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Full text of "似た言葉使い分け辞典"

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正しい言葉づかいのための 

似た言葉 
使い分け辞典 




この辞典の内容と構成 2 


この辞典の内容と構成 

1項目見出し(大見出し)について 

似た言葉のグループ中、最も基本的な表現でょ 
く使われるものを項目見出しとし、五十音順に配 
列した。項目数は七ニーである。 

2似た言葉グループの表示 

項目見出しの次に、似た言葉のグループをブラ 
ケット p;J ) に入れて一覧できるょぅ示した。 
似た言葉をすべて取り上げたわけではなく、表現 
に役立つものといぅ観点から注意すべきものだけ 
を選択した。 

グループ内の言葉はおおむね同一品詞の語であ 
るが、形容詞と形容動詞(語幹のみ表示)、副詞 
と形容動詞連用形など、異なる品詞を同じグルー 
プに含めている場合もある。また、連語も含まれ 


る。 

表記は現代の標準的表記に限定せず、できるだ 
け漢字を示したが、使用されることの極めて稀な 
ものや当て字と考えられるものはかな書きとした 
3/-~\使い 分け例 W について 

グループ内の各語の特徴.ニュアンスがなるベ 
くよくわかる用例を示した。多義語の場合、すべ 
ての語義に応じた用例ではなく、他語との比較上 
重要な語義についての用例だけを示した。 

使い分け例の見出し(小見出し)と用例の傍線 
部は必ずしも同一品詞でなく、名詞とそれが語幹 
となる形容動詞、また、名詞とそれから派生した 
サ変動詞は、それぞれ一括して扱った。 

この部分の表記は、見出し(小見出し)では 
I - nJ 中の語群の表記よりも難読漢字を少なく 
し(かなに変え)てある。また、用例中の見出し 
語(傍線語)では更に漢字を控え、一般の人に最 
もよく使われると思われる表記とした。 



3 この辞典の内容と構成 


4 _語•反義語について 

(,使い分け例) 中の各語の用例の後に、その語の 
同義語.反義語を、®.®の印をつけて示した。 
ただし、同義語といっても厳密には文体的なニュ 
アンスなどの微妙な違いが全くないとは言えず、 
「似た言葉」 とする か同義語と する かは、類似性 
の程度の差や、その語の重要度などにょった。 

5广どう使い分けるか W について 

使い分け方についての説明である。各語の語義 
を必要に応じて記しているが、すべての語義にわ 
たってはいない。使い分けが微妙で注意を要する 
点に関してのみふれているものである。 

6 使い分け表について 

文章にょる説明を補ぅため、幾つかの似た言葉 
と幾つかの用例を組み合わせた可否を示す表を、 
適宜挿入した。この表で、似た言葉が、用例によ 
り共に使えたり、一方は使えるのに他方は使えな 
かつたり ということが わかり、微妙な違いが明ら 


かになる。表中、〇は使用可、—は使用不可また 
は疑問、△は不可とは言えないがほとんど使われ 
ない、の意である。 

7 〔注意〕について 

本書の主目的である使い分け方とはやや離れる 
が、注意すべき、あるいは心得ておいた方がょい 
表記•文法.意味.まぎらわしい別語などで、必 
要と思われる場合に付した。 

8索引について 

各項目に含まれる似た言葉、おょび®印をつけ 
て示した同義語のすべて、合計四三三八語を五十 
音順に配列した索引を設けた。 

本書の普通の使い道は、文章表現に際し、思い 
ついた言葉が適切であるか、もっと適切な言葉は 
ないかを調べることであろぅ。その場合、思いつ 
いた言葉を まず 索引で探す方が能率的である。索 
引中の太字は項目見出しの言葉とぺージであり、 

* 印のぺージは同義語を©で示したところである。 



ぁ 

愛 —— 愛.愛情.情愛•慈愛•恋愛 . 

挨拶 —— 挨拶4?;.会釈奸.ぉ辞儀# - 0' . 

愛する-愛する•好む•好く •恋する•惚ほれ 

3•慕^つ .• 

曖昧 —— 曖昧21.ぁやふや•有耶無耶? J •朧気 

諸.漠然 X ? . 一 

会う-会う•逢う•遭う•遇う•出会う • m く 

わす•巡り会う•落ち合う •遭遇1! す 

る•邂适^する . m 

煽る——煽 g る•おだてる•唆??す•けしかける. 

焚き付ける•一扇動する•アジる . ^ 


明かり——明かり•灯•灯火•灯し火 . 

上がる—上がる•揚がる•挙がる•上る•登 

a •昇^ . 

赤ん坊——赤ん坊•赤子•赤ちゃん•嬰児 

以ぃ•乳児•乳飲み子•嬰児^•ベビ ー. 
明らか——明らか•明白•明快•明瞭•明晰 

1?,•自明•歴然 . 

締める—請める•断念する•観念する•思い 

切る . 

飽きる—飽ぁきる•倦ぅむ•飽き飽きする. 

