立って は あれ ど、 互 ひに 思 ひ 初めし より、 夫よ 妻よ と 言 ひ 交 

¥i おも えんぎ かたと^ なん ながら 

して、 一 生 添 はう と 思うた もの、 綠 切られて は 片時 も、 何と 存へ をら れ よう ぞ。 

、うら あ D.V 5 み おも み し, つ- に は み <ブ かくご 3 

恨み つらみ も 有 磯 海、 一思 ひに 身 を 沈め、 庭の 水 屑と なる 覺悟。 

とし^ W 

止めす と 死なして 耠 ひなう。 

^し あと こ とぼ なみお 

死ぬ る { -と ばかりにて、 後 は 詞も淚 なる。 

► おっしゃ う ぼ がてん ゆ こ.^ さ だ ぶか や 5 す, 

ィャ くなん ぼ 仰 一一 目っても、 乳母 はどう も 合點が 行かぬ、 あに は 定めて 深い 樣チ が? 

ト此時 上の 障子 屋體 の內 にて、 

そ q し さ. a fee のり とく 3 き 

ホ 、 ゥ其 仔細 は忠 度が、 篤と 申し 閗 かせん。 

たちい たま , 

しづくと 立 出で 給 ひ。 



ト 上手より 忠度 出で ニ茧眞 中へ 住 ふ。 大小の 合方に なり、 

天の i む 所 必す觀 すと、 翩の ffilg の 籠 | によって、 Tsmk$ pvl 

ひも 十が 九つ 味^の 敗軍、 某 も 討死と^ 悟 fe めし g: なれば、 を^して か- &!げ ん、 

つて 歐られ よ。 

^\ さら *o i 

い へど も 更に 聞き入れず。 

まへ £か んと ぁる$ に は、 as に i ひ でお した!、 ぎお にか まとい ひ、 ^ 

後まで 綠を 切ら ざれば、 驚 I の^の ギ ^siif i に は S じ 氏の § となつ 

て、 亡び 耠 はん 悲し さに、 つれな く はせ し は、 fT0ki もし 

1 に t ひ戰に 勝た ば & へて、 f びぎん も S りが たし、 それ を | みに^ の、 g り を i しみ 

待ち 給 へ や。 

^に は F どお に は、 P1I の g れ どと、 § あせば いぢら しく、 さし I 

男に 張 詰めし、 弓弦の 切れし 心に て、 .Q る も なられぬ!?^ け、 ^^こ^ 3 

ん なみた つ、 か た a -き 3* 

御淚、 包み 簫 ねさせ 給 ふに ど、 それと 悟 ftN て 菊の ぎ。 



時代 狂言 傑作 集 五 四 

ふた あ そ は いさぎよ おつ しゃ み かく 

菊の ィャ/ \ なん ぼ その やうに、 再び 逢 はう の 添れ るのと 潔 う 仰 言っても、 誠し からぬ 身の^ 

r うちじに し なんみ すて い かづこ ともい し 

悟、 討死と 知りながら 何と 見捨て 去 なれう ぞ、 何處 まで もお 供して、 生きる とも 死ぬ ると も、 

しょ い 

一緒で なけり や、 わしゃ 厭やく。 

, 酷い つれない お 心で ござ^ま すわい な。 

わしゃ 厭や/ \ -。 

f 'す £ な たま はや レ こ. -ろ お R- ひや とも おもと しぼ わざ い 3 こ ゑ ばげ 

鎚 6 'ついて 泣き 給へば、 林 も 心 思 遣, o、 共に 袂を 絞りし が、 態と 諫めの 聲勵 

まし。 

C いま ほどこと わ H- がいと. a とも おっしゃ おや ご さ 2 ご ふ かウ 

林 今の 程 事 を 分け、 利害 を 解いて お 言 ひな さるに、 たって お供と 仰 一一 目る は、 親御 樣へは 御 不孝と 

との ご ため なほ ひめ ご ザ- . ^0 うと 

いひ 殿御の 爲 には猶 ならぬ。 いかに 姫 御前 なれば とて、 その 辨 へがない かいの、 ァ 、疎まし 

いお 子で は ある ぞいな ァ。 

^こと ぱ つぐ い 3 いやおう いら な< だ はな 

詞を盡 してと も/ i\ に、 諫めす、 めて 否應 の、 應 へも淚 なか/ \ に、 離れが 

ふ せい をリ ふし かぜ 3.V ま ^か さ こ とき こ ゑ み、 つ fea かねたい こ 

たなき 風情なら、 折節 風に 誘 はれて 間近く 聞 ゆる 閧の 聲、 耳 を 貫く 鐘 太鈹、 

らんて う うちた か, ぐうって たいしゃう *« んじ だいおん あ 

亂 調に 打 立てく、 どっと 蜒け來 る 討 手の 大將、 一文字に 大昔 上げ。 



ト此 內?愁 ひの 思 八。 馨 g り HK こなし。 此 8寄を 打込 む。 花 f 烏? S 立の 

たリ、 附 太刀に て、 花 四 夭 大勢つ く 棒 さす 乂を 持ち W て來 り、 花道に て、 

: j 一し き めしと fc め 4- ぢ はらへ い^^か; tfc か 

I iQSMS 纏き に a びず るお i あって ぼかに 聞き、 召 捕ら sin 

が a ふたり、 なれば とて、 Si めば f 1 れぬ、 S せに 繩 か- れ、 異議に 及ば 

ば 踏 おんで 搦め捕ら うか、 いかにく : ! i 

〃かこ〜 と I はつ?、 Mrt^b が、 i せし かと 驚けば、 忠度 

. .. がし も i じ 1 はず、 n 〃あへ s ば?。 

ト忠^ 門口へ こなしあって 兩人を 臭へ やり、 門口 を あけ キッ とこな 

\ t ち A つと つ-" た if あ^ D 

へか^ I; 取って 突立 上り ; われ 

I ャァ Ki がまし や 紫 霞、 ひに. I をず、 P ず 驚に I はす、 我、 



{ --ん たぜい も とり 力 こ 一 

一 ,へに 多勢 を以っ て 取圍む 



- I ieyl て なみ ほど み 

こ., な s、 Si きに^と 1 かけら, I ならす、 イデ ャ手 並の f 兑ょ „ 

へたち tosttr^ ' o 

(太刀 拔 放し。 

滅| & きに 刃物 は 要らぬ。. 

1 の 谷 



時代 狂 首 傑作 集 五六 

A み ブ くろ かげた か 、 

身 繕 ひ、 景高 いらって。 

ちの ^ ラと 

梶原 ャァ 物 を 言 はせ す 討 つて 捕れ。 

捕手 やらぬ わ。 

ト 大太鼓 入りに なり、 捕手 打って か X り、 疊の立 廻り、 皆々 を 相手に 忠度立 廻り、 好みの 通りあって 

ト* 、寄せ 太鼓に なり、 梶原を 先に 捕手 花道へ 逃げて は ひる。 

f* にげう ひ 60 ち £ やと ひにん 4 じべ ゑ S また ひきつ い 3 た 

むら (^ぱっと 逃 失せた, o、 引 達ラて 一展 人 茂 次 兵 衞數多 引 連れ 勇み立ち。 

ト 花道 揚 幕に て、 

茂 次 ャレ來 いやい。 

皆.^ ハ、 ァ。 

トぢ やん くになり、 茂 次 兵 衞汊紙 を 鎧に して 火 吹 竹 を 差し、 来 配 を 持って 先に 立ち、 後より 大勢 四 

天 突く 棒 さすまた を 持ち出て 來リ、 

あ をめ, M- fcroo, さい ぜ. J この や さ s- i 0? じ C こ らくお き みだ う fc も C 

茂 次 ャ ァく靑 海せ 1?、 ぢゃァ ない 忠度、 最^ 此 家で 窺 ふ 所、 障子に 殘る落 書 を、 見出した 耿の茂 次 

ぺ .As はらさ ま で ちう し^ くびう ちお と ゃナ て がら と きく まへ もら 

兵 衞が梶 原 樣へ御 注進、 首 打 落す は 易 けれど、 ならば 手柄に からめ 捕り、 菊の 前 をお らふが 貰 

ナ が も はな つくた さいく ?D{ -U あ ほうび まる まう だんご ざ か 

ひ巢 鴨の 花と 作り立て、 細工 は 流々 仕上げたら、 褒美 は どつ さり 丸儲け、 圑子 坂から ころく 



ぐ, クノ .i けど へんた ふ > 一 

と 首 を 打た うか 生 捕る か、 二つに 一 つの 返答 は、 サ、、 、 、ナントく。」 

つめよ た e のり どう け しさ 

* なんと/ \ と 詰 寄れば、 忠度 動す る氣色 もな く。 

び ろう ラ じむし ヌ おら ごと はもの い 

ャァ 尾籠なる 龃蟲 めら、 汝等 如きに 刃物 は 要らぬ 

へい たち ぬ さばな のきぐ ち さしつらぬ ( 

言 ふより 太刀 を拔 放し、 軒 口へ 剌 貫き 

ゾ K 

< ^さう ば 5 ど K> 义 P?" みっか た. け あ なげ ゥ 

双方 一 度に 打って かくれば、 襟髮摑 んでづ でんどう、 疊 蹴上げて 投付 くれば、 

ぐみ 乙 あば むら うれう さわう 

組 子 は 慌て 群がる を 右往左往と。 

ト是 より 鳴 物。 S の 立 廻り 十分あって 皆々 迫 込む。 忠度 キッと 見得。 

か ち あ ひて た e の 1W3 やう いき やす も のうち S だん 

"ばら, と 駆け 散らし、 相手なければ 忠度 卿、 息 を 休める 其內 も、 油斷な 

tt に ふ やど い か U ふせ IJ 、ろ ぐ ぼ とき また X ぐ 

ら ざる 埴生の 宿, 9 如何 はして 防がん と、 心 を 配る 時し も あれ、 又も 寄せ 來る 

とき 乙 ゑ かひ?" ねた いこせ めだい- J て と き 乙 た の n- U 、ろぶ 

閼 の聲、 m 、鐘 太鼓 責 太鼓、 手に 取る やうに 聞 ゆれば、 忠度 はっと 心 付き。 

ト此時 遠 寄せ 烈しく、 竹 法螺 を 吹 立てる、 是 にて 忠 度キッ とな づて、 

?て げた. Afe いぐん もよ かさ むか . *>- せ, , ひ^ほ ひ.. なんまん^- £/」 . . 

扨 こそ ills 大軍を 他 ほし、 ® ねて 向 ふと 覺ぇ たり、^?^ なら は 敵の 何 萬騎 にて si むと も, 



時代 狂 雷 傑作 集 五八 

5ipu t や tt£ I ^ ぐんち う ひき かへ ねが えいか』 • こし を » 0^ ふな 

m-s りかけ^ ませ、 ずれ を IPS- せんす もの、 ¥屮 に 引返し 脇 ふ詠欤 も 腰折れの、 望み も^は 

す 1 に、 さしも^ | き lg が、 かく SI に^ を^び、 誕に歐 まれ やみく と、 Is られて は 

後 M まで、 屍の 恥辱 名の 穢れ、 チェ 、口 惜ゃ淺 まし やな ァ。 

i レ こぎ は * .* (か なみ だ て つき じほお ごと いた 

を 握. 5^ 嚙を なし、 怒りの 淚 照る 月に、 氷 を ふらす が 如くに て、 痛 はしく 

また だう 9 

も 亦 道理な, 9。 

、すき お * て かたよぐ ぐんび やう だ ^ろ ちん てんちて みだい 

ハ隙も あらせず 表の 方、 寄せ 來る 軍兵 むら 立つ 提燈、 天地 を 照らし 亂れ 入る よ 

> si うって たいおう ゑ ぽ し H など だ ふ f ュ 

と^る 所に さはな くして、 討 手の 大將 かけ 烏帽子に、 花 田の 大紋 さは やかに 

ぐ、 と V たュ むか 

長 袴の 括. 9 を 解き 悠々 然と 立 向 ひ 

ト此內 花道より 軍兵 二人 高 張 を 持ち、 後よ リ六彌 太 侍^ 幅 子、 跳へ の 龍神 卷 短冊の 附 きし 櫻の 枝 を 襟 

にさし 軍兵 大勢 附添ひ 出て、 花道に て、 

む さし くに ちう にん を か ぺ や fc, た " け^ fci-SJSl /け,^;;?,/^ o 

六彌 武藏 の國の 住人 岡 部の 六 彌太忠 澄忠度 卿へ 兑參々 々 

, しづ/ \ と 打 通り、 

トこ なし め つ て 六彌太 軍兵 舞 祭 へ 來る。 

忠度 ナ、 ナント。 



六彌 sgs ぎ S ひ は、 IS しならぬ i&fe り、 i&lsit へば、 ひ & れ 8ギ 

き^せす して 1 ぎけ せし 鍵鬆、 SQals くに S びす、 ,^がず し の i 

ト 大小 入りの 合方になる。 

も^ ss^ 贓 へお まみ ありし &ず おの m、 「さシ 3 や gsl」 は あれに し を、 昔ながら 

- » P « らき 4*ん み な 5^ よみびとし 

の §1 かな」 ^の IS 千^^に^ りし かど、 勅粼 ある 御身 なれば、 名 を 憚りて 請 人知ら すと な 

5SJ K は しふ S たんざく .li JS 丄べだ ,/ \o 

りし &、 g ち あに 入った る 印の ーぉ冊 を御覽 下さるべし 

へ 呜觀の »しぉ に、^ び^け たる^ S の tS 雷、 ir しくぎ 出せば、 忠度 にって 

う ち ゑた a > 

と 打 笑み 給 ひ。 

ト六彌 太 櫻の 枝 を 出す。 忠度 取って、 

きが If 鍵の、 1 ひも i ならざる 哔 I まの 疆、 で 乙 i なしく。 ^ず i つ. 

れば ffi ^かるべ かりし を、 ^ひ 4ら ざる 鬆き の にて、 歌人の 數に^ はり、 和驮の 譽れを 

li す の ¥ 零 &ん でも 5k ぬ 憾びぞ や、 S1 も^れ ぬ^の P 零 死すべき 時に 死な ざれば 死 

r ,c c I* ぐる さ. i ご i*c- くわ" を リ «v« ぶ 

に まさるぎ ち ありと、 ^もな き 愚^のお にか &り、 見苦しき 最期 せんかと 後悔せ し 折に 幸 ひ R 



時代 狂言 傑作 集 六 o 

ゆう きこ おく や た いけど fcr の > ち よ な +4 

勇の 間え 躍れな き、 六彌 太に 生 捕ら るれば 忠 度に 恥辱 は あら じ、 サァ 寄って 繩 かけられよ。 

A おん て W はまた W 

御手 を 廻し 待ち 給へば。 

J f » z - そまし せみ うって まね てきみ か しょうぶ せんち ぞっ そのと き たが とき うん *£ 

六彌 コハ 、も 得ぬ 御 仰せ、 某 君の 討 手に は參ら す、 敲 味方の 勝 莨 は 戰揚、 其 時 は 互 ひに 時の 運に 任 

• > な. ,> ぶ? S ごと よわみ み ねげ が て: S ら おも やた おも -0 

せ、 但し 捤原 如き 弱 身 を 見かけ、 拔^ けして 手柄に せんと 思 ふやうな、 六彌 太と 思 ひ 召さる- 

力 ハ、、 、、ノ * 

、あぞ わら た e の 93 やう o- ふぐ 

嘲笑へば、 忠度卿 は理に 服し。 

— 、- r- ^, - * ぶ M) $ とき せい § ろ とき *t ことわ A か- ょレ つね 

忠度 實に/ \ ^は 誤ったり、 盛なる 時 は 制し 衰 ふる 時 は 制せら る i 理 、 如何 なれば 義經 とい ひ、 ; 

, *|ほ • ごん しんこん 1^0 k.^ まさら かへ ISS ,を いのち あ 5 ん しょ た ちかへ 

汝 まで 誠 ある I 言 心魂に 徹し 今更 返す 詞 なし 惜しから ぬ 命 なれ ども 明けな ば陣 所へ 文 嫁り、 

はな- *\» し *5 ぶ 

華々 しき 勝負 せん。 

. f ,5タ ときの n; ご へん くび fcro»f われう ちと 

六彌 其 時 望み は 御邊が 首、 忠度鄉 は 私 討 取る。 

忠度 必す討 たれよ。 

; S! ♦, / -.. . . I ..^f や? a Al«- な あ- まち. a S も 

六彌 おんても ない 事。 (ト此 時獰諸 所に て 鳴く) ァレ/ \ '八 聲の鷄 も 鳴き、 明くる 間近し と 申せ ども、 

P > らけば き £Jr ふ , !5厶 しょ , おんとも つかまつ や fc けら い ども よ 5 3- うま ひ 

路 次の 狼^ 覺束 なし、 陣 所へ 御供 仕 らん。 ャ ァ六彌 太が 家來 共、 用意の 馬 引け。 

軍兵 ハ、 ァ。. 



へ かざ た ぐろ 乙 S おんまへ S しょ じ た 5- の う たて 5- みつか 

飾 立てた る黑の 駒、 御前に 差 寄す る、 辭す るに 及ばず 忠度 卿、 漦 摑んで ゆ 

め X うちきぐ まへ しば かけ い ま a はやし 

ら. cs と 召せば、 一と 間の 內ょ, 9 菊の 前、 これな ラ暫 しと i 出で 給 ふ を、 林 は 

おしと たちみ. & く をかぺ やた さと frt- の り罢5 ^ "ま 

押 止め 立身で 隱 せば、 岡 部の 六彌太 それと 悟って、 忠度 卿の 脫ぎ かけ 給 ひし 

う a ぎ そ で か si J» o 

上着の 釉、 刀を拔 いて ふッ つと 切, 5 

ト此內 下座よ.. り 軍兵 大勢、 黑の馬 を 引出し、 忠 度の 前へ 据ゑ忠 度 是に乘 る。 ト奧 より 菊の 前 走り出る 

を 林是を 止めて、 六彌 太に 見せぬ 思 入あって、 六彌太 馬に 乘 りし 忠 度の 右の 袖 を 刀に て 切 落し 思 入。 

彌 コレく 乳母。 

, ハ爻 こ, びつ く, ONO (ト林 思 入 ある〕 

クァ扨 不思議な 顏 せまい、 總 じて 老女 は媼 とい ひ 又う ばと も 呼ぶ, 今宵^ 度 卿のお 宿 を 申せし 

C ほう ぴ これ つか わか/ \- 5£~ .* た そで としょ 9 I えき お. f , ほ. A ^ 

御 褒美に B15 を 遣 はす、 それとも 若. •< しき 錦の 片袖、 年寄が 貰うて 盆な しと はに、 外に 欲しが 

か ju これ そ o ひと か.^ み おも なほな CV§ そで うつが ろた U ス そ なお み- - 

るが も あるべし、 是も其 人の 筐と 思へ ども、 猶懷 しき 袖の 移り香、 とい ふ欤の 心、 其方 か 耳に、 

f ま へ uic 之 5 3 

菊の 前、 よく 心得て お受け 申せ。., 

、3 しいだ 

差 出せば、 



時代 狂言 傑作 集 六 二 

ト林は 右の 袖 を 取り、 

P つが しあ はせ 

林 コ 《冥加ない 仕 合。 

ト林袖 を 菊の 前に 造る。 

み 53 かた- V で みぎ かひな A ち いくさ う じに たな • の ュ あは - P - . 

頂く 右の 片釉 は、 右の 腕 を 落 かたの 戰に 討死し 給 ひし、 後の 哀れと 知られけ 

t たねな さたね じん^ た" やた > 

i 思 ひの 種ゃ淚 の糨、 仁義の 種の 六彌 太が。 

しののめ ちか 

六彌 東 雪 近し。 

いそ さきす、 £ みい い いやまさ い. ひ なきが は 

急がん と、 先に 進んで たつ か 弓、 言 はぬ は 言 ふに 彌增 る、 暇 乞 さへ 泣 顔の, 

み おぐ あた ふり か ( こ. -ろ た a 上み うた f 

見送る 姿 振^! る 心の 種の 詠歌 も。 

レ やま #\ /ら 

忠度 昔ながら の 山 櫻、 

菊の 散り 行く 身に もさし かざす、 

なが , え^ fc ん ぶく 

忠度 流れの 枝の^ 冊 も、 

よ 1 ほ れこ たぶ 

六彌 世々 に譽 れを殘 す 種、 

なげ た q 

林 欽 きの 種の、 

ほな は 

皆々 放れ 際。 



、》 さ たュ /ゼ は X * ヒ * は 

諫め を 種と 隔 つれ ど、 果てし 淀の It み を、 S にな づ みて^ を きれ、 ^い g| 

も 哀れ 添 ふ、 きの 足取り 諸手 綱、 引 別れ ゆく 曉 の、 空 も 4: ま, 9 や^むらん。 

ト此 內忠度 馬の 上に 櫻 を 持ち 思 入。 菊の 前、 林愁 ひのこな し。 六 彌太忠 度 ホット S 人、 持ちし 樓を 鞭 

にして 行き か >- る。 S 方 見得、 段 切に てよ ろしく 

幕 



四 幕 H2 御影 濱邊の 場 

役名 白毫 の彌陀 六、 無官 大夫敦 盛 卿、 須股運 平、 百姓 豊作、 同 雀の 忠吉、 同 見 

沙の 五太 右衞 門、 同 吃 6N 又 平、 同 のらの 馬 作、 同 丹 兵衞、 同與 次郞. 經盛卿 御 

臺、 藤の 方。 

本 舞 面の 杉並木。 同 じく 釣 枝。 立 木。 眞 中に 英大 なる 五輪。 すべて 須磨 滇邊 の體。 波の音、 S 

一 の 谷 六 三 



時代 狂霄 傑作 集 六 四 

にて 幕 あく。 と 右の 鳴 物に て 上下より 旅人の 仕出し 出て 來リ、 捨 ゼリフ あって、 よろしく 上下へ 行逮 

ひ は ひる。 

<.»s くみち す W すぐ わ a- Ka ぺ i-v プ fe かう ぺ あと * なと 5" は なが み, つ よど 

行 道筋 も 直なら ぬ、 脇の 濱邊 ゃ磯傳 ひ、 神戶も 後に 湊川、 流る、 水の 淀なら 

こ、 つぎはし わた ふ; i まも かみが き もり しげ お つゆ たる み 5 と 

ば、 爱も繼 橋 かけ 渡す、 舟 を 守らの 神 垣 や、 森 も 茂みて 置く 露の、 垂 水の 里 

はやす ゆ ほど うへ の や a たに つ しの、 めち か よこぐも 

も 早 過ぎて、 行けば 程なく 上野 山 一 の 谷に ど 着きけ るが、 東雲 近き 横雲の、 

たなび そら あ を/. \ えだは まっかげ た みかげい L .ctt め 

棚引く 空 も靑々 と、 枝葉し げらし 松 蔭に、 つ 、くみ 立った 御影石、 遠目に そ 

はし 上 

れと走 &寄, OSC 

ト此 文句の 内浪の 音に て、 花道より 壷 折 着流し 右手 差しの 敦盛、 後より 彌陀六 着流した つ >• け 石 鑿 を 

さし 出て、 直に 舞 臺へ來 て 五 翰へ こなしあって、 

$ -t せんだって-つか WW が *- あは わ たくし つか .W くにん! f* いひつ ■ ► な.. < 

彌陀 申し 爱で ござります、 先達 遣 はされ た 所 書に 合せ. 私が 使 ひます 職人 共に 云 付け ましたが ひ 何 

で ま 

とよう K 來 ましたで ござり ませう がな。 

このほど へいし h つらく つき ち-きょ も リ ふくしん その はう しょ *^ た 一, A** 

敦盛 いやと よ、 此程 平氏 沒 落に 付、 父淸 盛が 腹心の 其 力 ゆ ゑ、 密に 所々 へ 建てさせ しが、 如何な り 

おも ゅ么し Q そち いへ 3 お つた A まんぞく 

しと 思 ふが 故、 忍びく 其方が 家に 訪れし が、 出来な して 満足せ り。 

わたくし うちす お こと しか かさ くる で 

彌陀 ィ. ャモ私 も 打^て-置く 事で は ござ^ませぬ * 然し まだ 笠に ふりが あります、 そして 狂 ひの 出 



とめ あは しっく ひ ひと k- み.. f ^ > A 一 

^やうに 誘 を 合す は 漆喰、 ドレ/ \. 人の炅 ぬ 問に さ うぢ やく 

^ふところ ぶた ものとり だ かさね a-eAV -ー D 

. 懷 より 蓋物 取 出し、 重の 際々 塗りね たれば 

ト彌陀 六 五 翰に 向 ひ、 懐より 蓋物の 內 より 漆喰 を 出し、 鏝 にて 五 翰の 合せ を 直す 事 ある。 

これ だ", 2IJn ぶ - .6 つかう *. くだ I 

サァく 曰ぬ でもう 大丈. ik で ござります、 サ 格好 見て 下さり ませ。 

、A しな ft みだ み U 、も き い あつ slys や 5 なみだ 

* 押 直し、 ためつ すがめ ゥ彌陀 六が 見る に 心 も 消え入る ばから、 敦盛 卿も淚 を 

うか 3 

浮め。 

b .Mufc ふ £ 05 じゅ うへ さ * そ ち めん > な k fcrii よ なら 

敦盛 s み^いたる^ 塔が ゲ こそ 成就な す 上 は、 再び 其方に I; 面 も 叶 ふま じ、 唯 儘ならぬ は 世の 習 ひ 

ひと -A レ!^ At* ゆめ おも まよ いま か ざ 

はかなき もの は 人の 身の、 一生 は 皆 夢と 思へば、 さの み 迷 ひも ある まじ、 さりながら 今 を 限り 

h> われ おも こぷ か :3 あた 

のこの^れ、 もしゃ は 我を戀 しきと 思 ふ もの だに あるならば、 ^を 筐に與 へて たべ 

Afc しき 4< ろお しひら ぁをぽ 3 か ふえた け わた こ-る あは a- < • ゥけ, み •』 

"錦の 袋 押 開き、 靑葉榮 えし 笛 竹 を、 渡す 心 も味氣 なや、 受取る 身に もさな か 

らに、 钗 はさう かと 吞 込んで。 

いま かなみ こ A なん こと I 一一 iji. ほ、: /- to : , . 

彌陀 テ乇忌 はしい 筐ぢ や、 是が 限りの 何のと そんな 事 は 一 百 はぬ 事、 然し 誰ぞ 欲しがる 者 もたん と ご 

奢つ と わた 3 > 

ざり ませう、 吃 度お 渡し 申し ませう。 



畤代狂 書 傑作 集 六 六 

ト敦 盛が 出せし 袱紗 包みの 笛 を 受取り、 たつ、 けの 間へ 挾み、 

敦盛 是 にて 身 も、 思 ひ 置く 事 は ござらぬ わい なう。 

<\ はなし を H そ のと こ ら や xtt たかせ レゃ. 30も すきぐ はかた J 

話 終らぬ 其 所へ、 山 畑^ r 百姓 共、 鋤 锹擔げ どや/ \ と 通ら か、 つて 

ト此 時下 手に て 人 聾する。 浪の 昔濱 唄になる。 

節碌 サァ く、 ござらつ しゃれく。 

ト彌陀 六は敦 盛に こなしあって、 敦盛を 杉並木の 陰へ 忍ばせる。 と此內 百姓 思 ひくの こしら へ にて 

鋤 鍬 を擔ぎ 出て 來り、 彌陀六 を 見て。 

皆々 ォ 、あは 石屋の 親父 どん ぢゃ ごんせ ぬか。 

彌陀 オイ ャィ、 こり や 皆の 衆、 とうから & が 出ます な。 

こ な ぁぢ JSC せきた ふ fc > I 9 

豐作 ィャ こち とらより 此方さん、 とうから 味な 所に 石塔 を 建てさつ レ やった の 

i * おや ぢ しゃ い ど こ もちはこ fc 

忠吉 ハテ、 何 を 言 はっしゃる。 ^父 どん は 商賣ぢ やによ つて、 何處 であらう が 持 運んで 建てね はな 

り ませぬ。 

しか tf. ,つ" « *! きた ふ てら fc 1 • にん B う や?, > ^ > » 

五太 然し マァ 見れば 立派の 石塔 ぢゃ、 寺へ 建てれば よいに なァ、 跳へ 人が 希有な 奴ち やない 力 

=i そ さう い そのせ しゅにん -r , 力 かし,? f?I ほ a 

彌沱 コレ くどうした 事ぢ や、 む ざと 粗相 一 百 ふまい、 其 施主 人が 爱 にござる ぞ, ナァぉ 若衆 樣 



>t i うじ p fe6 そと ぼ まいた. あくだう のが £ たいそう * 一の せ 令; -fl ふ た 

S も だ も 亡者の 爲、 卒都裟 一枚 立て &も 三惡 道を遛 る、 とい ふ、 況して 大^な 此 石塔 をお 建て 

ごき どく わかしゅう さ i けつ こ 5 

なさる は、 御 奇特な お 若衆 樣、 結構な お 志で ござり まするな ァ 

ト彌陀 六 は 思 はず こなしあって 言 ふ。 皆々 は 不思議の こなしあって、 

おや ぢ わかしゅ せ し^にん ひと > > ^ .^ ) ' > ► 

丹 兵 コレ熟 父 どん、 お 若衆の i 主人のと 人 もない に, そり や 何 を 言 はっしゃる ぞ え。 

t ん ALfe ち めさ _ 

彌陀 ハ、、 ゝ、、 佝と はこり やお 主 達 はま だ 目が 覺 めぬな。 

ひと , > 

皆々 ァレ まだ かい、 どこに 人が ゐるぞ え 

彌陀 ハテ 是れ、 爱 にやい。. 

皆々 ハ 、ァ、 ほんに 見えぬ わ。 (ト 彌陀六 あたり を 見る 事あって) 

6^t5 Ass で こ - どっち わ. *L ゆ さ i> ( { I ( ぐに 

彌陀 ハテ な、 今迄 爱 にご ざったが、 何方へ ござった か、 お 若 衆樣。 々々々-_<、 々々々々0- 

A\ よ しゃろ ども こ、 そ 乙 

呼べば とも^ \- 百姓 共、 爱 か其處 かときよ ろつ く 眼 

おやち $ よ こなお せ 含た ふ . だ!; と * 

與次 コレ 船 父 どん、 其 やうに 呼ばつ しゃる が、 此方 石塔の 代で も 取らつ しゃらぬ のか。 - 

ち I* て つけ とお > > 

馬 作 但し 手附 でも 取って S かしゃつ たか。 

き じんてい きろと てつけ もんと 一 

彌陀 されば サ閗 かっしゃれ、 人體 がよ 5 から 所 も 問 はす、 手附 一文 取らす ぢゃ。 

わか * き. f!J* *> » » 

«i 作 ハ 、ァ それで 判った く、 石塔 を かたに。 

1 の 谷 六 七 



晚 代 1ー:.3 傑作^ 六 八 

• V frs - • tfc» くみ さて かお ぎ は ) . -3 

忠吉 慨 ぞ せしめる 下ェ、 扨 は 騙りに 極まった 

とほ ゆ みなしう o 

五太 ォ、 遠く は 行くまい、 ナウ 皆の 衆 

皆々 ォ、 ぼっかけ ろく。 

ト^;々 きっさう する を、 彌陀六 は 引止めて、 

へみな こ たち stt -, みだ-.: ひきと バ — コ 

,^來 い,/ \ と立騷 げば、 彌陀六 は 引止め。 

彌 £ ァ、 コレ/ \Jj ォ たっしゃれ/ \ -、 よも やそん なさ もしい 心のお 方で も ござるまい - 

またな ffj 

皆々 そり や 又 何^。 

その かな , この A え ^だ \ . >J 

彌陀 サ其 騙りで ない 證據 は、 わしに 此 やうな 笛 を 下された」 

ト 以前の 袱紗 包みの 笛 を 出して 彌陀六 皆々 に 見せる。 

» ふくろ けつこう 含ん らん I 一 

叉 平 ドレ/^ 見せさつ しゃれ、 こり ゃマァ 袋が 結構な 金 蘭ぢゃ oj 

A A だけ ふし えだ は B 一 

與次 そして マァ この 笛 は 生 竹で もない が、 節から ちつく り 枝葉 か ある ピ 

豐作 いかさま 是を錢 にせうなら、 百が 物 は あるまい か。 

忠吉 ハ テ 何の 錢 になら う、 親父 どんが 一 杯 喰った の ぢゃ。 

みな T とほ こと はんき,". M お まんざら そん , - む, - 一 

彌陀 皆が 言 ふ 通り、 こんな 事なら あたまで 半金 取って おいたら、 満更の^ もせまい に, あた 酷い 目 



に 遭 はした わえ, . 

皆々 で、、、。 

へぐ *• かひ 4? ゥし みだ ね つ た しょ. じ r > あ?? ベ いけ 

(^むに B. 斐も あら 笑止 や、 彌陀 六が 拔 かれた と、 傳 へて 諸事の 跳へ 物、 手附 

と こと こ のと S し I 

を 取る とい ふ^は、 此 時より と 知られたり 

Ats ? H W つぼら あしばや ぐ I なヒ -so いう ち * ^ ユ^ I 

ぺ寺 しも 後の 松原より、 足早に 來る女 は 何者なる と 言 ふ內に 走り 近つ く 藤の 

つぼね— 

局。 

ト皆々 こたし、 矢張り 右の 鳴 物に て 花道より 藤の 方禰襠 旅の たり、 かっしき にて 早足に 出て 來り、 苷 

々を 見て、 

«2 つと ものと ふなでら , ぞ. ん . - 3 

藤の コ レく 一 寸物問 はう、 舟 寺 は いづれ ぢ やの、 存じて なら 敎へ てた も。 

よ 5 ど とほ み いわ. ぢ よちう ひとず たび な ぜふ なでら たづ, V » 

叉 平 それ は; I から 餘程 遠い が 、見れば 眩しうな い 女中の 一 人 旅、 何故 舟 寺 を 尋ねさつ しゃる のぢゃ • 

B やうす あ よ ち つて しはら かげ.^ fcjp, 

藤の されば サ、 妾 は^子あって 後より 追手の か \ る もの、 暫く 影を隱 さん 爲 

ト此 時彌陀 六が 持ちし 笛 を 見付けて、 

へのた T -0 ちめば や も ふ 之め つか sr- 

宣ふ內 に 目早く も、 持った る 笛に 目 を 件け 給 ひ 

Is つ と み ミム 

コ レそ. d を 一 寸兑 せて たべ。 (ト思 入 IS 陀六思 入あって 笛 を 差 出す。 藤の 方. 取って 兑て) ャ 、紛 ひもな 



踡代^ 葛 傑作 集. 七 Q 

あ をば いっく.^? こ 4? わ こ あつ も 9 はだみ はな P ば _5 ュぇ - £ なた て S i 

き靑 葉の 一 管。 こり や eg 我が 子の 敦 盛が、 肌身 離さぬ 秘藏の 笛、 どうして 此方の 手に入りし ぞ。 

J\ と みお ふ しんが ほ しやつ ども C^AY 

問 はれて 彌陀六 不審 顔、 百姓 共 は 口々 に。 

そのぶ つも リ い ひと この あ ひ I? おぶ ひ げんじ § ひくまが, へ らう. ー て し 

丹 兵 其敦 盛と 言 ふ 人は此 間の ig に、 源氏の 侍 熊 谷の 次郞が 手に か X つて 死に やった ぢ やない か 

よ じ 6$ 

い、 ナァ與 次郞。 

そのと き fc まお j .a だい タ ? 5- らう とろ 

五太 ォ、 さ うぢ やく、 其 時に いぢら しい は 玉 織と やら 言 ふ內裏 上菔も 殺されて ゐ たげ な。 

\ 3 みだい > 

^くよ, 9 御 臺は。 

あつ もり う ふく はら ^ は. - さまぶ じ お まお ぺ もろとも いさ W 

藤の ャ、 ナ 一一 敦盛は 討 たれし とや、 ハァ I 。福 原の 館に て母樣 無事で おさらば と、 玉 織 諸共 潔よ 

い このよ 5S ご ひ なが わか 

う 言うた が此 世の 暇 乞、 長い^れ になった かいな う。 

、ひとめ は さけな ぜんごぶ かぐみ I 

人目 も 恥ぢぬ 叫び 泣き、 前後 不覺に 見えに ける。 

ト 藤の 方愁 ひのこな し。 百姓 皆々 も 思 入あって、 

おや ぢ おって^ « r- と し あつ も 95 ま この ふえ もちぬし こ *fe せきた ふ 

馬 作 コ レ 親父 どん、 合點の 行かぬ 事が ある、 死なし やった 敦盛 樣が此 笛の 持主 なれば、 此方に 石塔 

^へた、 お 若衆と 一 っぢ やない かや。 

そのし ひとき つも, S み 

彌陀 されば いやい、 其 死んだ 人が 来さうな もの か、 心算に も考 へて 見い。 

皆々 ほんに さ うぢ やの。 



きこ さっき t- つれだ き V * ^» I ^き? f . > 

彌陀 尸 、ァ閗 えた、 先刻に 爰 まで 連立って 來て、 あの & もの \ と 言 ふ內 に、 書 消す やうに 見えなん 

sr .5 うれい 

だ わ、 《、ァ 扨 は幽靈 であった ょナ。 

f» S が ほ み おい *- ほ かな f D 

言へば 皆々 奥 ざめ 顔、 御 臺は猶 も 悲しき 思 ひ 

^^をり ふしば る まっかげ とり ti ク ごと か ぐ ^ ほぜい みお み 

折節 遙 かの 松 蔭よ 力、 むら ( - 鳥の 搏 つが 如く 駆け 來る 大勢、 彌陀 六が 見て 

取って。 

ト 此時揚 慕に て、 

運 平 ャレ來 い H 、。 

トヂ ヤンく 打 込む。 皆々 こなしあって、 

§ たしお つても * - .4 く »_.sa このせ *-n ぅ丄 

彌陀 ァ 、巾し く、 あれ こそ 糙 かに 追手の 者、 先 づ./ \ あなた を隱 すに ォ 、幸 ひく 此石 塔の 後 

us みな k おっても の い *< き こ 

ろ へ 暫くく。 (ト拾 ゼリフ にて 藤の 方 を 五輪の 陰へ 忍ばせる) ナ ント 皆の 衆、 追手の 者が 今 來て此 

こ す たま とま いま しろ し あはせ なんか いぢ は これまで へいけ ち す おん 

處を 素^に 通れば、 今の 衆の 仕 合、 もしも 何の 彼のと 意地 張らば、 是迄 平家の 領地に 住んだ 

が へ ひ. VSS > 9 

返し、 一 働きせ うぢ やない か。 

めいく ナ *3 く は みねうち くら 

豐作 ォ、 サく、 銘々 鋤^の 峰 打 喰 はせ。 

ぞんぶん A る じ けらい ir < 

忠吉 存分 主人 も家來 も、 さいなんで こま そ 3 



時代 狂言 傑作 集 セご 

-■. , むか, § ひ." — ま きん そん し 5 ふれ i は よ. Z 

叉 平 コレ^ \ 向 ふ も侍ぢ やによ つて、 負けぬ やうに 近 村の 衆へ 觸 廻って 呼んで 來ぅ。 

-'' . ' > . にん にん ひ -1 は こと 

五太 さう ちゃ/ \«、 さう すれば 十 人 や 二十 人の 侍、 怖い 事 はない ぞ や。 

丹 兵 多 M に 無勢 あかん こっち や。 

皆々 ぼい 捲く つて こま さう わえ。 

^いま ? け.^ はむ D け たて ふみた て は ぐ か v-tt ら ら 5 だう すの ま た うんぺい さき 

言 ふ 間 も あらせす 砂烟、 蹴 立 踏立馳 せ^る は、 梶 原が 郞黨須 股 運 平 先と して、 

あな た ひきつ は sfc 

數多引 連れ 馳せ來 り。 

トヂ ヤンく にて 花道よ リ、 ^平 袢纏 割羽綫 大小に て 先に 立ち、 俊よ リ黑四 天の 捕手 出て 來リ、 

.^ハ ども しづ た, いまこの ろ A ま is な A とり まゐ !」 

コリャ /,\> 百姓 共鎭 まれく。 唯今 此 所へ 三十 餘 りの 女が 一人 參 つたで あらう、 いづれ へ^げ 



運 平 

彌陀 

蓮 平 

皆々 

豐作 



お 《- て い ぬ 

た、 有 體にソ レ拔 かせ" 



へ ィ其女 1 向に。 

あ, て a ま を ?じ, をつ. , 

H 、有體 に 申さぬ と、 曲事 申 付ける ぞ。 - 

ヘイく。 

、 • さ, f; け ま を あ- その g な こ のみち *il すぢ は t Y づぉ ま ね 

へ ィ,/ \ 左: ^なら 申 上げます、 いかにも 其 女此道 を橫筋 かへ に 衝邊傳 ひに 參 りました- 



かれ こ- T り ゆ おって し 5 

與次 ァ、 モウ 彼是 三 里 も 行きました らうが、 追手の 衆なら、 



皆々 早く ござらつ しゃれ/ \。 

もの どもの が > 

運 平 者共遝 すな。 

捕手 ハ ッ。 (ト キットな り、 運 平 捕手 上手へ 行き かける。 昝々 こなし) 

$ そっち <> つち ♦ まて , 

皆々 ァ 、巾し 《、 其方で は ござり ませぬ、 此方の 山手ち やく。 

レか このみち もの どもつ r 

運 平 然 らば 此道、 者共續 け。 

ト 下手の 方へ 行き かける。 

i そ つち こ つち, > 

ァ 、巾し くく 其方 ぢ やない、 此方ち やく" 

こ^ そ さう やつ > 

運 平 あは 粗相な 奴。 

ト 上手へ 行き かける。 

$ や ほ t つち > 

ァ 、中し くく 矢張り 此方 だく (ト 下手へ 行き かける) 

皆々 ァ、 ィャく 此方 だくく。 

ト 百姓 皆々 上下へ^ へる。 運 平 捕手う ろく こなし。 

め S つ は 3 S . < , > 

運 平 ァ 、 コ レ,/ \ 目が まふ/ \、 條りを 申さす 敎へ て 「4- れい./ \* 

H- 5 う *£ す ? a その たづ 1 つよち う 拳 £ >> この や IIJ あ っ& せう > に. 

忠吉 ァ 、粗相 申して は濟 まぬ、 申し <其 尋ねる 女中 は、 あの 山越えて 此 山越えて、 彼方の 力へ 逃 



時代 狂 雷 傑作 集 七 四 

げて かたく。 

しか このみち も c どもつ *- 

運 平 然 らば 此道、 者 共續け 

捕手 ハク。 

、やま て S 

山手 を 指して、 

トデ ヤン,. ^にて、 運^ 捕手 下手へ は ひる。 

^あとうち な S" ) 

跡 打 眺めて。 

ト彌陀 六 思 入あって、 五輪の 蔭より 藤の 方 を 出し、 

-J 3 ちょち う 5<-* «た おつ, て こ うち このみ S ふなでら き 

彌陀 ァ、 申しく 女中 檨、 又もや 追手の 來ぬ內 に、 此道を ござ. sMM して、 舟 寺と 間 かっしゃり ませ。 

た レ S.5 ^ん い れい § 

藤の ァ 、他生の 緣とは 言 ひながら、 禮は詞 に 述べが たし。. 

うち こ か 

彌陀 サ、、 かう いふ 內も心 逃 ひ。 

ご 义ん さま 

藤の 御^も あらば、 いづれ も樣。 

f はや おひた 

早う/ \ と 追 立てけ る。 

ト 藤の 方 こなしあって 上手へ は ひる。 

S3 - ひとめ ャ& ぶんと も 5 る 

彌陀 人目に か X らぬ やう、 隨分共 急いで ござり ませ。 (ト 見送り こなし) 



f サァ くお で^ H が おても is ひ は ござらぬ わえ。 

、蓬ぶ^ の^よ 气 ssio 

ト バタく になり、 下手より 以前の 蓮 平 捕手 出て 來リ、 浪の 音。 

運 平 ^iAhr^f f£§ よくも? 彰& 

人 逃^した な、 Hi. m あべる、 酽 をるな。 落 

息卷 高く 罵れば、 百姓:^ はせ k ら! _ゲ0 

昝々 尸::, とりや 可笑しい わえ。 

コ リ;; "ST ほいのと、 褽が ほての f r うつ! して ゐ ようかえ。 

in ォ、 も 迄 安 I に 紙した 獻忠 し、, i 

1L c - へ I い, け、^ fe ちょち う み 

五太 平家 方の 女中と 見た ゆ ゑに、 

又 平 わしな が 寄って 落しました。 

翠 ヤ^ &く |& ぃ攀、 0ff\i<ff^5s \- 

pp^ s^fsi, むか , "i- 葙く 雷と 呼ばれた る 梶原平 一二が 家来 

太" 最 來の須 I 平に 向った! は^ぎず、? あいた 

召 捕って 一一 一寸 繩に 括し 上げ-わが f たる, g に 瘀 編めて 俨を らう、 ノレ f — 

1 の 谷 i^y 

セ 五 



時代 狂 言 傑作 集 七 六 

捕手 やらぬ わ。 

♦ なん ほんぼう ぶつち 

丹 兵 何 を 二本棒め が、 ソレ打 締めろ。 

^姓 議 

皆々 ^v^f 

A 、てんて すきぐ ばお ほく! W で 5 か- - うんぺい けら 5- 5 か-" わた *J si 

"各自に 鋤鍬大 熊手、 打って 掛れば 蓮 平家 來 とも、 討って 褂らて 渡り合 ひ、 元 

たっし * しゃう どん うでさ^- にろ う かたば しけらい 5 ちな ぐ うんぺい 

より 達者の 百姓 共、 腕 先 揃へ てから さほ 打ち、 片端 家來を 打歐, 9、 蓮 平 を 

おっとり a ^ ふけと すで きふし よ あた 

押取卷 き、 投げ^ら 踏んだり 蹴飛ばし^,^、 旣に 急所に 當ら けん、 うんとの 

つけに 反 返れば。 

ト ドンく になり、 運 平 大刀へ 手 を 掛け キッ とたり、 捕手に 指圆 する、 捕手 は 心得て 十手に て 皆々 へ 

か X る。 百姓 皆々 は 鋤 鍬 柄物な どに て 打って か、 り 立 廻り、 昝々 は 運 平 を 打 据える。 是 にて 運 平氣を 

失 ひ 倒る >-、 捕手 は是を 見て 叶 はじと 下手へ 逃げて は ひる。 々夢中に なって 打据 ゑ。 

皆々 サ、 どんな もん ぢゃ/ \。 

ト^々 運 平の 氣を失 ひし を 見て びっくり。 

皆々 ャァ 死んだ わ/ \-。 

豊作 コリャ 大事 ぢ やく、 死んで は 事が 難 じい、 



忠吉 ー體 こり やどう した もので あらう。 

五太 サァ どうと 言うて、 爱にゐ れば掛 合 

叉 平 それで はいつ そ 逃げた 方が よから うかえ ノ 

馬 作 それが よから う。 

昝々 サァ昝 なご ざれ/ \。 

\? . に $ レま や まご 3 く い" 4 ん に ^ 。 

ぎに 逃げん とする 所へ 庄屋の 孫 作、 逸 散に 駔け 來.^ 

ト 百姓 皆々 上下へ 立 別れん とする 所へ、 花道より 庄屋 羽織袴の なりに て 走り出て 舞 臺へ來 る。 浪の音 

濱唄 合方になる。 

むら しう ひと タ い こま - r A i 

庄屋 ァ、 コレく 村の 衆/ \ 、二人 も 去な す 事 はならぬ そく. 

しぞっ や »JC 

皆々 ャァ 庄屋 敉が ござった, C 

ト 庄屋 運 平の 死骸 を 見て、 

>r f t いま. 65 は- .0 さま らう だう ば. 5 ほ. ちう fc si ^ S 力 JS6 

庄屋 ^こそな く、 コレく S のかよう i かしゃれ や、 今 梶原樣 の 郞黨番 場の 忠太樣 と 云 ふお 侍 

が 義菌を きれて ござって、 百 鐘が ま證 し、 菌 繫ぁ したる ギ ま^ 

の ひ 口の 百 ts、 IU す^おて *1 るべ しと i しいお^、 ァ、 ひ よんな^ して、 おら 迄に 難该 

1 の 谷 七 七 



^代 狂言 傑作 集 七 八 

^を 掛けさつ しゃった、 遲な はったら どんな 咎めに 迺 はう も 知れぬ。 おらと 一緒に 行て、 有體 

** 4 ひわけ , > , 

に 皆で I 譯 さっし やれ。 サァ ござれ,^。 

ト if 屋は 百姓 ニー 1 一人 引 張り、 連れ 行かん とこな し、 百姓 思 入あって、 

I - : ま を ま しやつ やさ ま {( . これ こ な fc ころ わけ i 

豊作 ァ 、申しく 待 たっしゃれ、 庄屋 樣々 々 々、 是は 此方が 殺した とい ふ譯 では ござ リ ませぬ、 今 

, ,.- のうじ. で .5 ■ * W へいけ おちうど せんぎ むか はう > 

わしら が 農事の 出掛けへ ござって、 平家の 落人 詮議が あると て、 向 ふの 方から ドンく と a け 

め いし つ 3- し MiJ ろ とん し 

て ござって、 目が まうて 石に 勝き、 ころりと 死んだ んぢ や、 所で 頓死 ぢゃ。 

> -VS とほ 

皆々 ォ、 其 通り- (-。 

. なん いごせ 乂ぎ め ま こ o *- メ つき 

庄屋 ォ、 そんなら 何と 言 ふ, 御 詮議が あると いうて、 トン/ \ と ござって 目が 舞うて、 此 石に 躓き 

ぎ し ? _0 ろれ 

トンと 來て トンと 死んだ のか、 それが 定 ならお らも. 嬉しい。 

皆々 いかにも、 さ うぢ やわい の。 

L ん_5 や y! ま その^ 5 こ このし が S ひと きャ t .? こ 1 み 

與次 コ レ 庄屋 樣、 其證據 はの、 此死& に 一 つも 疵 がない のが 確かな 證據ぢ や, 改めて 見さつ しゃれ。 

ト庄屋 は 思 入あって 死骸の 傍へ 行き、 

ちか =0 S お! tt き.?' くひ 

庄屋 ドレ/ \ わし は 近目 ぢ やが、 ャァ疵 もん 迹ぢ や、 首がない く。 

ト死弒 を 逆様に 見て こなし、 皆々 こなし。 



*K を さかさま 

皆々 ァ 、申し/ \ 逆樣で ござる/ \< 

これ お ほ -V $ 9 ^£ てっさつ ぎん さつ 

庄屋 是は 大きな 粗相し ました、 ドレく (ト運 平 をよ く 見て〕 今淨 玻璃の 鏡に かけ、 鐵札か 金 札 かド 

i -- $ ** ^ . とほ とん U ちが > 

レ おめて、 ハァ ー ほんに 何處 にも 銜は ない、 こり や 皆の 言 ふ 通り 頓死に 違 ひ あるまい わい、 

このと ほ .65 はらさ s n£ ひら こ 

よし/ \ 比 通り 梶原樣 へ 申 開きして 來 うか、 (ト 庄屋 行き かけて こなし) ァ、 コレ/ \ どうも 極 

bro こ C もと し だ. ち し も しょか いひ わけ すごと > ま か5 はらさ ま で 

りが^い わ、 此 元の 次第 柄 を 知った 者が 一緒に つて 言譯 すり ゃ濟む 事ぢゃ 先 づ梶原 樣へ出 

» ま £ ち ごけら い うんぺい さま せん-? L ナぢ 

て 言 はう に は、 へ 、ィ申 上げます、 あなたの 御 家来の 運 平樣が 詮議の 筋が あると て、 とんく 

ゥ§ し とん レ い A ぉゥ こ $ 

と i けて ござって、 とんと 躓いて 死にまして 頓死 を 致しました、 證據に は疵は ござり ませぬ、 

お 1 うへ ひきと - くだ ^ ^ r % 9 

御 改めの 上お 引取り 下さり ませと 言へば よい 

皆々 さう さ へ 言へば よいので ござる か。 

こ いひ b+: たれ とし こう ぬし むら くちき- - こ. * 12 つ AP い 

庄屋 此の マ ァ言譯 に は 誰が よから うな、 ォ、 年の功 ぢゃ、 お 主が 村で は ロ利ぢ や、 サァ爱 で 一.? 百 

うて 見さつ しゃれ/ \。 

レ f 4- さま / (. い 5 くちぐせ ねんぶつ, &キ^ 

作 ァ 、 モ シ/ \庄 屋樣々 々 ぶ, 言 ふ は 言 ひます が、 わし は 口 聽の念 像が 邪縻 になって どうもなら 

ん。 

庄屋 マァ, (- い^-わ、 言うて かいく。 



時代 狂 霄^ 作 集 八 

い み 13 , - なむあみだぶつ ^5 はらさ ま だぶ つ ご けらい 

豐 作 そんなら 言うて 兌 ませう。 ヘイ 中 上げます。 南無 阿 彌陀佛 、梶 原樣ぉ 陀怫、 あなたの 御 家來の 

5 んぺ いさま なむ あみだ なに せんぎ す S み だ ぶつ つ ぶつ とんし 

運 平樣、 南無 阿 彌陀、 何 か 詮議の 筋あって、 とん/ \/\ と i 佛、 躓いて、 佛、 そこで 頓死 

ミ ぶつ しがい S たし なむ 49 み こ だ ぶつ 

陀怫、 死 淤に疵 のない のが 糙 かな、 南無 阿 彌證據 で 陀怫。 

庄屋 ァ 、いかぬ,/^, C 、それで はどう もなら ぬ。 C ト是 にて 璺作 念佛 をい ひながら 控 へる。 庄屋 思 入 あつ 

た.!? かれ さ しづ ふだん しゃ ぺ す* め ちう きち き ゆ. > 

て) マァ 誰彼と 指圖 せうよ り、 不斷 ちょび くさよう 喋る 雀の 忠吉, 貴檨 行く がよ い。 

まへ S しづ ゆ. ゆ. あま はやくち なん ごと わか 

忠吉 そり やお 前の 指圆 によって 行き は 行きます が、 り 早口で 何の 事ぢゃ 分り ませぬ ぞ え。. 

, おちつ • S み+ , 

庄屋 ぃ&ゎ いやい、 それ を 落着いて 言うて 見い。 

ト 前へ 進み出て、 

ま を あ 4-5 は. 6S- ま けらい.? n ん さま ft に せん す .*-> » *.^'» 

忠吉 ヘイ 巾 上げます、 梶原樣 の 家 來運平 樣が何 か 詮議の! i が あると て とんく と 來て目 暈が まうて 

し SS とんし その. 乙 しがい しにき 卞 $ うへ ひ 含と o くだ 

死にました 所で 頓死 其 證據に は 死骸に 死疵 がご ざり ませぬ お改めの 上お 引取 下さり ませ。 

ト 早口に て 首 ふ。 

はやくち かへ しつれ. a わか こま ぴ しャ 

庄屋 コレ/ さう 早口で は 却って 失禮、 剁ら ぬわえ、 ハテ 困った もの、 ォ、 ある わ/ \ 、毘沙 

の 五太 右 銜^が よい。 サァ ちゃんと 言うて 見い。 

ゆ ゆ こ ゑ ほな .A ぢ はらさ ま SC あ 

五太 そり や 行き は 行きます が、 おり ゃ聲が 鼻へ か、 ります ぞ、 (ト 前へ a て) ヘイ 梶原樣 申 上げ ま 



けらいへ いさま ご? き し 

す、 あなたの 家來 ふん 平樣 * 御 へん 謹の, ふしが あって、 どんく,, \ と 来て どん 死な さりました。 

ト 鼻へ か」 り こなし ある。 

さて/ ゝ ii fc んぺ. & ©ど よじ らう は ぬけ 

芘屋 扨々 困った もの ぢゃ というて 丹 兵衞は 咽が ごろつ くと いふで あらう し、 舆次郞 は齒拔 なり、 

S しづ *i た へ ;; ^ 

こり やま あ 差^ 又 平^き をら すば なるまい ぞゃ。 

又 平 ォ 、 , おり ゃド > V ,、 ゾ 吃ります わえ の。 

LU, > .S , わけ わか W » 

庄屋 い-わい、 靜か にさへ 言へば 譯が 判る わ、 言うて 兒. s/\。 

か W はらさ ま $ 一 けらい J 

又 平 力、、、、 梶 原樣、 乇 、、ヽ 、ヽ、 申し ァ ヽ 、、ゝ あげます、 あなたの ケ ゝ、、 、 家來ス 、 、 

ナ Rife ろん ぺぃ さま き とん し 

、 ヽ 、 须股ゥ 、 ヽ、、 運 平樣、 ト、、 、ゝ、 とんと 來て 頓死。 

そ たた ら -2H さく ぬし 

« 屋 H 、いかぬ わく、 コレ 其方 ぢゃ/ \、 野良 馬 作、 お 主ぢ や。 

f こと い vv» で ぢ はらさ *<M*C あ 

馬 作 わし は定 つた 事 言 ふと 嚏が 出ます。 (ト馬 作 前へ 出て) 梶頃樣 申 上げます、 ハク サメ、 あなたの 

ハク サメ、 家来の ハク サメ、 運 平 ハク サメ。 

こま めいく ゆ-つぶ らち £ま 

庄屋 コレ/ \ もうよ いく、 困った もの ぢゃ、 さう 銘々 讓 りん 口って は埒が あかぬ、 ハテ 困った もの 

* い u -I レ し けこ な は くじと, あた もの ゆ 

ぢゃ。 ォ、 幸 ひく、 S に 石 を 運んだ 繩が ある、 鬧取 にして^ つた 者が 行く の ぢゃぞ や。 

いやおう ね 

五太 さうな されば • 否應 なしに かねば なりますまい。 

1 の 谷 八 一 



時代 狂言 傑作 集 クー 一 

庄屋 g: てく、 わしが お i を 1 へて ゆかす わ。 (ト やはり 浪 S 合方に て 、庄屋 後に て總 S に 称へ 晋 

^ J す A 一 %D .6 ち はらさ ま ^ _ 

し) コ レ く^に, うて & くが、 &ん だの を 取った 者が 梶原樣 へ 行く の ぢゃぞ 

皆々 ォ 、5"ii ぢ^ •。 

庄屋 サ截 S の II まり <。 (ト床 5 リ ヤスに なり 庄屋 こなし〕 オット 市 か 、どれ 取り やる • 

ト璺作 33 て閟を 引く 

がってん さいこくまで こぷ と、 , o 

豊作 ォ ッ ト 合^、 西國廻 つ て是 取り やる 

お 匿 オット 市 か X どれ 取り やる。 (ト 忠吉 前へ 出て) 

がってん S いこ こぶと.. > 9 

忠吉 ォ ッ ト^ 點、 西國 廻つ て^ 取り やる 

S オット !E か \ どれ 取り やる。 (ト 五平 太右衞 門前へ 出て リ 

がってん さい こく t は こぶ と, > 9 

五太 オット 合^、 西國 廻って 是 取り やる 

庄屋 オット 市 か-どれ 取り やる。 (ト又 平 前へ 出て) 

JA つて ふ さいこく は これと 

叉 平 オット 合點、 西國 廻って 是 取り やる 

£ 匿 オット M か X どれ &り やる。 (ト床 メリ ヤスに て 百姓 皆々?.〕 引く 事。 ト *、 庄屋 殘" 固 一條 持って こな 

し) n レく ^ の はない な、 つたな、 ハテ 蠻 ぎん でした が、 こり ゃ而妖 な、 一 



すぢぁ i ► 

條 |i つたわえ。 

お ド たは レ 1? やさ 4X .£ ' f 

巧; 作 ハテ、 そり や 親の^ ぢゃ。 庄屋 樣が 取り やしゃる のち や 

庄屋 ほんに さう であった。 

ト 件の 轭を我 手に 引いて こなし。 ^々见 て、 

卜す レ si- や si *fc ) ■ . 9 

^!々 ャァ く, く、 結んだ Q は 庄屋 樣が當 つたく 

庄屋 悲し や、 結んだ の はおれ ぢ やった。 

し 45 やさ まゆ, W . 

皆々 サァ 庄屋 樣、 l£ かしゃれ くくく 

ト $1 々せり 立てる。 

庄 Is マァ& つた/ \, —く。 コレ おり や £ かう IS がない、 何故と 言へ、 此 場の 様子 委細 知って & 

ft レ たち > 

る はお 主 達。 

くじ あた も G ゆ • , , 1 > f 

皆々 デ モ 閱に當 つた 者が 行く のち や ごさんせ ぬ 力 

な む ほう べん ひきな ぷ > > 

庄屋 南無 三齊、 ま 一 遍引 直さう か 

レ なほ - 

皆々 ィャ/ \仕 直し はなり ませぬ く 

忠吉 コ レく無 理貧 はっしゃら すと 往 かっしゃれ く。 



五太 

馬 作 

庄屋 

庄屋 

五太 

. 皆々 

庄屋 

豐作 

皆々 



^代^ U 傑作^ ,A0 

ひとで このし がい. § やどめ おぶ 八. In 

コ レ いっそ 人手の か \ らぬ やう、 此死胺 を 庄厣^ へ负 せて やらし やれ..,」 

おも ひつ 含 

ほんに こり やよい 思 付ぢ や。 

ゆる < J. 

コ レ く 許して 吳れ く。 

お ふ 

ィャ さう はならぬ、 サァ /^負 ふの ぢゃ。 

ト銘々 寄って 件の 運 平の 死骸 を ffi 屋に 背負 はせ、 繩搦げ にして、 繩の殘 り を 皆々 持ち こなし ある。 

ま く J れ うけん く みな 

待って eK れく、 了簡して 吳れ、 皆の もの。 

くじ あた-ぜひ 1 r£ そり ひ く:, > 

鬧に 常れば 是非がない、 聲を 揃へ て 引いて 吳 れ。」 

ョィ ャサ。 

むご ど うよく 

あんまり 酷い 胴慾 だ。 

ん .6 ん ひ ゆ • 

何でも 彼で も 引いて 行け。 一 

ャァ ヽィ II 。 

ト 屋體噼 子に なり、 庄屋へ 雜の 付きし を^々 引立て、 木 遺 1- にて、 庄屋 死骸 を 背負 ひ、 山 臺の思 入よ 

ろしく 賑 かの 仕組よ ろしく。 

幕 



大 詰 生 田 熊 谷 陣屋の 場 

役名 九郎判 営 篛經、 石屋 白臺の 彌陀六 實は彌 平兵衞 宗淸、 熊 谷 次郞直 赏、 梶 

原 平次景 高、 堤の 軍 次、 經 盛御臺 藤の 方、 熊 谷 室相模 等。 

本 舞 祭; 一: 問の 間 本 緣附高 二重。 正面 子 持 筋の 襖。 上の 方 塗 骨 障子 屋體" 軒ロ鴆 八の 紋附の 慕 を 張り、 

下の 方 竹 矢來、 よき 所に 櫻の 大樹。 此 傍に 跳への 制札 を 建て、 いつもの 所へ 陣門 を据 ゑ、 日 覆より 見 

^に 櫻の 釣 枝。 すべて 煎 谷 陣門の 體 よろしく、 時の 太鼓に て 慕 あく。 

A»»<%0 3 す 1= つ a- へいけ し M. なみ げんじ tt な 3 か 

行 空 も いっか は 冴 ゑん 須 磨の 月、 平家 は 八 島の 浪 にた V よ ひ、 源氏 は 花の 盛 

み なか すぐ ぐ まがへ ^ん しょ すま か ま えう がいき^ 3 かもぎ なか 

りと 見る、 中に 措れ て 熊 谷が、 陣 所は須 磨に 一 構へ、 要害 厳しき 逆茂木の 中 

わか ttsso か へ へ A よ ひとごとぐ まが へ- 5AC 

に 若木の 花盛り、 八重 九重 も 及びな き、 それ か あらぬ か 人每に 熊谷樱 とい ふ 

はな を せいさつ 上 ゆ ひとよ ひと とこる た, あつま 

どかし、 花 折らせ じと 制札 を、 讒んで 行く 人讀 めぬ 人、 一 つ 所に 立 集.^。 

ト此 内花逍 より 百姓 四 人鋤錤 鎌な ど を 持ち出て 來り、 下手へ 立 止り、 



時代 狂 雷 傑作 集 八 六 

ナント^の 教^ やしゃれ、 扨 も 見事に 唆いた ではない か。 

t&lh モ うら ぽん この f& はなみ ごと * こ の^さ 力 *J^T ► •、> 

X ぎ is の^で はま 一 本ない 此櫻、 花 も 見事 ぢ やが、 此 制札 も 見事 ぢ やな • 

厶 それく 觀 の^ ぢ やげ なが、 I: んだ かひ f つも^め ぬわい、 こり やま あ 何と H ふ 事ぢゃ ぞい 

の。 

□ ォ 、 imfpf^f 0i 一 篛る べしとの 5T 度 f やわい の。 一 

o ャァ^ ぢ やと、 ^の^りに!! を 切る と は、 こり や 首 切る マ-地で あらう わい の、 ォ、 可 恐 やの 

% とら を ふ こ- - ち 9 

X それく 見て ゐる內 も 虎の 尾 を 踏む 心地が する わい 

△ 観らぬ^ に^りな しのきへ ぢゃ、 ^の 衆、 行かう ではない か. V 

□ いかさま それが よう ござらう、 サァ ござれ/ \。 

A ばな あらし おぐ ぴゃゥ かぜ £i 3 

花に 嵐の 臆病風、 散り に 乙そ^ れ 行く 

ト 百姓 皆々 下の 方 へ は ひる。 

\ t ゴ こ、 くまが へ つ a さ;" み 乙 »» 1»» ぞん, や,、 ー 

へ はる., i\ と 尋ねて 爱へ熊 谷が、 妻の 相 模は子 を 思 ひ、 夫 思 ひの 旅 姿、 陣屋の 

03 _J t かしこた ゴ I f お, H s( -f^o 

軒を此 處彼處 尋ねし が 幕に 覺 えの 家の 紋 



ト此. S 花道よ リ相模 旅な り 好みの こしら へ、 管 笠と 杖 を 持ち出て 來る。 後よ リ若徒 牛餺^ 引 大小^^ 

のこしら へに て附添 ひ、 中間 旅な リ にて 後より 兩褂 を擔ぎ 出て 來り、 よろしく 花逍 にて 止り こなし。 

お, さ £ s くお いへ ひつ P? ご W ん しょ あ ひみ — 

侍 アイヤ^ 襟、 あれなる 慕に 御 家の 定紋、 必定 御陣 所と 相 見えます る。 

ト相校 舞 裏の 菘を 見て、 

ちが i ご もん 》- 

相桟 ォ 、 さ うぢ や、 違 ひない 夫の 御紋。 

おいで お §た つ 

侍 御 出の 趣 達し ませう。 

fcK そこつ あんない 

相 校 ァ、 コレ、 必す 麁忽 のない やうに 裝內 しゃ。 

侍 ハツ。 

んしょ かど たちよ 

陣 所の 門へ 立 寄って (ト 皆々 舞臺 へ來 り) 

誰 そ賴 みませう/ \。 

〈 こふ s (こ つ、 み ぐんじた ち. s ) 

おとな ふ聲に 家の 子なる、 堤の 軍 次 立 出で く。 

ト奧 より^ 次 衣装 上下 大小に て 出て 來り、 門口へ 向 ひ、 

いづかた e あんない し s じんこと た JW つい. * I 

軍 次 r ャナ -1 I: 方よりの 御案內 なるや、 主人 事 は 他出 致して ござる。 

くる %0 IJX あ A ま 

相模 ィャ ナウ 苦しうな ぃ者ぢ や、 爱 開けて 給 ひなう。 

一の 谷 八 七 



時代 狂 言 傑作 集 八 八 

き-ゆ ぢ よちう こ- 0? 申う なつ うへ こと おくさま 

軍 次 ハテ間 惯れし 女中の^、 樣チ 尋ねし 上の 事 • (ト 門口 SS き 相模を 見て) ャ, あなた は 奧樣で ござ 

ります か。 

相模 ャァ そち は^ 次 か。 

こぶ お- が おめみえ ま ご けんしよ-つ iPw えつ し ごく 

軍 次 是は^ 掛けない 御目見得、 先 づは御 健勝に て 恐悦 至極。 

相模 . 其方 も 無事で 目 出た うござる ねいの。 

なに i これ 

軍 次 何 はしかれ、 先づ/ \是 へ。 

そ ち たち つき fc キ; ぅモく 

相投 其方 達 は 次へ 立って 休息し や。 

家来 ハツ。 

へ はっと 答へ て 立って ぼく。 (ト恃 中 m 下手へ は ひる) 

とほ あそ 

軍 次 ィザ お通り 遊ばされ ませう。 

しづ^-と 乙/ C 打 sp!,oo (ト 合方に な" 相 摸 上へ 通リ よろしく 住 ふ。 軍 次 思 入。) 

» - ► く づ ま くわき ふ ご よう はる A\ -J ^ § 之ん ろ さ X さぞ つ. A ij 

軍 次 シテ奧 樣には 火急の 御用なる や、 遙々 との 御上 京、 遠路の 處嘸 お疲れで ござり ませう。 

I ij - ふなぶ あん みち ど I こ-までく み 4.K やうす き いま さいちう § か み 

相模 ィャ モウ 女子の 足の 道 抄 らす、 爱迄來 る途々 も 檨子を 間けば、 今戰 ひの 最中との 噂、 お 上に も 

か は こ C らう そ くさい 

お i! りたき や、 小 次郞は 息災で ゐゃ るかい なう。 



»L : iSJ?!? はじ わか 一一-ビー じ らぅ| 一 」 ナん. :》? 

軍 次 殿 枝 始め 若^ 小 次郞樣 にも、 御 ま. 勝に ござります る。 

相 校 それ^いて 1 かきました、 戣 が^りし Is, 、 わがお へお 1L; げて たも。 

軍次 アイ ャ 謹に は:^ ぉ¥ ああり とて 4ii、 き is&g を S せ。 

ぐん じ そ なお 

相 校 軍 次、 其方よ いやう に。 

軍 次 委細 畏 つて ござり まする。 

挨 接と, o„\ する 所へ、 ^盛の^^ のつ I、 もロぅ の聽 をず 3 れ おて、 こ け ウ^び 

> せんやめ;: 《 し 

つ 花の かげ、 陣屋 を 目 懸けて 走りつ く。 

ト バ タ くにて 花 迸よ リ 藤の 局 衣装 楠襠 の 上へ 抱へ を 締め 懐 敛を差 し走リ 出て 來リ、 鬥 口 へ 来り、 

藤の ィャ ナウ 後より 追手の か \ る 者、 影を隱 して, はれ や。 

^\ て 5- ぐ ん じた 

け はしき 體に軍 次 は 立って。 

軍 次 尤 なる 蕻な がら、 御 の躏り の^ なれば、 お II は^はぬ、 f をお 総み なされ ませ。 

蠶 ァヽ コレ軍 次、 g しからざる 躪の はし、 舵 ますれば | のおお さうな、 g しも は is ひ、 

マ ァ,, (\ おは ひりな され ませ。 (ト相 摸 陣門 を 開き、 藤の 局 を 見て〕 あなた はどう やら。 

ト^に て^の W も 相 校 を^て、 



時代 狂言^ 作 集 

藤の そ もじ は is か。 

ふ; 5 かた さま > 

相模 藤の カ樣" (ト兩 人 顔 見合 はせ 思 入あって) 

ち 35 み > 

藤の 相模ぢ やない か。 

こお おも ひが 

相模 どうして^へ、 思 掛けない。 

た ひさ 

藤の 絕 えて 久しき • 

この めみえ.' 

相模 此目兄 得。 

そ ,お ぶ じ 

藤の 其方 も 無 ポで、 

相模 あなた もお 健在で、 

藤の 廻り 逢うた も、 

相模 ? J せぬ 御 & で、 

兩入 あつたな ァ。 

相模 先づく あれへ。 

A £ S ちん やうち つちと せ 

が 先 づ,/ \ あれへ と 言 ひければ、 陣屋の 內へ打 通る 

ト是 にて 相 校 藤の 方 手 を 取り 上の 方へ いざな ふ。 



[» おも よ i ぐん じ そ * お つぎ 

相模 思 ひも 铬らぬ あなたのお 入り、 コレ軍 次 其方 は 次へ ナ, 

» ルヤ r おく fs> •< たのち ほど めみ, え つ.^ * つ 

軍 次 ハツ、 然 らば 奧樣、 又 後程お 目 見得 仕 るで ござり ませう。 

, 軍 次 は 立って 入らに け.^、 相模 はやが て 手 AJ つかへ、 

ト眾. ^こなしあって 奥へ は ひる。 相撐思 入あって、 

JI ^ -ひ, とぶ レ ほ? *- , - 、 お^ 20 ii ? ^-. >-*-» きんぼん ぶし S たけ ett らう S & . -IT レょ 

相模 誠に 一 昔 は^と 申します る、 大內に 御座 遮ば す 時、 勤番の 武士 佐 竹 次郞と 馴染み、 御所 を^が 

f ^ゝ. ^だ 、 > :n ほ- isl* ,へ- 5i : , J 、くわ" ない お * へいけ e ■.* も,? S ん __w つね 

て 束へ 下り、 あなた 檨の 御身の 上 を 承 はれば、 御 懐胎の 御身ながら も 平家の 御^ sf、 ^ 議 M 

fay; ほかた 、 ii え 9 A ま . s» そ? を, よ ざ か へいけ ご p »w ます.? p xs *J の- w& 

成 § 方へ 御^ づき 給 ふとの^、 其 折 世 盛りの 平家 御 威勢 は 盆よ、 蔭ながら 悅 びました に、 

げんぺい た-^ 一 J もん ち き つけ こ ふ s Afc さま ,ん あ r-f あ, -- 

の^平の 戰ひ 御 一 門 も 散り- 5\ と閒 くに 付, 此藤 のが 樣は 何と 遊ばした どう |~ ばした 

ひ, と 》- " ごきげん かせみ めで 5 れ i と 

一人 苦にして をり ましたに, マァ 御機嫌の よいお 顔 を 見て お 目 出たい は、 ォ、 嬉しい 事で ござ 

ります。 

藤の ォ、 お 方ん 卞で目 出た いわいの、 さう して 懐 S で^やつ たが、 の J は^ I, か かノ 

そくさい そだ 

な災で ic てゝゐ やる か。 

A X をな ご どし ゥ A 乙と は ぐり か 《 ゥ. ri ご た a ふお H 

. ちょっと^っても 女子 同志、 積る 言の 薬 繰 ^ し、 嬉し涙の 種 どかし、 藤の 方 

は淚 ぐみ。 

一の 谷 九 1 



時代^. 言 傑作 集 九, 11 

X せいす ゐ い そのと きさ 5 ラ みおと む § お ぃぷ あつ も き § はつめい >V ろ , こ 

世の 盛衰と は 言 ひながら、 其 時 自らが 齑 落した は、 無官の 太.^ 敦盛 とて 、器量 發明 揃うた 子 を、 

|J ん ど § うち じ に M つ & しま なみ われ の 二 う なん? おさ み ウへ 

今度の 軍に 討死 させ、 夫 は 八 島の 浪 にた^よ ひ、 ^のみ 殘る 憂き 難儀、 淺 ましの 身の上 ぢ やわ 

いなう。 

n, few — 

かこち 給へば。 

^う, いぜ^ おん はう どき つれ あ ひ やお おんみ かたづけ ご せ M fi^ 

相模 お 道理で ござり まする、 以前の 御 恩の 報じ 時、 連合に 語り 御身の 片付 後世の 營み、 お 心任せに 

いた & ザん さ たけの じらう ま を ほくめん どみ や- コ ぶ し た f いま む さし くに ちう にん し たう けた 

致し ませう、 以前 は 佐 竹 次郞と 申し 北面 同樣な 武士、 唯今に ては武 蔵の 國の 住人、 私の 黨の旗 

くまが へ じ らう.: ほャね ひと し «s ひ 

頭 熊 谷の 次 郞直赏 と、 人 も 知った る 侍で ござります る。 • 

へさ み だい 

と 聞く より 御 臺は。 

そ ケ fc つれ あ ひさ たけ £ じらう いま く * がへ じ らう 

藤の ャァ そんなら 其方の 連合 佐 竹 次郞、 今では 熊 谷の 次郞 といやる か。 

相 校 ハイん 様で ござります る。 

くまが へ C じらう そ 4 & § 

藤の スリャ ァノ、 熊 谷 次郞は 其方の 夫よ なノ 

, はっと 吐 胸の 氣を 鎮め。 

さがみ い ぜんお; SJ うち ぷ ?ちら s fc け © じらう もろとも きんごく &ん ビん みプ £ら § ,だ 

ナント 相模、 以前.^ 內 にて 不義 顯 はれ、 佐 竹 次郎と 諸共に 禁獄 させよ との 院宣、 自が 申し 宥 

ご しょ ご もん よ うち おと お ザ 

め、 御所の 御門 を 夜の 內に、 落して やった 覺 えて か。 



なる ほ\ そのと ま r おん わす 

相模 成稅其 時の 御 恩、 ナン ノ 忘れ ませう ぞいな。 

その おん わす すけ だ ち う 

藤の ム、 其 恩 を 忘れす ば、 助太刀して 討た してた も。 

相模 スリャ 又 亂 を。 

くまが へ じ らうな ほざね 

藤の 熊 谷の 次郞 直實ぢ やわい の。 

まお なん 5 ら 

相梭 ェ、、 そり や 又 何の 恨みで。 

さいぜん けな とほ ► -Q ん ご しょ おんたね む £w fc いよ あつ もり そ ち 5>3くま がへ う i 1 

藤の お^も^した 通り、 i の 御所の 御 胤 無官の 太夫 敦盛 を、 共 方が 夫 熊 谷が 討つ たわいな ァ • 一 

相模 ソリャ マ ァ腐實 で ござります か。 

膝の そんなら 共 方 は 何にも 知らぬ か。 

はろ..^ いまき いま ものがた, 

相 校 サ ア^々 と 束より 今來て 今の 物語 * 

n» & と む;;:? まこと > 

いて 吐 胸の 誠し からず。 

おっつけ ゆへ しだ. a やうす たづ その 55 レ 2 ひか くだ 

追 付 夫が ぼり 次第、 樣+を 尋ねる 其 閒、 暫くお 控へ 下さり ませ。 

^ こ あばつ ぐ P つぐ な だ f おもて かた 

詞を盡 し 理を盡 し、 宥める 折に 表の 方。 

かぢ はらさ S い > 

呼 柅 IS 樣の お入り (ト是 にて 兩人思 入 ;- 

か^はら さた 

藤の ナ 一一 梶 原が 來 りしと や。 



時代 狂言 傑作 集 九 四 

ト 藤の 局立掛 る。 相模 止めて、 

じ a ち ふか かぢ はらへ 5 じ みとが , おんみ, e *^«: S おく i- そく, 

相 校 ァ、 モシ、 邪智 深き 梶原平 次 见 咎められて は 御身の 御難 儀 暫く 奧 にて 御 休息 

なるほど いま く ほが/ ゆ 〈 . > 

藤の 成程、 さりながら 今にも 熊谷歸 りなば 

とく じっぴ , タハ き 

相模 篤と 實否 をた ビ した 上 

わぶ こ S ^は k 

Bo 我 子の 敵と 極まらば 

しゅじん fsfc- 

相模 夫ながら 主人の 仇 • 

藤の 必す 討つ ぞゃ。 

C ねん およ, > 

相梭 御念に 及ばぬ。 

藤の そんなら 相き。 

つ *_ ねさ 5 

相模 お 局樣。 

しか * つと > 

藤の 然 らば 吃 度。 

相模 ハテ、 先づ お入り あられ ませう。 

<.» み だ 5- む C やい!; を さ さ H ぐ X ) 

御 さば わの 刃 納めて 心 奥の間 へ 、 ともな ひて 乙そス りに ける 

ト こたし あって^ 模先に 藤の 方附 いて 障子^ 體へ は ひる。 



、ほど い ぐ かせ はらへ いじ かげた か わう へい ざ つ つ、 み ぐんじ たち い 

一 程なく 入り 來る梶 原 平次景 高、 さも 横柄に 座に 着けば、 堤の 軍 次 立 出で、。 

ト 時の 太鼓に なり、 花道より 梶原 着込みの なり 立 烏 箱 子に て 出て 來り、 二重の 上の 方に 住 ふ。 此內奥 

より 眾次 出て 來り、 下の 方へ 控 へる。 

.45 はらへ ぃ& かげ fc かしょよう ナ ん な. ね ど0 ね =0 

梶原 梶原 平次贵 高所 用あって 榷參、 直實 ^は 居 召さる か。 



梶原 

捕手 



梶原 



こんにち しゅじんな ほざ:; oic*o ぺ うさん ご よう それがし あ ふお くだ 

今日は 主人 直^ 志あって 廟參、 御用 あらば 某 へ 仰せ g かれ 下さり ませう • 

.i- がへ^め た rsN> けらい ども いしゃ おや J5 ひつ. まゐ 

ナ -ー熊 谷 能 は 他行と な。 ャァく 家来 共、 石 星の 親 仁め 引立て 參れ。 

ト 花道 揚 幕の 內 にて 捕手 皆々、 



< 、ァ 



A *Jfe ! 5 やく!" う みだ (いじ 》<( ひき ォ > 

はっと 答へ て 科 もな き、 白毫の 彌陀六 を、 平 次が 前へ 引据 ゑれば。 

ト 時の 太鼓に なり、 彌陀六 白髮蠶 好みの こしら へに て繩 にか >- り、 是を 軍兵 引立て 出て 直に 舞蔓 へ來 



下に をら う。 

ト彌陀 六 を S 中へ 引据 ゑる、 梶原 こなしあって、 

おや 15 * にも た0 あつ も,, S^Afc .. . ベ ilsj ei g^s 

ャィ なま くら 親 仁め、 おのれ 何者に 頼まれて 敦 盛が 石 塔 建てた ぞ、 平家 は 殘らす 西;!! へぼつ- 

一の 谷 九 五 



時代 狂 霄 傑作 集 九 六 

'» t » . あ ひて ,> > さつ げんじ ポ. ft ふち ぶ レ たの ちが ta 

だし、 跳 ふべき 相手なければ、 察する 所 源氏 力の 二股 武士が 賴 みしに 違 ひ は あるまい、 サァ g 

すぐ はくじ 5, づ いつは お せた ちわ ねった う ら どめ ごね 4 ム^ & 

庇に. EL 狀、 僞 るに sa いて は 背を斷 割り^の 熱^、 鎌 倉^の 御 威勢で 言 はさに や S かぬ。 

、おど < レゃ うじき ぺん 

嚇 しかけても 正直 一 遍。 

さて ごむ, ごせん?: さきほど まも とほ せきお ふ 1 て あつちき ひつ. dp 9^ こと さ r * , 

彌陀 テモ扨 も 御 無理な 御; &議、 先程 もせした 通り、 石塔の 跳へ 人は敦 盛の 幽靈、 五輪の 事 は 扨^い 

, • ズヒけ と. * ュぉ ほ-せき^ ふ < ひ ひとだま てつけ と こ5 やうち し かま 

て、 一 厘 も 手附は 取らす、 共 儘 石塔の 喰 迸げ、 せめて 人魂で も手附 に: 取ったら、 小提 仏の 

いた めいど かきお これ 7 だい あ も 

に 致し ませう に、 冥途へ 書 出し はやられす、 ほんの 是 がそん しゃう 菩锃、 冇 りゃうに 申 1! げ、 

ぶに し く どくせ さい M のと ほ 

瓯以此 功德施 一切 は此 通りで ござります。 • 

^ へんた ゥ — 

とりし めの なき 返答に。 

なに おっしゃ め ふ くさに かち はらぶ め t ご きう そく あそ . 二 

軍 次 何 仰 言って も^に 釘、 梶 原^に は 先づ御 休息 遊ばされ ませう。 

、ぐんじ ことば へいじ わるち Z 

軍 次が 詞に平 次は惡 智惠。 

お^かお せきた ふ »2 て たいがいが つてし くまが ヘ^へ おな わ せんぎ- もつ ども & ,0 > つ" 

梶原 ^^石塔の 詫へ 手 も 大^ 合 % 熊 谷^らば 三つ 金輪に て 詮議 せん 。ソレ is ハ、 sfe を^^て い。 

皆々 ハ 、ァ。 

Co ,u あんない 

梶原 軍 次 i 内。 



皆々 立た う。 

へ. ^しゃ ^ や V む, やり ひった ^ぐつ » 

^ 石屋の 親 仁 を 無理矢理に、 引立て 奥へ 連れて行く。 

ト 時の 太鼓に なり、 梶原を 先に 軍 次 奥へ は ひる。 彌陀六 は 軍兵に 引立てられ 上の 方へ は ひる。 

A ひ y しきむ おっと かへ な そ w m ほど 

日 もはや 西に 傾きし に、 夫の 歸, ^の遲 さよと、 待つ 間 程なく。 

• ► だん. *1 

呼ビ 日: 那 のお^り 。 

t» パ.? 1 が/ じ』 らうな ftytt Mtt さか あつ .》, 5 む 5? 3 と 3* few *9 

能ス 合次郞 直實、 花の 盛らの 敦盛 を、 討って 無常 を 悟らし か、 追が に&き 武士 

J の あな iM し f むね たち か { 

i 物の 哀れ を 今 ど 知る、 思 ひ を 胸に 立歸 る。 

ト此內 奥より 相模 出て 來り こなしあって、 花道よ" 熊 谷 衣装 上下 大小 好みの こしら へ、 物 思 ひの 體に 

て 出て 來り、 ずっと 內へは ひる。 相模を 見て キッと 思 入。 此內軍 次 出て 來り、 

*^ つ M 35- み しりめ るな 1! ぐんじ A ほ 

妻の 相模を 尻目に かけて 居直れば、 軍 次 はやが て 覆 ひに なら。 

ト癍谷 二重よ き 所へ ゐる。 眾次 相模は 下の 方へ 控へ、 

- さきだ. P てへ i ぷ> かげた. なに * ん す W みか ォ レ しゃひき つ :! .stl t 

軍 次 先達 平次景 高^, 何 か 設議 の^ある とて、 御影の 石屋 を 引 連れお 出で あり、 I- の 一^にお おち 

なされて ござります。 

、委細 を述 ぶれば。 



へ ' 

m ト 主 

見み y の 



^代 狂言 傑作 集 九 八 

*! ん ぎ なにごと そのれ う こん iss かぢ はら どめ $ i k はや はや 

熊 谷 ム 、詮議と は 何事 やらん (ト思 入あって) ィャ 其方 は 一 献を 催し、 梶原^ を 饗し 申せ、 早く 早 

く 

.* しこ £ > 

軍 次 畏 つて ござり まする * 

ト軍次 立ちに か&る を相模 行くな と 袖 を 引き こなし。 熊 谷 思 入。 

さて なに 4 う よ いた つき お 

熊 谷 ハテ 扨、 何 を i 豫 致す、 次へ 立て。 

13 ざ , "ノ 

へしう ことば ぜ ひ さがみ かほ み あは A! 、ろ のこ ^ 

詞に 是非な くも、 相 模と顔 を 見合して、 心 を殘し 入らに け, OSO 

ス相模 が §3 める を 振り切り 思 入あって 奥へ は ひる。 

T ぐ まがへ 

送りて 熊 谷 は。 

ト 合方に なり 相模 こなしあって 煙草盆 を 持ち、 わざく 熊 谷の 前へ 置いて、 熊 谷 相模を 見て 思 入。 

Itti そち こ- なに くにもと JS ミーつ *- つ ► S ん ちう たよ むよう .Afc いひつ お 

熊 谷 コリャ 女房、 其方 は爱へ 何し に參 つた、 國許 出立の 節, 陣中へ は 便り も 無用と 堅く 吩咐け 匿い 

5a モむ £ な み i ゥん ちう きた こと ふと r きし ごく is な 

たるに 詞を 背く とい ひ、 女の 身で 陣中へ 來る 事、 不屆 至極の 女め が。 

^ ふ S3 てい さがみ I 

不興の 體 に相模 はもお ( -。 

そ © しか ぞん あん Z じ I う; SS ん * » ^ やうす- レ 

相漠 其お 叱り を 存じながら、 どうか かう かと 案じる は 小 次郞が 初陣、 一 里 たら li 子が 知れう か、 



• „ s り ちゆ ,あゆ p if も i?J しんき 

五里來 たら 便りが あらう かと、 七里步 み、 十里步 み、 百 里!!! りの 道 をつ い 都まで、 ォ、 辛氣。 

の K き たに い a かっせん さいちう と 5 はさ 

上らて 閡 けば 一 の 谷と やらで、 今 合戰の 最中と、 取ら., i\ の 噂 ゆ ゑ。 

Z ひ, おや いんぐ わ ご れ うけんく だ Z じ らう そくさい 

ア, に惹 かさる i は 親の 因果、 御 了簡 下さ. OV ませ、 マァ さう して 小 次郞は 息災で をり ます かえ • 

^\ と ぐ まが へ こと ぼ あら 

と 問へば 熊 谷詞を 荒らげ。 

i , Sijys 、お;^ ^ • !5 んー』 たづ * 木ん も うちじに なん 

熊 谷 鞔揚へ 赴く 時 は 命 はなき もの、 健 固 を 尋ねる 未練な 敬 性、 若し 討死したら 何とす る。 

Iltli こ ^らう _£>g ん たい レ 9.5 ひつく うちじに い た たいてい ろれ こと 

相 校 そり やもう 小 次郞が 初陣に、 よき 大將と 引 組んで 討死で も 致したら、 大拭 嬉しい 事で は ござり 

ませぬ。 

へ つと こ、 ろ したが けな げ こと a £ ん. W くな 41 

夫の 心に 隨 ひし、 健 氣な詞 に 顔色 直し。 

, ^ ズ g -ぃ、 、 ひ. ら やま む しゃ xiu-c 1 ^けお- zsf ぐんもん い i て,, *<0 

熊 谷 ォ、 小 次郞が 手柄と 言 ふ は、 平 山の 武者 所と 爭ひ拔 ^ けの 功名、 軍門に 入りての 働き、 手疵少 

やろ お まつだい いへ ほまれ 

少負 ひたれ ども, 末代までの 家の 譽。 

I • : その て きナ きふし よ 

相 校 ェ、、 シテ其 手 疵は念 所では ござり ませぬ か。 

a? • てき T くや g つき も ふしよ かな 

熊 谷 ソレ まだ 手 庇を悔 む^ 付, 若し 急所なら ば 悲しい か。 

bjc なん ^ナ お ほど 2« で V あ i ーづ そ o とま 

相模 ィ、 ヱ 何のい なァ、 かすり 疵 でも 负ふ 程の 働き は出來 したと、 嬉し さの 餘 りぉ尋 .CT 其 時 あな 

1 の 谷 九九 



時代 狂言 傑作 集 1 00 

- こじ らう しょいで : 

たも 小 次郞と 一緒にお 出な されました か。 • 

aa» , * ぁ ふみ ぐんもん かけい こじら うむ ひつ fc. こわ^ だ わが S んゃ 

熊 谷 ォ、 サ、 危 しと兒 るよりも、 軍門に 駔 入り、 小 次郞を 無理に 引立て、 小脇に ひん 抱き 我 陣屋へ 

ゥ: -f. へ き また それがし その ひ- sv« からめて たい む < わ.: 3 た ぃぷ あつ もり くびう ひるね ほまれ 

逑れ歸 り, 又 某 は 其 日の 軍に 搦手の 大將、 無官の 大.^ 敦 盛の 首 討って 比類な き 譽。. . 

相模 H 、。 

はなし さて おどろ さがみ うしん き み だいどころ 

話に 扨 はと 驚く 相模、 後に 聞き. Q る御臺 所。 

ト相模 びっくり 思 入。 此 以前より 藤の 方 後に 窺 ひ ゐて此 時 懐 劎を拔 き、 

わが こ .^i- くまが へ かく -J 

藤の 我 子の 敲熊 谷覺 悟。 

, 熊谷覺 悟と 突掛 くる を、 しっかと 押へ て。 

ト 藤の 方 突いて か、 る を^ 谷 後钿を ー:§ にて 打 落し、 熊 谷 は 藤の 方 を 引付けて、 

as. , は なに やつ 

熊 谷 ャァ敲 呼 はり、 何奴なる ぞ。 

^ ひき よ によ- n ぼうと り つ 

引 寄す る を 女房 取 付き。 

*^ う じ ふぢ つ S! さま 

相模 ァ、 モシ 聊爾 なされな、 あなた は 藤のお 局樣。 

A 3 なほ y ね 

聞く よ, CS 直實 びつ く, 5 し。 

ふぢ つ!^ ね ふぢ おし 

熊 谷 ナ 一一 籐の局 とや e (ト思 入あって、^ 谷 藤の 方 を 引 起し 額 を 見て びっくり 思 入) ャァ實 に 藤の 御が、 



おも r お ^ めん > 

思 ひがけな き御對 面。 

へ ふ t-c うやま たてまつ > 

飛 退き 敬 ひ 奉 れば 

ト熊谷 思 入あって 藤の 方の 手 を 持ち 上座へ 直し、 熊 谷 は 下手へ 來て懐 锊 を 袖に て 拭 ひ 持ち かへ て 差 出 

し、 平伏す る。 

藤の コ リャ^^、 いかに I? の IS ひぢ やとて、 年端 も it かぬ 若武者 を、 よう 酷たら しう 首 討った な 

Tic さが み すけ だ ち 巧 , > 9 

ァ、 サァ^ 束ぢ や、 相税、 助太刀して 夫 を 討た しゃ 

そのな 

相 校 サ ァ共谘 は。 

さいぜん い ぃゥ は _ > 

藤の 蕞, 首 ひし は 偽り か 

相 校 さう ではな けれど。 

藤の そんなら 討た しゃ。 

相 校 サァ。 

藤の サァ。 

兩人 サァ くく。 

藤の ナ、 何と。 

1 Q 谷 5 一 



時代 狂 雷 傑作 集 10H 

へなん か si つ t, _5 ぶま., r- 

何と, (\ と 刀 押 取. A せ 6. 合 ひ 給 へ ば。 

相模 ァ,' ィ。 

、 へんじむ a せ m 

あいと 返事 も 胸に 迫 

なほ ざね as あつ も 9 さま ゐ^ おた. し : • こ いろ も- - づ : - > , , :、 fio す, ► 

コレ直 實^、 敦盛樣 は^の 御 i と 知りながら、 どう 心得て 討た しゃん した 檨 子が あらう 其の 

わけ I 

譯は。 

\ ぐ 蒸 

いふ もせき 來る うろ/ \ 淚。 

おろ このたび た-かひ てき めざ へいけ も,^ あつ も 9 さてお J ^^かれ 丄のざ けづ ようん や! 

熊 谷 ャァ S かく、 此 度の 戰 、 敏と 目指す は 平家の 一門, 敦盛は 扨 置き 誰彼と 鎬を 削る に 用捨が 

ふち おんかた f ぜひ おん § くだ その ひ 

あらう か。 ハ ト思 入あって) ィャナ -ー 藤の 御 ザ、 ^場の 儀 は是宑 なしと 御 諦め 下さるべし、 其 日 

sv« あら *c ちつ も n*5J つ う し だい ものがた つか ** つ > 

の 軍の 概略と、 敦盛卿 を 討った る 次第、 物語^ 仕 らん 

のが _た J* か M 3 

物語らん と 座 を 構へ。 

さてさん か よ はし C3- め あ ころ 1 めけ がけ ひらや まく まがへ うち とつ , > き S 

扨 も 去ぬ る 六日の 夜、 早 や 東雲と 明くる 頃、 ニー を 爭ひ拔 駔の平 山 熊 谷 討 取れと、 切って 出で 

へいけ ぐんぜい > 

たる: 牛 家の 軍勢 

^なか き tt すぐ ひ i — 

(中に 一際 勝れし 緋緘。 



ひらや まあ しら L > 

さしもの 平 山 遇 ひかね < 

、はま ぺ さ にげいだ 

濱邊を 指して^ 出す 

つつ %| る i まや、 ffff. ijs に i へたり、 M あせ ォ、 ィく。 

M うち, SS3 かしら た てな は なみ つち ,f ち * 、 - i V > . \ 

を もって 打 招けば、 駒の 頭 を 立直し、 浪の打 物 二 打 三 打、 いざや 弒まん と 

f f < f あ ひだ > ► o 

1% 上ながら むん づと 組み、 兩馬が 間に どうと 落つ 

モの わかむ しやくみ;^ 

藤の ャ、 ナント、 共 若武者 を 組 © いて か。 

熊 谷 されば 蘿 よくく つれば、 ksv と鱺 に、 と 年し はい ざよ ふ, の 鐘、 fs 

^SJ .,. か こも みおも, まほ a 

まさん、 共 欽きは 如!: ばかりと、 子 を 持った る 身の^ ひの 餘^ 

\ うばお K と ひきおこ ちリ うちはら 

っ上帶 取って 引 起し、 麈打拂 ひ。 

3. や 落ち I へと。 

で う fci ? C ) 

相模 勸 めさし やん した か、 そんなら 討ち 奉る お 心ではなかった の 

熊 谷 サァ I. やおち i へと ま むれ ど、 一囍に S きかれ 、な? § ら へん、 3. や^れよ 熊 谷と。 

<ぴ と -; けたげ こと .i a 

藤 Q ナ il 首 取れと 首うた か、 健 氣な事 を 言 やった なう 



、代 狂言 傑作 集 一 o 四 

i. , ■ なほ • I むね こ CAS わが C こじ t てき く レ o ち 

熊 谷 サァ其 仰せに いと^ 猶、 淚は 胸に せき あえす、 ま ッ此通 hN に 我 子の 小 次郞、 敏に 組まれて 命 や 

ナ .》 あ S もの. * ふなら たち A き. A 

拾 てん, 淺 ましき は 武士の 習 ひと 太刀 も拔 兼ねし に。 

^にげ さ ひらや a うしろ や m こ ゑた. a 

逃 去った る 平 山が、 後の 山よ ゥ聲 高く。 

く i おへ あ も o- く A し たす ふた る き は 

熊 谷 こそ 敦盛を 組敷きながら 助ける は、 二心に 極まりし と。 

呼 はる 聲。 

せ-ひ * あ ふお C と つ * K£ あ .! -. 

