最年少金の13歳西矢椛、週5で通うスケボー場で見せた姿

スケートボード

堀之内健史 中島隆
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 東京オリンピック(五輪)で26日、スケートボード女子ストリートで金メダルに輝いた西矢椛(もみじ)(13)は、日本代表史上最年少でのメダルとなった。西矢が練習しているスケボー施設が、地元の大阪府松原市にある。ゆかりの人たちが、素顔を語った。

 西矢は大阪府松原市立松原中2年。同市の「スポーツパークまつばら」で練習する。施設内には850平方メートルの広さのスケートパークがある。多いときには1日50人が滑るという。

 26日の夕方、練習に来ていた中川夢都さん(9)は「めっちゃ練習したんだと思う。自分も金メダルをとりたい」と興奮気味。あいさつを交わす仲だという藤沢馨さん(15)は「男子でもまねできない難易度の高い技をしていて、すごいと思っていた」と話す。

 施設の支配人、太(ふとり)健二さん(35)は「椛はとにかくいつも笑顔でかわいい子。冗談話も全て笑って聞いてくれる」と言う。

黙々と練習、動画を見返す

 西矢は2015年7月のオープン時から通い始めた。週5回ほど、夕方から午後9時ごろまで、父母に見守られながら黙々と練習に励む。コーチはいない。自身の滑りを両親に動画で撮影してもらい、熱心に見返す姿が印象的という。「練習の時の集中力や向き合う姿勢が他の子と違う。少し話しかけにくいというか、オーラが出ていた」

 五輪出場が決まった時も普段と変わらなかった。「少しぐらいテングになってもいいのに、ならないのが彼女の人間性の魅力。僕たちの方が浮足だっちゃって」と太さんは言う。

 「気負わせてはいけない」とセレモニーなどはしなかったが、戻ってきたらお祝いをするつもりだ。「最高の凱旋(がいせん)の準備をしてあげたいです」

 松原市の澤井宏文市長は26日夕、記者会見した。市長室で執務をしながら、目と耳はテレビ中継に向けていた。金メダルが確定すると「ウォー」と声をあげ、秘書課に「金メダルや」と言ったら、全員テレビを見ていた。

 西矢の両親は娘のことを少し心配していた。五輪開催をめぐり賛否が分かれ、「娘に不安感を与えたくない」と話していた。

 市は壮行会を6月25日に開き、澤井市長は「コロナとか社会情勢とかは、われわれ大人が責任をもってやる。スケートボードを楽しんで下さい、オリンピックを楽しんで下さい」と西矢に声をかけたという。

市長「施設、監修してもらいたい」

 公園などでスケボーをする人たちが、階段などでアクロバティックな技をするので、破損することがあった。そこで市がつくったのが「スポーツパークまつばら」だ。「(施設を)つくって本当に良かった。西矢さんに監修してもらってパークをもっと充実させたい」と話した。(堀之内健史、中島隆)

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