うんざりする • II 出する•:•:•:•:: 
あした —— 明日^.明日«明日铃ぅ.翌日: 
あたふた— あた ふた •そそくさ•そこそこ • 


CD C=) 















5 目次 ( あ ) 


うろうろ•まごまご . 一一 

新しい—新しい•真新しい.新た.新鮮.フ 

レッシュ . 一一一 

当たり前——当たり前.当然.尤 t « l っも . 一一一 

扱う—扱ぅ.操^る.棚 g く. 操作する . 一一一一 

熱さ—熱さ.暑さ.いきれ.熱気.暑気.炎 

熱.炎暑.酷熱? f •酷暑 . 一四 

まる —集まる•集ムロする•集う•会する • 

集1 る.群がる•群れる . S 

当てる —当てる•充てる•宛がう•当てはめ 

る •充当す る. 充用す る. 適用す る . S 

あなた——貴方.ぁんた•君.お前.貴様•お 

宅.貴下.貴君•貴兄•貴殿.貴方 . 一六 

侮る - 侮 S なる.見溢^る.見下す.見下げ 


る.蔑(贬) r げむ.軽んじる.軽蔑する…一八 
暴く——暴く.ばらす.素っ破抜く.暴露する…一八 
危ない—危ない.危ぅい•危なっかしい.危 

険.剣呑11.物騒1# . 一九 


油—油.脂.脂肪 , ! L .油脂.オィル . 一一0 

怪しい ——怪しい. 可 笑1しい.疑わしい.訝 

|ぷ しぃ. 不審 . 一一一 

誤り——誤り.過*$ち.間違ぃ.失敗•失策. 

過失•過誤 . 一一一 

荒い——荒い•粗;!い•芒 7 IL っぽい•粗 s っぽい • 

荒荒しぃ•手荒ぃ.粗暴•粗野 . 一一一一 

洗ぅ—洗ぅ.濯 t ぐ•漱 tt ぐ.濯?ぐ•洗濯す 

る.洗浄する . 一一11一 

あらかじめ—予め•前以て.予3て.予予 S …ーー四 
争い——争ぃ.喧嘩 I ん.諍|さぃ.睚1み合ぃ. 

抗争.闘争 . 一一四 

表す ——表す.現す•顕 r す.示す•表 s ょする. 
表出する.表現する•表記する•標 

記する . 一一! t | 

有り難い——有り難ぃ.忝誌なぃ.勿体誌な 

ぃ.恐(畏)れ多ぃ . S 

ムロわせる -ムロわせる•并せる A 口并する • 




















目次(あ〜い) 6 


併合する•合同する•合体する•統合 


する . 一一 ! J 

慌てる - 慌成 てる•ぅろたえる•まごつく •狼 

狽 St する . 一一八 


安全——安全•安泰.安穏^.平安•平穏ね…一一八 


言い訳-言い訳•言い逃1れ•申し訳•弁 

解•弁明 . 一一九 

言う——言う•喋^る•話す•語る•述べる • 

申す•仰る . 三 Q 

家 —— 家•うち•家屋•住宅•住居•住まい . 三一 

意外-意外•案外•予想外•思いがけず. 

田ぬ V もよらず . 一ーニ 

粋——粋’小粋•垢抜け•シック•スマート…一一三 
生き返る—生き返る•蘇 fi る•蘇生 S " す 

る•復活する . 三三 


息巻く—息巻く •いきり立っ•当たり散ら 

す•怒鳴り散らす . 豊 

生き物—生き物•動物•畜生^ぅ•獣•生物…三四 
行く—行く •赴§もく •出向く •出掛ける•参 

る•いらっしゃる . 三五 

意見——意見•見解•所信•考ぇ . 0 

威厳 —— 威厳•威光•権威•威信•威風 . 三六 

勇ましい ——勇ましい•勇敢•勇壮•勇猛. 

雄雄しい•凜凜1:しい . 三七 

意志-意志•意思•意向•意図•志向•指向…三七 

苛める - 苛 D ' v める•いびる •虐待 ^くする. 

嬲§る•苛 S ぃむ . 三八 

異常 —— 異常•異状•非常•別状•別条 . 三九 

いじる —弄 S る•捨 S くる•弄1^ぶ . 三九 

意地悪 —— 意地悪•邪険^•邪悪•陰険. 

刺刺^しい . 四 Q 

一段と —— 一段と•一際 g ? •一入^•一層……四一 
一生 —— 一生•生涯•一代•終生•一期6ち……四一一 






















7 目次(い〜う) 


f7~U| |7~c| |7M f7M prq [TCf PH ドし I | ノし | レし I 

八 八七六六五 四 三三二 


一生懸命 —— 一生懸命•懸命•必死•一心. 

¥■ 0 -. 

一方 —— 一方•片方.他方 . 

いつも I 何時も•常に.始終•終始.普段: 
移転 —— 移転.移住.転居.引っ越し•移動. 

Bsa. 

居眠り —— 居眠り.転寝•仮寝•仮眠. 

仮睡?; 4 ' . 

今——今,現在•目下.現今•ただ今 . 

意味 —— 意味•意義•訳 . 

居る-居ぃる • 居ぉる•いらつしやる . 

色色——色色•種種•様様•多様 . 

陰気 —— 陰気•憂鬱^•陰鬱•沈鬱•鬱鬱^. 

鬱陶しい . 

•5 

i ? き浮きする-浮き浮きする•ほくほくす 


る•わくわくする•浮かれる•浮き立つ… 四九 

動き-動き•蠢動 a ん•胎動^•動向_ . 五 Q 

嘘 —— 噓:?•ほら.偽り•空®口 (空事)•虚偽 r . 

虚言•でたらめ . 五一 

打つ-打つ•叩⑽く•殴?る•打ぶつ•叩2く . 五一一 

、っつかり- うっかり•っい•思わず•無意識 

に•知らず知らず . 五一一 

美しい —— 美しい • 麗 r しい•綺麗2ぃ•優美. 

* 城やか . 五三 

移り変わり —— 移り変ゎり•推移•変遷^. 