ェ ヽ 是非 もな や、 仰せ 置かる i 事 あらば, 傳 へま ゐ らせんと 申 上 ぐれば。 

f ^おんなみ お うか た M 

御淚を 浮め 給 ひ。 

^ま、、 こいろ ^ ほ:: びと こと、 きの ふ か、 は くもね そら. - さお X メ なか いか r す- 

父 は 波濤へ 赴き 給 ひ、 心に 掛るは 母 人の 事、 咋 日に 變る 雲井の 空、 定めな き 世の中 を 如!: 過ぎ 

^ * みら^ まよ こぶ ひと くまが へたの ご ごん ぜひ およ おんく び う frv*5 

行き 1 ふらん、 未来の 迷 ひ是ー つ 熊 谷 頼む の 御 一 言、 是宑に 及ばす 御 首 を 討ち 奉って ござり 

まする ** 

話す 內 より 藤の 方。 

さ ほど はぶ おも 力ね も 9ty の こ J.S X ぜ ^pc みノ A く 

藤の ァ 、左程 母 をば 思 ふなら、 ^盛 跺の詞 にっき、 何故^へ は 身を隱 さす • - 

n • • fcK むか ) 

1 の 谷へ は 向 ひし ど。 



健^に ili うた^ 1^ は、 母 もと も-^ 悦ん で、 勸 めて 遣りし が 可愛 やな ァ * 

へ かぐ ご ,( いまさら む" せま f, な; . < ^ お::、 ^r»^» : 

覺 悟の 上 も 今更に、 胸 も 迫, 9 て 悲し やと 口 說き蓺 かせ 給 ふに ど 御尤と 

f さがみ £ざ こ Att げ T 

は 思へ ども、 相模は 態と 聲勵 まし 

i it U もん さ k うら 、 一 .な か . ^tr 、 : . し M ^お^、 0^ 

模 ィャ ¥ しお 局樣、 御 一門 殘らす 八 島の 浦へ 落ち 2? ふ 中へ 踏た まり 討死な された 敦盛樣 1«- 

^に^れた る^?、 ||し|& び^ を 隞し^ の^ ひ を^け li ふが、 あなたのお^ では 嫔 しいか、 

ごみ れん ご ひけ ふ S 9 

御 未練な 御 卑怯で ござ り ませう が 

ぐ まがへ > 

諫めに 熊 谷。 

で か |«5 み だい s?5Jg ; S- ため • ; m 《ん^ は 1 や V ^ 

谷 ォ 、,來 したく、 コリャ 女房、 御臺 所此處 にあって は御爲 になら す、 片時 も 早く 何 力へ も 御 

とも ip ^ わお あつ もり 3? くび じつけ.^ そで * _ 

供せ よ、 サァ 早く it けく、 ^も敦 盛 卿の 首、 實檢に 供 へん。 

、た ち あが を りから む 55 さ. と ゑ^ば , 

^ 立 上る 折 柄に、 無常 を 悟す 遠 寺の 鐘。 

ト熊谷 立 上る。 此 時 本 釣鐘 を 打ち、 煎 谷 思 入あって、 

あさ ぶし みう へさか はなむ じ- 5 > 

ァ 、誠 や^ましき は 武士の 身の上、 盛りの 花 も 無常 の^に < 

ト 櫻の 花 頻りに 降る。 是を 見て、 

« «£> めで I 

散 ば こそい と^ 櫻 は 目 出た かりけ - 



時代 狂言 傑作 集 」c 六 

兩人 ェ 

ト 三人 額 見合せ、 熊 谷 氣をか {, 

熊 谷 ィャナ 一一 軍 次 は をらぬ か。 SSH. 次 A *。 

5\ ょぱ こ ゑ もろとも M V o 

呼 はる 聲と 諸共に、 一間へ 乙 そ は 入りに ける 

ト熊谷 思 入あって 奥へ は、 ひる。 

^も s?s、 S き^の 培に、 いき i しさ K の^ (ト 時の 鐘) 

8 k- 、£ & /o き i i だ. * も この あ を ほ ぶえき われ わ, -て み せキ まぶ 

藤 Q ァ、^ ひ^せば お^ゃな ァ、 臨^の 際 も 肌身 :1 さす 持った る は此靑 葉の 笛, 我と 我 か 身の 石 は 

を I- て \m うた 歸 にと、 まし 置いた る &ra の、 我が 手に 人り しも 親子の 1。-: 

ト 藤の 方 懐より 袱紗 包みの li へ の 笛 を 出し 思 人。 

J.» こん 乙の よ , D 

魂魄 此世 にあるならば 

なに ゆ *s は- まみ , 

何故 母に は 見えぬ ぞ。 

A きこ わが, j > 

聞えぬ 我 子 や。 

5\5 この ふ 之 

^しの 此笛 や。 

へ はだつ み も つき ^も <-s せ 

讥に 着け 身に 添へ て、 ^せぬ 思 ひ 遺. 獺な や 



ト笛を 持ちい ろく 愁 ひの 思 入。 

ち を その ふえ ん fc み k f ぶ ふえね おむけ すぐ つね ぜん." あつ も W さま おんこ- A 

相模 コ レ. S. し 其 笛が よいお 形兒、 經 だらにより 笛の 音 を、 お 手 向な さるが 直に 追善、 敦盛樣 の御聲 

き おも あ/ V > 

をば 閗 くと^うて 遊ばし ませ 

へす、 したが ぶ さ かた $ うたぐち おや 乙 えん しゃつ じ _p ゥ 

勸 めに 隨ひ 藤の 方、 淚 にしめす 歌口 も、 親子の 緣の とも づ なや、 障子に 映る 

る た たし あつ もり さやう ぶち かた ! 5 み ) 

かげらう の、 姿は糙 かに 敦盛 卿、 藤の 方 一 と 目 見る より。 

ド 藤の 方 後向きに なり 右の 笛 を^く、 寢 鳥になる。 上の 方 障子 屋體の 内より 敦 盛の 姿 障子に 映る。 兩 

人 見て、 

OS じ s つ か げき 

ャ 、障子に 映る あの 影 は, 

たし わが こ あつ もり 

藤の 糙 かに 我 子、 !i しゃ 敦盛。 

へ か よた ま さがみ おしと > 

馳け 寄り 給 ふ を 相 模は押 留め。 

,藤の 方 を相模 止めて、 

かう けむ 3 さね かた し ふ SJ* § • ^ ^ . ねん WW* £ と I. 

相模 香の 煙りに^ を驟 し、 S 力 は 死して 再び 都へ 還りし も 一念の なす 所 あるまい 事に は あらね ど 

^ レ^ じ かげ こと おやこ せま を U いめん あ; V » す. ヒー きう _ 

も、 訝しき 障子の 影、 殊に 親子 は 1 世と 申せば 御對面 遊ばさば お 姿 は 消え失せん 

こち そ C8H こ, 3 ぼく 5 ちう まよ 1 * あ- fc*- ひとこと > 

藤の ィャ 四十 九 I 日が 其 間、 魂魄 宇宙に 迷 ふと 閗く 切め て は 逢うて 唯 一 言 . 



時代 狂 言 傑作 集 ,10 八 

<\ ふり は h しゃ 5 じ た a なみ • ひ f ? s, のこ 

振ぎ し ( - 障子 はらり と あけ 給へば、 姿 は 見えす 緋絨 の、 鎧ば からど 殘 りけ 

る o 

-ト 藤の 方 相 摸の 留める を扳 切り、 上の 屋體の 障子 を あける。 内に は 鎧 榧の 上に 緋狨の 鎧 兜 飾り ある。 

兩人 見て びっくり。 , 

A ふち. - かた さがみ と》? . つ > 

はっとば かりに 藤の 方、 相模 もと もに 取 付いて 

さて かげ , k - 

藤の 扨 は 鎧の 影な りし か。 

こ ひ おも こ A i ^なみ , I - 

相模 戀 しと 思 ふ 心から、 お 姿と 見えました か。 

藤の I 模。 

つ ほね さま 

相模 お 局樣。 

兩人 ハ、 ァ II 

\と も ; J が ノゃ うた r < あば じこぐ うつ じらうな な jo;i ぐび をけ たヴ K- 

共に 焦れて 正體 も、 なき ロ說 くこ そ 哀れ なれ、 時刻 移る と次郞 直赏、 首賴携 

たち い さがみ おっと たもと ひか 

へ 立 出づれ ば、 相模は 夫の 袂を控 へ。 

ト 藤の 方 相模泣 落し 愁 のこな し。 此內奧 より 熊 谷 好みの なりに て 首梯を 抱えて 出る。 相 摸是を 見て こ 

たしあって、 



t& く *- がへ どの これ おやこ- J fe4 わか * vn> ご ひ 

相 校 コ レ 申し 熊 谷 殷、 是が熟 子の 御 一 生のお 別れ、 切め てお 首に なりと もお 暇 乞 を。 

AAV- かた 1 5 

藤の 方も淚 ながら 

くまが へ IC ち = み の たけ 2_© こ かな ぉォ 

藤の ナウ 熊 谷、 北 ハカ も 子の ある 身で はない か、 野 山 61 き獸 さへ 子 を 愛しまぬ はなき もの を, 親 

おも なま 2} ひとめみ _ • ^ . 

の 思 ひを辨 へて、 情に 一 目 見せて 給 も。 

A す が なげ 3 

鎚り歎 かせ 給へ ども 

じつけ.? そな ラち か な 

熊 谷 ィャ 實檢に 供へ ぬ 內は叶 ひませ ぬぞ 

A つきの S と ころ -£ る かな CA 

はねのけ 突 退け 行く 所に、 後の方に 聲 あって 

ト熊 谷の 袖を兩 人に て鎚る を、 熊谷报 切り 行かん とする。 此時奧 にて、 

くまが <- あつ も 9 くび s S ん およ . よし J\.C5 これ じっせん. > 

00 ャァく 熊 谷、 敦 盛の 首 持參に 及ばす、 義 i 是 にて 實撿 せん。 

2 なし ひら たち. 5 たま おんたい しゃ 

一間 を さっと 柙 開き、 立 出で 給 ふ 御大 將。 

ト此內 上の 屋體の 障子 引拔 き、 内に 義鸫 誹へ の 緋絨の 鏜陣立 好みの こしら へ、 此 上に 狩 衣 を 着て、 太 

刀 を はき、 金 烏帽子 を 冠り、 中啓 を 持ち ゐる、 左右に 陴立 のこしら へに て 武者 二人 附添 ひ、 水 汲 二人 

皮 床几 敷 革 を 持ち、 是も 控へゐ る。 

熊 谷 《、ハツ。 

1 の 谷 10 九 



^代 狂 言 傑作 集 二 lo. 

\ じらう *5 ざ u f X にょうぼう ふさ つぼね もろとも 

, はつとば かりに 次郞 直實、 思 ひ 寄らねば 女房 も、 藤の 局 も 諸共に、 呆れな 力 

へい あぐ 上しつ せき つ たま 

らに 平伏す、 義經 席に着き 給 ひ 

ト是 C, て 熊 谷 二重 下手に 住 ふ。 相模は 藤の 局 を 連れ 卒舞臺 の 上の 方に 控へゐ る。 此內水 汲 敷 皮を數 

き、 床几 を 直す。 是 にて 義趑 上の 方に 住 ふ。 

Irl o メ じつ. h。 之.? いん ぐ. 3 ちう i fco しんて. , » ^€ , s^^u 、 ^1 

義經 ャ ァ鮮& smiss とい ひ、 軍 中に て 暇 を 賴む汝 が 心底 訝しく 密かに 来って 最^より 始 

•1 う ,5 す ,く き ぃ-v あつ もり くびじっけん I 

^の^子 は奧 にて 閒く、 急ぎ 教 盛の 首實撿 せん 

へ « せ を I くよ. 4ii ^は、 はっと 答へ て 走り出で、 若木の 櫻に 立 懸け あらし、 

せ (さつ ひきぬ おも げ よし ゥ ごぜん お 

制札 引拔き 畏れ 氣 なく、 義經の 御前に さし 置き。 

ト熊谷 下手の 櫻の 前に 建てし 制札 を引拔 き、 義趑の 前へ 首 柿と 一緒に 差 出し 思 入あって、 

I ぎ iSi の^に て、 山ハ M に は S の Si へ i へと は花なに爵、 には續 が^れよ 

と |け% まの 、魁ち S の 1 の M くき せ、 懇 &i りたり、 意べ し。 

ふたお し- « 3 

ハ蓋押 明 くれば。 

ト铙谷 首 桷の蓋 を あける 内 詠へ の 首 を相模 見て、 

相模 ャァ其 首 は。 



み だい たち 



、まがへ ぐび お ほ 



へ か X によ-; 'ほう と ひき *J ^fi] ?. 7,、 4/i J 1 r't y t I it 

駆け寄る 女房 を 取って 引 寄せ、 我 子と 御 臺が立 寄る を、 熊 谷 首 を 覆 ひ- 

ト相校 首 柿の 傍へ 寄る を 熊 谷 矢庭に 引付け 押へ る j 藤の 方 見ようと する を 扇に て 首 を 覆 ひ、 

じっけん そな のち め このく «> さわ > 

穴 合 ィ ヤ^、 實檢に 供へ し 後 はお 目に かける 此首, 餘り じたばたお 騷ぎ あるな" 

j ^く iij- へ £-1* fowssj X X かな ち, * f だ 

熊 谷に 諫められ、 追 女の はしたなう、 寄る も 寄られず 悲し さの、 千々 に碎く 

ものお も じ らう ^ほ ざね つ.. し 

る 物 思 ひ、 次 郞直實 謹んで。 

ト此內 相 模を突 放し、 藤の 方へ 呑 込ませる 思 入。 

あつ も M-f きみ おんたね このはな かう なん しょむ なんめん ふ たば しき しき « な 

敦盛卿 は 君の 御 胤、 此花江 南の 所 無 は 則ち 南面の 嫩、 一枝 を 切らば 一指 を 切るべし と、 花に よ 

せいさつ おあて さつ ま を う このく び ご けんりょ かな feff なほ ざね あ ご ひ はんい 

そへ し 制札の 面、 察し 申して 討った る此 首、 御腎 慮に 叶 ひし か、 但し 直實 誤りし か、 御 批判 如 

I: に。 

n» ごん じ や S よしつ ね きんぜん じっけん ^しま 

と 言上す、 義經 欣然と 實撿 在し。 

ト 谷 首 を 差 出す。 義綞思 入あって 中啓 を 開き, 骨の 間より よく 見て こなし。 

はな を よしつ 力 U-IC さつ う なほ? ね あつ も f ま >? そ のし £*- よ ゆか, 

1 ホ、 ゥ、 花 を 惜しむ 義經が 心 を 察し、 よくも 討ったり 直實、 敦 盛に 紛れな き 其 首敝、 ソレ. E 緣 



OA , み な r を 

の 人 も あるべし、 兒 せて 名 殘りを 惜しませよ- 

n-fett なほ ざれ 

卯 せに 直實。 



時代 狂言 傑作 集 一二 I 

ばう あつ もリ くび ふ >f *fc - - » ) » 

熊 谷 コリャ 女房、 敦 盛の 首 藤の. R へお 目に かけよ。 

相模 アイ。 

A に ようぼう ぐびて とりあ み ^ ほ,, . 

あいとば かりに 女房 は、 あへ なき 首 を 手に 取上げ、 見る も淚に 塞か, 9 て、 替 

る 我 子の 死 顔に、 狗は せきあげ 身 も顫 はれ、 持った る 首の 搖 ぐの を、 うな づ 

くやう に raa はれて。 

-? で と 45 か、 ^ おもざし:, お f , , > ひ? 3 ュ o : 

門出の 時に ふり 返り、 につ こと 笑うた 面 差が あると^へば 可愛 さ 不便 さ。,; 

こ ゑ のど つ a 

聲 さへ 咽に 詰らせて。 

ま を ふ 5 か/- さま なげ あつ も リ さま このく? 

申し 藤の が樣、 お 歎きあった 敦盛 樣の此 首。 

ト相模 首 を 藤 9 方に 見せる。 藤の 方 見て びっくり。 

藤の ャ、 これ は。 

ま を ご ら^ あそ は くひ ほ <x 

相模 サイ ナァ、 コレ 申し、 よう 御覽 遊ばして お 恨 晴らし、 よい 首ぢ やと 褒めて おやりな されて 下さ 

このく ぴ <«i し また し あ みおも ぁブ K くお うみおと こ.; { この あつ も W- さま そのせ つ 

り ませ、 此首 はナ、 私が おぎで 忍び 逢 ひ、 懐胎ながら 東へ 下り 產 落せし は 是此敦 盛樣、 其笳ぁ 

ごく;: いた ifc ん じぞゥ モ のお こ む vz£ た い^あつ も SV さま pjK- ねう なか も くに へだ 

なた も 御 懐胎 誕生 ありし 其 御子が、 無官の 大夫敦 盛樣、 兩 方ながら お腹に 持ち、 國を 隔て X 十 



ねん > . 

六 年。 

\ いんしん ふ つう しう じゅう やぐ た いんぐ わ 3 

昔 信 不通の 主從 が、 お 役に立った も 因果 かいな ァ。 

せ さい U レ さ ギ よ 

切め て 最期 は ^ う。 

^'し ラら と もっと かたな- ごぜんお そ X 

死にな された かと 恨めしげ に、 問へ ど 夫 は 瞬き も、 せん 方淚 御前 を 恐れ、 餘 

_y い 乙とば な a ち tt ふ^ かた おんこ ゑぐ も I 

所に 言 ひなす 詞 さへ、 泣く 音 血 を 吐く 思 ひなり、 藤の 方 は御聲 I® り。 

-がみ いま い * まで わぶ こ おも ほか くまが/ *JS き そ-なお さ- y 少 *J ' k • こ^つ * 

ナウ 相模、 今の 今迄 私 子ぞ と^ひの 外な 熊 谷の 情、 其方 は 嘸 や 悲しから う、 かう した 事と は IS 

し i と せ い -§1 き4 わが こ おめ いお おや か-にじ けな 

知らす、 齩を 取らう の靳 らうのと、 言うた 詞が 恥し い、 我 子の 爲には 命の 親、 H 、 忝 ぃぞ や、 

これ ets このね ま *- き^ふ あつ も, レ うれ i た § . A-lIls - あ を, ヌ 

口ぬ につけても 訝しき は 此濱の 石塔、 敦 盛の 幽靈が 建てさせた との^と いひ 秘藏 せし 青葉の 

i .1 しゃ i¥s もら わがて さい 4! ん そのよえ ふ とき じ う, つ かげ たし わぶ 

笛、 石屋の 娘が 莨 ひしと て 私 手へ 入り、 最, 其 笛吹いた 時、 あの 障子に 映りし^ は、 ^かに 我 

こ おも U ま ま う 

下と 思 ひしが、 詞もか はさす 消え失せし は。 

その ふえ U き .A けいだ あつ も, .S うれ い ひと & ひきと r ふ? じ V」 , H もか^ » このよ: ぷ: \r 

ィャ其 笛の 音を閗 いて K 出せし 敦 盛の 幽靈、 人目 ありと 引止め 障子 しの 面影 は、 此義 k が寸 

ろざし 

志。 

S みだい わが 乙 ぶじ さ. と tt v»« み (だ ,• 

間いて 御 臺は我 子の 無事、 悟りながら も 箒 木の、 あ. CN と は 見えて 隔てられ、 



時代 狂言 傑作 集 一一 西 

又も 淚に暮 れ給 ふ。 

^-を n- ふし かぜ み J- つらぬ ほらが ひ A と たいこ かま • ひす きこ 上しつ U い 

折節 風に 誘 はれて、 耳 を赏く 法螺貝の 音、 太鼓 喧しく 聞 ゆれば、 義經 は^み 

た , 

立ち。 

ト此時 遠 寄の 鐘 を 打 込み ,、 義經 立上り キッ となって、 

く * がへ psi: うし ほら ねたい 乙 > JS つ S ん よ- ゥぃ ( » 

ャァく 熊 谷、 着 到 知らせの 法 蝶の 音 太鼓、 出陣の 用意々々。 

is: ち ヽ ゝヽプ o 

メ 「ノ いノ 

、おは ぐ まがへ かしこま いそ, a , I 

仰せに 熊 谷 畏 ク, 急ぎ 一 間へ 入りに けら。 

ト煎谷 思 入あって 奧へ は ひる。 

へさ (ぜん やうす き かさばら (いじ な うち を どい— 

"最前より 樣子 聞きね る 梶原平 次、 一間の 內 より 踊り 出で。 

ト此内 上の 方より 以前の 梶原 出て 來り、 義^ は^に 構 はず^ 帽子 装 朿を脫 ぎ 捨て 陣立 のな リ になる。 

か おも €_ & いしゃ せんぎ -J とよ IgIC よしつ ねく * がへ _> ろ あは S つ, PM- i! ナ 

梶原 ャァ く斯く あらんと 思 ひし 故、 石 星め が 詮議に 事寄せ 窺 ふ 所、 義經熊 谷 心 を 合せ 教盛を 助け 

だん/ 、 ^くら ちう しん ま > 

し^々、 服 倉へ 注進す る、 待って をれ。 

へい す かけだ 9k かた つるおと たか はね つら to しらば や さ £ かぢ ばらた ま え I 

言 ひ 捨て 駔 出す 後の方に 弦音 高く、 骨 を 貫く 白羽の 矢、 追の 梶原堪 り 得ず、 

うんとば かりに 息絕 えた,^ 



ト捉原 花道へ 走リ 行く、 よき 程の 上の 方に H ィと獰 する。 是 にて 差金の 矢柅 原に 立つ。 梶原 苦しみ 倒 

る 乂- 

■I これ は。 

^\ なにもの い うちた ちい 

す は 何者と 言 ふ內に 立出づ る 。 

ト 上の 方柴 « を 押 分け、 彌陀六 弓矢 を掛 ち、 向 ふ を 見て 思 入。 

し や おやち , 

石 尾の 親 仁。 

ト彌陀 六 氣をか へ 柴垣の 影より 腰 を 曲げ 出て 來り、 

t へがた じ * i いし す あ さい ザん い-つれい * うし?/ う ts 

彌陀 お前 力の 邪魔になる、 石 こつば を^て \ 上げました (ト思 入あって) 最^より 幽 B の 講釋、 承 

i あんど ご よう 5$ まも I 

はって 先づは 安堵、 御用 も ござり ませねば もうお 蝦 中し ませう 

もラぉ 暇と 立ち行く を。 

ト彌陀 六花 道中 程まで 行く と義 鹩 見て、 

義經 あれ 留めい。 

ト是 にて 附添 ひの 侍 思 八。 

お 产5 ま 

侍 ^仁 待て。 

1 谷 11 五 



ゆ 代 狂 言 傑作 集 二」、 

、- よう J 一 ーナ 

彌陀 ヘイ 御用で ござります か。 

ト舞 S へ戾り 下の 方へ 控へ、 

i 其方 が^は。 

彌陀 ヘイ。 

侍 申 上げ ハ。 V 

^-^> さと とし ひさ がう み 5C おお J5 

彌陀 猙 I の^に 年 久しう、 白 鼕の 彌陀 六と いふ、 I 仁め で ござります る? 

義經 ゥム。 (ト彌 陀六を 篤と 見て 思 入〕 

侍 用事 はない、 .R てく。 

あ P がか 

彌陀 有難う 存じます る。 

ト彌陀 六花 道へ 行く。 義弒 こなしあって、 

-?? -. f-Ja へ, ぃぴゃ う & むねき よま 

義 彌平兵 衞宗淸 待て。 

ト彌陀 六 是に構 はず 行き かける。 義經陣 扇に て 侍へ 思 入。 陣 立侍兩 人の 軍兵へ 捕へ ろと こなし。 侍兩 

人は吞 込み ッ 力く と來 り、 彌陀六 を搔返 け 中に 抉み キッ となって、 

f *w み じ やう. S 

侍 君の 上意。」 



兩人 下に をら う。 

ト兩 人に て彌陀 六の 手 を 取り 引据 ゑる。 

わお くし こ , , , - > 01 

彌陀 私 の 事で ござります か. 

? あ I 

兩人 面 を 上げい 

ト兩 人に て彌陀 六顏を 上げる。 義經 篤と 見て こなし。 

00 ホ 、ゥ II や、 if にも、 ^つて^い と^しい と^しい の此 三つ は、 人間 一生 忘れす とい ふ、 ぁ昔母 

H の 、晴 に 11 かれ、^ ^の Sk て II に^へ し を、 ^が^ を もって 鉞^ ^^辦 かり し^し さは、 

編 S る !$の&ま 鍵に も、 ssiM り、 s£ なれ ども、 0fff. 

I 5 ご * .T ゾ *,、 し ザ も U- そつ^よ そのの ち ゆく し p > 

えの ある^^の H 子、 P しても 隠され まじ、 重 盛 卒去の 其 後 は、 行衞 知れす と g きつる 

けレご まん^く /\ 

が、 ハテ 堅^で ありし か、 満足々々、 

へ 星 を さした る 一 言に。 

おそ が^ 9?, » 

彌陀 、ノ テ 恐ろしい 眼力ち やな ァ" 

\-c ぐん. へ cfti で め て ^ひの たち よ えし ゥ u か^ あぶ 

へい 乂 ゆる 軍 奂 左手 右手に 刎 退け, (\、 ッカ/ \ と 立 寄り 義經の 顔、 穴の あく ほ 

うちな S- ) 

ど 打 眺め。 

1 の 谷 二 七 



時代 狂 雷 傑作 集 1 二八 

ト彌陀 六 は 軍兵 を 左右へ 刎 返け、 ッ 力く と 舞 臺へ來 り、 階段へ 足を蹈 掛け、 義綞を キッと 見て、 其 

儘 どっかと 坐し 

.§ し 5 ま «-と さう レ.: * づっ にん さう レ き や へい! S やう *- むれき よ 

老子 は 生れな がらに 敏く、 莊子 は三歲 にして よく 人相 を 知る と閗 きしが, かく 彌: 牛^ 衞宗淸 と 

^ うへ よし ど そのと きこなお みのが いまへ いけ fc てこ も てつか^ みね ひよ どり くえ 

見られた 上から は。 ェ ヽ義 i 蟛、 其 時 此方 を見遁 さすば、 今 平家の 立籠る、 鐵 拐が 峯 鵪 越 を 

せめおと fc ぃレ ¥ また 一け どの あは よ 9 とも fe ナ へいけい ま さか むね 

攻 落す 大將は あるまい く/又 池^と いひ 合せ 賴朝を 助けす ば、 平家 は 今に 榮 えん もの、 ヱ 、宗 

きょ fe5 ふ t これ = ま つどの ご 9,2 じう をリ へいけ ラん めい. あやう ^^ぶも^ のが み 

淸 がー 生の 不覺、 につけても 小 松 跺の御 臨終の 折から 平家の 運命 末危 し、 汝 武門 を 遇れ 身 を 

4 く もん あと もろこし. i わう ざ,? し だう きん わす がた み ひめ^み ひと タぁプ .S み かげ さと みし リ V へい 

隠し 一門の 跡 弔へ と、 ^土 育 王 山へ 祠堂 金と 忘れ 形 兌の 姫君 一人 預 りて 御影の 里へ 身 返き 平 

*5 も.:? さネだ た *i おんかた ぐ せ ざ ひ ばんしう こくな ち かう や > きんこくた ごくた, お * しゅし 

家の 一門 先立ち 給 ふ 御 か々 の 石! &、 播州 一 國那智 高 野 近 國他國 に 建てお きし、 施主の 知れ ざ 

きた ふ みな や へ- i ぴ う むれき よ "き たね ご ぞ^ し こんど あつ もリ せきた ふ 5 & , み $ ご 

る 石塔 は 皆 彌平免 衞宗淸 が、 淚の 種と 御存じ 知らす や、 今度 敦 盛の 石塔 誘へ に 見えし 時 も 御 

え- C- せう わか i S お かほみ ぉほ ft し k へいけ きん^ ぷ お » こ- ^よ 

幼少に てお 別れ 申せし 故、 御顔 は見覺 えね ども、 糙 かに 平^の 御 公達な らんと^ ふより 快 く 

うけあ さて ち か は こ じ らう ぼだい ため いか てんめい. : » 

受合 ひしが、 扨 は 命に 替 りし 小 次郞が 菩提の 爲に て ありけ るか ェ 、 如何に 天命 歸 すれば とて、 

わ たす よりと もよ しづね この こ せがれ ぐんばい へいけ もん ご きんだち とき ほろ . _ 

我が 助けし 賴朝義 i、 此小 枠が 軍配に て 平家の 一 門 御 公達、 一 時に 亡ぶ ると は、 ハァ ゝ。」 

f ぜひ ラん めい 

是非 もな き 運命 やな。 

へ i け ため し ししんち う むし わ こと さ V ご もんば S レん こ^ばく わ. , 5 ら $ , 

平家の 爲に は^子 身中の 蟲とは 我が 事、 嘸 や 御 一門 陪臣の 魂魄、 我れ を 恨みん 淺ま しゃな ァ。. 



.? 、 - ど dpofc ? J.MO 'さと たいしゃうよ しつね > 

へ1| は 料み % はき r く fl は鰣 を^へ. -、 元來敏 き大將 義經。 

く *ぉ へ つ しなこぶ k 5 

義 S ャァく 熊 谷、 申 付けた 品^へ 持て (ト 奥に て) 

熊 谷 ハ ァヽ。 

\ こと じらう h さ !,a si ん いでたち この きろ > >> が,"、^": 巧 \、 

へ はっと 锐 へて 次郞 sls、 出陣の 扮 装と 好む 所の 大 あらめ 鍬 形の 兜 を 着し 

ゆら V « ? C ひ :.<> つ おん めど 4J ^ o 

家來に 持たせし 鎧櫃、 御 目 通, 5 に 直し 慣き 

ト此內 熊 谷 甲 は 好みの こしら へに て 出て 来り、 上の 方より 侍 二人 铠樑 を^ち 出て、 S: 中に © いて、 侍 

にけ ひる。 ^^こなしあって、 

ご i しなち さんつ か £ , • - ) 

品持參 仕 つ て ござり まする 

S コリャ ill、 殿お が籙に S てる i へき i を i けて おれよ、 コリ ャ彌陀 六。 

0^ ナ ユ 彌陀」 ハと は。 

s li£ なれば ぉ|- の^ 鎩、 sss^ 戲が賴 むべき m れ なし。 

-". s> - U ひ ふ さう おう くだ もの > うち 、 , 一 

彌陀 ^£ い、 六め が^ まれ て^ぜ ませう、 したが 娘へ は 不相應 な 下され 物 マ ァ內は 何で ござ 

つた み 

ります る、 改めて 兒 ませう。 

へ ふ^; a しあ あつ. *5 さやう 

"蓋 押 叫 くれば 敦盛卿 



時代 狂 言 傑作 集 二 一〇 

卜 彌陀六 何 心なく 鎧 榧の 蓥を あける。 中より 敦 盛の 吹替 出かける。 藤の 方 を 見て びっくり、 li 陀六も 

びっくり。 

e. tfc あつ も 

藤の ャァ其 方は教 盛。 

A かけ よ たま ふた 

駔 寄り 給へば 蓋び つし やら。 

ト 寄らう とする。 蹈陀. を 締め、 

- -. このうち なん なに i.ft むしお ちつ 一 > ; 

相模 ィャ此 內には 何にもない、 ォ 、何もない く、 曰 !5 でち つと は蟲が 落着いた、 ム、 ハ、 ゝ、、 • 

-き f^JV ね^ 9* きで^ . れい このせ いさつ しき し き 

(ト思 入あって) コ レ直寳 殴、 貴殿への お 禮はコ レく此 制札、 一枝 を 切らば 一指 を 切って、 H 

か St な 

ゝ 忝い。 

へい み A- つとむ か > 

言 ふに 相模は 夫に 向 ひ。 

Ji / あぶに .ui . ち T せ き げんぺい わか , なか あつ も * さ i Z じ 

相模 ァ 、 コ レ我 子の 死んだ も 忠義と 聞けば、 もう 諦めて ゐ ながら も 源平と 刖れし 仲、 敦盛檨 と 小 次 

らう と 9 か へ 

郞と 取替 やうが。 

aa* • さいぜん せな とほ て おひ ^3 む, Z わき つ かへ あつ も でゥ ft か; S らお i お A 

熊 谷 ハテ 最^ も 話した 通り、 手 負と 偽り 無理に 小脇に 引 挾み 連れ 歸 つたが 敦璩 卿、 叉 平 山 を 起 ひ a 

だ よび. A へ くびう こ & らう し こと 

け 出した を 呼 返して、 首 打った が.^ 次郞 さ、 知れた 事 を。 

f ■ はな レ み むせ い 

するどなる、 話に 相模は 咽び 入, 



どうよく く, へ^ 力 こ^た! 5- と, こ あ fc^ » » » 

相 校 ェ 、脶您 な 熊 谷驟、 此方 一人の f かいな ァ、 逢 はう くと^ しんで、 百 里 二百 里 來 たもの を、 

ゎナ i くびう Z じ らう し こと も *w だう しか て おら 

とっくりと 譯もー 百 はす、 首 打った が 小次郎 さ、 知れた 事と 沒義 道に、 叱る ばかりが 手柄で も • 

こ 3? な だ- o り、 こ. * る ぐ なんたい しゃう 

ござんす まいと 聲を あげ、 泣きく どく 乙 そ 道理 なれ。 心 を 汲んで 御大 將。 

くまが へ 5ぃ ごく J» つちん ときう つ よう^ 

0.^ ャァ熊 谷、 西 國出陴 の 時 移る、 用^ はいかに/ \。 

$だ つてね が あ ^= け.? とほ 

熊 谷 〈ッ、 先達 願 ひ 上げし^の 一件、 かくの 通りに ござり まする。 

J\ かぶと と S ,ばら うばつ そう よしつ q かんしん 

兜 を 取れば 切拂 うたる 有髮の 僧、 義 !i も 感心し。 

ト此 内^ 谷 究を脫 ぎ 坊主 裳になる。 篛转 見て、 

そ ぶし こ lrl?<"wt! c_v し モん つ * いへ ! ん W く そのつ 免 z W き だ 

義經 ホ、 ゥ さも あらん、 夫れ 武士の 功名 #を 望む も、 子孫に 傳 へん 家の 而目、 其 像 ふべき 子 を 先立 

お のぞ もっともく く *5 へ ねぶ S^H え けムご おつけ と 

て 軍に 立たん 望み は。 尤 弋 コリャ 熊 谷、 頤 ひに 任せ 暇 を 得さす るぞ よ、 汝ぁ 固に 出家 を遂 

ち- よしとも せ .》 ときせ ゑ かう ^の 

げ、 父^ 朝 や^ 常憨の 回向 を賴 むぞ。 

《、ハツ。 

あ"?; た た *f あが うばな び » き ほど よろ ひ ね けさし ろ むぐ さがみ み 

"有難し と 立 上 6-、 上帶を 引 解き、 鎧を脫 げば 架 裂 白無垢、 相模は 見る よ, cv。 

トな; 谷 上 ^を 解き^ を跺 ぐ、 下 は 白 無坭の 着附、 墨の 袈裟 を かけ ゐる。 

相 校 ャァ これ は。 



晬 代 狂 雷 傑作 集 11I1J 

ト相模 びっくり 立褂 る。 

>! . • ゆに ま ぶき はう、 .<4し? 5-«J0b s 建 か ねお とほ おん:; き たま b ほんくな く. < がへ む, 1 

熊 谷 ャァ何 驚く 女房、 大將の 御 情に て 軍 半ばに 願 ひの 通り、 御 暇 をば^ はりし 我が 本懐、 熊 谷が 1 

さ うみだ くに せ. おこ J ^らう, ぬけがけ ほん れんだい ひと はちす えん むす いま ゎパ t れ ,.>レ5.. ゥ i 

ふ は 西. r 彌陀 の國、 粋 小 次 郎が拔 K したる 九 品 遝臺、 一 つ 蓮の 錄を 結び 今より 我 名も^ 生と 改 

ねんみ だ ぶっそく めつ む 5? ざ; i なむあみだぶつく ( ( 

めん、 一 念彌陀 佛卽减 無量 罪、 南無 阿彌 陀怫々 々 々 々 々 々ぢ やな ァ。 

^ せう し J 

ぺ 笑止な り。 、 

十六 年 は 一 と 昔、 ァ 、^であった なァ。 

^\ な^ つゆ ひ、 らぎ お はつゆき ひかげと ふぜい 

ほ ろら と M ほす 淚の 露、 柊に 置く 初雪の、 日影に 解ける 風情な, CNO 

わ おこ ざ; 1 レぞ- せう めつ か *1 とも 

相模 ^子の^ 障 消减 の、 加勢 は 共に。 

^ き ぐろ かみ ことば おんたい しゃ n ぶぢ つぼね もろとも おんなみ だ ぐ た £ 

切った る 黑甏、 詞 はなくて 御大 將、 藤の 局 も 諸共に、 微淚 にど 玆れ給 ふ。 

ト 相模馁 叙に て髮を 切りて 出す。 昝々 愁 ひの 思 入。 

f なが る む やぐ みだ よろ ひ び つ し あん しめぐ、 

長居 は 無益と 彌陀六 は、 鎧櫃に れんじ やく を、 かけた 思案の 締括, 9。 

トぉ榧 へ れ ん じゃく を かけ、 彌陀六 是を存 负ひ思 入あって、 

51, , よし £5, ば 9* % ■ «< た あつつ b, .5 へいけ IK-んなっ おん あだ かへ - 

彌陀 コ レく 雜經 殿、 若し 乂敦盛 生き かへ り、 平家の 殘黨 かりあつめ、 恩 を 仇に て 返さば いかに。 - 

.: • * - ュ 丄っ 力 あによ リ とも た ナ ちお むく そのごと てんうんし だ, い i う 

義經 フム ハ、、 それ こそ は 義^ ゃ兄賴 朝が 助かりて、 仇 を 報 ひし 其 如く、 天運 次第に 恨 を 受けん。 



げ そ ©と*- このく S がへ 5キ よ; す ,ふ、 *; &んゃ * ^,^0.^ . - P^Mt c \9 

谷 Si に 其 時 は此熊 谷、 ^世 を i て i 不隨 者と i 平兩 家に 由緣 はなし 

へたが 1 レ ゆら -だ^ 3 

互 ひに 爭ふ 修羅道の 

くげんた ナ > 

苦 患 を 助ける 

向 向の 役。 

このみ S を, i *fc むねき よ <5C げん ぞズ> 

ー陀 此彌& 六 は 折 を 得て 又 宗淸と 心の^ 俗。 

,-ic- rh^s くろ だに はふ. 2 したの をし 5 , きみ ま ナ/, \ ご, あん.^ "- 

谷 ^は 心も^ 染に、 黑^ の 法然を S と 賴み敎 へ を 受けん、 君に は 益々 御 安泰。 

^ い A*M を ぶう ぷプれ いしゃ ふさ っぱね ミ. な い ん I 

^ お 申す と 夫婦 連、 石屋 は 藤のお 局 を、 伴 ひ 出づる 陣屋の 軒 

ト熊 谷ニ遨 より 下り、 相 摸と 共に 下の 方、 彌陀六 は 藤の 方 を 伴 ひ 上の 方、 義經ニ ^ほ 〈中に 立ち、 皆々 

よろしく 思 入あって。 

赠 御1 が あらば。 

f» ? *J ご ど し ) 

と 女 同士。 

、Jh ^ 

^ 命が あらば。 

A 二 ど し 

と 男 同士。 

堅固で ^ せ。 



時代 狂言 傑作 集 二 一四 

n\ ご じ やう い ありがたなみだ な ご なさ as たお も だ 乙 じらう ぐびて おんたいし やう 

御上 意に、 有難 淚名殘 りの 淚、 又 思 ひ 出す 小次郞 が、 首 を手づ から 御大 將。 

ト篛經 小 次 郎が切 首 を 持ち 思 入。 

*J のす S でら と り を さ まっせ まつだ i あつ も W- そのな く こ がね 

此須磨 寺に 取 納め、 末世 末代 敦 盛と 其 名 は 朽ちぬ 黃金 ざね。」 

む さしばう せいさつ 

彌陀 武藏坊 が 制札 も、 

藤の 花 を 惜しめ ど 花よりも、 . 

相模 惜しき 子 を^て、 

ぶし す すみ! £ろ さお 

熊 谷 武士 を 捨て、 アツ 住所 さへ 定めな き、 

う ね てんぺん 

m0 右 爲鸭變 の、 

皆々 世の中 ぢ やな ァ。 

f たが みあ か はか ほ こ* 1 ぐ 4 わか 

互 ひに 見合 はす 薪と 顔、 さらば, (\ とおさら ばの、 聲も淚 にかき 曇 6/ 別れ 

て nM 、は 出で、 行く。 

ト彌陀 六と 藤の 方 は 下の 方、 熊 谷 相撐は 入れ か はり、 ^々よろしく 引ば りの 見得 段 切に て、 

幕 

熊 谷 陣屋 通し (終り) 



傾城 舂廼鷄 (馬 切. -—— 一幕) * 

大和 橋の 場 

役名 旅人、 國侍、 御家人、 中間、 田 五作 枠與 四郞、 小 田 三 七 信 孝、 宅 問 小 平 

太、 ix 町役人、 庄屋、 仲居。 

本 舞 臺 一面 板れ. 1 の 並木" 後ろ 淺黃 菘。 すべて 住吉 街道の 髅。 S に 仕出し 旅な り钳^ 根 中間^ かつぎ 旅 

人の 仕出し 立掛 り、 住吉 にて 慕 あく。 

まん みお しラ くれ ちが よ ほど あた * 

旅 〇 何と 皆の 衆、 暮と逯 うて 餘程 暖かに なった ではない か。 」 

あつ さむ ひ おん もの > 

旅 X さうよ、 ^"さ 寒さ も 彼岸までと、 モウ こっちの 物 だ。 

なん この あんほ 3- こ とし ぶん • 

旅厶 何で あらう と此鹽 梅で は 今年 も 十分で ござる。 

S い おれ いまし る こ もち くつ はら は L に j 

旅 口 十. 分と 云へば、 俺ァ今 汁粉 餅 を うんと 喰たら 股が 張って ならぬ。 

さ ど. * ん ものみ ? * など ぶし けら^ くひ もの はな , き 

旅 〇 &て. く 土民な ど はふ びんな 物 だ、 身共 杯 は 武士の 家來、 1* 物 なぞ はふん だん 故 咄し を閗ぃ 

馬 切り ニー 五 



時代 狂言 傑作 集 ニー 六 

て もお くびが 出る やうな。 

だいくう § く, 化う こ 5 ば ふさ i <5 か. S ? W , まお 

旅 X モシく ー體 喰と 申します から、 喰 ふ 方が よろしう ござり, ます。 弘&樣 も {4! 海と 申され、 又く 

に^ ま を 

うや 上人と 申す の も ござ. OS ます。 

54 み く は 

旅厶 それ はそう だが、 馬 を^る やうに 喰な くっても よ. S ではない か。 

5i おも だ J いま く み も かね^こ つ. う 1 • しおね ^ き 

旅 口 ヲ 、その 馬で 思 ひ 出した ク 今爱 へ來る 道で 金箱 を附 けた 馬が、 下に 居ろ くと 云って 來 たが 

かね うま くわ は^- こと > 

金で も 馬で も枭 報な 事 だ。 

Z たび ま しば ひさよし *J う のぶな がこう ゑ かう かう や さん おさ し だう きん "言 

旅 〇 ァリャ 此の度 眞 柴久吉 公が、 信 長 公の 回向の ため、 高野山へ 納める 祠堂 金の 三千 兩。 

し だう 含ん だいみ や ゥ お ほ も © P タウ てら 

旅 X ム 、そんなら 祠堂 金に 三千 兩、 大名 は. K きな 物 だ、 三千 兩寺 へやる と は ゑら いな。. 

, »J , レ おせ I %0 

旅厶 それ 見ろ、 武士の 大きい は その 位の 物 だ。 

てら . 

旅 口 そんなら お 寺へ 三千 雨 上げます のかな。 

旅厶 ゑら い 勝負 だ。 

てら 9f S . なかく お^ ! SC で. - たいへ^ ,-J ごと 

旅 〇 寺が 三千 兩有 るに は、 中々.^ きい 所へ よいと 出る だ、 大變な 仕事 だ。 

なかく しゅ ■ て だ でき 

旅 X 中- *< 二 朱 や 一貫で は、 丰 出し は 出来ぬな。 

ほか. 5 . てら, > ちが . 

旅厶 馬鹿 を 云へ 寺が 違 ふわ。 



旅 □ さう して 寺 は 何 處 だ。 

てら K んの 5 じ 5 ちじに ぶな がこう とむら 』 力 ぶな がこう ャ 、 • 、 - - . 一 ぶ々 fi.5r- に, 

旅 〇 寺 は 本能^に て 討死な された 信 長 公の 吊 ひの ため ィャ信 長 公と 云へば, あの 三七^ 孝 公が 此 

1 一ろ た さく も 1 へね こと まいばん /\ しん まち かよ また こ でろ ち もま 

の 頃で は、 田 五作と いふ 者の 家に 居る とい ふ 事 だが、 :, 母晚々 々新 町に 通 ひ、 又 此の頃で は ^守 

かよ き- だいみ や 1- -ー ろく でき い. - わけ - 

へ 通 ふと M しが、 大名の 子で も あんな 錄で なしが 出來 ると はどう 云 ふ譯か 

ぉ!^ かた ひと £ ろ ほち 

旅 X 大力^ をして 人 を 殺した 罸 であらう。 

, ち lb こと てら かね 

旅厶 それに 違へ ねえ、 そんな 事が あるから 寺へ 金 を やる の だ。 

たち しも か* ふ-つ ぶんつ.. - 

旅 〇 わ いら 達 も 下と して 上の 風 間 謹し めく。 

S やう お e おそ い > Ira ん * なしう, で. 

旅 □ 左標で ござります、 大きに 恐れ入りました 何と 皆の 泶、 そろく 出かけ ませう か。 

み ども どろ だ-ついた 

旅 〇 身共 も 同^ 致さう。 

S やう お ともいた 

皆々 左樣 なら 御供 致し ませう。 

旅 X サァ 行き ませう。 

ト 矢張り 大坂 放れて にて 皆々 上手へ は ひる。 知らせに つき 此の^ 具 引 いて 取る。 

本舞^ 正面に 英大 なる 橋 を 掛け 眞中 上り口、 向 ふ 一 而堺の 町 辯き の 遠見。 上手 用水 柿。 お 茶屋 J 床几 

二 脚 並べ、 柳の 釣 校。 同 立樹。 開帳 札。 すべて 泉捣垸 大和 橋の 體。 浪の 音に て 道具 納る。 ト茈 ぐに 本 

馬 切り 一二 七 



時代 狂言 傑作 集 1ご 八 

釣 鏡 頭に 打 込み 唄に なり、 小 田! 一一 七 信 孝 五十; 紋付 のせお 流し 大小 浮世 抦 にて 出て 來リ、 眞 中の 橋よ 

り 御家人 生醉 のこな しにて 出て 花道に て 行 逢 ひ、 信 孝 御^人の 脇差に 目を附 ける 故 震へ る。 直ぐに 引 

拔き 見る 事。 中 竹 ベら 故 前へ ほふる。 御家人 脇差 を 取て 震へ く 逃げて 花道へ は ひる。 

ぼか も 

信 孝 馬鹿者め が。 

ト又 唄に なり 下手より 國侍訌 色の 置 手拭 ひ羽綠 着流しば つち 大小に て、 詩を吟 じながら 出て 來る。 後 

ょリ中 附 いて 出て來 "花^に て 行 合 ひ、 以前の 如く 大小 を 改める.' なまく ら故國 侍の 前へ 投げつ け 

る。 信 孝 は入替 りゅうく と 舞 臺へ來 る。 

け らう ぜきも s- 

同 侍 ハテ 怪しから ぬ狼籍 者。 (ト 大小 を 鞘に 納め) ェ、 命冥加な。 (ト信 孝 を 見る。 睨みつ ける 故國侍 

おれさ ま 

鬵 へながら) ^樣じ やな ァ。 

ト 花道へ 逃げて は ひる。 續 いて 中間 も は ひる。 此の 內信孝 唄 1 杯に 舞 臺へ來 る。 床几に 掛け 煙草 を 呑 

む。 胝園ぱ やしに 成り 花笾ょ り 仲居 大勢 後よ リ 太鼓 持 二人 附添ひ 出て 花道に 留り" 

みな け にち わしら からだ, あ. そ k > I 

仲 一 なんと 呰 さん、 今日 一 日 は 私 等が 身體 ゆっくり 遊ばう では ござんせ ぬか 

ひ ごろ あ _v だ の 尸か ュら け しき ちか > 

仲 二 それが よう ござんす、 日頃からの 遊び 溜め を 長闌な 空の 景色 を 詠め。 

さラ 

仲 三 つくし たんぼ \ ひいな 草。. 

おと しほ ひ が, 

仲 il それから は 後 は汐干 狩。. 



すみよし うら せま T -」 -, 9 

仲 一 住 吉诵の f 邊 まで . よ.. もん 

太 一 そのす き あの ひき、 Si の の 一 きむ きを S が S したいく がか さね 與 右衛門、 と 

は ど ふで? i&r 千 P ベ^と は、 どうで の 戴 f と は 私の 事 さね。 

太 二 ヲ ット! ^はこつ ちに、 の のお t はわつ ちが 事 でげ えす。 

お i ァノマ ァ 自惚れて 居る 事 わい な 了。 

, » しゃれ 3 

巾 六 料らない 洒落で ござんすな ァ 

ゆ 二 そんな Slik はうよ り、^ ぅ往 かう では ござんせ ぬか。 

ル: :々 それが よう ござんす。 

ト 此の 時 花道より 田 五作 S 四郎、 S ゑり 合羽 S しおからげ 脚 牛 手拭に 土產物 をく、 し附け 呼 

び 乍ら 出て 來り。 

まへ がお とのさま たづ ; IJfc 

與四 ヲ、 ィく、 ャレ く, ん は? いき ござんすな、 それ はさう とお 前 力 は 殿樣 に 尋ねさ リま 

巾 一 サァ g さん は i が、 證で1 んで& る, |鹭 やらお ぎな さんし たわいな。 

,A 1 - 一 LP お, IA ちわ る* ノ やれ 

りー s^al ぞ へ歐れ て?^ を、 ^ねさ さう と^うて ぢ やわい な 了、 九が 惡 洒落で ござんせ う 



時代 扛言 傑作 集 1 1110 

ちが b づ 1 

仲 四 それに 違 ひ は ござんせ ぬ、 そこら を 一 べん 尋ねよう では ござんせ ぬか * 

皆々 夫が よう ござんす わい なァ。 

L まへ ぶた $ くだ 

與四 そんなら お前 ガも 尋ねて 下されぬ か。 

皆々 さう しませう わい なァ。 (卜 祗阛ば やしに て 皆々 舞 簦へ來 り 信 孝 を 見て) 

と こ .« 

皆々 ヲ、 殿さん は爱に 居な さんす わい なァ。 (ト昝 々上下へ 並ぶ〕 

で ま > わたくし すみよし まね あな せ 

與四 ヲ、 ほんに 曰 那樣。 (ト 下手へ ひかへ こなし〕 モシ 日 一 那樣、 私 は 住 吉へ參 つてつ いでに 貴 か を 

• ふ > S も, もど * * く 》.s,.- まお > よ きろ め か、 

ぉ迎へ 申して 戾る 一う、 田 五 作^が 申され ましたで ござり まする、 ほんに 能い 所でお 目に 褂り 

ま を あな; y さ ま おかへ くだ 

ました、 申し 貴方 樣 t 御 歸 りなされ て 下さり ませ。 

ト信孝 物 云 はず 煙草 を吞み 居る。 與四郎 こなしあって、 

t も * へさ S みもち あは? S いばん ( しん キ ち い - こ 

申しお 前樣 はま ァ どうしたお 身 持で ござり まする、 粟 座に ござれば 每 1々 々新 町へ 入り込み、 

こ V5: がよ や おも *s こ § ち も リ ゐ つ だい;? 

やう/ \ 此の間 は 廓 通 ひも 止んだ と 思へば、 叉 此の間から 堺の乳 守で 居 綾け に、 お 大名 ぢ やと 

いま ご らゥ にん おんみ おやお さく ご け らいす ぢ ゆ も いうし よ レ よはら いろく 

いうて 今 は 御 浪人の 御身、 親 田 五作 は 御家來 Is で ござります 故、 遊 所の 諸拂 ひに モウく 種々 

I て t- , かね- おもや- j は うらつ N£ くだ 

の 事して 金の < (ト云 はう として こなしあって〕 ちっと は 思 ひ 遣って 御;^ 埒をぉ 止り なされて 下さ 

hs ませ ノ 



ト云 へ ども I ^孝 K リ合 はぬ 思 入。 

xfo_**4J せっかく v^b しう つ おもしろ すみよし まね § お むか き こと よ 

成^ 折角 廓の 衆 を 迚れ て、 面白う 住 吉詣り をな されました 處へ、 御迎 ひに 来た^ ぢ やに 依つ 

ち も 《- しろて *w へ はら fc ご f2 またお ゃぢ どめ もっとも 

て、 乳 守の 衆の 手前と い \ お腹の 立つ は 御尤もで ござります るが 叉躲 父^も 尤 で ござり ま 

うち お ほ £ たな やよ よ わきざし もと そと 

する、 內に ござれば 多くの 刀屋を 呼び寄せて、 めったむ せう に 脇差 をお 求めな さる 乂 外へ ござ 

V«.;:A よ かね i こと う も あさ ばん 

れば廓 通 ひ、 がんぎに やす.^ と金の 入る 事ば かり、 內 はもう 朝から 晚 までせ がみに (ト云 はう 

^いて 1 巴と とり 匕ね まへ さ *4 たいせつ 

として 思 入) 大體 やかましい 事ぢゃ ござり ませぬ、 それほど 取 込んで 居ても お前 樣を火 切に. 

よ らうち も, いつ むか $ -W おいせ つ おんみ や るぐ ; 5- ひと, や. , ,、 ^ .. I 

コリャ 與叫郞 乳 守へ 往 てお 迎ひ 申して 來ぃ、 大切な 御身 を 紅々 しう 御 一人 遣りまして は S 力 

5 ゆ も わたくし むか tft . おや ぢ 1 ほ cic やす • . . • 、 

れ ぬと 云 はれます 故、 私 がお 迎 ひに 參 りました どうぞ 親父 樣の心 休める ためで ござります 

わたくし しょかへ くだ v« ね しう たち ゆ J- 

私 と 一緒にお 歸 りなされ て 下さり ませ、 コレく 廓の 衆 こなさん 達 も 共々 に ぉ歸 りな さる 

や 5 f $ くだ 

&樣 にお 進め 申して 下されい の。 

やう ことわ い ほど ^ふ, ► ... 

仲 一 一 ほんに まァ、 さっきから あの 樣に事 を 分けて 云 はしゃん す 程に まァ 今日はお 歸り なさる やう, 

まお こんど ねつ k おじ, ら r か * お - > 

仲 五 又 今度 ゆっくりと 居^け さし やん せいな ァ、 廓 は 私 等が よい やうに 云うて 置き ませう • 

すみよし さま i ね -7 お < き おじら ともぐ 

仲 一 住吉 樣へ參 つて 愛まで^ つて 来た、 私 等 も 共々。 

仲 四 お k の 首尾の 能い やうに、 まァ今 B はお 歸 りなされ て、 ァノ おがと 連 あて。 

馬 切り ニー! 1 



時代 狂言 傑作 集 二 11 二 

皆々 今日はお M りなさん せえ なァ。 一 

たち ■ ぐ だ むか » -, - ! 

興 四 て もさても、 こなさん 達 はよう まァ 云うて 下さん したな う、 なん ぼ迎 ひに 來て も、 いや/ \ い 

f へ いろざと あ *pw け ふ f- へ 

つまで も歸 しませぬ とい ふが 色里の くせで 有り さうな 所 を、 まァ 今日はお 歸 りなされ ませと 

ifc%to かく ぺっ か は こんど とも か- ねつ T 

は 又 廓 は 格刖ぢ や、 その代り 今度 はわし がお 供して、 五日 も 廿日 も居續 けなさる 、樣 にす る わ、 

なん だんな., f- へ くだ 

何とき ついか、 サァ 旦那、 ぉ歸 りなされ て 下さり ませ。 (ト こなしあって 云 ふ) 

ト 時の 太鼓に なり、 花道より 役人 半 運ぶ つ さき 大小に て、 町役人 案內 して 後より 捕手 二人 附き 出て 直 

ぐに 舞臺へ 上手へ 通り。 

町 役 片寄れ/^、 控 へさつ しゃいく。 

ト& にて 女形 皆々 片寄る。 役人 皆々 にこな しあって。 

た-いまこれ ま しばちく ビ んの& ひさよし こう かう や S- ん し だ 5 きん ふ ssa わう fei s ^fc か .a-ri 

抆人 只今 あへ 虞 柴筑前 守久吉 公、 菽 野 山へ 祠堂金 三千 兩 寄附な さる、 間、 往来の 妨げ 致す か、 金箱 

fz ST じあ Hiihz なんに よ 5V じ w£ つ, そ さう あ あ ひ 

へ 少しで も M 事 有る と、 老若男女の わかちな く、 きっと 曲事 申附 ける ぞ、 必す麁 相 有って は 相 

ilS まぬ ぞ。 

か しこ i * & き . 

町 役 へ ィく 長 りました、 コ レ 皆よう 聞かし やれた か • - 

5k 'に^. - i あ.? ない 

役人 コリャ 町人、 町へ 案內 いたせ。 , 



ト 時の 太鼓に て 町役人 案內 して 役人 捕手 上手へ は ひる。 やはり かすめし 祇阖ば やし。 

まを もへ 

與四 巾し • モウお 歸 りなされ ませぬ か。 

そち f ^ へ fc さ,、 おつ かね も か" い 

信 孝 其方 は 先 へ^り、 田 五作に 追つ け 金 を 持って^る とョ へ。. 

ま を その かね ^ Z 

與四 はい さう は 申し ませう が、 其 金 は何處 にご ざり まする。 

どこ あ かへ ま を 

信 孝 ハテ 何虚に 有らう と 歸れと 申す に。 (ト 叱りつ ける〕 

與四 そんなら 先へ M り ませう。 

女 皆 私 I 等 も 去な うわい なァ。 

信 孝 さう しゃれ/ \ -。 

こん ど い と * やくそく にん y«5 くだ . 

仲 一 今度お 出での 時、 約束い けし 人形 を 下さん せ や。」 

仲 二 私の 約束の かん ざし も。 

信 孝 合點ぢ やく。 

仲 三 私の も 忘れて 下さん すなえ。 

uw%*0 いた 

信 孝 承知 致した。 

はや * へ , 

與 W モ シ どうぞ:: 十う お^りな され ませ。 



時代 狂 雷 傑作 集 一 三 四 

信 孝 〈テ いぬる と 申す に。 

J . 1 c^f ゎナ くだ 

仲 一 必す 人形 を 忘れて 下さん すな。 

信 孝 よいて やく。 

ほや かへ 

與四 早う ぉ歸 りなされ ませ。 

信 孝 まだ 歸ら ぬか。 、 

) B ら ュろ 

皆々 モシ 私 等が 揃 ひもえ。 

t ■ わす 

信 孝 忘れ はせ ぬ ノ\。 

- もど t わす 

與 w H り 道 をお 忘れな されます なえ。 

信 孝 H 、紘れ と 云 ふに。 (ト きっと 舆四郞 に 云 ふ) 

與四 ハ ノ; ^\ -。 

呰々 そんなら 私 等 も、 皆さん 待って 居る ぞぇ。 

信 孝 行き やれ/ \。 

ト 右の^ 物に て、 與四郎 花道へ 振 返りく 云 ふ。 女形 皆々 もこな しあって 云うて わやく 桧ゼ リフに 

て 花道へ は ひる。 信 孝 は 後見 送りて こなしあって。 



ひ 3 よし かう や <J くし だう きん 

久吉 が髙 野へ 送る 祠堂 金。 幸 ひ/ \。 (ト 此の 時 花道 揚慕向 ふに て〕 , 

小 平 明けり ゃァぉ 寺の 鉱が 鳴る ナ H 10 

ト^子 唄に なり 花^よ リ 馬子 货は宅 間 小 平 太、 布 凼を笾 たる 馬子に て、 千 雨筘を 三ッ附 けたる 御手 傅 

馬の 口 を取リ 出て 來リ。 

ェ 、あるき ゃァ がれ 畜生め、 ドゥ^-。 

ト拾 ゼリフ あって 舞臺 へ來 る。 信 孝 は 馬 を 上 へ やり 過す。 是 にて 小 平 太 は 馬 を 橋に つなぎ、 沓を 履せ 

ん とこな し。 信 孝 小 平 太 を 下手へ かき 返け 手綱 を 取リ、 

Z かねよ によよう お ゆ 

信 孝 此の 金予 がん S だ、 S いて 行け。 (ト 小卒 太び つく リ して) 

な こ かね に ふよう と せつ &と 乙な お のぶた か M の 

小 平 何んだ 此の 金がん 用 だ、 途ガ もね え 事 をぬ かすな。 (ト信 孝 を 見て) ャァ 此方 は 三 七 信 孝 i。 

たくま こ へ 5 だ • 

信 孝 そちゃ 宅 間 小 平 太。 

% • に, かねい J よう • ぶと _ i かね きさま おやの ぶな が ど G- 

平 此の 金が 入 ffl なぞと はいけ 太い。 (ト どっか リと 下に 居て) コ レ 此の 金 はな、 貴様の I 信 畏^の 

れぅ ま しば ひさよし 二う こネ きふ & ふつ さ だ u t お ひさよ レ かね と 

^ひ 料、 ^柴 久吉公 ^を 寄附 するとい ふ^ 苻が附 いて ある ぞゃ、 定めし 此方 • 久吉が 金なら 取 

だか じ と、 , き,, ,_、 1^ レ のぶた かど め たいへいらく 

つても 大 $ ない と 1:1 をく & つて 取る 氣 であらう が そり やや やきの 信 孝 股なら、 そんな 太平 樂 

だいじ あ こなた き こく あん いま ひつぶ こ Z へ^だ おな み うへ 

をい つて 大ぉ冇 るまい が、 此方の 氣 儘で 國 遠して 今では 匹夫、 此の 小; 牛 太と 同じ 身の上 だ わ、 



^代扛 言 傑作 集 1 1 一一 六 

こ かね ゆび ぬすっと またう そ き こなお レ^^ち い こ -N か つく 

此の 金に 指で もさす とわり ゃ盜人 だ、 又噓ぢ やない、 閗 けば 此方 は 新 町へ 入り込んで 馬鹿 を盡 

さう こ ごろ ォ おひ ち もり ゐっ *- あそ み そ て じ W- あ 

す 相 だが、 此の頃 は 堺の乳 守で 居續 けして 遊んで ござ るげ な、 して 見り ゃァ其 の-手 尻が 逄 はぬ 

すみよし か" だう ものとり とうぞく は§ Z し だろ きん き W ま おや のぶ 

から、 コリ ャ住吉 街道で 物 取す るか、 ィャサ 盜贼を 働く のか、 コレ 此の 祠堂金 は 贲樣 の 親の 信 

なが どめ § れぅ かね あ ほ. つづか ぬす と もっとも ぼかつ 

長^の 弔 ひ 料、 その 金 を 阿房 使 ひに 盗み取る のか、 マ 、それ も 尤 かい、 馬鹿 盡 くした うても 

かね た にん ものて 4* ヌ くび お おや もの こ もの おも こ かね 

金 はなし, 他人の 物に 手を^け ると 其の 首が 落ちる、 そこで 親の 物 は 子の 物と 思うて 此の 金 を 

を だけ のぞ げん は われ わがみ つ. C. はう を だ えん 

たくる のか、 コレ、 こんた ァ小 田家に 望み はねえ と廣言 吐いて、 我と 我 身 を 追放して 小 田の 綠 

き ひっぷ げ らう どうぜん ふ ぢ はな や 5 やつ ら こ か .S だ 5 4K くね S 

は 切れて ある ぞゃ、 匹夫 下郎 も 同然な、 ^持 放されのう ぬらが 樣な 奴等が、 此の & 道に 抓 桐す 

さ J-C なん ター. A さ し 

る は 所の 難 俵、 重ねてへ ちま はぬ やうに/めて くれう。 

ト是 まで 信 孝 空 嘘^いて 煙草 呑で 居たり しが、 此の 時拔 打に 小 平 太が 首 打 落す。 小 平 太 アツと 其の儘 

倒れる。 信 孝 刀 を 鞘に 納める。 此の 時 上手より 以前の 役人 出て。 

. きんす うば と う ぞく まご かた て かく らう ぜきも なはラ やしき ひ- 

役人 ャァ 金子 を 奪 ひ 取る 盗賊、 あまつ さへ 馬士 力まで 手に 褂る 狼籍 者、 繩 打って 屋敷へ 引く 

よ, こ ^んす もち かへ ひ V. よし たつ ぶ て 5 はふ な こ かね はや よかお も 

$ 予が 此の 金+ 持^り しと 久吉に 達すれば そちが 不調法に は 成らぬ、 此の 金 早く 予が がへ 持て、 

につく だう ぞく そ まお お なけう こ み H£ わけ 

役人 ャァ 憎い 盜賊、 うぬ 其の儘に 置かう か、 繩 打って 此の 身の 申譯、 サァ うせう。 

ト 夜祌樂 になり、 上下より 喾介 大勢 出て 信 孝に 打って 掛る J 立 廻り 妤 みの 通りあって 早 切よ ろしく、 



ト,、 どんく にな" 上下 橋の 正面 向 ふよ" 仕出し ま? わやくと 云 ふ。 花 f り庄 雷る。 i 

は おどしの 白刃 引 提げ 双方へ 寄せ 附 けぬ こなし。 ど -, ね 

い 、シ V ^> つ こ、,. VJ C つ 1* ど、 何お I に S る。 

璧 コレく s の やひ 人と をず つたく き はれた は ど、 どいつ 力 切? 

町人 n レぢ やく、 f かにく。 (トま I 々信 孝 を 見て びっくり) I 

I it く、 0k,i4f§ f もや it 

、み-なに 5S^ & !、, 、、鬆 いでよ けり ゃァ 俺が 騒ぐ ゎレの 

い、 tea の 衆^ぐまい/.^ i レ- 

おもつ を ミ、 ,!^ KI へ; チ ねばなら ぬわい の。 ミ 

ば、 コ いて: S られぬ 御亡笮 'ォ トプ .„ し おつ ^3 

S ^Ifi ,が f なに a の f f した、 a 

1 がござる であらう、 お St うせた 奴? ぞいな う 

町人 俺 も 知^ぬ わえ。 

I よい わく、 i が つて 化よう わえ。 

さ さう さっし や^く 1 . n &o £ き 

ia 零 見て 氣|相に後じ さりす ると、 lit 庄屋 

信 孝と SS てび つくりして 5 臭き。 一三 ヒ 



時代 狂霄 傑作 集 1 =1 八 

m » - こぶ ご くらう さま さ S たくさん ひと き あ, V 

庄屋 へ &乂\ ハ ii\ あは 御 苦 勞樣で ござり まする、 誡に澤 山人 をお 切り^ば して、 へ乂 i 

ご < らう さま 

御 苦 勞樣で ござり まする。 

fsj: にん ども そ さう しづ 

信 孝 こ^やく、 町人 共に 麁相 はない、 靜 まれく。 

わたくし ん: うしよ としより つと も なに ぞん a へさ ま 

庄屋 へ iiw、 私 は當 所の 年寄 を 勤める 者で ござ^ま する、 何 か 存じ ませぬ が、 お前 樣が ゑら 

ひとき s is. うない さわ わう らい ぐんし ふっか i つ はな は なんぎ ぞん 

う 人 を 切らつ しゃりました 故、 町 內の騷 ぎ 往来が 群集 仕 りまして、 甚だ 難儀に 存じます る、 

一 J むしん ,- B tes くだ ありがた ぞん 

どうぞ 御 無心な から * そのお 刀 をお 納め 下さり ませうならば、 お 難う 存じます る。 

もっとも みづ お 

信 孝 ム、 尤、 水 を 掛けい。 (ト 伴の 刀 を 差 出す〕 

^屋 ヘイ ー。 (ト 下手の 手 棉を持 來り信 孝の 持ちし 刀へ 水 を 掛ける) 

信 孝 ぬぐへ。 

庄屋 H。 

I! 目 孝 ふけ, /f\* 

庄屋 へ 。(ト ふるへ く 庄屋 傍へ 行き、 我 手轼を 出し 刀 を ふく。 是 にて 刀 を 鞘へ 納る。 庄屋 ホッと 息をつき〕 

S れ なん としょ a- $ 

ャレ, />嬉 しゃく。 何と 年寄 は ゑら ぃ者ぢ やらう がな。 

ト 双方の 仕出しに 庄屋 自慢す る 思 入。 



1:|,: ュ ^れ, い- €么て う も いた ちゃ r にん ども し さい な おそ こと な 

信 孝 彼^ は予 に無禮 なした る 故 手 打に 致した、 町人 共 は 仔細 は 無い、 恐る-事 は 無い わえ、 n リャ 

もの Z きんすよ に^ょう もち かへ まも き 

くそな 者 此の 金子 予が人 用に つき 持歸 ると 申し 閗 かせよ。 

ト 件の 馬の 手綱へ 手 を かけ、 行かん とする を 庄屋 留めて、 

«£ , * こ しにんで *= S け,. -レ t ひう け ま を .ナ- 

庄屋 ァ 、申しく、 此の やうに 死人が 出来まして は。 御險使 を乞受 申さねば なり ませぬ、 どうぞ 濟 

. fc ま / くお お だ 1 < おさま おい す あなお チ-ゎ 5 

むまでお 待ちな されて ド さり ませ、 御代 官樣が 御出でな されたら、 直ぐに 貴方が 斷り 云うて *」 

, f,i Z ゾ. だ - » さ-や 3 , l?f ない , なん オーレ お き. -ゎ けく お 

ぉ歸 りなされ て 下さり ませ, 左樣 なければ 町內 はなん ぼ 難 俵 やら 知れ ませぬ、 どうぞ 御 閒譯下 

_s つ と _sc お i くだ 

されて ッ ィ 一 寸の間 §: 待ちな されて 下さり ませ。 (ト いろくに 願 ふ。 信 孝 こなし〕 

. : し, なん tw ざんじ ま と 

信 孝 ム、 ゥ * F '々の 難钱と あらば 晳時 待って 取らせう わえ。 

庄屋 それ は 有難う ござり まする。 

トモん ならわし は 御代 它 樣へ迎 ひに 行く と 云 ふ 思 入に て、 庄屋 は 花道へ は ひる。 ト大 ばち 寄 太鼓に な 

り 花^より 抓 手 五 人 泶の假 花道より 捕手 五 人、 いづれ も襻 鉢卷、 對の四 天に て 十手 を^ち ッ 力く 出 

て 本 舞 祭 へ 來リ信 孝 の 上下 を取卷 き。 

§ い 

捕^ 上^。 

ト きつ と 信 孝を见 て、 さて はと ^入あって 双方へ 行き かける。 

馬 切り 一 ! 1 一九 



時代 狂言 傑作 集 一 四 ◦ 

信 孝 コリャ ぐ ( ト^々 平伏す る) 

皆々 ハツ。 

, , , たち ひさよし け らい 

信 孝 そち 達 は 久吉が 家来よ な。 

J ぞょ .i とほ 

皆々 ハツ 御意の 通りに ござ まする。 

き 三セ 震に S ひひ 匹つ 5< の繫、 、sff 雜,打 ちに i した、 Isi に ^は i い、 そち si めて 

よから う。 

匕 かしこま , 

萑ス 長 つて ござり まする。 (ト 捕手 上下へ こなしあって〕 しづ まれ、 ^へろ./^。 

ト是 にて 皆々 拾 ゼリフ にて は ひる。 

信 孝 見苦しい お^お^い。 

ヽ / ヽ , . -— あ ふ とほ と W はか 

も々 ノッ 广ト J 下へ 片附る 双方 並よ く 平伏して;, 仰せの 通り 取 計ら ひまして ござり まする。 

.si な . » そ p 奴う おち いたう ぬ はな 

信 孝 ム、、 其^ 達帶刀 を拔き 放せ。 

皆々 ゑ \。 

なに し さい な ほや 

信 孝 何も 仔細 は 無い、 早く/ \。 

皆々 ハツ。 (ト刀 を拔き 放し 兑 せる。 双方 信 孝 見渡し こなし〕 



孝 よい 納めい く。 

々 ハツ。 (ト^ 々鞘へ 納め 小を拔 かんとす る〕 

V- し ぞ へ お 

孝 ィャく ^添に は 及 はぬ く 

ト第忭 ssf. 取り、 g へ 行く 4 々並よ く S 鬣して。 -, ,暴よ し ミ, 

孝 fm,i r § 1? ひが 14 の f 三 七 震が 持 f と、 a 

へ よ。 

ト皆々 どうせう と 云 ふこな し、 互 ひに 顏兑 合せる。 

よい か。 

はッ。 

* ^ おぼし: c しど は I 

? 一 妙ず やうと も 思 召 通り . 

I !々 なされ ませ。 

よさ > 

ほ 孝ムヽ ^'- く."、 t , し .af^。 ト 卟信孝 S 入あって 手 網 取り 鞣路の 

ト E 道 こて a 入。 木の 頭。 皆々 は 年 伏す る よるし く 拍子 幕 ト^ 外す卑 > 



時代 狂言 傑作 集 1 TOnl 

音頭に なり。 三味線 ^入大 拍子に て: S にて、 砂煙 を拂ひ く ゆうくと 花道へ は ひる。 知らせに つき 

シャ ギタ。 



領城反 魂 香 (吃 又 —— 一 S 

浮世 又 平 吃の 場 

役名 浮世 又 平 後に 土 佐の 又 平 光起、 狩 野 雅樂之 助、 土 佐 修^ 之 助 光 澄、 百姓 

大勢、 土 佐の 將監、 又 平 女房お 德、 將監 娘お 梅、 下女お ひゃく。 

木舞 臺 一面の 淺黃 慕。 上下 藪 Ai、 幕の内より 百姓 大勢 袋 笠に て 竹检を 持ち、 わやく 云うて 居る。 ど 

ん ちゃん 竹 ぼらに て 幕 あく。 

百 一 ど うぢ やく、 知れました かの。 

& でら ,し. C- ふぢ を » tr ,てれ 1 み... 2 な - ゆ, に お ほ 、 

百 二 ィャ モウ、 三 井寺の 後から 藤の 尾まで 見 屈け たが、 夫から とんと 兒失 ひました、 ェ、^ り 多い 

事ぢ やわい。 

z i- i しな ,ぶかげ に こ 今 £ 

百 三 そんなら 此の 山 科の 釵 Si に 逃げ込ん だに 極り ました わい。 

百 s と flH^ は s, に S きました ばかり、 ^た 事 もない 毛 物、 珍ら しい 事 も ある 物で ござる。 

吃 又 1 四 一一 1 



お 

ひ 



皆 百 百 百 百 百 

々一三 二 六 



時代 狂 言 傑作 集 1 四 四 

*i つ だい きし おね ► , し^ とべ * — 

それく 末代まで 渐の 種、 一 生の 德で ござる。 

とよう i ことい ひと お は S3 あら レぞゥ めいわく 

ィャ 途^も無い 事 を 云う 人ぢ や、 おいら は 田 も 畑 も 荒されて 一 ^の 迷惑で ござる。 

サァ / ヽ是 から 墘 I へ 手 分 を し て^ひ 出す やうに 仕 ませう。 

X こと いけど リ た.? ぢ あら S -, 

成らう 事なら 生 柿に して、 田地 を 荒した 入れ あわせ を 仕 ませう。 

£ く ぶか ことい , みつ ト せい fc- * 々め, , 

欲の 深い 事 を 云 はすと、 兒附け 次第に 叩き殺せ く 

つてに 

合點 じゃく。 

ト^々 口々 やかましく 捨ゼリ フ云ひ 乍ら、 矢張り どんく にて 花道へ は ひる。 知らせに. つき ^黄^ を 

切て 落す。 

本 舞 祭 一一; 間の 間 高足の ニ^ 竹簑の 本緣。 向 ふ 石 摺換、 上手 障子 屋體、 此の 前に %a へ 御影石の 手水 鉢。 

いつもの 所 枝 折戶。 下手 一面 高 藪。 ずっと 上手 太夫 出 詰り 薹 但し 置 舞臺を 並べ、 こ、 に 下女お ひゃく 

しゅろ 翁 を 持ち 掃除 をして 居る。 矢張り 勢子 太鼓 竹 ぼらに て 道具 納る。 ト おひやく 迻 りを铱 除して 向 

ふ へ こなしあって。 

ひと 一一 も こと かれた. i こ きこ なにごと おこ V こと * ひ. V はし • .f つ 

ほんに まァ おびた ビ しい あの人 聲、 殊に 鍾太 鼓の 閗 ゆる は 何事が 起った 事ぢ ややら 一走り 柱 

ちづ こ ひめ ご ビ なん かま こと ^^じ, 

て缘 ねて 來 うか、 ィャく 姫 御前の あられ もない、 佝の こちらが 構 ふ事ぢ やなし, ドリ ャ 掃除 

して 仕舞 はう か。 



ぉ德 

叉 平 

ぉ德 

又 平 



乙、 と 3 ば つて i う a "よまた へいしげ A き ゑ か う *! つ ぐち ども ごん ぜっ あき 

爱に土 佐の 末^ 浮世 又 平 重 起と い ふ繪 書き あり、 生れ 附 い て 口 吃り 言 舌 明ら 

うへ s (まプ しんだい うす かみこ ひ ラちぼ こ あさゆ ふけむ ど 

かならざる 上、 家 貧しく 身代 は 薄き 紙 衣の 火 打 箱、 朝夕の 煙り さへ 一度 を 二 

ど ^ ひ b け お ほ つ ばブれ たながり つ a ^ ぐお つと ゑ か ふで じく ほそ もと 

度に 追分 や、 大津の 端に 店 借して、 妻 は 繪の具 夫 は繪畫 く、 筆の 軸 さへ 細 元 

で のぱ ぐ だ たび b- と ぺ, みやげ 《« の せん せん あきな いのち かみ 

手、 登, cs 下, 5 の 旅人の、 量ず かしの 土產 物、 三錢五 餞の 商 ひに 命の 弒も つな 

ひかげ し しゃ * f はんみち ふ ゥぷブ X み X 

ぎしが. 日陰の 師匠 を 重んじて、 半道ば から を 夫婦連れ、 夜な/ \ 見舞 ふ ど 

しゅ X さ 

殊勝なる。 

ト 床の 切に て 臼 挽 唄に なり、 又 平 木綿 やつし 石持 好みの なりに て 藁 包み を 背負 ひ、 ぉ德 * 話 女 as のな 

りに て 跳へ の 一 升撐を 提げて 出て、 捨 ゼリフ あって 花道に S3 り、 兩人思 入あって 又平ッ 力く と 枝 折 

戶へは ひらう とする。 

ひと. 5 か ご らう にん お し J*_-s ま お ナ *= ひ あんない S こ * 

コレ/ 、こちの 人、 如^に 御 浪人 なれば とて 御 師匠 樣の御 住居、 案內 もな しに は ひると 云 ふ 事 

あ もの 

が、 有る 物 かいな う。 

.a しべ きんせ も かね 

ェ 、 石部金吉 金 あたま。 • 

く ち うへ くち あ ひ ^ 

ハ、、 、 ゝ、、 もとらぬ 口で その上に も、 口 合が 云 ひ 度い かいな ァ。 

云 ひたいお まへ とかうな つた。 



時代 狂言 傑作 集 一四 六 

£ の i 

ぉ德 ェ 、まだ かいな ァ。 ハイお 賴み 申ます/ \。 

A S: さよた ちい 

あとな へば^. 女 は 立 出で。 (ト臼 挽の 合方 竹 ばら) 

あんない 

おひ アイく、 案內は どなたで ござんす え。 (ト枝 折戶を あける) 

ぉ德 ハイ 私で ござり まする。 (ト兩 人 顔 を 見合せ て) 

とく は そ ほか ひと やう なん あんない JJ > fc C ん 

おひ ヲ、 しんき やのお 德 さん、 たしな まし やん せ、 餘所 外の 人の 樣に 何の 案內が 入り ませう、 他人 

がましい、 サァ/ \ おは ひりな され ませ。 

ぉ德 はいく。 

へい またへ いに きぼう ゑし さ 5 ちい 

云 ふに 又 平 女房 も、 會釋 して ど內に 入る。 (ト 此の 內又 平お 德內へ は ひる:: 

? Q とく またへ い み 

おひ モシ/ \ お 梅さん、 ぉ德 さんや、 又 平さん が 見えました ぞぇ。 

n\ げ ちょ し うめ ど a はし い 

下女が 知らせに、 あ 梅 は 土間 を 走ら 出で。 (ト奧 より 娘お 梅 振袖 嫫 にて 出て 來リ) 

* たへ い^め ふ Avl> し-? • k ^ * かぜ さむよ み ? * 

お 梅 ヲ、 又 平^ 夫^の 衆、 ようご ざんした、 今日はい かい 風が あって 寒い に 依って、 見えまい と 思 

うたによう こそ/,. \。 

£ にち な f BJ そ う (きふ & ま 5け* <JA レ 

ぉ德 此の 四 五 曰 は 叶 ひませ ぬ 用事が ござりまして、 其の上 急の 繪馬を 請ん 口 はれまして、 是 ではお 師 

さま みま ひゆ しごと い を ゆ *J 55 ふうふ つ 

匠樣 へお 見舞に 行かれぬ と、 仕事 をし い. /(\ それば かり を 云うて 居られました 故、 俄に 夫婦 連 



だ みま ひ *;« , , 

れ まちまして、 お 兌 舞に 參 りまして ござり まする。 

^ こ *6a にち み ふうふ も き ち ひ わ 5 、 、 あ^ Z 

お 梅 さう と は 知らす 此の間 は、 四 五日 も 見えぬ は 夫婦の 者が、 どちら ぞ氣 合で も 恋い 力と お案じ 

ノ とほ ご にん め つか もの ぶさた ゆる ^ だし- > 

なされ ど 知っての 通り、 御 浪人な されて より 召— 使 ふ 者 もな し、 無沙汰 は 許して 下さ わ や 

これ あ か こ £s 

ぉ德 是はく 右 難いお 詞で ござり まする。 (ト又 平 も 同じく 辭 儀して) 

お 梅 ^はお、 おの?^ はおお まさん の^から、 ^の^でも おこさんし たかと 思う たわいな ァ。 

ビ J-づ 1^ ぞし & まへ さま あねえ さま おな V/S つ レー . 

ぉ德 ほんに 一お はお^ね おさう と 存じて 居り ましたが、 お前 樣 のお 姉樣、 同じ 廓の 勤めで も 遣 手と 

やら は、 ^1 の^^ ひ^^ ぢ やと ゥぉ^ ましたが、 ツイに お £! に^: り ませぬ が、 京大 阪の i 

ご す n&5 あ なぶ やりて しう ほうこう 

にも 埒 つた 御 器量で 有り 乍ら、 なぜ 遣 手 衆の 奉公 はなされます るので ござります 

£ れ * ク b け 

お 梅 サァ是 に は 云 ふに 云 はれぬ 譯 があって。 (ト又 平 お徳の 袖 を 引き) 

で # わか 

叉 平 喷、 それで 判った。 

ぉ德 剁 つたと わえ。 

レ で やま い o ぐち 

叉 平 死 出の 山の 入口 ぢゃ。 

なにい tt- ぐち 

お徳 何 入口と わえ。 

い もの とほ ため 

叉 平 生き物 を 通すまい 爲ぢ や。 

e 又 IB! 七 



時代 狂 贯 傑作^ 一匹 八 

k に こと 

ぉ德 何 を わつ け もない 事。 

三人 で ヽ、。 

ふたず- i し ち を 3 » 

おひ それ はさう とお 二人のお 出で を, お知らせ 巾 さう 力 5 なァ。 

?-し ノ と.. - !-< た へい M5* う- f し 5*ゝ a-.- 

^0 ほんに さ うぢ や、 が 知らせ ませう。 (ト 屋體の 傍へ 行き) 父さん. 又 平 殿 夫婦の 衆 力 見え まし 

たぞ え。 

な-」 またへ 3- $ ^ あ , 

將監 何 又 平が 來り しか、 往て逢 はう わえ。 

へ もの 3 ば をり から げん M た A い, 3 

物騒がしき 折 柄に、 將監 一 問 を 立 出で 

ト將監 好みの なリ、 修理 之 介 袴着 铳 しにて 出て 來り、 始終 かすめし 時 太鼓。 

おて し ^ レ なか w- t こ だい こ こ や *t な ひろの 丄- さる » • -I* 

ハ テ合 ^ の 行かぬ 嵇&の 勢子 太鼓、 此の 山 科の 縻 野に 猪 猿の あらう やう もな し 

w-r .1 ノ しくわ^ とごろ で き なん こ ic え :化 D 

修理 但し は喧啤 人殺しで も 出来ました か、 何にもせ よ 心得ぬ 事で ござり まする 

? ど ご も 一ん ご *c? た r いま ふうふ づれ こぶ まね とき たいぜい たけ や 

ぉ德 が^、 御 不雜は 御尤もで ござり まする、 只今 も 夫婦 連で 是へ參 ります る 時 大賛 竹槍 鋤^な ど 

J うちころ » ま 3 たう とら で く *c,4\ ま を 

を 持って 打殺せ/ \ と ま うて 參 ります^、 尋ね ましたれば 尻が 出た と 口々 に 申しました。 

將監 一! きな sef 、そりゃ^ 山 か 鞍-跪の 邊 りより、 猪が な 出た 物で あらう * 日本へ 虎が 出 やう 苦が なレ 

なら ほど さ *- う , 

ぉ德 成程 左^で ござり まする。 



なに またへ iM^ ご ふう, ふ L5 k さいぜん ご あ^さつ いだ * んせ 4 ふた, こと ご あん 

修理 ィャ何 又 平 si 御 夫婦の 荥、 最^より 御^ 拶も 致さぬ が、 先生に もお 二人の 事 御 あじな さる、 

ゅ& わし r$ と * まひ ま ね ぞん ふで はな ことる ふ ゆ i ごぶ 

故、 私 もーホ お見舞に 參 りたう 存じ ましたれ ど、 筆の 放されぬ 事 仰せつ けられました 故、 御 無 

さた お ゆる くだ 

沙汰の 御 許されて 下さり ませ。 

叉 平 ナン ノく。 

これ あにで. し し. fcrui i. *»«fc , こ _ws ひ. 

ぉ德 是 はく、 ぬし を 兄弟子と^ 召しての 只今のお 詞、 有難う ござり まする、 此の間 は 冷えます る 

し kK さ 2 めでた ぞん 

にお 師匠 樣 にも、 お すこやかに てお 目出度う 存じます る。 

ひ かげん とかく ぢ せんき なに あた や t ねんく 

將監 ィャく 冷える 加诚か 兎角 持病の 疝氣 が、 ィャ モウ、 何 やか や 新ら しい 病 ひが 年々 ふへ るで、 

さんよう ちが ぎ 

いかう 算用が 違うて 來 ました わえ。 

S し ilK- さ 1 £ けるな ひめつ き あた. * な せ けん はな 

§ 衩 てお 師匠 樣へ申 上げます る、 舂 にも 成り ますれば 日も减 切りと 暖かに 成りまして、 世間 は 花 

み ゆさん い A げご& 5 にん な お よめな 

見の 遊山の とざわく と 致します る、 こなた は 山 i! 御 浪人のお つれ,, をば めの 爲め、 嫁菜の 

とうふ c L 力 % sip た 弋,く£ おん おとも. a た はる ひと 

したしに 豆腐の 煮染 さ、 へで も 持ちまして、 から 關守 か、 な规-: 首へ 御供 致し、 春めく 人で もお 

めかお ぶだん ぶう ^ § を とと なに ? i- か ない 

目に 掛け 度い とな ァ, 常住 夫^が 中して 居ります 事で ござります るが、 佝 を 申しましても 家內 

ふう. -ビ さしむ. A どうしゃ じ ぶん みせ £ せんたくもの つか を しごと ゆ ひ 

は 夫 差 向 ひ、 同 者 時分で 店 は 忙し、 洗濯物 は 支へ て 居ります、 仕事に はは か 行かす、 日が な 

JJ ちた ち f あさ よる ま ご しう はラ X きいた Z わろ ぶし よ 

1 日立 づ くめ、 AM なされ ませ、 朝の 衣から 馬子 衆が 鉢卷 致しまして 小 室 節 をうた ふやら、 衣 

吃 又 1 四 九 



時代 狂 首 傑作 集 一 五 

がば つと 掛けます と S 一 s に 人だかり、 コ レ く:^ さっし やれ、 あれが 評判の 吃り ぢゃぞ や、 

ども か あいさう ども I 

どれが いの、 あれ かいの、 ム、 あれが 吃り か 可哀相に、 あれが 吃り かくと。 (ト 此の 內又平 腹の 

I ことい いま ひと ども 

立つ 思 入〕 それ ぢ やとて d ひない 事 云 ふの ぢ やわい なァ、 ホ、、 、ヽ、 今では こちの 人の 吃り 

が I 凝に^ りまして、 扠て^ I! が 繁昌 致します る、 爱へも 一枚 彼處へ ともて はやされる 私が 婧 

こ ごろ き ちの ま いで き こと も *0 め. fj , zt/1-ll 一、 O 

しさ、 此の頃 は 着物 一枚 出来ました、 こんな 事なら 持って 來 てお 目に 担け たらよ 力った なう 

又 平 ム、。 

t こ .S も *s せ t 3* け, ふゼ r «i 

ぉ德 ェ、 モウ 可 をす る やらぬ らくら と 急げば 廻る、 コリ ャ瀨田 鰻で ござり まする、 今日 瞎所 力ら 貰 

づ お S つ ざけ く こ はる し あは なほ 、 

ひました、 わりぬ き 水の 大? !i 酒、 夢々 しう は ござります けれど、 此の 舂 からお 仕 合せ も 直り 

i あな で おりよ いで あそ ご もん ん おおぜい お 52 ひと, - * で ゆ は 々ュ: ^は 

鰻の 穴 を 出る やうに 御世に お出 遊ばしたら、 御門ぎ に は 大勢の 御 悦びの 人々 が 出替り 立替り 

そのと き そう ノゃ J-ュ ざ しづ し.^ ゥさ i ほんで し わ;^ し ゾ^ 

其 時の 奏者 は, であらうな。 (ト又 平 を 見る 又 平 も 思 入 ある) 差 詰めお 師匠 樣の 一 番 弟子 私共の 

また ヽ.! -ど^ で その *K こ つ とさめ うじ ゆるく だ ^ 

又 平 殴、 しかつめらしう 出られ ませう。 其 悦びに 附 きまして, 土 佐の 苗字 をお 許し 下され 汲 

で ばしょ .? がき かみしも! 9 つぼ そ 0.1. と さま .Ji か めい * そ J-^ し : レズ^ 

i な i 所の 顧 書に も 上下 立派に。 (ト かまへ) シテ其 元 樣の御 家名 は ホ、 ホ某 こそ は 將監襟 

の 一番^ 子 土 左 Q 又 平、 などと 申さる \ で ござり ませう、 さうな り ますれば 夫婦の 悅び あなた 

3 ま よさ - ゆ さ-つ はん /-ぜ い • おめでた , わ ほし - 一な く、 cl^ ) ^ul ^ 

樣 にもお 悦び、 P- 壽命は 萬. ^歲、 御 目出度い く。 ホ、、 、 、 私と した 事 か 自^の 申す 事 



よ ころ めう と つ-ゆで き、 

: ハり、 この ひんの ぽ りと^の しゃべりと つきまぜ ましたら. 能い 頃な 女 夫が 一 對出來 ませう も 

^お ちゃ ひと くお , 9 

D、 ホ、、 ゝ、、 ァヽ しんど、 憚り乍ら お茶 一 ッ 下さり ませ- 

へ ヲ 、おは もじと S ひける。 9 又 平お 德を見 てリ 

:: :HHr、 fa そ, で、 1 

きも 淤 て、 コリャ お s、 6 の 8を8へ& つて 行って 星して置 き やれ。 

おひ アイ /(\ 。(ト 重さう と榑を 提げて 奥へ は ひ 2、 

i コレ く;^^、 その 鰻 をお 目に 掛けな さんせ。 

又 平 敲 を か、 ヲ、。 (ト おひやく を 招き 藁 包み を 持 出す) 

ま / * なし よ 5 

おひ 叉 平さん 何ぞ用 かえ。 

叉 平 おきな はつち り。 (ト 仕方して 見せる) 

おひ ^ぢ や、 おきな はつち とわえ。 

叉 平 大きな はつち り。 

おや おきな はつち り、 佝を云 ふの ぢ やい なァニ 

吃 ヌ 



時代 狂 首 傑作 集 一 五 二 

お ほ 

又 平 そんだら 大きな ぽ^。 

な.. > おせ 

おひ 何とえ 大きな ぼ^-、 ヲホ X 、 、ゾ 

叉 平 M 、んき なぼ^。 

おひ ァレ. ^きな ぼ. -と は、 ハゝ ヽ、、 。(ト 又 平 じれて) 

又 平 ェ 、うぬ。 (ト拫 りこぶ し を 振 上げ 樣 叩かう とする。 ぉ德 中へ は ひり S3 めて) 

これ **こ その やう はら セ なに い J 

ぉ德 ァノ あはしたり、 何 を 其 樣に腹 立て、 何が ほしいと 云 はしゃん すの ぢ やえ。 

又 平 ^きな ぼ^。 (ト 仕方して 見せる。 ぉ德吞 込んで〕 

ぉ德 ヲ、 I と 鉢が ほしいと 云 はしゃん すの かえ。 

叉 平 そ うぢ やい。 

» おせ はち か あ くだ 

ぉ德 それ 見なさん せいな ァ、 モシ 大きな 鉢 か、 ^を 貸して 上げて 下さん せ。 

な > お to- せ 

おひ さう かいな ァ、 何ぢ やむ しゃう に 力き な はつち りぢ やの、 力き な ぼ X ぢ やのと ヲホ、 、、、よ 

*fc へ い こぶ 

し/ \。 (ト盆 を 持て 來り〕 又 平さん 是 かえ (ト ぬり 盆 を 出す。 又 平 引た くり) 

あ ほう 

叉 平 阿呆め。 

ト藁 包みより 饅を 出し 盆の 上へ 乘 せる。 SS そこら を 逃げ 廻る。 又 平 取 放して あちこちと 追廼 し、 ト *、 



椽の 下へ 殴 は ひる。 又 平 あわて 、^ひ 寄りて 椽の下 を のぞき 見て 當 惑の こなし、 お 德 おひやく それく 

と 同じ やうに 追 ひ 廻す。 

嗔 逃げた く。 

これ なに せつ. A く % き もの にが 

ぉ德 是 はしたり、 何 を さし やん す ぞいな ァ、 折角 持って来た 物 をとう く 逃して からに,. 

又 平 ^、 だんない く 取れる <。, 

お^ そり やどう していな ァ。 

らいねん ナ.' 

叉 平 來 年の 煤 はきに。 

なに 

ぉ德 何 をい ふの ぢ やない ぞいな ァ* 一 

二人 ホ、 、ゝ、 ハ、、 ゝ、。 

ト 此の 時 竹 ぼら 勢子 太鼓 はげしく 以前の 百姓 出て 來り。 

百 一 コ リャ爱 の鉱の 中へ は ひった ぞゃ、 油斷 さっし やるな。 

皆々 ヲ、 合點ぢ やぐ-採せ/ \。 (ト わやく 云うて 下の 褻の 中へ は ひらう とする。 修理 之 介閗附 けて) 

ft ち なにも おせ: sj いと. i!5 らラぜ き こ いへ た* おも ft- .5 ま e fe5 

修理 コリャ く、 そち 達 は 何者 なれば 力 勢徒黨 しか k る 狼藉、 此の 家 を 誰と か 思 ふ、 只今 こそ 御浪 

にん い ごうしうた かしま け & ilo-c と さ レぞ つげん さま ご .A,? きょ W よぐ わい い fc ゆる 

人 なれ、 以前 江 州 高 島 家の 畫所、 土 佐の 將監樣 の 御 閑居、 慮外 致す と 許さぬ ぞ。 

吃 又 1 五 三 



時代 狂 富 傑作 集 一 五 四 

たかし i みかげ 5 しわる こと i - .- ► A ほ ► こ 2 

百 二 ャァ高 島で も 御影で も 石の 恶ぃ事 を 云へば 構 ふ 事 はない 

たか jj は. ^ あら とら さが じお ^ S. りひ い 

百 三 高で 田畑 を 荒す 虎を搽 すの ぢゃ、 邪魔す ると 侍と は 云 はさぬ。 

のうげ よ I , ^ff , ^ . J 

百 四 さ うぢ やく、 農 i の 妨げ すれば^でも 彼で も。 

皆々 叩き殺せく。 

ほに 

修理 何 を。 (ト きっとなる を 又 平 留めて) 

ま おれね U - いへ とら 

又 平 ま >,待て《、 ヲ i 俺が 居る く。 (ト 修理 之 介 を 留め 百姓に 向 ひ) n 、、此の 家に ト、 虎 はな 

いわい。 

/4 ん , つ で 1 とら 

百 一 ハ、、 、何ぢ やく、 を かしい 奴が 出 だぞ、 コレト 、虎 は ある わい? 