変化•変動 . 五四 

腕 —— 腕•手•腕前•手腕•才腕•手並 r . 五五 

奪う - 奪う•取り上げる•奪取する•巻き上 

げる•ひったくる•ふんだくる . 0 

旨い —— 旨(甘)ぃ•美味 f しぃ•美味^甘美…五六 

生まれ付き-生まれ付き•生来•生まれな 

がら•先天的 . M ヒ 


敬ぅ——敬ぅ•尊(貴)ぶ•尊敬する•崇 g める. 























目次(う〜お) 8 


六六 


六五五 五 

CD 九九 八 


忠 K 拝する . 

羨む——羨 r む•羨望 fl する•妬(嫉 ) ⑽む. 

嫉妬 tb っする•焼き餅を焼く . 

ぅるさい——煩: T い•喧 S かしい•騒 5 がしい: 
ぅれしい——嬉しい•楽しい•喜ばしい•愉快 
、つろつく -うろつく•ぶらつく •仿徨 4まう • 

M ® ら t ぅ . 

運-運•運命•運勢•宿命•定め . 

運搬-運搬•運送•輸送•運輸 . 

え 


絵——絵•図画•絵画•絵図•ィラスト . 六三 

永久——永久•永遠•悠久1?ぅ•恒久•永劫^…六四 

選ぶ-選ぶ•選ょる•選択する•選考する • 

選抜する•選出する . 六四 

延期-延期•延長•日延べ•順延 . 六五 


お 


追ぅ—追ぅ•追いかける•追跡する . 六六 

応接-応接•応対•接待•持て成し . 六七 

オー ケストラ - オー ケストラ.管弦楽団 • 

交響楽団•楽団•楽隊•バンド . 六七 

大らか —— 大らか•鷹揚 XV 闊達(豁達)努. 

寛闊 S •開豁 IT 磊落:?5•寛大•寛容…六八 
大笑い——大笑い•高笑い•馬鹿笑い•大笑 

はぅ•爆笑•哄笑^ぅ•朗笑 . 六九 

犯す-犯す•侵す•冒す•干犯^する•侵犯 

する •侵略す る •侵食す る •浸贪 する* 

侵害する•冒瀆 s < d する . 七 Q 

臆病——臆病•小心•小胆•内気•弱気•気 

弱•怯懦1! . 七一 

贈る-贈る•差し上げる•贈与5;ぅする•贈呈 


する•進呈する•献呈する•献上する…七1一 


















9 目次(お) 


遅れる-遅れる•後れる•遅延する•遅滞^ 

する•延滞する . 七三 

厳か——厳か.厳粛ばく.荘重.荘厳£'!.森厳. 

厳然 . 七一一一 

起こる-起こる•興る•起きる•生じる . 七四 

怒る-怒3る•怒1る•立腹する•憤&る•憤激 

ft する . 七五 

える-抑える•押さえる•制する•抑制^ 

する•抑圧する•制圧する•圧迫する • 

弾圧する•抑止する•制止する . 七五 

収める 収める•納める•収納する•受納す 
る•納入する•納付する•収拾 ut ?? 


する束する用する容する:•七七 


おしやべり —— 御喋 sf り•無駄口 •口軽 • 

駄弁•多弁•饒舌 gr •多言 . 七八 

遅い—遅い•のろい•純狀い•まだるつこい • 

緩慢2•鈍重^ ぅ •遅鈍 . 七九 

恐る恐る—恐る恐る•恐®¥びくびく • 


怖ぉず怖ず •ぉどぉど •戦戦恐恐… 

恐れる-恐(畏)れる•怖!^がる*脅§ぇる • 

怖ぉじける•恐怖する•畏布する•懸 

念3んする•危惧 <*# する . 

おつちよこちよい —おっちょこちょい. 
軽薄•軽軽しぃ•軽はずみ•軽率. 
軽佻 IK ぅ . 


音——音•音ね•声•響き•轟;^とき•鳴り . 八一一 

おどけ —— おどけ•茶目•剽軽 K ぅ•滑稽^ • 

ユーモラス . 八一一一 

男 —— 男•男性•男子•男の人•おのこ•野郎……八三 
脅す—脅8す•脅1びかす•威嚇1くする•脅迫 

??ぅする•強迫する•恐喝? I ぅする……八四 
訪れる—訪れる•訪ねる•訪問する•来訪す 

る•見舞ぅ . 八五 

おとなしい—— おとなしい•優しい•穏やか. 

温和•柔和^ . ft 


踊り —— 踊り•舞•舞踊•舞踏•ダンス•バレエ…八六 




ノ、 


















目次(お〜か )10 


衰える -衰える•寂 S れる•廃! fet れる•落ちぶ 

れる•衰弱する•衰微する . 八七 

驚く -驚く•びっくりする•たまげる•驚嘆 

する•驚愕? I ぅする•仰天 H ぅする……八八 

同じ —同じ•同一•同様•同然•等しい . 八九 

おののく — 戦§ のく•わななく •身震いする • 

身の毛立つ•戦慄^する . 八九 

お化け ——お化け•化け物•怪物•妖怪•幽 

霊•亡霊 . 九〇 

覚える —覚える•記憶する•銘記する•暗記 

する • nB H H する ... .:,1一 

お参りする —お参りする.詣でる.参拝す 

る•參詣する . 九一一 

思い付き——思い付き.閃^き.着想.発 

想.アィデア . 九一一 

思い遣り——思い遣り•情け.同 If . 哀れみ. 

憐憫^ . 九三 

表——表.表面.外面.外面??.上辺1 . 九一一一 


趣 趣.ムード•雰囲気 it . 情趣•風情れぃ. 

情緒 sr.slr . 

親方 —— 親方•親父 u l .親分.巨頭.首脳. 

旦那(檀那 S ん .ボス.マスター . 

及び——及び.並びに.又•且つ.乃至^1 . 

降 (下)りる ——降(下) りる.落ちる卡が 

る•下る•下降する .. 

終わり——終わり■仕舞(終)い.終末.終 

了.終結.終焉; Jr . 最終•最後•最期. 


果て•末•末尾.ラスト . 九八 

恩—恩.恩恵•恩義•恩顧.恩典 . 九九 

女—女•女性.女子^*.婦人•女子^. 

乙女 r . 一 g 

か 

改革-改革.変革•革新.改良•改善.革命 一〇一 

会議 会講.協讓•合!!.会談•審議 . 10 一一 


九 九九 九 

七 六五 四 




















11 日 次{か) 


外人——外人•外国人.異邦人•異人 . 一01一 

改正 —— 改正•改定•改訂.修正•訂正 . 一01一一 

概要 —— 概要.概略.大意.要約.粗筋5!.大 

綱.アウトライン . 一〇四 

会話 —— 会話.対話.面談•対談.会談.鼎 


談•ほ.座談•談話.懇話.懇談 . 一§ 


変える -変える. 換 (替)える•代える•改め 

る•変更する•交換する•変換する • 

交替(交代)する . 一 S 

返る—— 返る.帰る • 民る•引き返す . 一 Q 七 

顔立ち —— 顔立ち.顔付き.容貌劈.顔_ば 

せ.表情.相好?! . 一 Q 八 

かかわる-係(関) わる •関係す る •関する • 

関連する.掛かり合ぅ•関与する . 一0九 

垣根 —— 垣根.塀 1 r 垣.囲い.フェンス . 一〇九 

書く—書く •記す •認める •記述す る. 記入 

する •記載す る •記録す る . 一一〇 

隠す-隠 <*> す.秘める.秘する.潜 - eo - める. 


匿*?う.隠匿^する.隠蔽 S する……一二 

駆け回る - 駆け回る•駆けずり回る•飛 

び回る.奔走する.東奔西走為?! 

する.狂奔 , !!うする . 一一一一 

かすか—幽(微 «. か.うっすら.ほんのり. 

仄1か . 一一一一一 

形 —— 形^'•形1•型.形式•型式•類型 • 

血ハ型•様式•タイプ•バターン. 

スタイル . 一一一一一 

悲しみ —— 悲(哀)しみ•嘆 t is い•悲 

哀•哀愁51う.悲嘆.悲観 . 一一 M 

必ず——必ず •きっと •絶対 (に). 必定 S う …… 一一 六 

必ずしも -必ずしも•強 41 I ち. 一概 に. 

満更!! . 一一七 

かなり —— 可成浐.大分.余程.随分 . 一一七 

金持ち —— 金持ち.富豪•長者.大尽. 

金満家.資産家•素封家 . 一一八 

かむ —— 嚙(咬)かむ.嚙み砕く.齧 K *. る. 























目次(か〜き )12 


九 九穴も毛 


(依怙地)^'•片意地 

観賞——観賞.鑑賞.賞美.賞玩 fi ぅ.玩味 1 ん 
簡単——簡単•簡明.簡略•簡素•手軽:… 

畜通——姦通?1'.密通.不義.不倫 . 

感動— 感動.感銘(肝銘)||.感激.感、^. 

震 . 

き 


機会——機会•時機•好機.折.潮時^•チヤ 

ンス•タイミング . 一 a 

器械—器械•機械 •からくり •仕掛け •マシンーーー三 
効(利)き目 —— 効(利 r き目•効果•効能. 

効用 . 一一一三 

聞く— 聞く •聴く •尋ねる •問ぅ•伺ぅ•聴 

取す る •聴聞す る •傾聴す る . 一三三 

岸 —— 岸•渚 s ぎ •浜•磯•岸辺•海岸•海辺…… 一三 四 
技術 技術•技巧•技能 •テク ーー ツク . 一三五 


咀嚼 TJ する•嚙み付く •食い付く. 


齧り付く . 二九 

からかう —からかう•冷やかす•茶化す • 

»揄 1 する . 一一一 Q 

絡む-絡 S む•絡まる•纒?わる•もつれる . ニニ 

枯れる ——枯れる •萎 机れる •萎 (凋)机む. 

萎れび る •萎な ぇる . 二三 

かわいい -可愛い•可愛らしい•愛く 

るしい•可憐 s ん . 二三 

かわいそう-可哀相•気の毒•哀れ•不 

憫 g ん •痛ましい . 一一一三 

乾かす -乾かす•干す•乾燥する . 一一一四 

代わる代わる -代わる代わるわ 


り番こに•交互に•入れ代(替)わり 
立ち代(替)わり•取つ替ぇ引つ替ぇ…一一一四 

考える-考ぇる•思ぅ•思考する •« 索す 

る•考察する•思慮する•考慮する . 一一一五 

頑固—頑固 3ん •頑 5たな •強情 ^ ぅ •意固地 



















13 S 次(き) 


基準 —— 基準.規準•標準•水準.レベル……一 M 
気性——気性.気質.性分.気立て•気心. 

根性 . 一一一一六 

季節——季節•時節•時候.シ—ズン•季…… S 七 

基礎——基礎.基本•根本.基盤.基 r . 一一一 K 

汚い —— 汚い•薄汚 II ぎい•汚 4 I らしい.不 

潔^.むさくるしい . 一三九 

気取り——気取り•見ぇ.虚栄.虚飾 il く……一四 Q 
気抜け——気抜け.気落ち.力落とし.拍 

子 sLi 抜け . 一四 Q 

厳しい-厳しい•手厳しい•厳重.厳格. 