又 平 ナ、 無い わい。 

皆々 ァ 、有る わい。 (ト 皆々 吃りの 眞似 をして 云 ふ、 又 平 むっとして〕 

又 平 うぬ。 (ト又 平立掛 る。 將監 留めて 萆 掛け〕 

S おへい *| し-さ. S き i * -S 

將監 コリャ く 又 平 待て/ \ -、 仔細 を閒 いて 如 伺 やうと もなる 事ぢ や、 しづ まれく。 

し し 絮 さ i と またへ い^め また 

ぉ德 コレ くお 師匠 樣がぉ 留めな さる、 又 平^ 待つ しゃれく 。 

トぢ つと 留る。 是 にて 又 平 つぶやき 乍ら 控 へる。 



rr, こ はに - * たち uf ほに St * や しき fc ち さわ や. 5 すき fe . し さい 

將監 何お 身 達 は 百姓 さうな が、 何故あって 身が 星 敷に て立騷 ぐの ぢゃ、 サ、 樣チ閗 き 度し、 仔細 は 

如何に。 

• . * たる ほ y ぶ I § ^ . 

百 二 成程" ぬ はお 斷り 中し ませぬ が こっちの 誤り。 

• . - た "い, まこ や は なか , とら おひと ゆ ゑ 

百 :ニ 只今 愛の^の 中 へ 虎 を 追 込みまして ござります 故。 

とら ころ fc はた あら n-o こと - 

百 四 その 虎 を 殺して E 畑 を 荒さぬ やうに しょうと、 存じ ましての 事で ござります る。 

fcl- - ^ I- . に, ^ うち • とらおみ こ ■ .25 > とら *<を ^ こく 》5 

將監 何と 申す、 此の 较の內 へ 虎. を 追 込んだ、 ハ、、 、 、、 ハテ譯 もない、 虎と 申す もの は異 國の猛 

ほ • ^にに つぼ 乂 ち、 で いか. M * ん ぼ. A こと 

獸、 何日 本の 地へ 出よう か、 如何に 土民 なれば とて 馬鹿な 事 を。 

- - - » i らちが 

百 五 イエ/ \, ほんとうの 虎に 違 ひご ざり ませぬ。 

ト 此の 時 風の 音に なり 鉉 の 中より 虎 あらわれる。 皆々 みて。 

皆々 あれ/ \ 、あそこへ 出 ました/ \. 。(口々 に や 力まし く レふ〕 

なん とら で 

將^ 何ぢゃ 虎が 出た、 ドレく。 

A め が ひと o だ げん にば た うちな が 

目 鏡 取 出し 將監 は、 庭に お. 立ちた めつ すがめ つ 打 詠め。 

トニ ffi ょリ おり 庭下駄 を 履き 眼鏡 を かけ。 

ふ > し > SL" K> よで たけ とら ひつ »-i す こ まが か& しか しんぴつ ?じ A S ど A 

《テ 不^議 ゃ颜 輝の 筆に 竹に 虎の 筆勢、 少しも 紛 ふが なし、 然 かも 新 華、 當時斯 程に 書かん す 

吃 又 1 五 五 



時代 ffi 言 傑作 集 1 五六 

か の いうせ s せ^れ らう じ らう もとのぶ ほか $ ひっせいめ ャ る ど かか み ごと/ * 

もの 狩 野の^ 勢が 俾四郞 次郞元 信より 外にな し、 頭の 筆勢 眼の 鋭 さ 書き も 書いたり 見事々 

f かん い 3 

ぺ 感じ入って ど。 

なに しゃ r しろ 亡れ 1 とら あら めいひつ ぐ わ だ 35a い ぬ いだ さう ね uiz 

ィャ 何百 姓 衆、 是は 誠の 虎に 非す、 名筆の 螯に魂 入りて 拔け 出した に 相違な し、 その 證據に 

とら ま あと あしあと あた. み . 

は あの 虎が かけて 來た 跡に 足跡が 有るまい、 #都 ねて 見やれ。 

- A しぎ こと みなしう きつ, たづ I, - > - 

百 六 ヘイく、 それ は不思 儀な 事で ござります、 皆の 衆 氣を附 けて 尋ねさつ しゃれく,」 

がってん 

皆々 合點ぢ や/ \ -。 (ト 花道 を あちこち 探し 見て) 

あ 

百 三 ど ふぢ や/ \、 有る かの/^。 

な み あしあと • ,.》 

皆々 ャ ア^い ぞ (ト 又い ろく 見て:? ヘイ どう 見ても 足跡 は ござり ませぬ。 (ト 將監思 入あって) 

おんみた ち ふしぎ こと み とら おん ぜん か 含け み- • i 

將監 あるまい く、 まだ/ \ 御身 達に 不思 儀な 事 を 見せう、 ァ 、 虎 をば 眼前に 書 消して 見せ 申さ 

う、 コ りゃく 硯 持て, (-。 

お 梅 長 りました。 (トぉ 梅 誠の 硯と筆 立 を 持 出て 能き 所へ 置く 事〕 

せんせい ねが あ モれ おしつ fc ぶで なにとぞ ふでさき とら け , : - 

修理 ハツ 先生へ お i ひ 申 上げます る、 某 拙な き 筆 なれ ども 何卒 筆先に て あの 虎 を 書 消した うご ざ 

ひ ごろ し ご おん はう いま 乙 とま こ? お き- * と r くだ g へ 

ります る、 日頃より 師の御 恩 報す る は 今 此の 時、 あはれ 此の 儀 御 聞屆け 下さ.^ まする やう、 偏 

に 鼠 ひ 奉る。 (ト 义不 聞いて 修理 之 介 を 突 退け〕 



又 平 ヲ 、 お SS へ^,: げ ます、 0r ハ 、1g レに m せつ けられ ずれ ませう。 

なにとぞ レ 

修理 何卒 私に。 (ト乂 平 を 引退け) 

叉 平 ィャ 私 に。 (ト又 突の ける) 

わ- ズ: あ ふ つけ くだ あ * が ゆ ぞ 、 

修理 ィャ 私に 仰せ 付ら れ 下さり ませう なれば お 難う 存じ 

1 一人 まする。 (兩 人辭義 をす る) 

將監 ,化に も^^けた、 齡^; が鼸 ひに 彼せ、 13 みる &め ける、 此の 繫の先 を 心得た か。 

修理 ハ ッ。 (ト硯 筘筆を 持ち 修理 之 介 花道へ 行き、 下の 藪へ 向 ひ) 

? す- ぶで そ > 7W お とら さしむ. R ふで t 

"if 理之介 は 筆 を 染め、 四 五^ あい を 置きながら、 虎の ずん どに 差 向 ひ、 筆 3> 

ンこ パ かしら ま へず ほろ し み るし どう を さき いた I だい >{ う: • * - ^ % 

く 於に i つて 頭 前 脛 後脚、 胴より 尾 先に 至る まで 次第々々 に 失せけ る は 碑 

べんじ ゆつ いひ 3 

變 術と^ 云 ウベし。 

ト 能き 程に^ ド 口く にて 虎 自然 を 消え失せる。 百姓 是を 見て、 

皆々 ヲ、 ァレ ,/\/\0 (ト 皆々 指さして びっくり する。 修理 之 介 舞 S へ 來リ) 

ぁ理 ハツ 逝:: 消 しまして ござり まする。 

S ? ; « 二 ? み うへ こ.:? こち と さ * ゥじ ゆるつ. 6 - , い. ま £ ^ »^ 

ヲ、^ おたく 、か& る^. 思 儀 を 見る 上 は 今日より 上 佐の 苗字 を 許し 遣 はし 今より 土 佐の 光 

吃 又 1 五 七 



時代 狂 雷 傑作 集 1 五八 

卡み *1- な の 

^とや 乘る べし。 

修理 ^スリ やましに? S の |£ぉ をお されん とな ズ、 ァ 有難 や、 冥加に i るお 詞、 拙き It に 心 を 込め 

しました も 師の御 恩、 須 彌蒼& より 上 もな き、 厚き 御 恩 は 此の 身の 餘慶、 忘れ は 置かぬ 

あ 9 お 企 ぞん た S3 > 

チ ェ 、 有難う 存じ 奉 ります る。 

、てん S ほい よろ- J い S だう り しやくし や, ど. • ぐ^ 

天 を 拜し地 を拜 し、 悅び 勇む ど 道理な, 5、 百姓 共 は 口々 に 

さ かか けけ めき-め ぜんだい み もん めいじん 、 」 i > 

百 一 扨ても く 書き も謇 いた hN、 消し も 消したり、 目 利 も 目^ 前代未聞の 名人で は ござらぬ 力 

& • ュ,. > ^ にんか もら かね まう 

百 二 それ/ \、 あの やうな あ 人に おやま 畫を ナ、 四 五 人ば かり 書いて 貰うたら ゑら い 金儲ける で ご 

ざら う。 

stepxl ひと しゃくせん b.!,?/ S やつ £ん A- つき „11 .6 きけ もら • I 

百 三 ィャ又 俺 は あの人に 借錢ゃ 名目の 帳面 を、 節季々々 に書涫 して 貰 ひたう ござる わい の 

皆々 何 を 云 はしゃる、 ぐ::。 

とき こ n とち でんち あ こと > 

百 四 時に 曰 !5 ではもう 虎が 田地 を^ら す 事 も ござるまい 

こ^ しだ つげ ふさ ま おやげ * A な ^> 

百 五 あとい ふの も 將監樣 の 御^で ござる, なう 皆の 荥 

あ, が fc > 

皆々 それ/ \、 M 、有難う ござり まする 

Z う ( はや むら ざけ » ' » 

百 六 サァ 比の 上 は 早う 村へ いんで 悅び洒 としませ う。 サァ/ \ご ざれ /^。- 



ト皆々 わやく 云 ひ 乍ら 門口へ 出で、 花道へ 行く。 又 平 を 見送り。 

&ん みな k おな なら お: , あにで ル * > I 

百 九 何と 皆の 衆 や、 同じ やうに 並んで 居る が あれ は 兄弟子 ぢ やといな う • 

お S&\_J で レめ うじな の ,くつ か! U み, ' 

百 八 弟^子に 苗字 を 名 乘られ て、 ァノ 理屈ら しい 魏を 見さつ しゃれ。 

はら た くち ね 

百 七 あれで も 腹が立つ かして、 口 をむ づ,, (-1 i て 居れ ど。 • 

き かたわ も 

百 六 それさへ 閗 けぬ 片輪 者。 

いんぐ わ ども 

百 i ほんに 因果な あれ は 吃. o^, 

つれそ に **r ばう 

百 四 それに 連 添 ふ 女房 ども。, 

*fe し ども 

百 三 又 こ ちとら は 百姓 共。 

みな %0 » 

百 二 呰の者 ども。 

百 一 ども 致せ。 

皆々 で、、、、。 

J ^わ?" や { た ちか f > - • 

我家々々 へ 立歸る (ト 百姓 皆々 花道へ は ひる) 

, 妻のお 德は、 い 得て。 (ト ぉ德又 平の 心极を 察して 思 入) 

た r いまみ 5 <esc い しゅり の すけさ ま ご しゅれん もんし^い fe 

ぉ德 只今 見受け ますれば、 お驚き 入った る 修理 之 介樣の 御手 練 感心 致しまして ござり まする、 あ 

吃 又 1 五 九 



時代 狂言 傑作 集 一六 ◦ 

5 b し レ IK さ i おしあ は * 』 ぅホ, > , , 

の |i なおが 子 をお 持ちな されました は、 お 師匠 樣の御 仕 合せ ぉ嫫 しう ごさり ませう そ^に 

4 きましても、 i:^ じ i られ ました 鑑りぉ 叉 平、 身は資 なり 片輪な り 1 =7 ぶ 子に 土 佐 を 名乘ら 

れ、 子が うかくと。 

A うきよ w た f い 

> いつまで 浮^ i 又 平と 

麟 の^かた げたお やまぎ や、 IS へた のぶら くと 生 甲斐ない 事と、 身 を もんで 無念が 

り、 もお * とも ||§ とも、 傍に 見て 居る 女房の 身の上で は、 どの やうに あらう と 思 召して 下さり 

ます、 おお の U ,お^しの お^ひ は、 ぉ栴檨 まで 度々 *. 上げ ましたれ ど、 お直き にお 願 ひ 中 上 

ナ +? ^of 3』 で し のち せきた ふ ぞくみ; と さ. またへ 5- ゆ. る ' I 

げ まする は^ i がきめ て、 、^の 思 ひ 出、 死しての 後の 石塔に も、 俗名 土 佐の 又 平と 御 許しの 

お if は、 ぉ師 k 樣 のお 情で ござり まする、 御 慈悲で ござり まする わい なァ。 

4 ごじ.., \ てち 1 い S た (い マ - 

御 慈き々々々 と 手 を 合 はせ、 淚に むせび 入らければ、 又 平 も 手 を 合せ 將監 

*s だ ts < な る レ f げん ぷ びん f . ば 

を 三^し 疊に喰 ひっき 泣き 居た る、 將監も 不便と は S へど も、 態と P を 荒ら 

げ て。 

,x 1 よき こ レ げ G あ ふみ くにた かしま ご けらい ナぢ * せんちう 

I おしても/ \¥ はぬ 1 ひ、 コリャ 能く 閗け、 此の 將監 はな 近 江の 國高 島の 御家來 筋^ち 禁中 



& ぐ ちん ふで I5V そのう、 たかし i ち ** つ はう うん IV う ナ 5-D- そうたん r? よま 力. せ. や? ? S 

の Hi 栗 家 丹と^ の^ ひ、 共 上^ 島の 重寳雲 龍の 硯を宗 丹た つて 所望す ィャ 彼奴に は 持た 

^1 たが^ち たて C ザん おき たつ それ 》 し ち^^う Z 

せじ あにた ベと、 互 ひに 意地 を 立つ のり、 ツイに 御^の 御 間き に 達し 某 は 勅勘 受けて 此の 

* う、 らう こん. f まひ いた いま をぐ レ g * ふう み は., Z , 、ひと •》 s g 、 」 > ^ 

奢 上、 浪人 住居 致しても、 今では 小 粟に 隨 へば 富貴の 身と 榮 ゆれ ども 一人の 娘お みつを 君 

■t^-AJt つと こ 5- くら ま どひん く, なに 5幺 とさ A うじ ^ 

傾 1 の 勤め を させ、 子を赍 つて.^ ふ 程の^; 苦 をし のぐ は 何故 ぞ、 七-佐の 苗字 を 惜しむ にあら す 

ノ A, o .if *t と" こう なん こう きんき しょぐ わ はれ わざ き じんみ うね. ご ざ ちか 

や、 ^理? ^はだお^ 功 あり、 そちに は 何の 功が ある、 琴棊 Ms の 業、 貴人? I 位の 御座 近く 

lb ものえ い み もつ およ ねお に あ おせ b か • Z 

參る は^ L 5 なる に、 物 を 得 云 はぬ 身 を 以て 及ばぬ 願 ひ、 似 <1 口った やうに 大^ 紡^いて 此の 

よ, - わた ちゃ の たち f.〈 ; 

世 を 渡れ、 サ、 茶で も^んで 立^れ。 

^* あいさ ラ しか 

愛怼 もな く 叱られて o 

ねが おつ とほ なに ひと と Z 5 たへ い 

ぉ德 サ、 そこが お^ひで ござり まする、 仰し やる 通り は 何 一 つ、 取り^の ない 又 平で は ござります 

また し .i? さま お; JS じひ も 

れど、 そこ は 又お 師匠 樣の御 情、 お 慈悲 を 持ちまして。 

將監 ィ 、 ャ ならぬ。 

ぉ德 そこ を どうぞ。 

こと . - 

將監 ァ 、 くどい 事 を e . 

ぉ德 は ァ、。 

吃 又 1 六 1 



1 六 一一 

時代 狂言 傑作 集 

、はっき i はが ビ f 。 (ト ぉ德| しこなし 有って 又 平が 手 I") 

コ レさ ^纏の g しゃる に、 T つと して Is はきい ふの 望みの か叶 はぬ の は、 コ レ 又平 蝶 

. M なさん を 吃らに 產み附 けた。 

^きさん を 恨み さっし やれい なう。 

\ くや な また (い 3 

悔み 泣き 1 又 平 も 

ねん f fg なん ^,ir i- :、 一 に.^^!? w^y*^- ん ^なら、 今の 思 ひ は あるまい に。 

叉 平 三 敏ぁ の % ひに 何で 人蔘 呑ませた その 時人 蔘呑 ます に^ん 六お 6 Z 「グ 

A わ?: のどぶえ „ - ノ, '、^こ JL ご i-r- ぉヒ つめ CN て^きけ る は、 乙と わ h- せお 

我 笛 を かきむしる 口に 手 を ス^-^ をっ^ つ It レ 

ふ を《- から!? ひ.^, t メ :0 

て 不便な, c/ 折 柄 表に 人 音して 

ト 花道 揚 幕の 中 向 ふ はげしく バタく ぢ やん くになり、 S 立 S 樂之 介、 拔刀大 わら はの なりに 

て 走りて W 來り。 

雅樂 はお はする か、 光信^ く。 

^はりく 漦" ,0si^T ば やく。 

ト將 4K 雉樂之 介に こなし 有って 又 平お 德片 脇へ 寄る。 



み. A ぶしう だのす け こてい 

將監 お 身 は 狩 野の 武士、 雅樂之 介なら す や、 此の 體は。 

確樂 お 家の 大事で ござり まする。 

r -」 ゆに だいじ, きづか は なん ひと & とれ 

將監 何 一 大事と は氣^ し、 何にもせ よ 人目 だつ、 ぁ へ/ \。 

俾ひ 入る。 

*A へ- 1* *^ おつ. て; ぶ は. A , 2» にあ. - やくめ は _» ぼん 

コリャ く 又 平 徵 より 追 人 来らん も 計られす、 汝には 似? 口うた 役目、 張番 いたせ。 

又 平 はッ。 (ト きっとな つて 六尺 椁を 持ち、 ッカ くと 花道 中程へ 行き 鉢卷 をして 兩肌 ぬぎ 花道へ こなし) 

將監 シテ く^ チは 何ん と/ \ -。 

.... $• : » ク た さう どうい およ ぞんじ ごと ひ あぎみ おんとも つか まつ き リぬ Z こ かし こ 

^樂 されば,/ \ -、 k の^ 動 云 ふに 及ばす、 存知の 如く 姬 君の 御供 仕 り、 やう.^ 切拔 け此處 彼^ 

し © しゅじん ろ じ らう ゆく へ し 

に 忍びし が、 主人 四 郞次郞 行方 知れす。 

ス >J れだぃ & プか U 、る まよ うち て S て おつ まか > 

是 第一 の氣遺 ひと、 心 迷 ふその 內に、 敵 は 手いた く 追 かける、 シャ 任せて 置 

まっかう たち むかて き ラで ぼね あし ぼね きら かぐ めん き n- ちら 

けと 眞 向に 太刀 さし かざし、 向 ふ 敵の 腕 骨 脚 骨 嫌 ひなく、 四角 八面に 切 散せ 

てき A ほ ザい C つち ひと, 

しが 敵 は 大勢 此方 は 一人。 

なんなく I 君、 チェ、。」 

吃 又 一 六 三 



1 六 四 

時代 狂 莒 傑作 集 



^ f f I , もし t た 上 

1^ られ; の f は繫が sf ま 寡 ml めと して、 門 を 固めて 寄 

广 ?た 

亡つ けず、 m の 双 M の續 かんまでと、 かけ 入らん と 致せし 力 フィャ く ( 

しさん み う? ろ 6 と はる/ s 』^ >^^o 

おんの^の 上 心 元な し 御 後 慕ひ尋 ぬる 所存 

^まの はま si、 よろしく 賴み 奉る。 

*\ ことば あし けつ き わかもの あ. V し A ,ぶル 

"^^おも 鲈氣の 若者、 後 を 慕うて 走り 行く 

ト よろしくあって 雅樂之 介 逸 散に 花道へ 行き、 又 平 を 飛越し 花 遨へは ひる。 

ヘレ や S げんこ 、_<1 る 3 

^ 降監、 いも 心なら す 

ト|ぢ こなし" 此の 內ぉ德 花 5 行き 又? 連れて 本 籠へ 來る。 又 平 首の 痛む こなし 

li-「 き- ャて おいへ さう どう 

將監 tii 一一し なしたり、 鷲? 續、 靈 おのお 賴 みはぎ 事、 I ならぬ 御 家の I、 イデ 

は Is つて。 (ト向 ふ I て) ィャく si の r ぎれば、 ^に は t ひ a し、 とあって 51 

て& かばず^ の^ &り、 くも £ かれす、 ハテ 如何せん。 き 

鐘 ぎて は? sfe じあらん、 fka^t SI にロ說 くと 閗 くから は 

おがに 氣 I ひなし。 , t . て^ a 

I されば く、 S のぎ 靈艇れ し f f 截 f の禁と i りきへ する 手 f 無い か • 



*.? はいしゃ お ぼつ. A おいへ チ ふへん ラ ちす お なん もの 

(ト修 g 之 介 を 見て〕 若雍者 は^ 朿 なし、 御^の^ 蠻打 捨て S れす ハテ 何とした 物で あらうな 

ァ0 

へ ひ y ひ こ じ わ は、 プ えつ 、 しあん こ ぐ ひ $ a たへ 5 な い つま そ で ひ 

額に 小皺 頗枝 突き、 思案 小首 を 傾ける、 又 平 何ん ど 云 ひたげ に、 妻の 釉 引き 

^中 突き。 

h し まゐ ねぶ 

叉 平 俺 • 參り ませう と^うて くれ。 

なに^ いまし レ 1 ^さま い き こご よう ,(, んぜっ 

S 何 を 云 はしゃん す、 今お 師匠 樣の云 はしゃる のを閗 かしゃん した か、 此の 御 川に は辨舌 さわ や 

も 4 なお まへ 

かなる 者で 無ければ 成らぬ と 仰し やる に、 どうして お前が、 よしに 仕な さんせ。. 

又 平 ィ、 ャ、 俺 思 $1 が ある わい。 

*= へ ゆ 

§ ィ、 エイな ァ、 お前 ぢゃ 行かぬ わい な ァ。 

めんだ ふ . の を 

叉 平 ュ 、而 倒な、 返いて 居れ。 

f» しんき にょうば う ひ iff の い しお- M へ 5 ろて つ のみ 乙 

辛氣を わかし 女房 を 引退け ツイと 出で、 師匠の 前に 諸手 を 突き、 ツバ を吞込 

んで。 

トぉ^ を かき 退け n 手 を 突き。 

し レ Ksi . S6 あ こ つ. A わたくし あ * つけ , 

ヱ へ お^^ 樣へ. H. 上げます、 此の 使 ひに は 私 を 仰せ 付ら れ ませ ふ。 

吃 又 一六 五 



時代 狂 fa 傑作 集 一六 六 

願 へ ば將監 見やり もせず。 

し ちんな お * じね ま S 05 を \& 

將監 ャァ へ邪麼 入る &か、 そこ 返いて 居れ ノ 

へ 叱られても ちっとも 臆せず。 

叉 平 ィャ くお i ひご f ませぬ ましが お^して は ¥ はぬ 1はき 籠。? 脇 ざし を 出して 見せ) 

いのち さう ほ. ぶ 9^ ぅキよ またへ いおば - 

あっちへ やる か、 こっちへ がる か、 S がけのば くち、 命の 相 驟 は 一分 五 厘、 浮世 又 平 親 もない 

ri いかがら 一つ、 r は fi のちり あくた、 €$^f^ ,かけて 取? ます 

一- とし 455 こう 

る、 どうぞお の !!1 ひ を。 (ト 此の 閗將監 かま はず 思案して あちら を 向く) 五 ッの年 力ら 奉公な しズ 

こ つ," ひ レ ぉ& し レゼつ.^ , 

も。 (ト 云うても 將監物 云 はず 上手の 方へ 行く。 修理 之 介 を 突 退け) 此の 使 を仕遂 せ、 お 師匠 樣の御 苗 

5 0^ お ねぶ i を - 9 

や をつ ぎたい 望みば つかり、 どうぞ 御鸱ひ 申します る 

ト やはり 將監物 云 はず 又 下手へ 頷 を そむける。 又 平お 德と钹 見合せ 思 入。 又し をく と 立上り 下 弓 

へ 來て手 をつ かへ。 

一 £ 

モシ どうぞ、 : &の船 ひ を わが に。 (ト いろく 云うても 將監 物い はず、 又 平 思 入あって) 吃りで なく 

ザ かう は あるまい に。 

し レ f こゑ& なる しゃ. "げんな ほ s v^-^ 

, さ.^ とまつれ ない あ 師匠 ぢ やと、 聲を 上げて 泣き 居た る、 將監猶 も 聞 入な く 



t しゅ ,のす け ご へんむ. A し、 あ i 

將監 ^のく せに. f i い IES 千 S 、まに ず v4 てし なし、 コリゃ 修理 之 介、 御逡 向って I 

めぐ ひめ? み VJ し S いん^^』 か f, 一、 は 一 や 

を 廻らし、 婭君 御朱印 奪 ひ 退し 來られ よ 早くく 

修理 はつ。 

へ かし § かきつ 夕, ま^ -、 ほ U- し! r :^V3 ^-60 P お 理之介 立 掛るを 又 平す 

畏 つたと 刀 引 提げ 立 出る 又 平 むん ずと 抱き^お ^ f 

がり 留め) 

又 平 n レ がって くれく、 ぉ鼪 こそ 環 なれ、 $sf. おぎよ しみ、 わ I やって 

くれく。 

修理 ^徵 | おもなる is で ござる が、 ^の^は. ^かれす、 そこお 故し なされ。 

叉 平 ィ、 や^さぬ、 あが ちぎれても やり はせ ぬく。 

* ひお よせつし や まね $ , 、 

修 S ハテ My けの ない、 i てと あれば。 (ト おどしの 刀 を 見せ) 是非に 及ばぬ 拙者が 參る 妨げな さば 

W 弟子と て 用捨 は ござらぬ。 (ト鰹 口の 香 を さしお どす。 又 平 きっとな つて〕 

又 平 ム ゝ、 サァ 切った く。 

修理 ャ。 

又 平 サァ 切れ、 俺 を 切って から 行けく。 一 

吃 X ニハ七 



將監 



時代 狂言 傑作 集 一六 八 

f ゆ S- かた fei § かぐ ご stt afefi 

行く AJ やら じと 控 へ る袂、 あどし の 刀 をび くと もせず、 覺悟 極めし 又 平 を、 將 

げん いか がん. ^ く 

監 はった と 怒りの 顔色 

ま お じゃま だ に つく やつ だいじ むか I し? げん て み 

ェ 、又してもく、 邪魔立て ひろぐ 憎い 奴、 大事に 向 ひ 妨げな さば、 將監が 手 は 見せぬ ぞ。 

ト きっとなる。 又 平 思 人あって 雨 肌 をぬ ぎ 首 節 をつ きつけて。 - 



叉 平 サ 切らつ しゃり ませ、 切らつ しゃって 下されい。 

: • . こやつし^' こま しゅ , すけ こ やっか ま は ゆ 

將監 此奴 師匠 を 困らせ をる わい、 コリャ 修理 之 介、 此奴に 構 はす 早 や £ け。」 

修理 はつ。 

、と ごと はし ゆ 

飛ぶ が 如くに 走り 行く。 

ト修现 之 介 刀 引 提げ 行く を乂 平し がみ 附 き^る を 振拂 ひ、 逸 散に 走り 花 迸へ は ひる。 又 平 は^かけ 花 

道へ 行く をお 德走り 寄り 引 留める 花笾 にて 兩人 掴み合 ふ 立 廻り、 ト *、 ぉ德 しっかりと 又 平 を 抱き 留 

め、 舞籙 へやう く戾リ 下手に 引据 ゑ。 

; またへ- slyto き". *i » , . し ¥<- おつ 加 ま さ き ちが *s 

P.0 コレ又 平^ e 分けの ない、 お 師匠の 仰し やる も I! は. k 去りと て はおと ましい 氣違ひ 殿で は あ 

る わい なう。 

ト きっと 留る。 又 平お 德を ック 見て エイと 突飛ば し。 



叉 平 ェ、 く、 おのれにまで あな づられ るか、 チェ、。 A r a げ 

,M &ょ « の ^ひどと、 どうと 4 を^み お あ を 打って、 聲をも 惜しまず 歎きけ 

る、^ V ぎ やられず 。(ト將監 こなしあって) ! f 

i it ぎ f f f ぉぎ擎 をつ いで こそ, 手柄.^ 云: T へ は、 謹の 功 

に S の擎 i るべき」 仔 S なし、 しき S が i なし、 If き 又 1£ ノ 

へと る (ト立 上る をお 德 裾に すがりて) 

モシ どう あっても ァノ 人の、 1 ひは^ ひませ ぬ 力 」 

特監 ャァ 成らぬ 事 を。 

お^ そこ を どうぞ。 

將^ ヱ 、くどい わい。 (ト きっと 拂ひ 返け る〕 

へぎ やうぐ しく ど S ぺ^る。 ?突 放して 將 I へ は ひる) 

ト後又 平う つむいて 居る。 S し をく と i より 下り立って 又 Is 傍へ 來り、 思 入あって 又 平ず 

起して 手 を 取って。 

r I こ -i てう, -I も * き ふ 5 だ * 

I n レ でた 還 二き さっし やれ、^ の f は 仏た ぞ や、, ン 此のき 手水 fl と 定め 此 

吃 X 一 ^ 



時代 狂言 傑作 集 一 七 

^の I 鍵 を^き と 4qS の^で. Sil? し、 その^の! S り つば かり。 ?; $ の f 

ご *5 ゆび なに ゆ. oS かなわ,' な I ^ 7 / \ :,、- > - i o 

id おも 一 1st も 十本, ありながら、 何故 片輸に は 成らし やん した そいな ァ 

^TfK g ず f に 霞,; sf のき、 

Er くつる ともお は にと 止^と、 il を ii の、 ぎ やて つし けん、 

g さ^の i 翳、 sls^ f r ず s よ-、 ー& にきい 

ごと > 

たる 如くな. 5 

ト 此の 文句の 內乂平 思 入あって、 ^入より^ を 出し 硯筘を 持ち、 手水 鉢の 後へ 廻り 筆 を 取り 寄き かけ 

る、 お .g 始終 さしう つむき こなし。 文句 一杯に 書 終り 下の 方へ 來る。 ぉ德捨 ゼリフ あって 水盃 をす る 

心に て 手水 鉢へ 掛ける。 又平覺 期の こなし。 お 德抦杓 を 取り上げ 水 を议 まう として フト 手水 鉢の 面 を 

見て 合點の 行かぬ こなし。 又 後ろの 方 を 見て こなし。 びつ くリ 柄杓 を 取^し 义 平が 手 を 取りち よいと 

兑 いとい ふ 心に て 手 を 引 張る。 又 平 何 を するとい ふ 思 入に て 一^に 手水 鉢の 傍へ 來る。 ぉ德 手水 鉢の 

亵の方 を 指 ざす。 ^から 書いた とい ふこな し。 ぉ德乂 面の 方 を 指 ざす。 又 平何氣 なく 視き 兌て びつ く 

り あわて 裹の方 を 見たり 表 を 見たり、 ぉ德 左右より 視き 互に 大 びっくり。 

叉 平 す、 ぬけた。 

, L ノ やつげ し a tt し.^ せきめん 5 ちみ ► 

へ i れ r てた るば かりなり、 將監 一間 を 走み 出で 石 面 を 打 見や^, 



ト搏監 かけ W で 手水 鉢の 裏表 を 見て びっくり こなしあって • 

1 でつ 奇^ づ f00^fffff に r て は 例 少なし、 ホ、 

ヲ, 

. でかした^ (.0 

かお を&る ぎ、 plsffk g の と雾 るべ し。 

义平 己、 

ぉ德 f おしやります、 お g なら r 日ち より si に、 ^の挈 をお f なされて 下さります か。 

將監 ヲ、 g さいで t とせう、 n リャ Ml- の i を i ふる ぞ o ?懐中 よ" 袱紗 包 を S す〕 

叉 平 ス リャ是 まで。 

ひと > 

ぉ德 こちの 人。 

兩人 チ H 、、 有難う ござります。 

\ ふうぶ i またへ s かたで け** ぐ 、お に, こ ca、 

へ はっとば かりに だきが 悅び、 又 平 は 忝 しと も 口 吃, 9£ より 夕は淚 にく^ 

« 又 一七 一 



時代 狂言 傑作 集 1 七 一一 

そ §J さ こ 1 しも "-ぃ 一一 . i^r . P- めタ み. !i , ノ. f いんと" か f_ - て. 

將監 ヲ、^ の 悦び は 左 こそく、 此の 勢 ひに 乘じ 下の 醋醐へ 立 越え、 姫君 御朱印 取 返して 立 歸れ。 

. やくめ またへ い ぽめ > 

$ その 役目 を 又 平 殿に。 

ち せつ やく. o fc を * み = い , ふくだ^ J せろ H. » 

將監 大 切の 役目、 その ま \ にて は。 (ト奧 へ 向 ひ〕 誰 そ 居る か 身 か 衣服 大小 持て ゾ 

か しこ £ 

おひ 長 りました。 

\ こた げ V よ S ちで ひ ろだい かみしも i ぶぐと^- !v ろ f-^r 

はいと 答へ てう やくしく、 下女が 持 出る 廣臺 に、 上下 衣服 取 揃へ、 夫婦の 

前へ さし 置けば。 

ト 奥よ リ おひやく 衣服 大小 を廣臺 へ乘せ 持ち出て 又 平の 前へ 置く。 

それ や.; し& 2 ね 

將監 夫 を 差眷 へて 參れ。 

叉 平 へ ェ、。 (ト ぉ德 おひやく 手傳ひ 手早く 着替 へる。 おひやく 奥へ は ひる) ": フ, 行かう か" i 

はや ゆ 

ぉ德 サァく 早う 行かし やん せ。 (ト 乂立掛 りに 行かう とする〕 

t 501 う あつ .6 たき む. a もんどう » ' ^ . .a^i,^ ■ ' * » 

將監 アイ ャ 待て, -.. \、 心剛 にて 志 は M けれど 敵に 向 ひ 問答 せんに その 吃りで は^ 元ない 

ぞれ き づ. * <« づね. *\ だい お レ& まひ わたくし もろとも メ 

ぉ德 ィャ夭 はお 氮遣ひ 下さり まするな、 常々 臺 頭の 舞 を 好みまして、 私 諸共 シテ ヮキ にて 舞 はれま 

* し i tj ( わたくし を ' , . 

する が、 ^の ある 事に は 少しも 吃られ ませぬ、 私が ついて 居りまして 拍子 を 取て 物言 申させ 

ましたならば、 仕 負せ て M り ませう。 



將監 それ こそ *1 ひ^; fe も あれば、 ^1! よう |& せて る 門お の 壽 、 目 W 度う 一 さし 舞うて お 

ちゃれ。 で-後ろ にある 鼓 を 取" お徳に 渡し 舞お を 又 平に 渡す〕 

A ご j ま し レぞ r さ 1 *. よ. a めでた, 卞- » / - 

§ ハイく,. 畏 りました、 お^^様の 御意 ぢゃ、 目出度う 立ちな さんせ 

又 平 ヲヽ。 

ト將 g に Bsa して^ 中へ 立上り 扇 を かまへ る。 お ^下手に て玆を 持ち、 かけ^ をして 又 平 思 入、 吃る 

仕 紐み。 

、ヲッ と^へ てお おり、 おき » を^の^ に、 などら へて 舞 ひた. - ける。 

,1 ?: u つ zto* えら そ とさ ほうこれ また > 

お あに 靈 I の、 靈 の^ に § ふべ しと、 ゆ 勇 達者 を選 まれけ る、 夫れ は 七-佐 坊き 叉。 

へお: & のお が、 it の isAfe ぜんと、 ^にも & せぬ k 何 をば、 大 律の 

r Jr .o ご^しゃす a きん ゑ し い ( います- ひいろ あ 

^やおお の、 ^に li る 胡 粉 はお けれど、 名 は 千金の 畫師の 家、 今 墨色 を 上け 

に $ ぼう いさ o 

にけ hs »p く て 女 ほ は^み をつ け 

ま. ft ,よい かへ ラち > 

$ 叉 もや 御^の 籽 らぬ內 

«\tt なんた ち す、 o 

早 や 御 立と 進めけ る 

叉 平 ヲ、 ホ、、 、 、 いしく も 巾され たり。 

吃 又 一 七三 



時代 狂 1 百 傑作 集 一七 四 

み すみゑ さんす る をの こ かみ <- うぐ てい ぐ きんすな U ごぐ ざい 

身 こそ 墨 給の 山水 男子、 弒 表具の 體 なれ ども、 朽ちて くちせ ぬ 金砂 子、 極 彩 

色に 劣ら じと、 勇み 進みし 勢 は、 ゆ、 した ものし 我ながら。 

あつぼれ すみ 么 けなげ 

天晴 墨繪 の健氣 さよ。 

如 らね はしく わいち 

ぉ德 麼繪の 樊喰張 良 を。 

おぼしめ は £w ま を 

又 平 たてに ついた と 思 召せ、 早 やお 蝦 申します る。 

ト^ 篛を する。 ぉ德 大小 渡し 是を さして 花遨附 際へ 行き。 

へしし や <- ご おんか ゥぺ 5.5 f あし ふ また (い いま しゅつ ぜ かね 

師匠の 御 恩 頭に 頂き、 とう/ \ く 力足 踏む 又 平 は、 今 ど 出世の 金お とがい、 

あつ ばれし t にん ゑ で 41 ん い to 5- さ いそ ゆ 

天 暗 諸人の 畫 手本と、 勇み 勇んで 急ぎ 行く。 

又 平 噶供 せい。 

將監 it け。 

兩人 ハ ッ。 

ト 双方よ ろしく 仕組み 段 切に て 

幕 

吃 又 (終 60 







^Ss^t^^ ん 





爺 



法 富 士見西 行 (富 士見西 行 ! 二 S 

- 序幕 墨染 寺の 場 

役名 佐 藤則淸 入道 西 行、 松浪靱 負、 齋藤 五郎、 鼓の 十郞、 幾瀨屋 勘吉、 靱負 

一 子 乙 石 等。 

木舞 S 一一 一問の 間 通し 筋摒。 上手へ 寄せて 寺の 大門。 此 前に 大^ 佛 供養と 記した る 珐札を 立て、 下手に 

S 费張 りの 居洒屋 :吶 港附 めしと 書いた る 障子 を 立て かけ、 舞お;^ 屮に埒 結 ひめぐ らした る樓の 大樹。 

B 没よりも 同じく 釣 技、 すべて 伏 見 墨 染寺 門前の 體、 こ& に松浪 靱負官 目、 黑 羽二重 切つ ぎのお 装、 

笠の 浪人の こしら へに て蓖を 敷き 前に 書 附を笸 き、 此 傍に 一子 乙 石け し坊、 王 切つ ぎ 衣装に て、 扇 

を 持ち 謠を諷 ひ 居る 见得。 仕出し 参詣の 爺 婆、 町人の こしら へに て艽六 人立ち か V り 居る。 鳴 物 双 整 

にて^ あく。 

fs この si というて IM の? f 木く、 I も髮に r たで は ござらぬ か。 

富 士見西 行 一七 五 



時代^ 言 傑作 集 1 七 六 

: 、 ま. 4 とん { . てら お 措 ねんぶつ ころ はな てら さ^ ナゅ «t 

され は 毎年々々 このお 寺の^ 念佛の 頃に は、 この 櫻の 花 ざ かり ゆえお 寺に も氛 || がお いとい 

ふ もの。 

町人 ィャ もう, 今年 はいつ もより 十 供まして の I がさ、 ^と マァ この^いお^ の 鑑 に、 ^きま m 

し 3. うにん 

あまたの 商人。 

ろ ひと ぐんし ふ まな とく ね- > ぶつ AI ノゝ 

〇 所せ きまで 人の 群粲- これと いふの も 花の 德 あり、 お 念 佛の德 とい ふ もの。 

皆々 いかにも さや うぢ や。 

\ ,一 • x 、 I I - . ご & t はじ じ ぶん なん てら ま ゐ 

<q ィャ モシ 念 佛の^ と 申せ はもう 御 回向の 始まる 時分、 何とお 寺へ 參 らうで は ござらぬ か。 

〇 ほんに さう しましょう わい の。 

皆々 サァ, C ござれ/ \。 

ト 双^に て $1 々門の 內へは ひる。 床^ 瑠璃になる。 

^ S^C^"AV の Ktt なむる みだ ぶつ ク ぐんし & ,一 - :t 

仇 口 々も 法の 庭、 南無 阿 彌陀佛 と 打ち つれて、 群集お しも わけられぬ、 g の 

さとりに 埋れ 木の 我は险 かね ど^の かげ、 かい もお え ぬ^^の、 ^の 

いた 一 紙 を ひろげ、 五つば からな 子 を つれて、 1&ー慰»^の、 m らを is に 

謠 ひ聲。 



ト この 淨 瑠璃のう ち靱負 子役 へよ ろしく こなしあって、 

S はし 25 そら 0«* おやこ あは- -i- » 

靱負 地 を 走る 鼠、 空 を かくる 翅 まで 紈于の 哀れ 知ら ざらん。 

だんな がた お がふ 9 き ね^? 4* - あ: > 

乙 石 旦那 さま 力、 御 合力 をお 願 ひ 申し上げ まする。 

ト こなし。 此 うち 參詣の 人々 上下より 行き 違う こと、 菡 の 上へ 錢を投 る。 

S ぶつ kT3J う fei . • , 

靱負 況 んゃ佛 牲同體 の。 ありがたう ぞんじ まする。 

r» I あみ 5- a うち み わう ^や うち^に ' . 

はふる は 淚か編 笠の、 內 しめ やかに 見えに ける、 往來の 內に何 やと もしれ ぬ 

i たちと ま 

男の 立^ら。 

ト 仕出しの 往來 のうちに 幾瀨屋 勘吉、 羽織 尻 はし 折り 雪駄 町人の なりに て 出て 來り、 靱 負の 笠の 內を 

のぞき あたり へ こなしあって、 

、かさ の IV あ is きみ たネは 

. 笠のう ち をば さし 靦き/ \、 後先 見 ま はし そっと 立 寄. 5 

i うた ひと か ,:> きち み ひと _? と 

勘吉 ィャ もし 謠を諷 ふお 人、 わし は 勘吉ぢ やが 見れば あたりに 人 もな し, 一寸 もの をい うても. K 事 

あるまい かの。 

ト思 入あって 双 盤に なり 靱負 こなしあって、 

靱負 ハ 、 ァ、 勘 吉 さんと は どなたで ござり まするな。 ; 

富 士見西 行 1 七 七 



時代 狂言 傑作 集 

S 口 っァ Si わしが S へ贮 えて、 で ござる が、 ちと sf たいこと が あると いうて、 ソ 

レ鉞: t の^に お fl?l で弒 きうた、 4江ぐロ" の ぢ やわい の。 

靱負 ェ 、それ は。 (ト こなし〕 I r § よそ 

I ハテ お^ないく、 さう した^ ぢ やによ つて SI、 今 J! こなたの 所へ^ てお 內傣 も餘 所な 力ら 

^.4 ました、 ついでに iiii りして 一 £ かう と戤ひ 彭へ炉 たが、 ハー &ぃ 所で 逢 ひました なう。 

> と 、, ふに NJ なた も 近く さしよ 6^ 

』 う、 を なに さ-つ だん 

敏負 ssilgj がら ほど あってお が^い、 かう した 身の上で 居ります る ゆえ 何 かの 相談、 シテ 

おたのみ しました る 俵 は、 何とな されて 下さります るな。 

I tc ,t わ うら 5 * いは k -に f «■•.**- 

勘吉 サァ その si の i について。 (ト あたりへ こなし) 何 をい ふに も爱は 注來、 幸 ひ あの まお 

は^が^から? s て^ & なれば、 あそこの ぉ鹧 を^りましょう。 コレ息 f を つれて サァ ござ 

れ。 

* と 行かん とする。 

おといし * 

靱負 アイ ャく、 ^れ にも この iiF^ かした うご ざり ませねば これ はこの ま \ コレ乙 石よ と" は 

^ あなたと つれ^って ぁのす&& の m に&る ほどに、 この 敷蓖ゃ 書&を 取られぬ やうに 番 L 



て E いよ、 かなら す どっちへ も 行くな よ。 • 

-と いひ ふくむれば。 

力, 4J に は A" r I 

乙 石 ィャ どっち へ も 行き やしませ ぬ、 わし はこ \ に ゐて錢 もらうて おく ほどに、 早う て ござ. £ゃ* 

へい ふに ほろ, 9 と 眼に たまる、 淚 かくせば。 

ト靱负 ちょっと 愁 ひのこな し、 勘吉思 入あって、 

UJr ' - ^ はつ う ほ: こ t .こ. e* <J 

勘吉 ィャ モウ 年より は 利發な 生れ, こなた もこの T はか、 りつ 千、 たのもしい 子ぢ やく、 直に 來 

る ほどに こ 乂に 待つ て 居い よ。 

乙 石 アイく。 

JJ らラ にん ゆ 

勘吉 サァ御 浪人、 行きましょう。 

^ だべ ひ ちゃ や St £ 

とい ひつ、 淚の手 を 引いて、 茶屋が うちへ ど 誘 ひ 行く。 

ト^^ 靱负を 俘 ひ 下竽の 洒屋の 内へ は ひる、 乙 石 は 後 を見笾 る こなし。 矢張り かすめし 双 盤。 

w\ * な , た, す ひぐ a さいと 3 らう しげあき だい ご 41ん ハ もと あ. つ 

冏 じ^-に、 住む かひ もな き 日 かげ 草、 齋藤 五郎 重 秋 は、 六 代 御前 を 妹に 预 

ち、 3れ も J 4^ さ う ぷか あみが 3 ひと おな とこ も 

け、 父^ 盛の 敵 をば 討たん とねら ふ 深 編 笠、 人 だち 多き 所 をば、 心がけて ど 

あゆ > ひ, . ち V か いなみ はし ゥ 

步み來 る、 父が をし への 四海 波、 しづかに 走って あとに 附き。 

*S 士^ 西 行 1 セ九 



時代, 狂 is 傑作 集 一八 o 

ト右鳴 物に て 花道より 资藤 五郎 出て すぐ 舞^へ 來 る。 

乙 石 四 si かに^も S まる Ms、 mMBfffl. 

へ あい 1 な&ぃ & <t—JH- %o 

愛に あい もつ その 姿、 何 心なく 見合す ぼ 

を ひ おといし 〜 

五郎 ャ そちゃ 甥の 乙 石で ない 力 

乙 石 アイ 伯父 さま かいな う。 

- あた み 

へ 4 がさ まかいのと 取りす がる、 抱きしめながら ぎょっとして、 邊り見 ま 22 し 

か 3 o 

笠と, CV すて 

五郎 なんとも もって が&£ かぬ は、 ¥ 端 も ゆかぬ その^が 袖 乞す ると は、 こり や 乙 石、 そちば かり 

かた f しまた、 兩 I ともに 袖 乞す るか。 

乙 石 ィャ Iffi は にゐ て、 ^さまと. 一 1^1 飄 うて^き まする、 およその 小父さんが 來て、 ァ レ あの 

C ろ. り やうち, い , n 

煮寶屋 の內へ 行て^-ご ざり ます る 

へと いふに かけよりす だれの が を さし 舰 けば、 靱 負が 形 は 破 紙子、 やぶれ ふす 

ま を 巧に 若て、 辻に 立っ^ る 厄 人 も 及ばぬ 形 を 見る よら も、 思 はず はっと 胸 



s« * もつ め なぬ ぐ > 

ふさが り、 しばし 淚 にくれ るが、 思ひ續 けて 目 を 押し 拭 ひ。 

しゅくん さ .V 一う のやきよ^ め わか, - ねん らカ にん.. にせ しゅ べん 

五郞 ハ 、ァ もっとも さう あらう、 主君 佐 藤兵衞 則淸跺 に刖れ てより、 十七 八 年の 浪人 殊に 主君の 

ひめぎみ ながく やう. S く その うへ それお し だいご ぜん ちづ に; W ぼ; 5 d ま^ : 

姬君を 長 A の 養育、 其 上 また 某 が 六 代 御^ を 預けお けば、 女房の 緣 とて 麁 末にせ ぬ義 St がた 

§ ひ ねん この S た & み せ, くら ほャ * ほつな A ゆきえ 

い 侍。 五 年 此が目 かいは 見えす、 ^を藏 につんでも たまらぬ 笤 とはい ふ もの-松 浪靱 負と 

ぶ, レ- ,* どぐ ち fc. そで ご ひ む ぬん * く ちゆ ' , 、 > . ^-^ 

もい はる^-武士が、 門口に 立って 袖 乞す ると は さぞ 無念に あらう 口惜し からう ハテ 是非 も 

なき 世の ありさま ぢ やなう。 

n, 1 を ひえ 5 な,, > 

しばし 淚 にくれ り、 も、 甥の |S もと 撫で あげ/ \0 

ト 五郎 愁 ひのこな し、 子役へ 思 入あって、 

おといし お * C そで、 J ひ s*5- ひめ? * II , 

五郞 コレ乙 石よ、 熟 子が 袖 乞す る こと を、 妹のお 六ゃ姬 君に も ごぞんじ あるか。 

乙 石 イエ/ \、 そり やど うぢ ややら 知り ませぬ が、 I にもい ふなと 父さんの いひつ け、 伯父さん も 

し くだ 

知らぬ ふりして、 ちゃつ といんで 下され や。 

二 じうと それがし じ ? 》 き どく p i 0U 

五郎 ヲ、 もっともく、 いかさま 小舅の 某 が 知った と 思 は ビ氣の 毒に も あらう、 負 ふた 子に 敎へ 

あさ * - わた X • 'こう » > う • おひ » 

られ 淺瀨を 渡る と 世の 諺、 ハテ そちゃ 利口な もの ぢ やなう サヽ もはや 謠ぅ たはす とも ァ 

ちゃや, か やす , ► 

ノ 茶屋へ 1& て 休み やれ。 , 

富 士見西 行 一八 1 



時代 狂 雷 傑作 集 一く 一 

乙 石 そんなら モウ 行かつ しゃる かや。 

五郎 コレ^ < にしつ かり 附 いてた-かれ なや。 

乙 石 アイ, v<\ -。 , 

.li^ に赋^ 五 船、 の^へ^ s、 ?! 屋が 店へ と 別れ 行く。 

ト I 五 §5 內へは ひる、 乙 石 下手へ こなし。 £ いぜんの sis 手 を 引 ーさ出で來 りこな し 

あって、 

m 負 ィャ モウ^から 傩 までお-お !H ありがたう ぞんじ まする。 : 

し 》■ うな * M* ,3 よふ や ラち なん 

き 口 g の その ほに は S ばぬ こと、 M の !!& はこつ ちがき 考 鈀に 夜更けて 行く ほどに、 家で は 何に 

もい はぬ こと タナ コレ。 (ト靱 负に嗨 く) よし 力 (ト^ 入〕 

& さい ち - 5 

靱负 ^細 承知いた しました。 

ご *9 つ にん 

勘士 n そんなら 御 浪人。 

の t ほど » \ 

靱食 筏 程お 目に か、 りましょう 

sn ばんよ、 おとなしう しましょう ぞ, 

\ あし ぼや た. ^ o 

< いひす て、、 足早に 乙 も 立ち 歸 る 



> 勘吉 こなしあって 錢を 投げて や" 花道へ は ひる、 後に 靱負 こなし。 

よ ご し, J せつ ひと おといし ち- みせ * & もと W5 ^ 

靱負 ァ 、世に は 御 親切な 人 も ある もの ぢゃ。 コレ乙 石よ、 ハ乂が 店、 櫻の 元へ 伴うて 往 てく れいよ • 

乙 石 アイぐ。 

へ わ? - 乙 つ * はしら し ひと しら かみ み 5 へ. & むしろ 5へ n «tt 

我 子 を 杖と も 柱と も、 知る 人 ありと も 白紙に、 身の上 書いた 藍 の 上、 押し 直 

りしが 打ちし をれ、 何 か 忍 ひの 謠に まぎらす 聲 くもり。 

ト 乙石靱 負の 手 を 引き^の 上へ つれ 行く。 K 负鼓を しらべ、 

, かな 1VS i お 4 

靱負 悲しみの 淚も 眼に さへ ぎり、 思 ひのけむ り。 C ト謠 にて こなし〕 

、たび X なほ すみ ころも み 3 AM, ひ? う A のり ふだう 

旅 はう き 世は猶 うきと あきらめて、 墨の 衣に 身 を やつす、 佐 藤 兵 衞則淸 入道、 

さい y やう はふ し な あ 為 上りと IB ふ tr こ S や. o A- らち か か 《 a ほ 

西 行 法師と 名 を 改め、 賴朝 のた のみに よって、 苒び故 鄉の签 あく、 歸. 9 催す 

€ら ラち^ 

櫻 かげ、 打 見に しばした、 ずみ たま. ひ。 

ト 右の 文句に て 花 逍 よ" 西 行 法師、 ^染衣 旅な り 風呂敷 包 を脊負 ひ、 扮笠を 持ち 杖 を ひき 出て 來 る。 

花 S3 に來 ると K^t^ を あしら ふ、 風の 音に て 樓の花 散る。 

1 はも ほな Ef*- ぐ ほんらい こ? i か ぶく うれ 5 、つもく 乙く ど けんぶつ もん は *J 

西 行 誠 や 春の 花 は 上 求 本来の 棺に ひらき、 九 1 二 伏の 愁 ひもな く、 草木^ 土お のづ から I 佛閒^ の 

けち.^ ん ふ かぜ ち ふ >-ぃ お もしろ 

結^、 そよ 吹く 風に 散り か- 1 る^ 情 も 一 しほ、 ハテ 面白の ながめ ぢ やな ァ。 

富士見 西 行 1 八 三 



時代 狂 首 傑作 集 一八 四 

M 化に 心 もよ ねんな く、 ながめ 入って どお はします。 

ト西 行舞臺 へ來 り、 上手よ き 所の 岩 臺へ腰 を かけ 櫻に こなし。 

おといし i ほち ほ * , あつ > > > 

靱負 コレ乙 石よ、 いつもの 通り 散った る 花 をば 集めて おいた かや 

乙 石 ィャ、 まだ はき はいたし ませぬ わい なう。 

つねぐ とま f わ.^ く だい さろ おん お しラ ち はな 

瓠負 それ/、 それが わるい、 常々 もい ふ 通り、 この 花 は^々 がた めに は 三代 相 恩の 御主、 散った 花 

そ Qp< ,-, ら * ちし は *" あつ 

でも & 略に はならぬ、 注來の 足に か X らぬ うち、 早う 集めて おいた がよ ぃぞ や。 

乙 石 アイく。 

、,》 といし *-20 tt な 》£ あい . J<- ぃズゃ n 巧ち 

乙 石 はすべ の 箒で 花 ちらす、 わやく 交り も 愛らしく、 西 行 はっく- とおな 

がめ。 

ト此 うち 乙 石 はう きを 持ち出し 散った る 花 を はきよせる こと、 西 行 この 體を しばし ながめ ゐ てこな し 

あって。 

よ .H しじ < しひ ど つき あい はな あい ふ 5 お I > ^ 

西 行 ハテ 世に は 念 者 も あれば ある もの、 コリャ く 盲人、 月 を 愛し 花 を 愛する 厘雅 あって やさしけ 

i I こと «is うおん ^ぷ ' » t >?u i % . 

れ ども、 さほどに 敬 ひ 尊むべき いはれ なし、 殊に 三代 相 恩と は 花に つか はる X とい ふ^-力 尸 



-け た、 まし やと 述べた まへば、 靭負 ははつ と 手 をつ かへ。 

はな 1 U. やう は * S わう せ? 

負 どなた さま か は ぞんじ ませぬ が、 花 を 敬 ふ を異樣 にお ぼしめ され ませう が、 この 花の 俵 は 往昔 

と ぼ はふ わう ほ >r*. 一よ みき はる す みぞ.^ さ ラた とく とレ かおえ だ すみ さ 

鳥 羽の 法皇 崩御の 砌り, この 春ば かり 暴:^ に^けと よまれし 歌の 德、 その 年は片 枝が 墨 に^き 

• せ 力 す,. t ぞレ ?. ち.. ど. S- な す みぞ. 0, 9 づ うた び i わが せがれ だい 55 おん 

それより 花 を擧, 染櫻、 所の 名 を も 墨 染 と名附 けしな り、 この 歌人 は^ために 枠まで は 三代 招 恩、 

* -? f y こ-ろ , i しゅじ, 5 こん い f ぎ- 1 $ 

草木 心なし と は 申せ ども、 主人の 心^の 入った る 櫻 木、 敬 ひかし づき. & します る。 

へ-^ ま a ふら ふ 乙と かた さい ふ しぎ T 

敬 ひかし づき 候 と、 事 乙 まやかに 語る にど、 西 行 不思議の 思 ひにくれ。 

しう なにも 

行 それ を 主と は 何 荞ぞ。 

^ ^11 • ^ み わが t ら 5- S つなみ ゆきえ 

と 立ちお つて、 笠の 下さし のどき く、 よく/ \. 見れば 我家 來、 松浪靱 負が 

み 4 しまら 

なれの はてと、 見る よ 6 はっと かたへ に 飛びの き、 暫くた めら ひた まひし が 

みプ なが ひと なりゆき よ せいす も も びん も0 あ T* 

水の 流れと 人の 成 行、 世の 盛衰と は い ひながら、 不便の 者の な. OS ふ, o や、 淺ま 

' » ) なさ かれ み われし ゆつ 

しの 身の はて やと、 うち 淚ぐ みたま ひしが、 彼が あ ftN さま 見る につけ、 我 出 

家して 其 後に て、 妻子の 事 はどうな りし ど、 様子 聞きた や 問 ひた やと、 かけ 

, >• . „ ほ i<H~ しめち か A も いだ 

よ. o,. (- した まへ ども、 佛の 戒 誓 ひ をば、 思 ひ 出し V よそ^-しく。 

富 士見西 行 1 八 五 



時代 狂言 傑作 集 ~ 八. I、 

ト此 うちよ ろしく こなし あ つ て I ^を 拂ひ、 

めし ひど そば か きつけ しう , . :: ■ 

西 行 コレ< 盲人、 傍に ひろげし 書 附に主 を はごくむ あだて と あるが、 はごくむ おは l^f, か!^ 

ひと リ も £f ^ 

か、 一 人 なれば まだし も、 若し 二人 なれば さぞ 難儀に ござらう なう。 

へ 3 いし ふたり と ごと こ ゑ 

妻子 二人 はか はらず かと, いはぬ ばか ftN の 問 ひ 事 を、 聲 ひくましての たま/ 

ゆきえ なんき C ごし C ーノ r ✓ 

ば、 靱負は 何の 氣も つかす、 小 腰か^め て。 

なさ ぶか き くだ 

靱負 こ はお 情け深い そのお たづね、 お S きな されて 下さり ませ、 (ト 床の 合方へ t.s を 入れ 、鞭 負 こなし あ 

^^わ y くし しゅじん か だう * 一の ねん うた, ノゅビ jk- ,0 -メ p: i ノ 

つて〕 元 私 主人 は歌逍 を 好み、 十七 年い ぜん 歌^ £ と Iris してお is ぎ^れ す、 あとに の 

おくがた ち のみ ご .S だ はう.. t\ 0> X, ヌ 3 fc I ピ, 

こりし は、 乳 呑 子 を 抱き ガ々 とさ まよ ひ、 ^に の^に て 1^^。 

* う レ 

西 行 ャァ それ は。 ハテ 笑止な こと ぢゃ なう。 (ト愁 ひのこな し〕 

いまやう いく その ひろさみ ち i つ たま p& s & r L 

m 負 今 いたす は 、 智惠附 き 耠ふダ より 十七^の < ^まで、 n のこと を^ ひこ がれ、 ま 

風 はげしく 吹く 時 は、 野 山 を 家と はなされ ぬか、 雪の 夜- I を^ち I つて は^^え はなされ ぬか 

と! 仪の E も あはす 泣いて ばっかり、 あまり^る^ のいた はし さ、 せめて si をお せまいと^^ 

の ものが いひ 合せ、 靈 して は i へまる 4rar ま i、 i はしめ でも に g ぎ g はす ゑ 

ませぬ、 sf う 父御へ、 i し 中し お? が やめた さに、 お^け 驟 いお^と Is^i みつひ^:? も^ 



もれが た, あお なにとぞ し , y だ. • > 

物語、 おぼし 當る こと ござらば、 何卒お 知らせな されて 下さり ませ 

A\ さいぎ や 5 かな つらみ よ べんばん ぐ わ 

"とい ふラ ちょ り も 西 行 は、 悲し さ 辛 さ 身 も 世 も あらず、 心 は 千鏺萬 化に か は 

>rc あ S な;? W お おも しブ CS 

ら、 胸に 餘る淚 をば、 のみ 乙み,/ \ 押してんでも、 思 ひに 沈む 苦し さ を, Z 

ft なさ かた て り ゃリ て あ, は こ、 ろ t いる > J 

たへ かねて かたへ に 立ちの き、 痰 片手に 兩手を 合せ、 心のう ちに 心の かため 

な む さい は $ まんお くど わが そ しゃ そんみ だぶ つ ぶつ, ん; ' fc き > 

西 行 南^西 ガ十^ 億. H の 我 龃、 釋尊镧 陀怫の 二 佛ー體 たしかに IS け。 

、げん T い め し Si とけ やぶ 乙 fr むね 

現在 娘 は 乙 がれ 死ぬ とも、 佛の いましめ 破らぬ/ \ と、 答へ る つら さは 胸が 

ほュ ぐ だ さと ぽんぶ しん ゥ ぞく わがお も みらい な 

さくる!^ が碎 くる、 悟, 9 きつても 凡夫 心、 有 俗に か はらぬ 我 思 ひ、 未 來は奈 

らくし プ あ み わが こか ほみ ぉ& I 

落に 沈まう とも、 逢 ひたい 見たい 我 子の 顏、 見まい と 思 ふ はこれ なんど や。 

し. y- っプ く 9 き ぞく てん もし ひと リ お f 

一子^お の 功力に よって、 九族 天との 敎へ のことば、 それば つかりが たのしみで 一人の 娘 を m ん 

かな ちか わす なむあみだぶつ., /、く 

ひきり、 必らす 誓 ひ を 忘れた まふな、 南^ 阿彌 陀佛々 々々々々々。 

- と^ふる うちに も 目 は淚、 また かけよって! g 負が 颜、 我 子の かたみと うちな 

がめ、 どうと 伏して ど 泣きた まふ、 靱負 はなげき の聲を とがめ。 

ト西; 仃 よろしくお 5 ひのこな し、 此 うち^ ふしぎの こなし。 

富 士見西 行 1 八 七 



時代 狂 言 傑作 集 1 八 八 

r J» つけ さま ひと なげ み てん みち 3 . あま S は ご し IP.S; ん * * たづ, 

靱負 御 出家 樣、 人の 欵 きを 身に とる が: 大の 道と は 申しながら 餘り澤 なる 御 愁欽, もしゃ 尋 ぬるお 

^では。 

■C け ぐそう とう も さい レす お つけ めば やま : は-なし ,き 

西 行 ハ テ譯 もない、 愚僧 は闢東 者、 妻子 を^て \ 出家と なり、 はるぐ と 都に 上り 今 こなたの 話を閗 

こ おもだ > な ま fc われひと: S つけ » あいぶ やく ネん ま 

いて、 故鄕 のこと を 思 ひ 出し、 もらび 泣 をし ました、 我人 出家と いふ もの は、 愛着の 念 を 放れ 

はき だいじ そ p ひ 5 このせ う,: 』 き,, -、^ : - ;】i- お.?、 

いで は、 佛の 心に かな はす、 こなたが 大事に する 其 娘に も此 道理 をい ひ閗 かせ, 親の 事を^ ひ 

き にあ は&ん さか はなち * ^ ' > C ^ » 

切らせて 似合し き綠 にもつき、 盛りの 花 を 散らさぬ やうに とてもなら I 話 をし やれ, 袖 ふり 

あ ち fe* まづ き おぶ ,ぎ » r そう *5 く は, , * - 19 

合 ふ も 他生の 綠、 貧しい と閗 けば 合力で もして お ませたい が、 愚僧 も貯へ とてもお ちゃらぬ 

*s こ ども 

ヲ、 幸 ひ、 こ- 1 にょい 子供たら しが ある" 

n\ むす 乙 よりと も たま は しろが は ねこ いだ cto ? 

れ なと 息子 へ おまさ ラと、 賴 朝より 賜, 9 し 白銀の 猫 とら 出し、 心 は 娘へ か 

たみと 思 ひ。 

ト思 入あって 頭陀袋に 入れし 袱紗 包の 銀の 猫 香燧と "出し、 

西 行 n リャ くぼん ょ爱 へ來 いく、 これ を そちに おまさう ぞ。 

乙 石 アイく。 

- さし 出した まへば 乙 石 は 手に 取.^。 



ト乙石 立 寄り 件の 猫 を 貰 ひ 

と. * さ i しろ ねこ もら 

乙 石 コ レ父樣 こんな 白い 猫 を 貰うた わい の 

へみ it めし ひど 3 

, 見せても 見えぬ 盲人の 

ト权負 猫 を さぐり こなし あ つ て 

お れい S を « ん ねこ S つけつ 4 ベ 

靱負 ヲ、 そり やよい ことであった、 御禮を 申せ、 ありがたう 存じます る、 猫 は 齧 血の 德 ありと て 

のう しめし ふ. A くだ キ うす 

1 能の ある もの、 思 召 深き 下され もの, どうがな 樣 子の ありさうな, 

み ひと く ? i と i 

西 行 ^見ん とむ れつ \ 人の 来る の みぞ、 あたら 櫻の 科に ぞ ありけ る • 

なにとぞ う はな」 % 

靱ね 何卒 打ちと けて お 話 を 

.Mn け み * ま う 

西 行 出家す る 身 は 山の 埋木 

紋負 スリャ どう あっても、 

ft にごと しょ? かせう &っ く ( 

西 行 たに 何事 も 諸 ^消^々々々々 < 



と あし ぼや ち 

櫻の 元 を 足早に、 散 



て行衞 はな かりけ, 90 

西行愁 ひのこな し、 R 負す がると W: 行 ふり 拂ひ 足早に 花道 へ は ひる、 钗负筏 を 尋ねる こなしあって 



すがる も かける ラっゝ にも、 思 ひ よらねば。 

富 士見西 行 1 八 九 



時代 狂 首 傑作 築 1 九 C 

乙 石 コレ 父樣、 今の 坊さん は どっちへ 行かし やつ たわいなう。 

ト あたり を 杖に て 尋ねる こなしあって 是非な きこなし、 

* ひ^じ P した ぶ 1 おといし 5 ち 

靱負 ナ - いづれ へ かしゃつ たか、 ァ 、ま, -ょ。 貧者の 親しき は 無 語の 元、 コレ乙 石、 モウ 家へ も 

みせ かたづ ) 

どらう か、 店 を 片附け やい なう。 

乙 石 アイ.,^。 

ト乙 ^櫻の 元の 蓖を卷 きしまう こと、 

\ K ごしら JJ- つ o ttteb ん おとうと らゥさ だ:;: だいご ぜん せんな » 

ぺ か &へ する Mi ふより、 鼓の 判官が 弟 十郞定 直、 六 代 御前 を 詮議の ため F 

? へ .C ぐ >-<H おといし て ひこ かう ろ め O 

々^歷 巡る 通, 5 がけ、 乙 石が 手に ふれし、 猫の 香爐 にきつ と 目 をつ け 

ト此 文句のう ち 双^に なり 花道より 鼓 の 十郞袢 引ぶ つ さき 羽織 大小 のな りに て、 黑四天 四 人附添 

ひ 出て 來る、 乙:.? が 手に 持ちし 猫の 香 爐に目 をつ け、 四 天の 皆々 も!^ き 合 ひ 思 入あって、 

^ そで JJfc- 3L6,?VJ,4 たいせつ かう ろ しょ ぢ 

+ ^ ャァ のぶとい やつ、 見れ は 袖 乞 をす る 分際で ァノ ちつべ いが 大切なる 香爐を 所持な す は たし 

かに 憩¥ の. y^、 S めが さす s?、 かたりと つた か^んだ か、 まづ その 香爐を こっちへ 渡せ。 

A わた o 

乙 つちへ 渡せと もぎ か、 る を 

乙 石 ァレこ は いわいな う。 



m 靱十靱 十 m 

負 人手 負 郞 负 郞 负 



トリ- 3 乙 石の 持ちし 香爐を H らんと する、 乙 石^な にす がる、 これ を 力 こ ひ 

お- .1 ま 4. ぶ そで 一 J.S A す -れ がし せん- 1 くみち ゆ .P-VM- 

こは& ひも よらぬ, 今の 仰せ、 袖 乞 はいたせ ども^み などいた す 某 なら や、 先^^ 行く: k 佾 

の、 S へ へ Si られし sfe びと こそ 狞ぜ しに、 九 切なる^ と ある はま づ 何にもせ よ、 此方 は 

ころ V わい _ 

もら ひもの、 はやまって 後悔の めさる. ^な 

そ e かう ろ さう しう しギ たっさ は ゆみや ^ベ ぉぷ - , 、は. > - * ^ 

ャァ ぬかすまい、 かたじけなくも 其 香 爐は、 相 州^ i",^ にて 弓 矢の 德を 現せし 功に よって 

ともこう り f に ふ だう / - ねに 4£ に L ► 

朝 公より 則淸 入^につ か はされ たる 猫の 杏^。 

ト これにて 靱 負開邛 立つ こなし" 

そのの"^ よに ふだう さ ひで つお のり キ; よさ ま 

ァ 、ィャ しばらく、 共 則淸 入^と は侬藤 兵衛 則淸樣 か。 

ヲ 、 いかにも。 

ァ 、 ホイ。 さて は 今の が。 

n. sr. が ひつ > 

そんなら さう とかけ 出す を 引つ かんで 

ト靱負 is いてび つく リし てかけ 出 でんと する、 ^人き つと 尨り^ き、 

うごく ま い ぞ。 

•I *-レ カリ き. >! さ? 

なか/ \ 逃げ も 走り もせぬ なれ ども、 これが 則淸樣 なれば。 

{:H 士见西 行 一 九 1 



時代 狂言 傑作 集 1 九 二 

ト 行き かける を十郎 つきた ふし 立 ふさが リ、 

十郞 ャァ ならぬ く。 ソレ碑 i めから ぶちす ゑよ。 

柿 人 心得ました。 (ト乙 石 を 捕 へんと する 〕 

乙 石 ァ レこは いわいな う。 

<»• つ 》< g»- え きふなん と tt う > S 

"しがみ付く、 ャレ 待った/ \ と 靱負は 急難 途方に くれ、 追 ひかけ 行かん も か 

な は^こ も、 せんかた なさに 兩手を あげ。 

ト乙石 はこ は いわいな う- (- と靱 負に しがみつく、 捕 人 皆々 乙 石 を もぎ 放さん と 立ち か、 る、 これ を 

靱 負いろ^, \ あせる、 つきのけ >( \ 思 入、 盲目 ゆ ゑ せんかたな きこなし。 

靱負 ャァ《、 一通り 云ひ譯 あり、 心 を しづめ ffl いて 下され、 いづれ もがた。 

十郎 云ひ譯 あらば 早くぬ かせ。 

f» しプ k なほ a すい わけ * 

とおし 靜め、 座に 直って 盜 まぬ 云 ひ譯、 いはんと せし が 待てし ばし、 もら ひ 

わけ よりと も いんもつ もんぜん わら ぺ す どうぜん ご にち とが 

し譯 をい はぐ 顆 朝の 音物、 門前の 童に やった は 捨てた も 同然と 後日の 咎め、 

元 よら 件の 旅僧が 主君と い ふで もな し、 とかく 猫 を 返せば 濟 むと 取 出せし が、 

まん しゅ ぐん とき かう ろ ひめぎみ わた ろ 

いや/ \ 萬 一 主君であった 時 は、 M の香爐 を姬 君へ 渡せと あるお 心で つか は 



わがきみ モる _v む 

された 乙と も あらう、 すり や 我 君のお 心 を 背く とい ふ もの, "テ どうがな と 

猶豫 のうち 十郞 いらって。 

て う かろろ 

十郞 ャァ 手ぬ るいく、 おちす ゑて 香爐を もぎ とれ。 

捕 人 心得ました。 

へげ し S5 けらい た めし ひど わが _J か 5 ろ 

下知に 隨 ひ家來 ども、 た、 き 立 つれば 盲人の、 我 子 を か、 へ 香爐を かくし、 

遁 れん 逃げん と あせる ほど、 踏む やら 獄る やらた くく やら、 すでに 危く 見え 

3 い. M う らう じ 9 い みつ と きた け らい ぉほ せい 

たると ころ に、 齋藤五 郞寺內 より、 かくと 見附けて 飛び 來ら、 家來の 大勢 一 

つかみ、 投げの け/ \ 親子 を か M ひ、 仁王 立に 立った る は、 心地よ かりし.^ 

だい 3 

第なら。 

ト 始終 双 盤に てあしら ひ、 捕 人 を 相手に 靱負 盲目の 立廼 り、 子役 を かば ふこな し、 ト,、 さん.? に靱 

負 を ふみす ゑる" 此時 門の 内より 齋藤 五郎 出て 來り それと 見る より 此 中へ 割って入り きっと 見得、 十 

郞齋藤 五郎 を 見て、 

あや せんぎ, f だ ナ らう にん 

十郞 ャァ 怪しき やつの 詮議の 折から 、さ- T へ 立てす る 素浪人。. 

お: « めナ つと どうる ね 

o こやつも^ かた 盗人の 同 羝。 

富 士見西 行 ,1 九 一一 一 



厶 

五良 

捕 人 



皆々 



時代 狂言 傑作 集 一九 四 

な は 

サァ 13!: 常に 繩か i れ。 

こ し „w あ をば. S * よ */ わ 5 て * 

ナ 二 小癥 なる 靑蠅 めら、 慮外 ひろがば 手 は 見せぬ ぞ。 . 

ソレ、 ものない はせ す 打って とれ。 



心得ました。 とった く- 



\ 3 *き りた たじない » » 

打ゥて か、 る を 乙と もせす、 切 立て /\ -な ぐ, 9 立て、 寺內を さして 追 ひ 行け 

ば。 



ト此 時寺內 のうちに て 

n» けんぐ わ てら 5 ち ぽゥ 7 さん ォ いぐん しふ ラ ( した 

ャ レ 喧嘩よ と 寺の 內、 はっしと たって 棒ち ぎり 木、 參詣群 槳は上 を 下、 まき 

の かりば ごと 

野の 狩 場の 如くな, 9。 

ト双 盤に て 參詣人 大勢 喧嘩々々々々 と 逃げ 步く、 參詣 人手に く 六尺 棒な ど 持ち 捨ゼ リフ にて 上下へ 

かけ 走る ことあって、 ト^ 上手の 門 はし まる。 

A a つな. * ゆきえ てあし S ずつ むねん A み 

あとに むざん や 松浪靱 負、 顏も 手足 も疵 付きて、 無念と あせれ ど 眼 は 見えず。 

ト靱 負さん,.^ に 打 たれ 引ぬ き やぶれた る 着附、 乙 石 を か X へ 苦痛の こなし、 



a 1 > i ゆ )ん ,つなみ.^ やえ ぶ し ラ キーよ な 

靱負 i 舒な はやい く。^ 臣 ながら も 松浪靱 負と いはれ たる 武士の、 いかに 浮世と いひな 力ら 名 も 

なきやから におお にあ ひ、 か、 るう き 目にあ ふこと はいかなる 宿世の 業因 ぞゃ、 ァ 、是非 もな 

き ありさま ぢ やなう。 

. , と 立って は M け轉 けて は 這 ひ、 つかみ 廻れ ど 相手な く、 かつば とた ふれ どう 

ふ ぐる てい おといし , 

と 伏し、 苦しむ 體に乙 石が。 

ト いろ-^ \ あって どうと た ふれ 泣き伏す、 乙石靱 負に すがり、 

乙 石 父 さまい なう. (-。 

> 撫っさ すらつ いた はる も、 持つべき もの は 我 子 どと。 

か ちい 

靱負 ヲ 、可愛い やつ、 よういうて くれたな う。 (ト 抱きしめ こなし〕 

へ& 3 うて は 泣き、 抱いて は 泣き。 

おや こ く らう 

親 ゆ ゑ:^ まで 苦勞 する。 

へ か あいだ ぜんご, V o 

ふびんの もの や 可愛 やと、 抱きしめく 前後に くれて 泣きね たる 

A じない しか か だ ごと,.' 

寺 內は鹿 を 狩. hN 出す 如く 

富 士見西 行 一九 I 



時代 狂言 傑作 集 一 九 力 

ト輒負 は 乙 石 を 抱きよ ろしく 愁 ひのこな し、 能き 時分 双 盤 はげしく バ タ くの 音、 

大勢 そり やそつ ち だ/^。 

けんぐ わ く C 

同 こっち だ/ \、 喧曄々 々 々 々0 (トゎ や 入 音す る ) 

へ &と c A と ゑ. &ぅ にば しゅら ぉゥ ぼと は ? C およ 

と 追 ひかくる 音 逃ぐ る 音、 回向の 庭の 修羅道 は、 佛もカ 及ばれす すきま を 

^て 齋藤 五郎、 門の わきなる 練 塀の 屋根 を 見越して。 

ト 上手の 塀 越しに 齋藤 五郎 拔 刀に て靱 負に こなし、 

五郎 コ レく まが t をう つかり、 ^ は 裏門, から!: 時で も切リ ぬける、 氣づ かひせ すと も/. \ 逃げ 

たく。 

さいとう 

靱負 ャ、、 さう いふお 聲は齋 藤 五 郞欧。 

こ o ぽ こと む ごん おといし かへ は-かお • • ち- Jf- ズ ^1 は, や に » . 

五郞 ム、 此揚の 事 はたが ひに 無言、 乙石歸 つて 母に 語るな よ ソレ父 力 手 を 弓き 早う 行け。」 

A まま あ ひて ^^ぜ い 3 

"とい ふ 間 も 待たぬ 相手の. k 勢。 

ト 始終 双 盤 を あしら ふ、 門の 內 にて 大勢の 萆 にて、 

大勢 ソレ 見附けた く、 討って 取れ。 

なに z fe< 

五郎 何 を小瘕 な。 



ト五郞 見返 リ刀を ふりま はし 塀の 內へ 飛 下る。 

A え らう と お うち き 5 あ つ & おと 3 

, 得たり と 五郞は 飛んで 下り、 內は切 合 ふ 劎の音 

ト人聲 双 盤 だん/ \ に 遠くなる。 かすめて 本 釣鐘 鳴る。 櫻 散る。 靱負 こなしあって、 

n. をし き た あが つ ゑ. CS" こ たす 

? * なた は敎 へに はっと 氣をゥ け、 立ち上れ どもよ ろ/ \ く、 杖と 我 子に 助 

けられ、 かつぐ も つらき 破れ 笠、 破れ 紙 衣 を 引き さかれ、 仏 は をが せの 亂れ 

?る みだ i, 

心 ゃ亂る 、姿。 

ト愁 ひの こなしに て 身 ごしら へす る ことあって 子役 を 抱 へ 、 

§ ひ 

靱負 これが いぜんの 侍 か。 

へぶ し 1 われ わ み うきよ なみだ tt a 

武士の 果て かと 我と 我が、 身に も 浮世 も あいそつ き、 淚 のかす み 晴れ間な く 

ト此 うちかす めて 本 釣鐘、 風の 音樓 ちらく 散る 事、 靱負乙 石に 手 を ひかれ 花道へ か k りよろ ぼひ 

く 行き かける、 石に つま づき 靱負 よろ, (となる、 乙 石は氣 あっかい してち やっと 杖 を さしつけ。 

と-さ S つ. « 

乙 石 父樣、 杖ぢ や。 

. うちし をれ て ど。 

S 士見西 行 1 九 七 



時代 狂言 傑作 集 1 九 八 

ト杖を 手に 取り 靱負 杖の 先 を 持った る 乙 石に 引かれ ひとつに なって、 花道へ 一 一 一重 1 ぱいに は ひる" 

幕 

一一 幕 目 江 口 鶴 星の 場 

役名 西 行 法師、 木 曾の 冠者 義仲、 根の 井小彌 太、 栀野 六郞、 石 黑左衞 門實は 

飛驛 の左衞 門、 鶴屋長 兵衞、 男 達 白 虎 竹 六、 同左靑 龍藏、 同 朱 雀 南 八、 同石龜 

次圑 太、 料理人 伊介、 丁稚 長 太郞、 新造う つし ゑ、 傾城 逢坂 山、 仲居お はな、 

同お だい、 同お たま、 同 外 四 人、 禿、 駕籠 舁 二人、 軍兵 八 入、 新造、 番頭 新造、 

若い 衆。 

本 舞臺ー 11 間の 間 常 足 二重、 向 ふ 一 面長 暖簾、 櫛 形の 欄間、 上手 折 廻し 塗 骨の 障子 屋體、 軒に 靑簾、 埒 

を 結びた る褸 山吹の 攛込、 一 一 一 面 ひさし 附 紺の 暖簾、 日 覆より 襖の 釣抆、 下の 方 千 本格 子、 鶴屋と 書い 

たる 掛行 燈、 こ、 に 仲居お はな 同お たま 同 三人、 仲居の なりに て 吸物 椀 膳な ど 拭いて 居る、 料理人 伊 

介 盆に 玉子 五つば かり 載せ 廻し ゐる、 すが X き 太祌樂 にて 慕 あく。 



8S2 5S もん : が fc て あ, そ ぽム うへ 

伊介 評判の 俵 ころばし、 ひよ つく.^/ \- が 四 文で ござい、 お 子 さま 方のお 手遊び、 お^の 上で もお 

ぜんう < * » 

膳の 上で も ひよくり く 

い すォ な 一 j し いま C かお _ 

はな ヲャ 伊介さん、 何 を するとい つて 知れた もの だ、 こんな を かしみ からと り 入って お前 方 を 

と1* < r おと し 5 かう 

伊介 カウお はなさん、 その 通り ロ說き 落さう とい ふ 趣向 さ。 

おも おも つ き 5 ち や と.^ 

はな オヤい、 かと 思って そんな 思ひ附 なら、 よその 家へ 行って お 客に なった 時たん とおしよ、 こ.. - 

ぢゃァ 通らぬ ぞぇ。 

C! n-n ラす だい きら 

仲 ^ アイ、 妾 達 はそんな 薄っぺらな こと は、 大 嫌ひぢ やわい なァ。 

伊介 嫌 ひもよ く 出来た、 お まへ 達 を 釣る にや ァ こんな ことで なけ. nv ゃァ喰 ひつく めえ。 

»?H»nIn ひとぎ- わる ,- , _ 

^ 人 聞の 惡 いことば かり、 みっともな いよして おくれ。 

*^>&1 たま ご & いろざと ほ-つこう I 

ィ^ 玉子ぐ らゐ でい ふこと を閒 いて、 色里の 奉公が ならう かいな ァ。 

ト k うそ い ろけ くひけ > _ 

伊.^ こんな 噓 はねえ、 色氣 と喰氣 とちやん ほんだら う。 

れぅ 39 こん おも 12 つ と たま ご 

はな あきれた こと を 、料理人と いふ もの はいきな もの かと 思へば、 一寸した しゃれが 玉子と はむ せ 

つぼ いぢ やない かいな。 

で この fcic たち 

伊介 カウく、 むせつ ぼい と はおつな せりふが 出 やした、 それ ぢゃァ やつば り此 玉子 も、 A まへ 達 

富 士見西 行 1 九九 



仲 伊皆 仲 
居 介々 居 



時代 狂 雷 傑作 集 1100 

の もの だ。 

»sfc ち fc ま U 

ナ 一一 妾 達の 玉子と はえ。 

なま 

わからね え か、 生 だとい ふこと さ。 

ヲャ おぼえて おいでよ。 

ト此時 奥より 丁稚 長 太郞、 洒屋 干物の 通帳 を^へ 附け 鎧の やうに して を 持 出て 來り、 

長 太 ばた くだった.^。 (ト 見得 をす る) 

仲居 H 、びっくり させてから に。 

ほんとう みつけし か 

日 二 番頭さん に 見 付ら れ たら 叱られる ぞぇ。 

やまが fc や でっち ところ き き ' » ^ 

伊介 カウく、 山形 星の 丁稚い V 所へ 来た、 こ > -へ來 て みんな を いぢめ て やれ。 

じゃま このお &si うち つ 

仲居 お まへ、 邪魔 をす ると 此間 のこと を 家へ 告げる ぞぇ。 

こ S ひと つよ こ ぞう • したち S 

はな ナ 一一 サ この 子 は 軍の 人 だから、 どんなに 强 からう、 これく 小儈 どん、 妾 達 は 力がない から、 

この 伊介さん を手傳 つて、 ひどい 目にあ はして おくれよ。 

ひ たれ おも ** がお や おいし? 

長 太 ヲット よし,/ \、 たのまれ hs ゃァ あとへ は 引かぬ、 おれ を 誰と 思 ふ、 山形 屋の 大將 しいたけ か 

あ を こま 5 ち て *- <s $ 

んぴ やう 靑 のり、 かたくりの 駒に 打 またがり 敬に 後 をみ せ 先で。 



ト棕 撋赛を 持って 伊介の 鼻へ つき 出す。 

でっち 忘な なに , 

伊介 ハック サメ。 (ト いひながら 起 上り 箒 をと つて) ャィ/ \ 丁稚め、 女の ひレ きをして 何 をし ゃァカ 

る 

fc に . か ■* い, S > う , > 

長 太 何 をす る もの か、 おれが 加勢して この 軍に 高名す るの だ 

1 かや らう だま ご % き うち い わる しろもの 

伊介 おきや ァ がれ !i 鹿 野郎め、 あんな 玉子 を 持って来て、 家へ 往 つて さう いへ. 惡ぃ 代物 をよ こす 

なん か L r > 

と 何にも E 只 はね えぞ。 

^ ヲャく 可愛 さう に、 とんだと ころへ あたる ねえ。 

や 4§ は 4- うちい Z も S 

伊介 い たづら 野郎め、 早く 家へ 往 つて 小ぶ し を 持って来いと いふに" 

なに -J 

長 太 何 小ぶ しと はこの ことか。 (ト 握り こぶし を 出す) 

伊介 くらへ ねえ 靑 丁稚め。 (ト箒 を ふり 上る 仲居と める) 

長 太 ァ、 ごめん だ/ \。 ァ イタ、、、。 

ト此時 奥より 篛屋才 兵衞、 羽綠 袴に て 出て 來り 伊介 をと めて、 

CE- だん ほんとう 4 まがた やで つち, はや ね ^ > 

才兵 これ さく モウよ さねえ か、 常談 が本統 になる から、 山形 屋の 丁稚 も 早く こ」 に 居す と伃 つて 

來ぃ。 

富 士見西 行 二 〇1 



時代 狂 雷 傑作 集 二 二 

,t W う また わす f>*ff5i ) ' k . - « -»/ 

はな 小佾 どん、 又 忘れぬ うち その 通帳 をと つてお いでと いふに。 

伊介 すれっからしめ。 - 

長 太 すれっからしより、 席が らしが からい ぞぇ。 

あまぐち ゆ やつ はや ゆ > 

才兵 なるほど 甘口で 行かね え 奴 だ わい、 サァ, 早く 行けと いふに。 

がってん てんま み こ ふりそで そで まど ひ - • i > タろ で \ • -, 

長 太 ヲット 合^、 天満の 巫女の 振袖、 袖 ゃ袂に 引き かけた やうす、 かる かや 心 がら こそ 出られた。 

ト 踊りながら 下手へ は ひる。 

伊介 あいつ もよ つぼ どひょう きんな 丁稚 だ わい。 

,J -5 si じん おく? しき r しゅ 5 ま e れ ぢぅ, /- むか 

才兵 ときに 伊ス 公、 ぉ大盡 さま はさつ きから 奥座敷で 御酒き げん、 今にもい つもの 御逑中 かお 迎 

す ひもの f はち ざ かな さ だ i ともし <o ぜんで ) 

ひ、 まづぉ 吸物に 硯 ぶた、 鉢 肴 はお 定. OZ お供の 衆へ もお 膳が 出る ぞぇ。 

レ -* つ P 

伊介 そり や 承知いた して をり まする。 

き おも をリ よし てん わう > / . 

たま モシ, (-、 いつ ぞは閉 かう と 思うても 折 はなし、 ァノ義 さまの 四天王と やら おっしゃる は, い 

つもの 方々 で ござんす かえ。 

お ほち が .a まね ひぐちね ゐ れきく だい C ス この さと つ 

伊介 どうして くそり や ァ大違 ひ、 まづ今 井樋 口 根の 井 さまと、 こり ゃ歴々 のお 大盡、 此 廓へ お出 

g ん てん わう つ はもの き - 

陣は おそば さらす の 四天王と いふ、 兵 者が 開いて あきれる。 



まへ あくこう よし き 5 - ひげち, にん f つれ k 

はな お前 もよ つぼ どの 惡ロ、 したが 義 さまのお 氣に 入り、 髭の 塵 をと りぐ に 五 人 男の 連 衆の^々、 

そのな し *> ネん なん 

其 名 も 五色の 緣を とって、 何と やらむ づ かしい。 

あ をき あかしろ くろ おも この さくしゃ たれ しゅかう いろ .4 しぐ ろ し ぐみ 

才兵 それよ、 靑黃 赤白黑 の 思 ひっき、 此 作者 は sg あらう、 かたい 趣向 も 色で とく 石黑 さんの 仕糾の 

ね しょ なに すね ご れんち う き ざ しき 

こんたん 廓の 諸 わけ、 何もかもす ゐ ぶん 粹な御 ^中、 こっち もな にかに 氣を つけて、 座敷の 所 

をた のみます。 

仲居 そり ゃァ ぉ氣づ かひな されます るな、 萬々 それ はよ ろしう ござり まする。 

さくや あんない S も だい" -ム みせや こ ざ U*. さう じ 

才兵 ヲ 、えらい く、 さう して 昨 衣案內 のあった 芋. Kii が 見える 笞ぢ やが、 小 座敷の 掃除 はちゃつ 

としまう たか。 

じょさい 

はな それに 如才は ござり ませぬ。 

おそい つる や ぃへなかね おやだま か 力 かふ とし こう まか 

才兵 ィャ 恐れ入った、 鶴 星の 家の 仲居の i 玉、 龜の 甲より 年の功、 そなた 任せに たのみました • 

. %* こ- か& づ 

はな アイ/ \- 皆さん 爱を 片付けよ うかえ。 

皆々 それが よう ござんせ う。 

ト此時 伊介 向 ふ を 見て、 

むか み WI^ 

伊介 ャァ、 向 ふへ 見える はたし かに 客人。 

宮士見 西 行 =o 三 



時代 狂 言 傑作 集 . Ho 四 

皆々 ほんに なァ。 

r . • したく — 

伊介 ど^ゃお 肴の 支度 をしょう か。 

ト 伊介 奥へ は ひる、 すりが ね 入 唄に なり、 花道より 石 黑左衞 門 羽織 着流し 大小 目關 笠に て、 後より 男 

建白 虎 竹 六、 朱 雀 南 八、 左靑 龍藏、 石 龜次圑 太 いづれ も 着流し 一本 ざし 尺八 を 後に さし、 钲の 下駄、 

男 建の こしら へに て 出て 來リ、 舞臺の 皆々 これ を 見て、 

も あさひぐ み , だいじん さきほど ご らい, ん 

才兵 これ はくいつ もながら 四方にか^ やく 朝日 組の いづれ もさ ま、 ぉ大 乾 さま 先程より 御來 臨、 

みな S おそ さいぜん 

皆 さまのお 出で を遲 しと li^ から、 

,vz ま まも 

^ お待ち 申して をり まし たわいな ァ。 

きみ さき i がり fe を えぶ , ひごと かよ よしな かこ ゥ むか この さと 

石黑 君なら で 先が けす る や 櫻 狩、 手 折らん 枝の あらば こそ、 日毎に 通 ふ義仲 公、 迎 ひが てらに 此廊 

く くるわ ひとめ し Q め せまが さ ご 

へ 來るは 曲 輪の よみこ ゑ も、 人目 を 忍ぶ 目關 笠、 ゆるさせ たまへ 御 めん なれ。 

U ろか » > だん i とも てん みな いでたち 

竹 六 色 も 香 も ある さとげ しき、 櫻に お供す る、 四天王に はこと ならす、 皆 一 やうの 出立 は、 

, モばさ われく じん つ へう 1st* ど にん の iw& すみぞめ 

龍 蔵 お 傍 去らす の 我々 は、 TO: 神の 劎を 表した る、 丁度 五 人 も いろどりの、 よし野 櫻 ゃ墨染 の、 

Z ま *cf!AAD 之 ぐち きみ あだな ぐ さ こ よ ひ あ ふさ か 4 ま i はな 

南 八 小町 櫻の 美しい、 江 口の 君の 仇名 草、 今宵 逢坂 山 櫻、 花の あるじ もけ ふこ、 へ。 

かよ くるわ ぜんせ 1 みな ひとごと ゆ ふ ざく & そ けん ぢ i は いめ ?/ら 

次圑 通 ひ 曲 輪の 全盛と 皆 人 毎に 夕 櫻、 素見ぞ めき も 地 廻り も、 かつ、 くばった 犬 櫻、 



石 呰女 ? ^1 

黑 々形 人達 



こ ノ S そこ S たまへ s、 fff00f§ ぎ 散らす 

石黑 またしても 花に 臌 そこの き.^ ま ハ^ a? al i あさひ E やし ォ しゅひ 

, はおき な&、 難 1 にす る はう が、 穏だ、 ら S と、 花 もまば ゆき 朝日の 君、 屋敷の 首尾 



を、 

^寸 きかし やれ ( 



一一, ミフ . J ■ J 

まちかね やま^^、 - P : L / 

ィャ モウ おっしゃ るまで も 待 兼 山^、 サァ くこ すへ 

お出でな さんせ いな ァ。 

いかさま それ はお かくべつ、 サァ 皆も來 やれ。 き [ 

ト右 S 物? 舞 臺へ來 る。 仲居 此 t si き 床几 £ して、 l^i^iel 

合方。 

才兵 ま. feiQ^t、f はさて おき 議を 早く 此 所へ。 

女 アイ/ \合^ ぢ やわい なァ。 

皆々 

ト 女形 苷 々洒 肴臺の 物 大杯 を 石黑の 前へ 出す" 

I g の g に ひき かへ て、 8n わの けしき、 f ひ s、 ハテ f まなが 

6. さりながら わ^が I りし こと、 |i へ 取次いた して くれやれ。 

r . 二 五 

a 士見西 行 



時代 狂言 傑作 集 no 六 

ISO と <JC 、し ま & 

はな ハイ/ \> 1 ォ妾 がお 知らせ 申し ませう * 

ト おはな 臭へ は ひる、 石黑杯 をと り、 

ie さ. * づき まき- * ひ で-つる や <- の あさひ ぐみ かしらぶんみ >f» ほじ C2«v しさ 

石黑 此 杯 の 蒔緣は 日の出、 鶴 星の 好み、 朝日 組の^ 分身 共が 始めて 順 祈いた さう、 酌 をし やれ。 

ト 仲居 酌 をす る。 

, . にちや .5.2» 42^129.5 いろ S ろ ま, いは ゆる *- け. 3 じ? 

竹 六 なんと いづれ も、 日夜 を わかた. f 遊里の 繁昌、 色に 色 增す櫻 時、 これが 所謂 喜兒 城。 

つき ゆ キー はな £さ ^ふさ か 4*K キ み CA ひ #.1 

次圑 さやう^ (-、 月 雪花の ながめより はるかに 增る 逢坂 山、 君 も 心 引かされて ござる もこと はり 傾 

せい HUM かよ ぶ さけ はな あさひ 

嫩の、 誠 あるまで 通 ひつめ、 武左家 放れた 朝日の きみ。 

いろ し あ ふ ほか ひくて ぜんせ 1 しも. <\ 

南 八 色 は 思^の外から も, 引手 あまたの 全盛と、 いはる & だけに 下々 まで、 

, とほ なが す ひ つ た ぜ こ かう し さ たてし 5 

龍藏 通りの よい も 長ら うの、 吸 付け 煙草 を 格子から、 よう 來な ましたと いはれ ちゃ ァ、 達 衆 もい つ 

かぐん にやり とおつな 心になる もの さ。 

三人 また そろ/ \ と 受けさせ るか。 

5 ちん さ かづ 含 ひ V; はじ 

石黑 その 受け 賃は、 この 杯で 一 つ 始め やれ。 (ト杯 を a す) 

皆々 こり や あがらす ばなる まい。 

し 5. く 

たま ドレお 酌で もいた しませう。 , 



V さ * づぎ み ごと fs* だ. i 

龍 蔵 コリャ お^の 杯 、 さらば 見事に 頂戴いた さう。 

ト おたま 酌 をす る。 石黑思 入あって、 

て^しゅ « & £. « か , , > 1 

石黑 ィャ 見事々々。 コリャ 亭主、 これなる 肴 は 取りお いて、 外になん ぞ 肴が ありさうな もの ぢゃ。 

若 Z 

才兵 そのお 肴なら さ しづめ こ i に。 

ト 山吹の 活けた る 花 生 を 持ち 石黑が 前へ 直し、 

9» ぶ しゃ * ぶき けいせ い ; 1 もせ やま 15 9 は *, もんく • ,-, ぁひ咖 た : に - ほへ • み, ま. 