峻厳^ん.峻烈%ん . 一四一 

寄付 —— 寄付.寄贈?'*.?*.寄進.献金. 


醵金0.義捐金! r ん•募金.カンパ …一日一一 
決まり —決まり.規則.規約•規定.規程. 

規律(紀律).法.法律.定め.ルール…1 
決める—決める.定める.決定する•決す 

る.裁定する.認定する.判定する . 一四四 


気持ち——気持ち.心持ち‘気分•心地•気 

色•心情.感情.情緒 L'b*ij: ぅ . li* う.情操: ■ 四五 


着物 —— 着物.衣服•衣類•被服.衣装 

(裳). コスチユーム . 一四七 

救助-救助.救出.救済.救援 . 一四七 

急に —— 急に.俄抓ゎに.いきなり•矢庭に.突 

然.不意に.出し抜けに . 一四八 

清い —— 清い.清らか.清潔ぼ•清浄 . 一四九 

教師-教師•教員•教官.教育者•先生. 

師.師匠 . 一吾 

共同——共同•協同.協力.互助•助け合い…一一 fj 一 
巨大 —— 巨大.膨大譯.莫大汊.多大.甚 

大.絶大.至大 . S 一 

嫌ぅ——嫌 > つ.嫌 i がる•厭 f / つ.憎<1;む•嫌悪 

§んする. 憎悪" 1する •忌 S む. 忌避 0-*する S 一 

霧 —— 霧.霞§す.靄,スモッグ . 一 S 

切る-切る•伐きる•斬きる•截きる•切断 

(截断)する•断裁する•カットする•••一 五四 



















目次(き〜け) 


3s 竞灵灵 _ ii i 


着る——着る•纒着ける•羽織る . 

議論-議論•論議•討論•討議•論争•ディ 

スカツシヨン . 

近所——近所•近隣•近辺•辺り . 

< 

ぐいぐい -ぐいぐい•ぐんぐん•どんどん • 

ずんずん•とんとん•どしどし •めき 

. 

食い違い——食ぃ違ぃ•齟齬?; •矛盾^ •ジレ 

A-r. 

苦情——苦情.文句.難癖4!.異議.物言ぃ. 

U -~ ... 

悔しい——悔 J しい•残念•無念•口惜 n しい 
倉(蔵) —— 倉(蔵)•倉庫•物置•納屋2…… 

暮らし -暮らし •生活 •暮らし向き •生計 • 

. 


比べる-比べる•照らし合わせる•突き合 


わせる•対比する•対照する . 一六一 

繰り返す-繰り返す•反復す る•重ねる. 

重複する•ダブる•蒸むし返す . 一六一一 

/\ /N -くるくる•ぐるぐる•くるりく 

るり•くるんくるん . 一六三 

苦しみ——苦しみ•苦痛.苦悩.悩1み•苦 

悶 t .煩悶 if . 煩悩? , £ . 一六一一一 

苦労——苦労.苦心.労苦.辛酸^.辛苦 

< u ん•辛労 fi •心労 . 一六 四 

け 

刑 刑•罰.刑罰•処罰•処刑 . 一六五 

経過——経過.成り行き•いきさつ.顚末 

«.過程.プロセス . 一六六 

計画—計画.企画.企て.企み.目論見 

It .計略.策略.謀略 . 一六 -- t ; 



















15 目次(け〜こ) 


七七七 七 七七七 七 七六六六 

七六五 四 三三ニニ ー • CD 九九ノ、 


勝•壮健•丈夫.達者.タフ . 一七七 

謙遜 —— 謙遜^.謙虚•謙(遜)^り.謙譲……一七八 
限度 —— 限度•限界.極限•際限.切り.限り…一七九 

こ 


行為 —— 行為•行動•行ぃ.仕業 l L •所行 

(所業)•作為 . 一八0 

好意——好意.厚意•志•愛想.親切(深切)…一八一 

る- 後侮す る •侮く いる •侮 やむ • 

懺悔5んする•反省する . 一八一 

豪宰-豪華•豪勢.豪壮•デラックス . 一八一一 

講義——講義•講演•口演.演説•弁論•スピ 

— . 101 

高級——高級.高等•上級.上等 . 一八一一一 

合計——合計•総計•累計.通算•合算 . 一八四 

剛健——剛健.剛直•硬骨 51 .無骨(武骨) 

V 不屈 . 5 


傾向 —— 傾向•趨勢 SI •大勢•風潮.時勢. 

霞 . 

掲示——掲示.表示.標示.展示 . 

敬服 —— 敬服.感服.心服•心酔^.傾倒…… 

怪我——怪我.1.傷.負傷.傷害 . 

景色——景色.風景.眺め.光景•情景•見晴 

らし •眺望 , II ぅ. シーン . 

けち—— けち.しみったれ •吝嗇^ く •守銭 

怒 S せ . 

決行 —— 決行.敢行•断行•強行 . 

決心 I 決心.決断.決意.踏ん 切り . 

欠点 —— 欠点.弱点.短所.難点.欠陥1 S . 

*6 . 

けなす-贬5 す•こきおろす•腐す.けちを 

つける•謗 bt る • IfBBg る•非難する . 

原因——原因•理由•訳•事由.要因.素因… 

元気-元気.活気.生気.意気.血気 . 

健康 —— 健_.建ゃか•建全.強健.強壮•健 























目 次{こ)16 


CD CD ^ Tj ^ L . ^-L :^ L ■九九 

― * CD ブ l ノ、 ノ、 - t ; フ^フ*^ S : P 3 三二 


九 九 九九 八 ノ、 ノ、ノ \ ノ、 ノ、 

ニニ ― * CD CD 九 ノ、 ノ、七六 五 


る •凍な える •悴1 じむ •凍し みる . 

心-心•物心•心理.精神.心神.内面…. 

答え——答ぇ•応答•返事(返辞).返答•回 
答.解答 . 

ごたごた ——ごたごた•ごちやごちや.雑然. 

乱雑.混沌(渾沌)^ . 

固着 —— 固着.膠着^、癒着|<«..固定_定着 

事-事•事#•物事•事物 . 

言葉 —— 言葉.文句•辞•語.言語.文言…. 

子供-子供.小児.児童•少年.年少者… • 

断る- 断る.拒 If; む•拒否する.拒絶する. 

辞退する•固辞する•突つぱねる— 
この頃—— この頃. 近頃•最近. この 所…… 

好み-好み.好き.嗜好^.愛好 . 

媚びる -媚びる.諂^う •阿 ^'る.迎合す 

る.追従 K ぅする.胡麻 tr を擂する:: 
細かい——細かい.些細(瑣細) P •瑣末 
(些末)^.微細.末梢的.ささや 


降参——降参.降伏(降服)•屈伏(屈服). 

投降.帰順 . 

交渉 —— 交渉.折衝 Sr •談判•外交•渉外. 

. 

功績——功績.手柄.功労•業績•功 . 

公然-公然•大つぴら.明け透け.ォープン 

構想——構想•筋.筋書き.梗概?: I .スト— 

リー•プロット . 

広漠 —— 広漠?|.茫漠'?'|.茫洋.洋洋.渺 

渺 111. 縹渺 §||.蒼茫 , !! . 

幸福 —— 幸福•幸運(好運).幸せ{仕合わ 

せ).幸い•ラッキ— . 

公^——公平•公正.公明.フヱア . 

高慢 I 高慢.傲慢技.横柄は.尊大愆. 

不遜 r . 

越(超) える —— 越(超)ぇる.越(超)す. 

超越する.超過する . 

凍る —— 凍 JSC る.凍ぃてる.凍結する.氷結す 
























17 目次(こ〜さ) 


CD CD CD 
八八七 


§ 


SS 




〇 


四 


—- CD CD 
CD 九九 


か.微 W 微少 . 

困る-困る.弱る•苦しむ •窮 する •困窮す 

る.困惑する.迷惑する•手古摺る 
ごみ —— ごみ •塵 S •埃 ' , ! •屑 r< .塵芥 S …: 
込(混)む I 込(混)む•込(混)み合ぅ. 
立て込む.混雑する•雑踏する. 

ごつた返す 

頃 I 頃•折•際•節 

転ぶ I 転ぶ.転がる.転げる.倒れる •転倒 

^9 ^ . 

壊れる——壊れる.崩れる.潰!;れる•崩壊 
するする ... 

今後 —— 今後•将来•未来•行く末•先先: 

今度-今度•今回•この度•今般 . 

こぐな -こんな•こういう•かかる .. 

さ 


裁決——裁決•裁定.裁断.裁量•決裁… 
財産——財産.資産•財.家産•身上.身代 
災難——災難•災害•災禍.災厄•難•災い 
材料——材料•原料.原材料•資材.素材. 

資料•データ . 

捜す——捜す•探す•探る•尋ねる•漁5る. 

捜索する•捜査する•探索する 
作者——作者•著者•筆者•書き手•ラィタ 
!作家•文士 •文人•物書き… 
叫ぶ —— 叫ぶ•怒鳴 S る•喚 S く •絶叫する. 

怒号する . 

避ける—— 避 さける •避(除)ょ ける.躲⑽す • 
逸 そらす • 回®する * 31 避する • 

する .. 

下ずる-下げる•提げる*ぶら下げる. 

垂たらす•吊つる•吊 s す•掛ける… 
差し迫る ——差し迫る•押し詰まる •切羽 
付つ詰まる •切迫す る •急迫す る • 


















目次(さ〜し)28 


緊迫する•窮迫する . 一一一六 

差し支え—差し支ぇ.差し障り•障り. 

支障.故障 . 一二 七 

さつき—さっき.先程.先刻•今し方.最前三七 
察する—察する.察知する•推察する. 

推し量(測)る•推量する.推測す 

る. 憶測す る . 一二、 

さて—权(«.渚«.ところで.それでは. 

では . 二一九 

騒ぎ——騒ぎ.騒動.騒乱.騒擾^ぅ.暴動. 

重乱 . 一 一^ 

触る——触 2る. 障 2る •触 ふれる.接する. 

接触する•抵触する . 一三 Q 

さん さん.様•君.殿•兄.嬢.氏.女史 . 一三一 

残酷——残酷^.残虐«<.残忍^.冷酷. 

酷薄. 惨 (酷 ) S い.惨たらしい . 一三一一 

散歩——散歩.散策.漫5:ろ歩き.漫歩.遊 

歩.逍遙^ぅ . 一三 = 


し 


死——死•死亡•死去•没.死没.物故^. 

落命.逝去•長逝.永眠.他界.往 

生.昇天 . 13四 

強いて——強し いて.敢*ぇて•たって. 無理 

に. 無理 遣り•強引に . iL 一一一五 

叱る —叱る.叱責^する•窘める.戒 

める . 一三六 

仕組み—仕組み.骨組み.組み立て.仕掛 
け•構造.構成.機構•組織 • 

システム•メカニズム . 一三六 

仕事 仕事•職業•職•職務•業務•作業 • 

働き•労働•勤労 . 一一一: 七 

事実——事実•現実•実際.真実 . 一三 九 

事情——事情•実情.実状.実態.実体.内 

情.内実 . 一三九 


















i 9 s 次 a ) 


辞職——辞職•辞任.退職•退任.離職.離 

任•失職•失業 . 一一一一10 

静か —— 静か.物静か.静粛ばく.静寂?:|く. 