梅 は 武士 山吹 は傾敏 と、 ^背 山の 淨 S? 璃 に花づ くしの 文句 ぢ やない が、 お 相が の來ぬ 前に 見 立 

てた ところが 判じ もの。 

て^しゅ とんち けいせ. J とせ らく y あ 

石黑 さすがの も 主 あつ ばれ 頓智、 その 傾 域 もまつ この 通り。 (ト 山吹 を 花 生の ま、 切捨てる) 落花み ぢ 

と 含 X たなん はんだん 

ん になる 時 は、 そちゃ 又 何と 钊斷 いたす。 

おもしろ わ y< し はんだ o ちう いしぐ ろ はな よし ご い けん 

才兵 コリャ 面白い、 マア^が 判斷は 忠義に こった 石黑 さま、 花 ものい はね ど義 さまへ、 御 異見な 

?A い まみ た ちぷ さか 4£ キ まぶき このと ほ らくく あ ご ほんさい や ぶせ た 

さる \ がお 心なら、 今 見立てました 逢 坂 山の 山吹 を、 此 通り 落^して 御 本妻の 山吹 さまへ、 立 

ちう ざ はないけ fes もん WSI *< へ もっともと もえ なみ たみか^ fc ものごと お さ ご く ふ 5 

てる 忠義と 花 生の、 冗の 紋も E の 前、 尤 巴は浪 頭、 浪め 立た す 物事に まる /\ 納まる 钾ェ風 

かと、 憚りながら ぞんじ まする。 

ん: うい ェ- く や つ? C い ,はつ そ «« う つきひ よ よわ fc 

石黑 當^ 卽妙 驚き入った、 さほど 利 發の其 ザが めたら 月日 をう かくと、 身す ぎ 世す ぎの 世渡りに 

富 士見西 行 二 〇 七 



時代 狂霄 傑作 集 一一 〇\ 

^> や .ill? ばい あるじ な 5 ざ a う び はな 

茶屋 商 賫の主 さへ、 當 座の 褒美に 花 をく. OS やう。 

ト いぜんの 玉子 を 取って H ィと才 兵衞へ 打付ける、 才兵衞 受取 リ、 

才兵 こり やめつ さうな 玉子の なげ 打、 これ を g ぢゃ とおつ しゃる は、 ハ、 ァぉ^ J ^ありがたい。 

石黑 ィャぐ それ はさに あらす、 玉子に きみとい ふ 紙 あれば、 そちが もてな し^のき きげん、 ^り 

もちいた しゃれ。 

才兵 そこ はぬ からぬ さし 出の 才兵 衞、 細工 は^?、 仕 よげ て I: らんに た^ ませう。 

. し. A て か し& なか -0 

石黑 然 らば 亭主、 仲居 ども。 

4^ みな しょ 

%々 皆さん 一緒に、 

あんない 一 

^ 案內 しゃれ。 

女 .5 で 

皆々 サァ お出な さんせ。 

ト騷ぎ 唄に なり、 石黑 先に 皆々 長暧 簾の 內へは ひる。 時の 鐘 床の 淨 瑠璃に か >, る。 

急ぎ 行く、 往來 もしげ き 色里に 素 見 どめき の 仇 口 も、 人は& ぼは^お ぢ やと 

. たれ 駕籠 を # ば せる? 化" の^ «tb おにむ す ぼれ て、 ゆられ/ \ て^る s 、は、 

舞 ひ M む 鶴 屋の振 ひなみ。 



ト 踊り 地に て 花道より 駕镌舁 四つ 手 を かつぎ 出て 來り、 下の 方へ おろす。 

J 一ん k ま うぐみ ほね を ひといき 

駕 〇 モ シ日; 那、 棒 組の 骨折り 一 息に やつけ ました。 

5 よちう し 5 /\/\ ,を 

同 <- モシく 女中 衆々々々、 お 客 さま をお つれ 申した。 

ト駑籠 舁兩人 奥へ こなし。 此時 奥に て、 

アイく。 ほんに かご やさん。 

1 £vs ざ «v< ち, せん ちゃ J 

はな ケぉ 一座のお 客で いそがし さ、 お茶 さへ あげぬ、 ぉ佌 さんお 茶 を。 一 

仲居 アイ/ \ 、かご やさんお 湯で もよ いかえ。 

同 二 シテ お客さん は どなた ぢ やえ。 

し 63 と % § f, だ. 1 じ^ み ,つば.; **< 

駕 〇 ィャ どなた か 知らぬ が、 一 寸兒 かけた ところが 田^のお 大 遨 さまと 見えます、 立派な お 客で ご 

ざり ます。 

しょ V わ S *§じ ん だん 4 よ- * 

:&居 そんなら 初會 のお 客人、 それ はよう こそ、 日一那 さん を 呼び 申さう 力え。 

2. く r はや ) 

皆々 お客さんへ 御 あいさつ、 や う, C (ト 臭より 才兵窃 出て) 

1> よお. 5 めん ざ しき あんな. i> fcft * . 11, 」.? *- - 

ォ兵 ャァ これ はく 初 針 面から 座敷の^ 內、 田舍 とはいへ ど 粹と兒 た、 ィ ザ まづ奧 へ。. 

ト胬 籠の垂れ を あげて、 

S 士見西 行 二 九 



時代 狂言 傑作 集 一二 

西 行 それへ まゐ るで ござらう。 

^ft&ffms^ お is せむし 靈、 顏 r 

^仏の るの も^さが 6、 ?乂っき£.- の 1^ も、 鞘な りの する 姿なら、 見 

るに 才兵衞 を かし さの、 齒の根 をかん で。 

と ほ 

才兵 サァ/ \- お通りな され ませ。 

ト駕 籠の 内より 西 行 衣装 羽緣 大小 跳への 頭巾 大盡 のこしら へ、 せむしの 思 入に て 出て 來る、 才兵衞 思 

入あって、 

才兵 コレ |& のせ おつむりが でお もた かろ、 大儀で ござった 酒で ものんで。 

IJ- \A ^ M-き *1 -5 ^き. b その- J- ろ も よう 、 

西 行 ァ 、 これく s^、 ®i で 伊^ 酒 ふんだ くにの ましてお いた、 其心づ かひ は 無用々 々。 

へと める に ふくれる 駕籠の 者。 

-っそ ひと やくそく かご だい まぎ * め ひ |、\ 

駕 o テ 乇マァ II をい ふお 人ぢ や、 お 約束の 駕籠 代 さへ 六 づきで 紛ら かして, 目 を 弓 力れ ました 

►bs^ r じょさい だんな ほうぐみ なに みへ , 

同 △ 慰が 御如才 のない 且那、 なう 棒 組 何もい はすに fghs ませう く。 

ト駑 籠つ りて 下手へ は ひる。 

> ぺ わ c らてぃ わう ごん はな »< 

才兵 ど Q やうな P 部 さまで も、 ところ を 我等が 手 を 入れて 黃 金の 花 を ふらさん まつ <奧 へ御& 



ft い さ れぅ f ばんたん ナ ひもの よう い 

內、 さう してな にかに 氣を つけて, 料^ 萬 端お 吸物の ^意 はよ いか。 

皆々 ハイく、 それにぬ かり は ござり ませぬ。 

だ^ 

はな サァ これから 大 じゃれと いたし ませう。 

かへ こま み けいせい のぞ 

西 行 ァ 、 コ レサ^ -\ 、 その やうに もてなして もらうて は 却って 困る、 身 はと かく 傾拔が 望みで ぉぢ 

ぜんせ いたち a か > なで か けいせ, 4 > 

やる いづれ 全盛 達の その 中で 名^い お 傾敏を もとめた いもの ぢゃ 

だ. S- たばこ K ム 《|か づき も 

はな サァ くこれ から は、 大 じゃれと いたし ませう。 コレ はお ffi 草! ^お 杯 持って おじ や, 

わる fr ほこ さ かづ かん *E*5 ほか 

西 行 ァ、 またして その やうに して は惡 い、 さう して 煙草 やお 杯 は 勘定の 外 かの C 

ひまつけ ま を ご ち ュぅ 

才兵 さやう で ござります、 お 引附と 申して, コリャ あなた さまへ 御馳走に, いたし ますので ござり 

ご ち *V う 4Z ものい いろざと き 

西 行 御馳走と はありが たい、 何でも 物入りの ない がよ いぢ や、 それ はさう と 色里と 閗 くから は どれ 

しふ しん けいせいか ' § , き 

なりと^ 心さへ いうたなら、 お傾^が 賈 はれ 申す か、 それが 閗 きたい。 

才兵 そり や モウお 望み次第、 is なりと お 買 はせ まする が、 シテ お望みの 太夫 さま は どなたで ござり 

ます る /% 

み メ sfe ぢ よら ラ な なに ま を ぬん にん しゅ S た 

西 行 外で もない、 身 どもが もとめた いと 申す 女郎の 名 は、 何と やら 申した、 佝 でも 百人一首の 馱の 

&士見 西 行 二 一 1 



時代 狂言 傑作 集 一 ニニ 

やうな 名であった。 

■ にん • ん ゆ 5fc な. , $ &. ^» な » 

はな 百 人 一 首 の 歌の やうな 名と おっしゃ るから は、 秋の 田の かりほの 庵と いふお 名 も あるまい し? 

み あろし う や も しほ 

たま やく や もし ほの 身 もこが れつ \。 ヲ、 ァノ 奧州屋 の藻鹽 さまで は ござり ませぬ か。 

西 行 ィャ /(\、 さやうな 名で もない て。 

しら ギー< 

仲居 ホン 一一 マ ァ おき まど はせ る、 白菊さん では ござり ませぬ か • 

な なん ?* さか す-' か あ ひ つち ゃ* あめ 

西 行 ィャ く、 さやうな 名で もない、 何でも 坂ぢ や、 坂 はてる/ \ 鈴 鹿 はく もる、 相の 土 山 雨が ふ 

よ と, おも だ 

る、 でもない。 夜 を こめて 鳥の そらね はは かると も、 ヲヽ思 ひ 出した。, 

ト思 はず 大きく いふ。 

才兵 ェ、 びっくり しました。 シテ その 太夫 さま は。 

よ あ^さか せき ぁぷ さかや ま み 

西 行 世に 逢坂の 闢は ゆるさ じ、 1 坂 山が 身が のぞみ ぢゃ。 

はな もしい なァ、 I 坂 山さん を あげようと おっしゃ るに は、 大^! はなが 入ります ぞぇ。 

西 行 なん ぢゃ、 はなが なけねば ならぬ か。」 

はな さやう で ござり まする。 

西 行 ソレ 見やれ。 (ト顔 を 前へ 出 す) 



なんとと 

皆々 そり や 何の 事で ござ hs まする。 

西 行 ソレ 見やれ、 あらう が。 (ト鼻 をお さへ て 見せる。 皆々 見て) 

皆々 ホ、、 、ゝ。 

はな をな U *ー0 fit 

才兵 ィャ あなたのお 鼻の やうす では、 さぞ 女子が 好 もしう 思 ひませ う。 

西 行 さう とも /\»。 

た いまな かね は * i やまぶきいろ ほ * . » , 

才兵 モ シ唯今 仲居 どもが 花と 申しました は モシ、 れこ のこと、 ナ 山吹色の 花の ことで ござり まする。 

ト 小判の 形 を 仕方し のみこき せる、 西 行 心 付かぬ こなしに て、 

♦t ぶ ォ はな , 

西 行 ァ 、山吹の 花 か。 

才兵 さやう で ござり まする。 

はや t を ナ 》> と」 J 

西 行 ハテ それなら それと 早う 申せば よいに、 直に 取りに つか はす わい。 

なに み * み * ti んな 

才兵 ハテ わつ け もない、 何 をお つし ります、 しかし マ ァ皆兒 やれ、 かう 見たところが、 旦那 さま は 

3 せ なか さ. W ぶく. *\ レ じん ふく ^ だいこく み 

おつむりと 中し お 背中の あんばい、 誠に 福々 しうて L 眞 まぎれな しの 福の 祌、 大黑 さまと 兄え 

るぢ やない か。 

だいこく み 4 も かね - 

はな ほんに さう で ござんす、 大黑 さまなら 皆の 者に、 チト お金 をお やりな され ませ。 

富 士兑西 行 ニニ 11 



時代 狂 首 傑作 集 一二 四 

-J ゃゥ じ^ 61i>J ぐ 3 / いま あう ぶん 

西 行 ハ、 ァ、 そんなら わしが 正 眞の大 黑のゃ うぢ やと 申す のか, それで 今の やうに 黄金 を ちらせ 

とい ふたの ぢ やな。 

才兵 さやう で ござり まする、 すっと はづ んでパ ツバと、 お金 をお つか ひなされ ませ。 

> ひと きんざん * かい s. I ^ ^.^1 - - ) U 

西 行 めつ さうな こと をい ふ 人た ちぢ や、 金銀 は 世^の 寶 めったむ 亡う に まき 散らして 1 ハ加 にっき 

る、 亭主 はま だ 知らす か、 だ黑の 託宣に 此槌は tk5 ち 出す 槌で なし、 のらく らもの, - あたま 打 

つち 

っ槌。 

ト才 兵衞の あたま を くら はす。 

i^b< なに け. <J i にん ひっつか o 

才兵 ィャ これ は 迷惑 ぢゃ、 何 は ともあれお 傾 域を此 所へ 五六 人 も、 引 摑んで まゐり ませう 

ト 行き かける をと めて、 

にんだ > ぶふ さかゃま, 1 , た, ys ん * > , 

西 行 ァ、 五六 人出され て どうなる もので、 逢坂 山ば かりで 澤山ぢ や, 《 

^^さかや まさ ま きけ きん - 

才兵 そんなら 逢坂 山樣 として、 酒 は 一 1 十 斤ば かり もとりよ せて 

きけ *s す こ や, C ぶんげ ちょく た 5 せい 

西 行 ィャく 酒 も ちょっぴり 肴 も 少し、 隨分下 直につ くが 當世ぢ や * 

はな さっても きつい。 

女 皆 ひがさん ぢ やわい なァ。 



なん 

西 行 ひがと は 何の こと ぢゃ。 

*£ なん C ち だ いじん 

はな ァノ ひがと 申しました は、 それく 何で ござり まする、 ひがな 一日の みあかしの 大盡 さまと い 

ふこと で ござり まする。 

か ね で ふる まひ ひ ► にち> • か .か , > > 

西 行 が の 出る の はい ゃぢ やが、 そちの 振舞なら 日が な 一日、 二日 三日 ひが ぢゃ く。 

才兵 ィャ ひが ぢゃ く。 

皆々 ァヽ ひが をうる ぞ、 ひが ぢゃ, /\ く。 

ト皆々 手 を 打ち そやし 立る。 西 行 浮れ ながら 昝 々ついて 奧へは ひる。 才兵衞 殘り思 入あって、 

it じ o £ のさと fc s^vz あ ふさ かさん か 

才兵 ィャ 今のお 大盡 さま は、 きついせ うがの くせと して 此廓 一 の 太. ^職、 ァノ 逢坂 山さん を 買 ひた 

ひと み ぶふ さかや 2 だ i ぷ この あひな よしだい^ ん 

いと は、 人 は 見かけに よらぬ もの、 しかしながら ァノ 逢坂 山 太 矢 は此 問より 義大盡 の あげ づ 

けさく も み じぶん f 

め、 け ふ も 今朝から 口 をう けて やった が、 モウ 見える 時分、 テ モ マァ 待たせる ことで は ある ぞ、 

はや i , ,、む. * 

早う ござって くれ \は よいに。 (ト 門口へ 來り向 ふ を 見やり 思 入) ヲ、 噂 を すれば かげと やら 向 

ふへ 太 あさまが おえる わく/ \。 ヲ、 ィ《。 

はじ お -* んじ r- 

け ふ 始めての つき出しに、 うつす 姿の 八文字。 

ト これ をす リ^ 人り の 唄に なり、 逢坂 山 傾 拭の こしら へに て 若い 荥 長柄 傘 を さしかけ、 禿 二人 W 添 ひ 

富 士見西 行 111. 五 



時代 狂言 俊 作 集 一二 六 

此 役に 新造う つし ゑ 同じく 長柄 を さしかけ、 外に 新造 一 人 跳へ の 文庫 を 持ち 此 あと 番頭 新造 附添 ひ、 

若い 衆 一人 附き 花道に 留る、 才兵衞 これ を 見て、 

才兵 これ はく 太夫 さま、 最, から あなたの お出 を 待ち かね 島、 しだり 尾の 長々 しいで ござ. CN まし 

た。 

逢坂 そんなら きつう おそかった かえ。 

よし ま くち^の 卞か 

才兵 おそいと もく、 義 さま は 待ちくたびれ ひとり かも ねん、 さて 黑 驟 が 赤くな つてし かった こ 

よ なん 

と/ \, めったに 寄りつ かれぬ、 何とい ひわけ いたさう やら、 そこ は あなたよ いやう に。 

, , , ^ -ひ ごと **< じん く わ 

逢坂 そり や モウ 勤めの なら ひぢゃ もの 〔 日毎に か はる 客人の 心 は 汲み分けて、 つ ひどうな りと よい 

やうに。 

,, ぜ, ん *ぃ* , • お^つ , . was ね. ひきぶね しん f つ f は ,?; 

才兵 さすがの 全盛、 それで 私 も 落 付きました、 大船 ぢ やない 引^の 新造さん、 櫻 も 恥ぢる 美し さ、 

どうも かう もた まった もの ぢゃ ござり ませぬ。 

55^ , , > , た ぃュ ひ *, お みみ もん & At. 

うつ まだ 廓と なれぬ ふつ \ かも、 太 矢さん の 引立て、 見やう 見 まねの 八文字、 ま ゐらせ そろ も 假名 

がき くぎ を き おも よ くだ 

曹の、 釘の 折れ か 木 はしと、 思うて 讀んで 下さん せえ。 

ちゃ や ご ひいき ら 

番新 とかくお 茶屋の 御 ^負で、 妾 等まで もと もぐに、 



る o ぺ- s そ だ 

新造 春の 野邊 なる 早 わらび も こ乂 にめ さしの 廓 育ち, 

禿 か は ゆがって、 

一^ 下さん せえ。 

fc J ふ うつし. * まち は, や つ はや, Afc / > 

番新 モシ 太夫さん、 寫繒 さん、 お 待 かねと あるから は ちっとも 早う 鶴 星の 方へ。 

逢坂 ほんに さう しょうわ いの。 

うつ そんなら 皆さん。 

昝々 さァ ござんせ いな ァ。 

逢坂 f 來ゃ。 

禿 アイ。 (ト これにて 皆々 本舞臺 へ 来る。 奥より 仲居 殘らず 出 て) 

たま ^おさん ござんし たかえ、 最 ぎから 待ち かねて、 

仲居 義 さまの ご機嫌 はさん ぐ で、 

皆々 ござんす わい なァ。 

逢坂 マァ械 SS もこら へて 下さん せ、 妾 も 始めて 此子を 引いて 出る から は、 今から 名 もゅづ つて 二 

ぎ、 あ ふさ か 4 ま おも fc B をし すね 5? くだ 

ぬの 逢坂 山と もい はる i やうに、 思うて 足ら はぬ 妾が 敎へ、 推量して 下さん せ 

S 士見西 行 一二 七 



時代 狂 富 傑作 集 111 八 

ト奧 より 仲居お はな 出て、 

おいらん いで よし i きけ £1 s,> な 

はな ヲャ 花魁よう お出、 さいぜんから 義 さんのお 待ち かね、 酒に 廻され てつい とろく。 コレ^ I ー那 

いま § ひ き およ あ ふさ かや £ よ こ むり J 

さん、 今の せむしの 侍が、 M き 及んだ 逢坂 山 を 呼んで 來 いと 無理な もの いひ、 あげ づ めの 譯 

*| さいぜんて. S しゅ G ぞ し だい ていしゅ よ 

いうても 閒 かば こそ、 最^ 亭主が いづれ なりと もお 望み次第 というた から は、 亭主 を こ-へ 呼 

ベ、 莨 二つに するとき つい 腹 立、 コリャ 何とし ようと 思 はんす。 

. ゆん だう はじ め み 

才兵 ハテ 何とい うて それが マァ どうなる もの か、 道理で 初めから ふくら 雀 見る やうな、 いやな 侍 客 

ぢ やと^うた、 よいく おれが 行って 斷 りい はう。 

ト 行き かける をお はな 留めて、 

あ ひて § ひ <ぴ 

はな コレ お前が 行かん したら 相手 は 侍、 ことによ つたら 首で もとらう とい はう ぞぇ。 

• . ^» -. f:? くに ざ むら ひ かた とま 

才兵 氣 味の惡 いこと いふ, シテ國 侍と いふが はっきつ めて 困らせる ぞ、 しかし どうす る もの だ、 

一つ お なほ おこ 

^て て 匿いたら 猶々 怒る であらう。 

お, j この しん V! う あ ふさ, 6 やま ひきあ ほ きね な. A や S 

はな マァ 妾が^ ふに は、 此 新造さん を 逢坂 山ぢ やというて 引か はすが、 名に 惚れて 來た a 舍の 野^、 

& つ み 

ァノ 器量 を 見たら ば あたまから ひった. OS べつた. OZ それ こそな まこ を わらで は あるまい か、 こ 

の智惠 はどうで ござんす。 



>ss た いふ な この しん ざ う で き たて 

才兵 なるほど さう だ、 幸 ひ 太^ さまが 名 を ゆづると おっしゃ つたから は、 此 新造さん が出來 立の 

ち ふさ かや ま 

逢坂 山さん とする のぢ やの。 

まお ご 之ん し 

はな それい なァ、 又 それが 御 嫁に なって おなじみに ならう も 知れぬ。 

あた わ ぶら いのち おや しん ざう か _ くだ 

才兵 さう とも/ \ 、まづ さ:^ 3 つて 税 等が ために は 命の 親 新造さん をお 貸しな されて 下さり ませ。 

B この こ おも き どく おも 

逢坂 サァ妾 はどうな りと、 此 子の 思 はく、 氣の 毒に 思 はる \ わい な ァ。 

は 3 し じん つね はた 

番新 ほんに その 話 では、 その 客人 は 常なら ぬせ むしと やら、 傍から かう ともい はれ もせす。 

逢坂 困った ことで ある わい なう。 

, いふに 寫繪 いやおうの、 返事に かきくれ 居たら しが。 

ト寫縛 思 入あって、 

ひ 4 * す ! "とけ CA _?0 だい ナ __>? 

うつ 人の^ 儀 を 見^てねば、 佛の 心に かな ふと ある、 名代で 濟 むこと ならさう さんせ、 いづれ の 客 

も 勤めで も、 つら さは か はらぬ 勤め ぢ やわい なう • 

いうて 淚を 押し かくす。 

ざ し 令- で き €v で 

番新 そんたら おたのみの 座^へ 出て あげなさん すかえ、 モシ IW きな さんした か、 そのお 客へ 出る と 

いはし やん すわ いなう。 

富 士見西 行 1 二 九 



逢 う 新才ぅ は才 

坂 つ 造兵つ な 兵 



時代 狂 雷 傑作 集 ニニ 

さっそく ご さっち B あんど ま を 

それ は 早 逑の御 承知 ありがたう ござります る、 それにて 私の 安. 堵と 申す も の。 

b 4ぷ ご ち はや ひ *> つ * St ^. 

太.^ が 御 承知と あるから は、 あとのと やかうな いうち、 ちっとも 早う お引付け を ナァ 申し 太 

おさん。 

みな > 

そんなら 皆さんよ いやう に。 

あ ふさ. 6 やま > 

モ シ かなら. f 逢坂 山さん とい ふこと を。 

そり やよう ござんす わい なう。 

A た 3 つし * かご うぐいす いろ^ ズ » あ • ュ 

いひつ、 立って 寫繪 は、 まだ 籠 なれぬ の、 色香 ふくみて 入る あとに 逢 

さかや M み; S ぐ 3 

坂 山 は 見送, ON て。 

ト皆々 捨 ゼリフ にて うつし ゑ 仲居 才兵 衞附 いて 奧へ は ひる、 逢坂 見送る こなし、 

ひと Am つと み しづ .S ろみ つ , 

いかなる 人の 娘ぞ や、 つらい 勤めに 身 を 沈め、 かなしき 色 を 見る に附 けても いとし レ ものち 

やなう。 

へ 身に つまされて 憂き 思 ひ、 し をれ た、 ずむ 折からに、 物音 かくす 騒ぎ を 幸 ひ、 

おぐ い いしぐ ろ 3 ゑ もん あたり み まば 

奥より 出 づる石 黑左衞 門 傍 を 見廻し、 

ト 踊り 地に て 奥より 石黑 左兵衞 門出て 來る。 



石黑 妹々。 

A X かほ あ ふさ かや w 

呼びかければ、 ハツと 顏 あげ 逢坂 山。 _ 

ト 逢坂 山 あたり を 見 ま はし こなし あ つて、 

あに ひと かべみ- あらたま なん i- 

逢坂 コレ 兄さん、 人 はな けれども 壁に 耳、 改 つた 何の こと ぢゃ ぞいな ァパ 

M いひつ 、寄る を聲を ひそめ。 

石黑 コリャ これ を 化よ。 

f だ つう あ ふ A- かや W と み I 

投げ出す 一 通 逢坂 山、 取ら あげて ひらき 見て。 

ト密に 書 を 出す を 見て、 

き でんい i あ ふさ か <-i けいせい し た たい s う £k じゅ やくそく もと ? 

逢坂 ナュ く、 貴殿 妹 を 逢坂 山と いふ 傾お に 仕立て、 大望 成就 せんとの 約束、 いか ^心 元な く 候、 

ひだ さ i も.?^ 力 ま を ほん. < やつ き ふみ 

驛 の左衞 門^へ。 コ レ 申しお まへの 本名まで あら はし、 コリ ャマァ どこから 來た 文で ござん 

す。 

、と fJ ご A M た こ vj»f> 

問 ふ も 小 聲に答 へ も 小聲。 

つ! -if はんぐ わん S ^そく *>§ かれ u*lc あ けい 

石黑 どこから と はう ろた へ ものめ、 ^の 判官よりの 催促 狀、 彼と かね 心 をん 口 はせ、 おのれ を 傾 

♦ レ fc て A よしな か つ 12」 く ぐん ゑん いん そのと が 5 かま くら 

域に 仕 立 置いた は、 義 仲が ほ だし を附 けて 兩國の 軍 を 延引 させ、 其 咎め を 受けさ せんと 鎌^で 

S 士^ 西 行 ニニ 一 



時代 扛雷 傑作 集 ニニ 二 

は isslfeil を i 人 かせ、 鉞は 鰣 で II 鞑の贩 I; し、 まん まと^^に 仕 立、 锊 日毎 夜の 廓 通 ひ、 

1 レ を!!^ の とも^らぬ うつ そり、 一 m に とすき i を^へ ど 太鼓^りに 寢 所へ 寄せ 

tES" して は^^へず & 鉞ガ 1 の 娠げ、 さるに よってお のれに いひ^け、 i& の 齢 まぎれ、 

フ 3 二 ま つ ゥャ い ろ まよ あこ おん ぎ おも 

た^ 一 m にさし I せとい ひ f おいた を 忘れた か、 たビし 色に 迷 ひ、 兄の 恩義 は 思 はぬ か、 コ 

ふ しょぞん 

、 ナ 不所存 ものめ が。 

^ おく *! ど リ たいふ, • タ3 

, はっと にらめば いか, 5 ご ゑ、 奥 は 踊の 太鼓 三眛 

ト 逢坂 山 を 打ちす へる。 此 うち 踊り 地、 

fe こ II さわよ あ S と おいし やう をん な はだ 

逢坂 コ レ おさん、 ァ レ閗 かしゃん せ、 い つも 騷 ぎで 夜 を 明かす、 まして や 聰き大 將 女 に 肌 を ゆる 

よ こ あす よ おじみ まさ しゅ おん あに ちう ま いま 

さう か、 その 夜 越えて は 翌の夜 は、 馴染 かさなり いとし さ增 り, お 主の 恩 も 兄の 忠義 も 今では 

b す くだ 

忘れた、 それば つかり は ゆるして 下さん せ。 

へ はっと 泣き出す 聲に手 を あて、 (ト 逢坂 山の 口へ 竽を あて) 

こっく しょちん このうへ し あ ふ 

石黑 ェ 、i いやつ、 よいく その 所存 なれば おのれ はたの まぬ、 此上 は思窠 が ある。 

ヽっ けと ゆ すそ D 

突き やら 蹴飛ばし、 行かう とする を 裾に とりつき 

i ^ あん よな まへ み だいじ. よふ B て 

逢坂 コレ 待った、 思案が あると いふから はこ X は 放さぬ、 お前の 身の 大事なら、 夜更けて 妾が 手に 



かけましょう。 

石黑 ィ、 ャ S 。ぎみ こめぬ く、 ^の lil で £ つきの、 i りい は I 來は I、 しかと さや 



逢坂 

石黑 

逢坂 

石黑 

逢坂 

長 太 



力う 

CB ぶし ひ £ ちか ことばち が 』 • L^t 

I? も 武士の 娘ぢ や、 誓 ひし 言葉に 違 はぬ 一 心。 

ト 能き 時分 長 太 郞窺ひ W て 居る。 

おかした く、 それ^いて^^、 ^し 111 ぜば^ を あげよ、 き 間 末^も 皆 一 眛。 

つき J*\ どうふく 

スリ ャ附々 も 同腹と や。 

およ .<vw ちか はやき」 - 

いふに や 及ぶ、 限り も 近し 早來 やれ 

心^ました。 

樣子 は^いた。 

ト兩 人へ か X る。 逢坂 山石黑 よろしく 長 太郎を 投げて 切り かへ す。 石 黑刀を 拭 ふ 見得。 騷ぎ 唄に て此 

道 其よ ろしく ぶん ま はす。 

本舞蹇 一面の 平 舞 臺。 上の 方 床の間、 地袋 違 ひ^。 掛物花 生 を 置き、 向 ふ垒骨 障子。 下手 折り 廻し す 

ベて 奥座敷の 體。 踊り 也に て 道具 納る。 トこ >- に 仲居お はな 其 外 仲居^ 道具 を 敷いて ゐる 

富士^ 西 行 



時代 狂言 傑作 集 ニニ 四 

^\ さか プき ひきし は なさけ ちし ご どき は w c \ ねだう ぐ はこ なか, o 

はや 杯 も 引 汐に今 ど 情の 知 死期 時、 あ寢 間々々々 と寢 道具 を、 運ぶ 仲居の 

ばな び てん 

あ 花が 氣轉。 

募く じん こ^ さい かく なか i は はナ 

はな け ふの やうに 客人の 込み合 ふこと は、 いつもの やうに 才 暨 をい うて は 中 どん も 廻らぬ il、 お ま 

へ が もちつ と は手傳 うて やちし やん せいな ァ。 

3- L1 ^ ' , / よし ご れん ぢぅ A.£ わ 《- .S ぢゎる 

仲居 おはな どんの いはし やん す こと ぢ やが、 あの 義 さまの 御^中 は 床 割に するとき かぬ と、 意地 惡 

で.. だんた へ しか 

の次圑 太さん が 叱る ぞぇ。 . 

同 二 まだ それば かり ぢ やない、 居つ ^けのお 客 も 座敷 を かへ てく れいと いふ わい なァ。 

きけ ひ き . まや ね 

はな それ はマァ 酒の 引かぬ うち、 氣むづ かしい お 客から 早う 寢 かす ことが よう ござんす ぞぇ。 

仲 三 そり や 合點ぢ やけれ ど、 お まへの 斷間は どなた ぢ やえ。 

t : r , ほ" わ" . «^.< せ ひとお ほざ し キ- こざし * し 

はな ソ レ初會 のお 客で 背 こぶの ある 人、 大 座敷 はふ さがる、 小 座敷 はせ まし、 いっそ こ X らへ 敷か 

うわい なァ 。 

J . wy ら ゆ- 

仲居 そんなら 妾 等 は奧へ 行く ぞぇ。 

はな たのんだ ぞぇ。 

皆々 アイ/ \。 



ト 々奥へ は ひる。 おはな 殘り 夜具 を 敷く 事、 此折奧 にて、 

仲居 サァ ぉガ盡 さま、 かう お出な され ませい なァ。 

ト 矢張り 踊り 地に て 仲居 西 行の 案内して 上よ リ 出て 來る。 おはな これ を见 て、 

£ » * 一ん Jr* ま , で - " 

はな ム、 あなた はお 大盡 さま、 ぉ聽間 をと りました、 サァ これへ お出な され ませい なァ。 

ぢ よちう おち せ わ 《 

西 行 これ はく 女中 達、 お 世話々々々。 

なん けっく B r こま 

はな 何の まあ、 あなた その やうに おっしゃって は、 結句 妾 どもが 困ります わい なァ。 

仲居 マァく あれへ お越しな され ませ。 (ト 蒲圑の 上へ 据ら せる) 

はな テモ マァき やうと いお 大盡 さま。 

ほや ね 

西 行 ィャ モウき やうと いやら ちかい やら、 こっち はきつ いちかつ ぺ いぢ や、 早う 寢 さして ほしい。 

fer いま /- レ ふ ぷく 

はな ハイく、 只今 これへ 太夫さん も ござんせ う、 マァく これで 一服め しあがり ませ、 ほんに マ 

ァき やうと いお 大 !s さまのお 入 hs、 ァノ マァ福 々しいお 耳。. 

to; 居 ほんに さう で ござんすな ァ。 

_sc\ とみ-ひ , » » 

はな モシ 一寸お 耳 を 引きましょう かいな ァ 

せ み. - i .- , はや * よさ か ♦*< あ 

西 行 ィャ く、 いかに 背が ひくい というて 耳 を 取られて たまる もの か、 こっち は 早う 歉坂 山に 逄ひ 

富 士見西 行 ニニ 五 



時代 ^首 傑作 集 ニニ 六 

たい、 早う 呼んで たも/^。 

兩人 ハイく、 只今お 出で ござり ませう わい なァ a 

はや よ 

西^ ハテ 早う 呼んで たもと いふに。 

兩人 アイく、 合點ぢ やわい なァ。 

ト 踊り 地に て兩入 奥へ は ひる。 西. 入あって、 

あ ふ さか 办 i なに み ** ま 

西 行 《テア ノ逢坝 山 は 何して ぞ、 モウ 見えさうな もの ぢゃ、 ァ、 コレ 待ちび さしい こと ぢゃ、 待た 

ま み 

る、 より 待つ 身になる なと は、 よういう たもの ぢ やな ァ。 

ト思 入、 これ を 上手 出 語り 淨 瑠璃になる。 

f» W X ふすま ご つゆ かいだう 5 つし * しん なか 

待つ 間 ほどなく 襖 越し、 露 を ふくめる 海棠の、 まだ さと なれぬ 寫繪が 新造 仲 

る ともな い ざ しき 

居に 伴 はれ、 出づる 座敷の おもはゆく。 

. ト この 淨瑠鹆 のうち 奥より 寫!! 番頭 新造に 手 を 引かれ、 あとより 新造 文庫 を 持ち 仲居お はな 附 きそ ひ 

出て 來り、 

番新 ム、 あなた はお 大盡 さま、 これにお 出な さんした かいな ァ。 

さいぜん たい^く ま わ とこ . fx くだ 

西 行 最^から 太夫の 來 るの を 待って 居た、 しかし^い そぎ ぢゃ とかなら す 笑うて 下さるな。 . 



なに Z よ ひ お ,,i はや , - 

はな 何 を マァ わつ け もない 今宵 はしつ ぼり 太夫さん 早う あそこへ。 

ト 無理に^ 拚を蒲 囫の上 へ つれん とする" 寫^ 恥 かしき こなし。 

すね だいじ く なに およ > 

$ ハテぉ まへ も粹の やうに もない、 大^のお 客、 何もい ふに 及ばぬ わい なァ。 

ト此 前寫辫 新造に 謎への ことあって、 

しょ SJS しんじつ みお •* を 

はな テモマ ァ初會 からま 實 らしい お 方 さま、 うらやま しいと 申さう か。 

うつ H、 

はな たんと おしげり、 

呰々 なさん せいな ァ。 

n. おぐ た ゆ |» しき みせん いと て じ * -, 

いひす て 奥へ 立って 行く、 座敷々 ケ は三咴 線の、 絲の 手品 も はなやかに。 

ト^々 こなしあって 奥へ は ひる。 あとに 西 行 あた リ へ 思 人 あつ てお 綠に向 ひ、 

な き およ しお S ね この だいじん でぶ 》~ん ふか 

西 行 コ レサ、 お 名 を閒き 及んで 慕うて 參 つた 此 大盡、 かう 出逢うた はよ くくの 綠の^ さ, さて さ 

き としわか この て じん ぞ C- つと とし 沪厶 

て はや 閱 いたより は 年若で、 むつち りと した 此 手の 尋常な ことわい の、 いっから 勤めて 年 は 幾 

P あ ふさ か • 

つで 誰が 逢坂の、 

へ 山と はっけた と 慕 ひ 寄る ほど 身 を ち t め。 

iM 士 a 西 行 ニニ 七 



時代 狂 霄 傑作 狻 ニニ 八 

ト西行 こなしあって 寫^ に 寄り添 ふ。 筠紛ぢ つと こなしあって、 

とうと ひ さし »_ ぶ を 《- ひと し おも S の i» 

うつ 問 ふも^し EI はぬ もつ らし 武藏 鏺、 か X る 折に や 人 は 死ぬ らん、 忍へば 命 はつれな いもの。 

か rJ ち淚の あ, 9 さま を、 客 は そっと さしの どき 

* に な ひとと と はや ね 

西 行 何やら を かしい ことい うて 泣く 人 だ、 問 ひたい ことがあらば きりく 問 うて 早く 寢 たがよ い、 

身 ども は 淚を買 ひに は來 ぬわい の。 

A ぶ 1- && えん うつし ゑ なみだ > 

不典も 時の 緣の はし、 寫 繪は淚 をお さへ 

よう しづ ど おも fc^ < らう しん く み 

うつ 世の 浮き沈み は 七 度と やら、 思へば わし ほど^よりも 苦勞 辛苦の 身 は ある まじ。. 

み うへば なし む よう このね うき ほ 

西 行 ァ 、 コ レく, 身の上 話なら 無用に なされ、 此方 氣瞎 らしに まゐ つた もの。 

けな も たづ ひと 

うつ サァ 話す も 若し や 尋ねる 人 を。 

A ごぞん f ^-fc き 

御存じ あらば、 思 はす 語ら を 聞いて たべ。 (ト 合方) 

もと ぉ圪 うちう ま ち- ほくめん は- § ちょ たが わか ざ はな つゆ 1 のこ ち-うへ ご ほつ 

元み づ から は.^ 內生 れ、 父 は 北面 母 は 官女、 互 ひに 若木の 花の 露、 情の S を殘し 父上に は御發 

し o は- しに わか ふたりお や かほ 4y« 

心、 母 さまに は 三 つのと し 死別れ、 二人の^ のお! i も^えす。 

M\ 乙 ひ お *• こ-る うち す B-? 

あけくれ 戀 しゅかし いと、 思 ひくら す 心の 內、 推量して たべ。 



ft な # びと.. 

田^ 人。 

, とりつき なげ ゝ ば。 

西 行 ァ、 コレ めつ さうな、 Si る^へ i- がか-ると はげる わい の、 そんな 話 は 西の^へ さらり とこつ 

かこの、 コレ 夜が 明ける、 ちゃつ ときよ うぢ や あるまい か。 

へ 4 も だへ すれば、 まあ C 待って とおし と^め。 

うつ マァ その あと を I いてた ベ、 それより 戣は のおし ほで 人となり はなつ たれ ども, 貧苦に せ 

こ つ i う みし わぶ わが み か は々 け 

まり子の ある^ を、 袞るを 兌 かねて^と 犹身を 川 竹に . 

, 沈みし つら さ。 

はぢ ふお 

恥 あら はして 語る の も。 

へち、 う ft プ し も 力し 5 の 

父上 尊ぬ るた ねにもと、 知らぬ 昔の 物が たり 

あはれ と^うて 下さん せ。 

\ な i . ,むな1<-んょぅ,, 

へ rJ ,ます 淚を こちらで は、 客 は t ぢ くじ 胸算用 

西 行 ァ 、i が T しづくが 六が づ\ S いもの、 i が 三て うし 肴が 棕千、 みづ から 吸物と もに 1 兩三 

富 士見西 行 一三 九 



時代 狂 首 傑作 集 二三 

ぶ - 9 ん けら かへ • , - 

分 五 厘と 拂ひ をして 歸ら うか。 

へ 立つ を 引きと め。 (トツ 力く と 西 行 をと めて) 

ま を 

50 コ レ 申し。 

、ひと はした た かた ま ひ S -, r- 

人 は 暗れ の 下で 立つ、 つれない お 方ぢゃ マ ァ 待って と、 引と むれば 

いんぐ わ k ぜ I- と なん おや ゆく^- & たづ か 

西 行 つれない と は そ さまの こと、 因果 經を說 くやう に、 ェ ヽ何ぢ やの 親の 行末 を 尋ねるならば 家 

*? たづ 

老 とやら に ねさした がよ いわいの。 . 

うつ さいな ァ。 

西 行 ァレ まだ かいの。 

かな からう みう へめ み て r き さん if-n 

うつ ^しい は その^ 老の 身の上、 目 かいは 見えす 敬の ために あへ ない 最期。」 

V* むちみ でぶ つく ( ( 

西 行 南阿 阿 彌陀佛 々々力々々々。 

.4 一な くだ 2HI たね み , 

うつ よう 唱 へて 下さん した、 淚の種 を 見せ やん せう。 

、てばこ う ち だ しろが; J ざいぐ そで かう ろ かけち』 ぶく と いだ 5 

手 笳の內 より 出す 白銀 細工の 釉 香爐、 掛地 一幅 取ら 出し。 

ト袋? !ょリ 文^ を 出して 中より 掛物 銀の 猫の 香爐を 出し、 

み このね こ * うろ ち-うへ て けらい CC 、 > たこの か, けち と- f ほ 

コレ兒 さんせ、 此 猫の 否爐は 父上のお 手に ふれた というて^ 來が 妾へ かたみ 又 此掛地 は 父 は 



f^-u 辠」 - レ さ. V- つ の 9 きょ さま ぶんぶ たつじん 

の^ 拚 • 母の かたみに ありし 昔 は、 佐 藤兵衞 則淸樣 というて、 文武の 達人と やらであった とい 

なァ。 

西 行 ハテ それ は 結構な ことの。 

ft は こんにち ち-うへ ご つけ -' つ. *7 ひ 

うつ 則ち 今日が 父上の、 御 出家と なられた 月 なり 日な り。 • 

ヽ あ ぐ だ 2 うぶ か P と 乙 ぼしら かう ろ と o- お 

お まへ も逢ラ て 下さん せ、 屛風 を假の 床柱、 姿 繪 かけて 香 爐を取 出し。 

このた かう らん じゃたい ほん ごんえ う ぬに 

うつ 此 焚く 香が^^ 待、 反 魂 否で もあるなら ばお ことば か はすこと も あらう に, 何 をい うて も^そ 

ら ごと。 

ち- "うへ ft-w かな むかし *^ た ゑ *i しひ ov^ 

なつかしの 父上 樣、 悲しき 昔のお 姿 や、 繪に 魂 のあるなら ば、 娘と いうて 

?ぶ つ 

たま はれと、 屛風 にと, 5 つき しがみつき 

いま み 

わしゃ 今の 身 はやう ちんへ。 (ト愁 ひのこな しあって 泣 伏す) 

へお ふ せんごぶ かぐな しプ 

> 落ちた わい のとおうと 伏し、 前後 不覺に 泣き沈む、 客 はう ろくき よろく 

と、 立ったり 居たり あげくに は、 ホッと 草臥れぐ にやと す はり。 

なんめ あ ゆめ また かけ S わか ->J びす » 

西 行 コリ ャマァ 何たる 目に 逢 ふの ぢゃ、 た^し は 夢 かしらぬ、 又褂 地の 若 ^を 見る やうな、 わろ も 

富 士見西 行 



時代 狂 言 傑作 集 二三 二 

やくめ おひ つ ほき つ 151- ヮ卞 み 

わろ だ, 役目の 鯛 は 釣らいで 條を釣 hs、 坊主になる とい ふ ことがある もの か、 よいく 身 ども 

$ あは なきね ぃリ ねい 

が 尋ねて 逢せ て やらう、 その か はりに なう、 コ レ《 泣寢 入に 寢 人った さうな、 どうで も 

こん や, とぞ はん ぬすびと お も © せ ね 

今夜 はお 伽番ぢ や、 ァ 、ま, t よ、 盜 人に 追ひぢ やが 物 §: て寢ら れい ゾ 

^ 5 き— 

ふとん 打ち 着せ。 

ト泣 伏し 居る 寫錄に 蒲圑を 打ち かけ 其 身も寐 ころび 思 入" 

西 行 ドレお 庭な りと も ふみましょう か。 

^ あし t> やうぶ ひき wtt しぼ めめ むす 

M ろ. o とてけ て、 足で 屛風を 引 廻し、 暫しは 夢 を 結ぶ らん。 

ト これにて 西 行 屏風 引 廻す。 風の 音 ゴン あしら ふこと、 

^乙 _c や よ ひ はるかぜ ぃブ C や f ^ 

頃し も彌 生の 春風に、 さそ はれ 出る 閨の うち、 さっと 屛風 をつ きの くれば、 

»v か だいじん し あん? -tt 

田 舍大盡 もの を もい はず 思案 顏。 

ト此 文句のう ち 件の; t 風 双方へ 引 あける。 蒲圑の 上に 寫繪寐 ころび 其 脇に 西 行 思案の ビ なしにて 居 

る。 合方。 

, あぶ ぜ- ゆ. * ^とも , よしな. A あくさく いさ き JU かへ さ * き あ ふさ. 64 ま け * 

西 行 ^是^な くも 賴 朝に たのまれ、 義 仲の 惡逆を 諫めん ため 都 へ^り 窺ひ閗 けば、 逢坂が とい ふ ■ 

せい しぞ P ね ふうぶん 

城に 性根 をう ば はれた まふとの 風閒。 



\ いん ぉゾき てんか tt かい L > 

へこ やつ 股の 姐 己、 天下の ために 破戒して 追 ひ 返 けんと s ひの 外 

M P とし む na し , ^^^9 

合 ii の 行かぬ 年 かっこう、 娘と 知った 物語 . 

、 Jy にぐ しん b が: ^め ねん う W つ S ひ *?- - 

へ^く たびく に^え ある、 ^親の 我 娘、 十七 年の 生れた 月日、 逄ふ 嬉し さも 

X e み こ、 る r ff 

餘 所に 見る、 心のう ち を 推量せ よ。 

/ry 一 io**5A T も あ ふさ. A とき よしな か わぶ む y どう 

^と: k れても 慰^と いふが^ づ かひ、 若し #S にき はまる 時 は、 義仲は 然。 

\ヒ し I んぐ £»* PS xp&$ P- ほ ** しな か ^< ' » ) » 

へ I に ひかれて si と、 爭 ひしと 頼 朝に 思 はれて は、 狨義 仲に 惜しみ 力、 る、 

i あ > てん か 乙ろ 1 

さすれば 可愛うても ふびんでも、 天下の ために 殺さに ならぬ 

つきぬ? i とて ふしぎに も、 めぐり 逯ひは 逢 ひながら。 

へ § ひ 1=1 りたる ms、 K れんことの くやしさに、 ほふけ て 聞いても 心で は、. 

ぐ わえ A . . , > o 

火 熵の淚 を^ ほせし どや 

i そ なた .s\;ljtl ふか 2_/ . 

思へば く 北 ハ方は 宿 I! 深き 生れつき。 

へせめ て^の が^,^ るか、 ^てし «铲 、がかき て 居れば、 かラ した 形-に 

はなる まいに、 佐 藤 兵衞が 娘と も、 いはる、 ものが 君 傾城 浮れ 女と は 伺 事 ど、 

富士見 西 行 二三 三 



時代 狂言 傑作 集 二 11! 四 

から やまと み も ひと s じ 上 おにがみ やば _ 

废の 大和の なげき をば、 一 一一 十一 文字に 詠み つらね、 鬼神 も 和らがす。 

さい wi._r はふ し かな 

西 行 法師が 悲しみ を。 

へつら ゆき こまち こし を X さと こ やみ 

贯之 でも 小町で も、 腰折れに も 詠まれう か、 悟 ひきっても 子 ゆ ゑに は、 閽 にな 

かな おもいる もす み ふろ しき み 

つた か 悲し やと、 思 はず 衣 額 をぬ ぎ 拾 つれば、 せむしと 見えし は 風呂敷 包、 

さい ぎ やつ はふ し ほんたい うつし ゑ ね う 

西 行 法師の 本體を あら はして、 寫 赖が寢 すがた を、 つく,, ^\ と 打ちな がめ。 

ト西 行よ ろしく 愁 ひのこな しあって 上着 を脫 ぐ。 下に^ 染の 衣つ ゆ を 取りし な" 淺 黄の 風呂敷 包 を^ 

ひ 资 面の なリ になる。 お 粉へ こなしあって、 

逢うて いはす とせめ てま ァ。 

へ £ め A ねが a V M うつし A 

ぺ^に なりと も 見よ かしと、 寢顏へ か、 る 血の 淚、 M たへ かねて 寫繪 が、 ヮッ 

なきいだ ^め わか ころも I 

とば かりに 泣 出す、 ^のさめ たが 別れ どと、 たちのきた まふ 衣に すが, 9。 

ト; €: 行う つし ゑ を 飛び越え 行かん とする。 うつし ゑヮ ッと起 上り 留めて、 

ご JSC け I おや こ 5V- にんおば め ひとこと 〜 . 

うつ モシ 御出^ 様、 親と も 子と も 巾し ませぬ、 あかの 他人と 思し召し たった 一 言 a 

へ 問いて たべ。 

す^! み おも そら.^ い. • きとお しんぼう 

耮娶と 兄 くらべ て もしゃ と^ひ 空 寢入り それ ぞと 間い て^び 起きる をぢ つと こた ゆる 辛抱 は、 



it いつは お" 

I, -, と あ f か t< . >.t^c -寸 て^すと ある、 始めに 偽り 後に 

き籠らし ますき さ、 たと て、 f が 

t I さか,?, ., "、二 C よい ひわけ もせす たと む, きズ Z -7 

f. わしゃ 逢坂 山で な いとい ふオ? い いっそ r たい i して もら はう と、 

f もなる ことか、 うきつと め をしょう より は いっそ 死に 

«5 も あり やう は— 

二, こ あい ィー のこと なる どや : じ そ?? 、 ^ 

浮^ i V St ナふ めの 其 證擄は コ レ 奥て^ 

おさらい ふで はな けれども、 HJ 

P ろうた この や これ を &vfe ひ はらして 下さり ませつ う さい f タ 1 ,ス つくり。 

^し r おはきの、 靈 おまん ま 一ぎ 行 取って f 

. ノン.!. 、ビ rote ST ラ^んで 見て びつ くリ ^1 .£ 

ト, i いぜんの 文 を 出す 西^!!" パ, S 么 もん 、お M=s んと^ を^ 4! せお れが妹 を 糾 

いし 5 spt. ^^つお の 左衞鬥 よな 鼓の 牟.^ と^を^ はせ まび; き 

西 行 さて は I 左 衛鬥め は £ の.: し 飛 「 一お か、 I ものた のみ はこ 鉦 ん 

に k ひ、 i を f かた こまた、 t ともに! へ 一ず !の? 

きか ま いづく ぞ。 . 2 な. * ね . 

ゲ きわけ て斑 が もてなしと 仲居 S 

うつ ァ レア ノ向 ふの 富 士の 間 の 大^ 憨 I , な 一- 

; f , >> おおす、 おき トの名 殘りは 叙 事 C 

西 行 それ こそな ほ^つ 力む X ^はす,^ ま. 二 § 

富 士見西 行 



時代 狂 言 傑作 集 二三 方 

\ てん " ひい $ せいき ふ <s レ のこ のりきよ に" J だ.^ 

天下の ために は 火に 入る とも、 時 M そう つれと 性急に、 昔の 殘る 則淸 入道 

6£ ひつ .V おぐ, a 1 

娘 も あとに 引 添 ふて 奥の 一 間へ 

ト兩 人ぬ き 足に て 行き か 、る こなしあって、 

ひそかにく。 

ト兩人 窺 ふこな しにて 上手の 奥へ は ひる。 此 道具 靜 かに ぶん 迥 す。 

本舞臺 中 足 二重- 向 ふ 一面の 富士山の 書 割 金换。 本緣付 上手 障子 屋©。 下手 廻り 緣の 廊下、 上下と も 

所々 に 山吹の 花 盛リ、 四ッ目 a 櫻の 立 木。 SM 屮に 結構なる 金 释 風 をた て、 朱塗の 行燈を 置き、 本 釣鐘 

風の 音に て此 道具 納る J 

\ » .V ら うし, t つ ね (n- じぶん いし elc*- 5? 4 ん an ぶメ t 5^ 

ハ行く 空 も、 早 丑 滿の寢 入ば な、 時分 はよ しと 石 黑左衞 門、 寢間を 窺 ひぬ き 足 

あ ? 3 しの ふじゑ $ なし あ よしな かこう 丄, 

さし 足 息をつめ、 忍びよ つて 富 士の晝 の 襖 を そっと 押 開 くれば、 義仲 公は餘 

ねん "まぶ うはぎ As.tt ャ と" みだ , 、""、ほ ) V11>,、: さ 、 

念な く屛 風に 上着 帶 羽織、 取亂 したる あ り さま は 運の 極めと 笑つ ほに 入り 

いもとし まま えんいた ブた ぐ あしおと ぶ み 

妹が 知らせ を 待つ 間 ほどなく、 緣板傳 ひに 來る 足音、 す は 人 乙 そと 身 をち 义 

しの やうす 《■ か V る 

め、 忍びて 様子 翁 ひ 居る。 



ト本釣 錡 風の 音に ていぜんの 石 黑 下手よ リ玆 ひく 出て、 上手の 障子の 內 を^き 思 入 ある。 此時バ 

タ くと 下手に 足音す る。 これにて 石黑^ を か へて 上の 柴 a の饺へ かくれる。 

、い f 3 い SJ. ろ £ ふ しなら く ぼな ふろしき あう み 一 た らう y» 

-入. o 來るは 西 行 法師、 ^落まで も 放さぬ 風呂敷、 しっかと 近 江の 太 岛衣、 き 

まさる 3 

ら, 9 と卷 上げ かい,, i\ しく C 

ト 下手より 西;. 化 出て 來り择 風の 外に 立ゐ。 

西 行 ャァ/ \ 慰^、 その sfes? の^をい たにき、 ^國 追討の 命 を 受けながら、 赍女に 迷 ひぎり をき 

はめ へ の iiS ま - 、 【I を齡 せと 賴朝 のた のみに よって。 

へ さ L! う? ゑ のりき 上に ぶ だう TO い? はふ し 卞っぴ たは , ?i ^ >- * 、 Jl > し > > ^- C > 

佐 藤 兵 衞則淸 入道 西 行 法師、 實否を 乱しに 向 ふ^.^、 お出 やれ やっと^ば つ 

* 石黑 左^ S7 飛 もで 出で。 (ト 柴垣の 後より 石黑 w て) 

石黑 ャァ お^に T だ? 1^ もせ や、 寢 所へ 忍ぶ 無? き费、 そこ 一 寸も 動かせぬ • ャァく いづれ も U の 

しん i よ しの く i も Q ^1 , 

寢 所へ 忍びし 曲者、 からめ 捕られよ。 

ました。 

ト 上下 の 柴坦の より 男逹四 人出て 上下へ く。 

富 士見西 行 ニー ュ七 



時代 狂言 傑作 集 

竹 六 何者 なれば すゐ さん 至極。 

四 人 その 名 を名乘 つて 繩 か、^, , 

〈M こか k れと呼 はったり、 西 行 じろ りと 打ち 見やり て 

西ー了 ム、 しまし き ,ども、 S あしく f たれ ど、 黐 にぎた I、 かけ 鳥 を 射て 手な み 

kr. 0r§. きそ びら かしてき りの f さま してく れん。 

へ S5f を ひろげて 待ち かけたり。 

lb 黑 こしゃくな 一 一! 一一 n、 ソ レ いづれ も • 

四 人 心得ました。 

^つたと か、 る 乂け、 s かへ し 5 でん?、 左手へ か、 れ なた 

へころ. r 手 かへ しに i なげ、 f のかき み i の i 、さしもの 大きき 

みな -D 

たれ、 皆ち り- ^に 

ト西 行へ か、 る。 立 廻りよ ろしく あって 四 人と もに 下手へ 逃げて は ひる。 I きっとな つて- 

: : 、 .1 しぐ ろ si* *. 一れ ぁぢ , f 

石黑 いらざる P の-きて、 ff, i が 刀の 切味 こ あみよ。 



へ? ^りか、 つて おぐ る、 當 たか 蹴た か 石 黑左衞 門、 ゥン とのつ けに 反, 9 かへ 

3 い ぞざ みす I 

る、 西 行 見 拾 V- 

ト拔 打ちに 切 付る。 西 行 その ま > -立廼 つて ボンと 當る。 これに 薄 ドロく になり 石黑 fc ぢ たおと あと 

へ 下る。 西 行きつ と 見て、 

£ レ%.& i て おそ で うらつ ぴろぅ ね や うち > は i" > • ' - »^^/\(» 

西 行 ャァ i 術、 S ,なみに 恐れて 出ぬ か、 放埒 尾籠の S の內 恥 あら はして 見参々々。 

\ t ? <, ぶ ひ うち たいし t あ ふさ か く わい^, ' , 

へつ 、と 寄って^ てた る屛風 引きた くれば、 内に 大將 逢坂が 懷劎 持ちし 腕^ち 

-J M > いで ヒち -5 ち S さい^ やう と C 

あげ、 烏帽子 裝束 はなやかに 立 出で たまへば、 さしもの 西 行 はっと 飛び 返き 

おどる かほ 3 

M はいかに と 驚く 顏を、 はった とねめ つけ 

ト西 行屛 ^を 引きの ける と內 に^ 仲 金^^ 子 狩 衣 さしぬき、 逢坂 山が 懐斂を 持った 手 を 押へ てゐ る。 

義仲 おの^お おの 觀 あると、 の i を^に かけ 我意 を 振舞 ふこと を かしゃ、 義 仲が 見參 におの 矢 

$ い キー ね > 5- /r. つ-た 一 , 

先で 总 の 根と めん、 受けて 閻魔へ 訴 へよ。 

へがが 持った る懷劎 もぎと りつ、 立ちた ま へ ば、 びくと もせず 胸 くつろげ てつ 

、と 出で。 

m-ん p^/ ^ じんぎれ いち おさ お * ^ 

西ラ Kg が^^に は, 釋ぎー 代の 經々、 仁義 禮智の 五常 も 納め、 かため 置いた る 胸のう ち 我より 邪 

富士 西 行 二三 九 



時代 狂言 傑作 集 二 四 

ねん 2%* お fc み. 

念の 劍が 立た ば 立て \見 られょ サァ こ、 を/ \-0 

へ ii と ま もんぜつ いしぐ ろ さ ゑ もん し q う ね > 

ノ的 になって ど 待ちた まふ、 悶絕 したる 石 黑左衞 門、 性根 をつ けて むつく と 起 

さ o 

たいし およ ほう タ - く ぴ っ条 

石黑 ャァ大 將の劍 に 及ばす、 坊主が 首 を この 劍。 

J\ と しゅり けん ぐ ^やうし いしぐ ろ s A 

飛んで か、 る を 手 澳劎 の、 はっしと 來る がと たんの 拍子、 あへ なや 石 黑左衞 

門 うんとば かりに 息 結えた, なう かなし やと 逢坂 山 は 走りよ み。 

ト石黑 心 づき 立たん とする。 義仲懷 ^をと つて 手袅 叙に 打つ。 仕 かけに て 石黑の W 先へ 立つ。 これに 

て 苦しみ 落ち入る、 逢 奴 山 は 死骸に 取りつ き、 

あにう へ は もの たいし 5. う いのち と じがいき う け あ , し 

逢坂 なう 兄 上、 この 刃物で 大將の 命 を 取らん とのい ひつけ を、 自害す る氣 で受 合って 死ぬ ると ころ 

いま また いのちと このつ, 0£ いんぐ h たさ 

を もぎ とられ、 今 又お まへの 命 取る、 此劍 もい かなる W 果^け ない。 

へ な 4i か さい Mho ふ し ぎ がん レ. < く 

泣く よら 外の こ とどな き、 西 行 不思議の 顔色に て。 

uic え ケ -V う め きっさき .3S つとう V. 二 いしぐ ろ う つ ま ご しょぞん 

西 行 ャァ ァ ラ 心得す、 愚僧が 目 あての 切 先、 出頭 第 一 の石黑 へ 打ち 附け 4i ふ 御 所存 はな、 

かれ へいけ さむら ひ ほんれ ゃゥ ひだ さ& も.? 

^仲 ホ 、 ヲ彼は 平家の 侍 、 本名 は 飛^の 左衞 門。 

し また てん わう きう しん とほ かれ ひと, ご あいしん % 

西 行 ム 、 それ 知って 又 四天王の^ 臣を 遠ざけ、 彼 一 人 を 御 愛臣と は なぜな されし ぞ、 



»i ん ニ|- く *J ラ lr-c レ てレゎ 5 9 もうぜん とほ さ もん 

義仲 燕雀なん ぞ鴻鵠 の 心 を 知らん、 四天王の いさめ は理の 當然、 遠き をお もんば かって 左衞 門が 

J5 は うらつ だ £w み % な. a つう て Je】 ^1^1 ようじ、 ^ ^ k I ) > 

す \ めに隨 ひ、 放埒 墮 弱に 身 を 持つ も內 通さして 敏 の油斷 用心の 網 を 張らすまい ため。 

おろ わ.?. - A みつ てだて てき sfctiw » けっき. - マん g ネ ぶな > 

西 行 ャァ 愚か/ f\、 ^ に 秘密の 手 立 あれば 敏に又 智略なくて はかな はぬ 血 氣の軍 慮は危 い/、。 

おも ごへん uic わがぐ.^ み I を のば **JJ かんじゃ ^ m - 

義仲 さほどに 思 ふ 御邊の 心、 ^軍略 を 見せ 申さん。 かねて 登せ し 都の 間者。 ャァ < それに 控 〈し 

をび のね ね^ / 

桶 野 根の 井 やや まねれ。 - 

ト義仲 向 ふ へ こなし、 此時向 ふ にて、 

兩人 ハァ II 

へ あ ふ をけ ね a , 、 いでたち ご ザん * ちか. ^ ^ 

仰せに はっと 桶 野^の 井、 さし も 凛々 しき 出立に、 御^ 間近く 立 出で た. 5、 

上しな か み ) 

義仲 見る よ, 9。 

ト この 淨 瑠璃に て 花道より 枞の 井小彌 太、 桶 野 六郞小 具足 腹卷 大小 好みの なりに て 出で 來り、 根の 井 

は 上手 桷野は 下手へ 平伏す る。 義仲兩 人 をき つと 見て、 

にん やうす なん 

義仲 いかに 兩人、 都の 樣子は 何とく。 

し a くん あ ふ 5 われく f にん , » 

根の ハツ、 かねて 主君の 仰せ を 受け 私々 兩人^ を やつし 

5\ しの IT かど かま くら ない い し » ぐん あと きょめい i 

忍び,/ \ に 窺へば、 鎌 倉よりの 內 意に より、 主君に 跡な き虛名 をき せ、 館に 

富 士見西 行 ニ践 1 



時代 狂 雷 傑作 集 

» きみ 二 Mn 一 

押しよ せ 我 君 を、 討って 取らん ず « が!^、 かくと^る よ,, も、 

隨 ふ軍轧 の、 M^KTIi は!^!?^!^。 

トこ の 文句のう ち 根の 井の りよろ しくあって、 



ざう へ ラは む し to- 

桶 野 莉兵 端武者の きらいな く。 

f a つかう 5 し.,' 

眞向 まびさし 浚 づけ、 ち さ 5 く 11^4 t 、 „ ベ ひ i わう むじん 

i^^w ^六る を 幸 ひ 切 6N まく 6S、 ^首 かき 首 縦横き 盡 こか ナ 

なやまし。 

ト桶 野よ ろしく。 

It t, si うちと 

拫の 殘らす 討 取リ、 

i • たち かへ V 

桶 野 立歸 つて、 

ぎゾ ござ. 0\ま する。 

木 售 の 耳目と かくれな き、 武 默 の ほど どた くまし、。 

へ:^ な 1 かくわん じ ゑ 

義仲 莞爾と 笑みた まひ。 

ト兩 人よ ろしく のりに てよ ろしく あるべし。 

義仲 ホ、 ヲ 出かした /(,-、 も.^^:」 L ^ ^ , ゆに て 

/ ( ^ュ とも 港^ なきやう 示し 合し て^か 手つ 



兩人 

義仲 

兩人 



かしこまって ござり まする- 

け- 

ハツ 

へよ つと 豁 へて 兩人 は、 かし N? さして かけり 行" 



0- や 5 にん 

兩 人- 

.兩 人 こなしあって 桶 野 は 上手、 根の 井 は 下手 双方へ は ひる- 

へたい. 3* うば ふ し , う ^ 1 o 

, 大將 法師に 打ち 向 ひ 

• C ごぼう ひほん • 3 

義仲 か ,る£り なしお くに、 これに も 御坊 批判の ある や i 

西 行 ハ、 ァ議 するどき の S 、まろし く、 さりながら fsf§§ へ ふん ごみ 月き 

U への 鶴、 1 なき 5? を i へな ぜ欝に はか けられし ぞ。 

と? w 

義仲ホ 、ヲ その I 一 nl はいと やすし、 たと へ を 取って 申さん - ^ 

へ しづ (4乂 つて す 土の^の、 描いた る 襖兩方 を、 細目に ひらき 座に 直り 

ト あたりへ こなしあって 正面の 襖 を 細目に あけて、 大小 本調子の 合方になる。 

-fc M 么 が と ォ みね メ C つ 

あれ &られ よ 議、 KS 三 Mi の, 山ん、 八き の $ とはいへ ど输 に 描 4 はコ 一つの 峰 これ 日 

おのき, してきち 一一 一つに ましお In き 三つに 分けた る 心 は 一方 は 鍵、 此 t こそ 

f 二 四 三 

富 士見西 行 



時代 狂言 傑作 集 二 四 四 

ml お ほざみ おり C - % た ほう みね くさ は^けん このみ つ H»o す ま しょ ぢ 

都に まし ますん 君の 御手に あり、 又 一方の 峰 は 草な ぎの^; 劎、 此御 劍は須 磨に まします 君 所持 

しゅ あ? A めいはく 1 まんなか * ね , ^んじ おん はこ ご せんだい 

した まふ、 まづ この 二種 は 有 所 明白、 た^ 情なき は眞 中の 峰に たと へたる 神璽の 御 箱、 御先 代 

ほうぎょ *- つ ふんしつ ? * か し へいじん て こ ic も 辻 やうね-かう くわん おも やかた 

崩御の 節より 歉 失して 有 所 知れす、 平 人の 手に あらう やうな し, 心 元な き は 高位 高官 を^ ひ舘 

ご らう ぜ. *0 こ- -ろ や ごく めいざん , ごと Z : とき は 14 ま; 

へ ふん 込み 狼籍 する も 心 は 家 さがし、 三國ー の 名山 も あれ あの 如く 破れた る陡は 端山 築山 御 

i ごと いし につ ぼん たれら , I なにとぞ.^ ぼう たづ だ ちう ほ 

寳 とても その 如く 一 つか けても 石 瓦、 日本の 寳 とはい はれぬ 何卒 祌寶を 尋ね 出さん と 忠義に 

らう? き か、 A f 5 へいけ £ さ あく WW * § むねん すゐ 9? 

はかる 狼籍 も、 却って 不 恋のう たが ひ 受け、 平家に 勝る 惡 逆と 世上に いはる X 無念 さ を、 推量 

のりきよ にふだう 

あれ ゃ則淸 入道。 

\ なみだ さいぎ やう はふ し おも もこ ご、 ろ 

淚を うかめ のた まふに ど、 西 行 法師 も M とはらと、 思 ひながら も 底 心 を さが 

み ひざた てな ほ > 

し 見ん と 膝 立直し。 

& * じ § いひ わけ みね にんげん 

西 行 畫 がきし 富. H を 三つの 竇に なぞらへ ての 言譯 もっともく さあら はこの 三つの 峰 を, 人間に 

とく .0 レレぎ ひと な ご しょぞん 

とって は 一二 德 かねし 名將、 いづれ の 人 を 名 ざすべき、 御 所存い かに。 

, と あらければ。 

*< んなか う た レ0? よ 9 とも いま ほう たかね か ば じ やの りよ M- こう 

義仲 ホ 、 ヲ それ こそ はま づ眞 中が 右 大將賴 朝、 今 一方の 高 根 は 蒲の 冠者 範賴 公、 こなたの はげしき 

みね 

峰 こそ は。 



よ し^ *か こゥ I - 

西 行 義仲公 か。 

げん ら$ よしつ ね : 

義仲 ィ、 ャ i 九郞義 ぎ。 

さ き こう おん み ャ 袤 / 

西 行 然 らば 貴公の 御身 をば、 いづれ の 山に たと へて いはん。 

u-ikH. |ひ化ぉ:*ま - » - >^^*s» ほへ f き A* _3_0 i せんこう つ ひ 

義仲 ヲ、 この 義仲は 山に とって は 愛 朦 山、 前にあって は 敵 を 防ぎ 後 を 守って I 功な せど も、 終に は 

*i5 f - り^ I* が ひ こま t§ us ラ ち む ねん おも .T.i ^ して * 

牧 の^?! となり 野 飼の 駒に むちうちて 都 を ひらく は 今の 內、 無念な とも 思 ふに こそ、 

このと ほ • 

此 通り。 

A た ひら ふすま 9?tt5 ど た 

すっと 立って 開きし 襖、 兩方 一度に はっしと 閉て。 

, ^ I ごと よりと もよ しつね のりよ 》- 專 つ だ. a にん あよ てんか - ク 

あれ 見られよ、 まつ その 如く 頼 朝 義經範 頼 兄弟 三人、 心をム 5 せ 天下 を かたむる ものなら ば、 ■ 

天竺が 一 つに なリ、 平家に 加勢な す とても、 いっかな/ \ 思 ひも よらす、 M 氏のお は M 驢の、 

獍 行末 もめで たからん、 思 ひま はせば ま はす ほど 賴朝 はが 報 人、 いか なれば 1附 は^を 船の 

や さき あ しんら うしんく き あぐにり r fes て, "か t X -J 

矢先に 當て、 辛勞 辛苦 をし のぎ 來て、 惡 人よ 愚將ょ とい はれながら も 天下の ためと、 耳 を閉ぢ 

<s ^ 、 うみ あさ おも ふ じ 

口 を閉ち こた ゆる つら さは 湖淺 し、 思へば 富士 もま^ ひくし。 

A つ ► ひ § A ひばら どろ ぅブ 

終に は 都 を追拂 はれ、 屍に 泥に 埋もれん。 

チェ ヽ。 . 

富 士見西 行 二 



時, 代 狂 言 俊 作 集 二 四 六: 

9 やつし や 5 あ ふせ のち あう み ち あ M ブ ばら ながれや いのち tt 

,淺 まし さよと 良將 の、 仰 は 後に 近 近路 や、 粟津が 原で 铳 矢に 命 を 果たした ま 

f あは あは さいぎ や。 ひたん なみだ 

ひし を、 思 ひ 合す も 哀れな, 5、 西 行 悲歎の 淚 にくれ。 

なせ てんか とき ぐ そう ひら 

西 行 その 欽き はさる ことながら、 なすこと する こと 天下の ため、 まさかの 時 は 愚僧が いで 申 開き ま 

ごぷん また さんく わ S ま を 

ゐ らせん、 御緣も あらば 又の 參會、 おいと ま 申す。 

> 座 を 立ちた へば。 

HJic づょ さい 445 しんてい そラ は 

義仲 ャレ 心強 や 西 行、 かくまで 心底 あかせ ども、 貴佾 はうた が ひ 晴れざる か。 

西 行 こ はき やうが る 仰せ、 うたが ひ 晴れ たれば こそ 此ま X にて まかり かへ る。 

じ や すん そのき う さ 5 ぜんいし ぐろ もんぜつ レ v わつ * し £y s» ん ザん しん ほつ 

義仲 ィ 、 ャ蛇は 一 寸 にして 其 氣を 得る、 最^ 石黑が 悶絕は 死活と 兒 えて 死活に あらす、 眼 5k の 神罰 

なに ゆ- & き そう せ お ふろ し 令- プ >.} £ さ にっぽん たおら み め たぶ は 

は 何故 ぞ、 責^が 脊負 ひし a 呂敷包 は、 正しく 日本の 寳と 見た目 は 違 はぬ、 うたが ひ 晴れたら 

.S そ わた 

急いで 渡して くれられよ。 

へし さって 拜を なした まふ、 頓智の ほど どた ぐ ひき。 

すゐ お ほぎ みほろ ぞょ みぎ そ れが ひそ め みぜん さつ らんせい ちか 

西 行 ホ、 ヲ あつ ばれの 推量な り、 大君 崩御の 砌り 某し を 密かに 召され、 未 k を 察する に亂世 近き に 

この しん はう ネづ とべ *.i レ:^ み た あ ひわ fc めい > げんぺい た-かひ 

あり、 汝に 此神寳 を^く る、 三德 かねし 名將を 見立て 相 渡せよ との 臺命 ほどなく 鉱平 Q 戟 は 



さて おも ろた まくら せ v^9 いひ fc とんせ. S しょこく < ぐ よ ,とも あ *K だ. 1 あいろす 

じ まる、 扨 はと 思 ひ 歌枕と 世上へ 云 立て、 ^世して 諸國を 廻り 頼 朝に 逢 ひたれ ども 兄弟の 愛 薄 

にん さう この ひと わた ^ こう また あい お ぼみ うへ み この おん 

き 人相, 此人 へも^ されす、 貴公 は 又 愛に 溺れ 身の上の くも hs さへ 見えす、 さるに よって 此御 

ほこ bfc 

箱、 渡す ことかな はぬ く。 

トき つと いふ、 義仲思 入あって、 

義仲 それ。 

A き fc^u? fce t A <JS しプ あ ふ It- か 

聞く より さとき 大將、 ひら, 5 と 庭に 飛んで 下 6/ 泣 沈んだ る 逢坂 をと つて ひ 

きょせ o (ト義 仲 逢坂 山 を 引きつけ) 

, , へいけ よる & $ お Si いひ わけ >< ^ 

ふびん なれ ども 平家の 餘類、 愛に 溺れぬ 言譯 せん、 ^悟いた せ。 

*^ なん ばかせ て — 

御 佩刀に 手 を かけた まへば。 

もと >< C み うへ きみ て う このみ ほん t う み A2 みや づ> 

逢坂 元より 覺 悟の 身の上 なれば、 君のお 手打ち 此 身の 本望、 未來 はせ めて お宮: a へ、 それが 冥途へ 

みやげ * 

よい 土產。 

まご、 ろ や KS € ぢょ か i-4 さい ご よ ,ぬ じうし ¥ ねん 

義仲 誠心 全き 志、 あつば れ妓 女の 鏡と ならん、 最期 を淸く 臨終 正 念。 

な 4> あ み f ぶつ 

逢坂 南無 阿彌 陀佛。 も 

r み- 

すで にかうよ と 見えければ 

富士見 西 行 二 E 七 



時代 狂言 傑作 集 二 Is 

f.r , , » <J^ga ころ , sir?: て. どうぜん * つ. やぶ *s ,J 

西 行 ァ、 コ レく、 其 女 殺さして は 西 行が 手 をお ろす も 同^、 ^生^ を^ら すか、 まこと 寳が 受け 



と. - そ な たす ころ 

取りた くば 其 女 を 助けて 殺 亡- 



5a I V たす ころ く ぶう 

義付 ホ、 ヲ實 にもつと も、 助けて 殺す 工夫 はこれ に 

^さかや a ぐろ がみ n 

I 坂 山が 黑髮 を、 根- 

.義 仲 逢坂 山の 髮を 切拂ふ 



^» あ ふさ かや a ぐろ がみ n き 

逢坂 山が 黑髮 を、 根よ 6N ふつ 、と 切 たまへば ( 



逢坂 これ は。 

-I . あっ^れ { だす じんしん ころ & ぼう ゆう もと そのみ とく A C? みた. S み わお 

西 行 ム 、天 晴々々 , 助く る 仁心 殺す 智謀、 勇 は 元より 其 身に あり、 三德 かねし 名將 へ御寳 渡さん、 

お ほ? み あ 

大君へ さし 上げられよ。 

へ^- A ふろ 5,0 しん tt う * ttAJ といだ ぐ Si A 3 い 

脊負 ふたる、 風呂敷 包の 內ょ 6V も、 神 寶の御 箱 を 取, 9 出す、 首が 落ちても 西 

ぎ やう ふ ろ し きづ- 4tt な げ み よしな か ちゃう だい 

行の、 属呂敷 包 放さぬ は、 實に 乙と はもと 見えに ける、 義 仲つ >- しんで 頂戴 

義仲 ありがた やかた じけ なや、 我? <願% 就せ り。 

よし はか ちゃつ だ い をり おぐ 乙 Wf 

ル義 仲つ、 しんで 頂戴 ある、 折し も 奧に聲 あって。 

ト義仲 西 行の 渡せし 祌寶 の筘を 頂き 思 入、 此時 臭に て拫の 井小彌 太、 捅 野六郞 の萆。 



大軍兩 根 
勢 兵 人の 



わがきみ ご 0» つ S ん ぶ こく > 

ャァ いづれ も、 我 君 御 出陣の 咭刻 

はやま ゐれ。 

ハァ —— 

へ ®&& のか、 fcKIr^ を かため、 ^の 御 S に 立 出で 兩手 をり か 

ト. 1、 ト 人り になり、 上手より 拫の 井、 下手より 桶 野、 立 烏帽子 大紋素 抱の つゆ をと り瘰々 しきな りに 

て 軍兵 附添ひ 出る。 

てき S ん くうき ュ i Z ^ ) ? *> 1^0 

极の 敵陣の 空疏を はかる 今宵の 手つ 力 ひ 

わがき * さ. * .» ウイ.^ > ) . , 

桶 野 我 君樣 にも 御 出陣あって 

叫 人 しかるべく ぞんじ まする。 へ 

義中 い かさま 陶 5 が ことば &に あたれり。 ff^^ss. ! f v たま ふ 上 は 

でが なく S へ, げ、 IS のま を酵 け、 はなぐ しき fcs とげん。 

极の s^fo に^うて & せ^る^に 1&^Q、 が 原に 打って出で。 

へ 1SI きに §6^ て (-、 1^4 かせて かけ ちらさん。 

富 ± 見 西 行 二 西 九 



時代 狂言^ 作 集 二 五 o 

トのリ にて 拫の 井よ ろしく、 

て *- こうう »5 われ なん おそ 

桶 野 たと へば 敵に 項 羽の 勇 ありと も、 我 また 何の 恐るべき。 

さいご さたち まっかう た S 

いで や 最期の はれ 軍、 太刀 眞 向に ふ, 9 かざし、 M 、になぎ 立て かしこに 切& 

ふ ち し は あき 《?tv> みな 

伏せ、 血汐は 秋のから にしき、 紅葉 染めな す 皆 くれない。 

ト桶 野の りよろ しく、 , 

ぶ. &. 1 か, $ 

根の 武名 を 四^にか^ やかさん。/ 

eic やす 

桶 野 お 心安 かれ。 

わぶ さみ 

兩人 お 君 さま。 

A た かどで 5* ほ げ きそ どの みうち てん わう よ ぼ 

いさみ 立った る 首 途の勢 ひ、 實に木 曾 殿の 身內 にて、 四天王と も 呼れ たる、 

ぶゆう あ ふさ かや £ な 

武勇の ほどこ そめ ざまし、、 逢坂 山 は 泣きし ほれ。 

ぐ ち をな ご つお あに きみ わか かな あ 力 み 

逢坂 愚痴 は 女子の 常 なれ ど * 兄さんに はは なれ 君に は 別れ 悲しき もの は 1. ばかり、 ぁぢ きない 身の 

なり 行き ぢ やな ァ。 

A だう nx だう しん さい ぎ や. ott ふ し ふろ しき ヴ、 み ぐ 

かこつ も 道理 道心の、 西 行 法師 はこれ よう も、 風呂敷 包の 苦 をの がれ。 

5 ね て-? ぺん よ た.^ くわ たく い さいぎ J? かい この 0^ひ r ほんしん き うへ r モぅ あんど 

西 行 有 爲轉變 の 世の中の、 火宅 を 出で し 西 行 も 五戒の ための 此使、 御 本心. v 閗く上 は 愚儈も 安堵。 



A を た ぃブ? 

あ 暇 申す と 立ち 出る 

ト西行 は 行き か 、る。 仲 こなし、 

us ま その もとよりと も たいめん みさ しろがね ねこ せ.? べつ つ 先 , & よしな か あ あは ねこ 

蕤仲 晳 く 待 たれよ、 其 許 頼 朝に 對 面の 砌り、 白銀の 猫 を錢別 ありし と 傳へ閗 く 義 仲の 有 合せし 猫 

し,? £K- § 

を 進上いた し 巾さん。 

^\ ま S つし ゑ よびいだ てと な は A_ 

一間のう ちょ ftv 寫搶を 呼出し、 手 を 取 ftNM なおへ 直し 置き。 

ト上^ の 障子 を 開き 內に 寫繪 いぜんの なりに て義仲 伴ひ來 り、 

けいせい ねこ む HS けいせいう つし & うけと B-JO さい ざ§ は ぷ し, 

傾城 は 猫と いふ、 コレ これ も 娘で はない 傾城 寫繪、 サァ 受取 召されい 西 行 法師 ノ 

<\く わいちう さっと り だ さ お さいち やうと お I 

懷 中よ. 5 一 礼 取 出し 差し 匱けば、 西 行 取ゥて 押し ひらき C 

うつし ゑ み うけ さつ 

西 行 こり や 寫繪が 身受の 一 札。 

<JS み タ《 

うつ そんなら 妾の 身の上 は。 

け ふ み. てレ だい , f き そう , セラ せんべつ ^ 

義仲 今日より, その 身 は膨手 次第、 これが 貴 儈へ當 座の 錢刖? 

くわぶ ん ( よ 2J も ねこ もん ぜん St このね こ あま だ 5 しん み ちづ 

西 行 過分々々、 頼 朝に もら ひし 猫 も 門前の 童に やる、 今 またもら ひし 此猫 も、 尼 道心の 遒 連れに。 

A <J』 る _0っレ ゑ こ 4T う ばな ぼな ど H- 

やる とはい へど 心 はたの む、 寫繪は 籠 中 を 放る V 放し 鳥。 

*1ん しん あつ きみ なさ くが, い はな, !5 よ 

うつ 仁心. 厚き 君のお 情け 苦界 を 放れて 今日よりも、 

富 士見西 行 二 五一 



時代 狂言 傑作 集 I 一 y 一一 

ぶっだう けうげ あまお 5 し,? , 

逢坂 怫^ 敎化尼 1; 心、 

義仲 出家 堅固に 世の いとなみ、 • 

あいべつ 9 < え 

西 行 哀刖 離苦 も 目の あたり、 

ly> . おんあい;; もせ 

根の 切る も ほどく も^ 愛 妹脊、 

I , i .A うしんて いぢよ 

桶 野 操 まったき 孝心 貞女、 

西 行 名殘 りはつき じさら ば、 

皆々 おさらば。 

A , > si たえ M » ふすま 農 U レか f 

さらば C の 暇 乞、 へだつ る 雲の 絕間 なく、 あら はに 見えぬ 襖の 繪、 走, CV 歸 

つてつ 、ぼ, 9 と、 おながめ 見る あ 6V さま は。 

ト此 うち 寫耠 四ッ目 垣の 竹 を 引きぬ き 西 行に 網 代 笠と、 竹 を 杖に とさし 出す。 これにて 西 行 花道へ 行 

きふり かへ り、 汊方昝 々思 入あって、 西 行 も 立 住 ひこな しあって、 

西 行 風に なびく 富 士の煃 の 空に 消えて、 行衞 もしらぬ わが 思 ひかな • 

ト義仲 襖の 富 士と西 行に こなしあって、 

cs t ぶじ さい 一 

義仲 富 士見西 行 これな らんに 



ァゝ モシ、 

ト 双方よ ろしく 引 張り 仕組、 

でつ < A つた 

. 末 の繪 にも 傳 ふらん。 

ト よろしく 段 切に て、 

慕 

ト幕 引附 ける。 西 行 花道に て畫 面の 見得に なると、 本 釣鐘に てこな しあって 花道へ は ひる。 あとよ る 

しく シャ ギリ" 



富 士見西 行 (終 60 

富 士見西 行 一 li 



49^、 し がたり さん., o ゃラだ <: ふ 




»J かしが fepro ん しょ ゥ だ いふ 

昔談 抦三莊 太夫 (三莊 太夫 — 五 幕) 

rF 京都 島 原の 場 

序 幕 

三 條 松原の 場 

役名 由 良 湊三莊 太夫、 梁川數 馬、 大 江の 郡領時 簾、 岩 木 判官 政 氏、 黑石 主稅、 

牛 淵 段 八、 馬田傳 六、 非人 山岡權 六、 大和 田藏之 進、 仲居 あた ウ、 藝妓菊 野、 

等。 

本舞蹇 一 面の: 牛 舞 裏。 向 ふ 長 暖簾、 左右 共 折 廻し 塗 骨 障子 屋體。 上下 共 出 は ひり あり。 すべ て 島原揚 

屋 座敷の 體。 こ >- に 舞妓 二人 振袖に て 扇 を 持ち 舞 を 舞うて 居る。 上手に 黑 石主稅 袴着 付 大小の なりに 

て是を 見て 居る。 此の 牛 淵 段 八、 馬 田傳六 着流し 大小の なりに て 杯 押 合うて 居る。 藝者菊 野 酌 をして 

居る。 此の 傍に 若ィ衆 額へ 扇 を かざし 唄 を 唄うて 居る。 裏の 物 酒肴 を 取亂し 仲居、 一 肴 を 取って 仲居 二 

三 酌 をして 居る。 此の 居並びよ ろしく、 上方 唄の 切に て 賑やかに 慕 あく。 

三莊 太夫 二 五 五 



時代 狂言 傑作 集 二 五六 

ひと 

若衆 ヨウく こちの 人く。 

皆々 ヤン ャ/ \0 (ト兩 人よ ろしく 振あって 納る。 是 より 踊り 地に なり 

舞子 ヲ、 しんど やな ァ。 

まへ がた みま も © i I 

菊 野 ほんに お前 方、 ちっと 見ぬ 間に ゑら い 者に なった ぞ え。」 

舞 一 ヲ、 しんき、 菊 野さん 何 云うて ぢゃァ な ァ。」 

舞 二 たんと 云うて おくれ や。, 

ほん ま J 

菊 野 イエ/ \ 本間ぢ やわい なァ。 

it . きくめ ほ . みなみ ? 》 >1.J.: こ-て- なん も ft- 

段 八 コリャ く 菊 野 その 笞ぢ や、 皆 身共が 仕込み 手ぢ や、 何とき つい 者に 成り 居った であらうな • 

菊 野 そんなら お前さんの 御 仕込み かいな ァ。 

I > まへ がん! よ し .iiljo も 

仲 二 ほんに お前 力、 能い お 師匠さん を 持ちな さんして、 

レ あは も Q 

仲 三 それ/ \ 仕 合せ 者ぢ やわい なァ。 - 

舞 一 ァレ まだいうて かいな ァ。 

舞 二 わしゃい やい なァ。 

» 2r い みづぁ ザ うしぶ ち どの うけ c> 1 

傅 六 ィャく 、 何ば うい やと 云うても 水 锾は牛 淵^が 受 込み ぢゃ、 なァ おしげ。 



ど 5 ち t_-y と たの 

仲 一 それい なァど ふで 一度 は。 とい ふ 中に もよ いお 客 取って ぢ やな ァ、 よう 頼んだ がよ いわいな ァ。 , 

fc の t 

若衆 ヨウく 頓れて さま/ \<。 

段 八 マ、 おだて-くれな く、 ァ、 あつや/ \。 (ト K 八 無性に 扇 遣 ひする) 

だん き こう す ぼや くも か み M また し^しん 

、王稅 ようく^ 八^、 ィャ *;u 公 は 素早い 男 だ、 モウ 口 を 掛けた の、 身共 は 又 そこらに^ 心 を かけた 

をな ご か 5 あ ひて なを しんば いっか まつ 

女子が ござる が、 一 向に 相手に 成り 居らぬ で、 ほ とんと 心配 仕 るて。 

なるほど き でん ほど ぶ し こ ひゆ ゑ 

胶八 成程、 ^殿 程の 武士 もァ、 戀 故に。 

主稅 お 察し 下され。 (ト こなし) 

さい. V ん "みせめ ひ fc4 たいざ, ^ いろけ なほ さか Tt- くだ 

たつ ァ 、s 前から 三味線 彈 いてし まうても、 誰も 太 儀と も 云うて はくれ チ、 色 氣は猶 なし 杯 は 下 

としと なむ あ み だ ぶつ/ \ { { 

されす、 ァ年は 取るまい もの、 南無 阿彌 陀佛々 々々々々々。 

ト こなしあって、 下手に ある 茶 ig へ銶 子の 洒を つぎ かぶく 飮んで 居る。 

と會 ぶん ざ..^: I ほ; ' ん こぶ t わたくし ぐち? o i おめ 4 

若衆 時に 大分お 座敷が めいって 參 りました 何と^から 私が わに 口 踊りと. S. すの を 御 n に ゆけ ま 

せう。 

おもしる 

女 皆 そり や 面白から うわい なァ。 

これ ぐち をど はじ 

若衆 さらば 是 にて わに 口 踊りの 始まり/ \«。 (ト大 平の 蓋 を 持ち 立上り 踊らう とする) 

三 莊 太夫 二 五 七 



時代 狂言 傑作 集 二 五八 

を ど なにぶん おそ しお サ —I - 

主稅 ァ 、 コ リャ/ \、 われが 踊りで は 何分に も 恐れる、 下に 居 やれく ノ 

: 」, う みなさま ひと S, . いお 

若衆 左樣 なら 皆檨 を、 一 呑みに 致し ませう か。 

ま を 

主稅 かしまし いと 申す にノ 

n M 、きへ て 居 やれ。 

若衆 〈ェ ヽ。 (ト 下に 居る。 主稅 こなしあって) 

r4 きくめ ► これ 』 ま ね-みょうじ- *s i 

主稅 コ リャ/ \ 菊 野、 是へ 參れ、 身が 用事が ある、 すっと 參れ。 

, 0U わた やぼ こ- * か つて I- 

菊 野 ェ 、。 ァノ 私に かえ、 ィ H 私し や 矢ッ 張り 愛が 勝手で ござ ます ノー 

み ども よう じ ま を 

主稅 ィ ャサ、 身共が 用事が あると 申す に。 

菊 野 ハゝィ ( ト やはり 立たぬ 故 段 八傳六 立って 菊 野の 傍へ 來て) 

段 八 ァ、 コレ、 さりと て は 愛想の ない、 あれ は主稅 I がお 手前に、 I; か の i:^ が あると^ 6 な 

ほど はや まね 

さる 程に、 早う あれへ 參れ く。 

いつも ぬに ご おん f う ひ ちから どの こと b 力く おの きくの t 

傳六 平日から 何かと 御 恩 を^る 主稅^ の 事、 ^々が 賴み、 サァ菊 野、 あれへ 參 つてく. やれ。 

?& ほど まへ さんがた そ;;. ほど たの 

菊 野 成程、 お前 樣 力の 夫 程までに お頼み ぢ やけれ どな ァノ 

まね こと ま を 

段 八 參る事 はならぬ と 申す か。 



菊 野 あい。 まァ そんな もので ござんす わい なァ。 

- つ めら う ぶし やわ ぶんく *c た- - 

段 八 うぬ 憎く い 女郎め、 武士に 隨分ロ 叩かせ。 

, ユーの ま. - お ? 》 

傳六 いや だとぬ かいたれば とて、 其 儘に S かう と 思 ふか。 

て か S ちから ^力 そば ひつ fc, 

段 八 ィ ザお 手 貸されい、 此の ま \ に^ 稅踨の 傍へ 引立て。 

傳六 夫れ がよ ろしう ござる。 

» らう fc 

^む サァ^ 郞め文 た ふ。 (ト兩 方より 菊 野 を 引立てよう とする を〕 

, ま > ゾ だ . - ifs^wfc * ん 》< ね. 

仲 一 ま ァ,/ \ 待って 下さん せ。 (ト 双方 を 引分け こなしあって :> お前 徵ガも 佝の葸 似で ござんす え、 n 

ぬん. げいしゃ ,へさん W た ぶ. ? ラち なかね S-5 わる こと き S か 

レ何 ぼ藝妓 さん はお 前樣. R のお 51 げ なされても、 座敷の 內は 仲居の 預り、 惡ぃ 事お 氣に 逆らう 

^ > • » , . , > »s い くだ ぶまて ごめ くだ 

事 あらば かう^ (\ ぢ やと、 私に なぜ 云うて は 下さり ませぬ、 はい^り 手 込して 下さん すな、 

な きくの £ へまへ «fw iMJ もの 

はい 成り ませぬ わい な、 コレ菊 野さん お前 もお 前ぢ や、 お 客に さから ふ 事が ある 物 かいな、 チ 

ト たしなん だが 能う ござんす ぞぇ。 

菊 野 サ ア^々 とのお 前の あっか ひ、 嫔 しう ござんす わい なァ。 

-, > < ?ん こ 2 •*< ひいき げいしゃ .6 たも なか a 

抆八 何の 事 だ、 客の^ H もしもせ すに、 藝妓の 肩 持つ 仲居と は。 

じんむ」 こ 介 たき は 

傳六 神武 此の 力 くが 始めて だ。 

三莊 太夫 二 五 九 



代 狂 官 傑作^ ニ六0 

段 八 とても 色 氣に綠 なき^々、 

傅 六 と は 云 ふ もの \ 。(ト 菊 野の 傍へ 行かう とする を) 

ご "ぉ40 しょ これ 

主稅 御兩 所、 曰 g へ ござらつ せえ。 

あん t し *fe 

段 八 でも 餘 りな 仕 ガ、 

傅 六 夫ぢ やに 依って。 

さ きを 5 'ゆ さと はな 3 その ま. 1 お またそ^ レ むね 

主稅 ハテ& て、 木 折に 行かぬ が 里の 花、 いや ぢ やと 申さば 其 儘に さし 證か れい、 又 某の 胸に ござ 

これ £si て かしな かく どきお と れゃ はな 

れば、 是 より は 又 手 を變へ 品を變 へロ說 落して 閨の 花。 

なるほど だん ごし あん 

段 八 成程、 コリャ 一段とよ い 御 思案。」 

て i けと ま 

傳六 それ も手活 にならぬ 時 は。 , 

ぜひ およ らくく わらう ザき 一 

主稅 是 弗に 及ばぬ 落花 狼 i。. 