閑静 S •森閑(深閑) . 一一一一一一 

自然に ——自然に.独りでに.自ずから •自 

ずと . 一一一一三 

死体 —— 死体.死骸?^.死屍吵遺体.屍れ|. 

亡骸13 . 一一三一一 

親しい——親しぃ•近し ぃ. 睦? まじぃ. 親 
密.懇意 1 ' X •心安ぃ.気が(の)置け 

ない . ilia 

しつかり- 確 * > L つり•がつしり•がつちり • 

かつちり . 一一一一一四 

しつこい- しつこい.くどい. 執勧^. 

執念深铽; T ぃ . 一一一一一四 

実行——実行.実践.実施.施行ユぅ.|^. 

執行技 . 一一一一一五 


質問——質問.質疑.尋問^•審問^•査問. 


諮問 . . . r -- i -# 六 

失礼-失礼.失敬.無礼.非礼 . 一一一一一六 

芝居——芝居.演劇•劇.狂言•ドラマ . S 七 

字引-字引.字書.字典.辞書•辞典.事典.一一三七 

自分-自分.自身.自己•自我•己.自ら. 

我1 •我/エゴ . ーーーーー八 

資本——資本•資金*兀手•元金 . tl 一三九 

自慢——自慢.己惚'^れ.慢心^.自賛•自 

負.自任•自尊.気位? >?.. S 〇 

閉める——閉 しめる. 閉 とじる. 閉 t ざす (鎖 tft 

す) . 一一四 Q 

習慣——習慣.慣習.風習.慣行.慣例.習 

わし.仕来 l L り . !一四一 

修業——修業 asrLr . 修行 a . っ•修練(修 

錬).修養.研修•研鑽 . 一一四一: 

秀才-秀才.天才.俊才•奇才.鬼才 . 一一四一一 

収集——収集.拾集.採集.採取 . 二四 一一: 

住所——住所.居所^1.居所! 1> \居住 






















目次(し)20 


地•所在地 . 一 S 一一 

執着——執着誌ゾ砧ゾ執心^ノ執念^固 

執」っ •?£• 妄執 ttr . 一一四四 

終了 —— 終了 •完了.終結.完結•終止•終 

息•満了.修了 . 一一四四 

趣旨—趣旨.趣意.主意•主旨.要旨.論旨 一一 g 
手段—手段.手立て•方法•方策.方便•仕 

方•仕様•遣り方.遣り口.術 ^ t . 一一四六 

出現——出現.現出.発現.顕現.現前 . 一一四七 

出身——出身.出.生まれ•出自 OLS •育ち . 一一四七 

出発——出発•スタート•門出.出立.巣立ち:‘一一四八 

順 I 順•順序.順番.順位•序列 . S 八 

瞬間 —— 瞬間.一瞬•瞬時.刹那 r . 瞬 r く 

間•束 s の間 . >.11四九 

詳細——詳細 ak ぅ•精細•委細.子細 a L . 一 so 

承知-承知•承認•承諾•承引^ぅ•受諾…一一五 Q 

象徴 —— 象徴 liv 表徴 KV 表象•徴表.シ 

ンボル . 一 S 一 


情熱 —— 情熱•熱情.激情.熱意.熱気 . 一一五一一 

消滅——消滅•消失.喪失.紛失•遺失•散 

逸は . 一一五一一 

正面——正面•前面•前方 •向かい. 真正 

面•真っ向:"-真向かい . 一一 S 

しよげ る ——しよげる.気落ちする.塞(鬱) 

S ぐ. 沈む•滅入? る •消沈 n ぅす 

る. 落胆^ する. 鬱屈 41 する . 一一五四 

処置——処置.処理.処分.始末 . 一一 S 

— ^ よんほ^;^ - しよんほり•しお _ >お•すごす 

ご.悄然 S ぅ . 一一五六 

知らせる-知らせる•告っげる•教える. 


報じる.告知する.報知する.報告する一一五六 

知らぬ顔-知らぬ顔.素知らぬ顔•何食 

わぬ顔•澄まし顔.ポ^~カ ーフヱ^ _ス…一 一五七 

調べる -調べる•取り調べる.調査する. 

検査する•占(検する•検閲する•査 
察する . S 八 




















21 a 次(し〜す) 


退く 退,^ く. 引く.引き下がる. 退';、. 
立ち退く. 退去す る •退出す る. 

退却する.退散する•撤退する.引 

退する.隠退する . 一一 M 九 

自立 —— 自立•独立.独り立ち•一本立ち. 

自主.自律 . 一1六0 

新人 —— 新人•新顔•新参 a . 新入り.新米 

灶•新進.フレッシュマン. 

一ーユ1フヱース . 一一 六 一 

親切——親切(深切).情け深い.優しい. 

手厚い.懇ろ.懇切.懇篤 IX . 一一六一一 

侵入——侵入.浸入.進入 . 一一六一一一 

心配—心配.気掛かり.虞 ,1 I •不安.懸 

念減ん.危惧 S . 憂慮 •気苦労. 心労. 

心痛. 杞憂? 8 . 一六一一一 

進歩——進歩•進化.発達•発展•伸展.進 

展•展開 . 一一 六四 


信用 I 信用•信頼.信任.信託.信憑^ぅ .43 


親類 親類•親戚•親族•血族•血縁. 

姻戚釭.姻族.縁者砭.身内.?ち. 