菊 野 ヱヽ or ト こなし) 

主 % サ また 能い 思^も ござらう わえ 丄 

御尤も。 

主稅 サァ わつ さ. ON と 酒に せう。: 



S- かづ チ/. \ 

兩人 よろしう ござらう、 それ 杯 々。 (ト IS 人 杯 を 持って ^々の 前へ 置く) 

^.0 ァ ィ /, \ 。 

て うし も 

傅 六 铫子 持て^ (->。 (ト 此の 時お たつ 能き 程に 醉 ふたる こなしに て、 よろしく 銶 子? 持って べつた" 座リ) 

たつ お 酌 はいつ でも 相變ら す、 おしきせ 扳り にた ぼの 私が。 

ト 此の 內段八 杯 を 取り上げる。 おた つ 酌 を 仕 乍ら にった リ といやら しき こなし。 ^八 見て、 

つらと くら がき ctt 

段 八 ァ 、 コ レく, 北ハ のした i るい 面 は 取りお けく, どこで 喰うた やら 熱 酒 柿の 句 ひ 力す る す 

つと そっちへ 寄ったり^ \。 (トぉ たつこな しあって) 

ひレ としょ VS レ はな さ なかね - やて 

たつ ァノ さりと ては戀 知らす、 なん ぼ 年寄りで も 昔 は 花 を 咬 かせた 仲居で ござんす、 それが IP なら 

?. \ ご らう じ まん 今-や ら ^ いく よと と レろ 

しつ。 ほりと^/めて 御覽じ ませ、 自慢 ぢ やない が 伽羅の 香 は、 幾夜. めても 留め あかぬ 色に 

なる & はない かいな ァ、 ヲ、 しんき やと 袖 を ふる。 (ト^ 瑠璃 やうに よろしく 云 ふ) 

な。 ご しょ き, ちが . ^ ^ ' ' - > 

主稅 は w w、 何と 御兩 所、 しっかい 氣違 ひの 沙汰で ござる 

たつ 18 ぢゃ ひぢ や、 ヲ、 §1 ひぢ や、 氣も達 はすに 何とせ う、 なァ 我が 子 を 返せ、 我が 子 を 返 

さに やかみ つく ぞ、 ^ひつく ぞ。 

トモこら K け迥 りこな しあつ て トビ ど ふと 横にね る。 皆々 見て、 

三莊 太夫 二 六 1 



時代 狂言 傑作 集 II 六 一 一 

菊 野 ヲ、 を かし、 おた つどん のい つもの 惡 酒。 

仲 一 それい なァ、 とうく S て 仕舞う たわいな ァノ 

之い な t さいぜ^ ちゃわん T け 

仲 二 醉生 でも ござんせ う。 最前からの 茶碗 酒。 

ゐ ちま さ だ i じん さま いで ま 1 

菊 野 それ はさう と、 かう して 居る 內政大 檨の お出に 間 も あるまい ぞぇ。 

みな ラ ちそろ むか ゆ . 

仲 1 サァ皆 打 揃うて、 ぉ迎 ひに !6 かう では ござんせ ぬか。 

なるほど 

若衆 成程 それが よろしう ござり ませう。 

み * ち^ら ふ^, 

菊 野 サァ 皆さん、 ^稅 さん、 お 二人さん、 に ゆるり と。 

S V かって レを 

^で 勝手に 仕 居れ 

!?ノ 

わる うけ 

仲 一 て も 惡ぃ受 で ござんす。. 

菊 野 サァ 行かう わい なァ。 

ト こなしあって 上方 唄に なり 此の 同勢 皆々 花道へ は ひる。 後に 主稅 K 八 傅 六お たつ 殘 りこな し。 主稅 

皆々 の 後見 送り。 

■P ^ セク ^ さ 1 — - 

主稅 モウよ いく、 おた つ 起きぬ か、 密かに 賴む 仔細が ある。 (と是 にて おた つ 起 上り 四迻を 見て; > 

. • ) AAl, > さいぜん た あ ; ijj おつ 

たつ 主稅 さん、 最 あなたが ぉ賴 みの、 彼のお 人と 仰し やる の わえ。 



主稅 黎 i ひに i つた ss、 IHfcas に^てる 讜、 M に t れたる s 方 なれば、 何分 共に 

頼んだ ぞょ。 よ 

s.t は うらつ <po V <fc は^- * fti g し *、 o 

たつ そり や! &ひは ござんせ ぬ、 客 をたら して 放埒 者に 仕立てる は、 憚り乍ら 私 力 胸に 

• *- みども あんどい & , 

主稅 それ 閗 いて 身共 も 安堵 致した 

たつ きなら ば あの i は g へ S つて &i らへ、 i し 纏う まう. やったら、 0§0fi 

うな。 

き づ. & いた はんじむ ね > 

主稅 お 遣 ひ 致すな、 萬 事 は 胸に 

つ もし 正の ものが よう ござんす ぞ え。 (ト 小判の 形 を 見せる) 

主稅 ハテ 扨て 您氣 は。 

たつ ェ、。 

主稅 ィ ャサ、 早う 行き やれと 申す に。 

ヒっ ハテ毅 ります るで ござります わい なァ。 (ト こなしあって 唄に なり 奥へ は ひる) 

7 ご しょ ぐん pto. ろこう あ ふ , , 

J ハテ がて 熟さつな 船で は ある わえ。 (ト 四迻 を^ 入。 合方に なり) ナ 一一 御 兩^ 郡領 公の 仰せ を^ 

け、 編ぎ 1 を E ぎ 霊お しながら、 lo^sm, き やつまで 片附 ける 

五莊 太夫 二 六 一一 一 



時代 狂言 傑作 集 I 

そ § に、 保 き と m えたる?? &ぉ 2 & め^ ff f0 g に 醻 とて 

もう わべ は 忠臣 顏 にぎ、 そ-り s たる 1 の g 、まァ 1 は is に ^ てた では ござらぬ か。 

段 八 si の そのぎ がお 議 おの El よしな に。 

傳六 お g なしの &は、 t^i ふ は lis ?、 ^とも。 

主稅 氣 1 ひ 召さるな、 身に か へても 承知 致し て^り ある。 (ト こなし。 此の 時 花道 揚幕 にて) 

女 皆 サァく 早う ござんせ えな ァ。 (ト主 稅向ふ を BI" て) 

主稅 あり や S を i ひの^ fc、 ィザ ilggi^i ひ。 

^■vv し £5 ち いな ちから V- ゥ 

瞜六 承 失^した ィ ザ主稅 殿。 (ト いづれ も 出迎ふ 事。 花道 揚慕 にて) 

女 皆 サァ/ ^ござんせ いな ァ。 

ト 跳へ 鉦 入り 出の 唄、 賑やかなる 鳴 物 を 冠せ 花道よ リ政氏 羽 綫衣裝 のこしら へ、 少し 醉 ふたる こなし 

にて、 舞妓 兩人 にて 手 を 引いて 出て 來る。 後より 若 ィ衆穴 勢に て 政 氏の 後より 日傘 を さし 掛ける。 此 

次ぎ 梁 川 数お 衣装 上下 大小 跳への 齊塔の 箱 を 抱へ て 出る。 後に 菊 野 仲居 附添ひ 出る。 是と 同時に 東の 

假 花道より、 時 簾羽綠 衣装 大小な リ、 紺 看板の 仲間 一人 附 いて 双方よ ろしく 花道に 留り。 

政 氏 すめらぎの sfe えんと S なる、 繫 g に P はきく と 1 ぜし は、 ,てれ ぞ へだつ る續 §。 



さ X な X し S ばら はな fits キ みたち た むすて し 

時^ 虡は 名に 負 ふ 島 原の、 花 を 商 ふ 君達が 誰が 結び 人 を Z め もみじ。 

しろ みよ あつ くるわ ら 

政 氏 白き を 見て は 夜な くに、 つど ひ 集まる 曲 輔の暇 ひ。 

: せな あつ ひと さと げぃ まよ き けんじ. K 

時糜 花を蕖 むる 一 里 は、 實に 今の 世の 喜 ル城。 

たの ^は V5Q はな な; A 

政 氏 樂 しみ 極まる 廓の 花、 ハテ ひとし ほの 詠め ぢ やな ァ。 

■ * / > きみ. y-p* うごと ぜんせいなら かな おと はな あや * > C ^ ま を 1M1 けいせい けい 

數馬 ハツ、 ^の 御^の 如く、 全盛 並ぶ がな き いづれ 劣らぬ 花菖蒲、 彼の 古語に も 申す 如く、 傾 ,倾 

阔と はよ く 申した もので は ござり まする。 

さ かた その やう ことと り お j 

政 氏 ァ 、去りと は 堅い/..'、 其 樣な事 取 置け くヒ 

中 11 まづく あれへ お越しな されて。 

時 腹 ハテ 扨て 不粹な 床 急ぎ。 

わぶ キ みさ ま 

数 馬 ィザ我 君樣。 

ル :;々 サァ ござんせ いな ァ。 (ト矢 ^リ 右の^ 物に て兩 花道と も 舞签 へ來 る。 、王稅 こなしあって) 

-M わぶ キ- み さま はや いご し 3 えん お こ 4 

主稅 ^はく^^ 樣には 早くのお 入り、 御酒 宴の も ふけし つら ひ Si きまし たれば、 ィ ザまづ あへ 

とほ 

三人 お通り あられ ませう。 

で むか たい 2 

政 氏 出迎ひ 大^!。 (ト政 氏 上手へ 通る。 皆々 よろしく 住 ふ。 此の 内 主 稅奧へ 向 ひ ) 

三莊 太夫 |1六2 



時代 狂霄 傑作 集 11 六 六 

ご しゅえん もラ いそ &れ j 

主稅 御酒 宴の 設け、 急いで へ。 (ト奧 にて) 

たつ アイ/ \- 。(ト 此の 内數^ 寶 塔の 筘を 能き 所へ 直し) 

r. » わぶ きみ^ ほ ,sc あ: frvf つ ケ- っリ i なが ぜんせい % プ 

數馬 ハツ、 我 君 樣へ申 上げ 奉ります る、 遊里と は 申し 乍ら 全盛と は、 ハテ よく 名附 けました も Q 

では ござり ませぬ か。 

: , .6 やま どめ . なに i ~ ご .S う i i ひ .か < 1 

主稅 アイ ャく數 馬^、 そり や 何 を 云 はる \、 御遊 與の 妨げ 控へ 召され。, 

ト 此の 內時廉 笠 を 取り 主税を 見て 一 寸攝き 合 ふ。 此の 内お たつ 杯 を 運ぶ。 

ャ あなた 檨は。 

4atJ ゝ お^え ぐん yij- うと^ かど さま 

^ 大 江の 郡領時 廉樣。 

ま/ 

ちから はじ その はうた ち はやまね を 1 

時廉 ム、 主稅を 始め 其方 達 も 早 これへ 參 つて 居った か • 

. わがきみ ぐん: こう お い 

主稅 ハツ, 我 君、 郡領公 御出でに ござり まする。 

なに ぐん ,„ ふう^ G I き でん 

政 氏 何郡領 S が。 ャ 誠に 貴殿 は。 

いは きラぢ き でん はや Jt^ く. わい み こんにち うつさん おう ぞし まこれ ] 

時廉 岩 木 氏、 貴殿に は 早々 との 廓 入りの 身に、 今日は^ 散の 饗應 にあ づ からん と 存じ 只今 曰ぬ へノ 

, かく めん と, お た r さけ 乙と た しゃく と 

政 氏 その 四角四面 は 取り 匿 いて、 只 酒の 事/^、 誰ぞ あるか、 酌 を 取れく。 

CJ し *, し S 

菊 野 アイぐ、 私 かお 酌 をしょう わい なァ ( ト なみく とつぐ 心。 政 氏 杯 を 持ち) 



C ; だ 5 ぶつ はし iy, ,つく ぐ, J5S こう 

政 氏 ヲ、 そち は 大分 强ぃ 酌ぢ やな ァ。 クァ 美しい。 (ト吞 ほして〕 ィザ I 領公 • 

菊 野 ハイ。 (ト菊 野 杯 を 持ち 時廉の 傍へ 持ち 行く。 杼廉 うけて) 

時廉 是は 大杯、 コリャ く 身 は 其 樣には £ けぬ わい。 

c G r fl? > ズ 々へ、 fc>- いまよ . J? いお S 

政 氏 ァ、 さりと ては^い 手前 コ リャ/ \ 只今 予に酌 致せる 通リ、 すっと つげ/ \ もっとつ げやい • 

菊 野 アイ. (-。 (ト又 酌 をす る〕 

ら :t こ めか わく し か ご け ふ Z さ" づ# ぼ A-ico fc* し 

時^ 是は 迷惑々々、 併し 御献の 此の 杯、 j 杯 受けぬ も 何と やら、 サ 、つげく。 

しに 』 , さ- { . せっかく わぶ きみ ぉ« しめし 一 

^八 んぉ々 々、 折角 我 君の 思 召 なれば。 一 

fr J • fc ふめし あぶ . - 

傅 六 コリ ヤー 日: 召 上られす ばなります まい • 

1 二. i k ぐん r ふうさ i s j ; - I 

主稅 ヨウ.^ コリャ 郡 領樣に はきつ いお 地 1? しみで ござり まする。 

み ごと おそ い 

1 一-人 ャァ ^事/ \、 恐れ入って ござり まする。 (ト 時廉 ぐっと 吞 ほして) 

4J4JMiy , : i 力ん ノ、 . ほ U ぶこう Z さか づき しつれい なが その もと へ,? ばい - 

^ ャな 力/ \大 さん、 ィザ攻 氏 公、 此の 杯 は 失? J 乍ら 其 元へ 返 10 

C ■ , * A ばい か-じ け な * ちぞっ だい い fc 

政 氏 ィャ返 杯と は 忝 い、 ドレ 頂戴 致さう か。 (ト杯 を 取る ;- 

C ; わが キ-み さか づ^ .lis 

S アイ ャ我 君、 そのお 杯 暫く。 

政^ なんと。 

三莊 太夫 二 六 七 



rxf 主 



時代 狂 i 百 傑作 集 二 六 八 

と* かどこう さ^ づま なに s*s 

コリ ャ晬廉 公のお 杯 、 何故あって、 

と r め 

止め 召さる。 

と ** ま を こ ほど にちや U し, 5©;^ ほう りう ん 二-よ 一 しル せし お 

サァ お止め 中す は 此の程より、 日夜 わかたぬ 御酒 S に、 かの i. 龍の 大杯に て 弭,戰 とな づけし 御 

f し S く 叶 力 ひごと およ やく ち やつ お しみ がい ひっち S. う ぞん 

れ 宿醉 日毎に 及びな ばた とひ 百藥の 長たり とも、 御身の 害に ならん は 必定、 そこ を 存じて 

と *, , r ふ ?が たい ひふ . しか ぞん たさつ 

御 止め 申す。 II; り 乍ら その 大 さん、 お:^ へあって 然るべ く 存じ 奉ります。 

fevjl^ ゝ * i ^ ホ^ げん , お ゆ-き し わか も Q しか 4? ** 

畤廉 ノ:: カ乂る 席 にて 諫言と は、 揚^ を 知らぬ ァノ 若者、 併し 忠義な もの ぢ やな ァ。」 

ト なじる 樣に云 ふ. - 

-ー 1.40 ,*?-s! け ( , ひとなみ .(.. A ん げん だて はやです i . 

主稅 左 樣々々 , 人並々 の 諫言 立 はま だ 早い、 出過ぎす とすつ 込んで ござれ さ。 

ミ > * ^とば r ii ちから *5 ご ザん そば かんげん い こと とも を ど くる 

數馬 や 7 言^ 力 過ぎる 主 稅跺、 御^のお 傍に ありながら, 言. でも 入る 事 か、 共に 踊り狂 ひめさる、 

そこいし でん *1 ゃラ ちラ 

と は、 底意の 知れぬ 貴殿の 胸中。 

V.C ' ' ^ - - • ; p k * きか どこう ごぜん い こと キ; み ごぜん そこい し き^ ラちぅ 

主稅 云 はして g けばす ばら/ \ と、 時廉 公の 御前と 云 ひ、 殊に 君の 御前に て、 底意の 知れぬ 胸中と 

» なに もつ なに J*2 

は、 何 を 以て 何ケ ー證據 に。 

. * き- * ほど i に かん ザん い 

S され はさ * それ 閒 とがめる 程なら ば、 何故 諫言 入れめ されぬ。 

. ^ なら さみ まさ たいこく t こお ごいう 

主稅 それ を汝 にや 2 はふ か、 君 は 正しく 大國の 主、 是 ばかりの 御遊 興。 



r ちラ サ u や? つ i あ W- あな 3 

數馬 ソレ それが 矢 張 不忠の 笫 1 、 千 丈の 堤 も蜣の 穴より 

ti!v は ぃも© なに ぞん かさ . ^を ,て み- - T r 

主稅 ャ ァ若蕷 者が 何 を 存じて、 重ねて 申さば 手 は 見せぬ ぞ, 

みごとき でん 

數馬 見事 貴殿が。 

こと 

主稅 おんでも ない 事ノ 

なに 

TW 人 何 を。 (ト 立掛る を) 

9^*0 にん ひ. か 

政 氏 兩人控 へい。 

兩人 でも。 

たちさわ Sb ろラ ほん ひ.. A , を 1^ 

政 氏 ャ ァ文騷 いで 尾蓰 千禹、 控へ 居らう。 

兩人 ハ、 ッ。 (ト控 へる) 

らち とと まを , . ぶ £.3" だ^/ ベ だ ,- » N 

政 氏 ィャ埒 もな き 事 を 申しつ のり 無禮 の^々 御免 下されい。 

たに i う リ なん れぃ*- しんしゃく およ こと- , ><y ゥ い. はタぅ 4* 

時 旅 ^サ く、 か&る 遊里に 何の 禮籙、 その^ 酌に は 及ばぬ 事 それ は 格別 ィャナ 一一お 木 氏 此の 

fcv* ん &f*v わ r てい おんね お よ につ ぼん こ <s う く i.-s- ひ けん 、こくぶ, ん ォ.<! え, い • -ち M ゆ T、 ^ に 

度 今上^ 帝の 御 願 ひに 依って、 日本 國 中の 1 境 六十 六 軒へ 罔 分 寺 を造營 せよ との 勅^、 兩 人に 

つ にし こく ぶ S.S そお し ひ" レ - 一く き^.^ うけと. - » ^ ^ ^^.fs 

仰せ付けられ、 西 n; 十三 ケ闽の 奉行 は 某、 柬三 十三 ケ國は *:H 殿の 受取り、 普請 も 大半 ゆ 就して 

* 一と ほ か かみ i そ e5 へ- J I. ぶん きんく わざん JS つげん ,《^.1L じ、 せう, ふ、,. )^ け a 

殊の外お 上の 悅び、 其 上 御領 分の 金 華 山より 出坻 ありし 珊瑚 珠の寶 ^たぐ ひ 稀なる 寶と 忝 く 

三莊 太夫 二 六 九 



時代 狂 雷 傑作 集 二 七 o 

てんし ごしょ **ラ S そ € はう たみ こんにち そ ^ しラ けと, きんてい ぢ さんいお は ャ S だ IJ よ 

も 天子よりの 御所 望、 則ち 其寳 塔、 今日 某 受取って 禁 庭へ 持 參 致す 笞、 定めて 御用 | ^で ござ 

いは ま ラ 35 は-つ たう ご ぢ さんめ 

らうな。 (ト 云へ ども 答な き 故) これ さ 岩 木 氏、 ィャ サ寳塔 御持參 召された か。 

』 なるほど はうた- ヮ ぎ. ちいた S また *i めんだ う か卞ま ぢ さんいた のちほど おわお i 

政 氏 成 ssa 塔の 俵 承知 致した、 則ち^ へ^る も 面倒 さに 數馬 めに 持參 致させ、 後程 御 渡し 申す であ 

$ S ほうた うちん ざし ま なほ お 

らう。 コリ ャく數 お、 寶塔亭 座敷に 直し 置け。 

. , かしこま と ぎ かどこう はじ ご めんく だ 

數馬 ハツ 長って ござり まする。 (ト こなしあって) 時廉公 始め いづれ も、 御免 下され。 

ト數馬 思 入あって 唄に なり 寳塔を 持ち 奧 へ は ひる。 

, しか , は ラセ ふ I したが _J こくうけ 4 S __0 ん. sfc このうへ use 4, いま * 一ん 

時廉 然 らば 寶^ は 詞に隨 ひ 後刻 受取り 持參 致さう。 ィザ此 上 は 所を簦 へて 今 III。 

せっしゃ *J お ?んじ すゐ みん かま さき 

政 氏 ィャ 拙者 は I ^にて 暫時 睡眠、 お 構 ひなく とも サ、 お 先へ。 

• • : しか ► み おく まね なにち から 9? にん しゅえん 

時廉 然 らば 身共 は 奥へ 參 つて。 ィャ何 さ稅兩 人、 酒宴の もうけ • 

しゅ. *5ぃた 

1 二人 趣向 致す で ござ. ns ませう • 

-, , <:*! しら. 

女 皆 シテ私 等 は。 - 

時廉 共々 參 つて 酌で も 取れ サ* 

き 

女 皆 そんなら 皆さん。 

と キ. A どこう 

三人 ^廉 公。 



時^ ドリ ャ もてなしに 預ら うか。 (ト 唄に なり 皆々 奥へ は ひる。 政 氏 起 上り 喉の 乾く こなし) 

政 氏 醉ざ めの 水の 味 ひ下戶 知らす、 コリ ャ;! ぞ あるか、 水 を 持て。 (ト 此の 時. 奥に て) 

0Z 畏 つて ござります。 

ト^に て 政 氏 又 横になる。 合方に なり 藏之 進上 下 大小に て 三方に 袱紗 包みの 渰言狀 をのせ 持ち出て 來 

る。 政 氏 见 て、 

お 41 わ だ くらの し.? rt. にょう . ほ; 5 ) 

政 氏 ャ そち は 大和 m 藏之 進、 何 ffl あって 是へ參 つた。. 

ご し. * へまう みづ 5 しあ ぞん 

藏之 ハツ、 御所 望の 水 を 差 上げん と 存じ。 

政 氏 なんと。 

きみ ふね しん みづ み づ ふね うか し,? § Z みづ .is\ チね ねむ -き 

藏之 君 は 舟臣は 水、 水よ く 舟 を^ぶ とい ふ、 臣が 誠の 此の 水に て 宿醉の 眼り をお さまし あれ. - 

ト政 氏の 前へ 三方 を 出す。 政 氏是を 見て。 

ち- S ね U ん a*-_- 

政 比 ャ、 コリャ 父が 遣 言狀。 

おんち みま さ W るこう わぶ の^ 5 さう S き Ji* こと わ.? 5 か は $ ん げん せっしゃ くだ 

藏之 サァ、 御 父君 政 春 公、 我な き 後 政 氏が 行 ひあしき 事 あらば、 れに 代りて^ 営せ よと 扑 者に 下さ 

ま つ ご ご しょ 

る 末期の 御蒈。 

Z ゅゐ ごん £5 ぢ さん 

政 氏 此の If s 狀 を持參 なせし は。, 

三莊 太夫 二 七 1 



時代 狂言 傑作 集 II 七 二 

藏之 御 i 言 を 入れん ため。 

政 氏 ャ。 (ト思 入。 蔵 之 進 詰 寄って〕 

ci - , «?3 に,.; - た^ほ - »^ I- L , きみ- sfc び ご H きん 

藏之 チェ、 お^ない 此方 檨 はな あ (ト 跳への 合方に なり) 改め 申す に 及ばね ど、 君此 度の 御上 京は禁 

でい ち- AZ めい こく しょ こくぶん じ えい お,? やく 6 ザ-う 

庭よりの 勅命に て、 一 ケ國に 一ヶ所の 國分寺 を造營 なせよ と、 おろそか ならぬ 御 役目、 その 造 

&ぃ にちや くるわ ご 5- つ f ね. a じん ざんし やど も べん なや ぐん .li き 

營 もな ほざり に 日夜 廓へ 御遊 輿、 たと ひ 佞人 護 者 共 ふるな の 辯に 悩ます とも、 五 4« 四 郡の 岩 木 

おいへ ご た レ せつ おぼし. > おんど Ji ほ卞す W みちの く ご ふ ぎ ざせき あ ひし 

の 御 家 御大 切に 思 召さば、 御 止り あるべき 笞、 数百 里へ だてし 陸, 奥まで 御 不行跡の 相 知 るれば、 

おな § おせう ち > し こと あ やくめ そ 95 おとがめ す-つ だいつ *• いはき いへ y つし う 

同じ 都の 大內 へいかで 知れざる 事 有らん、 役目 麁 略の 御咎 あらば 數代續 きし-: 石木のお 家、 沒收 

はか とォ ご せんぞ r A かう こと ご 

あらん も 斗ら れす、 さある 時には 御先 ffi へいかば かりなる 御 不孝なら す や、 か \ る 事と は御存 

み だい はじ あんじゅ ひめさま S ごぶ じ いの うぢが みい は^ まん に は お, > ごと ご 

じな く 御 S を 始め 安壽 娘樣、 君の 御 無事 を 祈りの ため、 氏神 岩 木 八幡へ お 庭に 於て 日 每の御 千 

どみ しのよ ひ ご ふん げん 3 あ こんにちた い さんだい なにとぞ せっしゃ ご かん ザ.? 

ゥ"、 ^るに 忍びす 夜 を 日に つぎ 御 諫言 を 申し上げん と、 今日 只今 都へ 參^ :、 何卒 拙者が 御 ぼ 言 

お も& へんし はや ご き こくね ぶ た VM つ た r ごく か おばし め ねいじん ざんし や こよば もも 

御 川 ひあって、 片時 も 早く 御歸 K 願 ひ 奉る、 伹し^ 家の ため を 忍 召さす 佞人 讒者の 言葉 を 川 

せっしゃ ^-ん げん もち たび w-ifc びち たびお き-いれ こ * さ くら ■ 

ひ、 拙者が is 言お 用 ひなく ば 三度 はおろ か、 百度 千度 御 聞 入 あるまで は、 此の^ を 去らぬ 藏之 

し^ ご へんだ う うけた t は 

進、 ィザ御 返答が 承りた う ござります る。 (ト きっと 云 ふ。 政 氏 感心の 思 入あって) 

しん おもて ふん げん 

政 氏 ァ 、臣 なれば こそ 面 をお かし、 よくこ そ;^ 首。 (ト 此の 時 上手 M 體ょ" 時康窺 ふ。 政氏頹 見合せ 氣を替 



e ゥ かんげんき も しゅちにくりん お -VJ 寶 にちや-く ゆわ いう 1 

へて) ィャ 懼 くき! i 言 閒く耳 持たぬ。 コリャ ャィ、 酒池肉林の 奢 に 長 じ 日夜 廓に 遊興な すと 

*? めいか ひむ こくぶんじ ざろ えい しゅび じ^じゅ み やくめ おちど ぐん P0, うし ゆ 

も、 勅命 M る 國分寺 造營、 首尾よく 成就せば 身が 役目の 越度に ならん や 五十 四 Is の 領主た る 

.S はき はんぐ わん *< さう; 5 いうぎ こと い ふん げん は 一 J く か 一. S ぢ 

岩 木の 钊 宫 政 氏が か X る 遊戯 はさ i いな 事、 入らざる 諫 言な さすと も汝が 職た る國 家の 政治 

ti を なに ゆ あ 5 ち す Jao たつ 

なぜ 守って は 居らぬ のぢ や、 ィャサ 何故 打 捨て 出立な せし ぞ。 (ト きっと 云 ふ) 

ti いへ くに h つし ろ か. えき げせわ ^ 

藏之 サ、 その 守るべき 家國 もつ いに は沒 收、 改易と なって は 盆な き 下世話の たと へ 轉 ばぬ 先の 杖 

とやら。 

S た く> とと $ て み 

政 氏 ャァ 又しても いらぬ 繰言、 たって €. さば 手 は 見せぬ ぞ。 

お て うちが つてに めい す ご 5 乂 げん,? u ナ; Jra しん. a ,. T 

藏之 ム 、 御手 討 合 I、 一 命 捨て \ も 御^ 言 申す は 則ち 臣下の 役。 

- i ぶ れい も 

政 氏 まだく 中す か、 無禮 者め が。 

』f- ぶれい _J ゅゐ U ん 

茈之 アイ ャ、 無^に あらぬ 御^ 言。 

政 氏 ャ。 

藏之 伹し御 I 言 をお 背き あるか。. 

政 氏 サァ それ は。 

蔵 之 御 聞 入 あるか。 

三莊 太夫 二 七三 



時代 狂言 傑作 集 二 七 四 

政 氏 サァ。 

藏之 サァ。 

政 氏 サァ くく。 

ご へん fc うう けた i は 

藏之 御返^ 承 りたい。 (ト きっとい ふ。 政 氏 時 廉に思 入あって わざとけ しき を變 へ) 

ち- ゆね ごん ぎ 

政 氏 父が 遣 言いつ かな 間かぬ。 (ト立 上る 藏之進 袖 を とらへ) 

蔵 之 すり やお 聞 入 は ござ. OS ませぬ か。 (ト政 氏 袖 を 振り 拂ひ) 

政 氏 くどい 事 を。 (ト 持った る 扇 を ふり 上る。 時廉ッ 力く と 出て 政 氏 を 留めて) 

5 はきう s t さいぜん ぶ し P0 ひとま おい うけた K は ご ,つぶく もっとも レ 

時廉 アイ ャ岩木 氏、 お待ちな されい、 最^からの 一部始終 一間に 於て 承 つた。 ィャ 御す: 腹 尤 至 

ごく くらの しん その はう ぶんぶ ひいで § ひ うけた i は おせ さ 5 ゐ ひひ もつ しづ 

極、 ャィ藏 之 進、 ァノ 其が は 文武に 秀し 侍と 承 つたが. ^きな 相違、 コリャ 火 は 火 を 以て 靜 

wu-c 4J.* ろ つ そ こつ も はま う みちの く ぐん »w じ 

める とい ふ 所へ 心が 附か ぬか、 麁忽 者め が、 岩 木 氏 は 陸 奥に て 五十 四 郡の 主で ないか、 かほ ど 

U51 は うらつ だ si とが しゅ けら 5 み とがにん おと だう ず なんい は *J 

の 遊興な したと て それ を 放埒 墮弱 など. -は、 科な き 主 を 家来の 身で 科 人に 落す 道理、 何と 岩 木 

55 さ やう 

氏、 左様な もので は ござらぬ か。 

いか きでん あ ふ ごと * じめ 5 けん うきよ し かた ぞう * つかく よ 

政 氏 如!: にも 貴殿の 仰せの 如く、 遊里で SI- 面目な 異見 だて、 とんと 浮世 を 知らぬ 堅 造、 折角 醉 うた 

を さまして 仕舞うた。 



時廉 ィャか \ る不粹 にお, ひなく、 ィザ 設けの I™ へ。 

一 J ど うはん つか t つ > , 

政 氏 御 同伴 ^ らう。 (ト ひよ ろくと して 立 上る。 ^廉、 藏之進 を 見て) 

くら しし A とき ち 5 15 が ほ z £9f のみ u , it^ お f ひもつ ひ> ^ 

時廉 コリャ 蔵 之 進、 人 聞け がしの 忠義^、 此の 郡 領は呑 込めぬ 誠 忠義 を^ ひな は 火 を 以て 火を靜 

く * う ね- とも. *\ ? /,ねざ L*- も - みちの く つも 

むる 工夫、 さは 威張らす と 共々 に、 奥へ 參 つて 座敷 を 持ち やれ、 ィャ それ とても iSi 奥の 不骨者 

な ,いはき -TV- おく ま ゐ 

では 成るまい わい、 〈、、、、、。 ィザ岩 木 氏 奧へ參 つて。 

政 氏 色と り 共に 酌 をと らし。 - 

Z よ ひ よ A5 

時廉 今宵 は 夜と 共、 

政 氏 呑み あかさん。 (ト是 にて 袋 之 進 思 入あって) 

藏之 ス リ ャか ほど 申しても。 

V* わ まけ い f くら 

政 氏 廓の 酒に は家藏 も。 

蔵 之 ャ。 

政 氏 見返られ ぬわ、 ハ、、 、 、• 

ト唄 になり 政 氏 蔵 之 進に 思 入あって 時 廉附き 臭へ は ひる。 後 合方、 蔵 之 進 残りき つと 思 入 ありて 遺官 

狀を钹 中な し。 

三莊 太夫 二 七 w 



時代 狂言^ 作 集 二 1ノ 

藏之 ^て は fss, がお^に あってお もね りへ つらい、 放^ 墮弱 になした るか、 打&て 置かば お 

一、 e 〃ユ し ざ よ すて k 4> 3 a 

M の^^、 仕宜に 依つ て は 命 を 捨て も ム ヽ さう ちゃ 

ト 臭へ 行かう とする。 数馬奧 より ッカ くと 出て。 

くらの レん さま レ SS , 

數馬 藏之 進樣、 暫くく。 

A*, ま もくねん その 付 う ちろ しんむ 

藏之 ャ そち は 1§ か、 ム、。 (ト思 入あって 数 馬 を引附 け) コリャ ャィ數 馬、 若年 なれ ど 其 力 は 忠臣 無 

二の ずる, 一霞の Si がね にて BQig なし、 ^お でありながら、 かく 御身 持 K: 

を なぜ Km¥ しどげ ぬぞ、 そち も S の s^n に IS ひ!^ に 船な せし か、 ^下げ 果たる 

もつ 

うつけ 者め が。 (ト 扇に て 打 据ゑ突 放す。 數馬思 入あって) 

& life なお 《eJA*o.**< さう 5 こう ど- J けうら つ • IF » 

數馬 その |§ ひ はさる !BJ めら、 i 君 政 氏 公に は 誠 御 放埒に は ござり ませぬ ぞ 

t し 

蔵 之 ャ 何と。 (ト 合方 きっぱり となり 兩人迻 りへ 思 入あって) 

• » ^ 3* ヽ 于*3 もん レっ ひそ きん さ ぐん rNOJT^G レ わざ ゆ -01 

數馬 サ gfcil に は i:^ じな き、 ffk 一 とくより 紛失、 密かに 詮義 なした る 所 郡 領驟が 仕業 故 

わざ と^ふの に ザり、 ^sii と^せ かけし は、 ま 圆を奪 ひ 返さん ばかり、 只今 君に も 御 

^^お i しなされん^^ 弒な らんが、 ^戲隨 を S りて わざとぎ なき 今のお 言葉、 それと 察して 

ま^お あかし sv、 ^^&il、 鶴 ひ II してで さり ませ。 (ト是 にて 藏之 進 思 人あって) 



蔵 之 ム 、、 ス リヤ^ 墘 にて は あらざる か、 チュ \^ い, もで こそ #m 樣、 かくと は 知ら 

s h^. か. f*4 £0 う ちせつち やく せっしゃ そこつ ゆ, る- y だ 

す^のき si、 ィャ& 馬 ぼに も 打ち 打ぎ、 拙者が 齒忽は 許して 下され" 

^馬 ィャ 打つ も 打た る&も 私なら す, 君 を ^ふ 忠義 故 

4» な レ -ノ-A きみ いう, 9 

^之 あ、 问じ Hli 下で ありながら、 君 を 遊里へ いざな りて , 

とも v« わ いろ ざび 

數馬 共に 廓の 色 酒に、 

レ the ね みだ まら 

藏之 忡 根を亂 す^も あり。 

くら しんさ ま 

數馬 藏之 進樣。 

藏之 數馬 賴み 少なき。 

兩人 世の中 ぢ やな ァ •* (ト兩 人 思 入。 此の 時 臭に て) 

菊 野 & 馬さん く、 殴さん が 呼んで ぢゃぞ え。 

數馬 ハツ 只今 それへ。 

菊 野 數 馬さん く。 

td な C くらの しんさ ま あだ とき. A*J*S ^ ^ Ji, し.:^ ぶべ -に 

數馬 H 、ぬしない、 ィャ 何藏之 進樣、 お 家に 仇な す 時 廉^、 シテ食 殿の 御 心腹 は? 

み i しんてい • 

蔵 之 身共が 心底 コレ。 (ト 囁く) 

S 莊 太夫 ニセ七 



時-代 狂言 傑作 集 = 七み 

S のち s J 

數馬 フム、 スリャ お 命 を 捨てられても。 

』 ての ぴ と *f かど 

藏之 手延 にならぬ おんてき 時廉。 

あつ 3- れちラ «w その もと くに ご nil W-SM is fe^s K K-o stu *w s ; J 

數馬 天晴 忠義の 其 元ながら、 國に 御座 ある^ 戶¥ ましてき き S4fe、 if きの^も 凝? した 

< さいし ひ 《i§ ね も か へ ち ユー 1 ^ソぁ A は :a.,、r!»> 

蔵 之 アイ ャ、 妻子に 引かる X 性根 は 持たぬ、 心に 掛かる はお 家の &治、 もしぬ 相 果てな ば, 若 f なれ 

tL» 々ん k あに • ぉス さ しづ 5 とも こく か fe© ぞん 

ども 貴殿に も、 兄 一 擧の 差圖を 受け、 俱に國 家 を 賴み存 する ピ 

C » ^r»y ^ . ft にと ぞ お S8I5K 

數馬 御尤もに は 候へ ども 何卒 御 命 全うして、 

藏之 ハテ くどい、 變ぜぬ 魂 4 

數馬 では ござれ ども、 

藏之 ェ 、 御 家の 大事に や 眷られ ぬわえ。.. - 

さやう くらの し. ^さま 

數馬 はァ、 左爵 なれば 藏之 進樣。 

み ごと をん みつ 

蔵 之 見事 穩密。 

一 J めん 

數馬 ハツ 御免 • (ト 唄に なり 数 馬 奥へ は ひる。 後 踊り 地、 引 違へ てお たつ 密書 を 持って 出て 來り) 

たつ 主 稅樣が 大事な 密書 ぢ やに 依って、 御 林お 鏺 に ilfe しせいと 艇 しゃった が、 あの は、 

✓ 9 さんぜん 12 つと いくい も ビ 

ヲ ヽ それ/ \ 最前 一 寸 行って 來 ると 云って ぢ やが、 まだ 戾 らしゃん せぬ かいな ァ 。 



ト蔵之 進 は 上手に 思案して 厝 たりし が是を 聞いて、 

ちょち う しょは 3 UO 

藏之 女中、 その 書面 1 寸 貝せ やれ 

たつ i く?^ の S、T 手に ず?? ござんせ ぬ" 

藏之 ェ、 &せ やれと 云 ふに。 

たつ ィ、 H ならぬ わい なァ。 

蓬 之 ェ 、M 倒な。 (ト蔵 之 進 密書 を 引た くる。 おた つび つくりして) 

ヒっ それ を どうす るの ぢゃ。 

ト卦 かる を突廼 して ちょっと 上手へ 突き やり、 手早く 密書 を讀む 事あって びっくりな- 

, .A へ まさ でろ まつばら 

藏之 S? こそく、 n ならざる のぬ s、 f は 正しく 一一 一條 松原。. 

t つ それ を こっちへ。 (ト又 掛かる を 手 をね ぢ 上げ) 

j 一と X しラ じろ と. * 

藏之 殊に 依ったら 主從 共に。 

はな 

たつ H 、放さぬ かえ。 

ト振り ほどき 蔵 之 進突廼 して 赏 てる。 おた つた ぢ^ \ となる。 

藏之 、ゲ 都 を i さま ト向ふ を S き ソレ。 si 之 進 花道へ は ひる、 おた つ 倒れ i 



時代 狂言 傑作 集 

K V 4 いし 2n = 八 o 

段 八 黑石 氏。 

傳六 主& どのく。 

,王稅 讃¥ それへ g 震 さう つ 

ト かすめし 踊" 地に て 主 1に段 八傳六 少し 醉 たる 體 にて 出て ず、 おた 

, * なかね メ *5 

ぁノ ャ コリャ 仲居のお たつが。 

傅 六 した。 

. よ い、 

主^ i:- び 生 さっし や 1? \0 、トミ ,i-,、t . 

こ 1 き わ やれ (ト段 八傳六 はお たつを 引 起し 活を 入れる。 おた つ 心 附き) 

たつ 大事の それ は 渡さぬ ぐ。 (ト主 稅へ掛 る) 

主稅 ェ、 f を 致す、 身共 ぢ やわえ。 (ト おた つ、;. 附き〕 

<u r\ ち.^ ら さま 

たつ ひ、 4 檨 かお そか ッ たく、 0isffsi 

主稅 I 居つ I、 , 、ぎ は if に、 Hi • 

一二 人 ャ、、 。 

f -\ ^ みっしょ ひ け,》 

傳户 殊に 密書 を 披見いた さば。 



, > , «c まさ 55 なほ このうへ さけ . ^ム 

主稅 ィャく すな、 4 ^が 田 ゆ コレ おた つ、 お 奧へ參 つて 政 氏め に, 此上两 を II よ- 

たつ そんなら 齢さん (ト おた つ 奥へ は ひる。 殘 りし 三 入 こなしあって) 

C しあん 

gj$ シテ御 思^ はな。 

主稅 や A けて は& かれぬ 政 氏、 <5 を 過 さす 廓より M る を 待ちう け 人知れ す。 

^tf^v ろち と ご しゅ だ.^ 

^ シテ討 取る 御手 投 は。 

主稅 n レ。 (ト兩 人に 囁き) 合 點 がいた か。 

そのもの たの, 

段 八 スリャ 其 者に お頼みあって、 

S わお へ 

難で 廓歸り を、 

うちと て はや 一 

主稅 討 取る 手 箸。 

^ シテ^々 は。 

i— ノ おご つきそ さ- - てい とも <\か *;》 > 

主稅 駕^に 附添ひ 支へ る體 にて 共々 加勢 を . 

繊で 、ひ 得ました。 

も は き くや" i I > 

主稅 最早 ゃ歸 館に 間 も あるまい/ 

^ ぉ11 ござらば お 稅^。 

傳丄ノ =」1 

三莊 太夫 一一 /- 



時代 狂 雷 傑作 集 二八 二 

^1>J ► ^,0 C よ ひま さう 5 う もと ぐ^ 

主稅 コ リャ密 にく。 (ト 踊リ 地に て 雨 人 臭へ は ひる。 後 思 入あって) 今宵 攻氏を 討 取れば、 五十 四 郡 を 

.VJ^^J こう:! „j ほ もくぜん- t うへ われ たねん fci まう £5 じゅ ま かんろ 

時廉 公が 握る は 目^ さう 成る 上 は 我 とても 多年の 大望 成就、 ハテ 待てば 甘露の (ト にったり 

思 入あって: > 日和 ぢ やな ァ。 

ト 時の 鐘 踊り 地に てよ ろしく 此の 道具 ぶん 通す。 

本 舞 臺向ふ 1 面の 黑幕。 常 足の 二重。 草 土手の 弒 込み。 二重 上手に 蒲鋅 小屋 出 は ひり あ 5。 左右 篏ュ 

松の 立 木。 日 覆より 同じく 釣 校。 半月 を 下し。 すべて 三倏 松原 邊の 道具、 時の 鐘禪の 勤めに て、 此の 

道具 納る。 直ぐに 花道より 若ィ衆 大勢 非人に て菰を 身に まと ひ、 めんつ 5 德利 竹の 皮 包み 杯 を 持ち出 

て 直ぐに 舞 臺へ來 り。 



Ifu つ . このて ろ- わる ? P お. »< は *£ ひと く 1 を; . - 

コリャ ^ 松よ 此 頃の まんの 惡さ、 京 三界 靳け 廻っても 何 一 っ旲れ 居らぬ。 

そ. OS やその |a かい、 ゑんとう さへ ちらし 居らぬ もの。 

»~ ん しう け A £4 

コリャ 遠 州、 わり や 今日 ゑら い 事した な。 

ゑら いと は 何が いやい。 



非 一 

非 二 

非 三 

非 四 

T レ# き ことし .A IJ^ 

非 三 H 、隱 すない、 ます 一 升 ひいて 來た事 知って 居る ぞょ。 一 

非 四 南無 三、 それが もう ばれて しまうた かい やい。 



非 一 いくら i しても ぼの i でかな わん ぢゃ、 まき 出せ. 

非 二 syfe が は づむぞ よ。 

? サァく 酷 こせう く。 〔ト捨 ゼリフ にて 着て 居た 菰を 敷き 皆 々居並び) 

ip 一 ドレー ^やらう かい。 

4P is* ン IW 

fe. 三 あが 酌せ うかい。 (ト酌 をす る) 

P 一 炎ら いおい^な ァ、 われに さす わ。 

非 四 ヲット おる 事の、 早八漱 よふの ョィ。 

き 三 ^に.^ はま だ どぶ さって か。 

非 一 ずな g をす るな やい、 m& けたら お ぼ 4 ふ?。 (ト捨 ゼリフ にて i よろし <) 

fcL 一一 一 チト こっちへ もさ. ^ぬ 力い 

サァ さす わ。 (ト ついで 見て) 

非 二 ャ了南 j ヒニ 川^ ぢゃ。 

J! て/、 &ぃ 事が ある、 是 から 皆が It して, 

^ 一 どうす るの ぢゃ、 五條の 撟 下で 齢 がう かい。 . 

一一 八 11 一 



S 莊. K 夫 



時代 狂 首 傑作 集 11 八 ほ 

皆々 それが 良から うかい。 

非 一 サ ァ皆來 いやい。 

これ でう むごん い おもしろ Ja 

非 一 一 ィャ是 から 五條まで 無言で 行って は 面白ない 

みな はや 

昝々 そんなら 皆で 鳞さ うかい。 

おれ おんど と よは じ ひと を ど あみ 5 ちお M し ょま ラ , がつ fcMJ 

非 一 俺が 音頭 を 取る ぞょ、 ャ ン ラ 千代の 始めの 一 踊^ 網 打 踊りが 所望 ぢ やが 合 點か。 

皆々 ヲ 、扠て 合&ぢ や。 

ト雀 踊りの 太鼓に 合せ 踊り 乍ら 上手へ は ひる。 後 木魚 入り 禪の 勤めに なり、 花道より 三莊 太夫 深 編 笠 

浪人の こしら へに て 足早に 出て 來り、 花道に て。 

もはやし よかう あ ひづ じ こく .SS す こ IS1 か1> -J . , い I * に— ズ? , 3 

三莊 Eg 早 初更、 合圖の 時刻 も 今少し。 C ト向ふ を 見て〕 ヲ、 幸 ひ 彼處へ 行って 何 かの 手笞 それ/. \。 

ひにん たのた こと 

(ト やはり 右嗚 物に て 舞 臺へ來 り 上手の 小 家の 傍へ 來り) コリャ く 非人、 チト賴 み 度き 事あって わ 

で S ひるつ か, 

ざ/ \是 まで、 サ、 出よ^ \。 (ト 呼び 立 つれ ども 答へ なき 故 こなしあって) 扠ては 晝の 痰れ にて 

もはやね ひにんよ うじ で 

最早 寢 たか。 (ト 前の 菰を 上げ) コリャ 非人、 用事が ある 出よ く。 

ト きっとい ふ を閗附 け、 小 家の 內 にて 非人 山!: 櫂 六 こなしあって。 

なん . ね-ゐ お *H しょ S ぶ あした ;ク 

權六 何ぢ やい く、 よう 寢て 居る にけ た& ましい 匿かん かい、 い \ ヤ^の 片 かわの 勝負なら 明日 來 



いやい。 

ト云 ひながら、 權六 非人 好みの なりに て 目 を こすりく 出て 来り。 

さ .to© たの タ こと こ.^ さた I 

三莊 ァ、 ィャ/ 、左樣 な 者で はない。 チト そちに 賴み 入りた き 事が あって、 わざ,^ \是 まで 来った 

めん S うたが ^ 

のぢ や、 面倒 乍ら ちょっと^まで。 

おれ たの な, > ひさ ま ひ にん ご や よるよなか ^ 

櫳六 ァ 、あだ どんくさい、 俺に 頼みと は何ぢ やい なう、 ャァぉ 侍樣、 ^人 小 家へ 夜夜中、 よう 寢 

も おこ ミは , よう たん 

てゐ る^ を 起し 廻って わしに 用と は 何で ごんす の。 

よう i ほか み どう ぼね み こ を リ い む しん なん き- -ぃ < 

三莊 ィャ ffl 事と いふ は 外なら す、 お 身が 胴 骨 を 見込んで 折 入って 無心が ある、 何と 閒 入れて は吳れ 

まい か。 

こ じき ^ ^ 

權六 あの 乞食の ^ に賴 みと は • 

Y つと と |*ら fc 

一一; 莊 ィャ刖 の 事で もない、 そちに 貰 ひ 度い ものが ある。 

み ご らう にん ひにん もら fc- 

權六 H 、• (ト びっくり こなしあって) 見 ますれば 御 浪人 さうな が、 穽人 めに 貰 ひ 度い ものと は てつ 

きりこり ゃァ Q 

そ ち .A ら だま & もら た 

三莊 ィ ャサ、 其方が 身 體に卷 いて 居る わんぼう が 貰 ひ 度い ノ 

こ せ もの 

權六 ァ 、此の 着る 物 を。 

111 莊 太夫 二八 五 



時代 狂言 傑作 集 二八 六 

三莊 6 佝 にも。 

權六 ハテ ツイ ひ j 口で 濟む事 を。 (ト こなしあって) ャレく 新 身 i しの 胴で も^; せと 云 ふの かと、 あ 

つたら 膽を、 ハ、、 ヽ、。 

ちかごろむ しょ まう • 

三莊 ハ、、 、ゝ、 近頃 無 艦の 所望 なれ ど。 

き なし さめ たいて Z . • J 

權六 サァ閗 くまい もので もない、 したが 何 ぼっ^れ でも 寒い ひだる い 大敬を ふせぐ 此のわん ぼう, 

い さむら is W-JS ち玄 おな こ. V- だいじ おれ しひ ££ しん,, , »k ► ^ 

云 は^お 侍 の 鎧 兜 も 同じ 事、 大事の 俺が 魂 なれ ど、 わけての 頼み 進ぜ ませう か 其の 代りに 

tfr 55 ぁづ ゆん 9 くつ な 

は 又 そっちの 魂、 こっちへ 預けさん せ、 何と^ 屈ち ゃァ 無い かいな う。 

? ほど - PS5J し か は *?■ し ごく > むしん is 、- ' ► . .s^ Z :』 \ , .、 、- 

一一; 莊 成程、 此の 兩腰を 代りにと は 尤も 至極、 無心 を賴む そち なれば お-と 云うて 渡した けれど お 

み む しんい レ. *5 ゆ. ai よ ひ S う »« > それ, z fci に ひ * ^ I 

身が わんぼう 無心 云 ふ も、 チト 仔細 ある 故 今宵 中に て 望み を 夫まで は 此の 魂.、 どうも 腰 か 

ほな こ > i 

放されぬ、 爱の所 を。 

きい Z 

權六 ヲット 皆まで 云 はんすな、 よし 呑み込んだ • 

き-わ かたじけな らうに, 3 たく は こ ひとつ.^ み : た ** ん ひ.. もく ゼんぶ せう ?- > 

三莊 ス リャ閲 分けてお くりやる か、 忝い、 浪人が 貯 への 此の 一 包 は 身が 魂 目^ 些少ながら 

ト三莊 太夫 懷 中より 紙へ 包みし 金 を 出し 攉 六に 渡す。 

な, > おき S なら 

fM ハ 何ぢ や、 コリャ 金 か、 ェ、 置 はれ、 こんな もの はい ゃぢ や、 とサァ 目た. ON かわく はこ ちらが 習 



^ そん なぢ やきい、 f& 。からの 氕 でも ごんせ ぬ、 ^は 知らね ど 御 浪人 ^體 捨て、 g 

Tsi み^ぢ や、 II, f4^f$ki^ ちょ U なせつ 

とわり ようかい、 对&ぎ は ある ぞ、 こちらが? れ& になる と は、 ^がほんの 枯木にぁ 

じゅ^ K おん,, を - M 10 

ぢゃ。 (ト わんぼう を眈ぎ 前へ つまみ 出して) それ 千 手 既音か 居ります そえ 

一一- 莊 ヲ、^ ^く々。 ぎぐ さま 是 より 此の 身に^ けて。 

jgS 六 ァノ 身に, けて。 

おん わ け ノ I - 

II; 莊 恩 は 忘れぬ。 

櫳六 で ござります るか。 

ノ. A Z き ごにち さた, , , 

1 一; 莊 ^し 此の 俵 は 後日に 沙汰な し 

隴六 f の^り を& てた 乞食、 その 氣遣ひ は。 

三莊 お^ 魂 ひ、 比の 揚の返 鱧 。(ト ちょっと 拔 きかけ る を 押へ て) 

一 J ち - てろ ぉュ r - I a 

醸 六 ィャ その 御馳走に は 及び ませぬ 

ひ u ん. * ぶ L Si スゎ" > 

三莊 ム&。 非人 重ねて 面會。 

だん な さ ま 

權六 旦那 樣。 

1 一氏 七 

1ュ 莊 太夫 -7 



時代 狂言 傑作 集 11 八 八 

:: な. に A£ むか * ちす S 

コ; 莊 ^かに 歸りは 向 ふの 道^。 - 

欉六 H ヽ。 

1 二莊 是 より^-ぐに、 さらば。 (ト こなしあって 三莊 太夫 花道へ 走り は ひる。 權六後 を 見送り〕 

權六 テモ けぶな、 併し是 ぢゃァ 。(ト 金 包 を 出し 数へ て 見て にったり 思 入) こつぶに ちょん へがお !i り 

くだ 

下 あれ。 (ト よろしく こなしあって 本 釣鐘の 迗リ にて 此の 道具 ぶん 廻す〕 

本舞臺 向ふ黑 慕、 臭 深に 松 並木 同じく 釣 校、 すべて 三條 松原 通り 宵闇の 體、 靜 かなる 禪の 勤めに てよ 

ろしく 道具 納る。 ト 行列 =1 重に なり、 花道より 中間 箱 提灯 二 張 持ち その後より 乘物 一挺 中間 かつぎ 数 

馬主 稅段八 武士 等附添 ひ、 草履取りの 若 徒 合羽 駕籠の 中間 順よ く 出て 來り、 此の 後より 三莊 太夫 以前 

のっ^れ を 着て 手拭 を 深く 冠り、 糸 立に 大小 を 包み 是を 抱へ 窺 ひく 出て 來り、 本舞臺 にて 乘 物に 近 

附き。 

ご fc いしん さ S て うち 

三莊 ヘイ 御大 身樣, お 手の 內を くだ あれまし^ \。 (ト是 にて 敵役 三人 顏 見合せ 思 入) 

C ? のりもの ま ぢ.^ て うち 9 よ £5 ばん 3 

數馬 コリャ /\、 ぉ乘物 間^く 手. の內 なぞと は 慮外 千 萬、 下がれく。 

さが さが て うち くだ 

一一: 莊 《ィく 下れなら 下ります が、 どうぞ 手の 內を下 あれ ませ。 (ト乘 物へ 近寄る を數 馬へ だて、) 

C- 1, - ^ 93 も ま ぢ. A ぶ れいし ごく にん しゅくん しの ご つうかろ こと e a ん およ ^ゑ 

S ャァ 叉しても ぉ乘物 間近く、 無禮 至極の こつがい 人、 主君 忍びの 御 通行 殊に 夜陰に 及びし 故、 



*J とも ふび ム はか ひ. Hv> •- は まも B てまへ ようし *- > く ご 

事^^に 計ら ふに 一 曲 ありげ な强 ねだり、 おして 中 さば 刀の手前、 ffl 拾 はならぬ^ 悟 ひろげ。 

ト きっとなる & を主税 留めて、 

ぶ 力 : ,つぶく ご 1 1 ad 

主稅 アイ ャ數 踨、 御 立腹 は 御尤もな るが、 たと へに 申す かつたい に 棒う ち。 

, あ ひて ぶせ ひ てう もつ か , 

段 八 相手に ならぬ 野 仗り 非人、 コリャ 手の 內を逍 はされ るが よろしう ござる。 ("数お 思 入あって) 

- - ; ^li; お- x . や^, , -ー とぼ れ 5!: ん. , ^へい-てう S つか 

數馬 ム 、助け S かれぬ 奴 なれ ど いづれ もの 一 一一 一 n 荬に めんじ、 了槠 致し くれる。 ソレ 平、 手の 內を遣 

はせ。 

若 徒 はつ。 (ト錢 を三莊 太夫の 前へ W す) 

含ん-?? のぞ 

一二 莊 アイ ャ、 金銀に 望みない わ。 

ぎん ぞん のぞ 

數馬 ムゥ 金銀に 望みない と は。 

^.M のぞ 

三莊 俺が 望み は。 (ト抆 打に 左右の 提灯 を 切 落す。 供迢り わつ と 云 ふて 立铰 r) 

さ ぐ 4- も , ゆ だん 

数 馬 ャ扠 てこ そ 曲者。 いづれ も油斷 しめさるな。 

|ニ 人 心得て ござる。 

ト, 王稅、 段 八、 傳六拔 つれて 數 馬へ 切って 掛る。 踩 の 勤め くらがりの もやう にて ごつ ちゃに 立廼り 

馬 は 段八傳 六と 立迢り 乍ら 上手へ は ひる。 主 稅は供 逍りを 追 散しながら 下手へ は ひる。 時の 鐘 忍び 三 

三莊 太夫 二八 九 



時代 狂 首 傑作 集 二 九 

重に なり 乘 物へ 近寄る。 內ょ リ戶を あけ 政 氏 窺 ふ。 三莊 太夫 乘 物の 藤へ 隱れ る。 

政 氏 &i の げ なす は なる ぞ。 c ト刀を 持ち出る 一 i 太夫 窺 ひ 寄り 後よ-一刀に 切 下げる。 政 

まま ろ ち ひ け ふし ごく 

氏 ど ふとな り) ャァ 欺し 討と は 卑怯 至極。 

ト刀 を拔き 立上り 切って 掛る。 時の 鐘 跳へ 合方に て 立 廻りよ ろしく あって、 三莊 太夫 政 氏の 刀 を 打 落 

し 切 下げる。 政 氏 三 莊 太夫の 裾 を 取らへ る、 是 にて っビれ すつ ぼり 脫げ 其の ま、 政 氏 を 切 倒し 乘掛り 

て 止め を さす。 本 釣鐘。 是をキ ッカケ にて チョンと 月 出る。 三莊 太夫 ホッ と思ノ 

1 二 莊 ハテ 扨て、 もろく もく たばった ざま わえ。 

ト にったり と 思 入。 此の 內 後へ 時 廉窺ひ 出る。 後より 乘物供 廻り 附添 ひ。 

時廉 め を 仕 止めし か。 (トー 一一 莊. K 夫 時廉を 見て) 

fcKis と- J 3 

111 莊 只今 止め。 (ト刀 を 拔き血 をぬ ぐ ひ 納める) 

時廉 ヲ、 出來 したく。 !, 

I えし 麓, si に i を やつし、 11 を^し まんまと 首尾よく。 

0^ お lsfe、 きが に ^はす の 鯛き、 |# は滅が Ik 通り 贓ち丹 後の 國 に^て、 成 合の 莊 

t き I- > ら レ? £o ま ぢ とろ かく こ と キ-A ど » ゆる 

Is の おの^^せて 三ケの I? 頭ぎ、 此の 時廉が 許し 狀。 



ト 懐中より 免狀を 出し 渡す。 三莊 太夫 押し 載き。 

fc ねん C ぞ あきが & だ. S つ ふまつ 

三莊 多年の 望み 有難く 頂戴 ^ る。 (ト 懐中す ;> 

ひとめた なに i はや W, , 

時廉 サ、 人目に 文た ば 何 かの 妨げ、 ちっとも 早く 此の # をば。 

三莊 然 らば 此の ま-。 

もの かすい はや 谈- 

時廉 物^ 云 はす 早く „& け。 

三莊 おさらば。 (ト本 釣鐘の 送り 三莊 太夫 花道 を 走リは ひる) 

-F-t は, や ほ :《 / かれ お.^?; ^ , こく もん. sr.* . * _JC ち *- ん *- ろれ * ♦• つ ,1 - 

時廉 最早 參り しか 彼に 因 3 賞 を 與へ國 遠 致させ たれば 後日に 設 義の愁 ひなし、 はて 愛い 奴ぢ やな ァ* 

ト ばた くにて 花道より 若 徒 供 廻り 大勢 走り出て. 來り。 

ヒ,-m t I - » い, は f 一 j わ^- か 1 おはわ だべ.^ の し.? わがきみ う M さき やぶ こかげ し 

若 徒 はッ 申し上げます、 岩 木の 判官が 家老^ 和 田藏之 進、 我 君 を 討たん と 此の先なる 藪の 小 陰に 忍 

t を , £s ご ゆだん 

び 居り ますれば、 必す 御油 斷 になされ まするな。 

: f k ^ん ? v く し^ i ?* う i ちぶ を 

時廉 ム 、 スリャ 何と 巾す、 藏之 進めが 身共 を 討たん と 待が せ 居る とか。 

若 徒 左樣 にござ^ まする。 

時廉 ャァ 昨廉を 討たん と は 及ばぬ 事. (-、 ^かる 事 も あらん かと 附け 置く 遠 か、 早逑の 知ら せ^ぞ 

, : 、 , ^0 'L^ い. お とき _u cs f くつ *? てだて あた uic つ 

したく ァ 、^之 進 を^け 置く 時 は 後日の 妨げ、 屈 强の手 立 あり、 邊 りに 心を附 けい • 

=1 莊 太夫 二 九 1 



時代 狂言 傑作 集 一 一九二 

若 徒 ハツ。 (ト邊 り を 見廻し 窺 ふこな し) 

み ども の W もの レ がい い , 

..^0 それ 身共が 乘 物へ、 その 死&を 入れい。 

大勢 はつ。 (ト呰 々手 傳ひ政 氏 の^かへ を 時 嚴の乘 物へ 入れる 事) • 

ち《- ら か ごつ きそみ ども , て, い .J - 

時廉 ム、 それでよ しく、 泥 等 は 駕籠に 附添ひ 身共が 乘 つたる 體 にて もてなし (ト ちょっと^々 に 

おって; 3 

囁く) ナ合點 か。 

こ A え , I 

大勢 心得ました。 

はや ゆ 

時廉 早く 行け。 

大勢 はつ (ト 時の 鐘に なり、 侍 中間 皆々 乘物を 守護して 花道へ は ひる。 時 廉後を 見 这リ) 

1IA- あと あゆな SS f. けす- ' 

時廉 これで 心 もさつ ばりと、 跡より 步み獰 も 樣子を ヲ、 それよ。 

ト ごん 合方に て 花道へ は ひる。 直にば た, (-禪 の 勤めに なり、 上手よ リ数馬 下手より 主稅 走り * て 行 

合 ひ 頸 見合せ。 

か卞£ . 

主稅 ャ數馬 か。 

ちから 

§, ム、 キ稅 か。 

主稅 覺 悟。 (ト 切って 褂るを 手早く 留めて〕 



傳段 主 數主數 倚 段 主 數 
六 八 稅 馬 u m 六 八 稅 馬 



i Z よ ひ ち-つ ぜ S 

§. 扱て は <frw の 狼藉 は。 

とき A どこう はか 

主稅 S 廉 公の 計ら ひだ わ。 

ゆん 

何と。 

ぐ, 3 わう $0 わ 力く はじ ^ ちう たいはん 

五十 W 郡 を 横領な さん 取々 始め 家中 は 大半。 (ト 此の 時 後へ 傳六 出て) 

とき ^どこう み おつ. 

^旅 公 へ 一 味 合體。 

とま かど ぼ-つけい 

ム 、, ス リヤ^ 廉が 謀計に て。 

SB がへ * も まち * A たも • て ^に.' 

廓 歸りを 道に 待う け 味 力の 者に ばらさす 手 立。 (ト舞 臺の 血汐を 見て) 

Z 2 こち しほ さ ご しゅくん ご さい ご 

ャ、、 、此の 揚 にした、 る 此の 血汐、 扨て は 御主 君に は 御 最期なる か ャ、、 、ゝ。 (ト びつ 

しゅくん お ft え とき. A ど か たん ,ら かひ ぬ ちくし 1 

く" 思 入、 きっとな つて) ム 、、王 君の 敲は大 江の 咭廉、 それに^ I 擔の おのれ 等 は 飼 かふ 犬の 畜生 

ざ むらい くび なら お たつば fc* じん OS LP ぼ i. >< に 

侍 、 せ を 並べて 片端し 一: おぼえさせん、 尋常に 尻尾 を卷 いて 1^ 悟な せ 

何 を こしゃくな、 いづれ も それ。 

心 はました。 

ト^の 勤めに なり、 三人 を扣 手に 立 廻り 主稅を 1 刀に 切る。 是 より 鹩へ のぬ 物に なり、 数お 段 八 傅 六 

と 立^ リ よろしくあって 兩人を 切 倒す。、; セ税窺 ひ 寄って 数 馬 を 切 下る。 是 より 鳴物替 つて 兩 人手 負の 

三莊 太夫 二 九 一 一一 



數馬 チェ 

ん. 



時代 狂霄 傑作 集 二 九 四 

立 廻り、 ト *、 主 稅を切 倒し 此の上へ 片足 かけ 苦痛の 思 入。 

くちぶ U おひ ふかで;! お こうへ しで. づ まさ うぢこう te- んとも 

口惜し や、 云 ひ 甲斐な くも 深手 を 負 ひし か、 イデ 此の上 は 死 出 三途、 政 氏お の i% なさ 

ト刀を 取 直し 腹へ 突立て 引 廻す。 此の 見得 時の 鐘の 笾り にて 此の 道具 ぶん 廻す。 

本 舞 臺向ふ 一面の 高き 竹 藪、 上の 方へ 寄せて 切 破りに て 人の 出 は ひり あり。 日 覆より 松の 釣 枝、 行列 

三重 時の 鐘、 蛙の^ にて 此の 道具よ ろしく 納る。 ト 矢張り 行列 三重 を 冠せ、 本 釣鐘 を 打^む。 是をキ 

ッカケ に 正面の 藪 を 押し分け、 藏之進 袴 K 立り >- しきな り 手 槍 を 持 W てきつ と 見得。 ム、 とこな しあ 

つて 又 上手の 藪へ 忍ぶ。 矢 張 右の 鳴 物に て 花道より 以前の 駕籠 を 先立て、 侍 中間 附添ひ 出て 來る。 は 

るか 後より 時廉窺 ひく 出て 來る。 駕籠 舞 臺へ掛 ると 上手の 藪より 藏之遒 進出て。 

, い へ をん てき と. ねん 

藏之 お 家の 怨敵、 時廉觀 念。 

ト乘 物へ 突いて 掛かる。 此の 萆を閗 いて 時廉 下手へ 忍ぶ。 蔵 之 進是を 知らず 乘 物へ 槍 を 突 込む。 手 ご 

たへ したる 思 入に て 槍 を 捨て 戶を あけ 政 氏の 死骸 を 引 起し 月影に すかし 見て、 

» こ AiL し: » くん まさう 5 こう おんなき おら こと あや 乙 さ ひとで > ごふ e 

ャ、 、、ヽ コ リヤ^ 御主 君 政 氏 公の 御 死骸、 殊に 怪しき 此のつ ビれ、 衩ては 人手に 非 || の 御 

最期、 ャヽヽ ヽヽ。 

, トど ふとなる。 此の 時 供 廻り 大勢 取卷 き。 



しう ころ つな * よ うご 

大勢 主殺しの 綱淸、 動くな。 

蔵 之 何と。 ハ ト時廉 上手へ 出て〕 

くらの し^のが 3S >< ご 

時廉 藏之進 返れぬ 所 だ、 &悟 なせ。 (ト藏 之 遜つ ぐれ を 見て) 

^» Z うへ ひけ ふみ れん .A く j , 

藏之 ム、 掛る 證據の ある 上 は、 ィャサ 卑怯 未練に 隱 れんや。」 

時廉 ヲ 、 能き I 悟 だ、 ソ レ。 

侍 捕った。 (ト蔵 之 進へ 掛かる を附廼 して〕 

I ft は 

藏之 ィザ繩 かけて e (ト侍 兩人を 投げの け 下に 居る を 木の かしら) 

ト 後へ 手 を 通す。 時廉雜 さばき をす る。 時の 太鼓に て。 

拍子 幕 

二 幕 目 扇の 橋の 場 

役名 元 吉要之 助、 人 買 込 わらの 牛藏、 同 ほらの 九 助、 轟 軍 太、 船頭 浪六、 同 沖 

三莊 太夫 二 九 五 



浪六 

沖 六 



時代 狂言 傑作 集 二 九 六 

六、 山岡權 六。 對王 丸、 安 壽姬、 權六 女房お らち、 政 氏御臺 むつきの 方。 

本舞臺 三 問 向 ふ 打抆濱 手の 遠見。 上の 方 二 間 丸 物の^、 此の 下船の 通へ る^。 正面より 下手 一一 一問 屮足 

の ニ^、 打 寄せの 蹴込み、 後 松 並木 石の 道 龃祌の 塚、 舞臺前 一面 浪板、 笛 を 掛けた る 丸 物の 船ニ艘 外 

に 小 « 一艘つな ぎ あり。 よき 所に 越後の 國 扇の 橋と いふ 校 示 杌、 すべて 越饺 i 旗 井の浦の 體。 浪の昔 

濱唄 にて 幕 あく。 ト右^ 物 橋の 上より 船頭 沖 六 柿の 筒つ ぼ 竹筒 を 提げて 出る。 後より 船頭 浪六 同じ こ 

しら へ にて 出て 来り。 

» しょ よなが, - & ゆら-^ と * んどラ どめ 

ヲィ く、 そこへ 行く はお いらと 一所に^ 掛 りして 居る、 由 良 の^の 船頭 殿で はない か。 

い ^なが- - ね さど しま A- んどぅ ^ 

ヲ、 さう 云 ふこな たも 船掛 りして 居る、 佐 渡が 島の 船頭 どん、 どこへ 行かし やった。 



^ , fc けづ. * も ね さ , ひ^ 

浪六 俺より はこん たが 竹筒 を 持って 居る は、 扠て はれ こ を 買に つたの だな。 (ト飮 むまね をす る) 



い ?<じ ん おも 

二 C 



沖 六 何の そんな 事 は 此の頃 は 上ったり、 それと 云 ふの が 客人が 思 はしい 買 出し ものがない とて、 此 

浪六 



にち ぶ. づら きけ じ ひ 含き さま 5 ろ 

の 四 五日 は佛頂 面で 酒の さの 字 もか^ 亡ぬ、 それに 引かへ 貴樣 はい \色 だの 



沖 六 

浪六 



ふね そのと ほ si じん まう ぐち きけば つと どうぜん ぶぷ こら はら わし こら 

ィャモ こっちの 舟 も 其 通り、 客人が 儲け口がない 故、 酒 法度 も 同^、 ^ は: ^へても 股の 蟲が 

へ 居らぬ、 そこで 一杯 気を付けて 來 たのよ。 

ひぎ ft" み かひ だ 

うまう やら かした の、 それに 引か へ こっち は 酒と 見せて てらし ヒ贾 出しよ。 

し t たつけ = き CM た あと つ き お ほ あてち が 

さう と は 知らす 叉附 込む氣 で 咽 を 鳴らして こんた の 後 を附ぃ て來 たが、 大きな 當^ ひぢ やな。 



冲ズ にごりで もよ ければ 振 ^ はう か。 

きハ ィ ャモ、 i の g な i ならば、 きになった も II。 

兩ノ 《、、、、、ザ ァ 一 ^に!; かう。 

hij^f i/! 直 g の 23 になる。 

越路 1、 愛に 直 井の &き、 きいた はしゃ^お あのお、 in 

置 幸 ひの 人 f 、g し にて 囊ば しませ。 

、^ぽ V さ i す 

さ し 從ィ 陰に 立 休き。 合方に な I 人と も捨 石に 腰 S けて こなし, J 

睦月 長の 旅路 を そなたの ¥ 能、^^ 1: お^て ぶ -i つく き 

ifs づ ズズ す ^い 共 嬉しい とも 错はあ ^こお さ 1」- 、 ^き な:^ う、 きし, はら 

fl あ fct i ? «卜,3:れ载 されす 我 夫.^ 氏 公、^ S マ ムこ C 

何者の 仕-菜に や 1 付 こ I- ひお^-、^ 3 せ ^ と£ ど . ぶけ,, -.^id き r?p にて 

rf 一 だつ i やし 敲の 行衞も 情な や 、 あおが ^^こ.., ぽ ゝ い 、i な 

す、 i 羅に f はれ、 いづく を g にさ まよお。 k 力 f にて 5 とても 入 il. は 

雲 ^ひがけなく^ K£S,E, 、,い g の^ぞ や。 

三莊 太夫 

ニ九セ 



時代 狂言 傑作 集 . 一 .ー九< 

かなめの すけ ち、 うへ さま B ぉづ は 4- う , 

對王 コ レ耍之 助、 父上 樣の敲 を fs- ね、 早う 討た せて たもい なう。 

よ- ?ょゃ あ. そ まさう ごさい ご « いは わか ざ-み ? i» fei b う, f f 

要 之 ホ、 能う 御意 遊ばした、 政 氏 公の 御 最期 を 幸 ひ、 お 君まで^ ひ" f り、 ^^を ii なさん^ 

か どどめ むほん さつ おく はか もったい つし わ S ぞ^ -V r こ &5 ち u 

廉^の 謀反 を 察し、 一 擧が 計ら ひに て勿體 なく も對, +: 君 を、 討った る體 にもて なし、 此の 趑後 

5- おと # それ^し おつつ fcvw つ ごしんし めで ご たいめん お ^"な ちう ぶあつ く-, ゥ しん 

路へ 落し まゐら せし と 閉き某 追 付き 奉り、 御 親子 ci 出た ぅ御對 面、 御^に は忠" !4 き^ 之 進 

ば 力のに を , -' ^つ ひめ 5- み うへ • き. ち、? * でお たづ だ おう ? jo 

^殘り K れば、 初姬の 御身の 上に お 遣 ひなし、 やがて 父君の 敵 を 尋ね 出し、 御 討た せ^します 

ほど かな おき づ> あそ 

る 程に、 ^らす 御 氣逢ひ 遊ばし まするな。 - 

き ひめ P しわう 520 ナ けたの も . こと ぼ き a う こ、 ち し 

睦月 ァ レ閗き やった か 姬對王 、要 之 助が 賴母 しい 言葉、 みづ から は敞を 討った 心地が 仕ます わい の。 

は-うへ さま おことば とほ わ -S とて «2 つし わ 5 うれ おも 

安壽 母上 樣の 御言 紫の 通り 妾 迚も 悦びます る、 コレ對 王、 そなた も硗 しう 思 やらう の。 

あねう へさ ま おつ こと これ うれ な. > いた 

對王 姬上樣 の 仰し やる 事、 が 嬉しうな うて 何と 致し ませう。 

このう ( れな めの すけ よ 

睦月 此上 ともに 要 之 助、 そなた を 能き に。 

三人 頼む わい なう。 

へた S はて *3 だ をり から *、 おどる ゑん じ かね 

賴む とば か 6- にて、 果し淚 の 折 柄に、 耳 驚かす 遠 寺の 鐘。 (ト 時の 鐘 四つ 鳴 

る。 要 之 助 思 入。) 

: - お.. -i- - い-、, . 巴よ ぼ た --.5 まな も は &. -< ISS こ SP かげ Z よ ひ これ U 

要 之 ^はく 恐れ入つ たる そのお 言葉、 只今 鳴る は 最早 や 亥の刻、 幸 ひの 此の 松 陰、 今宵 は 曰 | に 御 



i 宿 遊ばされ ませう。 

A\E かた, げ とう 5 まつつ よ S3 しぼ ふ とん すけが 3 うぶ が は しう 

要が す、 め 片陰に、 桐油 を 松へ 釣り 夜着 や、 芝 を 蒲 團に管 笠 を 屏風 代.^ と 主 

ぜひ つか ふ 

從が、 是非な く勞れ 臥しに けり。 

ト S- の 鐘、 耍之助 後の 松の 枝へ 桐油 を a よけに 釣り 三人 を 介抱して、 松の 陰へ 野 招の 體 にて は ひる。 

rt\*?CK c«i わた とせい ゑち v> fe かた や 2 を か かりうど ひと 

雪 阈の氷 を 渡る うき 渡世、 越後の 阈の片 ほとりに、 山 岡と いふ 狩人 あり、 人 

め た >»i S ど なほ & うら あ ふぎ ばし か、 

の 目に 立つ 大男、 すご/ \戾 る 直 井の浦、 扇の 橋に さし 掛れ ば。 

ト 此の 文句へ 浪の 昔時の 鎧 を 冠せ、 下手より 山 阀權六 五十:::^、 どてら 山刀 袋 笠 を 一 つに して !g 砲へ 

く 》 り 付け かつぎ W て來 る。 

^にし か W- つきかげ らんかん かたかげ か 3 e> や * ぶ た&- プ; - な Kt- る たち 上 

西に 傾く 月影 や、 欄干の 片影に 笠 を 屏風の 旅 勞れ、 何 心なく 立 寄って。 

ト權六 措の 上に て 野宿の 11; 人 を 見て。 

ひ にん M>» し わう 6« はし だい み f f ゆ し よ S は みつ S.B 

コリャ 非人 共 か 知らぬ が、 注 遠の 椅臺に 見れば 上び た 桐油の 紙帳、 夜 廻りに^ 附 かったら ば 又 

め あ み ほどし やつら お を 

ひどい 目に^ ひお らう, ュ 、さりと は 身の程 知らぬ 奴^、 きり^ 起きて うせ 居らぬ かい。 

^すげがさ しねい n- 5- ほ 

れド, 笠 を まくる も 知らぬ 寐入 ばな、 す や,/ \顏 を さしの どき。 (ト 榷六柷 油の. S をよ 

く 見て 思 入) 

111 莊 太夫 二 九九 



時代 狂 言 傑作 集 一一 一 

<| 常な.^、 こちらの I ビ士 ハセの 15^ り、 ff?f i 俗の ようまた は 1 れ 

もない 一 一人の 母親、 尸 テ うまく^ 込んだ わえ、 殘 つた T や は S& iS と^える わえ、 どこの がか 

知らね どこん な 所に 寢て 居たら、 惡 い^めら の^に 靴ら うに-^ にも | らいで^ やりばな、 コ 

^ x > しか-、) i ごくらく 

リャ餘 S な 旅 勞れ、 然し 此の 內が 極樂 であらう かい。 

n-^ , み., . ft^^a . や K を か でき ご、 ろ 

暫し 見とれて 立留 る、 山 岡 ふっと 出來、 i。 (ト いろく 思 入あって〕 

^'; 1 - i はは- —1*? |» ^ > る ぬん びき ひるよ S わ も _s み" ノ AJ-M 

ム 、 スリャ 仕 合せの 直り 口、 僅かの 鹿 猿 何十 匹 K 夜 を かけて^^ つた | が、 If 化に も^らぬ 

变 * \ ン _ui^ ノ-. : ♦ 、 ^ , f M. わた- A れて あは ふと- J まう は i 

また,/ \ した 事しょう より、 こいら を 欺して 寶 渡せば、 濡 手で 粟の 懷ろ 儲け、 丁度 幸ひ此 

の 中から、 此 あへ SFS と &bi の^ S が | つて 射れば、 Ts^ せたら Si に I る は 

レ > -vi に ひと ん て うち i や 

知れた 事、 人に 先手 を か i れぬ 內、 ちっとも^ くさう だ <。 

M こいろ . A3 みあば tta ブ た ひか ぐ K へ が i9 ぁ 

、もに うなつ き獨ら 笑み、 船 を 見合す 演傳 ひ、 向 ふよ. o 來る前 だれ 掛け、 取 上 

力み * へ さかや かよ やき 

け 髮も嗥 じみて、 酒屋へ 通 ふ備前 ま。 

ト浪の 音濱 ^にて 下手よ リ おらち 世話女房 のこしら へに て、 備前德 利 を 提げ 駒下駄に て 出て 舞 臺へ來 

り 權六を 見て。 

ね ひと 

らち ヲ、 そこに 居な さんす は、 こちの 人ぢゃ ござんせ ぬか。 (ト是 にて 攉六 びっくりして) 



權六 ム、 わり や^のぎ、 今頃 こそく 一 人 あるき、 どこへ 行く の だ。 

らち ュ 、& かしゃん せ、, 鎖り お の^りが i- い^、 ^ひ^ら^ 酒の li 出し、 よう^が 附 いたと 褒め 

I t おも 4 ま か みよば お くだ • a 

はせ e 叱り さへ すり や 能い かと 见 うて、 あたま ごな しに 山の 种呼 はり, S いて 下さん せ 

權六 ハテ^! が 5,i ぢ やに つて、 W の^と つたが 1、^ か、 コ リヤ^; 棒 世 帶の嗞 の^り 名よ、 わ 

レ く: A " ^な いろ, ろ たの -f . *. い つちと, > T ► 

れも がの 苦 船 が がれす まだ 色氣を ふくむ 所 は、 ィャ頼 母し い <s 取りめ か。 (ト S. を 叩く〕 

くらさき いけ ころ に W ばう ごろ あく レぞっ i , . , ズひ wis 3 f!? 、 ., * 、> n 

らち ほんに もう 口お で せつ 殺しつ 女房 殺しの 惡性 男、 山 持ぎ を だしにして 新 あや 市 ふりで おやま 

? はじ し- I 

狂 ひが 初 まった も 知れぬ わい な。 

f ハ il&vjSk へ、 おやま S ひもお m ひも、 & 5 の 物が 無うて 何が 出来る 物 か、 此の 四 五日の 問の 惡 

これ r& *j と おも , & えぽモ > > 

さ、 曰 § ぢゃァ 末の 事が 思 ひ やられて、 七 細くなる わえ 

t U ^5 おも ぎんせん *"は も * 一た^? > ^ Lr 

らち ^のま ァ , やうに、 くよ/ \ と 忍 はしゃん すな、 金饯は 廻り 持ち、 又 笑 ふやうな 事 も あらう W 

れど、 慰らぬ 點 を ぉふ や うぢ やが、 二人の 中へ 出来た 娘、 育てる あだても^ なく、 わらの 上 か 

ら^子に して^^も i れぬ M おな^^、 お & やったら 丁度 六ッ、 せめて 夫&が 朝夕の 憂き を 忘 

る 、たよりに も。 

¥-ハ ^^が" とい ふ もの はぎ I な もの だ、 そこがた とへの 死んだ 子の 年、 ^てた がき は 死んだ もの E 

三莊. K 夫 一 一 101 



時代 狂 雷 傑作 集 一一 一 C 一一 

^» .> い , & JJ5- たんす. ひと もの て だ, 

^ たと ひ 生きて 居た 所が 一 旦餘 てたら 人の 物、 どうして 手出しが なる もの か。 

らち そんなら ァノ子 は 矢っ張り 此の世に。 

權六 霸^ & はれて れ | つたぎ 驥。 

ど Z 

らち ェ 、そり やま ァ向處 に。 

H ミ • , お^^たう ま か は こよ で,. 

樯六 ィ ャサ、 大方 生れ 替 つて 此の世へ 出て 居る であらう わえ。 

へ わ S" こ おつ せよ- V ごと き にょうば う し ほ .5 

我 子の 出世 餘所 事に、 聞かす を 女房 は 知らぬ が,。 

> > 伎, 'マで, > , > i. S で こと なん まへ たづ ,, 

らち 何の 事ち やそい なァ, 生れ 替 つて 出た 事 を 何のお 前に 尋ねう ぞ、 そんなら どうで も ァノ? は、 

みほみ か あ. S さう こと 

ほんに - 日し み /5\ と顏も 見す、 ァ 、可哀相な 事 をし たわいな ァ。 

、| 

淚そ ゆれば。 

々に , こと ぅぱ. 1 ひま か. *| I ん よ せ 《だ - -J - 

權六 ヱ 、何 を ほへ づら する 事が ある、 商寶が 暇な 替り晚 から 夜 山 精出して、 われが^し みは 持ら へ 

かへ *】 と 5 - 3 や S .2 

て やる わえ、 返らぬ 事 をく よく 云って、 ゎづら つて はならぬ、 それと いふ も 死んだ 親父が 您 

, よう 1 ^ん く; J おや S § と * くふう ふ 2 いじ いのち 

まれた 用金 を 持ら へ て、 親の 恥辱 をす i ぐまで は、 兎角 夫 ^ が 大事の 命。 

► ) あく *?n あ .* うしん さきだ 

らち さう で こざんす、 舅 御樣の 惡名 をす-いで 上げる がせめ ての 孝心、 それにつ けても 先立つ は 

かね いま ^へよ わた 

金、 今のお 前の世 渡^で は。 



て/. *- う A と こ- r t もの- もど ほ にん づれ ふす g 

權六 ィャ/ \、 天^ は 人 を 殺さす とそん なに^ じた 物 ぢゃァ ねえ、 さっき m 、る 出際に 四 人 連の 臥 猪 

A.£ おや こ づュ ねの し * みつ お しょ. fj わた おせかた かね .Aii 

の 床、 親子 密の猪 を 見^けて 置いた、 あれ を 一 ^に寶 渡せば 大 ザの 金になる、 ^ら すきな 

ぐ!! じるな。 (ト 後へ 思 入) 

それ み、 よ こと し よ ひで じが しら ま 0, 04 か すぐ. 5 

らち 夫 はま ァ く 耳寄りな、 そんな 事の ある 知らせ か 宵に 出た 丁子 頭、 悅び 心で 買うた 河、 直に 鉀 

a あ のこ ふた 》- ね ざけ fcQ ^ 

棚へ 上げ、 殘りは 二人が 寢 酒の 樂 しみ、 サァ 一 緒に 嫁ら さんせ。 

.t frl ね そ-つ ふね *- んどぅ せな Ll^k ほ乂 Z 

權六 ィャ おれ は 爱に掛 つて 居る、 ニ艘の 船の 船頭に ちょっと fs さに やならぬ 用が ある 程に、 われ は 

さき 

ふ は よう 5 ひと せ けんさ fc き Z »^ 

らち あの 船に ffl が あると 云 はしゃん すが、 コレ こちの 人、 世間の 沙汰 開かし やん せぬ か、 此の 湊へ 

ひ A.* ひぶね い 看 = Z ども おとな つ 沖 こも k き】 

人 買 ii が 入 込み、 ず 供 大人の わかちな く、 めったむ せう に 連れて か くと て、 子 を 持った 衆の 氣 

う. I- こ ぢぅ いち u»< こ ふね © yw«c おやた ち み つ 

逸 ひがり、 此の 中 も 市 ふりの 宿で、 十一 一 三の 子 を かどわかし 舟へ 乘 せる 所 を、 親 達が 兒附 けて 

ひと かひ ぬすっと あた きんじょ K う か お ほどた- ほん i き】 

そり や 人 買よ 盜人 よと、 ^り 近所が 棒ち ぎりで 片 いきに なろ 程 叩かれた といな、 本に ま ァ小氣 

* こと しか >^ W おも レポ ~i 

味の よい 事、 併し かけ! !i ひの ない こちと らまで、 五十 百出して なと 思 ひ 人、 叩かして やりたい 

わい。 

、よも § <• ,を か む s ひと かひ ざ た 

餘 所の 嘈も山 岡が、 胸に てた ゆる 人 買 沙汰。 

三莊 太夫 三 olll 



時代 狂 富 傑作 集 一一 lo 四 

權六 ェ 、慰に も^たぬ i ぬかす か、 ときに 取った 雉子の おんどり、 ァノ 船へ 百 五十 づ, -に寶 つて 匿 

リ 6 あ j -- かね と ゆ うち さき い つ きけ 

いた、 きが^つ てゲ 夜に も舭が 出れば ぼん ざら ばぢ や。 その 金 を 取って 行く 內、 先へ 行て 酒の 

燜 つけて 待って 居 や。 

こと わお 5 き > ゆ. , か は f は, や >ノ / - S 

らち さう いふ 事なら 私し や 先へ 行く 程に ^らす 早う 戾 らんせ。 

、乙と ぼ ると おっと わか もど はし わた か" 

言葉 を 後に いそ /1\> と、 夫に 別れ 屍る 橋、 渡り 掛 つて、 

ト おらち 上手へ 行かう として、 ふと 野宿の 四 人 を 見て。 

> ゆきく fc*JS と ち S4 ね * • よつゆ からだ どく そで あ ふ 

見れば 行 暮らした 旅人 さうな が、 他愛 もな ぅ寢 入りば な、 夜露が 掛 らば 身 體の 毒、 袖 ふり 合 も 

他生の ぎ、 ドレ,/ \ わしが 笠な と!^ せて。 (ト 傍に ある 笠 を 取って 着せる 思 入) 是で よい^ \-、 ほん 

うき t さぴ くら わ. ふや ね- あ •> つゆ o y ほ > 、 、 

に 浮世 はさま, <\ -、 こちらが やうな 淋しい 暮し でも、 我冢に 寢れは 雨露に も それに 弓 力 〈 い 

ぢ らしい。 

權六 ェ、、 キリく £ か ぬか。 

^ま ゆ WS 

らち 今 行く 所ぢ やわい なァ。 

へみち つす しゃら じき かたち し ^ぜんやき とぐ p a たち かへ 

道は眞 直ぐ 正直な、 形 は 知れた 備前 54、 德利を 提げて 立歸 る。 

ト浪の 音 を 冠せ おらち 橋 を 渡り 上手へ は ひる。 



權六 ヲ、 ィ く, 

ic% , とも * で ゆらみ な 4- なば J すげ ゝ 

聲, くれば、 笆押 しあけ てに よつ と 出る、 由 良の 港の 繩 くら ひ ほらの 九 助 

si ,v う It- どし S なえ こみ うしで,. • め, - o 

《「 一 艘は 佐渡ケ ねに 名 を 得た る 込 わらの 牛藏 二人共に 目 をす り ,(. * 

ト 笛 舟よ" 込 わらの iHI どてら 三尺 帶、 こちらの 船よ リ ほらの 九 助 M じく 人 貸の なりに て 出て。 

もゥ よ a こ れ おも 5 ち ♦ ま を か さ, 一し- f 、 • ) 

牛藏 おらが * を 呼び 起した を、 I かと 思へば どら 打の 山 岡、 扨て はばく ちの 元斿へ て せんとの^ 

趣 を 返しに 來た のか。 

九 功 そんな 事なら 根 こそげ 勝 まくって やり 度い が、 1 夜 はない、 あす 來ぃ く。 

嚿六 H 、f きも & かすに S くにり な M 等ぢ や、 賽 事より はわ いらが 商 * "の、 よい 鳥 見附けて 相談に 來 

たの ぢゃ。 

し SA- ばい と, おもしろ 

牛藏 ヲ、 商寶の 烏と は 面白い. 

こ ふねつ S うだん 

九 助 此の 船 付けて 相該 せう。 

をん どうは や 

牛藏 コレく 船頭 半く く。 

がっく^ 

二人 ヲット 合 ss。 

A もうふ; 5 ろ; 5 したて み C 

おっと まかせと ニ艘の 舟、 鱸 を 押 立て 汀に 漕ぎつ け 

三 莊 太夫 一一 一 〇五 



時代 狂言 傑作 集 三 六 

ト浪の 音 牛 威の 船は浪 六、 九 助の 船 は 沖 六 漕いで 二重 際につ ける。 

i ei S- つ き > あま を か いまい とり 

牛藏 早速 閗か うわ、 コ レ山 岡、 今 云った 鳥と いふの は。 

ど 9 たで わか ど W- 

九 助 ひね 烏 か、 但し 若 鳥 か。 

I- おやどり ひな ど 9 のぞ しだい か^ にん だいじ g ん: a ふ ち なが は y レ 

權六 ヲ 、 サ 親鳥な りと 雛鳥 な^と 望み次第、 あたま 數は 三人、 大事の 談合、 立ち 乍ら 話 もなる まい * 

なに こと と £ うち 

何 かの 事 は 苫の內 で。 

牛藏 サァ- (\來 やれ。 

^ にん ゥ ちつ ふね い 

三人 打 連れ 船に 入る。 (ト浪 の 音攉六 船へ 乘り 移る。 皆々 笞の 間へ は ひる。〕 

M f ふ-き かど らう だう と C ろき ぐん た いばき け な Jr うど うちと て ま a 

折 も ,J そ あれ 時廉 が郞黨 轟 軍 太、 岩 木 一家の 落人 を、 討 留めん と 手 廻 fts 

さむら ひひき ぐ あ ふぎ ばし か、 

の、 侍 引 具し、 扇の 橋に さし 掛れ ば。 

ト浪の 音 時の 太鼓に なり 轟 軍 太- 半纏 胶引 大小に て 後より 捕手 黑の四 天に て 附添ひ 出て。 

} - $ ' . ^x^. , ひと, たっしゃ わ 力く? 》 あし ゥ- 

捕 一 申しお 曰 ー那、 あなたお 一 人達 者な とて、 我々 共の 足は續 かぬ。 

? おち-つど たづ もの 

捕 二 あてど もない 落人の 尋ね 者。 

rax 4 からお^り なされ ませ。 

-L - , *: バ け^ 4 ゾも > ご-しゅじん t きい ど- j う あ ふ たん Ju« ぃナき ぞく .4 

軍 太 H 、役に 文た すの 家來 共、 御主人 時廉 公の 仰せに は、 一 旦ぎを ぼい まくった 岩 木の ー唉、 生け 



S て は S 曰の 仇、 ^いて P れ よと S せ をう け、 i く は i かじと g ひの^げ あ 足 V 早に H 

ばら き やつ ら と ,え y:s-; Z 1 ソ J 一 3 ン 

原、 彼奴 等 を 取得て 差 出せば、 此の &は 千ぎ 14, g み^けて さがせ, (■。 

先に 進みし 橋の 臺、 四 人が 寐姿 怪し やと、 ^く (^きれば まが ひなし。 

ト眾太 先に 捕手 橋の 方へ 行かう として 野^の 四 人 を 見附け。 * 

^ . おちうど 

扛て こそ、 落人 からめとれ。 

皆々 心祸 ました。 取った,^。 

-捕ゥ たく あか—、 きに み Afe へる | ま 一 だん、 ハ ッと 1 く §ャ だ t 

を 後に かば ひ。 

ト 捕手 四 人 桐油の 陰へ ふん 込み、 此の 內ょ D 以前の 御 尊: 安 壽姬封 S 丸 を 引立て 出る。 耍之介 は是を 追 

かけて a て. 立 廻りて! 一 一人 を 後に 圃ひ きっとな つて。 

» - ,1 rtH やに : や A ん ら -t ぜき M- よ £54 c t, 

耍之 ャァ 何奴 なれば 夜^の 狼籍、 慮外な さば お はかせぬ ぞ。 

I If 一 m、 1? は i の S 靈&せ を f まに g ひし ^s、 f つば 

御牵 諸共 首 討ち? 洛 して 身共に 渡せ。 

要 之 スリャ I 人の たる、 ^gg が 41 よな、 おへう せた SQ れが | ちの ねぐ され i、 

三莊太 TIN • 一 一一 o 七 



時代 狂 言 傑作 蕖 . ll!o 八 

£なめ0 すけ しゅ-J ご しゅじん ゆび み 

耍之 介が^ 護す る 御主人、 指で もさ X ばさして 見よ。 

あお , さい ち わか み ども £ たな Z よ いんだ ラ 

軍 太 ャァ ほざいたり 青二才め、 さう いふうぬ が 命の 別れ、 身共が 刀で 此の世の 印 

Z し?/ こと 

耍之 小 .M な 事 を。 

^ こしゃく I ろ にん てばや かた なぬ あば う なが C 言 だんげ だん かさ しゅれん 

"しゃ 小癢 なと 兩 人が、 手早く 刀拔き 合せ、 受けつ 流しつ 上段 下段、 要が 手鍊 

たち かぜ おひた に ゆ のが > ゆ 

の 太刀 風に、 追 立てられて 逃げ 行く を、 返さ じ やら じと 追うて 行く。 

ト禪の 勤めに なり、 軍 太刀 を 拔き耍 之 介と 立 廻リ卟 はずして 下手へ 逃げ込む。 此の 內に 捕手 四 人 は 引 

立てよう とする。 耍之 介是を さ X へきつ と 見^。 一一 一味 線 入り 禪の 勤めに なり、 耍之介 四 人 を^ 手に し 

立廼リ よろしくあって、 ト,、 捕手 花道へ 逃げて は ひる。 耍之介 後 追 ひかけ て 花道へ は ひる。 

睦月 コレ なう 要、 長 追 ひしゃん な。 

け が ラち ほや もど 

安壽 怪我せ ぬ內に 早う 戾 つてた も いなうく。 

へさけ び 給へ ど 甲斐 もな き、 轟 軍 太 取って^し。 (ト禪 の 勤めに て 下手よ" 軍 太 走" 

出て 來り 〕 

くに し つし わう しょ & くら しん はか < ひ 

軍 太 ャァ國 で 死んだ とぬ かした 對 王め も 一 緒に 居る は、 藏之 進めが 計 ひよ な、 何にもせ よ 首にして 

たち かへ A く ご 

立歸 る、 ^悟な せ。 



^悟せ よと 組 付けば、 一 期の 瀨戶と 三人が、 拔 けゥ隱 れつ さまよ ふ內、 船よ 

あが や W を か み ** む さんばう あさな ものの が とか、 

り 上る 山 岡が、 見る よ, o- びつ く, 9 南無 三賓、 商 ひ 物 を 退 さじと、 飛び 褂ゥて 

なげの に わう だち 

がん づ かみ、 投返 けて 仁王 立。 

ト軍太 三人 を 引立てに か 、る。 船の 中よ "接 六 W て 11 一人 を かこ ひ 軍 太と 立 廻って 投げる。 軍 太 立上り 

びっくり 思 入。 

$ つ. £ よこ あ ひ は A ぐ わ S ぼん とき かどこう あと お * ん 》- おちうど なに ゆ. !4 

ャァ S: 時の 間に か潢 合から ぬ 外 千 萬、 時 旅 公の 後 を 追 ひ詮義 なす 落人、 何故あって 妨げな すの 

だ。 

s A ま ふ びん おも さっと 

橫六 ィャ 妨げ はしない が、 餘り 不便 だと 思 ふから 一 寸さ i へたの よ。 

こ レ 3V ごん さき v わ.^ ねん 

E4. 太 ャァ 小. M な 一 首、 さう ぬかせば うぬから 先 へ 、 觀念 なせ。 

n*<x«A きリ, j ひつば プ ♦ しし. * 

觀念 なせと 切 込む を 引 外して すでん どう、 乙きラ を 一 \ め 締め上げられ, ぐ 

つと も 云 はれず 死んで けり。 (ト^ 太拔 いて 切って 掛る。 擢六立 廻って 眾 太を締 殺し。〕 

權六 是 はい サ。 

、レ J" い かば なけ こ Kl-in みラれ たちよ 

, 死:^, V 川へ^ <j ^めば、 母^ 嬉しく 立 寄って。 (ト椴 六 死骸 を 川へ 蹴込む。 腌 月の 方 思 人) 

三莊 太夫 三0 九 



時代 狂言 傑作 集 一一 二 〇 

睦月 ^&の 1:^ か i らね ども、 ni^^ をお^ ひく だされし 故、 一 人なら す 三人まで 助かる 御 恩 は 

^§ にくらべ 縱し、 お.?. ちゃつ と御禮 を. E. しゃいな う。 

^上 ろ こ いさ た a ) 

悅び 勇み 給 ひけり。 

-CD s n-» お -、 feo こん ウん ざい ひ ひと ため けんく-わ か 

欉六 ィ ャ乇、 ハ 4 禮に は&び ませぬ、 頼む と あれば 金輪際 引かぬ 男 なれ ど、 人の 頼まぬ 喧嘩 は 買 は 

れぬ、 お^にお ひ f だ、 おの ニ才 どの はどうし たか、 ァ 、 コ レ手 がむ すくす る わえ。 

\ たの しか なにた よ S た かお, 

* 頼めよ がしに 仕掛 くれば、 何が な 便ら 北の方 

睦月 は脑 の^、 纖の S ぎで うきめに 儀 を 惠み給 はれ かし、 世に も 出で なば 此の 御 恩。 

、つす う 力 ちんじゅつ しれう もろとも やま を か まへ て あ ほとけた ゆ 、 で 

おれ はせ じと 打し をれ、 安 壽對王 諸共に 山 岡が 前に 手 を 合 はせ 佛賴ん で 地 

S とよ、 慰に ど § ひ 知られけ る。 (ト 睦月の 方 は 二人に 思 入 。塞. 姬對王 丸 手 を $ る。 

攉六思 入。〕 

>- の はた& いま さい たす i 

壩六 ヲ 、 賴 むと あれば それで こ つち も 働きよ いとい ふ もの、 ドリ ャ 今の 一 一才 を 助けて やらう 力 

その あ A- またれ たせ Z もの おは き, パ か- k さ, せ 

(ト 行かう として 思 入。〕 ィャ/ \> おれが いた 其 後へ 又 敲が來 まい 物で もない、 後 も 氣遣ひ 先 も あ 

S 、は ぶね t-J ごと まか うし ざう すけ 

ぶな し、 ヲ、 幸 ひの か-り 船、 コレ 何事 も わしに 任して ござれ、 コ リコ リャ 牛^ 九 助、 ちゃつ 

とく。 



なん よう 

牛 九 ヲィ, ^何ぞ 用か^ \。 (ト 笛の 中より 兩人 £ る〕 

こしう 5a ふね »2 もら fe f うす i とほ ぶつ £ i > 

榴六 コ レ 此の 衆 をち つとの 間 その 船へ 預 つて 貰 ひ 度い、 樣 f はさつ きに 云った 通り、 ナ合點 力。 

牛藏 ヲ、 サ呑 込んで 居る、 コレ 旅人、 こち とらが 預れ ば大 &に乘 つたと 思 はっしゃれ。 

?» *- f きんねん ほりだ 

九 助 コリャ 思った ょリ よい 器量、 近年に ない 堀 出し もの。 

權六 大事に 賴 むぞ。 

& つてん 

二人 合 點だ。 

^\ すけ ふね あ; 3 おと V うし ぞう ふな きた かた ぺっ Jt- いだきの あんじゅ ひめ ぶしん?" ttk 

九 助が 船に は 姉^、 牛藏が 船へ は 北の方、 別々 に抱乘 すれば、 安 壽姬は 不審 顔 ひ 

ト牛藏 の 船へ 睦月の 方、 九 助が 舟へ 安 姬を封 王 浪六冲 六 も 出て 是を 介抱して 船へ 乗せる。 

は-さ S わ.? く © . A ま 

安壽 ァ、 コレ/ \ 、母樣 と^々 を なぜ 一つに は 乘せ給 はぬ。 

對王 母樣 のお 傍へ 行きた いわいな う。 

^« こ ふね ひとの, , 

安壽 ァノ 船へ なと 此の 船 にても、 一 つに 乘 せて 給 はれ や。 

a も e * わ す >_.e »» の h け: さ ほゾ 

睦月 ァ、 コ レニ 人の 者い かひお 世話になりながら、 ゑよう らしい 好き好み、 耍之 介が^る に 程 も あ 

うち ひと し! Is な わ 

るまい、 ちっとの 內ぢ や、 あのお 人 次第に 成って 居 やい なう。 

i まや つらと か < とき めんだ ふ なにごと まか P 

權六 ヲヽサ 一 つに 乘 せて は 今の 奴等が 取って返した 時に 面倒、 何事 も わしに 任せ、 さて かう して sa 

三莊 太夫 三 一 1 



時代 狂言 傑作 集 11 ニニ 

うし ざう す tis つと あ fc 

いて 牛 藏九助 一 寸逢ひ 度い。 

. 山 岡 買 人 を 小 陰に 招き。 (ト浪 の 音攆六 先に 牛 藏九助 は 船より 上り、 三 人 共 下手へ 來 り〕 

^-^ k うし^め とし ぃ《- く S き ゆ &は- はう すけ わか い ゆ, a 

佐 渡が 島の 牛璲 は、 年ば いなが 入口と 閗 いた 故 母の 方、 九 助 は 若い のが はけが よいと 云 ふ 故、 

き やうぶ い わお ぞんぶんの さ し おい み しろう ナと 

同胞 を 渡した。 そっちの 存分 望み次第、 サァ こっちの 身の 代 受取ら う。 

Jc y9 て 丄. あは かひ て ts> 

牛藏 ヲ 、賫 人の 仕 合せ、 買 人の 幸 ひ。 

九 助 約束 通り 一 莨 宛で。 

兩人 錢 渡さう。 . 

ベせ にわた め い, ( らう ai-yc か、 fj ば う おぐ わん 

錢 渡さう と銘々 が粮 来櫃ヒ 抱 へ 出て、 兩 方よ, CN さし 出す 賞 ざし。 

ト牛藏 九 助 船の 中よ リ 一 貫 からげ 一一! 抱 持 出て。 

-- 1 s?r だい i もん 

九 助 ゾレ 兄弟が 二 莨 文。 

は-おや V わん もん し 

牛藏 母親が 一 ^文、 /めて 三 i 貝。 

i , A し わた 

兩人 糙 かに 渡した。 

, : ラ けと き i ひとう お . 

權ーハ ヲ、 受取った、 極り に 一つ 打って 

三人 ョ ィぐ。 (ト手 を 打つ 事) 



• Z づ はづ おひて うちみね はや 

樣六 此の 圖を 外さす 追風の 內に船 を 早く。 

のみこ f まどか 

牛藏 呑^んだ、 そんなら 山 岡。 

うち あ 

兩人 その- はう。 

レ - » う む; j _0 ちて ぼや と 

颜の 知らせ を 目に 受けて、 さらばく も 胸の 內、 手早く 友 綱 解き ほどき、 へ 

わ なしいだ , > ゆめ , き た かた 

さき を 分けて 押出せば、 夢と も わかず 北の方。 

ト浪の 音 牛 蔵 九 助銘々 の 船 に 乗り 浪六冲 六 船 を 左右 へ 漕ぎ出す。 睦月の 方 安 毒 姬 驚き。 

ぶ. な; S とま -a A ね こ なぜ こ ふね しょ 

睦月 コ レ,/ \ 船人 待って たべ 、 子供の 船 は そちら へ 漕ぎ、 I: ゆ 此の 船 も 一 緒に やらぬ ぞいの。 』 

は-さ £ つ を 

安壽 母樣を いづれ へ 逑れて I& き 居る のぢ や。 

ふね もど 

對王 その 船 一お せ。 

一 一 ち ど 

睦月 漕ぎ M してた もい なう。 

^こ A か S5 や SAJ か ばし らんかん ラ ( かみな 

聲を 限りに あこが る、、 山 岡 は 橋の 欄干 あたまの 上から 雷 聲。 

ト 此の 內嵇六 右の 錢を 宇^に く、 リ 持ち «| の 上より 見下して。 

おんし, ぼか も こ- おって も *J ろ * -ん 

樯六 コリみ 知らす の^ 鹿 者 めら、 愛に うろた へて けっかる と、 追 人の 者が 殺す、 たビ それが 不 仏 

ひと かひ う おも し あは もの くわ はう やつ 

さ、 人 買に 赍 つて やる わ、 思へば く 仕 合せ 者、 果報な 奴ら だな ァ。 

三莊 太夫 三 1 11| 



時代 狂言 傑作 集 一 11 1 四 

聞く より 母上 氣も 消え/ \。 

fcr?-^-^ う どラ よく み プか& と かく としは ゆ, だ. a うら 

睦月 何 だ k に賣 つたと は 胴慾 や、 コ レ 自は 兎も角も、 年!.? も 行かぬ 兄笫 が, いづく の ^いづく の 

し と A やなん 〈力ち of さ. *- だ fe£ ち、 うへ いひ わけ わぶ み うへ こ V* 

S 人に K はれ 行き、 何と 命が 績 かう ぞ、 先立ち 耠ふ 父上に 云譯 もな き^ 身の上、 子供よ さらば 

ト 睦月 は 身 を 投げよう とする 牛 蔵 留める。 

六 なむあみだぶつ だ ' D 

南無 阿 彌陀佛 とかけ 出し 給 へ ば 

こと ぎに う ぷ ,し を わ K う こ ぼう あんば. i •* - 

牛藏 コリャ 何し をる、 すんでの 事に 錢 一貫 棒に振ら うと 仕 居った、 我が 棒より 此の 棒の、 鹽梅を 見 

ゃァ がれ。 

へ 5 みづ をけ t IfSS おと、 

- した、 かに 打つ 水 桶の ひ^き、 肝に 乙 たへ る 姉弟。 

ト牛藏 かいに て 睦月の 方 を打据 ゑる。 

ひ と A ひと !? -と す i あは し 23 は. <ぅ ヘ^-ま おや & - , * 一 3 

安壽 なう コレ、 人 &ふ人 も 人なら ば 少し は 哀れ を 知れよ かし、 情なの 母上 樣、 驟子は 一 世と 申さぬ 

卢玄 i X £ 

か、 今お 果てな されて いつの 世に か は 逢 はれませ う。 

11- だ ゆ さち は- S おも または 、さま おいのお だい ? f • 

對王 兄弟が 命 は 母 さまの 命と 思 ひ、 又 母 樣の御 命 は 兄弟の 命と^ ひ、 

おお かお こんじ ぞ t> いま ど か § み.' こと > 

安壽 おひに, からへあるなら ば、 今生で 今一 度お 顏を灵 る 事 も ござ り ませう 

t* レ ぐ だ 

1 一人 必らす 死んで 下さり まするな • 



. あ 聞 入 無いならば、 共に 死なん と あせり 泣き。 

九 助 M 、さい 先き の惡 いがき、 ほえ ゃァ がるな。 

A すけ ちゃ*%ゃ< み £ ^や ご.. -ろ 

九 助が 打撤、 見る目 も くらむ 親 心 o (ト九 助か いに て 安 壽姬を 打つ) 

,• じ j けん はう いつ う ?^? あね お ことい ま- 

睦月 なう 矶见 放逸 や、 あら くれな き 打ちれ 舰、 コリャ 姉よ 弟よ、 おとなしい 事よう 云 やった、 母 も 

が. V;J - モ く- 5.^ ゐ KM ん *s しん K う 力? 8 わす いへ 

よう 合點 して 息災で K る 程に、 隨分 仲よう 辛椁 して^う てばした もんな や、 忘れても く 家の 

めう じ な rd, つき 乙 ども 

苗字 を あら はすまい ぞ、 名 殘は盡 じ、 子供よ さらば。 

は. * さま 

二人 母樣 おさらば。 

、なご い ins な そ でう み 

名殘 6- は 今 どと 呼 か はし 泣き ひたした る釉の 海。 

- cr, - ばね 

牛藏 ェ 、 かしましい、 あごた 骨。 

,*5< ね と 

牛 九 生: CH; ゲ 留めて くれう。 

* ^ぐち こ ずん な は ふな S る ご- * かば ぐち 

口に 込み わら 三寸 繩、 舟ば りに 猿つな ぎ、 サァ 押せ./ \ のさつ さ聲、 川口よ 

U ざい お わかれ ギ み ゆく すゑ を か あと う *c み 

6 來 西へ、 押しへ だてた る 別路 や、 身の 行末 ど はかな けれ、 山 閊後を 打 見や 

三莊 太夫 11 二 五 



g- 代 狂言 傑作 集 11 二 六 

ト 汊方延 上り^ 送る を 牛藏は 睦月の 方、 九 助 は 安 翥姬封 王 丸へ 手轼に て^ぐつ わ を かけ、 友 綱に てし 

ばりながら 浪六冲 六 船 を 漕ぎ 上手と 橋の 下へ 別れて 船 は ひる。 榴六^ 見送り。 

! - ^ k め まお ほ ぜ に *- «ね を .レ JJ と よく こと 

欉六 僅かな 猪 猿 取る よりも、 目ば たきす る 間に 多くの 錢 、気骨 は 折れた がうまい 仕事、 慾の 事なら 

のが あく ね づょ 4 ま を か - > お- ジ id し おやい はき いへ ほ- ゥこぅ その と © ご ようきん 

やらす 退 さす、 惡には 根強い 出 岡が 非道の 元は 死んだ 鉱、 岩 木の 家に 奉公の、 其 折 殴の 御 川 金 

ぬす ^ しゅじん かんどう おや ち じょ < ± また ふお す いま. S けき ひろ 

盜 まれた ので 主人の 勘當、 si の 恥辱 をす i がん 為め、 叉 二つに は^てた がき、 今 は 岩 木に 拾 は 

, や うぢよ いん^ん わる. S おおや はぢ ぶ びん ゆ こ おか 

れて 養女と なった もよ くく 因欽、 悪い 忡根 も^の 恥、 す.^ ぐ もがきが 不便な 故、 子 は 一一; 界の 

あかせと は、 ハテ 能く 云った 物 だな ァ。 

ひと と そ のと ころ むか ひとお と; io リ わる まつ 乙 かげ み しの 

獨言 する 其 所へ、 向 ふに 人 昔折惡 と、 松の 小 陰へ 身 を 忍ぶ。 (ト攉 六 思 人あって 不 

手へ は ひる) 

f» む. rl- てき おひち たす, ど かなめの すけ しゅじん ャが たみ 

向 ふ 敵 を 追 散らし、 立 戾る要 之 介、 主人の 姿見えぬ にび つく^。 

(ト 花道ば たく 耍之 介拔 刀に て 出て 舞蔓へ 來て思 入。 

は、? みさ まわ かギ- みさ まあん じゅ さま つし わう ま も さま これ ほ \ よ こたへ さて お S* 

耍之 母君 檨 若君 樣安^ ^いなう、 對 王丸樣 いなう。 や 、是程 呼ぶ に 答の ない は、 扨 は 敵のと 

な As ざんねん てんち い とリ かへ お 

りこと 成り 耠ひ しか、 ェ 、 しなしたり 殘念 や、 たと ひ 天地に 入る とても 取 返さいで 置くべき か。 

r» か, 5- だ > 

駆け出せ しが。 



とほ にし はう ひがし み だい .A たさ i 

ィャ くよ も 遠くへ は ござるまい、 西の 力 か ffl! し は 東 か、 御臺ぉ ニカ樣 いなう。 

^よば あた。 み ali 

呼 は, 四邊を 見廻し。 (ト要 之 介 道 g 神の 塚 を 見て- 

Z だ. そじん みる をし おんかみ の ij け いま きふなん みだい ごしんし おゆく ほし • A ま, 

ム 、此の^ 祖祌 は^を 敎 への 御 神 なれ ど、 要 之 介が 今の 急難、 御臺 御^子の 御行 衞 知らせ 給へ 

- o 

f * しんぶ らんて あ ?. o A ん, かみ ゥ 

一心 不亂手 を 合 はせ、 心に 念ずる 神の 吿げ。 

ト^ 之 介 風の 音に て 松に 掛けた る 以前の^ 笠 能き 所へ 落ちる を 耍之介 見て。 

こ かさ しる もんじ さいこく しょどう に,? ごしん レ U んにレ < に さ にし せう 

ム 、此の 笠に 記せし 文字 は、 西 :! 三十三所 同行 一 一人、 御 親子 も 三人 西の 國、 衩ては 西の方 こそ 

しゅじん f 么 か なじけ な 

主人の 行衛 H 、、 忝い。 

^しゅじん ゆぐ Kf しらなみ はまべ プた た, つ ゆ 

主人の 行衞 白浪の、 鑌邊傳 ひ を 尋ね 行く。 (ト 浪の卺 にて 耍之 介よ ろしく 下手へ は ひる) 

^乙 かげ ごん あ^うち み ふ しんか は 

小 陰に 窺 ふ 櫂 六が、 後 打 見やり 不審 顔。 

が, ゆ いま ふたかた つし わう あんじ s ふたり だいおん いはき はんぐ わん i さう S 

權六 ハ テ合點 の 行かぬ、 今 ァノニ 力が 對王安 i とぬ かした が、 あの 二人 は 大恩 ある 岩 木の 判官 政 氏の 

ん だち ひ み 

公達 婭君 であった るか、 ャ、、 、ヽ。 

A たつ なに VJ 、- に*5«5 

あきれて 立た る 後より、 何 心なく 女^が。 (ト S く。 此の 橋の 上から おらち 3 て來 り) 

一二 莊 太夫 111 I 七 



時代 狂 首 傑作 集 三 1 八 

ま を ひと 35 ぜん ま, を. なに ゐ 

らち 申し こちの 人、 最前から 待って 居る に 何 をして 居な さんす ノ 

tf-r- S? す ► つ, とり かへ あう し 5 いはき おんとも 

in ハ ^より 直ぐに ぼつ 附 いて 取 返し 、奥州 岩 木へ 御供 せん。 

i まへ き ちお なに 

らち コレ 申しお 前、 氣 ばし 違って か、 何 をう ろく。 

? i . t _s! し lis 

樓六 ェ、 女の 知った 事 ぢゃァ ねえ、 そこ 退け。 

かひ A3 C 5- だ や w を か a ii , : - 

心 いらだつ 甲斐 もな く、 船 ははる かに 漕ぎ出す、 山 岡は齒 がみ を なし。 

ト おらち 縫る を 突 放す。 浪の音 はげしく 此の 時 向 ふの 浪 手すりへ @ 船ニ艘 放れて 漕 ぎ 行く を 櫂 六 見て。 

. .> はや おき と S ぶね めあて おつつ ■ 

權六 ァレく 最早 はるかに、 沖 をへ だつ る苫 船、 目 當に追 付き。 + 

ト權六 身 ごしら へし 二重へ 下りる。 おらち 驚き。 

ま けつ? T- まへ ど + こ 

らち コ レ待 たしゃん せ、 血相 かへ てお 前 は何處 へ。 

M ラ ち みつ すてぶ ね 

爭ふ內 に 見附ける 捨资。 (ト攉 六 川の 中の 船 を 見て) 

*_1ぃは Z すてぶ ね ろ はや 

權六 幸 ひの 此の 捨舟、 餵 かい を 早めて。 

みがる と &の ふ 55 なか やうす し によ 5 ぼ 5 すが そ で うみ こ、 ろ/;: > しほ 

身輕に 飛乘る 船の 中、 樣子 知らねば 女房が、 やら じと 鎚る釉 の 海、 心々 の汐 

ふうぶ えん とも プな ちう 53 おもぶ き 

ざ かい、 夫婦の 緣の友 綱 を、 忠義に 思 ひ 振 り 切って。 

ト攉六 船へ 飛乘 る。 おらち 驚き 友 網 を とらへ る 故 櫂 六 山刀 を拔 いて 友 綱 を 切る。 おらち どうと なる, 



是 にて 船 はよ き 所へ 出る。 權六刀 をく わへ る を 木の かしら。 

あと しらなみ > 

跡 白浪と 

トー 二重 浪の音 はげしく 權六蟓 を 押し立てる。 おらち は 呆れし 思 入、 此の 見得 三重に てよ ろしく メ 

幕 



幕 目 



岩 木 館の 場 



ま 名 鬼 柳 ー學、 大和 田藏之 進、 大 江の 部領時 糜、 一 學枠左 門 之 助、 忍び 遝藤、 

足 ^鎌 平、 同鐡 平、 山岡權 六。 權六 女房お らち、 藏之進 妻 櫻戶、 乳人吳 竹、 腰元 

あざみ、 同 若葉、 同お あさ、 後室 初姬、 藏之進 枠 竹 千代。 

本 S. 四 i し 中 足の 二直 本橡 付き、 向 ふ 銀換、 ま 奪 障子 畫 心に 立て、 上下 後へ 下げて 辋 代据、 

« の 立 木、 日扭 より 同じく 釣铰。 すべて 奥州 岩 木 館の 體。 爱に 腰元 あざみ、 若葉、 お あさの 111 人 長柄 

: 一一 莊 太夫 一 i 



so 

時代 狂官 傑作 集 

くわへの I 男 蝶 を 折って 居る。 此の 見得 i にて 幕 あく。 

コ レ禁 1、 わしゃ ど ぅも1が £ かぬ は、 こちの^ のお §、 まだお 五ッの やんちゃ f 

f や と 云 ふの ぢ ゃぞ レの i みだい I 

if き 5 まハ が、 お g^pm にお ^ てな されて より、 御蔡樣 を 

ヲ、 あざみ n、 そなた は新參 故知り やるまい 力 蹈^ 钥ォ 广-l ま ス1 ゆく 么し 

は ,£?liiisi き 抵を驪 I 何, 御出で は: れた は 、^行 衛 知れけ しつ 

HMig 一 霞が おず、 揚 llilfl け 故、 それで 靈 

翳と げ るの ぢ やわい の。 

あざ ハァ そんなら ァノ I 醫 はき 観で はな ひいろの かいな ァ。, ー 

若葉 サァ、 ァノ rsp の s で黷 が^ひな されし お 子樣ぢ やわい の . 

^ る: ら^ は、!^^ へだれ てあつた お^かいの。 。 

I ; れ はま! 重 はまめ き 1 い?" 

^ こ ビ囊, き籠のきで 叢き で!、 故、 1111 

のぢ やわい の。 

あざ をな さるの ぢゃ ぞいの。 



あざ 

I 

あさ 

あざ 



だい たん いひ なづけ う f との ご も -MJ 

あさ サァぉ 大名 はお 五ッ でも 一 旦 ぉ云號 のあった 上 は、 外の 殿御 を 持つ 事 はならぬ わい なう。 

し ¥ $ し わたし しんぼう で き おせ 

あざ それ はま ァ おいと しい、 一 生うまい 味 を 知らす に 私 なぞで は 辛 棒が-: T 來ぬ、 なんでも. R きいの 

ち ひ まわな が すぢ たくさん いろくお み あちし 

や 小さい の や、 叉 長いの や、 ^の澤 山 あるの や 色々 喰べ わけて 見ねば、 うまい 味が 知れぬ わい 

なァ。 

2 へなん こと 

二人 そり やお 前 何の 事ぢ やえ。 

B ナ st> 51 なし 

あざ サ アコ リャ 私の 好きな さつ ま 芋の 話ぢ やわい ひな 

三人 ホ、、 、ヽ。 (ト 三人 笑 ふ。 調べ になり 臭より 乳人吳 竹 出て 來り) 

こしもと k さいぜん こうしつ さま みな & § • . くだ 

吳竹 コ レ/ \ 腰元^、 最 ^ から 後室 樣が 皆が 居ぬ とてお むつが つて ぢゃ、 お 伽に £ つて 下さり ませ。 

.6 し こ* 

コ; 人 畏 りました。 

あざ 私が いつものお どけ 話で 御 氣纖を 取り ませう。, 

旲竹 サァ/ \ 早う & つて 下さ ね ませ。 

若葉 そんなら 御 一 緒に、 

三ス 參り ませう わい なァ。 (ト 調べに て 三人 臭へ は ひる。 吳竹殍 り) 

J r とし d うち い よ 9£ はなし また しば _s« « かみ こと おも 

旲竹 ほんに 年の 行かぬ 內と云 ふ もの は、 寄る とさ はると 男の 話、 又は 芝居の 噂に て 御. t の 事 も 思 は 

三莊 太夫 |ー1 一二 



時代 狂言 傑作 集 三 ニニ 

との! s/ii ふ りよ うへ おに おやこ 〜ほ お ^く & し く は くらの し^さ ま ひ ごろ ちう is 

すに、 殿樣御 不慮の その上に 御^子 樣の御 t 衞 知れす、 かて i 加へ て藏之 進樣、 日頃の 忠錢に 

ひき も』 , . しう う で K や , おしこ ゆ あおに 5> がく さまた f ひと w- U しんら う こ うへ いへ f 

引替へ て、 お 主 を 討ちし と 獄屋へ 押込め、 それ 故 鬼 柳 一舉樣 只 一人の 御 心勞、 此の上お 家の 成 

あん こと 

行が 案じられる 事ぢ やわい なァ 。 

ト思入 唄に なり、 花道より 藏之逸 妻櫻戶 屋敷 女房の こしら へ、 sgt 武 千代 袴 一 本 差しに て 櫻 戶に手 を 引 

かれて 來リ、 花道に て。 

*£ さまと-さま W . な 還 S き 

武千 申し 母檨、 父樣の お出でに 成る 所 はもう 直 かや。 

と.. * さま むか ごくや ごてん i - み &> 卢、 V r*y 

櫻戶 ヲ、 父樣の ござる の は、 ァノ向 ふの 獄屋に、 ィャ 御殿に お^でな さる i 故、 ^すお お へ IM ひ 

Jrl を あほ 

申し そなたに 逢 さう わい の。 

はや ち くだ . 

武千 早う 逢 はして 下され や。 

櫻戶 ヲ、 逢 はさいで 何とせ う ぞいな ァ。 (ト 唄の 切に て 本 舞 臺へ來 リ吳竹 を 見て) ^りながら それにお 

い ^ # つ ひめ 5* ま ち ひと くれ fc け M の 

出で なされ まする は、 初姬樣 のお 乳の 人、 吳 竹^で は ござり ませぬ か。 

: r こ, ■ " 3 5f - ' • . ;!. ? - しん If- ほ ご な. S しつ f ど さま たけ よさ s U しょ おい 

吳竹 是 はとな たかと^う たれば、 藏之 進檨の 御内 室 櫻 戶樣、 武 千代 樣も御 一 緒に、 よう lit でな さ 

* が こと 

れ ました、 いつも 乍ら お まめな 事で ござり まするな。 

t. » S を か は いな を 

櫻戶 イエ、 もう どこと も 申し ませぬ 替 りに、 い たづら のみ 致して 居ります る、 ホ、、 、ゝ、 シテぉ 



ひめさま ご き げん 

姬樣 にも、 御氣 嫌よ ろしう ゐら せられます るか。 

裏 ご ぶ > ご せ. S ちゃ P あそ 

吳竹 誠に 御 丈夫に 御成 長 遊ばし まする。 

- , なに おめで, た ぞん 

櫻戶 それ は 何より 御目出度う 存じます。 (ト是 にて 吳竹 S 八 ありて〕 

i?- めでた つ きどく 1 ^ さ ま ま を や 5 くらの しんさ ま おみ ,へ ふ. A 

吳竹 その 御 H: 出度に 就きましても、 ぉ氣の 毒な は 櫻 戶樣、 申さう 樣 もない 藏之 進樣の 御身の 上、 深 

ヤ^ナ こま, こ ど K くや ぉ寸 *" ひ まへ さま uic うち ごす を 

ぃ樣 子の ある 事で は ござり ませう が、 此の程よりの 獄屋の 御 住居、 お前 樣 のお 心の 內御 推量 申 

して 居ります わい な。 

L ち W く^ . k fci* つ 5,;.- あし , む U2 くら しん 》s いか てんま 

櫻戶 有 雜 うご ざり まする、 明 暮ぉ主 を 大切に 寢ても 足さへ 向け ませぬ 夫 藏之進 殿、 如 1; なる 天魔の 

S し 力 う ざ; 1 にん しょせんた ナ JS ちゆ, si こ こ あ た ifc わたくし あ 

魅入りし かお 主 を 討ちし 大^人、 所設 助からぬ 命 故 どうぞ 此の? 4 'に 逢 はせ 度く、 又 私 も 逢 ひ 

しの くらの し SJ^Q ものお た あに おく さ だ こ ことたの 

たさに 忍んで 館に 參り ましたが、 藏之進 殿 を 預りは 物堅い 兄 ー學、 定めて 此の 事 頼みましたら 

じ. A とも ねが あ 

叱 hv まする で ござり ませう、 どうぞ あなた も 共々 にお 願 ひ 申し上げ まする。 

お たの がく さま と いた 

吳竹 そり やもう 御 頼みな うても ー學樣 へ、 よしな にお 取りな し 致し ませう。 

たけよ お ねが ま を 

櫻戶 コレ武 千代、 そなた も 御^ ひ 申 しゃいの。 

ねぶ *H も 

武千 アイ、 おば さまお 願 ひ. S. します る。 

>ss なんし こ 

吳竹 アイく 承知し ました、 ァ 、何にも 知らぬ お 子で さへ。 (ホ。 リと S 入) 

三莊 太夫 11 三 三 



時代 狂 甘 傑作 集 一一 三^ 

ご 十 &f くだ 

樱戶 御 推量な されて 下さり ませい な。 (ト 此の 時 花道 揚 幕に C ノ 

とき かど さま 5 

呼び 畔廉樣 お入り。 

■ - r Aw-f る を ぢぞみ おい 

吳竹 折忠ぃ 伯父 君の 御 入りと あれば。 

樓戶 御 目に 掛 らば 此の 身の 大事。 

L、 ^-w ' 1 かき こ P しの , 

突竹 暫 しの 間 その 垣の、 小 陰に お忍びな され ませ。 

I さやう くれたけ さま 

樱戶 左檨 なれば 吳 竹樣。 

ど さま お ^ - 

吳竹 櫻 戶檨。 (ト立 掛リ) ドレ 御知らせ 申し ませう か ( ト 床の 淨 瑠璃になる) 

-女 同志の まもし く、^: < あへ, は、 が £1 へ a び!: く。 

ト雨人 思 入 あ つ て 吳 竹は奧 へ は ひる。 樱 戶は武 千代の 手 を 引き 下手 へ は ひる。 

いでむ か 

く出迎 ひ。 

ト是へ 中の 舞 を 冠せ 花道より 時廉 上下 大小に て 出る。 奥より 鬼 柳ー學 衣裳 上下 大小に て 出て 來り 出^ 

ひ o 

i ^く H<I 露に はずき^, 靈 IQ$gli ひ T つて ごぎます る。 



fe れ おも おに K¥ f で むか ft い w 

時廉 ヲ、、 d かと 思へば 鬼 柳 一 舉、 出 迎ひ大 俵。 

1 學 ハツ、 ィザ 設けの It へお 通り 下さ り ませう。 

時廉 許し やれ。 

A\ じ やう T うち .ctt が f う $ せ 5 

"しづ,. (\ 上座へ 打 通れば、 一 學は敬 ひ 請 じ。 (ト 時廉 上手へ 通り 住 ふ。 一 學 こなし 有 

つて) 

を S ぐん 5S- こう ごせい. fi C けん fc な 4> た <5 け あとめお と 9も, ち くだ ご く らう だん あ 9 がた I あは ぞん 

1 學 伯父 郡領 公に は 御 政^ 御 繁多の 中、 當家跡 E 御 媒介の 下され、 御苦勞 の^ 有難き 仕 合せに 存じ 

^'ります る。 

なに こ 木 を S みゃくめ k く らう ぞん なん ち © ご ぐん ぁづ 

時麼 何サ く、 n 疋も 伯父た る 身の 役目、 さの み苦勞 にも 存ぜ ぬ、 何にもせ よ 乳呑み子に 五十 四 郡を预 

お こと u**c もと ゆ & そま レ はいかい たうけ やうし さい は こんにちき ちにち ゆ,? S IJ こくに ふよ いた 

け 置く 事 心 元な く、 それ 故ぬ 媒介な せし 當 家の 養子、 幸 ひ 今日 吉日 故 後刻 入 輿 致す であらう。 

ゐ さい レ VP ち つ ふまつ 

1 學 委細 承知 仕 つて ござり まする。 

かくべつ こ ほど きんごく L うころ くらの しん せいはい 

時廉 ィャ それ は 格別、 此の程より 禁獄 させし 主殺しの 藏之 進、 もはや 成敗な しゃった か • 

いま せいはい つ ふまつ • 

一 學 未だ 成敗の り ませぬ。 

なに ゆ もせい ばい いお つみとが きえ さか たん ざう さ こと 

時廉 何故 成敗の 致さぬ のぢ や。 罪科 極り し 逆ば ッ つけ、 何の 造作 もない 事 だ。 

も ふ おそ い fcvw つ とのご せい ォょ エーの のち ご えう せう ご こ ラレつ ,か な み * せう 

一 學 仰せ 恐れ入. り 奉る、 殿御 逝去の 其 後 は、 御 幼少 なれ ど 御 後室 は 卽ち舘 の あるじ、 身 不肖 なれ 

HI 莊 太夫 三 二 五 



時代 狂 言 傑作. 築 三 二 六 

♦ つし や ほ さ ぼんじ せ いぢ ぐらの し^なに ゆ ゑし a くん がい にちやが 6 も. んゥか いま はく; is 

ど 拙者 補佐な し 萬 事の^ 治、 藏之進 何故 主君 を i: せし と 日夜 拷問 仕 れど、 今に それ ぞと 白狀 

せいほい ゆ- 0J ひず えんいん 乂 おそ い 

せす、 さすれば うかつに 成敗な りが たく、 それ 故 日々 延引の^ 恐れ入って ござり まする。 

さつ とき. A ど やう しす.' なに 5 えう せろ 

時廉 ム、 さ こそ あらん、 それと 察して 時廉 がと くより 養子 を勸 むる のぢ や、 何 を 云っても 幼少なる 

とうしつ ゆ |& なにごと こうしつ -f* こ ども ぬ つ らち こんにち やうし あ ひす こ ぐん 9a._0 さ しづ 

後室 故、 何事 も 後室々々 と 子供に 塗り 附け埒 が あかぬ、 今日 養 干相濟 めば 此の 郡 領が指 圆 をな 

ほんじ せ いぢ. afc はくじゃくお いお しう こ- c さか たけの £s 

し、 萬 事の 政治 致さに やならぬ、 たと ひ白狀 致さう が 致すまい が、 主 を 殺せば 逆ば ッ つけ 竹 鋸 

あた まへ ぷん ひか もの ども さ なげ せう し こと 

は當り 前、 ァ 、緣に 引る \ 者 共が 嘸 ぞゃ欽 いて ほへ るで あらう、 笑止な 事だム ヽ ハ、、 ヽ、。 

J\ の J- さ ふごん むねん A も かく もし てい ttD あ ひ 

あくまで 罵し る雜 言に、 無念と 思へ どー學 が、 素 知らぬ 體に張 合な く。 

こ4} こと やう レ じゅら. i い »< きう そく 

ィャ も とても いらぬ 事、 ドリ ャ 養子 入来 致す まで、 奧へ參 つて 休息な さん。 

なに ご やうし C ふよ し ¥ご こくげん よほど ま 

1 學 何 さま 御 養子 入 輿 は 正午の 刻限、 いまだ 餘 程の 間 も ござれば、 

5 ちぐつ ろ あ ひま 

時廉 打寬 いで 相 待たん。 

さ やう ぐん 9 ^つこう 

ー學 左樣 なれば 郡領 公。 

C こく あ 

時廉 後刻 逢 はう。 

へ あた 9 つ ひとま うち い おそ こかげ さくどた けよ つ ぃブ 

四邊 ねめ 附け 一間の 內、 入る を 遲 しと 小 陰より、 樱 月 が武 千代 を 違れ て 出る 

をー學 が、 それと E< や,^ て 立たん とする を。 



ト 此の 文句の 間時廉 奥へ は ひる。 下手 垣の 後より 襖戶武 千代 を 連れ出て 来り、 一^-雨 人 を 見て 立 上る 

を o 

あ- J ゥ C さま しば ま くだ 

櫻戶 ァ ヽ モ シ兄 上樣、 暫 らくお 待ち 下さり ませ。 

> 云 ふに ー學 尻目に かけ。 

い くら ど た ゆる Z 1^1? き * 

- ャィ そちゃ 妹 瓔 戶、 誰が 許して 此のぎ へ は 来たりし ぞ。 - 

櫻戶 サァ それ は。 

RS くら し,? たい しう ころ とがにん か ない のこ とじ で 5 . かおと お 

1 學 ィャサ 夫葳之 進は大 それた 主殺しの 科 人、 家 內殘ら す戶ズ めに なし、 出入り を % く^め^き し 

に 御 あ を 蛇る のみなら す、 御殿 間 I く來 るな どと は 云 はう やうな き不屆 きものめ が、 きり />\ 

立って 歸り 居らう。 

ヘレ か さくら ど > 

叱 6- つけられ 櫻戶 は。 

U ,つぶく ごきと もの おお あにう へさ ミゅ. & しか 5 がって^ ご はふ やぶ ^ レ Q 

樓戶 サ、 その 御 立腹 は 御尤も、 お 物堅い 兄 上樣玫 お叱り 受 くる を 合點 で、 御 法を蔽 りお 館へ 忍んで 

ね *】 れ たけ よ あけく ハーと-さま ちた ゆ. 0$ ひとめ あ 

參 りました の は、 曰ぬな る武 千代が 明 暮父樣 に 逢 ひ 度 いくとせ がみます 故、 どうぞ 一目 逢 はせ 

た こ めお まよ いお こと こ Z めん ゆる くだ おけよ と. - さま 

度く 子 故に 迷. うて 致せし 事、 此の 子に 免じてお 許しな されて 下さり ませ、 コレ武 千代、 父樣に 

あ を ぢ さま ねが i 

逢 ひたく ばよう 伯父 樣に お^ひ 申し や。 

一 一 一 莊 太夫 ill 二 七 



時代 狂言 傑作 集 一一 三 八 

へ は、 をし たけ 上 C 

母が 敎 へに 武 千代 は、 おとなしく 手 をつ かへ。 

』 _ をぢさ i と-さま あ くだ を: A ;. 

武千 コレ 伯父 樣、 どうぞ 父 樣に逢 はせ て 下さり ませ、 拜 みます わい なァ。 

へ 《4 うて あは ふし; 5 が かく ことば やわ 

兩手を 合せて 伏拜 めば、 一 學も言 葉 を 和らげ、 

1 學 ヲ、 尤も ぢゃ, (- 、さぞき ひたから うがな、 コレ 伯父が Ik ふ 事 をよう 閗 けよ、 そちが ではな、 

だ. 5 じ, しゅ こら とがにん^ 4 ごくや *ー± おそ was を め, 06 か あ 4 あ 

大事の/ \ お 、王 を 殺せし 科 人 故、 獄屋と いうて 怖い 恐ろしい 所に 居る 故、 可愛い そちに 逢 はせ 

^ 1 よ はや うち かへ かしこ もの Afc さ だ キ : 

たうても 逢 はされ ぬ、 ぢ やに 依って 早う 家に 歸れ、 ョ、 そち は 賢い 者ぢゃ 故、 定めて 聞 わけた 

であらうな。 

』, と. J さま しう さま t み あ . こと tr さ i 

武千 そんなら 父樣 はお 主樣を 殺した 故、 わしに 逢 ふ 事 はなり ませぬ か、 母樣 どうせう ぞいな う。 

つ. - 

とす 力, 9 版け は, 

? S ,に あにう へさ ま £© <J こま ひと 6 あ く K2 

樓戶 遨理ぢ やく、 モシ 兄 上樣、 此 やうに 此の 子が 變 ひたが. ^ます、 たった 一 Si 逢 はせ て やって 下 

- » • V* うけた i は こんにち- j や 5 しさ ま い し サ II す y つ jo きいば ひ ぐん も-つ さま ち ふ 

さり ませ、 殊に は 今 も 承 れば、 今日 御 養子 樣の お入り 次第、 直ぐに 夫の 成敗と 郡領樣 の慨せ 

ぷ ふ あ, - , このよ ぷ こと くらの しんどの じ ひ 5^ ち: うへ さま ち 

なれ は 今日 逢 はねば もう 此 世で、 逢 ふ 事なら ぬ 藏之進 si、 慈悲 ぢゃ情 ぢゃ见 上樣、 どうぞ^ は 

せて 下さ. cvW せ。 



A*c ど a げ だう p f こと ぼ あら • > 

ロ說き 歎く を 道理と は、 思へ ど わざと 言葉 を 荒らけ 

かへ こと ま を やくめ お も て ご はふ やぶ ぢラ ざ; i にん 5 しお 

一 學 ャァ くどくと 返らぬ 事 を、 たって 申さば 役目の 表、 御^ を砹 りし 重^ 人、 その ま、 に は 差 置 

ひと * .61 うち *: けよ つ はや 々< > へ 

かぬ ぞ o ( ト あたりへ 思 入あって) サ、 人目に 掛らぬ その 內に、 武 千代 連れて 早く^れ、 H 、 

れと いふに。 

cc£ あ ラも へ ご は^ やぶ とが S こ 

樱戶 イエく、 夫に はぬ その 內 はどう あっても 歸られ ませぬ、 御 法 を 破りし 科と あら は, 私も此 

の 子 もとも^ \ に 獄屋 へ やって 下さり ませ。 

武千 わし も 一緒に 行きた いわいな う。 

ご、 ろ tt、 なや S > 

< 幼な 心に 母親 を、 した ふ 心 ど いぢら し、。 

さ まどまで につく ねが とほ ご K や -ぃ せがれ さ もんこぶ * ^ , J 

1 學 ェ 、左程 迄に。 ィャ 憎き やつら、 願 ひの 通り 獄屋へ 入れて くれう、 ャァ/ \ 枠 左 門^へ 來 れ。 

左 門 は ァ、。 

A\ 乙た つぎ かみしも $た 3 るん ち 、て 

はっと 答へ てお 次より、 上下 姿 しとやかに、 左 門 は 父に 手 をつ かへ。 

ト 下手より 左 門 之 助 若衆 髮 上下 大小に て 出て 來り。 

4? ラへ ご H5 

父上 御 ffl で ござ P まする か o 

• i 9 な は * 

一 舉 ヲ、、 そや つら 二人に 繩 掛けい。 

一 ー一 莊 太夫 三 二 九 



時代 狂言^ 作 集 

こ 三 I 一 10 

唐 はつ。 (ト 資武 千代 I て, ヤコ リャ きぼ 母 gs 千^、 譴 あってお? f やに。 

•1 擧 お咎め 受けし^ を^って 、おのき U を g りし^。 

左 門 スリャ それ故にお? p< に。 

ー學 とく/ \繩難 けい。 

左 門 ^つて は ござります るが、 P い %ぎ や t%og 千が V 

i ィャ たと ひ錄恭 たれば とて、 i ある f ゆるさう か。 

左 門 では ござ お ますが。 

ー學 ャァ 役目の 表 を 粗略に なす か。 

左 門 はッ おおに g ばぬ、 き^ f き ギ 

用意の ii し、 か g の f T こける。 

ト左門 之 助 取 繩を取 出し 兩 人に 繩を かける 褸戶思 入あって。 

s/IrT - あに ゥ 〈さま と 

k 戶 ,^な 兄 上樣; ^は f あれぐ わん ぜな いきの ri を^る と は、 あんまりな^ら 

す、 氣强 いば かり 武十: かいな ァ。 

身 を ふる はして 櫻戶 が、 ぎむ 一 miAfe にもき けず。 



も i や U やう し こし タれ *J くげ, V ^ ぐる こ やつ ら ひ-ろ /ひ il ま- % > 

Ig- 最早 稗 養子 舆 入の 刻限、 見苦しき 此奴 等 二人、 廣 庭へ 3 立てい 

かしこま 

左 門 長 りました。 

あ こと 

櫻戶 そんなら どうで も 逢 ふ 事 は。 

武千 ならぬ かいな ァ。 

こ よ ろち あ 

ー學 ヲ、 此の世の 內 では 逢 はれぬ わい。. 

櫻戶 ハ ァヽ。 (ト 泣く を 引立て〕 

左鬥 ィザ 叔が樣 お立ちな され。 

櫻戶 それ ぢ やと 云って。 

ひつ たて 

ー學 ェヽ きり/ \ 引 立い。 (ト きっとい ふ) 

へ^おられて; i とおが、 曰 H; も 、き く (-1 み £ く。 (ト樓 S 千代 を 左 門 之助附 いて 下 

手へ は ひる) 

^•f R もて こもた か 

"折し も 表に 聲 高く。 

ごや 5 しさ ま い, 

$ 御 養子 樣の お入り。 (ト 呼ぶ C ー學思 入あって) 

1 ご き ウレ お 1 AHi-j かど こ 5 

ー學 早 や 御 養子の 御 入りと あれば、 ^廉 公へ 申 上げん。 (ト 臭に て) 

1ニ 莊 太夫 一一 ニー 二 



時代 狂 言 傑作 集 

s-feK »| , い - およ *- -. ミ 一一 一二 

時 露 ィャ 知らせに 及ばぬ、 g r=/\。 

^ひ, と^ -ぃプ ?ぇ 

一 &£3 る大 江の 郡領。 C ト 序の 舞に て奧 より 昨廉 出て,〕 

待载 ねし 養子の 入 來。? 上手 障子 屋 ャァぐ H だ gg、 

吳竹 ハイ ^パ まし ご 9 た Ji 1# 後室 を是 へ。 (ト 上手に て〕 

iN 个 > ノ- ^ りました 9 サァ, /\> 後室 檨て も、 

腰 皆 あれへ お越し i ばし ませ。 

乳母 腰 H ほ、 敬, か しづく i は、 I 五ッ r ; いけながら、 さ 

もう つ 高く 見え 給ぷ。 

P 是ヘ雾 を 冠せ、 奧ょリ 以前の 腰 I 脇息 を 能き 所 S く。 I 

ま 上に 住 はせ る。 i はつ I 伏な す。. 又 花^^^。 さ子|の姬 吳竹手 を 引き出て 來り 



呼び お 人り 

^\ ま 



f ハ 



ま s ど か 

待^ ほな く 香に?、 ami iliir 

ぬ 長 1 下。 ュ {f ノ f 

? ま ト 1HI 舅 I 大小に て、 5 f 抱 5 てず i て。 

I 屋 i の^き 證の 鍵、 101, 



A く ご BT し t なが € る これ きた きさ かた ごん た と 9 つぎたの でん 

を覺 期の 齩役、 仕馴れぬ 乍ら お許しう け、 是 まで 来りし 象 權六、 誰 そお 取次 轵み存 する。 

まも か きさ. Afc ごん やう L わぶ ぶか た なに あんない およ 

時廉 待 兼ねし 象潟權 六、 養子と なれば^^、 何 案內に 及ぶべき。 

1 學 何 はしかれ そこ ははし 近、 まづく I へ。 

とほ ^ - 

皆々 お通り あらせられ ませう。 

しか ' . 

權六 然 らば それへ 參る であらう。 (ト右 鳴 物に て攉六 二重 能き 所へ 住 ふ。) 

Z がく ぐん みた ,ラし *v &A; 一つ おらよ あと 

時廉 何と ー舉、 郡 領が兒 立てた 養子、 器量 骨柄 能い 跡つ ぎで あらう がな。 

ご やう レ さま あ ご ざ ん: うけ こうしつ はつひ. C ざみ せっしゃ こと か お C 

1 學 はつ、 御 養子 樣へ申 上げます。 k ち氫に 御座 あるが 當 家の 後室 初 娘 君、 まった 拙者 事 は 家老 鬼 

^ おく 1 

柳 一 擧と 申す もの。 

わたくし こと こうしつ さま めのと くれたけ ほか こしもと 

吳竹 私事 は 後室 樣の^ 人吳 竹、 その外つ ぎくの 腰元 ども、 

1 學 自.^ お 目 かけられて、 

くだ 

皆々 下さり ませう。 

なに 5 こんにち やう レ ェ- の はう し ケ けらい ほん l_?J ぅレっ そ 5P 4- 

權六 何が 扭て 今日より 養子と なれば、 其 力 どもと は 主家 來、 萬 事よ しなに、 ィャ又 後室 は あが 母 

びと おや こ しる Z しな じゅな ふく だ 

人、 ^子と なりし 印し に は、 此の 一 品 を 受納 下され。 

<^tt こ S だ 2 はこ こしもと てう し さか プき の し 乙ん ぶ ゆく すゑ ひろ £3 

箱 さし 出す、 その 間に 運ぶ 腰元が、 銶子 杯 熨斗 見 布、 行末 廣き三 ツ^ね、 

三莊 太夫 三 三 三 



時代 狂 言 傑作 集 I 一一 I 一一 3 

お V 乙 えんむす 

^れど 親子の 緣 結び。 

ト 此の間 櫂 六 俘の 筘を 初姬の 前に 出す。 腰元 皆々 跳 子 杯 を 運ぶ。 旲竹 取次ぎ。 

, 』• . こ^しつ ごやう し お さ かづ. 4« 

1 舉 ィザ 後室より 御 養子へ 御 杯 を、 

かしこま 

吳竹 長 hs ました" - 

ト謠 になり 吳竹持 添 へ て 初 姬に杯 を 取らせよ ろしく あって 攉六 にさす。 攉六吞 んで謠 一 杯に 納る。 

-fit ,ぼ C か fc si プき 

時廉 是で鉱 子 固めの 杯 、 

i r あ ひナ 

吳竹 首尾よう 相濟 み、 

&で fc ぞし 

皆々 お目出度う 存じます。 (ト 一 學初姬 に 向 ひ) 

1 i なにこう しっさ ま こんにち ご おうし = ,リ さ *t . . 

i ィャ何 後室 樣、 今日よ" して 御 養子 權六樣 は あなたの お^で ござり ますれば、 き 撳 is を | ばし 

ませ。 

ト吳竹 初 姬に吞 《q ませ 思 入。 

|» つ i 

吳竹 サテ ちゃつ と 仰し やり ませい な ァ, 

初姬 ヲ、 の 慰 六、 ^^^に にして おやま うてた もや。 

權ーハ ?ゾ、 曰 S はく S き S のお 一 扉、 I がさて P うに S さいで |ん と ぃ致ぉ さう、 き龜? いやう 



す もの たくさん か その か は ごん か あい くだ 

になん なりと お好きな 物 を、 澤山 買うて あげます る、 其簪り 櫂 六 も 可愛がって 下され や。 

くわ ぶん く 

初姬 ヲ、 過分々々。 

^\ £a うぐ ひす ラた よ で あ ひ 

ませた 詞の いと さま は 、つけ ごの 鶯 ひきが へる、 歌に も 詠まれぬ 出合な ft/ 

郡領 はしたり 顏。 

がく やう レ しう ぞ ナ うへ くらの しん よ いだ ^たな せん W いた 

時廉 サァ 一 學、 養子の 祝儀 濟む上 は、 藏之進 を 呼び出し 齩の 詮議 致さに やならぬ。 

Is- ィャ その詮 難 はなり ませぬ。 

時廉 ム、、 ならぬ と は なぜならぬ。 

せん- 36 いた A ん じん t うしつ さ £ <ら© しん とろ おつ s fc-5 

1 學 サァ たと ひ 詮議 致しても、 ^心の 後室 樣に は、 藏之進 は 殺さぬ と 仰し やります、 な ァ左樣 で ご 

ざり まするな。 (ト思 入に て 言 ふ) 

tic こと 

初姬 ヲ、 殺す 事 はい ゃぢ やわい の。 

* . とほ ほど i ころ ぎよ i め あ t ろ なが らうし や 

1 學 ァレ あの 通り、 いか 程お 勸め 申しても 殺さぬ とば かり 御意 ある 故、 殺せと あるまで 永の 牢舍、 

せんぎ およ ぞん 

それ 故設議 に は 及び ませぬ かと 存じます。 

へ 云へば 爱 どと 郡 領が、 知らす 目顔 を 吞 込んで。 (ト 時廉、 攆 六うな づき 合 ひ〕 

三莊. K 夫 三 三 五 



時代 狂 言 傑作 集 三 三 六 

がく は-びと ごん w£ あ し さ. S は-びと これ 

機 六 アイ ャ 一 擧、 母 人へ 權 六が 申ト: げる 仔細 あり、 © 人 曰 !3 へ。 

た ごん こうしつひ io いだ あ jj 、ろか か お- t-で 

ずん ど 立って 權六 は、 後室 膝に 抱き上げ、 心の 鎌笹 あし 隱 くし、 わざと 面 を 

冷ば 

和らげて。 

ト 一 學 是非な き 思 入。 吳竹初 姬の手 を 取り 攉六 の 傍 へ 遣る。 權六抱 上げて ぢっ と 額 を 見て 思 人 あ つ て。 

は. -ぴと た-ぃま ごん さ \c あ こと き お ほか fc つお, *\ つき 

ィャ母 人、 只今 權 六が 申 上げる 事よう ぉ閒 きな され ませ や。 (ト铫 への 合方に な no 大方 常々 附 

そ も ナ.. - 2C あ おつ ころ だい ご ふ かう 

添 ふ 者が お 勸め申 上げ ませう が、 やんちゃ ばかり 仰し やって、 殺さぬ とあって は 第一 御 不孝、 

ため ? 9 やう ふ まさ うぢこう かたき くらの しん ころ いはまい へた 

あなたの 爲には 義理 ある 養父、 政 氏 公の 仇敵 藏之進 を 殺さねば、 岩 木の 家が 立ち ませぬ ぞゃ、 

よ ころ おつ おつ おつ これほどい 

サァ それ ぢ やに 依って 殺さう と 仰し やれ、 サァ 仰し やらぬ かサァ 仰し やれ、 H ヽ是程 云うても 

おつ わる 

仰し やらぬ か、 ム、 コリャ こっちが 惡 かった。 

f ひと た I ひな かた とりいだ 

獨, 9 うな づき 袂ょ, 9、 雛の 片しを 取 出し。 (ト權 六 思 入 抉より 紙 雛の 男 雛 を a し) 

は-びと ごん わる こと ま を ころ おつ : ひな あ 

サァ 母人權 六が 惡い事 は 申し ませぬ、 ツイ 殺せと 仰し やったら、 コレ/ \- 此の 雛 を 上げます 

»^ ひとくち 

る、 サァ是 が ほしく ばた つた 一口。 

<\ ぉゥ に ん ぎ やう おさな ぎ 

さァ 仰し やれと すかされて、 人形 ほし さの 幼氣 に。 

初姬 ヲ、 殺 しゃいな う。. 



S ャ。 

こみ よ. J A し- J は-じ や: 

櫂 六 ヲ、 殺せと はよ く 御意な された、 さて/ \- 賢い 母 者 人。 

A こ ぐぶう ごん る なほ ことば あら 

たらし込んだ る 工夫の わな、 權 六居疸 り ー:-" 葉 を 荒らげ。 

がく こうしつ ぎょい ュ& くらの しん ひきいだ = ごん , せん W に J 

サァ 一 後室の 御意 は 背かれまい、 藏之 進め を 引出し 此の 權 六が 一 誶謀。 (ト 立掛 る) 

^が-;' な, ^とこ 

豪氣の 男。 

ま ごん さま ノ 

ー學 アイ ャ、 お待ちな されい 權 六樣。 

ま なん 

權六 ム、 待てと は 何で。 

ご しん し さ. A づき す あとめ ,んし ラ so いは タ い ( ^^ま 力 r k 

1 學 されば 御 紙子のお ^ は濟 ましたれ ど、 跡 の 輪 旨 も 受けぬ- 2: 岩 木の 家の^ 迸 は またく お 

早い、 お 使へ なされい。 

5\ や o こむ せ た ぐん n やう 

ノ遣 込れ ば^き 立つ 郡領。 

ナ ねさん がく こ ぐん f ぼい A.1 レはぎ 中う し ごん はや なに ,- は. や 

00 ャ ァ推參 なり 一 舉、 此の 郡 領が媒 がに て 岩 木の 養子に なった る權 六、 早い と は 何が 早い、 たと 

はんし ろ いへ けいう ゅづ いはき, まじ Z てん まゆ ろ-と、 , > 

ひ 輪 旨 は 受けす とも、 家の 系圖を 譲りな ば、 岩 木の 主 は 此の 權六、 ィザ 改めて 受け取られよ。 

^くわい ちう ぐわん とだ わた ごん ^しいた > 

^ 愤屮 よ, CN 一 卷取. CV 出し、 渡せば 權六押 頂き。 

ト 時^^ 屮 より 袱紗 包の 1 卷を W し 渡す。 « 六 取って。 

三莊 太夫 li セ 



時代 狂言 傑作 集 三 三 八 

が fc じ 1: な おん たま も f いへ け いづ-, て. い〕 . *^«5 

權六 ハ \ 忝き 御 賜、 コリ ヤー 擧、 家の 系圆が 手に入っても 是 でも^ 道 はならぬ とい ふか。 

1 擧 サァ それ は。 

權ーハ よも や 違背 は あるまい が。 

、のつ ひ こと tf, つめ ぜひ ひか F » 

退 引きなら ぬ 言葉 詰、 是非な く控 ゆる 折からに。 

ト てんつ X になり 花道よ リ前 幕のお らち、 高 からげ 風呂敷 包 を 持ち出て 來る。 是を 足輕缣 平、 鐵平菖 

蒲革睽 立の 足輕 にて 制し 乍ら 出て 來り 花道に て。 

t - い, , -S な さが, 

鎌 平 賤 しい 女め 下れく。 

わた あや もの Z や しき とのさま ねが ま を こと ほど 

らち ィ H< 私し や 怪しい 者ぢゃ ござんせ ぬ、 此の 屋敷のお 殿樣 にお 醍ひ 申す 事が ある 程に、 どう 

とほ くだ 

ぞ 通して 下さん せ。 

さが , 

鐵平 ィャ/ \> ならぬ く、 下れ /\-。 (ト赞 ひ 乍ら 舞 臺へ來 る) 

おしえ ftce と 

1 學 コリャ く 姦しい、 何事 ぢゃ。 

z 15J とのさま 5 き ねが i お とほ ゆ *! 

鎌 平 ヘイ/ \、 此の 女が 殿樣へ 直のお^ ひが あると 申して、 押して 通ります る 故、 さ i へます るの 

で ござります。 

J\ しもべ ことば ごん ことば た U 

下部が 言葉に、 權六 わざと 言葉 を疋 し。 



權六 しへ 驄ひ あるが な、 シテ! ^の 轆ひぢ や。 

らち 〈ィ/ \ 、そのお 願 ひと 申します る は。 

へや- かほみ あば 

云 ひつ、 ふっと 顏 見合せ。 

ャぉ 前ぢ や/ \、 こ ちの 人ぢ や、 ヲ、 やつば りこち の M ぢ, 

鐵平 ャィ/ \、 御 養子^ を とらへ てこち の M と は、 お ^5ifs ^た 

» ) r- がわた iwo 1£ , 

らち ィュ< 下らぬ、 私し や 女房で ござんす、 n レ權六 どの、 こなさん はぐ、 ず^ ふお 戲に鹬 も 

云 はす、 ぼい と^に^ 乘 つて 何^へ £ かしゃん した か れす、 せう^ なしに SI を i£ ひ 

なぎ しょしょせ う. まへ ゆく あ ちづ C ら 

泣の 淚で諸 所 ガ々、 お前の 行衞を 尋ねる のでい かい 苦勞 をし まし たわいな ァ、 それにお § はか 

細らし い 裾の 長い 上下 きて、 さしつけ もせぬ まぎし をい ら&に 11 狩 さし、 ii らしい きわい な 

ァ、 ァ 、聞え た、 コリャ お前 私に 愛想が 盡き た^、 ^の m へ if たりす る^ ぢ やな、 ィャ さう は 

ならぬ、 アイなら ぬわい なァ、 私が ぢゃ に^って^ がきれ て ig つて^ せう、 サァ gl、 

らしゃん せいな ァ 



rt^ や **か 

畢 何 山 岡" 



J^s 、と S- 

むる を 打消して。 

ヒ JC 

5 九 



き- * とが け 

聞咎 むる を 打消して- 

三莊 太夫 



時代 狂 fin 傑作 集 ,三四〇 

わ * とら 』 てんし S み ほどし 9 よぐ わ 5 も ふ びん き ちが 

權六 ャァ我 を 柳へ て 亭主 なぞと は、 身の程 知らぬ 慮外 者め が、 ァ、 不便 や こいつ 氣達 ひさうな、 は 

なかく ^ 另な fc 5 どこもの 

、 、\ 、 コリャ 中々 よい^み、 ャィ女 ー體、 わり や 何 處の者 だ。 

こと Jf>% ばう に は 5 まへ ひ V- とほ なか わす はんお と 

らち ァ レま だぬ け, /\ とそん な 事、 女房 も 女房、 お前と は 一 通りの 仲 かいな ァ、 忘れ もせぬ 五 年後 

ねまつ a な , なかう ど めう と こ B 1? 考ばゥ き ちが 

ざこね 寢 祭に 馴れ初めて、 仲人な しに 女 夫と なり、 子まで ある 私 をば 女房で ない の氣違 ひのと 

わたし 孑 へ^.; >• • > ね ちが- はや もど 

私より お前の 氣が のぼって 居る に 違 ひない、 サァ /\ 早ぅ戾 らしゃん せいな ァ。 

たち か- - お 3 

立 掛るを 押へ だて。 

ぴ ろう 1§ひ か . を - 

鎌 平 尾^な 女控 へて 居れ。 

, , , H- ,ぐね い め らう それ^し たみ おも , こんに も いはま あと- c ぐ. 3 § 5 つ は 

嵇六 ャァ 又しても 慮外な 女郎め、 某 を ^かと 思 ふ。 今日より 岩 木の 跡目 a 十四 郡の 主なる ぞ、 僞 

, くび ほな やつ こんにち しろ ざ いのち たナ r | ^な もん 

りぬ かす のぶとい 女め、 首ぶ つ 放す 奴 なれ ども、 今日の 祝儀に 命 は 助く る、 コリャ 此の 女 を 門 

ゼん > た- だ • 

前へ 叩き出せ。 

かしこ i £な お 

足輕 ハツ 畏 つて ござり まする、 女め 立た ぅノ 

わた ひと ぜひ とも しょ 

らち ィ H く 私 しゃこち の 人と 是非共 一 緖に。 

ftc- L か な こと fc 

弒平 ェ 、叶 はぬ 事 を、 きり/ \ 立 たう。 

t» は, . f ゑ 

nr> 立てん とする を 一 學聲 かけ。 



Ig- アイ ャ、 其か^ して は^!! が 立ちますまい。 

權六 ム、 M 道が 立たぬ と は。 

一 學 ハテ ivisfe 六 SS かけ i せし S 通 ふの, に は M されぬ、 I? ひあなた の S 鐘め、 

き し 2 ころ レ r さま fft は あ ふ ま を 

さつば りと 切って 仕舞へ と ある、 後室 樣の 則ち 仰せ、 な 申し。 (ト初 姬へ思 入〕 

初姬 ヲ、 その 女 切って 仕舞へ。 

權六 ャ。 

き n ^ は. -ご ォ- よ > そ む , 

- ソレ 切れと 仰し やる、 母御の 御^ は 背かれますまい。 

横 六 サァ それ は。 

ころ くらの しん そむ 》- 

一^- 但し 殺せと ある、 藏之 進が 背き ませう がな- V 

植六 サァ それ は。 

S 成敗 あるか。 

横 六 サァ。 

1®- お背き あるか。 

橫六 サァ。 

三 莊 太夫 一一 一 MM 



時代 狂言 傑作 集 111 四 二 

1 學 サァ • 

兩人 サァ《。 

- - H, へ:? た ふ. 51 fe i 

1 學 御 返答が 承 はり 度い。 

しっぺい 返しの 理屈 詰、 有無の 返事 も あら ざれば。 

權六 ム、 成敗 致さう。 

ー舉 スリャ 御意 をお 背きな されぬ か。 

••- : い 力 こ-つし つ ぎ 一よ. a そむ い か ォ す 5^ ュ -ぉ し く" うちおと j 

f ハ 如!: にも 後室の 御 窓 は 背かれぬ、 云 ひ 掛けお せし が は、 せ 11 に^ ffi 殺す。 

らち ェ、 

! -k . s« *1? , ひろに お ひき ナ, I 

權六 ソレ その 女に 繩 かけて 廣 庭へ 引 据ゑ おけ。 

銶平 畏 つて ござ. まする。 • 

早繩 たぐって いまし むれば、 女 は 狂氣の 如くに て。 

いつ ^ド . * は ころ あんま . 

らち ェ 、現在 連 ^ふ 女房に、 繩 かけて 殺さう と は、 そり や 餘りぢ や./ \ わ いな ァ。 

權六 I りと は 何が 餘り、 云 ひ # け^せし お届き^、 くどく^うて も^らぬ Sif だ、 ソレ^お てい。 

$ ハツ、 女め 立た う。 



わ JJ こ. 4 fc お 

らち イエく 私し ゃ爰は 立たぬ、 ま ちませ ぬわ 5 な ァ, 

& I5S ひつ fc, 

權六 H 、目ざわりな その 女、 きり/ (\ no 立てい。 

らち そんなら どうで も。 

權六 知らぬ わい。 (ト 悔しき 思 入) 

足輕 きりく 立た う。 

、^服お ぐ あらけ なく、 化 が てく 遛 うて £ く。 ?足菌 人お らち I ひ 立てく 下 

手へ は ひる。〕 

- . y 5* A-- ほ^ごん ぃヒ K く くらの しん せんぎ Z せ ぶ 

時廉 ム、 ひ^け ひろぎ し^が ■Is 六が 致す から は、 一 舉 そち も藏之 進が 設議を、 此の 場で^ し 

てよ からう。 

一 舉 畏 つて ござります る。 

、,± き .A ふうきん _a し 申う ころがく fc けんぶつ いみ 

柅六 ^木の 家風^ 議の 仕樣、 後 擧の爲 め^ 物 致さう。 

へ あた D- § あ たばこ わ ふ て ふが は- 

四^ 眼に うな づき 合 ひ、 煙草 輪に 吹く にく 體顏 

吳竹 アイ ャ懇 I に はきより^ i&vi、 さぞ &證、 まへ お fm ばして、 チト& びな され ま 

したがよ ろしう ござります わい な。 ヒ 

三 莊 太夫 三 四 一一 一 



i- 代 狂言 傑作 集 こ31 

»A こ あそ if 

初姬 ヲ 、皆 も 来い、 遊ばう ぞゃケ 

槺六 お If なれば!^ g。 

7 ri てん のち あそ 

初^ 樺 六、 後に^ 1 ばう ぞゃ。 

榴六 はつ。 (ト辭 儀 をす る〕 

」, • おくで^ 

吳竹 ィザ奧 殿へ。 

皆々 入らせられ ませう。 にな" 吴竹初 姬を伴 S 元附 いて 奥へ は ひさ 

ufi t た-^, は • や くらの しん ひき ゼ 

時 ィ ヤー 學, 早く 藏之進 を 引す り 出せ。 

一 はつ。 (ト 上手に 向 ひ〕 ャァく 繫、 gMis を ,化け。 

捕 人 ハ ァ、。 きり/ \ 歩め。 

rgif: いだ- めしう ど * わ だ ぐら © .3 んっ な きょ > • ► , 

f 出す 囚人 は、 大和 田藏秦 I、 k はぬ その 射き に、 S き i のしば 

4、 心 は 解けぬ きん あ、 し をれ S, に rs る 。( ト 此のき 內 よき 程に) 

きり/. \ 歩め。 

ト 是を キ ッカケ £ す? S 太鼓 g り、 まよ" 大和 田 匿 進 g 一 5 雜 f にて、 

捕 人 四 人 雜を取 出て 眞 中に 引 据ゑ。 



した 6 i _ 

下に 居らう。 

A . ?: ぐ そば たち X 

ー學 傍へ 立 寄 6, て。 

5 コリャ んき 田藏之 I、 きの^よ 4^ なすに、 t^fr ちし その! i«、 ? 511 さぬ ゆえ 1 の^ 

^し& けしが、 お SSI 磨、 まった 露の 霧^ の なる ぞ、 サ、 ぎ 

はく: § 

すと 白狀 しゃれ。 

へ 云 ふに はっとぎ を 下げ。 

S はつ S より S く、 謹き? は、 i の i? &に顯 ござらぬ、 た £ は 

ii^ss. の i:iSi ひ 1g つる。 

. そ G し さい はくじ ゃゥ 5 ち 5 J6*-»> : 一 £ 

-舉 ィ、 ャ共 仔細 白狀 せざる 中 は、 いっかな 仕^ 1^ さぬ、 i ^を £ ちしと は^ I いならす、 |# つ 

たるお なりと も、 包まる., だけ は^み^す に、 射の &く體 &が £ かぬ、 サ ア^の^^ fe ず 

はくじ I? いた 

ぐに. G! 狀致 せ。 

藏之 ィャ- \ いか SIfe 致せと あっても、 ^^を^ち しとい ふより^、 S 職の ^ござらぬ。 

- I- f う ,を 

- スリャ どの 校に 巾しても。 

藏之 くどい 事 を。 

HI 莊 太夫 § 五 



時代 狂官 傑作 集 HIS 六 

ぜひ, ?-. - L » 

ー學 ハテ 是非に 及ばぬ。 

、もの やわ がぐ ぜん; a ごん, たか わら i> 

, 物 和ら かき 一 學が、 詮議に 權六高 笑 ひ。 

to ? V て その やう こと はくじ ひ みづ もつ ご-うもん タん 

檣ーハ ャァ^ 議の仕 やうが 手ぬ るいく、 其樣 な事ぢ ゃ白狀 せまい、 なぜ 火水 を 以て 拷問せ ぬ 00 

し あ さ. a はき せいだう なま こ^ » 9 

の 仕 やう はさま <\ 有る に、 ハテ拉 て 岩 木の 政道 は 生ぬるい 事 だな ァ ムヽ ハヽ、 ヽ、。 

A わら プ ぐん o-f 

, と あざ笑へば 圆に乘 る 郡領。 

かな き ぐらの し,? がく いもう NJ j だい » 

時 鹿 ィ ヤコ リャ かうな けり や 叶 はぬ、 閗 けば 藏之 進が 女房 はー擧 そちが 妹 さうな、 さて は 兄^の 

s、 それで 1 ぬる^の 謹。 

ぐん 《*?J う あ A お ぼ こく せいち それ. t s.f^J ^ > • I .* r . > I 

1舉 コ ハ郡領 公の 仰せと も覺 えす、 ー國の 政治 を 預る某 妹の 緣 にきる 乂 やうな 一 擧 てこ ざらぬ 

-時廉 ィャ 引かれぬ と は 云 はれまい。, 

なん ひ 

權ーハ それとも 何ぞ 引かれぬ とい ふ、 

兩人 證據が あるか。 

その. こ ごらん い- ぶれさ. もん • さんぜん な^ とふ 、 > 

i いかにも 其證據 御覽に 入れん、 ャァ く!: 左 門、 最^の 繩^ き^へ。. 

藏之 ハ ァ、。 

AV い a あわ tt な 3<ら どお や こ &$ なば » う s^. 

はっと 云 ふ 間 も 哀れげ に、 しほる、 花の 櫻戶 親子、 倶に繩 目の 憂き 姿 



ト かすめて 時の 太鼓、 下手よ P 樓戶武 千代に 繩 かけ 左 門 之 助 は 繩を取 リ附添 ひ はて 來り、 下手に 控へ 

居る。 

*A fe« ひきす., - 

左 門 ハツ、 仰せに 隨 ひ引据 ゑまして ござり まする- * 

ス^ »t ぐらの しんか ほみ lett > 

つ 云 ふに^ はず 藏之 進、 顔 見合せ て。 

たち 

藏之 ャッ、 そち 達 は。 

わぶ つ i 

樓戶 我 夫 か。 

と-さま 

武千 父 樣かヽ 

あ ひた , • 

兩人 逢 度かった わ 5 なフ。 

> 寄らん とする AJ 1 學が、 あらげ なく も 押 へ ,たて。 

ト 樓戶武 千代 上手へ 行かう とする を 1 學眞 中に て 押へ て。 

*.# かどこう 5も2 むこ えん ひ , おく UA f さいぜん ぐら , & _ ' 2« H お - t» 

一巧 いかに 時^ 公、. 妹 や 聱の綠 に 引かれぬ ー擧が 心の底、 最前 藏之 進に 逢 ひ 度い と、 密 にぎへ 參 

ふたり ふ びん おも ない く あ にんじ ¥ お ? o だいな が ご は *J 

りし 二人、 不便に 思 は^ 內々 にして、 逢 はせ やる が 人情なる に、 からめ 置きし も 兄弟, 乍ら 御& 

やぶ とがにん ゆ- 0? tic ひ と 本 v%c U ぎねん はらく だ , 

を^り し 科 人 故、 サ心 引かれぬ 曰 !5 ぞ 證據、 ィザ御 疑念お 晴し 下されい。 

薬よ どまず 云 ひ 放せば、 郡領も 打うな づき。 

一二 莊 太夫 HI 四 七 



時代 狂 言 傑作 集 三 四 八 

-PI si, が , が. ベ し., ん い,.^ , しんてい み うへ くら し.:? VJJ-,20 おと j 

時廉 ム 、流石 は 一 ^^心 致した、 その 心底 を 見る 上 は藏之 進が 首 打 落せ。 

5 H。 

時廉 たと ひ 仔細 は白狀 せす とも、 主 を 討ちし と 一 言に て 科 は 極まる 逆ば ッ つけ、 そこ を § で 死, に 

M , あ 9 がた = と おも を 

行 ふ 有難い 事 だと 思 ひ 居らう。 

I では ござれ ども。 

いな や は 々も- 2J もん ひ si 1J 

權ーハ 否む は 矢張り 妹の 綠に 引かる X 心 か •」 

I もつ 

i 學 全く 以て。 

時 嵌 さなく ば 討つ か。」 

1 舉 サァ。 

權六 但し は 討たぬ か。, - 

ー擧 サァ。 

兩人 サァ。 

1 二人 サァ《。 

-Fit 0^ ひ その はう 1, 

時 ® V 引かれぬ 其 力なれば。 



いな i , 

植六 よも や 否と は 云 はれまい。 

A せ M ぐ <J、 ろ さ だ 

ぬきさしならぬ かすがい 責め、 ー學も 心 を 定め。 

一 學 いかにも 討ち ませう。 

藏之 こ .0, 

樱戶 H ヽ 

* ごとう * め * - 

- 見事 討って お 目に 掛けう。. 

4J^*, ふな はや 

§w コリャ かうな うて は 叶 はぬ 害。 

一 その代りに は 權六樣 にも、 云^け 致せし 女が 首、 お討ちな さるで ござり ませうな。 

s およ おうし てがら はじ せいほい いな み 

ぽパ 云 ふに や 及ぶ、 養子に なりし 手柄 始め、 きっと 成敗 致して 兒 せう。 

ご^ くび また がく くらの し.? くび 

時^ ム 、權 六に は 女の 甘、 又 一 學は藏 之 進が 首。 

權パ あ ひに 討つ も最 55- たそがれ、 

こ よ ひくれ か: q ぁひづ 

1, 學 今 W 暮 六ッ、 鐘 を合圔 に。 . 

くび おぐ 

權六 女が 首 は 1^ そちへ。 

くら G し.? くび ごん さま 

1 學 藏之 進が 首 は 權六檨 へ。 

み ども f rA- 1 

^0 身共 は^で、 それまで 一 献。 : 

三莊 太夫 三 四 九 



時代 K W 傺作蕖 一ー一 五 o 

さ やう ご り やつし よさ ま 

一 擧 左樣 ござらば 御兩所 樣。 

おに や S* がく 

時糜 鬼 柳 ー擧。 

權六. 然 らば 言葉 を。 (ト 立上り 思 入あって) つがうた ぞょ。 

, へことば n- やう にん 5 ちつ おぐ い 

言葉つ がうて 雨 人 は、 打 連れ 奥へ 入りに ける。 

ト時簾 先に 櫂六附 いて 奧へ は ひる。 

せう ども つき た 

一 學 コリャ その 方 共 は 次へ 立て。 

捕手 はつ。 (ト 捕手 足輕は 下手へ は ひる) 

f けらいお ひ a ば 

家 來を追 やりあたり を 見廻し。 

さ もん ざ たけ よ な は と 1 

一 學 コ レ. 左 門、 櫻戶武 千代が 繩を 解き やれ, 

A と 

とい ましめ を 解き ほどけば。 C ト左門 之 助 櫻戶武 千代の 繩を 解く) 

さ も.? も わ 5 け. iU ^fc 

左 門 は 門外 警固 致せ。 

左 門 長 つて ござり まする- 

え T た い 

心得 奥へ 立って 行く。 

ひと み ま くら し,? どめ あ / 

一撃 サァ 人の 見ぬ 間にと つくりと、 藏之 進^に i! うたがよ い • 



^戶 H。 そんなら 大事 ござり ませぬ か。 

- L だ.? じ. な A いめん た ft はふ 1 にん 

一 學 ヲ、 大事 無い とも、 かう 劉 面 を ささう 爲め、 わざと 繩を 掛けた る 兩 人。 

I こぶ ? t し うら かんにん くだ 

櫻戶 ス リヤ^ もお 情で ごさり ました か、 さう と は 知らす 恨みました は、 堪忍して 下さり ませい な 

た W は. をぢ さま れい? M 

ァ。 コレ武 千代よう 伯父 樣 にお 禮 を 申し や。 

』 , # ぢさ 吏 ICA 

武千 アイ 伯父 樣、 嬉しう ござります。 

*. れ と, き 7 

1 舉 ヲ、 嬉しから うく、 取 わけ そなた は 一 世の 別れ を 致した がよ い。、 

樓戶 スリャ どう あっても a (ト びっくり なす) 

, し >j と たん ぶし, J と « ほ C 

1 舉 ハテ 知れた 事、 一 且つが ひし 武士の 言葉 反古に はならぬ。 

, きこ どうよく たす くだ IK へ w つ& ぐび 5, ぶレ, か «r ..IT 

樓戶 そり ゃ閗 えませぬ 胴慾な、 なぜ 助けて は 下さり ませぬ、 お前 は 夫の 首 打って 武士の 意地 は 立ち 

ませう が 後に 殘 つた 私 や、 此の 子 はどうせ うく、 どうせう ぞいな ァ。 

へど ラせ うどい なと ひれふせば、 譯も 淚に武 千代が 共に 泣く 乙 そ いぢら しゝ、 

ぐら の しん c> ば あら 

藏之進 は 言葉 を 荒らげ。 

: • , す、" ど なに がく メ-め i こと く&ぅ こ * だい v>> だ i 

n 之 コ リヤ^ 戶、 何 をぐ づく、 一 學^ を 恨む 事が あるべき ぞ、 首 討た る、 は 此の 身の 大^、 三代 

さう おん しう て ク たけの 一/ VO ひ う ( さか くびう 

相思のお 主 を 手に 掛け、 竹 鋸で 引かれし 上 逆ば ッ つけに あ ふべき を、 首 討た る \ は まだし も 

三莊 太夫 三 W1 



時代 狂言 傑作 集 三 五 11 

こと こと またた にん あに おく *JO て .a- ミ, * ほん ft う うら い . 

の 事、 殊に は 又 他人なら ぬ、 そちが 兄た る 一 擧跽の 手に 褂るは 此の 身の 本望、 恨み を 云 ふその 

くら れい 5 

口で なぜ 禮は云 はぬ のぢ や。 

なん これ れい まへ し わたし s S しょせんお ゐ .A く tJ しで づ ; 

櫻戶 何の 是が禮 所 か、 お前が 死なば 私 も 此の 子 も 所詮 牛: きて は 居ぬ^ 悟、 死 出三途 もと も,^ に 

: , . ま を > も ん さ^ く ふの し.? tr だいつ H お ほ わ だ かめいけ が しう 

藏之 H 、まだく 申す か、 うつけ 者め、 仔細あって 藏之進 は、 數代續 きし 大和 田の 家名 を 汚せし 主 

に, 5 - めいす もと そぶ こみ おち し は S はぢ し 

殺し、 一命 is つる は 元より^ 悟、 此の 身ば かり かそち 達までと もん ヽ 死ねば 恥の 恥、 サァ 死ぬ 

S なが * *.ぉ; たけち よ も そだ がく どめ うしろだて ち じょく 

る 命 を 永ら へ て、 枠武 千代 を 守り 育て、 一 舉殿を 後 立に 恥辱 をす^-ぐ 心 はない か。 . 

樓戶 サァ それ ぢ やというて どう まァ 是 が。 

, あ, ぜひお よ ふう : 一 おや こ t ん き 

§ ならぬ と 冇れば 是非に 及ばぬ、 夫^^ 子 の^を 切らう か。 

樱戶 サァ それ は。 

今 I レ と I- 

藏之 閲 わけて 死 を 止まる か。 

樱戶 サァ。 

藏之 ド 、 ど うぢ や。 

樓戶 ハァ、 聞 わけました。 

:t - - ' . あぶ にきば. ラ- . % く *5 へん 丄. ほや せっしゃ j 

^之 ム 、それでこそ 我 女房、 ィザ 一 舉 ii 片時 も 早く 拙者め を Q 



5 およ: • 

I 畢 云 ふに や 及ぶ。 (ト 1 搴思 入あって〕 

A たち 

"とつ、 立し が o 

5 もはや こよ わか _ 5 お J こ^- , . f J 

と は 云へ 最早 此の世の 別れ、 云 ひ 置く 事 もあるなら ばなん なりと。 

.At じけ な き で," yvc ^ こ C およ お 巴と た *-tic > 1 ゆ 一 な 一せ また J た 

藏之 忝 ぎ 貴 私の 心底、 此の 期に 及び 云 ひ 置く 事 は ござらね ど、 只 心に 掛る はお 家の 成行き、 又 二 

i の *-ぉ ゆく- TI* おの お- t れ たけ よ Z 

ッ には此 枠が 行末 賴み 置く は是 ばかり。 コ リャ武 千代 爱へ來 い。 

武千 アイく。 (ト蔵 之 進に 寄り ぢ つと 額 を 見て)。 

£2 よ si こと.: し ほど £f も, ほ ち.: お f . , / . ズ巧ひ ば べ^ 

藏之 コ リャ武 千代、 今 此の 父 は 死ぬ 程に そち は垦 から 伯父 樣を、 父と 思うて おとなしう、 手 In 舉問 

きう ぼ けいこ たれ おと 4J.JS , あつ K. れぉ せわ だた. g ひ i K , , (た ち.:: > *SS1 く t 

弓馬の 稽古 誰に 劣らす 精出して、 JK 瞎 大和 田の 胤な リと 人に 褒められ 此の 父が、 恥辱 をす ふい 

でく れいよ。 

A ^ 3 たけよ Mf 5 

云 ひ 聞か すれば 武 千代 は、 淚 拭うて あとな しく。 

て tt&s くもん ゆみや けいこ 丄 • ほ乂 -., し-; ね y« - N 

武千 アイ 手 習擧問 弓矢の 稽古、 おとなしう 仕ます 程に、 どうぞ 死なす に 居て 下さり ませ。 

%2 だう , 

樓戶 ヲ、 尤も ぢゃ/ \ 、邀 理ぢ やわい の。 

し & *M- なん ? ,レ J J- 

^之 死なす に 居らる-事 ならば、 何の そち を 残して 死なう。 

、さすが C ゆ ゑ おんあい まよ そる とりな ほ 

流石 子 故の 恩愛に 迷 ふ 心 を 取 直し 

111 莊 太夫 三 五一 一一 



時代 狂言 傑作 集 三 五 四 

r 、益な き 事に 未練の くり 言、 一 擧離、 もらす お 笑 ひ 下さるな。 

一 學 アイ ャ く、 責殿, の 心 察し 申す、 去り 乍ら 最 Sf 暮六ッ に閒も ある まじ、 心靜 かに 覺悟 あか- 

藏之 とくより 覺悟 致して ござる。 

へ & を i ゆれば ー學 も、 下緒 を 取て 早 だすき、 刀の 寢匁 哀れに も、 妻子 は 左右 

とりすが 

に 取鎚, 9 

ト藏之 進 居直る。 1 學 下緒 をた すきに 掛け 刀 を拔き 鼻紙 殘 にて 拭 ふ。 是を 見て 樱戶武 千代 蔵 之 進に す 

がり 附き。 

樓戶 そんなら どうで も。 

と > さま 

武千 父樣に は。 

櫻戶 お果てな さるの かいな ァ。 

藏之 ハテ 知れた 事 を。 (ト きっと 言 ふ。 此の 時 本 釣鐘の 六ッを 打つ) 

ー學 ャ あり や モウ 暮 六ッ。 

ちか ちし ご 

藏之 近づく 知 死期。 . 

^戶 スリャ モウ 是が。 . 



ー學 此の世 の^れ。 

© 戶 は ァ、。 (ト泣 伏す) 

み れん も 

藏之 H 、未練 者め。 

^\ ひとこみ こよ わか B の." ふ な $ 

と 一言が 此の世の 別れ、 武士の 泣かぬ 淚ど。 

ト 此の間 蔵 之 遜 H を 閉ぢ覺 悟の 思 入。 一 學刀を 振り上げ 引 張りの 兇 得に て、 此の 道 其 ぶん 廻す。 

本舞袅 三 間の 間 高足の 二重、 本緣附 白洲 階 子。 上の 方 一問 朱塗り 骨 障子 屋體、 向 ふ 銀 襖、 上の 方 登り 

木の 松、 柴垣、 下の 方辋 代雜、 同じく 柴垣、 上下に 摁の立 木、 日 覆より 靑 葉の 楓の楓 釣 枝、 すべて 奧 

殿の 模樣、 矢張り 本 釣鐘の 甚六 ッ にて 道具 納る。 

A zti むじ や. o つぐ か" n こ fctt ひろ ん さき 9sf とき かど あ ひ 

哀れな 6/ 無常 を告る 鐘の音に、 小 ぐらき 庭の 廣緣 先、 窺; 5(- 時廉 が、 八 口 

•r- よびこ ふ しげい しの ぐせ もの 

圖の 呼子 吹きた つれば、 茂み を 出づる 忍びの 曲者。 

ト 此の間 奥より 以前の 時廉 出て 來り、 あたり を 窺 ひ 呼子 を W し吹く。 是 にて 下手 樹木の 陰より、 忍び 

運藤黑 頭巾 一 本 ざしに て 出て 來り。 

AI*J.a どこう 

運 藤 時廉 公。 

時麼 コリャ ( ト 時の 鐘 合方に なリ〕 

: ぁひづ よび こ ご よう 

運 藤 相 圖の呼 孓は御 W で ござ.^ まする か。 

三莊 太夫 三五五- 



時代 狂言 傑作 集 三 五六 

•f-t は fi -, 4: 」 う け- お^^ w- /?J おい J さう S ゥ ちと- -J 

時廉 ヲ、 用事 あり。 (ト あたりへ 思 入あって〕 兼ねて 當家 を押領 なさん と、 都に 於て 政 氏 を 討 取らせ、 

てだて もつ じ や, ま, くらの レな とお お Z よ^し け * Its c £ピ J! J- ti'u. -r- u 

手 立 を 以て 邪廳 になる 藏之 進めに 科 を 負 はせ、 今宵 死き に £ふま や できの l&ife せし^ | 衞 

. * ひと^? - § ぷた 5 け * や-ウレ い" 、』 ぐん う i たくみ し it- 

六、 一癖 ある ゑせ もの 故、 當 家へ 養子に 入り込ませ、 五十 四 郡 を 奪 はん ェ、 十が 九 ッ仕負 ふ 

✓ ^ か S れ ひ おも か B やおた な! A こみ 1 二い 二 

せ たれ ど, 滿 つれ は 欠く るの 薆を^ ひ、 一家と いへ ど 敵の 舘、 長居 せん は 此の 身の 大事、 それ 

i L , > 巧? S しの, を こ よ ひ やうす ちう しんいた 

故 密かに 歸館 なせば、 汝は 跡に 忍び 居て、 今宵 の^子 を 注進 致せ。 

. き か" に i> • . - わ^きみ fcr ひと W 

運 藤 長 つて ござ hs まする、 シテ ^ 君に は 只お 一 人。 

-F,£ あまお 一け らいし の お き. 0.A 

時廉 ィャく 門外に は數 多の 家來、 忍ばせ 置けば 氣遣 ひなし け 

さ や 5 とき かどこう 

運 藤 左樣 ござらば 時膨 公。 

かな ひと み とが 

時廉 必らす 人に 見咎められな パ 

運 藤 心得ました。 

f :t saj こ よ ひやみ くら リ 

時廉 幸 ひの 此の 宵闇、 嗜 きに まぎれ、 さう だ。 

n\ タば とき かど もんぐ わい 5- で ゆ 

しめし 合せて 時廉 は、 門外 さして 出て 行く。 (ト 時の 鐘、 時廉 花道へ は ひる。 運 藤 下 

手 へ 忍ぶ) 

f をり ひと M うち こしもと ども iAVAy 

祈 も あらせず 一間の 內、 腰元 共が 共々 に。 (ト ばた くになり 奧 にて) 



L. r c^^^ ほに も I て A fe* こし, *>• し 5 せん W ノ 

吳竹 後室 樣を 何者か、 手に^け て 立 返き しぞ、 腰元 衆 誇議 あれ 丄 

皆々 心得ました。 

、うへ した か f 

上 を 下へ と 返しけ る。 (ト ばた くになり〕 

へ 3 0^*, ^ C ,、 ^ぜん C こ t わ S か、 えんさき たち いで 

や 、程 過ぎて 權六 は、 以前の 箱 を 小脇に 抱へ 緣 先へ 立 出て。 

ト奧ょ リ檨六 以前の 箱 を 抱へ 出て 來り。 

權六 ャァ く 一 は いづれ に 居る、 早 や 六ッは 打った るぞ。 

こ- A か < ひ- cett づ fe i りぐ や 

呼 はる 聲に ー學 が、 廣庭傳 ひに 入來る を、 それと 見る より。 (ト 下手より 一 學出 

て來 り〕 

k おく くら し,? く JS う- 

コリ ヤー 擧、 II 之 進が 首 討った か • 

い f r れいやく と ほ く ぴ う さま I 

ー學 如何にも 御 契^の 通り 首 討って ござる、 定めて あなた 樣 にも。 

- - : ねん およ う もと くら D し^ くび 

撺六 念に 及ばぬ 討 取った、 シテ藏 之 進が 首 は。 

1 f ^v^^r^ . い j \ くらの しん しゅき ふ これ - 

1 學 只今 御霓に 入れん。 (ト 臭へ 向 ひ ;> ャァ/ \藏 之 進が 首級 を^へ。 (ト 此の 時奐 にて) 

藏之 は ァ、。 

I ,-、> 乂, たも お" > *« . ィび をけ たづ さ ち S ぐらの L んみ 

はっと 答へ て 臭の 間よ 6-、 首 桶携へ 立出づ る、 藏之進 を 見て びっくり。 

一一 ー莊 太夫 三五 七 



恃代 狂言 傑作 集 一 一一 五 八 

ト奧 より 藏之逛 袴 大小に て 首梯を 持ち出て 來り、 權 六の 前へ 首 桶 を 置く。 

<*5 の し.^ くびう ぢ さん こ くび をけ 

權六 ャマ藏 之 進が 首 討った とい ひ、 持參 なした る 此の 首 桶 は。 

CA くらの しん くび ご け.:? ぶんく だ 

1 學 心 を こめし 藏之 進が 首、 御檢分 下されい。 

5\ がてん ゆ, ぐ^ をけ とりの へ 

ふさし つけられ、 合 點 行かす と 首 桶の、 ふた 取 返 くれば つぐれ の 一重。 

ト首 桶の ふた を 取る。 内に 跳へ の つ ^れ 入れて ある。 

攉六 や 此のつ どれ は。 

み わす- ひにん * ま を か 

一 學 見忘れた るか、 非人の 山 岡。 

ヌ J« しょ ぢ 

藏之 汝が 所持で あらう がな。 

權ーハ なんと。 (ト 詠への 合方に なり ;- 

ご くん まさ うぢ = う aw でう まつ ぼら やみうち あ たま レ * かい そば ご にち .yw 'こ 

藏之 御主 君 政 氏 公、 鄱三條 松原に て 闇 討に 逢ひ耠 ひし、 死骸の 傍に あつたる つ ビれ、 後日の 證據と 

モぶし ぶく しん も Q せん は ii 串 ミ を か いのぶせ き ゆ & そ つみと:^ Z 

某が 腹心の 者に 誇 議 させし に、 山 岡と 云 ふ 野 伏り のつ ビれ なりと 閗 きし 故、 其の 罪科 を 此の 

み ま 1^ たづ 

身に 負けて 汝が 行衞を 尋ねし に。 

はか さいぜん 4 ま を か t にやう ばう 5 ゅ么 とき かど かたん い しゅくん う $ ナゐ 

1 學 計らす 最 山 岡と そちが 女房が 云 ひし 故、 さて は 時 廉に荷 擔と云 ひ 主君 を 討ちし 敲 なりと、 相 

9$ と タ こ 

量な して 捕廣 となしたり。 



: - . fe づ L Rfe , い - C てんめい のが その み せきあく 

藏之 尋 ぬる &へ 入り込みし は、 天命 退れ ぬ 其 身の 積惡 •) 

じんじ f 

1 學 サァ 尋常に。 

A く 一 j 

HE 人 费悟 なせ。 

、 つめよ 

と 詰 寄 すれば。 

•I : い * こ ,タぽ ひと £*c J- 

權六 ム、、 如|: にも 此の っ^れ は覺ぇ あれ ど、 人 を 殺せし 覺 えない。 

こ ご およ ひ け ふし ごく 

一 舉 此の 期に 及び 卑怯 至極。 

く £2 

兩人 觀念 なせ。 

へ <だ ねん マ*- & 5 ぜんしら a- やいば SC 

觀念 なせと 打 かくれば、 拔 けつ 潜りつ 以前の 白木、 刃 を あしら ふ 箱の ふた、 

で ぐ わん *- ん 

くわら. ftv と 出た は 三 貫 文。 

ト 一 學蔵之 進 切って か る。 攆六 件の 筘 であしら ふ 柏 子に 蓋 落ちて 中より 三 莨 文の 貫 ざし 出る。 

ャ曰 d は。 

, —- に, <£ <2 おんお オこ s» おん s く. a . 

攉六 サァ 此の 三 貫の 貫 ざし は、 御 熟 子樣の 御行 衞。 

ぬん 

兩人 何と。 

&,: い』 J$ 62! <ぴ ごら ふい WC あ us t く, 

權六 云 ひ 掛けな せし 女が 首、 御覽に 入れて 申 上げん、 暫くお 待ち 下されい。 

一二 莊 太夫 111 五 九 



時代 扛言 傑作 集 一一 ープ C 

c AJ r サゃ <- にん ごん こ かげ r ちみ, --' o ヽ 

へず しひれ^ せば、 齠ゃ あらんと ためら ふ兩 人、 權六小 陰 を 打 見やり ( 

下手へ 向って) 

s^f < ぴ ぢ S ん. 

ャァ く最 § の 首持參 致せ。 

らち はァ 、 。 

-0kt$ t へし 編-さし たせば。 

ト 下手 柴垣の 陰より おらち 首捅を 抱へ て 出て ー學の 前へ 直し 置く。 

くび う お f . '1» 

1 攀 ャ首を 討ちし と S ひし, fr , 

にへ ぢ さんく び 

藏之 あ ふむ 返しに 持 參の首 は。 」 

こみ wej わけ 

權六 卽ち 此の 身の 申譯。 

ごらん メ > 

らち 御覽 なされて、 

兩人 下さ; OV ませ。 

よふに 翁と s£i 。返 くれば 露-の、 S にび つ〜 仰天な し。 

ト 此の間 一 學首 梯の躉 取る。 中に 後室の 切 首 ある 故兩 人び つく S 

こ うしつ おんく ぴ 

一 學 ャ、 コリャ 後室の 御 首。, 



なに si 3, 

藏之 何故あって 討った るぞ。 

おや t 允ん な AT 

欉六 ^子の? i を 切らん 爲め。 

なん 

兩人 佝と。 

し S.S fc- いま S6 あ 

植六 仔細 は 只今 申 上げん。 

、vl> ん 4wt!_J うへ み t 

件の 錢を 箱の 上、 その 身 ははる か 飛びし さら。 (ト攉 六 貫 ざし を筘の 上へ 乘 せ。) 

み だい さ *<ネ こ さまが た ゆる くだ 

はつ 御臺樣 御子 樣^、 お許されて 下さり ませ。 

n» ごと そんけ う 

いますが 如き 尊敬に。 

一 學 シテ/ \ 仔細 は、 

なん 

兩人 何とく。 

へ 9? にん S いう つめよ 今 a をお おも て あ 

雨 人 左右へ 詰 寄れば、 山 閊は面 を 上げ。 

s まさら f> た めんぼく Z み ざ.; 5 げ ひとと ほ き 

樯六 今更 語る も 面目なき 此の 身の^ 悔、 一 通りお^ きな されて 下さり ませ。 (ト 胡弓 入りの 合方に なり) 

もと そ & し おや まさ うぢ & う ち- i 一み つか みやぎ の $ ま を も o ゆ *? らう にん b れ S.S と 言 

元 某が i は、 政 氏 公の 父君に 仕へ て 宮域野 兵 部と 申す 者、 故あって 浪人な しお 三 歳の, ての 時 

しんと. * こよ さ 2 * んぃ f やういく おや をし 2.5 おとへ せ 1 じん レ£ わるもの 

に兩覲 共に 此の世 を 去り、 土民の 家に 養育され 親敎へ ざれば^ なる の譬、 成人に 隨ひ惡 者 づき 

三 莊 太夫 三 六 一 



昨 代 狂 莒 傑作 m 111 六 二 

ttf ぼう ぶ J . ^ み. i , をな ご £ うへ いはき 

あ ひ、 ^ なる 女房と 轉び合 ひ 遂に 身 ごもり、 產れ たが 女子、 たつき に 迫り わらの 卜 一よ. 9 岩 木の 

一し *f , +: s A うけ ► こ^しつ; g つ ひめ f?J のぼ ひ にん くら をリ 

化へ 拾て たるが、 卽ち當 家の 後室 初 娘、 まった それより 都へ 登り 非人と なって 暮 せし 折、 さる 

らう にん のぞ Z 5 まさ うぢこう うち fcvw つ しゅ だ O レ 

浪人が 望みに て 此の っ^れ を賫 つて やりし が、 政 氏 公 を 討 奉る 手 風と は 知ら ざり し、 さて こ 

とき ひとく, せ つら だまし ひ お A あん たが こ し: a また そた レ こし JS か、 か 亡ぎ よ おく 

そその 時 一癖 ある 面魂と^ ひしが、 案に 違 はす 故主の 敞、 又 某 は 越 路へぽ り 山 稼に 世 を 送 

はし み だい さま ひめぎみ きんだち にん さど たんご ひと かひ ケ .な もし -CW- わた あと こ 

りしが、 扇の 撟 にて 御 臺樣姬 君 公達お 三人 を、 佐 渡と 丹 後の 人 貢へ 三 貫 文に 賫 渡し、 後に て 故 

しう き , と *か へ は やつ せんかた くに おち いへ 4. うす さ a 

主と 聞いて びっくり、 取 返さん にも 波濤 をへ だて篛 ザな さに 國を立 返き、 お 家の 樣子窺 ひしに 

とき かどこう わるだくみ こ.^ W いは か たん *J ん にち こ ^ WW Z おや こ えん き しゅ う 

時廉 公の惡 ェ 是幸 ひと i: 擔 なし 今日 此のぎ へ 人込みし は、 熟 子の 綠を たち 切って お 主 を寶り 

とが う しょぞん う む こ としつき ご やういく ごおん あだかへ ご 

しその 科に、 討た る, - 所存で 討った る 娘、 此の 年月の 御 養育、 御 恩を仇で返せし は 御免な され 

くだ , ぶ, 5 ん つ, し いま は お 5 へけ いづ わぶ て S わび 

て 下さり ませ、 まだし も 武運に 盡 きざる か、 死ぬ る 今際に 御 家の 系圖、 & 手に入りし はお 詫の 

ひと こ こと ま を よう から だ く JS う くだ 

1 つ、 此の 事 申せば 用な き 身體、 ィザ首 討って 下されい。 

< ^はじ ごん こふ ぼ とも とり. & け いづ まこと あら 

初めて あかす 權 六が、 言葉と 共に 取 出 * たす、 系 圖に誠 表 はせ, 5。 

ゝ ト 此の間 權六 よろしく 思 入、 系圆は 1 學へ 渡す。 

、ふた o- からう かん い 

二人の 家老 も 感じ入, 9。 

あく つよ ぜん つよ ふんしつ おいへ け. i.0 て 5 . きでん! Jg 

1 學 ホ、 ヲ惡に 强きは 善に も强 く、 紛失な せし 御 家の 系圖、 手に入つ たる は 貴既の 働き。 



こと おんお^: こ おん ゆく £ しゅくん う あ vug てが- - し , ^に ちに つ. S に 

藏之 殊に は 御 親子の 御行 衞、 主君 を 討ちし 仇 敬、 手掛り 知れし は 何より 巾 I; 義。 

ち- ゥ k-ー お くび 5 こラ しつ ふた たか むぶ 

1 學 そ Q 忠義 を 立てん ばかりに、 首 を 討 たれし 後室 は 二人が 仲の 娘で ありし 力。 

A 4 f tf5 なみだ ねぐ 

, 問 はれて 女房 は 淚を拭 ひ。 

! SJCi を 51 PP かぞ み とせ さ まう くら せま うへ- み^ 

らち お 話 申す も淚 の衝、 數 へて 見れば 五ッ年 先き、 貧しき 暮 しきの たつき に 迫り わらの 上より 紙 雛 

《びな そ うぢが み いわま, E-f す ひ W 

の、 女 雛 を 添へ て 氏神の 岩 木の 社へ 捨てた る 娘。 

わ ,*^ あ +」 乙とば しゅくんい わき やし かみ さう ひろ み づ こ や- かお , kr 

1 學 ヲ、 割符 を 合す その 言葉、 主君 岩 木の^に て^の 授けと 拾 ひし 水チ、 添えて ありし は片 しの 

め n 

^雛。 

ト是 にて 權六首 桶の 男 雄 を 出し。 

.aftb れ = を びな -- e-a e ち ナち もね さいぜん おや Z い とき 卞 fe ぶ, ん 

權六 その 片 割の 此の 男 雛、 子 心に 欲しがつ たも 血& が^に こたへ たか、 最前 羝 子と 云 ひし 時、 隨分 

ほ- • , か うかう 

母へ 孝行に。 

Afci'y? か あま こと tf しゃ n 

M 人形 買うて とぐ わん ぜ なく、 甘へ た 言葉が 一生の。 

あ i $ 55 おや こ こ おや さか ごと こ 申う さきだ , > し I 

甘へ 納め か愔 ない、 熟が 子に なり f が 親に なり、 逆さま 事 も 此の 樣に、 先立つ 知らせであった 

るか。 

<、 さすが A う S なんあい みだ ことば だいく. S て > にまビ う tii * 

流石 男氣も 恩愛に、 亂る、 言葉 代官の 手 まへ 閱 いて 女房 は^^き 上け。 

三莊 太夫 一ー一 六! 一 一 



時代 狂言 傑作 集 三 六 四 

おも 5 は ま は ほど くわ はう ひぶ 5% じ, け.? お P ュら ,ノ わら う、 十 

らち ァ 、思 ひ 廻せば 廻す 程、 果報った ない 娘の 生れ、 邪え な 親の 膛を {s り 藁の 上から 拾 てられた も, 

へ ば J ^えんつ こしう いへ ひろ 

三世の 御 緣で盡 きずして、 故主のお 家へ 拾 はれて。 

» . 5J^k 1 ' ► -, 誉が み うへ くわ はう 1 

お^よ お 乳母と か しづかれ、 冥加に あまる 身の上に、 果報 まけて か 情ない。. 

スも あらう に 現在の、 親に 首を切らる、 と は。 

k くわ こ 5* & み こと か あ. J こと 一 

い 力なる 過去の 荷 業に て か... る 憂目 を 見る 事 か、 可愛い 事 をし ました わい の, 

へ A5fvJ-*5 なほ くど なげ だう り 

女心に いと 5- 猶、 ロ說き 歎く ど 道理 なれ。 

權六 ャァ いつまで 云うても 返らぬ 事、 泣くな <、 ュ、 泣くな と 云 ふに, 

^しか 5 

叱らつ け。 

ご 9? しょさ ま ネて 1 ぶ】 くだ て? くミ |£ 

ィ ザ御兩 所樣、 御手に 掛けて 下さり, ませ、 サァ/ \く、 お 手 を 下して 下されす ばいつ その 事 

に o 

^\ かたな て か 

と 刀 へ 手を掛 くれば。 (ト璲 六 刀 へ 手 を かけ 腹切ら うとす る 蔵 之 進 留めて) 

1E, 一 , は, や ^ やま ゆかば, 9> t- s tea- S5i» S さう ちこう う. i ^ . ら 5ts 

蔵 之 アイ ャ 早まられな 山 岡 殿、 貴殿の 命 は 大事の 命、 政 氏 公 を 討った る 敬、 つぐれ を 買 ひし 浪 だの 

面體 知りし は 其 元ば かり、 死ぬ る 命 を 長ら へて 其敲を 尋ねる が はるかに 增 さる 故お へが 義、 死 



ri ぐらの じ。 】 

なねば ならぬ は藏之 進" 

へ. & はや さし ぞへ ね はら つきた t れ おどる ひと <Y ひと W 

云 ふよら 早く 差添拔 き、 腹へ ぐっと 突立 つれば、 是 はと 驚く 人々 に、 一間に 

しの さぐら どた け X さ もん とも まし $, 

忍びし 櫻戶武 千代、 左 門 も 共に 走ら 出で。 

ト藏之 進 手早く 差 添 を 拔き腹 へ 突立つ る。 ばた く にて 上手よ り 樱戶武 千代 左 門 之 助 出て 来り。 

わ .4 つ £ ち まよ 

樱戶 ヤコ リヤ^ 夫に は 血迷うて か 9 

なに ゅ么 ご せっぷく 

左 門 何故 御 切腹。 

おも は 巴と なお 

一 舉 思 ひ 極めし 事 乍ら^ 

ほや .. 

權六 ュ 、早まった 事、 

1 權 I せし よな ァ, 

と 介抱な せば、 も 負 は 苦しき 息をつぎ。 (ト竹 笛 入り 謎への 合方に なり) 

cru , ち, は k f ^ ごん^め ごしんし ひと かひ て う- 5€ち T つで う 

藏之 ィャ 血迷 ひもせ ぬ狂氣 もせぬ、 權 六^が 御 齓子を 人 買の 手に 寳り たりと も、 お 命に は^ 條な 

x- に」 i- い * ほが しゅくん お々 なきがら や 9 つ ざ? -ん ばす せっぷく 

し、 知らぬ 事と は 云 ひ 乍ら 正しく 主君の 御 亡骸、 槍 突き かけし 大氛 人、 その 揚で 6! ぐに 切腹と- 

B て ふ , uiz のこ u おく どの わた うへ ぐ.: >9? ^ 6 

刀に 手 は 掛け たれ ど、 證 據に殘 りし 此の っ^れ 一 擧 能に 渡せし 上と. わざと 郡 領が繩 に掛 り、 

»> > • ^1 > ' y ' ,-5 ) : ふ ft 2. す いけさ お い (だんぜつ みお ぼ を めい ま. 

此の 陸 奥まで 弓 かれし は、 討った る 者の 無き 時 は、 岩 木の 御 家斷絕 ゆ^ 身に 覺 えなき 汚名 をき 

三莊 太夫 三 六 五 



時代 狂言 傑作 集 三 六 六 

て、 かぬ る l」n で^たり しが、 一 1-1 の 情に て 今日まで 命 長ら へし、 その 甲斐あって 敲 の手& 

り、 紕 かの M 仏^ k れし おは、 おに か-る^も なく、 かぬ るが II の^^ &、 の 上賴み 

3 ごし S あ 9 か おん おやこ ごゆく- 0? がく め ^ みな め、 ゅ^, よ-く W く t;5、 に J> に^^ 

ii く は衡六 1 に は S の 在所 御 親 f の 御行 衞、 一 擧 i に は 御 家の 跡目、 武 千代が 行末 此の 事賴 

へんし ± ,や まさう 5 こう ご ぜん ま を わけ つ^ほつ 

めば 片時 も 早く、 政 氏 公の 御^へ 參り 申譯を 仕 らん 

云 ふ 息 さ へ も 四苦八苦。 

i ホ、 ヲ i 一 &な 編の 鐘、 & りに も禁 へ S ひなせ し、 S1 は 。 

權六 と は ぼへ あったら 武士 を、 死なで 仕よう も あるべき に。 

ぉぢ さまた けよ か あいさう い ■ 、だ - > 

左 門 コ レ 伯父 樣、 武 千代が 可哀相な、 どうぞ 生けて ゐて 下さり ませ。 

と さまし くだ 

武千 父樣 死んで 下さるな や。 

, う こ ども おも S- つ はう み やう ? » 

^戶 ァレ あの 樣に 子供で さへ、 思 ふに まして 女房の 身で、 どの 樣に まァ あらう そいな ァ 

^\ c to^ なきふ も Ai- なみだ かいばう- 

* 手 負に すがり 泣 伏せば、 貰ひ淚 にあら ちが 介抱 

らち そのお^ き は 身に つまされ、 ぉ道堙 とも 御尤もと も、 云 ふに 云 はれぬ 此の 徵の 仕髌。 

ばん * かへ こと こと!^ み ら 1 ち くらの しんど たの 

一 ァ 、千 r€!k うても 返らぬ くり 言、 言葉が 未 來の爲 めに はならぬ。 コ レ藏之 進 殿、 賴みの 趣き 承 

ち さ. V き • わう じぞっ 

抝 せり、 後 氣づか はすと 往生 あれ。 



か Jr 一け な こ うへ がく ご く らうた が かいしゃ くんの 

蔵 之 H 、忝 い、 此の上 は 一 舉 どの、 御苦勞 乍ら 介錯 頼む。 

い およ 

ー舉 ヲ、 云 ふに や 及ぶ。 (ト本 釣鐘】 ^々愁 ひの 思 入) 

し わり だ ぶ & う し を 

權六 ァ 、死すべき 我 は 助り て、 あったら 勇士 を 惜し やな ァ。 

くらの し,? N5 せっぷく とき と しう ごろ せいぜい , とき か M ば. § t ゆ あん 

1 學 アイ ャ藏之 進 私の 切腹 は、 時に 取って 曰ぬ 幸 ひ、 主殺しの 成敗な せし と 時 廉^の、 心 許る すは^ 

の定。 

げ 1 わ h CJ2 こ くび いわき 力 ほ ,ちき し, と B-s.- $ t 

槺六 實に 尤も、 我 も 娘が 此の 首に て 3み 木の 拫葉を 打 切りし と、 おもねり へつら ひ 取 入って、 獍も^ 

事 を 見出さん。 

い .aeu おも ごん ど o ひ MC. しるし, とも わ s くび 』 やく fc し _J, めん ぽ く 

藏之 スリャ 犬 死と 思 ひしに、 權 六^の 娘 御の 首級と 共に^ 首 も、 お 役に 文てば 死後の 面目。 

わが こ さ ひご かどで ち £ つ くや おろれ ュ- か しう ケ2 もん 蓄 おしう W やつが へ 

權六 の 最期 も 門出の 血祭り、 悔 むは 愚 これ 爰に假 りのお 主の 三 貫 文、 誠の 御主に 兩替 なし、 お 

あしたつ しゃ と 5 かへ きづ > * , がく 

足 達者に 伴ひ& らん、 氣遣ひ 召されな 一 學 どの。 

おの §M 和 i を. A し a くん たづ 」 

一 學 ヲ、 頼もし、 く, シテ又 あより 山 岡 どの、 主君の 敵 を 尋ねる に は。 

S いくつ f こ もと ひ にん $た こ にん L う たづ • 

權六 最 屈強の 此のつ ぐれ、 元の 非人の 姿と な bs、 此の 三人のお 主 を 尋ね。 

《ぐ あ ぜ 

藏之 廻り 逄 ふの は 三世の 綠。 

せ わぶ 乙 せ つま 

樓戶 一 世の 我, il 世の 夫。 

三 莊 太夫 三 六 七 



時代 狂言 傻作集 III 六 八 

ひ かげ 玄 あさが ほ 

らち 日影 も 待た で 朝顔の • 

なりゆきみ じみ ひと み 

藏之 成 行 短き 人の 身 は。 

う ふ pit. うさだ 

ー擧 老少不定 定めな き。 

おも ゆめ 

權六 思へば 夢の、 

ラ^よ , II 

五 人 浮世 ぢ やな ァノ 

へ なげ なみだ ときし あき Q ゥゅ た レ ぐれ 

歎く 淚は時 知らぬ、 秋 野の 露 や 山々 を、 染 むる 時雨 も かく やらん。 

ト皆々 愁 ひの 思 入。 此の 以前より 上手 松の 立 木へ 以前の 運 藤 登り 窺 ひ 居る。 一 學是へ 目 を附け 手早く 

手 裏敛を 打つ。 蓮 藤 飛んで おり。 

t:£ ふな? _0 ごん くぶ ねん 

運 藤 二心の 權六 i 念。 

^ くわ^ ねん きり 乙 1 み かば うちおと かたさき き 9*0 

觀 念せ よと 切 込む 刀、 身 を!^ して 打 落し、 肩先 すっぱと 切 下げられ、 その ま 

.5- a- た 

、息 は絕 えに けら。 

と 運 藤 切って 掛るを 立 廻って 切 倒す。 一 學 見て。 

いさぎよ へんし は 4- 

ー學 ホ、 ヲ 潔し、 片時 も 早く。 

よ かどで 

藏之 あの世の 門出。 



權六 にの 世の 旅 



f-ij が く わか たま あと み すて 

我 子の 別れ 魂よ ば ひ、 後に 見 拾て- 



ト本 釣鐘 g 之迤引 1~ す。 一 學刀を 持ち 後ろへ か >- る。 樱戶武 千代す がり 泣く。 攉六は 初姬の 首、 つ 

れを 持ち 行かう とする をお らち 袖に すがる。 双方 引^ リ よろしく * Is- 權六 見合せ。 



篚 さらば- 



、いで s 

出て 行- 



段 切に て 引 張りの 見得よ ろしく 



幕 



四 



丹後國 南山の 場 



役名 元 吉要之 助、 醫者 紋壽、 由 良 三郞、 柴^ 與 五作、 同 又 六、 同 新 太、 同 三 

六、 對王 丸。 安 壽姬。 

三莊 太夫 一 一 一六 九 



時代 狂言 傑作 集 三 七 

本舞臺 一一; 間、 向 ふ 奥深に 山の 遠見。 上下 ^&、 E 而 高足の 山。 上下へ 蛮 心に 登リ 坂、 下手 蔦のから み 

し 松の 立 木 同じく 釣抆。 上の 方 大江郡 領時糜 領地と 記した る榜示 抗。 舞臺前 打 寄せの 浪板、 すべて 丹 

筏の 國 南山の 麓 磯 綾き の體。 こ > -に與 五作 又 六 新 太 三 六 やつし 山た つつけ、 柴^の なりに て摺火 打に 

て 煙萆を 呑み 居る。 浪の 音、 賑やかなる 濱 唄に てせ I あく。 

i ん また こ あさ ほし 55 よる につ てんさ S い せ. S だ くち ざた せめつ か 

與五 何と 叉 六、 此の やうに 朝に 星 を 戴き 夜 は 日 天樣の 入らつ しゃる まで、 精出しても 口汚な く賓使 

23 こと 

はれる と は、 情ない 事で はない か。 

Z くこ ゆ ら はし だてな り あ ひ ぢ とうかく UX な と しゃ-だ, いふ にっぽん こく ぢぅ まお ひと 

叉 六 此の 國で. S 良 撟立成 合の 地頭 格、 三 ケの莊 を 名に 取って 三莊 太夫、 日本 國屮に 又と あるまい 人 

づ. A わ 

遣 ひの 悪る さ /-。 

>」 く ものよ ながいき おせが ね もち ひと こと おおかたお せえ. * ま Ti ^に じ S, うだい 

新 太 僧 まれ 者 世に はにかる と 長生で 大金 持、 鬼と いふ は あの人の 事、 大^ 大 江山の 酒呑 ま 子の 兄 芽 

であらう わい。 

* たおに ひと as さま やさ ひと そ うへ *5 。よら "5 £ & t 

三 六 ィャ又 鬼の やうな 人の 娘に、 おさん 樣の やうな 優しい 人、 其の上 都 女郎に も 負けぬ 器量、 あれ 

とび ^か う こと 

がほんの 鳶 が!! を 生ん • たと は あの 事ぢ や。 

S た Z ごろ うちか- * ^つ だい ほろ 匕う にん あね しのぶ お ふ 21 X すれぐ さ 

又 六 それに 又 此の頃、 こちの 內へ抱 へられた 兄弟の 奉公人、 姉 は 信 夫、 ,は 忘 草、 つま は づれな 

ろ% 

よい 生れつき。 



l、l 4*i > ' fc. ぺ J、 , か あい こと きの ふ 4 ま もど わすれぐ さ しば か な 

與 W 定めて 能い 者の 子供で あらう に、 可愛 さうな 事、 . 昨日 も 山の 戾り がけ、 忘 草が 柴が 刈れぬ と 泣 

ね め ゑ て つ だ しば か ゆうべ 

いて 居た 故、 手 傅うて 柴を 刈って やった ので、 昨夜の ごろ^ /,\ ^よ。 

なに か fsa- こと 

新 太 何 ごろ < と は、 雷の 事 か。 

r - -V ^ * -ん ss^s ^-f ^ だ. a %0 し はしば てつだ も .4V ふ 含ん く こと とれ 

厂广 それよ、 日 一 那^の 雷聲、 兄弟の 者に 汐柴 を手傳 うて やった 者 は、 給金 を吳れ ぬとの 事、 あか 

て つ だ 

ら必ら や 手傳 ふまい ぞ。 

; - . • さま sfe- だい もの A ま t め こ ヒプて 

ぎ 太 した 力お さん 樣は 兄弟の 者 をい としが つて、 山へ t たらば 目 を かけて やってく れいとの 言 傅、 

. , , » いく » 5 へ 

どちらも 主命 なれ ども、 銘々 の 身の上に はか へられぬ。 

叉 六 さう ともく、 此後 はたと ひ 谷へ 落ちよう が、 どんな 怪&を 仕よう が 構 はぬ がよ い。 

I. t ^ . • だい も か あいさう こと 

與 i 何に せい、 兄弟の 者 は 可哀相な 事ぢ やな ァ。 

ト 時の 太鼓に て 花道より. E 良の 三郞、 野 袴ぶ つ さき 大小に て 捕手 四 人附き 出て 舞 臺へ來 り。 

r -5 -. -,. ね を ぢぶ やび と しゃ r だ いふ めしつ. A も ども 

f ャィ くそれ に 居る は 伯父 者 人、 三莊 太夫が 召使 ひの 者 共よ な。 

四 人 はい/ \ 左様で ござり まする。 

三 Rx i^sICK > う J ^ま は-、 ほ c ほい. け^ >± :しャ i?r,*J*> ひ S あんゆ f, ひめ 2-2£. しわ ラ? 05? にんと も ひと かひ て わた ,-? く 

一二お ^方 井 も 承 れ、 奧外岩 木の 領主 政 氏が 娘 安 寄 姫、 ^對王 丸兩人 共、 人 買の 手に 渡り 常國へ 

ノ よ A ぶん と だ ± う? S かね o ぞ し? い い ,* さ CV- く 

來 りしとの 風閉、 からめ 捕って さし 出せば 褒美の 金 は 望み次第、 もし 兄弟と 見るならば 早速に 

一 1 ー莊 太夫 11 一七 一 



時代 狂 言 傑作 蕖 三 七 11 

ち. 5 しん 

注進せ よ。 

四 人 畏 つて ござり まする。 

t か, つ み ども こ れ ^*^/\ .ふ .TIM け らー ま- *,* 

三郞 ^ら. f ぬからぬ やう、 身共 は是 より 村々 へ觸れ 渡らん、 家来 參れ。 

ト 時の 太鼓に て 一一 一郎 捕手 を 引 連れ 上手へ は ひる。 

I. - rti -t な. i.- iffiK だい たづ も しのぶ わすれぐ さ だい 

與五 何と 皆閉 いたか、 兄弟の お尋ね者、 もしゃ 信 夫 や 忘 草が その 兄 芽 では あるまい か • 

rr» こ ふほ 4 ま ひとし ごと 

三 六 そんな 事に 構 はすと、 こち とら は 山へ!^ て 一仕事 やら かさう。 

11X サァ/ \來 やれ/ \。 

ト浪の 音、 濱唄 にて 四 人 は 上手へ は ひる。 矢張り 右の 鳴 物に て 花道より 紋壽牛 纏胶引 一本 ざし 草 粍 管 

笠 を 持ち出て 來り。 

v*?-r * , こュ とき. A ど さま ご &6 ぶん だんな さま うち ゎづ みち つと? - ゆ 

紋竇 ャレ/ \ 草 臥た く、 もう 爱は時 廉樣の 御領 か、 且那檨 の 家へ は 僅かな 道、 ドレ 一 ホ 休んで 行 

1 >* > に とき かど さま だんな さま しぞ 『だ いふ さま ゆ ら なリぁ ひ 

力う 力。 (ト邊 りの 岩へ 腰 を 掛け) ィャ 時廉樣 といへば わしが 日 一 那樣の i ニ莊 太夫 樣は、 由 良 成 合 

¥ズ . ぢ とう > く とき かど f- ま ゆる い ま だい {?2 うざん ゆ *S あんま き 

橋 立と 三莊の 地頭 格、 時廉樣 より 許されて とんと 今では 大名 同然、 それ 故 わし も 按摩から ぉ氣 

w ^ k い しゃ がてん ゆ だん t さま IPS .A ね くだ 

に 入って お 抱へ 醫者、 それ はさう と 合點の 行かぬ はァノ しわい 且那樣 が、 ^くのお 金 を 下され 

ろ よう みちの く .i とし ころ . さが こ みつ ^ 

て、 是を 路用に 陸 奥へ 行って、 年の 頃 は 卄四五 かう く いふ 男が あらば、 探して 來 いと 密事のお 



つ A なに ぐり すみぐ あし ナ さが によ- ひと な 

使 ひ、 何が 五十 四 郡の 隅々 まで、 足 を&り へらす ばかりに 探した が、 似寄った 人 も 無い 故に、 

こと もど » -. - i*- と «• や *L へ た- ,- * しか ノ 

せう 事な しに 一お つて 來 たが、 知れぬ というたら 叱 I" であらう、 ァ、 早く 歸 り 度い が、 叱られる 

むね s X ,b とく じ ゆへ 

のが 胸づ かへ、 いっそ 愛から、 隨德 寺と しょうか、 ィャ, /\ それより は^るが まし、 ィャ よさ 

うか、 M らう か、 コリャ どうしたら よから うな ァ。 (ト立 止る。 ドンく と 波の音の 頭 を 打 込む。; a 

U めん くだ , お, -, ♦ ゝ 

森 はび つくり 飛びの き) はい/^ 御免な されて 下さり ませ。 (ト思 入。 浪の音 を I! いて〕 sa き ゃァカ 

* と うちかへ 

れ浪の 音 だ、 ぐ:, ドレ 家へ^ら うか。 

ト矢跟 り浪の 音に て 紋壽は 上手の 山間へ は ひる。 W ぐに 知らせに 付き 此の 道具 W 所替リ になる。 

本舞逡 1 面 向 ふ 打抆の 海原の 遠見。 上下 袖 山上 手よ き 所に 大江郡 領時廉 領地の 榜示杭 ぁリ。 松の 立 

木, 同じく 釣お" すべて 由 良 濱邊の 道具、 浪 9 音に て納 る。 ト 直ぐ 床の 淨 瑠璃になる G 

^ うきよ X ば じ そ う こと t*- つも つし わう まる あんじ « ひめ 

浮世と はいつ の 世に かは始 りし、 其の 憂き 事の 身に 積る、 對王丸 安 壽姬、 三 

しゃう だいふ て わた し "つ て わざ か S あ ふご しほぐ み をけ な- * なべお feu わか つじ、 

莊 太夫が 手に 渡り、 賤が 手^の 鎌枋、 汐汲 桶の 重きより 、涙の 種 や 別れが 辻。 

ト 此の 文句 浪 の-音、 跳への 合方に て 花道よ リ安 森姬 賤の女の なリ、 腰^ 汐 くみ 袖 を かつぎ、 對王丸 や 

つし な リ嫌を 持ちき て、 舞 臺へ來 n 思 入。 

*£- あね 5M なほ .Art お IJic あ くだ 

對王 中し 姉檨、 け ふは猶 しもお^ の やつれ、 御心惡 しう は ござり ませぬ か、 烦 うてば し 下さります 

1J 一 , 莊 太 夫 三 七 一ー一 



時代 狂言 傑作 集 三 七 四 

るな。 

か^ ま^ょ^ * せっかん 155 な . なん あ 5 しう ぐん じ i さラぢ さま 

安壽 さう いやる そなたの 紙、 钲 夜々々 の 折檻が 病に 成らいで 何とせ う、 奥州 五十 四 郡の 主 政 氏樣の 

わす - おおみ い み いや わざ げ ナ^-つこう まいにち ( か しほし ば け ふ しづお す $ 

忘れ形見と 云 はる, - 身が、 賤 しい 業の 下 素 奉公、 ^日々々 三 荷の 汐柴、 今日は 賤に 助けられ 數 

あは ゆ ふ ペレ W け ふ fc* fc す ゆ. しょ しば か 

を 合せし 夕の 仕蘧、 今日 は^が 助けて くれよう、 サァ 山へ 行き や、 わし も 一 緖に柴 刈らう。 

さきた ちゆ たもと とり 

サァ. ( -ぁぢ やと 先に 立、 行く 缺に 取す がか。 (ト 安壽姬 泣 乍ら 山の 方へ 行かう とする 

封 王 留めて) 

« あね さま . しょ ^£ S しほ たれく ひとく もら う ちゃう 

對王 コレ 姉樣、 わしと 一緒に 山へ 往て、 お まへの 潮 は 誰が 汲みます、 人に 汲んで 貰うて さへ 打ち 打 

JJ^> く K う まへ みう へ こと わお なん 

鄹の棒 ざん まい、 ひょっとお 前の 身の上に もしもの 事が あ. つたら ば、 ^しゃ 何とせ うどうせ う 

せま い あそ B とも I ほ く 

ぞ、 サァ く^へ お出で 遊ばせ、 私 も 共に 汐 汲まう。 

5 おと- 20 4 う あね KJ じ. みづ から をな C 

安壽 ヲ、 よう 云うて たもった、 弟な りやこ そその 樣に、 姉 を 大事に かけて たもる、 自は 女子の 

こと だいじ * との ご こ さね かま あ ま ゆ 

i*、 そなた は. K 事の 殿御の 子、 姉に 構 はす. W へ 行き や。 

わお 

對王 ィ H く 私し や。 

安壽 ィャ わしが。 

^6 ちす V- しんみ い-ね f ct 

爭ふ思 ひ 血筋の 親身。 (ト兩 人よ ろしく あって〕 いつまで 云うても^ ら ぬく, 9 言、 



お- v a たなんぎ しぼし ごと あね は a ゆ け r> 

遲 うなって は 又 難儀、 そなた も 山で 柴 仕事、 姉 も濱へ 行きます る、 怪我せ ぬ 

やうに してた もや。 

*、 けが やう 

對王 そんなら お前 も 怪我せ ぬ 様に。 

^たの な わか わか つじ みぎ ひだ a ひとあし S たちどま 

赖む/ \ も 泣き別れ、 別れが 辻 を 右左、 一足 行て は 立留ら o 

ト兩人 泣きながら 安 P 姬は 上手、 對王丸 は 二 赏の山 下手へ 行き かける。 雨ん 振り返り 思 入。 

つし わう も * 色 の r て あし たま ま ね つ S づ ^-c ft 

安 毒 コ レ對 王、 まだ 四方 山に 殘る 雪、 手足 もこぐ へ堪 るまい、 かなら す 木の 根に 躓いて、 ^へ 落ち 

てた もんな や。 

J\ S しだい .0 は なな f ひくし は 

と 云 ふ も 次^に 遠ざかり、 同じ 思 ひに 引汐 の。 (ト 11 人 行かう として 振" 返り〕 

$ あね さま しほ さそ なが あま 

對王 巾し 姉^、 汐に誘 はれ 流れてば し耠 はるな。 

へ かげみ の あが X こた や Risk- た はるがすみ な? だ 

影 見 ゆるまで 延び 上 6-、 呼べ ど 答へ も山彥 の、 姿へ だつ る 春霞 、涙ながら に 

たどり 行く。 

ト兩人 振り返りく、 よろしく 上下へ 別れて は ひる。 

n» tv 8 みよし 4«め の すけ し £ じん め ぐ- * た たんごき fe む S3 ち う 

爱に元 .f: 口 要 之 助 は、 主人に 廻り 逄 はん 爲め、 たどり 丹 後の 北 は づれ、 胸に 忠 

三莊 太夫 =1 七 五 



時代 狂言 傑作 集 三 七 六 

^ ゆら tta I 

義を由 良が 濱。 

ト浪の 一昔 時の 鐘に なり、 花笾 より 元吉耍 之 助 大小 半-合羽 旅な =^ 笠 を 持 出て、 K に 舞 薆へ來 "思 入。 

•Jk た。 ご ゆら はまべ <s* はし ご しゅじん さま!^ た ひ. V かひ お ^ x な * ひ ► 

耍之 爱は丹 後の 由 良の 濱邊、 いつぞや 扇の 橋に て 御主人 檨方を 人 買の 爲め に鎏 はれ, 夜 を 日に っレ 

お f?z»J たづ <. ま てが- - いまさと びと はなし き こ くに ぢ とほ ル^ た. い, ュ つ ふ , 

で it 仃 衞を尋 ぬれ ど、 今 は あぞと 手掛り も、 今 里人が 話を閗 けば 此の 國の 地頭 三莊 太夫に 使 は 

ゥま ? T だい z WS ござ て が ひ * も. y ) fc- 

る-、 R はづれ よき 兄弟 ありとの 噂、 もし 此の所に 御座 ある や、 どうぞよ き 手掛り を、 求め 度 

きもの ぢ やな ァ。 

、しあ,!' あ^み X み Ktt 3 か しも ど のこ ちい あん あと 3 ヽ ? 

思案に くれて * 行 寄り 見廻す 坂に 霜解けの しめりに 殘る 小さき 足跡 9 要 之 

助 坂 口 を 見て〕 

* ま S ち ひ あしあと しば か あしあと , わ かほみ I 咬お-. . > „ B 

この 山路に 小さき 足跡、 柴 刈る 童の 足跡 か、 もし 若君の 御 足蹴に て は あらざる か。 

へ^しし _J ふ * と た はう じ み 1 M o 

, 虫が 知らす か 此方の 麓に、 立った る榜示 をき つと 見付け 

お! ぐん ぶん こ I とき.?: "ぞ ヌん _> ' a ド,^ じ", ^ > さろ -ド sf> - 

ム 、ガ 江の 郡領 時應領 が、 スリャ 此の所 は 咩廉が 領分なる か もしゃ 御主人 此の所に 御座 あら 

なに と -I ♦ まみち ひと, たづ L 1 Z 3 

ばあや ふしく、 何 は 兎 も あれ 此の 山道、 一 まづ 尋ねて それく。 

、敵なら ぬ^に^ ましく、 i ひし I へと i ね!: く。 ?耍之助思 入あって 上手へ は ひる リ 

へ f や S もどぐ いぜん やま にん "つ 

折から 山を戾 り來 る、 以前の 山が つ 四 人 連れ 



ト浪の 音、 以前の 四人柴 を^ 负ひ 上手の 山よ "出て 來り。 

ま ひるし ご と これ こ しば うち けこ 5 まお ひが レ *i 、ゆ, -,, > > 

叉 六 サァく 先づ寳 仕事 は^でよ い、 此の 柴を 家へ 運び入れて、 又柬の 山へ 行 力す ばなる まい。 

しか さいぜん やう い i せっかく たの わけれ ぐ さ 丄は. A こ: お-ば 94 k , 

與五 併し 最前の 檨には 云 ふ もの-^、 おさん 樣の 折角のお 頼み、 忘 草が 柴^る 事 は覺柬 ない。 

z y ち Bb ど C / tfA 一 h ナ A こ. 4 しば お レ 

新 太 どうで 此の 道へ 戾 つて 來るは 知れた 事、 助けて やる と 云 はすに、 爱へ柴 を S3- いて 行って やらう 

では あるまい か。 

ひと たナ わる むく »1 く _*>- へ お や ■> > , 

三 六 それく 人 を 助ければ 惡 うは 報 ふまい、 銘々 一 抱づ& 置いて 行って やらう。 

、み 5 もぺ t し は をけ,.' 

"見やる 磯邊へ ひた (. -と、 流れ 寄った る汐 の賴。 

ト浪の 音 はげしく 舞臺 前の 切 穴より 汐梯 流れて 來る。 

.し ほ をけ な! A » 

新 太 ァレ く、 あすこへ 汐 桶が 流れて 来たく。 

なが やう と 9 ち J5 

與五 ドレ/ \ 流れぬ 樣に 取って やらう。 (與 五作 切 穴よ" 桶 を 取上げ 見て) ャ、 コリャ こちの 內の 印の 

をけ しのぶ な W %0 たち » >i し^はせ 

桶ぢ や、 コリャ てっきり 信 夫め が あやまって 流した 物で あらう、 おいら 達の 目に 掛 つて 幸と 

いふ もの。 

レ たづ a * しほく お , 》 - 

三 六 さう と は 知らす うろ /( \I i て、 尋ねて 居る であらう、 是も 愛へ 汐を 汲み こんで K9- いて やらう 

ト 111 六汐を 汲み 能き 所へ 笸く。 

三莊 太夫 一 一一 七 七 



時代 狂官 傑作 集 三 七 八 

^ うちと も Q み うち はや »j . 

叉 六 あで よいく、 內 外の 者に 見られぬ 內、 早く 行か うぢ やない か。 

三人 サァく ござれく。 

^みな n> うちつ *" ちかへ 

皆々 打 連れ立 歸る。 (ト 浪の眘 にて 四 人 花道へ は ひる) 

お わか 5a- み て な しぼ か 《- て あし 55 ら S せんかた 

御いた はしゃ 若君 は、 まして 手 馴れぬ 柴莂 の、 手足 を 茨に 切り さかれ、 詮方 

も なくお はせ しが o 

ト 時の 鐘に て 下手の 山より 對王 丸、 鎩を 持ちし をく と 出て 舞 裏へ 下りて。 

とて 5 んっ う み うへ. S*j はぢ おも ぎ こみ レ 45 ねゥ へ さぞ 

對王 迚も 運盡 きし 憂き身の 上、 生 恥 を さらさん より はと 思 ひ 切りながら、 此の 身が 死なば 姉上の 嘸 

A な いま たび; * ほ * レ お こ ひ 

や 悲しう お ぼ されん、 今一度お 顔が 見て 死に 度い、 戀 しう ござります わい なう。 

n. あ s はまべ をけ なみ なさ みち み 

し を/ \步 行む 濱邊に は、 稀 も ひしゃく も浪に とられ、 淚に道 も 見え わかぬ、 

3 かみち ぐ だ 

坂道 を 下る をら しも 

ト浪の 音。 上手より 安 壽姬、 しほく として 出て 雨 人顏を 見合せ。 

つし わう 

安壽 ゃ對王 か。 

あねう へさえ 

對王 姉上 樣か。 

へい li か *J とば M さきお H き かまお づ* 

云 ふよ. り 外に 言葉な く、 淚 先立つ ばか. 9 なり、 思; S 切って 鎌 追 取 ftNO (ト兩 人 



安壽 

對王 



手 を 取り 泣く。 對王 丸籙を 取って。) 

^さま & さらば。 (ト 鎌に て 死なう とする。 安^ 娛 驚き 留めて) 

、と" な は て ,i ,っ| o 

取 直す 手に すかり 付き 

コリ ャ&が 1 うたか ii、 譴に 6 の^、 ま ァく& つてた もい なう • 

\ ? ^tfe かほ あ 、 

へ觀 ら れて顏 Ai げ。 J ? :: , !. 

鐽とは i えませぬ、 おち 乳 あだに か しづかれ たる^が、 賤 しい 逢に 踏まれ 叩かれる ロ惜 

しさ、 @ の 1 れコ レ^、 きして f して 下さり ませ。 5 f 

S ヲ、 その illr ぢゃ、 顯ぢ やが わしが う^や。 (ぶ 4 手" き 橋のと 

I、 Iff, きみか ff 波され、 世に も暫 此^ 

^ 一一 C 太 S の s、 g ない f i しい は S 甲 さぞず くらして おはす であらう、 f 

は 一^ おんで ^できれるなら、 つれない 1 をき の 1 も、 f でぎ」 て は I わい なう。 

ュ I と^にの たまへば。 

ど. 】 ヒ- つ &て 

對王 ィ H く ^露う 鋭うても、 何 f きね る當 もな し。 い : 霍 

き まして かよわい 霞の i の S が 1 とな-、 もしも & があった なら、 im 

三莊 太夫 一一" , 



時代 狂 言 傑作 集 111 八 

t SS3 これほど * す, だま お VJ2 

^も 佛も是 程まで、 見^て 耠 ふか コ レ 弟ノ 

おねさ ま 

對王 姉樣。 

安壽 恨めしい。 . 

兩人 世の中 ぢ やな ァ。 

へたが いだ ぜんごし ゆうたいな しブ P しわう *3S tt ら 

"互 ひに ひっしと 抱きつき、 前後 正體 泣き沈む、 對王は 淚を拂 ひ。 

ト兩 人よ ろしく。 對王丸 榜示杭 を 見て、 

うへ si ころ いへ みだ おほえ と -? &ど ちか もんじ わか, > ほん 1- 力 

對王 父上 樣を 殺した も、 家の 亂れ も.^ 江の 時廉、 領地と 書いた る 文字の 別れ、 せめて は 切って 本望 

遂げん。 

A. C ラ V ねんりき か a おっと W- うちか ぐ だ ち 

"かよ はき 小 腕 も 一念 力、 鎌 追 取て 打掛 くれば、 みぢん に碎け 飛び散った,^、 

い- V か ( しほ々 き しじゅう み ゆか、 

磯よ, 9 歸る 鹽燒が 始終 を 見す まし 行き 掛る。 

ト對王 丸 鎌に て 榜示杌 を 打つ、 仕掛に て 二つに 割れる。 浪の 音に て 上手より 鹽燒 びつ ちう 鎩を かつぎ 

W る。 此の 體を 見て 思 入あって 引返して 下手へ は ひる。 雨 人是を 知らず。 

つし わう うら ? 》 き ぼうじで. , : ^ * > 4 バ も-ん ほ: * 

安壽 コレ對 王、 恨みと 思 ひ 切った る榜 示、 出來 しゃった く、 さりながら 今日の 役目の 汐 たきに、 

加 も ま ラめぁ なん 

1ft も 持た す歸 つて は、 憂き目に 逢 はん 何とせ う。 



, うろ/ \兌 廻す 此方の 沙柴。 ?安^ 姬 以前の 柴と汐 を 見て) 

だれ JS と 5 み てん あた ろれ おと-さ 

ャァ誰 人の 情なる か、 天の 與へ、 嬉し や 弟。 

おね 55 はや 

對王 姉樣 早う。 

、上ろ こ うち いへ しめび な あん た^か ( 

悅ぶ 中に も 家の 首尾、 泣く ( - 案じ 立 歸る、 

ト浪の 音に て 對王丸 件の 柴を負 ひ、 安壽姬 汐桶を やうく かつぎ、 思 入あって 兩人 花道へ は ひる。 

f» しほ 力き うしん ゆ ら らう Kt- かへ 

鹽燒が 注進に、 由 良の 三 郞立歸 り。 (ト浪 の 音 上手よ "以前の. E 良の 三郞 捕手 四 人 

て來 り。) 

けらい ども しほ やき ちう しん ぼうじ 43 だ. S ざ- IC ん てわけ たづ だ 

三郞 家来 共、 汐 1 が 注進に て 榜示を 切った る 大罪 人、 手 分して ts- ね 出せ。 

柿 人 心^ました。 

へた プ L い - , げち- ► 乙 W た <i みち こ- - みつけだ 62 のす け t> か ひつ 

尋ね 出 だせと 下知の 下、 此方の 山道 そ 乙 愛と、 見附 出した る 要 之 助、 中に 引 

た A つと り W 

立て 追取卷 き。 

ト 捕手 四 人 上手の 山へ は ひり、 直に 以前の 耍之助 を 引立て 來り • 

なに あや す らろ にん 

捕 一 何 か 怪しき 素浪人、 

四 人 動くな。 

一二 莊 太夫 =1 八 I 



時代 狂 苜 傑作 集 111 八 二 

お やくに^ なん 

耍之 コ リヤ^ 役人、 何とな さる-^ 

なに わう だ-つも と , 

三郞 ャァ何 をす ると は 横道 者、 それからめ 取れ, 

四 人 はッ、 やらぬ わ。 

、か こ a さう ば う と かこと A た >y プ でんどう 

畏 つたと 双方より、 捕った と 掛かる を 事と もせす、 もの ま、 二人 を 頭轉 倒、 

たうで ぐみ つ ひねな が こて みぎ ひだ リ なげ 

又も 腕に 紅 付く を、 捻り 乍ら もさ そくの 小手 かへ し、 右と 左に 投 のけた 6NC 

ト 四,、 a る を 耍之助 立 廻って 投け のけて。 

て む. S- 

1 一; 郞 コリャ 手 向 ひか。 

め おや S にん このね う み と ぉぽ 

耍之 りゃう じ 召さるな 御 役人、 此カ 身に 取り 覺ぇは ごさらぬ。 

お « い ほうじ ぐ ひ き .5 はき よ るゐ と キ-、 どこう 5 ら やつ 

三郞 ャ ア^えない と は 云 はさぬ く、 榜示杭 を 切りし は 岩 木の 餘類、 時 廉公を 恨む 奴に 極まった、 

じ/, c§ >s 一 

サァ^ 常に^ 期な せ。 

、ことば むね f 

言葉に ぎつ くう 胸に 針。 

, ぜ うじ き お とが -* 

要 之 ャ、、 スリャ 掛示を 切りし 御 咎めと な * 

M 遯れぬ 所。 

四 人 腕 廻せ。 (ト是 にて 耍 之ぬ 思 入) 



耍之 &示を 切りし なん ぞと は、 此の 身に 露い さ &か覺 えな けれど、 たって と あらば 刀の手前、 共の 

ぶん t 

分に は 許さぬ ぞ。 

, > は^ぐ わ 5 あ を ► さい くわ. 5 ねん 

三郞 ャァ& 外なる 靑ニネ め、^ 念な せ。 

でわん ねん f C かたな ぬ あは 5 ひら ひら つけ い ぼや 

觀 念せ よと 切 込む 刀, 拔き 合せて てう/ \/\、 打てば 開き 開けば 附 入る 早 

わざ ゥち乙 がまん tt さ ひばな ちら た 、か かなめ し SB れん 

業 さそく、 いらつ V- 打 込む 我慢の 刃先き、 火花 を 散して 戰 ひしが、 耍の 手練 

らう かな に ゆ 

に 三 郞は叶 はぬ ゆるせと 逃げて 行く。 

ト三郞 刀 を找き 切って 掛る。 要 之 助拔き 合せ 立廼 りあって、 トビ 三郎叶 はず 捕手 先に 一 li 郞 花道へ 逃げ 

て は ひる。 耍之助 後見 送リ思 人。 

ひて な g めの すけ かたな さや 5 ぼら 

"相手 無ければ 要 之 助、 刀 を 鞘へ ち, 5 打ち 拂ひ。 (ト耍 之 助 刀 を 納め 思 人) 

, い が ひ, ス ほざ むら ひ ながお む a¥ ifc た 5J 乂 お- - せいさつ 含 とがにん ごし » 

耍之 云 ひ 甲斐な き 木の 菜 、 長 追 ひせん も 無益の 至り、 只 心 掛りは 制札 を^り し 科 人、 もし 御主 

じん ポ た お わざ だいじ とき こ み ひきう なに ご * やつ だい おみ うへ 

人力の 鉀 仕^なれば 一 大寧、 まさか の^は 此の 身に 引受け、 何 は ともあれ 御兄弟の s:^ の 上、 

つ て もと だ いふかた すぐ 

何 手 を 求めて、 三^ 太夫 カへ是 より 直に、 さ うぢ や/ \。 

ひあ^ た V こ-ろ は- V みち £ふ ひ かげ § ii しゃ そち こち レ ゆ ら 

一人 ごちつ、 旅 は き、 心細 道 夕日 陰、 甫 にあらぬ 西 山へ、 遠近 知らぬ 由 良 

三莊 太夫 一一 一八 一 一 一 



時代 狂言 傑作 集 111 八 四 

と わた あほ はしおて たん ごじま しゅじん ゆく A す も ひろ 

の戶を 渡る や 天の 橋 立 も、 まだ ふみやらぬ 丹 後島、 主人の 行 衞末廣 き、 ゆる 

6 なめばん だい はべ あと なり あ ひ さと たプ 

がぬ 要^ 代の、 濱邊も 後に 成 合の、 里 を 尋ねて。 

ト耍之 助 身 ごしら へして 行かう とする。 以前の 捕手 二人 窺 ひ 出て 掛る。 耍之助 立 廻りあって 兩 人を當 

て、 ッカ くと 花道へ 行く。 兩人ム 、と 心附 く。 要 之 助 小石 をつ ぶてに 打つ。 兩人 見事に 返る。 床の 

三重 寺 鐘に て、 耍之助 花道 へ は ひる。 是を 1 ッ ぱいに 

幕 



大詰 由 良の 湊の揚 

役名 三莊 太夫、 元 吉要之 介、 山 岡權六 事權藤 次、 由 良 三郞、 醫者 紋壽、 下男 

與 五作、 同 五介、 同 新 太、 同 三 六、 國分寺 同宿 殘生、 同宿 頓才、 同 珍 念、 同歡 

念、 對王 丸。 三莊 太夫 妻 なぎさ、 安 騫姬、 娘お さん、 腰元。 

本 舞臺三 間の 間中 足の 二重。 本緣 付き。 上手 筋 違 練 * の 折 廻し。 此の 前に 莉柴を 積 上げ 山枋 など を立掛 



け 同し く 前 側に 汐汲柿 大分お ベ、 いつもの 所に 中 門 を 見せ、 下手 は枨羽 nj、 こ、 に^ g など 掛け あ 

9 ^に 鋤微 まんぐ わな ど 取^ら し、 すべて 由 良の 湊三茈 太夫 家の 體。 尤も 豪家の もやう よんし く、 

浪の 音麥捣 の 合方に て、 賑やかに 蓀 あく。 

<ほ4/クが:&^1: 、 ば > ちほぶ やが,^ a り あび レま ばし J-て し? § ら しゃつ あは 

丹 後の 國に 隙れ なき、 由 良 千 軒の 長者 號、 成 合の 莊橋 立の 莊. E 良の 莊 合して 

1 ニ^- ^tttitTJ に、 r-^ しほ は W め やま ふな a ち なと S こ ひ とブト 

三 莊の主 なれ は 三莊 太夫と 用 ひられ、^ 濱野山 舟 持の、 音に 間え し 人 I ひ、 

み. - - め,? ふ , . 3 んせぅ a た. 5- i 

辛き 目 見せて 責 使へば、 山椒と も 又 異名せ り。 

ト 此の間 坊主 ®f やつし 一 本 ざし、 旅な" の释 者紋 森、 菅笠 を 持ち 狀箱を 掛け 花道より 舞 さへ 來る。 下男 

眼 介 出来り K 方よ ろしく 思 人 あ つ て。 

. --, ^^5 い *も ど 

紋^ ^介、 今^った ぞょ。 

l-vh い しゃ もんじゅさま ひさみ ど- 

^介 ヲ、 ふ脔 者の 紋寄樣 か、 久しく 兌え さっし やり ませなん だが、 何 お へ ござらつ しゃり まし JJ。 

之さ ト . だん^ L5^> はよう, . あう し, い き "まもど 

サァ ぶ^ 樣の內 ffl で、 奥州まで 行って 来たが とうく Mis つた。 

眼 介 それ は 大きに 御 ik€ で ござりました、^ &で ^がきの i から、 モウ^り さうな f たと^ 

1? ま 

日 待って ござらつ しゃりました。 

紋濤 定めて さう で. あらう、 ^の! I で^った が モウ! りになる、 啭に の ^£ は S し は 

三莊 太夫 一 一 一 八 五 



時代 狂霄 傑作 集 三 八 六 

なくなつ たかな。 

二 ごよ こごと とり わ ぶ ^ *5 

眼 介 どうして/ \ 憎まれ 子 世に はばかる と、 日に まし 叱 言 はつのる ばかり、 取 分け わしら は 不器 n 

ゆお う だ i つ L か, » & - 9 

故、 ァノ でっかい 目玉で にらみ けられ、 叱られて はかり 居ります 

ひさ ぶ *fc こ ごと き 

紋壽 マ 、それで はわし も 久し振りで、 又 叱 一一 一一 〔を閗 かやばなる まい。 

「つぶやき 入らに ける。 (と 眼 助 案内して 紋壽庭 通り を 上手へ 雨 人 は ひる) 

へ *っ はる ぐれ やす ゆ ふゥげ どり こ. e や *< し - たぶ ゆへ 、*£ こぶ" */- ぐち 》p» :o 

まだ 初春の 暮 易き、 夕吿 鳥の 聲々 より、 野 山 仕舞うて 立 歸る男 共力 口々 に 

ト 波の音、 テン ッ、 になり 花道より 前 慕の 與 五作 五介 新. K1 一 一 六 出て 來り 花道に て。 

あ しか け ふ し _J とんま ^ 

與五 ャレく いかうしん どうで 有った、 然し まァ 今日 だけの 仕事 は 仕舞うた と 云 ふ もの, 

ほ たら からだ ほ ね たま 

丘 介 そ^い やい、 カウ 働いて は骸も 骨も堪 つた もので はない わい。」 

新 太 然し 是 から 明日まで はこち の 身體。 

はや い だ^こ 

三. -ハ サァ 早く 行て &草 でも 呑まう ではない か。 

與五 サァ來 やれ/、。 

ト鳴 杓に て 本 舞 臺へ來 る。 此の 時下 男 三人まん ぐ わ 鋤銥を 持ち、 迻りを 取 片附け 乍ら 上手より 出て K 

方 行 合 ひ。 



下 巧 ャ、 わ いら. K が a? かった な a 

て £ へたち L ごとし ま 

與五 手前 達 も 仕事 仕舞うた のか。 

下^ ィャ/ \ さ うで も 無いての a 

ば i ? ね 

五介 デモもう 煙草^: みして 居る ぢ やない か * 

一一; 人 ヲッと コリャ あやま つたわえ。 

& け ふ S むこと あ 

三 六 ィャ あやまつ たと 云へば、 ャレく 今日は ゑら い 寒い 事で 有った な ァ。 

しか ほ * けさお ゆき 拳 M a5 だ ヒー.? ft_A S » 

與五 それい やい、 然し その 笞も あらう かい、 今朝 降りた 雪で 山 も 畑 もお ろし 大根の 中 を 歩行く やう 

で、 身 先から ぎり/ \ まで こ ぐへ た。 

こ やう せめつ か なが くひ もの むま ぶめ し な うはお 

五介 此の様に 贲使ひ 乍ら、 喰 物と いへば 麥八 分の 钣に ほし 菜の 上證 きぢ や。 

ほう こうにん く * ふ だんえ い 之う. ^いぐ. くら ふと つら だまし ひ 

新 太 奉公人の 口 は ひそめ、 おのれ は不斷 榮耀榮 華、 喰 ひ 太った 面魂 ぢ やない かい。 

く は 2* へやお S やう に 2« > . お |> S 

1 二 六 ヲ、 それに かて &加 へて あの 娘 の^み ぢ やとて、 部屋から 下り 此の様に II を 飼 ひ ちらす^ 父 

め。 

ばち あた 

與五 あいつに 罸が 常ら すば、 あたる もの は あるまい- 

• >ら » * も さん 41- うたい ぷ つ. な- 

五介 ひりく と 辛い 目 見せ 居る、 山彻 太夫と はよう 附 けた 名で はない か a 

三莊 太夫 一一 1 八 七 



皆々 

三莊 

皆々 



一一: 莊 

與五 

一一: 六 

一一: 莊 



は 



時代 狂 ^ ^作 集 一一 一八』 

^ ぐ ラ しろ 

と 口々 そしる 後より。 (ト奧 にて〕 



ャァ かしましい がらくた めら、 うぬ 一 さ 胍 かす 温が ある、 0^f,tf^ 

そ りやこ そから い 太夫 跌。 

^\ 1 - f K 4 ,** . たちい プ あるじ た いふ 

こそ (-ぅ つまる 一間 よら、 立 出る 主の 太夫、 あのれば か 6 はう ま.^^ ひ 

暖 にきて 人 をず めて か あ ふ、 00mf ftff 

ふとんし ャ I 

の、 蒲圑を 敷かせ どっかと 塍し。 

ト ffi に 文句の 問 女 小姓 煎の 皮 を 敷き、 手 あぶり 長 煙 膂附の 煙草盆 を 持ち、 a: 中 能き 所 へ^し は ひる。 

奥より 漏 太夫 好み? しらへ にて 出て 來り、 後に 鹿の角の:: 掛け、 詹 謎への 大小 掛け あり、 S 

太夫よ ろしく 鹧の 皮の 上に 住 ひ、 邊リを 見廻 L こなしあって。 

寺ゝ いま 

ャ イカら くた めら、 今お のれら 何 をぬ かした、 そ ぬかせ。 

へ ィぐ, ィャも あなたのお 家に 居ります は、 ぉ概 な ぢ やと、 なう ^お。 

お. し.^ V- 1 - ^ , 4, ぼ i み * よ 

與,^ 作 力. & します 通タ、 お^い 事ぢ やと あ 寄り こぞって。 

またさん せろ だ レユ つ な 

2 、それに ヌ 山椒 太夫と は、 よう 附け た^と はどうして ぬか クて。 



^:々 ァ、 それまで を * コリ ャ堪ら ぬ。 (ト昝 々ふるへ 乍ら 下に 居る〕 

-- :: fe ち. _5- わ *-.**< ごくせ 5 した £ 

一一, 莊 ャァざ は/ \ と 立騷 いで 姦しい、 極道 めら、 下に 居らぬ かい。 

八お に ひとぐ ち つ 

鬼. 一 口に かみ 附 けられ。 

皆々 は- * アイ o ( ト昝々 ふるへ 乍ら 下に 居る) 

しん ? う よも やつら ゥ まレ t 

1ニ 莊 力、、、、、 ハテ さて^の 臓の 弱い 奴等、 エイ まァ それ は それにして やらう が、 野 山 仕舞うて 

もど、 あ- ナ -ん Is し ひと おの ざ ふごん 

戾 つたら 翌 B の 仕事の 仕 こし はせ す、 のらば かり かわいて 人も賴 まぬ 貌ー K ぬかす、 じたい それ 

し ご とてば あす しごと ぶい © 3 ま ± ま 

とい ふ も 仕事が 手 張らぬ から、 翌日から はいつ もの 仕事に 一倍 まし、 野から 山から 髒濱 まで、 

し ど め S ごん はう ぴ * お か はけ ふ 

みぢん でものら く かわく と 盒留 する ぞ、 1 言ぬ かした n リャ 褒美 ぢゃ、 又 その代り 今日から 

ナ& ザん こ^ おも .A お な .U 

は、 少しば かりの 善棍 とやら ぢ やと 思うて、 九 ッの感 の 鳴る まで 夜なべ をさせる わ。 

呰々 ュ、。 

,-•:」 . rtm^ こ^ ,„ . » • ばん ど,:.?.! j す お *- * ま -r e くせう 

三莊 ァ、 コリャ 何 驚く 事が ある ぞ 一恭 鷄が 唄うたら^ 1 ぐに 起て 野 山へ うせ ふ * ァ、 爰な 極^ めら が 

A た tf こわ ふ iet VJA 

煙草 輸に 吹く いがみ づら、 男 共 はわなく^。 

五-介 ァ 、 コ レ皆閗 いたか、 扱ても 手 ひどい 云附ぢ やない か。 

新 太 それい やい、 此の上に 一 係增 しと は If 迦 でも 行かぬ 地獄 責。 

=1 莊 太夫 11】 八 九 



時代 狂霄 傑作 集 =1大0 

ぞ ごく ぜめ 9$. わ S ほん M .4 つ , ほ-^ &i . • ; ) ' 

三莊 地獄 資とは 慮外 千禹、 何奴がぬ かいた、 その 頰 げた 叩き まげて ゆがめて くれう。 

皆々 へ 子ィ。 (ト 逃げよう とする) 

三莊 うぬら 動かば 身の上 だぞ。 

せ u !々 ハ ヽィ。 (ト うづく まる〕. 

た f 1 うかき に As ばう 5- で » 

ずい と 立って 有 あ ふ 箒の めった 打ち、 斯 くと 聞く より 女房 かけ 出、 押しへ, た 

て o 

ト三莊 太夫 立上り 有 あ ふ 箒に て^;々 を打据 へる。 奥より バタく にて 妻 なぎさ、 ふけた る 女房の こし 

らへ にて 出て 來 り三莊 太夫 を 留め。 

これ fc い AM め こ 4 し <- なん 乙と む, しゅけ ら S 

なぎ ァ 、是 ははした ない 太夫^、 是 そなた 衆 も 何の 事ぢ や、 たと ひ 無理が あらう とも 主家 來ぢ やと 

はら た れ うけん はら だ- おう こと あと めぴ 

あきらめて、 腹 も 立た うが 料簡して、 ィャ腹 立 さす 檨な 事が ある もの か、 わしが 後で^ をす る 

_W3 は やかって, ゆ, » 

その 間 早う 勝手へ 行き やい の, 

ほ. "なにと 4< ね 》 ほ * 

1 ニ莊 ァ、 ィャ くお 婆 何 留める、 コリャ あいつら のど ぜぅ骨 をた め 直す のぢ や、 ェヽ のき やく, 

の ^ 

返け と 云 ふに, 

はらだち 1 け A わび ほど は. や ^ , .» 

なぎ サ了 その 股 立 は 尤も ぢゃ、 なれ ど 今日は わしが 詫ます る 程に、 サァ 早う 行き やらぬ かいな う。 



、; に g^、 I? ぎ-ぐに 逃げて ゆく。 c ト? 下手へ 逃げて は ひる) 

と だ" じ ひとつ か くつ か/, > 

三 ま ァ 、なんの 留めいでも 大事ない に、 ァ人を 使へば 苦 を 使へ ちゃ。 

\ ふとんう へ 

へと つぶやき/ \ 蒲圑の 上。 (ト 奥より 腰元 三 立 出て〕 

^ • おき^へ "4^ げ ます、 化 I ぞゃ 酸^へ お出でな された 御醫 者の 紋壽樣 が、 先程 &られ まして ご 

ざり まする。 

三莊 ム、 た 、せに 二十 三の 男 を 連れて 來 たか。 

ひと 》 み ど 

腰 三 ィヱく 一 人で 戾られ ました。 

b £ ろ ぎん づ 6* こと 

三莊 ム 、無駄な 路金を 費した、 いまく しい 事 だな ァ。, 

k ん ご よ? こ- - > よ > , 

なぎ 何の 御 用 かち やっと 爱へ 呼んで ぉぢ や。 

三莊 ィャ モウい、 く。 

腰 三 左!! ならばよ ろしう ござります るか。 (ト^ 元三 臭へ は ひる) 

三莊 極道 めら にぎって !£5 も 1^ もめき/ (\ 云 ふわえ。 

なぎ さいな ァ、 H ももう f$、 その 様に 世話 やかす と チト氣 をね らした がよ いで はない か、 K 

リャ わしが かう して &か ぬか 知らぬ が、 lib つて P げ うわい なう。 

一 11 莊 太夫 一一 一九 一 



時代 狂言 傑作 集 一一 I カー 一 

へお に にょうば う ほとけし やう き かた 5 ち さす 5- うちた^: 

鬼の^ 房の 佛性、 あら 氣も肩 も 打 や はら r、 流石に 內の齊 な, OVO 

ト 此の間 なぎさ 三莊 太夫の 肩 を もむ 事よ ろしく。 

へ ん S た 5K«i ひと S41 かりし ば かた いて あし つま プ 4 し S 

御 痛 はしゃ 兄^ は、 人の 情 を刘柴 に、 肩 もく び 入る 手 も 足 も、 躓附く 石に 切 

な W ち し は 丁,' なさ 5 みべ いて くし は たいふ こも < か 

,9 さかれ、 沈る、 血汐 血の 淚、 海邊に 出て 汲む 汐 より、 太夫の 心 汲み 兼ねて、 

V つれ ど かへ 

泣く/ \ 連立ち 歸ら る、。 

ト 此の 文句に て搏く 波の音、 花道よ リ安壽 姬 汐汲みの なリ、 腰 蓑に て 汐汲梯 を かつぎし ほく 出る。 

後より 對王 丸^: 柴の なりに て 跳へ の 柴を袢 負 ひ、 よろしく 出て 直ぐに 舞臺へ 来り。 

.J うさ ま _*!>< いま かへ 

安壽 お 主樣、 只今^りまして、 

安 對 ござり まする。 (ト兩 人 荷 を 下し 下に 住 ふ。 なぎさ 見て〕 

f だい はや たい * A\ 4. ナ 

なき ヲ、 兄弟 か 早かった なう、 大儀々々、 ま ア^ \ ちゃつ と 休 みやいな う。 

S を, いへ さま わたくし ゎナれ ぐ さ またし. * いそ いそ に おも 

安 壽 ハイく 申しお 家檨、 私 も 忘 草 もお そな つたら 又 叱られう と、 急げば 急ぐ 程 荷 も i く、 やう 

fcrus だん.^ ^ま V- き げん そこ と 》- tA\* ねお ま を 

やう 只今、 日 一^ 様の 御機嫌の 損ねぬ やうに お 取な し、 そなた も 共々 御 願 ひ 巾し や。 

_ 烹を い ハ さま わ JS くだ 

對王 アイく 申しお^^、 どうぞ 詫して 下さり ませ。 

き 、"s . > だん. さま ご き げん ほど な それ t し e 

なき ヲ、 氣邊 ひしゃん な、 且那樣 も 御機嫌が よい 称-にの、 必らす 其 を 案じ やん な、 それ はさう と 信 



ぶ さ く かぴ 4; すれぐ S だいぶ せいで. , だべ,^ * ぶふ ?!! だい 

夫 も 嘸ぞ草 外れた であらう-、 忘 草 も 大分に 精が 出ました わい のう、 ヲ 、旦那 どの, 今日は 兄! S; 

な: a = と ほか で やうす み はや きう そく ,- ► . ) > 

乍ら 殊の外^ が 出た 樣チ、 兒て ほめて やって、 早う 休 S3 さした がよう ござらう わい なう。 

<\ fj-c ぼ もら ふ かぜ 

> とりなす 言葉 も 空 吹く 風。 

sir だ 1- とも もど しのぶ わすお ぐ さ ふた, ともし ほ しぱ たす もら ひと, - 

三莊 ム、 兄弟 共に 昃り しとな、 どれく、 ヲ、 信 夫 忘 草、 二人共 汐も柴 も 助けて 貰 はや、 一人し 

く 尹 こ- 1 も »,? ん み う へたち し 

て 汲んだり 刘 つたり した か、 ム 、それ はよう した。 此處に 持って来い、 吟味した 上 そち 達が 仕 

ごとち が かってし だい きう そく 》s こォ、 > 

事に逭 ひなく ば 勝手次^に 休总し ろ、 コリャ その 品是へ 持て。 

A 5a んみ と いだめが" i. に き < わ,、 ふゆ。、.、 、、; o 

吟味 するとて 取. 9 出す 目 鏡の 光、 小 氣眛惡 る さに 二人 はおつ ( 、 

ト 此の間 一 一一 莊太夫 ^巾よ リ n 铵を 出し かける。 對王 安壽姬 おろく とふる へ て 居る。 

わすれぐ さ こ b こと な £ ど しば ^んな ?の そば も % ^ 

なぎ コレ忘 草、 怖い 事 は 無 い^に その 柴を日 一都 肱の 傍へ 持ち や、 ちゃつ と 持って行き やい なう。 

ないぎ な さけ かりし ば as- だ > 

內義の 情莂柴 をて はぐ 乍ら さし 出せば 

ト封 王お づく柴 を緣の 上へ 持って行く。 111 莊 太夫 あちこちと 引 S し 見る 事あって。 

111 莊 ム、 超 はわれが 河った 柴か。 

わた くし .* > しば 

對王 はい。 (ト うぢく して 居る 故、 安籙姬 わし ぢ やと 云へ とこな し〕 はい 私 が^: つた 柴で ござり まする 

ト云 ひにく さう にい ふ、 三 莊 太夫 苦笑 ひして。 

=1 莊 太夫 三 九 三 



時代 狂 首 傑作 集 三 九 四 

われ で , e ろ S 9 つ ほ こぶん あす か しば か , 

1 ニ莊 ヲ、 汝が 出かす く、 なか/ \ 揃 ひ 口が 立派な、 此の 分なら 翌日から 三 荷の 柴に七 S! まし、 十 

4> か を > 

荷づっ 河り 居らう 

對王 M 、。(びっくり こなし。 なぎさ 思 入あって) 

S ん JC と た 4 ふ .5 か" t - ■& SS ひ か あいさ 5 ftfc 

なぎ ァ 、モシ 日; 那殿、 ィャ 太夫 どの、 如 % に 云 ひ 度い 甲斐 ぢ やとて、 マ、 可哀相に、 よう 思うても 

み ひりき <¥• だい や ほり. S ままで $ あ; K れ ぅポ; :? , > 

おやし やん せ、 ァノ 非力な 兄弟に、 コリャ 矢 張 今迄の 数に 合して 了簡して。 

三莊 やかましい。 

^ ラ けん わる ^う むべ 

なぎ サァ 了簡して やらし やん したら、 惡ぃ樣 に は 報 はぬ もの- 

コ; 莊 I れ。 

こ ?* * まが そだ ^ , » 

なぎ ァ 、 .4.. 供ぢゃ もの、 まんざらに 山家 育ちと も 見えぬ もの を 其 やうに 

11; 莊 &れ。 

*- めつ. * とて s^s 

なぎ 齊遣 ふたら 迚も 命 もた まるまい。 

三莊 , れ。 

なぎ 子 を 持って こそ 人の!. 1- の、 可^さ は 巷らぬ もの ぢ やと、 云 ふで は ござんせ ぬか。 

ポ i ^ま を 

1 ニ莊 默 れ《、 默り g らう。 



なぎ "ゝ アイ ゝヽ ヽヽ。 

われ そ こと けら 1 ども つけあが い f さま ぢ ぶつ さ i 

1ニ 莊 H 、これ 汝が丼 やうに、 あまの ぢ やくな 事ぬ かす 故、 家來 共が 附 上り、 お 家樣ぢ やお 持 佛樣の 

をなん? b き こ しば 

とぬ かし 居る わい、 何のく、 情 どころ かよく K けよ、 コリ ャャィ わつ ばめ、 此の 柴 はわれが 

u U と 

仕事 ぢゃ あるまい が。 

わ たくし 

對王 ィヽェ そり や 私が。 

1 ニ莊 ィャ ぬかすまい く、 小 わつ ばめ、 うぬが 手仕事で たい 事 は、 黑 い^で 見 留めて 匿いた わ • 

わすれぐ さ か じしん s *w 

なぎ ァ 、 コ レ忘 革が t 刈った のぢ やと、 自身に 云 ふから よも や^ひ は。 

おち U こと を 

三莊 ァ、 われ 達が 知った 事ぢ やない、 すつ こんで 居れ。 

なぎ それち やというて そり や 又 あんまり。 

なに むら? T- A れ S は こ しば もす 

三莊 あんまりと は 何が あんま. OZ 村 中へ も觸を 廻し 此のが きめら に柴 一本、 助けて やるな と 云 ひつ 

や みこし; そ ろき の ふ けさ きも し 

けて 造りし に、 コリャ 見よ、 此の 柴の揃 ひに 昨日まで も、 今朝まで も^の 持ち やう さへ 知らぬ 

やつ てわざ しつぶ しほ たナ もら て つ 2 

奴、 おのれば かりが 手業に やゆかぬ、 信 夫め も その 汐 どいつに 助けて 貰うた、 どうで も 手傳ひ 

手が^け り や 叶 はぬ、 それぬ かせ。—、 

安^ アイ^. \。 

三莊 太夫 一 一! 九 五 



時代 狂言 傑作 集 一一 一九 山、 

三莊 ぬかさぬ か。」 

安壽 アイぐ。 

三 菊 ぬかさぬ かよ、 ぬかさに やう ぬら 手 ひどい £ に。 (ト立 上らう とする 故〕 

安壽 マ 、!. します くわいな ァ、 ァノ I にも 辦 けて m はね ど g も^? fir す、 f(f 

みちす ぢ す あ も か, I 

道筋に- 捨て X 有った を ツイ 持って 歸 りまして ござります。 

封 王 もう 御 堪忍な されて、 

くさ 

兩人 下さり ませ。 

一一: 莊 堪忍と は どこへ 歡忍、 野太い 女郎め、 t ねて こりる やうに、 どせ う g へ g えさせん。 (ト立 上る〕 

安對 アレイ ( ト 逃げよう とする を〕 

- lit みう ご SS* 

三 追 うぬら 身動きな さば 命がない UJ。 

、 ft. やま^う ご また ん 

庭に あ 6. 立ち 山柺、 又、 とたぐ ひも あら^ g。 

ト三莊 太夫 庭 へ ぉリて 打擲しょう とする をな ぎさ^め て。 

•-£1 で^ な しほ しば は * ^fc 

なき ァ 、中し 日ー那 どの、 沙も柴 も わしが 斗ら ひ、 の^った^ ではない、 モウ^^して やって お 

されい の、 ァ、 ひが ひすな 二人 を その 樣な もので 打って たまる もの かいの、 サァ戰 うきず, PC 



の、 ちゃつ と 逃げた がよ いわいな う。 

, 献を もみあせ る を 耳に も かけず。 

かま こ fc 

三莊 ャァ おば、^ ふな、 ャィ S へう せぬ か。 

兩人 ァ ィ。 (ト こなしあって) 

こん ど しほ しほ ひと 9 .S た 

安壽 今度から 柴も汐 も 一人して 致し ませう。 

ゆる くだ 

對王 どつ ぞ 許して 下さり ませ。 

き あらき あ ふご なさけ う な だ S や-つ だ い 

詫ぶ る も 問かぬ 荒氣 の柺、 なぐり 情 もめった 打ち、 わつ と 泣き出す 兄^ を、 

にょうぼう も を りカら 

か^うて 女房 も 持て あました る 折 柄に。 (ト なぎさ 留める を 突き 退け、 安壽姬 S 王. K を S 

付け 打郷 する。) 

へ あるじ を ひ A C の らう どう き もと ザら あんない い ? % 

4n の 甥 由 良 三郞、 同氣 求む るいが み 面、 案內 もせず 入り 來り。 

ト 花^より 由 良 三郎、 摑み 立て 野 袴ぶ つ さき 火 小な りに て 出て 来り、 直ぐに 舞 へ來 り。 

t れ を S ?- やび と こ S む S? . なに * たほうこう にん , » >to 

f 一一郎 はく 伯父 者 人、 此の 寒い のに 庭へ おりて 何 をい らくら、 H 、 コリャ 叉 奉公人 めら が、 氣隨 

tfe ら ゅ么 もぢ じ や びと CA みこ としょ み あ. 1 ど わぶ ま- き 卞ね よ 

做く 故 か、 伯父 者 人の 心 よしを 見込み、 年寄りと 兌 侮りて 我 傣氣隨 なあぢ やに 依ってと うから 

らう まも こと モ^ むこ : 1L .< ふう ふ く. > むし ナ 

一 一; 郞が 巾さぬ 事 か *ぁ を^ t になされ ば その 御 苦勞は 掛け ませぬ に、 ァ 、たで^ ふ 虫 も 好きく 

三莊 太夫 一一 1 九 七 



S- 代 狂言 傑作 集 ー11 九 八 

ノ-レ ひと タ み * ラし ぼん なに こし ひざ fc 

と^. たけた おむ す をい つまで 一 人身で、 ァ、 笑止 千 萬、 ィャ何 そいつら を 腰 膝の 立たぬ やうに 

よ み ども てつだ 

ぶち Q めしたが 能う ござる、 なんなら 身共 手條 ひませ うか (ト 寄らう とする を なぎさへ だて、。: * 

なぎ ァ 、コレ^の そち、 I! も g むと^ ひもせ ぬに、 さし 出 さっし やらす とこな たは そっちへ 控 へて 

居た がよう ござる わい の。 

igs ど さど こと はら >-9 $ ^^1^ . 

§ 成 IT これ も 尤も、 いらぬ 事の 脰 へらし、 取お けなら 取お き 申さう、 ィャ それ は 內證、 何 V- 父 

ドメ やび と S はな を だ 4 S つ よう 

者 人、 急に お話し 申さに やならぬ 大公 用 

なにこう よう 

三莊 何 公用と は。 

とキ; かどこう き こうさ ま . く^き ふ^ 5 > > ► 9 

三郞 ィャ サ時廄 公より 貴公 樣へ、 火急な 仰せつ けが ござって わざ/ \ 

A き たいふ さな は ) 

と 聞いて 太夫 も 座に 直れば。 

ト是 にて 二 m へ 住 ふ。 三郞も 二重へ 上り こなし、 此の 内 始終 文句 を 縫って きぬた 入リ 合方。 

らう とキ -.4 どこう くわき ふ OS- 5 きづ 4- , , けけ.., : , -) 3 » 

コ;^ コリャ く 一一; 郎、 時廉 公より 火急な 上意と は氣造 はしい、 シテ く樣子 はな \ なんとち や • 

き .2 め _w とき. 6M こう 》- 5J もつ ,-5- . s,^. 

三郞 ィャ/ >\氣 遣 ひ 召さる \ 依 では ござらぬ、 時廉 公より 繪姿を 以てお 尋 おなさる \兄^ 姉 は 安 

じゅ お *2 つし わう みっ^? n 4 _ • ^ ^ ^ ' V ^ * ) • » 

一お で 弟は對 王と やらい ふわつ ぱ、 見附け 次第に 討って なりと も、 ^れ來 れと嚴 しい 云 ひつけ 

fsi ゑ f^ij こぶ ご らん 一 9 

卽ち繪 姿是 にあ リ。 (ト铵 中よ" 蜜 姿 を 二 枚 出して〕. コ レ御覽 なされい 



i\ だ ゑ ^ に tt ぶた B- み ひやあせ たいふめ^ I 、 

さし 出す 繪姿、 庭に 二人 は 身に 冷汗、 太夫 は H 鏡に ためつ すがめ CNO (よろし 

く 見る^あって) 

こ つし わう *s だ S ^* »_ はんくわん £さ う S £ ?» わ *4fe せん, -PS.?. お. や? - , やく^ J > 

三莊 ム、 此の 對土 兄^ は 岩 木の 刺官政 氏の 子供、 ゆ ゑあって i 爲 めに も;^ 議 仕度き 奴 ばら、 厄 病の 

** や £ らう CA ^ . ^っズ ^ - a 

祌で 敵と やら、 三郎も 心を附 けて、 ナ合 II か。 

A 3 ほどこ は 5? だい み ^ _ら、ソ かぷ . 

と 間く 稃 怖き 兄弟 は、 身 を ふる はして 居た,^ ける 三郞 重ねて。 

なに & S じ ゃぴと .き と, おにん * スに 125 なさ ま る^» お^ 之, か.; h しぶ 

三郞 ィャ何 伯父 者 人、 ぉ閗 きな されい、 まだ 大 それた^: 人 あ^、 今日 脔 山の 境目 大 江の 15 領と喾 記 

ぼうじ S ,"を く も と, Ms て e は i 〜に w '*u.^^ , ♦、 

した 榜示 杭、 切 折った る 曲者、 からめ 取らん となした る 所、 手强き 奴に て 取 逃し 後 追 かけし が 

ゆく 》$ レ おも ふ A くと, > 

行衞 知れす、 思 はぬ 不^ を 取って ござる。 

たし いけき よる .« なに だいじ." * ん WE- こ * ぼな が, つ ほ > , 

三莊 ヲ、 そやつ も^かに お 木の 餘類、 何にもせ よ 大事の 詮議 は 此の 縫 姿、 ナ 合^力。 

ト安窈 姬封王 丸へ 思 入。 三郎吞 込み。 

なろ ほど らう 

一 一一郎 成程 三郞 とくと。 

一 一; 莊 合^が いったら 一 ズ來 よ。 

1 ニ郞 心^ました。 

なぎ それ 二人の^ も 納戸へ 行き や a 

=1 莊 太夫 HI 九九 



時代 狂 僧 作 集 

あ 9 がた , ) » 

お 對 有難う ござり まする 

三郞 アイ ャ彼 奴等 は。 

なにごと み むね 1 

三莊 ハ テ何^ も 身が 胸に- 

しか を 5 づゃ びと 

一一! 郞 然 らば 伯父 者 人。 

らラ ま 

三莊 三郞來 やれ。 

。い々 のへ だての 襖、 引 別れて ど 入りに ける 

ト三莊 太夫 先に 由 良 一一: 郎 奥へ は ひる。 塞姬舊 丸 はなぎ さ を 拜み下 2 は ひる。 なぎさ 思 入あって 

上手 屎體へ は ひる。 

の、 K は 難れ ど 難らぬ は! I も なれ や、 おの" 戀 故に 物 思 ふ三莊 太夫 

こ ノもと ま たち V ( 

が? IIil、 おさんが がと. に、 腰元 はした 一間 を 立 出で。 

ト 此の 間奧 より 娘お さん、 根 袖 娘 好みの なり、 もの 思 ひのこな しに 5 て來 る。 f 腰元 四 人 附添 ひ 

出て 來り、 文句の 切れ 合方。 

一 gfe さん、 ァ ノまァ rftal はどう なさ れた、 おしつ らいかし 知らね ども。 . 

i 一 ァノ やうに お ま & にば かり でな されて は、 一倍の 御氣 のむ す ぼれ。 



Z えし さき みは ナ 5ft 

腰 三 此の 綠 先の 見晴らしで、 あなたのお 好きな 歌が るた。 

またす ご をり ばな ぞょ ^い あ, そ t 

腰 四 又 双六な りと 折 花な.^ と、 御意に 入った を 遊ばして 

腰 一 サァ お遊び、 

四 人 なされ ませい なァ? 

みな ち ひ k-J 0- タ T\ 

さん 皆の 者の 何 云 やる、 わしゃ とんと 氣が 浮かぬ, e いの? 

toi まへ さま あ く. へや ? 》 - 一 

腰 一 さァ その 樣に お前 樣が、 明けても 暮れても お 部 星にば かり、 もの S はしい ぉ顔附 きで、 ふさい 

で お出でな されます 故。 

で - さま あ^ 

腰 二 おしつ らいで も 出ようかと、 お袋 樣の きついお 紫 じ。 

おぼしめ ま おみ ご そん- 

腰 三 その やうに くよ/ \ 思 召す は、 第 一 あなたの 御身の 御 損。 1 

とかく ひと tic > ? y 

腰 三 兎角 人 は 心の 持ち やうと 申し ますれば、 

5 きく , > 

四 人 チト 浮々 となされ ませい なァ。 

わお * おち その i OA 5 ゎナ きょねん なつ <?j け ふ 4 つ のぼ > 

さん サァ私 身 達が 其 やうに 云 やっても、 わしが 心の 浮かぬ の は 忘れ もせぬ 去年の s、 都 見物に 登つ 

i* «*•< つ * そ との-J どこ おかた な し こば _ に ひびと し; 5~ , に. - A 

た 時、 & 祭りに 見初めた 殿御、 何 虛の御 方 かお 名 さへ も、 知らで 焦る^- 戀人 を、 慕 ふ 此の 身の 

せつ す. QO? 

切な さ を 推量して たも ひなう。 

一 1J 莊 太夫 西 01 



時代 狂言 傑作 集 



r する f f r * 四 oil 

推量して とばから にて、 又も 思 ひに 伏し g ひ。 

まひ まつ 



そのと *- みち a - j 

スリャ 葵祭 タの其 時に、 お見^めな された^^ があって- 

それ 故 あなた はくよ と。 

おも A ぐ あ 

な サんァ きで 思 ふに 廻り も 逢 はす、 ァノ三 gfg ない、 それで If し いわいな う; 

何の それなら 5! 樣に、 暑す, ごず I う、 0fxfn0i. f や 

つて^-ござ リ まする わい な ァ。 

ゆん か 4 ,、- 

何のお 謂し なされ?; かう した 響 やと ツイ は早ゃぅ、 f やつたが^ うご ざり まする • 

たと ひ I! 處の御 方た にせよ、 ;纏 S! ふ あなたのお^ i かいで^ しませう。 

四ノ 逢 はれぬ 事 は ござりますまい わい^ ァ。 

腰元 共に はげまされ、 思 ひま ぎら す K の戤、 の戤に は^はね ど、 麫^^ 

は そ こ爱 と、 御主の 有 家 « ね わび、 き のおの W にた、 ずみ て。 

ト 此の 内 花道より 元吉耍 之 助、 半 合羽 旅な り 大小に て 出て 來り、 直ぐに 門口へ 來て、 

耍之 アイ ャ、 きの! sg へ します る。 



さん 

腰 一 



^と こ^ 

と 音な ふ聲 に。 

膝 一 アイ、 どなた 樣で ござり まする。 

< 門の 戶 あくれば 小腰を か IX め。 (ト 睽 元 一 立って 門口 を あける。 要 之 介會釋 して) 

ゆき くら たび も ふち あんない なんぎ レ ごく なに. よ ひ やや ど ごむ しん i を 

耍之 行暮 せし 旅の 者、 不知 乾. 2: に 難儀 至極、 何卒 今宵 一夜の 舍り、 御 無心 申した うご ざり まする 一 

3 ご, カろ にん さま き ゆきく fels ひと や やど おの 

腰 一 *. し 御寮人 樣、 ぉ閒 きな されました か、 行 暮らせし 旅のお 人が、 一 夜の 舍りを 頼みます るが、 

ぷ 

どう 致し ませう ぞ いな ァ 

, なに お やす U よう 5 ■ i 

さん それ は 何より 御 安い 御用、 こちらへ お入れ 申 しゃいの。 

, 何 心なく 見合す 顏 o (ト おさん 門口 を 見る。 耍之介 も 內を萌 き 兩人菝 を 見合せ) 

ャ お前 は。 

とおさん はび つくら 飛 立つ 思 ひ、 顏 つれ-^ と 打 眺め。 (ト おさん 思 入あって) 

プ、 さ うぢ やく、 あなた ぢ やく、 能う まァ お出でな され ましたな ァ。 

f»iitt か 上ろ. J 

俄にい そ/ \悅 ベば。 . 

t0 C れ. んさ £ ^ iM 一 

腰 二 申し 御寮人 樣、 つい ぞ 見た 事 もない お 方 を、 あなた ぢ やくと。 

二 一一 莊 太 夫 四 011 一 



時代 狂^ 傑作 集 四 o 四 

四 人 どうな されました ので ござります ぞいな ァ, 

こ としつ *- かお My 

さん サァ あなたが 此の 年月、 こがれく たお ガぢ やわい なァ。 

みそ , 

腰 一 ェ 、そんなら あなたが、 お見初めな された、 お 方で ござります かい ナ。 

こが ご 1 & み だい め いきう つ と ご 

腰 二 ほんに まァ お焦れな された も 御尤も、 とんと 畫で 見た 八 代 目に、 生寫 しなよ い 殿御。 

ぢきく とほ ま を 

腰 三 サァ く、 あなた 直 々にこつ ちへ お通し 申した が、 

四 人 よろしう ござります わい なァ。 

へ 突. やられても ぢ./ \o (ト 腰元 四 人お さん を 無理に 前へ 出す。 是に てこな しあって) 

ける 3 ル 含 たび そら ご なん %* とほ ^ > 1 

さん 春 まだ 寒き 雪 もよ ひ 、旅の空に は さぞ かし 御難 骸、 ま ァ./ \ こちらへ お通りな され ませい なァ。 

さっそく u ち か たじけ な さ やう こと ば しさ ► ご めん Z くだ 

耍之 これ はく 早速 御 承知、 忝 うござ^ まする、 左樣 ならばお 言葉に 隨ひ 御免な されて 下さり 

ませ。 

ご めん わら V ひ _» 5*ftt ら しさ うちと ほ 

御免な されと 草鞋の 紐 を、 と《 ちら 打拂 ひ、 會釋 M ぼして 打 通れば、 あ 

茶よ 煙草と と, 9 /\ に、 もてなし はやす どかし まし、。 

ト 此の間 耍之介 草鞋 をぬ ぎ 上の 方へ 通る。 呰々 拾 ゼリフ にて 茶 煙草盆 を 出す。 

お ま くだ み 5 こと ひろ £ 5 へ な お e 

アイ ャく、 必ら やお 構 ひ 下さるな、 ィャ 見受け ますれば 殊 なう 廣き 此のお 家、 そつじ 乍ら 御 



し 4 じ.? 

主人 は。 

問 はれて 娘 は。 

なが Z さと ぢ と く ► ん*< だ い^ i , 

さん アイ、 おは もじ 乍ら 此の 里の 地頭 格、 三莊 太^と 申します る。 一 

^0 い ぶ^め まお 

耍之 ャァ ノ三莊 太夫 跺 とな、 シテ又 そ もじ は。 

B む Ts i ものい U おみし < だ 

さん 私 は 娘の さんと 中し ます 者、 以後 は 御 知り 下さり ませい な ァ* . 

A き § X たよ むね SCJJ 、る t ろ こ し ¥ゅ 5^ 

, 聞く に 要は 能き 便りと、 胸に 一 物心の 悅び、 それと 知らねば 娘 は 嬉しく いそ 

.( - する を 見て取って、 腰元 共 は 囁き 合 ひ。 (ト 此の £ 腰元 四 人 © き 合 ひ 思 入あって) 

/さま ちやこし 

腰 一 ドレお 客樣 へお 茶 持ら へて、 

四 人 さし 上げ ませう。 

へ 云 ふ を 言葉の 機に して、 打 連れ 奥へ 立って 行く。 (ト四 人 奥へ は ひる) 

へ 後に おさん はお も は ゆく。 

fr お これ S な 力 

さん ァ、 コ レく, わしば かり 爰に 置いて、 ^いなう、 まァく 待って たも や、 コ レぉ 仲、 およし 

なう * 

S 莊 4< 夫 8Q 五 



時 一代 狂言 傑作 集 四 

い XI ら t ん S ひ かほ te< 62 

へ SSS ぼ 乙の あどな さに、 今更 何と 云 ひ 兼ねて、 あからむ 顏ど 憎から ぬ、 要 

の すけ さと * 、-- 

之 介 も それと 悟, OSV -。 

耍之 11の|ー|:の1れ、 -I ふ ムロふ もき ぎ i と i にかぬ お 放ながら かくお やさしき お 志、 

かたじけな • 3 

忝 うご ざり まする。 

へか弒 "しとい ふ 雛 を、 ^ めし 釘に ffi^-。 ? 文句の 切れ 跳へ 合さ 

さん ^に^ぬ とは醚 えませぬ、 ^あれば こそ! -si のお、 ?1 歳ぶ hs で 嬉しい お 目 もじ、 よう ひ 出し 

み くだ , 

て 見て 下さり ませい なァ 

耍之 ィャ^ ひ^せと^ はれても、 こっち に^えの i い^なれば、 シテ わしに 緲 うたと 云 はる-は、 

そり や いづれ いづく にて。 

さん モ シ あなた は #&.の 四が りに P 加 i へ、 お !3 でな された 事が ござり ませう が。 

要 之 いかに. 44 はきに あって、 鹏顏 とつれ ぐに、 S り をお に 一 i つたが、 そんなら その 時 そ 

もじに は。 

さん S はした にい ざな はれず ての Is り、 S ずしい i りの si、 しかもき 鳥居 先、 慕 打ち 

ま は さ じ 含 うち 

廻した 棧 敷の 內。 



耍之 TiSA っ^? 截、 いづく の辭 が^なる かと、 見やる 折し も 青葉 吹く、 S に 飛び散る 古今 捐子。 

こと とな み , > > 5 'ズゝ > 

さん ひ よんな 事 をと 隣り から、 見れば その 時 あなたの 御手へ。 

fcJJ" , さ ,一き c *i う し もど さ とき 

耍之 折よ く 受けて 棧敷 越し、 その ま i 帽子 を戾 せし が、 扨て は その 時 まみえ たる、 そ もじ は 娘て あ 

つたる か。 

とき 3 5 & レ ろ. A ^た 5sf > 

さん サァ その 時 衩ても 情ら しい、 色 も 香 も ある 方樣と < 

メ思ひ 初めても あぼ 乙 氣に、 なんと 云 ひ 寄る よすが もな く、 あ 名 さへ 問 はず そ 

りか しもが も *«4 ひ X つ あ * えんこい も > > 

のま、 に、 ほいない 別れ を 下 加 茂の、 葵祭り に 逢 ふとい ふ 緣 を 心の うら 力 

たに o 

み こ こん ほうし; だ 

あなたのお 身に ふれられた、 古今 帽子 を 抱きしめて • 

<\ はだみ はは ねんご ど あ た 

"肌身 放さず 二 年越し、 どう どま 一 度 逢 ひ 度い と、 ありと あらゆる 神様 や、 佛 

様に 無理い うて。 

& うた E- 斐 あって、 嫫 しいぎ^、 ようま ァ來 ておくれな され ましたな ァ。 

、ひ ^ ゥ y め ご、 ろ 

膝に ひっしと すがり 附く、 娘心 ど わらな けれ C 

111 莊 太夫 四 七 



時代 狂賈. 傑作 集 85 八 

, • , それほど ら KS わす お .* たじけ ft 1 

耍之 夫 程までの 志、 忘れ は 置かぬ、 忝う ござる わい の。 

おっとし めた る 手の 內に、 千 束の 戀ゃ乙 もる らん。 (ト兩 人よ ろしく 思 入) 

^ si fc ばぐち あんじゅつ しわう B, やつ にん ひジた ぃプ ゆ 6 らう 

か、 る 所へ 庭 口よ, 9、 安 壽對王 兩人を 引立て 出る 由 良 三郞。 

三郞 がきめ、 うせう。 

f であ ,tfy かほみ 

出合 ひ 頭に 顏 見て びっくり。 

ト 此の間 上手より 三郞、 安 壽姬對 王 丸 を 引立て 出て 來る。 是 にて 耍之 介お さん 飛 退く。 此の 時 三郞耍 

之 介 を 見て" 

- ほうじ き くせ も Q 

ャ われ は 榜示を 切った る 曲者。 

要 之 ャ、 なんと。 

f» み? -a だい 

身 構へ なせば 兄弟 は。 

安對 ャ そち は。 

耍之 ヲ、 あなた は、 ィャ 知らぬ/ \ 、いっかな 知らぬ ( ト安壽 姬對王 丸に 吞込 せる) 榜示を 切った 懲 

え は 無い ぞ。 

• -,> し. その ま- - お はく 0*5 ^う-?? <i . 

三 郞 ャァ 知らぬ というて 其 儘に さし SW- かう か、 白状 亡す ば lc 門な して。 



ぼラじ ぎ,- J 

對王 マ 、ィャ 榜示を 切った は? 

w\ ^ ラ ちけ 

云 ふ を 打消し。 

こと fc んっ \ t 

耍之 ァ 、 コ レ めったな 蔡を。 (ト 押へ 扨て は對 王が 切リ しとい ふ 思 入あって) 一 日ー 包み隠せし かど、 かく 

て ザめ うへ ぜひお よ ぼうじ き み ども 

手 詰になる 上 は 是非に 及ばす、 榜示を 切った は 身共で ござる。 

さ はく £k- . ^くご 

三郞 扨て こそ 白狀、 覺期 なせ ノ 

耍之 ィザ繩 を 掛けさつ しゃれ。 

^ およ 

三郞 云 ふに や 及ぶ。 

* 取繩 たぐって しめ 上 ぐれば、 おさん はび つくら。 a 一一郎 耍之 介へ 轭を掛 る) 

なに ゆお こ な はめ.. 

さん ャ、、 コリャ 何故に 此の 繩目 

ほうじ き とが ゆ _* fc- 一 

要 之 サァ榜 示 を 切りし 科 故に • 

なん まへ 

さん 何のお 前が。 

ばう じ ぎ • . 

安對 榜示を 切りし は。 

ま をな にい し ぶ ? »ご 1 ほ み し I わ たくし , , き V と 

耍之 ァ 、 コ レく 巾し 何も 云 ふまい、 知らぬ顔な ナ娘 御漾、 見す 知らす の 私 にし をら しいお 一一 一一 a 

4 かたじけな <is とがにん レ かば み なんぎ か. * む HS ご fxl ご 一 \-< ^い 

葉、 忝 いが 私 は 科 人、 知った 顔な さる X とお 身に 難儀が 掛 hs ます ぞ、 ナ 娘御樣 御息才 なお 

111 莊 太夫 四 九 



時代 狂言 傑作 集 四 ー0 

か^ み. お ふお ^ こと ゆく あ たづ ほうじ き お 

顏を 見れば モウ^ ひ la く 事み ぢん もない、 お 行 衞を荨 ねさ まよ ひ、 榜示を 切った はんが それと 

ナゐ o? とのな はめ さ だ ふ びん ぉぽ しめ わたくし ^0 ご くらう 

推量して 此繩 目、 定めて 不便と 思 召し ませう が、 私 より は その 姿、 さぞ 御苦勞 をな さる.^ で 

ャゐ ぶ;^ み ご たいせつ あ; V くだ なに くだ き 

ござり ませう、 隨分ぉ 身 を 御大 切に 遊ばして 下さり ませ、 モウ 何もい うて 下さり ますな、 閗け 

なほ さ Z むね くだ やう おも 

ば 猶更ら 此の 胸が、 碎廿る 樣に思 はれて。 

六 あとえ い, なみだまん む" まい ぐ だ S や 备 い 

と 後 は 得 云 はず はらく,/ \、 M ぼす 淚は千 萬 無量、 云 はで 碎 くる 兄弟の、 

e 、る うち y め わが み こ 、る え 

心の 內乙そ いぢら しき、 娘 は 我 身と 心得て。 

E ことほみ つみ うきめ-あ SA 

さん M 、恨めしい そのお 一 一一 iri 葉、 お 身に か \ りし 罪あって、 ともに 憂目に 逢 ふとても、 いと ふ 心で 

ほ、, - おな つみお くだ U とば sf まへ はな 

惚れられ うか、 同じ 罪に 落ちぬ やう、 かばうて 下さん すお 言葉 は 嬉しい が、 お前に 放れて わし 

なん 

や 何とせ う、 どうせう ぞいな ァ。 

^< ど なげ らう s "ほ 

ロ說き 歎けば 三郞 がむ つと 顏。 

したた よま ごと こ なま しら つら ま だ S じ * 9» な 

1 ニ郞 ュ 、舌 足る い 世 迷 ひ 言、 此のす りめ も 生白け た 面で、 いつの 間に やら 大事の 娘 を、 よう 泣く やう 

に 仕 居った な、 ほんに 脊戶 門へ 娘 も 出されぬ、 H ィゎ, その代りに 手ば しかう ばらして くれう。 . 

へ わき ね て W-S fctt S や 5 だい こ. -ろ 3 

脇 ざし 拔く 手に すがる は 娘、 庭に も あぶく 兄弟が、 心 を ひやす 氣を ひやす、 



S たいふ にょうば う らう つきの な はっき うしろ かこ 

いつの 間に か. は 太夫が 女房、 三 郞を突 返け 1 繩附を 後に 圍 へば 

ト 此の 內 なぎさ 奥より 出て、 三郎を 留め 耍之 助を圜 ふ。 

とがに し ばい s *J e やび と 

ャ、 科 人 を 成敗す るに 狐膨 めされな、 伯母 者 人。 

なぎ ィャ 邪魔 はせ ぬわい の • 

なん と めだ き 

三郞 それに 何で その 留 立て。 

S ゆ と が にん ひとで ほう 夺ぃ はい ^ . , Li -でー _ ) 

なぎ サァ大 それた 科 人 なれば、 人手に かけや 此の方で 成敗す る、 云 はれぬ 事に さし 出ャ と、 すつ 込 

ねめ を ひと よ ひと さし. は ェ *** か 5 

んで居 召され 甥の 殿、 餘 のお 人のお 指圖 は、 憚 hs 乍ら 受けぬ わい なう。 

> やり 込められて ちっとも ひるまず。 

Z ね だいく レょ あ ふ せんぎ, *? U よ ひ ほんと M- な 

三郞 ィャ すつ 込んで 居ますまい わい、 代官 所 仰せに て 詮議な す 三郞、 今宵 一番 鷄の 鳴く までに、 

くび う さしだ L やく *« ,た. 

首 打つ て 差 出さねば 役義が 立たぬ。 

こと こ よ A ぼん ど 《- な を^く わ fc 

なぎ サァ さう いふ 事なら 今宵 一番鶏の 鳴く までに、 伯母が 省 討って 渡し ませう。. 

さん M 、、 そんなら どうで も あなた をば ノ 

ま. * お, ,1, 

なぎ ァ、 コレ、 わしに 任して 置き やい の *■ 

.1 ん A ひまつぶ たが はや & *- ぼ じ や びと ネ. ^ 

三郞 H 、何の 彼のと 1 浪し互 ひ 早い に 目 か はない、 伯母 者 人、 しっか hs と 預けました ぞ、 サァ女 

^莊 太夫 HT ニニ 



時代 狂言 傑作 集 四:{ 

らう ん 一-.. - , 

切 わつ ばめ、 立ち やれ。 (ト! S 立てよ 5 とする) 

bJJ し ら 

安對 ャ、 コリャ 私 等 を。 (ト 逃げよう とする 三郞 押へ て) 

- - /) * せん _a 9SS* にん おく ひつ fe て e<\,?3 . ノ 

一一 ー郞 ャァ 身動きするな 誶議が ある、 兩人を 奥へ 引 立 拷問す るの だ a - 

要 之 ム、。 (ト 立褂 らうと する〕 

- il つら よ あは く ぴ し ,* を ぼ U ぜ、 て ?. 1 +~ おは 5 ら 

三郞 ャァ ひたく とその 面なん だ、 夜 明までに は 首にする、 併し 伯母 御^の 手際で は 刃 金が 裏に、 

お ぼづか 

ハテ覺 束ない。 

みごとう み 

なぎ ィ ャ 見事 討って 見せ ませう。 

を ば じ やび と く S 1 

三郞 スリャ 伯母 者 人が、 いよ/ \ 首 を。 

ねん およ is だいじ, とがにん , こぶ つ. - & おく. 

なき ハテ 念に は 及ばぬ、 コレ 娘、 大事の 科 人 あらわれ X ば わしが 愛に 附 いて 居る、 そなた は 奥へ。 

B こ- ね 

さん イエ/ \、 私 も爱に 居る わい なァ。 

なる ほで こ- * はな だう 9 & たすか !i ぶじ とがにん お-」 か tr むね 

なき 成程 爱が 放れと もなかろ、 道理 ぢ やが そなたが 居た とて 助らぬ 大事の 科 人、 何も彼も 母が 胸に、 

う は- * なん uic し ま. A おく P 

ハテ そなた を 生んだ 母ぢ や、 何で そなたの 心 知らいで ならう か、 わしに 任せて 奧へ 行き や。 

さん そんなら どうで も。 , 

なぎ 《テ 行き やとい ふに? - 



ぶ を じ やび と 

三郞 然らは 伯^ 者 人。 

を ひ 

なぎ 甥のと の。 

*J とほ おく . f にんお" 

三郞 きっと 言葉 をつ が ひました ぞ、 サァ おさん も 奥へ、 兩人 立た う。 

A 5 ttv fJA- ぼ f みかへ うだい ひつ % 

てう ど 打った る 釘 かすがい、 母の 言葉に 力なく、 見返る 娘 兄弟 を、 引立て 一 

^ いり 

問へ 入に ける。 

ト三郞 思 入、 安 壽姬對 王 丸お さん を 引立て 奥へ は ひる。 

f-wi 4*telt a ぐ し a 1 ことば § もば 

娘の 姿 兌 送りて、 暫し淚 にくれ ける が、 やう やく 言葉 あし しづめ、 要が 傍へ 

X % ばき, 

さし 寄って、 いましめの 规切 ほどき。 (ト耍 之 助の 繩を 解き 思 入あって) 

^づく § し か ぉ&な > そが CIS こ た し S みん なにとぞた ナ し 牛う お- » 

なぎ 你處 の锭か 知らね ども 片田舎に 育った 娘、 戀 こふる も 他生の 綠、 何卒 助かる 仕樣 もがな と 思へ 

かな いのち こ よ ひぢク い せん こと ほど む H8 

ど^. はぬ こなたの 命、 今宵 中と あるから は 云うて 詮ない 事 なれ ど、 あれ 程までに 焦る- -娘、 せ 

みらい * う ふ さか づき お たの ゆ いんぐ わほ^し cic と 

めて 未來は 夫^ ぢ やと 杯 なりと させ 度い 賴み、 それ 故 か-^ る 因果 話、 心 を 留めて とつく り 

ひとと ほ *- くだ- なに ふく む HQ »^§^- 

と 1 通り、 まァ閗 いて 下されい なう。 (ト きっぱり とした 合方に なり) 何を隱 さう ァノ娘 は、 曉毎 

は ばた に はと 9 こ ゑ せ けん まれ かた ち %0 なさけ esfe ぃぷ いか くわ こ あくご ふ 

に 羽 叩きし、 鶴 の聲を さけぶ、 世間に 稀な 片輪 者、 情な や 夫 太 先 は 如何なる 過去の 惡 1 にや、 

た せつし V つ ごと か ひと なさけ じ ひ ぜんこん CA ひと い けん に-, はう レ さ 

只 だ 殺生 を 事と して、 假り にも 人に 情 を かけす、 慈悲 善棍の 心なく、 人の 異兒も 女^の 諫め も 

三莊 太夫 四 1 三 



時代 狂言 傑作 集 四 1 a 

*M いれ ォ ういつ じ t け.? ばち こむ ぐよ あけ み な こ么 * ぶ 

聞 入な き 放逸 邪見、 その 罰が あの 子に 報 ひ、 夜 明に なれば 身 を ふる はし、 鳴く 聲 ばかり か 身 振 

また « と W- ひぶ おや じゃけん どうよく てんに くみ し なほ § 

りまで、 又と あるまい 鷄^、 ^の 邪兒な 胴慾 を、 天から 憎む 見せしめと、 知っても 庹らぬ 夫の 心、 

#x fc * かな か S きたう つゆ %ん : ひとし l>CKS 

中に 立つ 身の 悲し さは、 ありと あらゆる 加持 祈禱、 露い さ-かも 驗な ければ、 人の 知らぬ 恥し 

ひ W5 かこ ひ うち お ほと か お j な ご •£ だ 4feJ£" 

さに、 娘ば か り か 圍の內 に 多くの 鷄を飼 ひ 置く も、 その 鳴き 聲を まぎらす 爲め、 か X る 片输な 

, へ これ ^ し &W3 あさゆ ふ べにおしろい かみ ゆ fc びく ひと ナぐ , 

身の上 も、 是 まで 云 はねば 知らぬ 娘、 朝夕た しなむ 紅白 粧、 髪 結うて やる 度々 に、 人に 勝れて 

§ » おや いんぐ わ おお わ うま おも t は S は ほど か 

美しく 兌え る は 熟の 因果に て、 なぜに 片輪に 生れた と、 思 ひ 廻せば 廻す 程、 いぢら しいと も 可 

あ. a い い <s ほ- - なき ご ゑ >i あさ み うへ 

愛い とも、 云 ふに 云 はれす 苦し さに、 母が 泣聲 まぎらす 鷄 はあり もせで、 かく 淺 ましき 身の上 

はな $ としつき こぶ ひぶ さか づき K だい ^.M 

を、 あからさまに お話し 申す も、 年月 焦れし あの 娘、 杯 なりと さす なれば、 夫 を 菩提の 種と 

こ す- おつけ みらい たす おも f の おや すゐ9? かな 

なし、 ァノ 子を勸 めて 出家 させ、 せめて 未來を 助けようと 思うて 賴む 親心、 推量して たべ 叶 

き- • い さか づ^ くだ , 

へて たべ、 どうぞ 閱 入れて 杯 して 下されい なう。 

、たの こ S ゑ やみ _*tt § Q すけ まだ *_&.< 

賴 むとば かりせ きいら し、 子 故の 闇 ど 哀れな り、 要 之 介 も淚を 催し。 

ご ^ん ま を なが ふ しん はな うけた £ゎ しんと も ふ ぐ こ Ac もつ かたち なに 95 

耍之 御 綠とは 申し 乍ら 不審の 話し 承る、 一身 共に 不具な りと も、 心 を 以て 形と せば 何 恥し から 

C モく S よむ S> • .sfe .6 よ き v> ft 

ん、 御 息女 無下に 致さん やう はなし、 必らす 氣遣ひ 召さる X な。 . 

*1 さ. 6 づさ くだ 

なぎ ム、 スリャ M わけて 杯 をして 下さる か。 



おん i 

要 之 一 旦 あいと 申せ I から は。 

なぎ ァノ いよ^^。 

さ ごねんお よ 

耍之 ハテ扠 て 御念に 及ばぬ。 

かたじけな ひ W3 A お i ぜん いそ ず r よし はや 

なぎ h 、忝い、 娘に 語らば さぞ 悦び、 は 急げと 此の 由 早う。 

A» Gw-D t ち あが S 5 ち こ たか 

、いはい そ- /(\ 立 上る、 一間の 內 よら 聲 高く。 (ト なぎさ 立 上る 此の 時、 奥に て) 

と ん だ S じ. wis さ. 4 づき おも よ 

三莊 ャァ ならぬ く 科 人め に 大事の 娘、 杯 なぞと は 思 ひも 寄らす。 

A お ほ ひつ S 

大 だら 引 さげ ゆるぎ 出で。 (ト 臭より 一 1ー 莊 太夫 出て) 

1?*0 はう み とがに^ な は と ぉ凇 ゆる な は と, 

ャィ 女房、 見れば 科 人の 繩 解いて あるが、 誰が 許して その 繩 解いた。 

^ Z めしう ど *J と かな 匕と さ だ > くご 含 は うへ 

なぎ サァ これ は、 ヲ、 それく わしが 預る 此の 囚人、 殊に 1. はぬ 事と 定め、 鱟悟 極めた 上から は、 

逃げ隠れせ うやう もな し。 

ひ£ * うへ き やつ Js-fc とき い お めんだ ふなが * 

11; 莊 ヲ、 それ は それにして やらう が、 娘が 身の上 閗 いたる 奴、 片時 も 生けて は 置かぬ、 面倒 乍ら 身 

てれろ, ありが A こと ぼ 1 , , なほ ノ-' 

が 手料理、 有籐ぃ 事と 三拜 して それへ 直れ。 

^かたなぬ て とり 

"刀拔 く 手に 取す が. CN。 

三莊 太夫 四 1 五 



時代 狂言 傑作 集 wn 六 

なぎ それ その 心 故、 娘が 片輪。 

ほお ひとた とがお じゃまだて けが そこの 

三莊 ャァ 馬鹿つ くすな、 コりャ ャィ人 も 頼まぬ 問 はや 語リ、 邪麼 立して 怪我す るな、 H 、其 處 返け 

そこの 

其處 退け。 

^ つきの すズ あや そ の を, から I 

突 返け はねのけ、 旣に 危うき 其扔 柄。 

トー 一一 莊 太夫 刀へ 手 を 掛ける。 なぎさ 留める。 此の 時 向 ふに て。 

ご § レ, ^ . 

呼び 御上 使のお 入タ。 (ト是 にて 11 ー莊 太夫 向 ふ をき つと 見て) 

ご はやう し w-っ WU*C おほえ ぐん P0. うとき. A どこう つし わう i¥- だ. a せんぎ 5 つ. A ぬん ズる 

三莊 ム 、御上 使と は、 察する 所大 江の 郡 領時廉 公より 對王 兄弟 詮議の 使 ひか、 何にもせ よ^ 苦しい 

そのめ しラど をい ば. i G ちほ ど にや- な は とりに ぶ はり ぼんいた • 

其 囚人、 成敗 は 後程、 コリャ く 女房 そやつ に繩 かけ、 取 iS さぬ やう 張番 致せ。 

なるほど さ しづ まか • 努レ, き や • . » とぱ にん た , 

なぎ 成程お 差圖に 任せ 私が 部屋へ、 サ科 人立ち や。 

ヽ なさけ か な tt ぜひ なさ ぶ、 おや . とも. な r ゃぷ > 

"情 を 掛ける しばり 繩、 是非 も淚に 母親が、 伴 ひ 部屋へ 入に ける。 

ト なぎさ 先に 耍之助 附添ひ 奥へ は ひる。 三莊 太夫 手を叩く。 奧 より 紋壽醫 者に て 出る。 三莊 太夫ち よ 

つと 囁き 臭へ は ひる。 又揚 幕に て。 

ご レ, 1 

呼ビ 御上 使のお 入り。 

へ ほど い • ぐ じ やうし じんてい は- かたぎね ひき かた . 身 

ぺ 程なく 入 &來る 上使の 仁體、 袴 肩 衣 引かへ て、 肩 も か 、ら ぬつ だれの 一 卷、 



みだ み う しら い きた 

亂れと 見えて 猩々 頭、 のつ さの さ- <\ 入 6 來 る。 

ト舞 掛リの 調べ にな リ花逍 よ リ權藤 次 赏は權 六! 二 立 BD のな りに て 出て、 ゆう >\ と 本舞^へ 來る。 

C ひけ f- ) い-」 *• うす si <. is 

沈る の 太夫 も ひつく りせ しが、 樣子 あらんと 上座に i し。 

ト =1 莊 太夫 こたし にて あれへ と 思 入す る。 核 藤次ッ 力く と 上手へ 通 リて胰 を 掛けよう として、 ^儿 

きき & おまくり をして 大 あぐらをかき、 空- ゥ そぶ いて 居る。 

w レ みな ザ^ J ヌづ -J ? * か u お, レゃ 

三莊 御上 使に は 兌 鋤れ ぬお 姿、 S: 虚妙佝 なる^よりの 御 使者で ござるな。 

H ) ' • » , せっしゃ あう しう i か こ 

S ユイ わしで ごんす か、 ィャ 拙者 は 奥州から 罷り越した。 

- :: » あう i£ おおえ, ぐん とき かど 二う おしし や これ t りら ヒ, li ご C ?? t- s>: 

一一. 莊 ム、、 奧サ よりと は 大 江の 郡 領時廉 公の 御 使者な らん、 も は/... 4^ の | ろ ^の |^酽、 ャ 

* をつ ご レ ォ.^ ぜん よう 4 ぢ t^te. 

ァ./ \ 巾し 附 けたる 御上 使への 狰^、 ffl 意よ くば 持參 致せ。 (ト奧 にて;, 

紋壽 ハ ァ、。 

n\ て, た 《- ち S レ しゃ はハ ザん Httft>0 A AtK*- 

はっと 答へ て 持出づ る、 使者へ もてなす 配膳 は、 花 物 云 はさぬ の、 うづ 

たか ミき ゑ ^ほぐち あ わら 

高蒔綰 さて 乙 もと, 大口 開いて あざ笑 ひ。 

ト 奥よ リ紋壽 かけばん の 膳わん の 中に、 みだけ 小判 小粒の 入りし を 持ち出て 糠 藤 次の 前へ 直す。 棟 藤 

次 思 入あって。 

=1 莊 太夫 四! 七 



時代 狂言 傑作 集 四 I 八 

V しゃ は S ぜん SK おう S , と は * 5 4 まぶ ォ いろ 

00 ム、 ハ、、 、 使者へ 配膳 饗應と 此の もてなし は 問 はすと も、 ^もの 云 はさぬ 山吹色、 おのれが 

ひき よく こ はいぜん わぶ み め ぐ わせき どうぜん み 

心に 引 くらべ、 ^に まど はす 此の 配膳、 ^見る目に は 瓦 石 同然、 コリャ 身に はつ ぐ れを まとへ 

さよ こ じ^さ ま 

ども 心は淸 いお 乞食 樣だ ぞ。 . 

一一: 莊 て 

Z じきひ にん C きお こ はいぞ^ しお 方れ ,- i しゃ 事 ども 

權藤 ィャサ 乞食 非人の 手に ふる i、 むさい 汚ない 此の 配膳、 使者の^ にや ァ、 ィャサ 使者の 身共の 

*> かな も I te- > - 

氣 に^. はぬ、 持って 立て • 

わ も おつ Z はいぜん - 

紋壽 ィャ くそり ゃ惡ぃ 合點、 コレ 此の 配膳 はナ、 それ ナ。 (ト いろく 思 入あって) で ござります 

*o- お はう よ, o S ん . 

るに よって、 お 取 置きな さる i 力が 宜しから うと 存じます るて。 

樣藤 サァ それ だに 依って 氣に 入らぬ。 

* たな ザ 

紋壽 そり や 又 何故で ござり まするな。 

, C : あ を てんじ «_> B ぶん 4 sx A ま あ 9 がお 4 - いま 

樣藤 され はで ごんす、 靑 天井の 時分なら ヘイ: U1 那樣 お^り 有難うと 云 ひもし ようが、 今と なつち や 

ァ めったに 是を、 その 釣り わなに や ァまァ か \ら ねえ。 (ト 一 一一 莊 太夫の 方 を 見て 氣を變 へ) ィャ 

レ しゃ み ども こ ときお ど_- う ごぜ,? と お .a ぷ けっこう 

サ、 わいろ を ゑば に 使者の 身共 を たらし込み、 時廉 公の 御ぎ をば 取りつ くろ はん 太夫が 結構、 

,はズ またよ • うた こと よさう だんの 5J ft- 

それ 迚も 又 詠みと 歌、 事に 依ったら 相談に 乘 るめ えもので も あるめえ が、 是 ばかりの 目く され 



おね レ しゃ ぶ れい 

佥ぢゃ ァまァ いや だ、 使者 だぞ よ、 無禮 であらう • (ト きっとい ふ。 三莊 太夫 始終 根^ 次の 素扳り を 

兑て思 入) 

こ あ %0 5 ^ い, - *J と 

紋^ ハ、、 、、ハ 、ゝ、 ヽ、 ^はくどうした 物ぢ や、 これ を 受けぬ と 云 ふ 事が ある もの かいの、 

4^ で かね き 

ハ、、 、ヽ, ハ、、 ヽ,、 さう 大 たばに 出かけても、 コリャ お金で ござります ぞぇ、 私なら ま 

とものと うへ さと こと ? J! みなさま わら よ 

ァ 取る 物 は 取った 上、 せりふ は 後で どうで もなる 事と、 申したら 皆樣 がお 笑 ひな さらう が、 世 

のた と へ も 申す では ござ. ませぬ か、 您に 目が なる を かし かろと、 ハヽ、 ヽ、。 

00 ャィ/ \、 づ くにう め、 姦しい、 あへ g ら ぬか。 

紋籙 へ Ml 。(ト こなし〕 

. TC さム ザん み A レ ぶ れい. やつ けが こ は S ザん め Vj は も * & 

^0 お k より 身共に 對し、 無禮な 奴の 汚ら はしい、 此の 配膳 目障り だとく く 持って行き 居らう • 

r , :i w > fio しな.^ こと ぼつく ま を あ 

紋 .,;1 此の 樣 にまで 品 を iu、 言葉 を盡 して 巾し 上げても。 

おう しゃう た 

樣^ まだ 饗應の 仕樣が 足らぬ。 

亡れ ほど *Jic づ 

紋毒 ュ。 あの 是 程のお 心附 けで も。 

Z や.^^ ば ね とて ,れ さま き V な 

檣 藤 此の 星 蹬骨を ふるった 迚も、 俺 様のお 氣 にや ァ叶 はねえ や • 

紋毒 へ ェ、。 (ト 呆れし こなし。 櫂 璲 次 又き つと 心附 きし 思 入あって) 

. Ill 莊 太夫 611 九 



^代 狂 首 傑作^ 四 二 o 

さんぎん つら は ねい I ん もつ ひと かんけ" もつ しょ にん ひ ともこ レ しゃ 

00 金銀の もって 面 を 張り、 ィャサ 佞 辯 を 以て 人 をな づけ、 奸計 を 以て 諸人 を 欺く 共、 此の 使者 は 

その 手ぢゃ 行かぬ、 馬鹿つ くな。 

^ ふ ぐ だ ぼうじ やぐぶ じん W- たう ぜん 

と 踏み 碎く、 傍若無人 も理の 當然。 

こ^ はな よしの * ま これ ぐ らう ち; W ふく? らい 

紋壽 ァ、 も は,/^ とば かり 花の 吉野 山、 でなくて 是 はま づ/. \ 愚老が 着服 如來。 

ト こぼれた 金 を 拾 はう とする を、 一一 ー莊 太夫 紋壽の 首筋 を 取り 下手へ 突き やり 金 を 拾 ふ 。紋毒 思 入 あ つ て 

5* * つ. く ふくに よらい タも わ 5JJ ん ぶつ だ,.? な さま によらい われら むな にょい 》- んく 5.C おん 

ァ、^ なや、 折角 养服 如来と 思うた 黃金佛 は 日; 那 様が せしめ 如來、 我等 は 空しく 如意 輪觀 音、 

こ 4 3< や 3$ s S つ あ 

^から 奧でド レ 夜食の 菩薩に 有りつ きませ うか。 

, つぶやき 奥へ 走ら 入る。 (ト よろしく 紋壽奧 へ は ひる) 

、しじう み たいふし しゃ, V ぱ よ 

"始終と つくと 見す ます 太夫、 使者の 傍へ す, 9 寄って。 

ト 一 一一 莊 太夫 始終 こ な し 楗藤次 の 傍へ ょリて 

なに し しゃ さいぜん しじう やうす けんぶん ふ せう はいぜん まさかなん は めいわく レ 

三莊 ィャ 何お 使者、 最前より 始終の 樣子、 問せ しに 不 竹の 配膳、 ぉ氣に 逆ら ひ 何とも 早 や 迷惑 至 

ごく わたくし とキ -V どこう ご i »s t ちぶ |q くだ 

極、 それ は 私 、 ^菔 公より 御諒の 趣き、 逐一 仰せ II けられ 下さり ませうならば。 

そのな がこう じ:^ と n> お その もと きい い じ^ レ 2- て 

00 ァ 、是 く、 其 長 口上 取 置かれい、 其 元が 閗か うと 云 はいでも 云 はねば ならぬ 上使の 表、 そ も 

こんにち げんめい かた だいじ K- う^き いか •* はつ ざ • さが I? つもん きか 

今日の 齩命は 一 力ならぬ 一. Kl、 同席 は 如何で あらう、 末座へ 下って glra おしゃれ、 ィャサ 聞 



とき. A どこう い u C ぶんご しょもう すぢ み どもす. C さんい & 

つせ え、 哓廉 公の 上意に は、 ァノ御 自分へ 御所 望の 筋あって はる^ \ 身 共桷參 致した、 コリャ 

異 I は 成るまい がな。 

ち ふ ぞん たれ とき. A どこう お ふ ちょくめ いど 5 ぜん なに ね はいつ かまつ なに ぞん 

一;: 莊 コ ハ 仰せと も^ ぜ す、 ^あらう 時廉 公の 仰せ は 勅命 同然、 何し に 違背 仕 らう、 何 か は 存ぜす 

身に^ うた 儀で ござらば。 

さ やう ー J- 

權 膝 コリャ かう ありさうな もの。 しかと 左樣 か。. 

VJ ねんお よ 

一二 莊 御念に 及ばぬ。 

>5 いん あん ど 

權藤 承引あって まづは 安堵。 

へく わいちう とりいだ ft うしよ かた めん , 

"懷 中よ, 9 取 出す、 奉書に あらぬ 片 しの 面つ ラ。 (ト馁 中より めんつう を 取 a し) 

き でん はう しょ ぢ ft さ しな せ- Z めん おさ あ くわき ふ げ ふめい- 

食 ほの がに 所持 召る 一品 ある l!il、 此の 面つ うに 納められて、 さし 上げよ との 火 念の^ 命, 

こ 5rt お さ のぞ しな _ 

一一: 莊 ム 、此の 器に 納めよ と は、 シテ お望みの その 品 は。 

レ こと くぴ き わため 

樓藤 ハテ 知れた 寧、 钤 切って 渡し 召され 

v-JS き つし わう あんじ^ それ なん て S ひ^ のちと も ifc fcrii す 

三莊 ム 、酋 切れと は對王 安{!§、 +、 なれば 何の 手間^、 後 共 申さす 只今 kl ぐに。 

めか あ; - 

お 目に 掛けん と 立 上れば。 

だ. 1 くび 

樓藤 ァ 、 コ レぐ, そ 兄弟の 首で はない。 

三莊 太夫 《1ニ1 



時代 狂言 傑作 集 四ニ 二 

まお なにも 

1 一; 莊 シテ又 何者の、 

ほか そこ もと しらお ぐ ひ J 

樺 藤 外で はない、 其 元の 白髮首 を。 

三莊 ャ 何と。 

しょ まう ま を ま. Q 

攒藤 所望 申しに 參 つたの サ。 

ちまよ なに » さいぜん こよば ,AT U 、しし ャ に廿 かな §ろ 

三莊 ャァ 血迷うて 何 を ほざく、 最前より 首 葉の はしぐ 問 はすと 知れた 使者 は 偽者、 S. はぬ 所 だ、 

ばけの 皮 を モウ あら はレ て 仕舞 やれ サ。 

ち まよ こと 

樓藤 ャァ 血迷うた と はおぬ しの 事 だ。 

: としと , だ い ふ われお ちごと くも ほ * C レ やおう お. a そん f つけあが 

三莊 年老つ たれ ど三莊 太夫、 汝 fi 如きが 口の端に、 か \ り やつな がる 使者 應針、 ず 敬 すれば 附 上り 

ち まよ なん *JAJ 

血迷うた と は jg のた わ 言。 

おい _ おば せんね. c§t でう まつ はら はんぐ わ まさ うぢ ど Q > け ふ 

權藤 ィ ャサ老 ぼれ あらが ふまい、 覺 えが あらう、 先年 都三條 松原に て、 岩 木の 钊官政 氏 殿 を、 卑怯 

だま う たち の しゃ r だ 1* , 

にも 欺し 討つ て 立 返いた る三莊 太夫。 

三莊 ャ。 

^ てみ 名 あが を かな §ろ ><c そっくび わた 

擠藤 ィャサ 驚くな、 モウ 手證が 上って 居る ぞょ、 叶 はぬ 所と 覺 期して、 サァ^ 常に 素首 渡せ。 

こやつ S お .S けき はんぐ わん う なん ごと もの たか 

三莊 ャァ 此奴、 云 はして 置けば す ばら/ \ と、 岩 木の 钊官を 討った と は 何のた わ 言、 物 ほし さの 高 



ナ. CS ん ほんど へんく だ ぼい み ほど し にんび にん 

ゆすり か、 推參千 萬、 土逡に 下って 三拜 ひろげ、 身の程 知らぬ 人非人め が。 

00 ム、 ハ、 ヽ、、 、、 人 ぎ 人め、 人非人と はよ くぬ かいた、 コリャ ャネ、 ィャサ その あごた で ほ 

ひにん , U とみ けんぷ けが, にんび にん 

ざいた かよ、 非人と はお のれが 事 だ、 身に は 絹布 を まとへ ども 性根の 汚れし 人非人め が、 サァ 

おいと し s§ を くび わお うけと 

老年よ つたがら くた 命、 惜します と 首 を 渡せ、 ィザ 受取ら う。 

また ぞ ぷ JJ ん み まさ うぢ ほな なん たし .W こ 

三莊 ャァ 又しても その 雜言、 身が 政 氏と やら をぶ つ 放した、 何ぞ糙 かな 證據が あるか。 

お. i 5 のち を し *J の ご. R よみ れん .W こ よば 

00 老 さらばうても それほどに、 命が 惜しい か、 死にと もない か、 此 期に 及び 未練に も、 證據呼 は 

かたはらいた つみ 01 9 C なんお ぼ 

り 片腹痛い、 おのれの 罪は淨 玻璃の ぬきさしならぬ 此のつ にれ、 何と 覺 えが あらう がな。 

トっ れを 見せる。 三莊 太夫 見て びつ くリ こなし。 

み ぉぽ M5C * お しま ばら さわ 5 らて ね * がよ 

n リャ あらが ふな 見^え あらう、 所 は 名に^ ふ 島 原の、 騷 ぎの 裏手で しっぽり と、 居乍ら 詠め 

よ ひ づきよ ぷ S ゆめ? C そのと *- C う 

る 宵 月夜、 ツイと ろ < と寢 入りば な、 夢 驚かした 其 時に、 それ 此のわん ぼう、 おぬしに 资っ 

こ &考. さ 4S 

たお 乞食 樣だ。 

三莊 ャ * 

て %>$ あお & . 

00 いくら じたばた もがいても、 モウ 手證は 上って 居る わえ • 

: . こしな みかち なん それ 3*2 なに a か 

一二 莊 たと ひ 此の 品 身 が^り 受けた にもせ よ、 何ぞ 夫が 證據 になる か、 何 を 馬鹿な • 

HI 莊 太夫 四 ご In 



時代 狂言 傑作 集 四 二 四 

お お し*-|- こ こ £ さ うぢこう しがい て 

s M 、置き や がれ、 ぉけ《 置き さらせ、 讃據 にならぬ 此の つ^れが、 政 氏 公の 死 I- の 手に 

はどうして 殘 つた、 ィャサ どうして 有った。 

三莊 サァ それ は。 

これ しゃ ラ >i 

權籐 もで も證據 にやなら ねえの か。 

三莊 サァ それ は。 

, , ^つく びわお 

權藤 素首 渡す か。 

一二 莊 サァ それ は。、 

懼藤 サァ。 

三莊 サ ァ。. 

兩人 サァ《 つ 

よく くぴ もら い くび 一け 

權藤 欲に とろけし ねぐ さり 首、 莨うて 入れる めんつう の 首 桶、 いやおうなし にきり/ \ やって 下さ 

り ませ。 

<\ やぶか- * しょうに しゃう き 3 

破れ 掛っ たつ ^れの 證據、 いかな 三 莊の針 先で もつ ^くりやう はな かりけ,^。 

ト かさに 掛 つて いふ。 三莊 太夫 ぢ つとう つむき こなし。 



» >b* 卜く 、-- 'ゥけ . >b* Q が £^ じん £5 そっくび わた 

サァ ぼ 譯の筋 あるか、 よも^ 譯は あるまい く、 云譯 なければ 退れ ぬ 所、 尋常に 素首 渡す か、 

へんた ふ 

サァ /\ きりきり 返答しろ。 

へのつ K き li?- し てプめ ぽ うじ やぐぶ じん たいふ お ほご ゑ _ 

. 退 引 させぬ 上使の 手 詰、 傍若無人の 太夫が 大聲。 

Z で t にで み £ お ぼ ぐと き は. - , .» * 

三莊 ャァ 證據が 出よう が 何が 出よう が、 身に 取って 覺 えない、 そんなた ゎ言閒 いて 居る 睱 はない 

なに ほ A 

何 を; iil 鹿な。 

へこと f 、ら Jf- だ- ^み ふ ち A 

"言 薬 荒 目の あら 墨、 踏み 散らして ど奧へ 行く。 (トー 一! 莊 太夫 めんつう を跻 みこ わし 奧 

へ は ひる 0) 

,よ ぐ£? も O ふん U し- -そ こ しらがく び IT ちお と , たち かへ / — 

樣藤 ャァ くわん たいなる 慮外 者、 たと ひ^ 込んでも 死 損ないの 白髮 首、 打 落して 立歸 らん。 

、 > ごし かゆ にょう-ばう a はしい 3 

身褅ら へ して 駔け 行く を、 女房 一 間 を 走り出で。 

ト嵇鹧 次奧 へ 行かう とする。 なぎさ ッ 力-/, \ と 出て 是を 留め。 

お まく だ や 5 す のこ -M2 たま は ご §f し ひと > .5-0«5.- > . 

なぎ アイ ャ |3 く 御 待ち 下され ませ、 樣 1^ は 殘らす 承 りました、 御上 使^への 一 つの 御^、 ^かに 

u^xz あ うへ とて © が i S ほんい ?«5 S レ: y びう > おわな, *= を, 

^^^る 上 は、 迚も 退れ ぬ 夫の 命、 本^なら ね ど 女^の 私が、 首 討って 御 渡し 巾し ませう, 

その; S ろ た いふ くび 

00 スリ- お 力が 太夫の 竹 を。 

う こと う こ 力よ わか しば ご いうよ ご し さま お ifs 

なぎ サァ 討つ 寧 は 討ちます るが、 此 世の 別れ 暫 しの 御 猶豫、 御上 使 樣の御 情に て 

三莊 太夫 四 二 五 



時代. 狂言 傑作 集 gll 六 # 

!- >c Y び-う お. こう ざんじ.. いうよ * ども 

ヲ ゝ 首 お ち 落す 功 にめ で、 暫時の 猶^ は 身共が^。 

みち ちが こ^なが おは くび 

なき S に^うた^ 乍ら、 明六ッ までに 夫の 首。 

00 必らす 討てよ。 

たる ほどう あ 

なぎ 成程 討つ てさし 上げ ませう。 

00 まづ それまで は。 

一 - ら. V レ さま 

なぎ 御 上使 樣 q . 

權藤 案內 しゃれ。 

^\ , じ や C- し もったい ともな ま い 

のさ は 6V かへ る 上使の 勿體、 俾なひ 一 間に 入らけ る。 

ト^リに てた ぎ さ 樅 藤 次 奥へ に ひる" 直ぐに 大ド B になり、 心と 云 ふ 字 を 日 笾へ引 上る。 や は リ薄ド 

口く 此 0問 知らせあって、 01 笾 より 舞 凝 1 面の 大 間 をく り 下す。 よき 所に 留 ると 本 党 入口の 書 割 

の狠; T をば らリと 一杯に 下ろす。 すべて 國分寺 本堂の ^組よ ろしく、 锊具鈉 る。 トド n く 打 上げる 

S1 おろし 花道 バタく になり 安 籙姬對 王 丸の 手 を 引き、 こけけ つまろ びて 走り出て 來り、 舞籙 にて 突 

きこけ ると- 木魚 入リ靜 かなる 禪 の^めになる。 上手より 同宿 四 人 K て來 り。 

ャァ, .(\ 爱らに 見馴れぬ 若い 小 わつ ば、 參詣の 者と も 見えぬ が、 コリャ 雪に ふり 込められ たの 

か • 



•JO 乙 なた k 含 

頓才 何虚 からま ァ 此方 衆 は、 來 さっし やった ぞいの。 

few レども > ば-う しう せめつ か つら あまい へで あ-^ おつ-て 』 k 

安壽 ハイく、 私共 は 弗 道な お 主に 貴 使 はれ、 辛 さの |! り 家 を 出て、 後から 追 人の か-る もの 

對王 ぉポ と& 受けて, け 込みました、 どうぞお 助けな されて 下さり ませいた。 

- *r» ュ.' 40 さ ゆら し ?;■ だ いふ ^ > ひとお ち 

殘生 ハ 、ァ. の^んと 有る から は、 扠て は. 2 良の 湊の 三莊太 あに 抱 へられた 人達 か.^ 

* ておし き卞 としは _ ^ か あい 225 > 

頓才 ャレく 見れば 手足 も疵 だらけ、 年 H- も it かぬ もの を可哀 おに C 

メ ぶち さま るす ひと たす .K つけ やく I 

珍 念 お 師匠 樣 はお 留守 なれ ど、 人 を 助ける は 出家の 役ち や 

t ?, 4も たナ , ttM 

歎 念 二人共に 助けて やる 程に- 

g! 人 毅じ やるな,/ \。 (ト 此の 時 花道 揚慕 にて わやくと 人^す る) 

ひと ご么 おって. - 

安壽 ァレく ァノ人 籙は追 人の もの" 

ft や f くだ き 

對王 早う 救うて 下さり ませ <, 

はってん みわた とほ ゐな>1ら* ぼ ,v】 ろ 

残生 ム 、合^ ぢ やくが、 見渡す 通りの 田^: 寺、 隱し 所と いうても。 

頓才 それく 戶 I や 押入で は、 6- ぐに さがし 居る であらう。 

t と と く 9 っ& «s なか、! , : タ?- 5,. % » 

珍 念 ヲ、^ い 事が ある、 ^笾に 釣して ある 經 つぐら、 あの 中へ 隠した ら^か くまい。. 

なるほど よお も - I 

歎 念 成程、 コ リャ 能い^ ひっき じ や," 

111 莊 太夫 四 二 七 



時代 江霄 傑作 笾 四 一て 

ズ,, 、 Z > > なか 、ふゆ リ. . :? よ そのうへ ん ちょち う 

f ィャ, どうして あの 中へ 一 一人 一 緒に、 其上經 文の つ^らへ 女中 を • 

安 IW ァ 、モシ、 此の 身 はたと ひどうなる とも、 譚 あって 此の 子 はお^の^ のお、 どうぞき のおの 1ノ 

>>K : k こ J- Z わかしゅ . 4 く J 

歡念 ヲヽ さう いふ 事なら 此の^ 衆 どの を、 つ i4 らへ隱 してやり ませう。 

はや き 

四 人 サァ 早く 來 さっし やれ/ \ 。(ト 手 を 取て 引 張る) 

安壽 ァ 、 コ レ對 王、 今い ふ 通り そなた は 大事の 身の上、 母檨 よりお まがつ \ がない |ぉ てと、 お g し 

v;^ おん かなぶつ はだみ はな もゐ ゆ 1 f ま こ. f ォ : lit b 

なされた 観音の 金佛、 肌身 放さす 持って 居た 故、 今まで 此の 身に 怪^ も、 も を そなたに 歡す^ 

だいじ も- sg み おいせ つ 

に大 ずに 持って 必 やその 身 を 大切に。 (ト 懐よ" 服紗包 厨子 入りの^ 像 を 出し 渡す;, 

おねさ ま 450 ま 

^王 姉樣 のお 志, しっか^と 預 n ました。 (ト 受取る 又 人^ば たく) 

ちかづ ひとご^ はや i, 

四人 ャレ, /\ 近附く ァノ人 聲、 サァく 早う。,」 

おれさ ま か,、 くだ 

對王 姉樣も 隠れて 下され。 

, ぢ よちう に は も c お ま 

頓才 ヲ、 女中 は 庭の 物置。 

! . は, や き ' J 

四 人 サァ /\ '早う 來 さしつ やれ。 

ト同 褚兩 人 を 連れて 上手へ は ひる。 矢張り 禪の 勤め ©ぉ ろしの あしら ひ、 花道ば た く 與五作 五介 新 

太 三 六 先き に 下男 !; 人 鉢卷ぉ からげ、 銘々 松明 六尺 棒 を 持ち 走リ 出て 來り。 



なん なか あしあと こ てら みちつ *- 

與五 何でも 雪の 中の 足跡 は、 此の 寺の 道賴 き。 

五介 S へ 逃げ込ん だに 逯 ひない、 ソレ 採せ/ \。 

お 衆 合點 た。 (ト わやく 奥へ 亂れ 入る。 K ぐにば たくに なリ、 四 人 同宿と 古つ > らをゅ ひ 乍ら 出て〕 

ほ * ゆ ひと ナぢ みち >r に £ ちが 

新 太 外へ 行かれぬ 一筋道、 爱へ 逃げ込ん だに 違 ひない が。 

もの ひと な Z ぶる でら お あや こ 

11; 六 物 一 つ 無き 此の 古寺、 只 怪しい は 此のっ^ら。 

ral 人 ^を ほどいて。 (ト 四 人 立 掛るを 同宿 止めて〕 

いま W ごと もん ち W ち こ なた しう ^ 

残生 ァ、 コレ、 今 云 ふ 如く 經 文に 違 ひない、 IS けたら 此方 衆。 

ほち お fe - 

W 人 罸が^ るぞ。 

はら むく ^ま 

TO: 人 罸も 報い も 栴 ふ もの か。 

.- % こと 

0^ ィャ/ \兒 せる 事 はならぬ ぞノ 

與五 H 、而 倒な、 叩きのめせ。 (ト禪 の 勤めに なり 四 人 棒に て 同宿 を 追 ひ 散らし) 

こ ま はや ラち 

五介 此の 問に 平 くつ ビ らの內 を。 

がってん 

三人 合^だ。 

< ふなと りの たち ふしぎ に はか めいどう tt う S *0 ん いろ ひかぶ &$ 

^取 返 けんと 立 か >れ ば、 不忍諺 や 俄に 鳴動し、 四方に 輝く^ 色の、 光と 共 

=1 莊 太夫 四 二 九 



新五與 

太 介 五 
化け 怪$ ャ 



時代 狂言 傑作 集 gn§ 

^ C どうじ 

につ ぐらよ,^、 あら はれ 出で し 一個の 量子。 

ト四 人つ e らの蓥 を 開けに か & る。 ド にな リ目 くらめ き 一 時に 見事に 返る。 是を 一 時に 蓋 を 刎 

退け、 金 蓮蜇子 金の 蓮 杖 を 持ち出る。 四 人 起 上り 是を 見て。 

つし わう おも ほ. A 

コリ ャ對王 と^ひの 外。 

しきな りの わつ ばめ。 

fe5 もの ま しぞっ も Q ,J 

性の 者 か、 魔性の 者かノ 

三 六 そ もま づ うぬ は、 

* にやつ 

四 人 何奴 だ。 

なに や q よば どうじ び め 5 C ゑ fc.A : 

何奴なる と 呼 はれば、 量子 は斷 妙の 聲 高く。 

W - * タん { » 力 L わう あん タゅ ねん. ぶり < ぶ おんさつ お つか わき レ" にんきん れんどう じ 5 まお A?ss 

ま 子 善荧々 々、 ^こそ は對王 安壽が 念誦 脉、 觀音 薩埵に S へまつ る 脇士の 一人 金 蓮 童子、 今 姉^が 

そキ は 3カ お めい ^ げん ^ん よく ひだう & ぃぷ し^もの U ん がう やしゃ ふんぬ か たいか 

危急 を 救へ と、 薩埵の 命に^ を^ じ、 貪慾 非道の 太^が:^ 者、 金剛 夜 匁の 惯怒を i り、 泰 河の 

ラづ 

雪に 埋めて くれん。 

r に れんじ やう t わき た i ^3 

黄金の 蓮 杖 小脇に か; SrJ み、 立った る 姿 ど 勇まし、。 

1. . v/ヌ お, 3 い ひつけ 

與 五 ャァ たと ひ勸 音の 云附 でも、 



ま じほ 

五介 めったに 負けぬ わしら がお 主 は、 

えんま あだな .& ぃぷ! V め 

新 太 閻魔と 仇名の 太夫 驟。 . 

Z か は ち 1.7 ぜ 

三 六 此の ま&變 らば 地 め。, 

げ よ 5 しゃ 

四 人 佛 とて 用抡 はならぬ。 

なに こ 3? 

童子 何 を小燎 な。 

與五 ソレ 叩きのめせ。 

« っズ— ん 

三 入 合^た。 

う か-" とう^いなん ぽ く ばう じ $5 げ ばう ぺんり s t -V ク てん 

打って 掛るを 東西南北 四方 上下に 方便 力、 おどり か、 れば都 率 天、 乙ろ りと 

( しゅみ だんが へ しプ ぐみ つ りゃう にん かたさき う ちゃろ てん 

前へ 須彌檀 返し、 沈んで i 付く 兩 人が、 肩先 はっしと 有頂天。 

ト 此の間 四 人 六尺 棒に て 打って 掛り 立廼リ あって、 文句の 切より 音樂の 入りし 說 への 鳴 物に なり、 立 

廼 り 始終 どろく の 様に 雪お ろし を 冠せ、 雪降りの 立廼 りよろ しくあって。 

へ れんげ ふ ぶ、.. - 43な に だ, 5- ブ く *. 

花に あらぬ 吹きの 花、 ちりく、 ばつと 逃げ出せば, 何處 まで もと 追うて 

は どうじ はたら くわん^ ん り ^< ti ど 

行く、 童子の 働き 觀ー昔 の、 利益の 程 乙 そ。 

ト EI 人 花^へ 逃げて は ひる。 童子 向 ふ を 見て きっと S 入。 どろく にて 童子 を きぬたにて 消す。 知ら 

=1 莊 太夫 四 三 1 



時代 狂 官 傑作 集 

せに つき 大ド n く にて、 舞臺の 道具, i" 所替 りになる。 

本 舞資中 二 間、 ISI 、大 I 本 緣附气 一而に? § り、 &に5鷄 の 人り し I 上 

の 方 あ s。 5 所々 S の S 、後 一而 ft 8 見。 すべて 雪お ろし、 こ、 に 上手の 立 木に I 

姬 L 丸 f に掛リ しばり 附け ぁリ。 やはり ドロく にて S 鈉る。 ト 心と いふ 字 を R? り兩 人の 

後へ引い て^る。 雨人是 にて ム、 と心附 きたる こなし" かすめて S おろし。 

おね 

そんなら^ は? あつたか、, に i され ,,でら の fl 齔 i の 御 利, 

萜 が^した fi の^ 衡、 そなた は つて & やらう の。 

t5 J.'^ ,/ と,/ 1C.W ズ fci きすつ こみ 

アイ afe さ^って おります、 その K やら どの やうに、 叩かれても f へ附 かぬ 此の 身の 

A しま 

^-田 、威 

5-M t» 2 いじ. み 一ん 

^のず うなる; はレ 知らね ど、 さき 震に ぎふ まで は、 そな たは 取 わけ 大事の 身、 そのず 

V- ラ だいじ 

像 を 大事に かけや。 

£、 け たっしゃ ぺだ ^ > D 

アイく おきも^ 我せ ぬ やうに、 達 苕でゐ て 下され や 

ト 此の 時 雪お ろし はげしく、 以前の 與 五作 五介 新 太 三 六 出て 來り 

與 S サァ く、 n だ 共、 連れて来い とのお 主の 云 ひつけ。 



對王 

安壽 

對王 

安壽 

對王 



tc % ふびん し j >g > _ 

三 六 貴 苦に 逢 はす は 不便 だが、 主と 病 ぢゃノ 

レょ 

四 人 サァく 一緒に。 

Z うへ 

安壽 そんなら まだ 此の上に。 

*K だレ > 

安對 姉弟 を。 

おにお や ぢ ち^ K 

五介 鬼^ 父め が 地獄の f 貝め。 

これ ザん 4- みないん 力,? > 

新 太 ^も^ 世の 皆 因^。 

與五 驟 取らば おいらが 身の上。 

はや き 

人 サァく 早く 來 やれく。 

ト やはり 雪お ろしに て、 四 人 安壽封 王 を 引立て 上手へ は ひる。 S; 瑠璃に なり。 

へ ふ よ W ら とわた しばふ a c ffa. > 、 ,*i > 、 - . 

更 くる 夜に、 由 良の 戶 渡る 柴 舟の 漕ぎ 放れた る 奴き どや, 不便 や あさん は 

か: ひ 5JT なさ ゆき ゥも おな ^6 f き う. 》れ び 

圉 の內、 淚は 雪と ふりしきる、 る 積 は 同じ 思 ひに て 思 ひ は 消えぬ 现 火の、 

ife ばか &が 寄邊 にて、 伏 沈みて ど 居たり ける。 (ト 此の 淨 瑠璃の 切れ 獨吟 になる) 

R A かさ ゆき ^と i せん 

春 はいつ、 笠に ふらる^-雪よりも、 つれな き 人の つめた さ を、 六ッの 歌仙 も 

ビ一 莊 太夫 HI 一 一一 二 



時代 狂言 傑作 集 四 三 四 

詠み わびて、 やた け 心に 戀 すて ふ。 

ト是 にて 正面の 障子 を引拔 く。 內 におさん 紫の 蒲圑を かけし 置炬鐽 にも たれ 居る。 

こ ひよ た さむ * - : 』 

さん 此の まァ 冷える 夜に 只お 一 人、 く \ら れてゐ やしゃん すり や さぞ 寒から う、 おいと しゃた とひ 

i か は とのご S だ かも こ よ ひか S いのち もはや こ f *V こと 

枕 は 交さす とも、 わしが 殿御と 定めた お 力、 今宵 限りのお 命に て、 最早 此の世で 添 ふ 事 もなら 

なにごと なん とと 

ぬと いふ は 何事 ぞ * 何の 事ぢゃ ぞいな ァ。 

きん て ひきふねい- V X 

P かざす や 金の かん ざしの、 さす 手引 舟 磯へ も 寄せず。 

ま ひく ひめ ごぜ- E2 づ そのみ やく K2 さむ な おめ ^あぶ > ft ' , 

高い も 低い も 姫 御前 は、 夫に 附 くが 其 身の 役、 夫 は 寒い に繩目 をう け、 冷え 上って 居 やしゃん 

によつ ほう S おつ & はナ 

せう に、 な 房の わしがぬ くくと 炬噠に 居よう 笞 はない。 

、い た にば A もお- * かた と 5S いし ぅプ し iC たへ _ 

云 ひつ、 立って 庭の 面、 思 ひ は 堅き 飛石 も、 埋む ばか, 9 のみな 白妙。 

»| - しまえん みそ かた とのご あた あ 

不思議の 緣で 見^めた おが、 あんな 殿御 も ある もの か、 どうぞ 逢 ひ 度い 逢 はせ てた ベと、 頼ん 

かみ S1M ほど^: さま ぴ しゃ もん さま ど うつ おみくじ 

だ祌樣 佛樣、 毘 沙門 樣も閗 えませぬ、 お 千度 打て 戴く 御鬮。 

, 二の 上った は 二 |i かけて と、 悅んで 居た もの を、 今 逢うて 今 別れになる やう 

な、 守 hN やうが ある もの かいな ァ o 



»s こん V ら さま こんび ら さま ひと をボ とき だほ > ^ 一 .5L 、 、 7^55 し 1 - - > > ^ k 

又 金 比 羅樣も 金 比 羅樣ぢ や、 人の 拜む 時は默 つて 拜 まして 置いて 死 かれせ うとて こちゃ 湃み 

こと ち こが じに ,も 

やせん もの、 M 、こんな 事なら いっそ 逢 はさす、 3i れ死 をす る やうに, 守って くれたが よい わ 

いな ァ。 

Z 娘心の くど 1 と、 泣いて 見たり 悔んで 見ても、 ^ らぬ 今の 身の 悲し さ。 

こ よ *. $ のち も はや S X . あ なにごと ゆん f * 

今宵 かぎりのお 命と て、 最早 此の世で 逢 はれぬ と はコリ ャまァ 何事, 何の 事ち やそ レ なう ァ 

ひ なほ そば かいはう かた を なみ お f -^s^u 

コレ 冷える について は猶 いとしい、 せめてお 傍の 介抱 も、 よるべの ならぬ 片男 汲、 ^ふ 殿御 を 

すて を ぶね 

捨 小舟。 

ト 此の 時分 雪大 ぶんに ふる。 

0^ ゆら i と9 か がつ 1;* ん . I ) ' » 

沖に めら (-由 良の 戶の、 あっと 取楫 合點ぢ やゑい か M 、 よふ そ る のんで, 

ft まきた ふなうた たよ a つ しまかげ . きみ おつ, ズ _ . ^か^ i 

帆 を卷 立ての 舟 唄 は、 便. 5 を 松の 嶋陰 や、 君の 追手の 戀屈は 

f f こ よ ひ Z ま, >ft . 5S ち B ^ 力べ、 

M 、折も折と てん r 宵の まァ、 此の 雪の ふりやう、 とても 叶 はぬ お 命なら 私 も 共に こ e へ 死 お 

傍で 一緒に 死に 度 いわいな ァ。 て 

B; 色の つかさ を 求めん 手管、 中 をへ だ つるませの 菊、^ きし も 憎く や 夕 照りに、 

かほ 6$ こ ひ おに 

顔に 紅葉の 戀の 鬼。 

一!】 莊 太 夫 四 三 五 



酶 代お fa 俊 作 集 gl 一. 一六 

ト是ょ ひじり くと 屋體を 上手 大臣 柱の 內へ七 分 程 「3 き、 下手より 小高き 土橋" 跳への 石燈籠 を舞臺 

眞 中へ 5: 出し、 ぐっと 下手へ 一間の 待合 を 押出す。 是に 脇差 を 掛けし 刀掛 ぁリ。 

g (^た. ^ ば-ゆば. え- や H ils »a やく もた い ブ ft- へがき どこむ す 

丹波大 江の 山よりも 增る思 ひや 八 雲 立つ、 出 雲 八重垣つ まごめ は、 何 處と結 

えん つな 

ばん 緣の 綱。 

ト是 までに 道具 納る。 

^わが こ ひびと tta ゆ さ a きみ fct むね ぐ だ » いはと 

我 戀人も 春の 雪、 あした を 待たず 消える 身と、 思へば 胸 も碎け 行く、 岩戶の 

も f ベみ た K と- J やみ そらみ ふゆき モ ろうし 

神の 惠も あれば 只い つまで も 常闇と、 空 を 見やれば 降る 雪に、 いと^ 心 も 丑 

みつす ) 

滿 過ぎ。 

ザん き ほんど タ ^め -J S のち こよ ひ よ-あやう な こと 

最^ 閗 けば 一番 鷄が^ 御のお 命、 どうぞ 今宵 はいつ まで も、 夜の 明けぬ 樣 しゃう は 無い 事 かい 

9 ^ Z よ ひや よ あ かな とキ- うた はん ど & 

なァ C コ レ/^ 鷄ょ、 今宵 一 夜 はたと ひ 夜が 明けて も^らす 時 を諷 うてた もるな や、 一 番鷄が 

. と ご おいの ち とリ ; Jic かな うた 

いとしい/ \. 殿御の 御 命、 鷄も 心が あるならば、 必 らす諷 うてた もるな や。 

A\ いが ひ な 31a は とや つげ to- ば はばた 

その 云 ひ 甲斐 も 情な や、 早 ゃ塒々 に吿 の鷄、 羽う ち 羽 叩き ばっさば さ、 おさ 

ん はび つく, 9 見 上ぐ る錄。 (ト 上手 屋體 にかけ し 籠の 鶏 羽ばたき する) 

かな はばた ときつ み こ. か* な 

ァ、 悲し や^ \、 ァレ羽 叩きす る は 時 を 告げる 身づ くろ ひ、 ァ、 コレ^い なう、 必らす 泣いて 



と. 》 せと *- また は はた 

たもん な A -、 t てこへ 留めに 行きた うても 脊は屆 かす。 (ト又 羽 叩きす る) ァレく 又 羽 叩き をす 

る わい なう、 H 、どうぞ 仕樣 は 無い 事 かいな う。 

:ね^ぉ てて^ qft/ に^ を もがけ ど、 庭の 羽ばたく 籠の 內、 はっと 立 

か. feis より、 S き きら^ す i の 鷄 。 (ト伏 籠の 中より 跳への 5 一 a し」 

ヲ、 そなた はおに るに よって & いや ぢ やな ァ、 いなう d 身まで が 同じ 檨に、 啼 きゃんな ほ 

かし こ も Q な す 1 

きゃんな、 賢い 者ぢ や、 サァく 泣かす と 直ぐに 

喷へ ねんね 乙 -\ 'ねんね 乙せ い、 ねんね が 守. 9 は 何 處へ往 た。 

へ& きしめ ( - 抱きしめて、 をつ と 伏 籠の 內へ 入れ、 立戾 つて 見 上ぐ ると まら 

, :fe よ なむ S う ,さ うち おど ふ にぶ A \ 

が、 んも 羽ばたき 南無 三寶、 雪 を つぶてと 打つ けられ、 驚き 庭 へ 飛 ひお りる 

鷄を その まく 兩 手に 抱へ。 

コレ そなた は 賢い 1 に 能う &き や。 (ト 床と 打合せの 合方) 今 I 身が 啼 いてた もる と、 わしが も 

u_, A0& 1- せど い ち ほど もの 

う ^夢の く、 ^にも^に も I! へぬ 程の いとしい お^のお 命がない 程に、 けなげ 者ぢ や、 あら 

ゃ啼 いてた もんな や。 

111. .莊 太 *t 51 セ. 



時代 狂言 »s 作. 集 ,H 三 凡 

、 y うちゃむ a 4a y ふせ C お ほ i, aa a 

撫でつ さすみ つす る內 に、 向 ふの 止. o 木 こなたの 伏 籠、 多くの 鷄の 羽う ち 羽 

き ばんらん お stt とびいし ザた 

ばた き、 おさん はう ろ ,(. -氣も 半亂、 あなた 乙な たと 追 ひ 廻す、 飛石 傳 ひの 

あし と にばと c-tt さきつ か 

しどろ 足、 棲 ももす そ も ひら (-/\, ひらりと 飛んだ る 鷄 の、 羽 先摑ん 

たいち s あ が た e み』 せんかた 

で 大地へ 乙ろ 6/ M ろ (- 起き 上って はかけ めぐ 6/ 只 身 一 つに 詮方な く、 

ふなげ た «< » tt ら 

ど ふと 伏して 歎きし が、 すっくと 立って 泣 目 を 拂ひ。 (ト 此の 內ょ ろしく あって) 

あまみつ かみ お な^ ふ はち くに ゼぅ iff じ .S ま に はと W- な き 

ヲ、 それよ 天 満祌の 御^きに て、 Ik 內の國 i! 明 寺 は、 今に 鷄啼 かぬ と 開く。 

A\ しんりき およ こ ひ お わがつ ま わか いそ a 

その 神 力に は 及ばず とも、 戀 しと 思 ふ 我 夫に、 別れ を 急ぐ 鷄の音 AJO 

ねんと お 

女の 一 念 上め いで 置か S か。 

、しん めつ あ みあみ おろ ii はと P かご と ft sw ぉゥ > 

一 心 こらて は 眼 も 釣り上げ、 見上げ 見下す 鷄 籠、 止ら 木 爱に追 ひ 詰め 追 ひま 

くられ、 鷄も毛 を 立てと さか を 怒らし、 蹴爪 を 研いで。 (ト おさん 引拔き 跳へ 爨の 

羽の 衣装になる) 

n, X i ぽんな う たか A A 

し、 むら を 呼ばん とすれ どお さんの 心、 煩惱の 犬と な. 5 鷹と な,^、 ^ひつ 追 

CM- か P ば ふし ざ かん ち ごく ITf しゃう かい こ- ろ ぐ れんだいぐ れん 

はれつ 退れ がた の > 狩 場の 不思議、 八 寒 地獄 畜生 界、 心 は 紅蓮 大 紅蓮、 とけ 



て亂 れて黑 I も、 ばら (-鷄 の 羽ぬ と共に。 (ト 此の 內薄ド 。く 始終 狂 ひよ ろしく〕 

へな ほ と D- *j ろ ころ むぐ ぜんわが み う ( し 

多くの 鷄を^ りす ゑ、 歜 殺しし め 殺す、 報 ひ は 目前 我 身の上、 思 はず 知らず 

羽ばたきし、 ー聲 さけぶ 鷄 の聲。 

やまな ど U 

ァ 、悲し や、 今啼 いたの は 何 處ぢゃ ぞいな う。 

f ぱ c, t,p み wtt At み 5- け At わがみ う ( しら 4S あか 

何 處の鷄 どと 見廻しく、 思 はず 見やる 池の 面、 我 身の上 か は 白雪の、 明り 

に 詠めて 思 はず 立 返き。 (ト 橋の 上より 池へ うつる 影 を 見て〕 

な -さけ わ^ 安いき なが と, ゥ 3C やう いま こも fe** U-* 

ャァ《 情な や、 ^^生 乍ら 鷄 となり、 翼 生じて 今の 聲も、 お 啼き聲 であった るか。 

f\ ぶじ し わがな ご ゑ けい ばんけいうた かん 乙ぐ < わん せき と あけ? "たち. a 

始めて 知らし 我啼 き聲、 ー鷄 うたへば 萬鷄諷 ふ、 函谷關 の 關の戶 も 明 方 近き 

あまたの 啼き I。 (トー 時に 所々 にて 鶏 笛 :- 

ぶタ ぉタ いんぐ わ み むく 乙 ^ しょ Ai ん ^よいな が CA 

ァ 、淺 まし や、 ^の 因果の 身に 報い、 此の^と なつ たれば、 所詮 此の世に 生き 永ら へる 心 はな 

一 こみ M ろ , f か は とのご いのお たす お 

し、 ヲ、 それよ 、此の 身 を 殺して 夫に 代り、 殿御の 命 を 助けいで 置 かう か。 

^ねんりき かみ さかだ 5- か しらゆき げた ふ た まち あな > 

念力 乙 つて は髮 逆立ち、 とさか を 怒らし 白雪 を 蹴立て 踏み 立て 待合に、 掛け 

こし 3 かて と up u< ぜん のどぶえ ち ぐれなる おそ 

たる 一 腰 逆手に 取 6/ 鷄の 報い を 目前に、 咽 笛 さけば 血 は 紅 、 恐ろしなん 

一 二 莊 太夫 四 111 九 



啶代 狂言^ 作 叢 

ども。 

ト 此の 內 待合の 刀掛けに 掛けて ありし 脇差 を 取り、 是 にて 自害な しょろ しくあって 三重 ドロく にて、 

舞臺 一杯の 雪 慕 を 振り落し、 雪お ろしに てつな ぎ、 道具 出夾 次第 雪 慕 を 切って 落す。 

本舞袅 元の 道具に 戾る。 二重 眞 中に 煎の 皮 を 敷き、 三莊 太夫 以前の なり 脇息に 掛リ長 煙管に て 煙草 

を 呑み 居る 後に 刀掛け あり、 上手に 謎への 大 鈑+、 火鉢に 火澤 山お こし あり、 平舞臺 下手に 安 壽姬對 

王 上手に 耍 之介繩 にか、 り、 松に く られぢ つとう つむき 居る。 雪お ろし 時の 鐘 三重に て 道具 納 る。 

雪 氣の空 、 むざんな るかな 三人 は、 身 を 降る 雪に 艇 めら れ 1 のお^^ にきけ 

て、 思 ひ は 解けぬ しばら 繩、 目 も 當られ ず いぢら しく、 物の 哀れ も 白 き の g 

V- ^ほばん と ± t 

父大飯 斗に 寄. o 掛 ら。 

ト淨 瑠璃の 切、 讶 入り 合方。 

三莊 ァ、 &る は/ \、 三階い の 雪 ES 籠も まさに もれて IJ^^ となりけ らし、 ^めに きかぬ! 

!dji、 • デ、」 V, け き i な こと 9 し を こ.. - も 

庭、 どうも 云へ ぬ 此の 景色、 塒 放れし 小鳥 めら、 凍え死に き る 心 S- よさ、 コ リャ、 ャィ br ら 

や, i J ^ 3 もっとも > あ. 5 さむ ,- ' 5 、+-*,, 

おく 力 寒い 力 ヲ、 尤、 可哀ゃ /(\、 寒く ばき り, ('云うて 仕舞へ、 ^木の がき めら であ 

らうが な。 



安對 ィ H く、 そんな もの ぢゃ ござんせ ぬわい なァ。 

け さ せ *i え ぐん ptojr- .A ばう- ぐ ひ *| を 、 は t!# JILt^? 

三莊 コリャ こちらの 毛 ニ才 め、 大 江の 郡 領と蒈 いたる 榜示杭 切り 居った は、 おのれ も 岩 木の 钤 類に 

き 4 あ, やう はくじぎ 

極った、 サ ァ有檨 に白狀 せい。 

* はき J る ゐ co§ V ふだ き わ と^か どこう 5ら も V 

耍之 ヲ、 たと ひ^ 木の 餘 類で なくと も、 郡領 と^いたる 札 を 切り割りし は時蒎 公に 恨み ある^ ス 

ら ざる 馬鹿 念 押さす とも、 片時 も 早. く „la 討った。 

三莊 ム、 お さしゅべ し おお の^、 t 郞 もがき もづ ぶと い 面、 コリ ヤー 應では ぬかすまい、 此の上 

こ ナ. *< は i - 6 ュ まうた ほんと り しょせん あ ま い _ ひとと! 

は^を^り おをひ しいでも 云 はさに や 置かぬ、 < ?諷 ひし は 一 番鷄、 所詮 甘く 云った とて 一 通り 

ではぬ かし 居るまい。 ヲ、 ぬかすな よ、 コリャ むごい 目 をお すば なるまい。 

f» ひ すみび Z , 

火ば し を 炭火に さし 込み .o 

わす;; ぐ S 

三莊 ャィ忘 草。. 

對王 ハ 、ィ。 一 

三莊 信 夫よ。 

S ハイ。 

f t-?3 ら れ JJS . ^ぐん 《•? さま 9^ だい <c ^かく . に, fcRl I 

三莊 お^の^よ く^けよ、 ^來^ はお 江 郡領樣 より 三^ を預 りの 代官 格、 おろそか ならぬ 此 度の 

三莊 太夫 四 si 



時代 狂 雷 傑作 集 四 四 二 

T こ ゑ figs こ よ うちす やく. & fe - おやい は ぎ はんぐ わん 5 

役、 此の 畫 麥 に 似寄りの うぬら、 打 捨てて は 役目が 立たぬ わ、 サァ うぬら が 親 は 岩 木執官 と 云 

はう がな。 

やう 

對王 イエく その 樣な もので は ござり ませぬ。 

三莊 そんなら 岩 木が 粋" ではない か。 

對王 ハイ。 

し ぶ, 一 .S はタ はんぐ. to ん ひ !..《 あん 少せ ひめ > ft-JJ^S S. しわ 3ま_? , ) »> 

三莊 ャィ信 5k よ、 わり や 岩 木 判官が 娘 安 I? 姬、 忘 草 は對王 丸で あらう がな。 

もった. i しラ さま なら うそ まも ?- だいと もさ やう もの • i 

安壽 イエく 勿 隐 ない、 お 主樣に 何の 噓を 申し ませう、 兄弟 共 左樣な 者で は ござり まぜぬ 

ft? だ" とも、 >i き よ るね よ もの が く; J > , • >、 

三莊 そんなら 兄弟 共 岩 木の 餘類 ではない か、 コ リャ、 能く 物 を合點 しろ, モウ かうな つたら 云うて 

A また 4 * お はく £5 

も 云 はす、 又 云 はすと も 云 はさに や si かぬ、 サァ どっちから なりと 白^しろ。 

いか お たづ, , 

安壽 ィ M く、 如!: やうに 御 尋ねな されても。 

こ ij と ぞら 

對王 此の 事ば かり は 存じ ませぬ。 

三莊 そんなら どうで も わ いらは 知らぬな。 

t くだ 

兩人 ハイお 許しな されて 下さり ませ。 

やつら またち を さい ぼうじ き わぶ と :4 t- L-I. ^ - > 1, - 

三莊 ェ 、しぶとい 奴等、 叉 青二才め も 榜示を 切った は 我 科な どと 閒に合 ひ 口、 合 點か行 力ぬ、 ャィ 



二お め、 i の? P の^ 等 はぎ 木の 餘 I と 云 ふ 事、 われが 知らぬ IS はない、 サァ きりくと ぬか 

して 仕舞へ。 

A-i i とま ぼうじ き ぉ4 え あど それ 4 し .5 はき よ る -9 おも は J*,f "ほ 

要 之 Bc^. も 申す 通り、 榜示を 切りし はん 江に^ ある^が 業、 岩 木の 餘羝 とは兒 ひも 寄らぬ、 左樣 

とと ま を ' f / は, や ^か?, ふ > \ - 

な 事 を 申さす とも、 少しも 早く 成敗 あれ。 

さい よる ゐ ft レ* め ま < twj おう もん ^ *- 

三莊 ャァ しぶとい ニ才 め、 よし, (-餘 類で 無くば 今 目の前で 二人 を 拷問、 ャィ 二人 乍ら 是 を 見ろ、 

此の 火鉢に くべ たる i^ls、 しぶとい うぬら が どてつ 腹へ。 

安對 M ゝ、。 

う & つら & としょ こぶ ゃズ め >^^3 , » 

三莊 憂い 目 辛い 目、 年寄って したく もない が、 ^も 役目 だ^ 期しろ。 

、じゃけん た やきがね かたへ か T ぬぐ ひ ,• , - ほ 卞 ば- 

邪見の ほむら に 燃え立つ 燒鐡、 傍に 掛けた る 手拭に、 しっかと 卷 きて 庭に 

た めさき つ さ 

下ら 立ち、 目先へ 突つ け。 (ト 手拭 かけの 手拭 を 取り 火 ぱしを 持ち 庭へ 下り) 

はくじ si 

ャィ どちらから でも 白狀 しろ。 

兩人 サァ それ は U 

わすれぐ さ つし.? ま !5 . 

三莊 忘 草、 わり ゃ對王 丸で あらう がな • 

對王 サ それ は。 

三莊 太夫 三 



時代 狂 言 傑作 集 gsgj 

ぶ わ^ あんじゅ ひめ . 

三莊 信 夫め、 猛は 安壽姫 か。 

安壽 サァ それ は。 

Z さい ら 1- . , 

此の ニ才め は、 うぬら が 家来で あらう がな。, 

, さ やう 

安壽 ィ H 左樣 では ござり ませぬ。 

對王 中し 御主 樣、 私 を 殺して II をお 辦 けなされて おさり ませ、 SLfe 穀、 g の^で 1® のお; 一; 幕 

れ S わす くだ 

必す 忘れて 下さり まするな え。 

安壽 ヲ、 よう 云うて たもった、 ^端 も £ かぬ そなたの^^ ながから、 i を辦 けんとの ほざし、 し 

じ ラ si B as な こと お: S?J たす £i £ 

お 主樣、 私 は 女の 事、 どうぞ 弟 をお 助けな されて、 S を 飯して でさ お ませ ノ 

對王 ィ H く 私 を。 

安壽 ィュ私 を。 

あね さま 

對王 ィ ャ姉樣 を。 

おき 

安壽 ィャ弟 を。 

i たす くだ 

兩人 お助けな されて 下さり ませ。 

と爭ふ 兄弟、 せちが ふ 太夫。 



さ ことば つく ** おく き, き. -ぃ. • メ , こ r > 

三莊 ィャ そり やならぬ、 さっきにから 樣々 と 言葉 を 直し、 會釋 して 閗 かせても、 間 入れぬ 小び つち 

よめら、 ぬかさぬ から は 此の i 鐵、 背骨 を かけて たった 一 さし、 それでも 云 はぬ か。,. 

兩人 サァ それ は。 

三人 サァ《。 

三莊 ど-. - どう だ。 

\ つ S を B ふぐ >tt»s かんち ご f か., し ♦ く ぜ - ** か 

あなた M なた へ突ゥ ける、 折し も 降 &來る 大雪に、 八 寒地 獄苟責 の 責め、 中 

た t い ふ ごぐ. V つ かたへ かなめ み てんだ うさ a まこと 

に 立った る 太夫が 獄卒、 傍 にあぶ /\ 要が 身 も だ へ 、 天道様 誠あるなら ば、 

此のい ましめ を 解きた まへ、 日本 國の 神々 にも 見放され たか 淺ま しゃと、 三 

tv 1 とき ゆら tt しばて なり あ ひ み ぐごと しやう だいふお はぐち ひら 

人が 淚 一時に 由 良 橋 立に 成 合の、 うしほ 満ち 來る 如くなら、 三莊 太夫 大口 開 

i (ト 此の間 三 莊 太夫 雨 人 を さいなむ。 耍之 介い ろく 思 入。 此の 時 明 六つの 鐘^る) 

い かへ )J と かぶ あけ ► ふお 9 や ?,A, : せん. X- s I 

ハ、、 、、 いつまで 云っても 返らぬ くり 言、 ァノ鐘 はもう 明六ッ 二人の 奴等が^ 議は 後、 靑 

さ. 1 くび 5 ちお と し はなち , 

ニ才 めが 首 打 落し、 上使め の 鼻 明かさん。 

, まっかう かさに 拜み 打ち、 拔 けっく^ら つ 身 を か はす、 怖々 二人が 支 ゆれば、 

一 ュ莊 太夫 四 四 五 



時代 狂言 傑作 集 四 四 六 

ださお はリ - U しし.?: *^ S てんか c f 乙 15^* t i 

切 先 外れて 不思議に も繩の 切れし は 天の 加護、 切 込む 刀 打 落され、 ひるむ 所 

^ I* かたなお ク と たいふ かた 3 きり 3 

を 討 入る 要、 刀 追 取ら 太夫が 肩先き、 ばら ftN ずん と 切 下 ぐれば、 うんとの つ 

た ふ ふ 

けに 倒れ伏す。 

ト三莊 太夫 火ば し を 捨て 刀に て耍之 助へ 切って 行く。 耍之助 文句 通りの 立廼 りに 雜 切れる。 刀 を 取り 

三 莊 太夫 を 直ちに 切 下げる。 三莊 太夫 苦しみ 倒れる。 

こ P あぶ おく J-くぁくにん しぞ rs 

耍之 爰は 危なし ま づく奧 へ、 强惡 人の 三莊 太夫 觀 おひろげ。 

ぺ ふ^: り ^ み きしと ** のうち 乙 かたな ひき $9 うけ i 

二人 を 追 ひやり 身、 つくろ ひ、 仕 止めん 物と 打 込む 刀、 引 はずして 丁ど受 止め、 

やいば お a- て め 

刃の 面に きっと 目 をつ け。 

ト安壽 姬對王 丸 臭へ は ひる。 要 之助懷 中せ し 短刀に て 三莊 太夫へ 切って 行く。 兩人立 狸って きっと 

思 人。 

* お • ぼ こ B こお レょ ち その i う 

三莊 ャ見覺 え ある 此の 刀、 曰 !3 を 所持す る 其が は。 

なに $J 

要 之 何 を小瘕 な。 

又 切つ ける をし つかと 受 止め。 (ト よろしく 立 通って) 

- つち ふ どう ぽん じ ケゎ つさん じ さく ^たな ^ う e:」 - 

三莊 さし 裏に 不動の 梵字、 月 山が 自作の 刀、 スリャ ぬる & であった か。 



- - _ ,(广 *Ji" お *<r 5 ほ ^ V t けぷも お ふたかた あ V! がた き &ん かくご 

要 之 ャァ 此の 期に 及び 僞り 表裏の 卑怯者、 御 二が の 仇敵、 サァ 尋常に! ^期せよ。 - 

A 力. め は て さげ ぐつ し? だ いふ なに お i と ば やわれ 

と is 寄れば 手疵に 屈せぬ 三莊 太夫、 何 思 ひけん 落ちた る 刀、 取る より 早く 我 

わが はら つきた か な かお 1? ばう 

と 我 腹へ ぐっと 突立て る、 なう 悲し やと 駆け出す 女房。 (トー 一一 莊 太夫 刀 を 取り 後 

腹へ 突 込む。 奥より なぎさ 出て) 

fe> い. i ば. 9 ひ で ,2 あくしん.' ほ そのみ あだ も- f き かな 

なぎ n レ 太夫^、 日頃の 惡心 つもりく、 果て は 其 身の 仇なる か、 但し は狂氣 か、 悲し やな ァ, 

^iv つ げ つきの め み ひ 

取附き 歎く を 突 返け^ „\ 、 目 を 見開ら き。 

- •:. すけ よ ぶじ. ft 

三莊 枠耍之 助、 能く 無事で 居て くれたな ァ。 

-L . しんじつ 

耍之 ャ、 某 を * 實の 枠と は。 

ぶしん ips 11 つ おや 

三莊 ホ、 不審 は 尤も、 そちが 實 の親ぢ やわ やい。 

耍之 ェ、。 

- :ヒ に B ,5 ら *』 ダ う ぼんじ t わつ さん t さく § 

三莊 其 證據は その 刀、 さし 裏に 不動の 梵字、 月 山が 自作の 刀。 

[ , , こ, $ ^s-z *^ れ おつ その レ さい 

耍之 シテ 此の 刀 を證摅 にて、 枠と 仰し やる 其 仔細 は。 

r-E is5M< い , ま, -ft,- な や」 お きか 9" す a. こ * ぼ * し r, 

三莊 ヲ、 證據と 云 ふ は汝が 刀、 語り 聞す も 恥し や、 過ぎ行く 此の 身の ざんげ^、 コリャ よう ,け 

• 9 r . - そ^ねう 5 ち ふどう ly んじ つさ^ さく しょ s おし 

よ。 (ト竹 笛 入りの 合方に なり。) それ 其方の さし 裏に は、 不動の 梵字 月 山が 作、 所持 致した が糙か 

1 一一 莊 太夫 四 四 七 



時代 狂苜 傑作 集 四四 八 

i.* つに ソ なめ あう; ££ぅ4 , むらぶ 丄 IJ- J も W らぅく うちで き I oi y* り ほ 5At 

な證搲 元來我 も奧仲 生れ、 鈴村氍 後と 云 ひし 者、 浪々 の內 a-z 来たる 汝、 その 刀 を殘し 女房 共 は 

くに お ズ わ.^ / ん- う-く きたえん = やい りむ こ げんち ぞ つじ や もち 

國に 置き去り 我 は それより 當國 へ、 さまよ ひ 來り綠 あって 此の 家へ 人聱、 千 軒 長者と 川 ひられ 

わぶ う^ ひら Ms «s .a んぐゎ はじま よく あく Kg くに さいし こと 

し は、 羝 運の 開けし 所と 悅ん だが 因果の 始り、 愁惡 眼の しとみ となり、 國の 妻子の 事まで も、 

ft- 一 は = は うらつ 4- ?ん あつ きんぎん つら は わ 力 uic きた どうよく じ 4 け,, ? ひと うら 

^れ 果てた る 放埒 無慘、 むさぼり 集む る 金銀に て、 面 張る 我が 心の 汚な さ、 胴慾 邪險、 人の 恨 

. 、 £^ 、 .5^ • -^os. - L わ Hk? ね. なにと たづ だ とも えい 》~5 t 

みの 報い 報うた 鷄娘、 それに もこり ぬ^ 性根、 何卒 汝を 尋ね 出し、 共に 榮耀 にあら せんと、 チ 

'^6 .- • is , て ^ いは き, ば^ か さい おも わぶ こ ご しゅじん こ 

故 の^に 胆も くらみ、 時廉に 頼まれ 手に^け し、 岩 木 ii は 可愛と 思 ふ^ チの 御主人、 すり ゃ此 

) ^ . , わぶ ぺぴ と, だ いおん しゅくん i ち 5** 

の 親 は 主殺し、 ^首 取って 大恩の 主君へ せめて 忠義に せよ。 

乙 はえ やみ お 6 ひて ぐろ? -55 たま しひ tf 

子 故の 闇の 思 出に, 鐡 の やうなる 魂 も、 今 ど とろけて はら/ \/\、 止 

A や 乙 2«< だ ごと 

め 兼ねた る 親と 子が、 淚 汲み出す 如くな, 9。 

一 \ ^ ^ ) き > -P のが few- さ としつき お ヰ びと か S おんめ ぐ 

要 之 ハ 、ァ 初めて 聞いた る 御物 語、 拉ては 年月 こがれた る鉱 人に て 候 か、 斯 くまで 厚き 御惠 み、 

S -ふ ^ しゅじん £sl て か と, なほ おやころ 

it ならぬ 身の 情な や、 主人の 齩と 手に 掛けし は、 取 も 直さす 親 殺し。 

:: し, こと *^ れ しゅじん 

三莊 知らぬ 事と て 枠が 主人 を。 

耍之 揃 ひも 揃 ひし、 

ふ * * かう 

三莊 不義 不孝。 



はや むく .S んぐゎ 

要 之 かくまで 早 き 報 い と 因果 

どう し おや こ 

:-: 莊 铋 同士 が 親 f となり、 

う D み こと お 々びと さま 

^之 か、 る薆き = を 兒る事 か、 銳 人樣, 

一一: 莊 i、 ^卜 は 一 世、 能う i 见 せて くれ いやい • 

へ ひき いだ Ktt ; "た f»s If さか ^ * — _ - , / 

引よ せく 抱きしめ、 放れ 難な き 有様に、 母 は 淚の顏 を 上げ 0( ト兩 人よ ろしく) 

お to, ぢ *o のな し ^ ひ W" との ご い Z なお くに C こ こ かみ 

なぎ コレ 親父 能 何と 云 はっしゃる、 娘が したうた 殿御と 云 ふ は、 此方が 國に殘 した チか、 ェ、 神な 

み し *J と 2 あこ ひ W2 SCiP たす くる か あい.' む H5 さ か 

らぬ 身の 情な や、 知らぬ 事故 戀 した ふ 夫の 命が 助, けたいと 狂 ひ. ('て 可 哀ゃ娘 ははかない 最 

期 をし ました ぞいな う。 

むすめ ひご ゥ さいご と 

つ- 莊 ャ、、 ゝ、、 スリャ 娘め も 弗 業な 最期 を 遂げた るか。 

*K i .? われ ゆ *t * ぴム こと X . > 

耍之 是と云 ふ も 5" 我 故、 不^な 事 を 致せし よな ァ 

J- ひたんな *« - ' > 

"悲歎の 淚 にくれ ければ。 

于 つくし ひ H" しあ は レ ね そ x あ ほ - 

なぎ アイ ャく、 結句 死んだ が 娘が 仕 合せ、 生きて 居た とて 添 はれぬ 鉍、 コレ e 

た * しひち う う _ 

魂 中 有に あるならば 

三 太夫 BH 九 



時代 狂苢 傑作 集 四 五 o 

ttx 1 こと ute § はら か は ,たぬ ひと 》- 

|5 が 云 ふ 事よう 閒き やい なう そなたが 慕うた 男と いふ は 股 こそ 替れ ai は 一 つの、 はし 折り か 

だ ハ i よみら いそ こと 

ビ みの 兄妹 ぢ やわい なう、 それ ぢ やによ つて 此の世 はおろ か 未来まで も 添 ふ^なら ぬと あきら 

さレ か はら か 

めて、 i_! の 河原へ 往 てた もや。 

、なん いんぐ わ 乙 かな! S あこと > 

何の 因枭で 此の やうな、 悲しい 目に は 逢 ふ 事 ど。 

*- ひ おも や はな まよ. « 

戀 しと 思 ふ 心根が、 ^のむ ね 放れす うろく と、 さぞ や 迷うて 居 やる であらう。 

J\ まよ いまめ W£ たか な ち み るた ふまろ 

迷うて ならと 今 一 目、 姿 形 を 見せて たも、 逢 ひ 度 いわいのと 伏し 轉び、 も だ 

え^く ど 哀れな, 9。 (ト よろしく 泣 落す。 耍之助 こなしあって; - 

ち- せっぷく は- *w ^ ■* うへ もつ ナ そ 05 へ おも しゅじ, 2 お ふた, i 

耍之 父の 切^ 母の^き^ の 身の上、 かた,, t\ 以て 拾 てられね どま だ 其 上に 重き は 主人、 御 二人共い 

ま 

づ くに まします、 氣づか はしゃ。 

へ 見やる 一 間に 由 良 三郞。 (ト 上手の 障子の E にて) 

つし わう あんじ 甘 *0 は く£ ねん 

一二 郞 ャァ對 王 安壽に 極まった、 1 念 ひろげ。 

權藤 ェ ィ。 

するど .S な つ はおと レ やう じ $" att か ら- ぐ ss tolk- だいし gvj 

銳 くひて く 刀の 鍔 音、 障子 蹴 放し 山 岡が、 三 郞の首 たづ さへ、 兄弟 守護な し 



控 ゆれば。 

ト 上手^ 子 を引拔 く。 揺 藤 次 野 袴ぶ つ さき 大小に て、 三 郞が首 を 持ち 上の 方に 安 壽姬封 王 丸控へ 居る。 

耍之助 見て。 

お ふたかた U あん fci かた じけ な その もと なんぴと -, 

耍之 ャ、 御 二が に は 御 安泰なる か、 H、 忝い、 シテ其 許 は 何人に て。 

* しん し si WE あ . > 

權藤 ホ、 ヲ 不審な 仔細、 つぶさに 申 上げん。 

、si はるかに « しさり。 (ト iis へ 下りて〕 

u W こうお t さう! う ご ぞく レ 5f はし ろ" わ fc そる し ぶふ. - しん おばし め わ J 

を 政 氏 公の 御 一族と も 知らす、 おの 橋に て齊 渡せし 某、 御 不签に 思 召す は逭理 

し ごく .25 tt *2 こと ご け らいす ぢ 1 Z くに よし き ゅ么 たづ ifc , かひ- 

至極、 譯を. S. せば 長い^たがら 御 家 來筋、 此の 國に まします. B を閗 きし 故、 尋ね 參 りし e. 斐ぁ 

r き ザん お あ ,さまみ み fcw*^ V- ダ こうさ!, | しま , ' .ifc . 

つて、 御機嫌よ き 御 有樣見 奉りし 身の 大慶、 御 母 公も^ 渡が 島に まし ませし を、 狼 處を救 ひ 

だ た めでた ご し^ぶ ご たいめん そ^し ね うすん うち きづ.^ め > 

出し 舉り、 目 出 皮く 御 親父 御對面 は^が^ 寸の內 にあり、 必す氣 ^ひ 召さる-な。 

へどぐ やぐへ ^,-5 す *>ゃ<- さすが こ、 ろい ttw ちう しん 

, 毒藥變 じて 忽ちに、 あら はす 素性 流石に も、 心お 木の 忠臣な り。 

A たじ *- ヶ み だい VUJic 5 お ふた か. せんど * と r くだ おなめ あんど こ うへ «»t 

耍之 ハ、 忝 レ、 御亳 所と 云 ひ 御 二が の 先途、 G, ー屆け 下されん とは^が 安堵 此の上な し、 情なき は 

そ 公 レ あく C.W ,ん ざい ち. - う ぉタ 乙ろ なに めん ぼ く なが . レ き は S * レ は T- よ せつ 

某、 恧人 にもせ よ^^の 父 を 討った る亂 殺し、 何 面目に 永ら へて、 生 恥 を 見ん より ^ く 切 

ぶく ろへ ご しゅじんがお おんみ うへ たの <f さ をん- S5 は 

腹な さん、 この 上と もに 御主人 方の 御身の 上、 ただく 頼む は 山^^、 早 やお さらば。 

111 莊 太夫 四 五 1 



時代 狂言 俊 作 集 gj 五 11 

^ひきぬ かたな や a を か 

3>拔 く 刀山阅 もぎと 6SO 

おや, 1ふ A-ャ こん * i い • . 

霧 ヲ 、鉱 殺しの 科 人、 成敗の しゃう あり、 覺悟 なせ。 

^ かなめ かた そで おし L.1 

要が 片釉 すっぱと 押切り。 (ト 植砖次 耍ク, 助の 片袖を 切りて ) 

. 晋の &|の ためしに^ ひ、 穀の射 i を^って i!i へば^ <ん と^^ ^つた^^ s の^だん 

が 貰うて 去ぬ る はお i^、 ぬる |1 はり、 S だんの 翁 逑をぉ るが sir f す g に^まって、 

犬. 死な さるな 要^。 

-fms$ 4 にと 一 § に、 pfso 

コ: 莊 山 1^ の 情に て、^ にあらぬ その ^^、おぬる^ を辦 ける 、^は 5;鬚 に。 コリャ f す ||難 

わす 

を 忘る 乂な。 

^ ^ ^ > ひ 少 j . た »- ん -5 たけと ひひき おろ 

豪氣の 太夫よ ろぼ ひ/ \ 立 上って、 緣先 にかけ たる I 樋 引 P し。 

ト 一ー一 莊 太夫 苦しみ 乍ら 立て 竹 樋 を 取る。 

S しの Hi まる iw、 • 蘇の S めに は 1 きの g、 ts0 づ扎 いて 

たべ、 要 も 引け、 引かぬ か、 引いて たべ、 引いて? させて たべ。 



A. たけと ひ ね 5 み もち ^ ぐび % ひつ S ありさ S な 3 ォ £5 

と 竹 樋に 拔身持 添 ひ 首に 當て、 H ィ/. \(- と 引 切る 有様、 なう 情な やと 女 

め』 いつ つきの ぐ h- おし む、 なば なきい 

お要^ 附く を、 突 退けく 首 押切り、 つ ひに 空しく 成り果てる、 はっと 泣 入 

つ X 

る 妻よ, 9 も。 

ト三莊 太夫 我 手に^ を 切って 落 入る。 $" 々思 入。 

n. A • ひん み あんじめ ひめ おや C げ や £ を か 6- ら な. * だ つし わ.,.' S る い I* 

"不便と 兌 やる 安 靡 姬、 親子が 歎き 山阅 が、 まひ 淚に對 王 丸、 心さと くも 勇み 

ク 

お 付ナ o 

? E V ノ 

モ な^ こと. かた i ぐん..,, ?ゅ も 

對王 ホ、 其の 欽 きは理 りながら、 これ も 敞郡領 故。 

へつら ばら くりい?: い C よ ひ ゆき さいさき ふ C たいてん あだが た S うは- C た 

恨み を 晴 す會稽 の、 今宵の^ は 幸 先よ し、 不俱截 天の 仇敵、 打ち 亡ぼして 手 

,M けなん。 

f 加う ^ t 

忠と 孝との みちの く 山。 

がね はな さ ふるさと 

安雜 黄^ 花^く 故鄉 へ。 

にしき S* < かめいよ X stts 3 かえ 

W びかざる 錦 木の、 朽ちせ ぬ 家名 千代 八千代、 さに れい しづゑお 木の 榮。 

15* はし 

^ むは 元吉。 

三茈 太夫 四 五三 



時代 狂言 傑作 集 四 五 四 

4*4 を か に^ 

對王 山岡兩 人。 

へい や a を かい f- だい^ん 

云 ふに 山 岡 勇みの 大昔。 

- . e • > ?: ,う か S おせえ とキ かど <* いぐ わ ほこ ゆ! <s *u. 

i 仰せに や 及ぶべき、 當の敵 は.^ 江の 時廉、 榮 華に 誇りし 油靳を 見込み。 

A みかた u せい S ^ い おも &ラ c± しゅ 

たと ひ 味方 は 小勢な も とも、 心 一致に せめ 入らば、 思 ひ 設けぬ 事 なれば、 酒 

えんらん ぶ ? る ぶ^く おはえ そない こ 、お よかし 乙 ゥ 

宴亂 舞に 心 を ゆだね 武略に うとき 大 江が 鼠輩、 愛に 押し寄せ 彼處に ほつ 詰 

た がうよ ぐ ひ だう しばが しら う^ と し り 

め、 もみ 立て ぼつく だし、 强欲 非道の 皴頭、 討 取らん は 手 裏に あ.^。 

いさざよ - おもしろ -, こぶ ナぐさ il>sr ほつ た じつ -r つぶん は こ とき 

耍之 ホヽホ ヽゥ潔 し 面白し。 (ト のりに なり) ^より 直 樣出發 なし 他日の 一 ^憤 晴らす は 此の 時。 

J\ みや t X e たんば ち や たや a かれ ざい じゅ 5 さかよ u ぜぃ t 

"都 を餘 所に 丹 波路 や、 山 又 山 を 打 越えて、 彼が 在 城へ 逆 寄せな し、 小勢 は 夜 

うち^ん ご uii ぼ あ ひ あ ひ 乙とば 

討と 孫吳が 言葉、 合に あ ひ あ ふ 合言葉。 

つ *| はな fc ぶ ご& 

月よ 花よ と a ひの かけ 聲。 

^ をん てき, ち と » で 3 ん くわい 

やす,/ \ 怨敵 討 取って、 目出^く 參會。 



兩人 ム、 ハ ゝ、、 ゝ。 

*§ %A1 よし 

權藤 悦べ 元吉。 

い およ 

要 之 云 ふに や 及ぶ。 

へいさ た ぶた D わかもの *-w を かか a > 

勇み立った る 二人の 若者、 山 岡 重ねて 

00 ィザ お立ち。 

へす、 ごん 经 め ぐ c , T こ』 

進ひ權 六し ほる、 要、 四苦八苦の 思 ひ を 愛に。 

し P- じゃひつ めつ さお 

耍之 ^^必滅 定めな く。 

す * i む じ もん 

なぎ 勸むる 門 は 無^ 門。 

S なお B うちと で 

植膨 此方 は 敬 を 討 取る 門出 ゾ 

あ わか i しゃり ズ tf- 

安壽 逯 うて 別る &會 者^^。」 

かれぎ はな かへ ざ 

對 •+! 枯木に 花の^り 咬き。. 

00 世 はさま の、 

皆々 成行き ぢ やな ァ。 

へチる なみ う K よ ゆら みなと げんち f じ々 な £M 0C 

グ心を 波に 打 寄す る、 由 良の 湊の千 軒 長者と、 その 名 を 今に 殘 しける。 

一 11 莊 太夫 四 五 五 



時代 狂 言 ^作 集 

ト普々 よろしく 引 張りの 見得に て 



三莊 太夫 (終り) 



P9 

五 



大正 十五 年 十二月 十二 日印お 

大正 十五 年 十二月 十五 日發行 



編纂 者 



檢 

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「時代 狂言 傑作 集』 第六卷 

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卷 

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第 一 卷 (旣刊 ) 



第: 卷 (同 

第-一 卷 (同 

第四卷 (同 

第奚同 

第六卷 (同 

第七卷 〔同 

第八卷 (同 

第 九卷 (同 



谷 怪談。 法界 坊。 嫁 切り。 梅 川忠兵 

天竺 德丘 ハ衛。 峤隨 院長 兵衞。 洒屋。 脔 

玄。 

八百屋お 七" 鈴 木 主 水。 乳 H ひ。 宿 無 

圑七。 

府人 殺し。 堀川。 野峙 村。 五大 力。 

女^舞伎り ^樣勘 次。 來山。 名工 柿右衞 

門 、鼓の ar 裒表心 曲尺。 (稷 本虎彥 集) 

累物 詰。 白 石噺。 鬼神お 松。 S 祭り。 

め 組の 喧嘩。 三人 片輪。 上野 戰爭。 松 

田の 仇 討。 (竹柴 其^ 集〕 

朝 a 日記。 二人 新兵 衞。 廓 文章。 梅の 

ぬ 兵衞 C 

伊勢 音頭 C 明 烏。 心中 天辋 島。 月桂 m。 



(以下 績刊、 卷 次. 內容に は 多少の is あるべし 〕 



4* 一き:、 无 ^:ソ 義餒千 本 櫻。 石切梶 原。 扁屋熊 谷。 蓮 

? 3 1 干」 生物 詰。 卅三間 堂。 

高野山。 嫗 山姥。 玉 三。 義^ 腰 越狀。 

新-博 雪 物語。 

阿 gH。 菅原。 板 額。 山門 五一 1ー 桐。 

先代 萩。 阈性 爺。 辨慶 上使。 蘭: 牛 物^。 

彥山權 現」 

鬼 一 法眼。 盛綃 陣屋。 阿古 崖 琴赍" 袖 

萩 祭文。 伊賀 越。 

廿四 孝。 平家 女 護 島。 宅兵衞 上使。 ^ 

倉 三代 記。 

ひらがな 盛衰 記、 伊勢 物語。 岸姬 松。 

輝 虎 配膳。 

伊賀 越。 阿古屋^ 盛^。 安達 ケ原。 有 

職 嫌 倉 山」 

1 の 谷 e 富 士見西 行。 楠 昔噺。 八陣。 



第二 卷 (同 

第三 卷 〔同 

第四卷 (同 

第五 卷 (同 

第六卷 (同 ) 

第七卷 (績 同) 

第八卷 (同 ) 

第九卷 (同 ) 

(以下 績刊、 卷次、 内容に は 多少の 變更 あるべし〕 



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