身寄り . 一一六六 

す 

粋——粋 11 /精粋.精髄.神髄(真髄) . H ツセ 


ンス.エキス . 一一六七 

炊事——炊事.料理•調理•割烹 , S . 一一六七 

推薦 —— 推薦尨.推奨 b - rl 1 ' •推賞(推称). 

推挙(吹挙)* tivl •推輓(推挽) 

推戴は . =八 

ずうずうしい -ずうずうしい • かまし 

い•ふてぶてしい•ずぶとい . 一一六九 

清清しい —— 清清55しぃ.爽5ゃか.涼5ゃ 


か•清涼^ ぅ •爽快?:?•清新(生新)…一一六九 
過ぎる —— 過ぎる•経たつ•経へる•経過する…一一七 Q 
直^-直す ぐ•直ぐに•直ぐ様 •直 g ちに • 














目次(す〜せ) 22 


直*1;.直*0'に.即刻.即座に . 一一七一 

凄い——凄 S い•物凄い•凄 St まじい•ひどい. 

甚だしい . 一一- t : 一一 

少し -少し•ちょつと•少少•些 sv > さか.僅作 

か.僅僅 n . 一一七一一 

勧める -勧 t める. 薦 tt - める.誘ぅ•持ち 掛 

ける.仕向ける.勧誘する.勧奨 L *'^ 

する.奨励する . 一一-- ti 一一一 

捨てる - 捨てる.ぅつちやる.孜り出す. 

投げ出す.撼1 つ. 放棄 * , I する. 

廃棄する•遺棄扑する•委棄する . 一一七四 

拗ねる——拗すねる. 僻1 む.捻 1 くれる.いじ 

ける . 一一七 M 

素早い ——素早(素 速) ぃ.手早 (手速) ぃ. 

すばしこい.はしこい.機敏.敏捷 

S 4ぅ•敏速.敏活 . 一一七六 

狡い ——狡!1.狡れぃ.狡1-;っ辛ぃ.悪賢ぃ. 

抜け目がない•狡猾?: I .老獪 SI . 一一七七 


せ 


生育 —— 生育•成育•発育•生長•成長 . 一一七七 

制作——制作.製作.作成.作製•調製. 

創作.創造•造成•製造.生産 . 一一 七 八 

正式-正式•本式•正規.本格的•ォーソ 

ドックス . i 一七九 

性質——性質.性格•質^性向.特性.属 

性•本性•素質•資質 . 一一 A 

背負う-背負 £* う•負う•背負 ±L う•担-3*.ぐ • 

担 liK う . 一一八一 

是非——是非•理非.正否.当否.可否•良 

否•善ょし悪*し . 一 K 一 

全快 —— 全快•全治.根治.治癒 g •平癒. 

快癒.本復?!•快気 . 一一八一一 

全然—全然•まるきり•てんで•とんと•一 

向(に Y 皆目:! < v > .更更•少しも. ちつ 


















23 目次(せ〜た) 


公兌 




へ 八ノ、 
五五四 


K 


それぞれ |其其(夫夫)益.各(各各)||'. 

銘銘11•個個 • .一 •各自.各人……一一九〇 
ぞんざい——ぞんざぃ.投げ遣り.杜撰讨ん. 

疎略(粗略)!!.疎漏;^ぅ . 一一九一 

た 

対応 —— 対応•呼応•照応•適応.順応鉍ん :• 一九一一 

対抗 —— 対抗.対決.対峙3 •拮抗?? . 一一九一一 

大衆——大衆.民衆.公衆.人民.国民.庶民一一九三 
大体——大体.大概•大抵•大凡.凡そ•殆ど…一一九四 
大変——大変.非常に.大層.甚だ.極め 

て.とても.滅法 , !?.とびきり . 一一九五 

体面 —— 体面.体裁泣.面子1.見栄;5. 

沽券 r ... 一一九六 

耐える—耐える.堪(泳)¢.1える.忍ぶ.我 

慢1んする.辛抱する•忍耐する . 一一九七 

絶える—絶える•途絶える•断絶する.絶 


とも. 毛頭 II . 

そ 

0 ——僧.僧侶2?.坊主.坊さん.和尚茳. 

住職.法師 . 

騒音 ——騒音!?.雑音^.ざゎめき…… 
想像——想像.空想.夢想.幻想.妄想 ?I 
損なう——損:';なう.損ねる.損 A.r じる.壊す. 

書する . 

粗雑 ! 粗雑.雑.好ぃ加減•大雑把? I ぱ. 

大まか.雑駁^: . 

育てる ——育てる.養う•育3ぐむ.養育する. 
扶育する•扶養する•育成する* 

養成する . 

える -聲 « んる*聲ぇ立つ*そそり立つ* 

峙£ばつ.屹立??する . 

そば —— 側.傍 t たら•脇.傍1•際^辺 , !… 


















目次(た〜ち)24 


滅する . 一一九八 

高飛車——高飛車 K > ゃ.居丈高^け.頭ごな 

し. 高圧的.威圧的 . 一一九八 

妥協——妥協.歩み寄り.譲り合い•互譲. 

妥結.折り合い.協調 . 一一九九 

卓越——卓越.抜群.卓絶.傑出.超絶 . 一一100 

確か——確か•確実•着実.正確.的確(適確)!! 一 01 

足す - 足す•加える•添える •追. BO する. 

添加する•付け足す . 言ーー 

助ける— 助ける.救ぅ.手伝ぅ.援助する…一一一§ 
戦い'":■戦い•闘い•戦争.戦 51 <•戦闘.合 

戦•対戦 . 一一一〇四 

たちまち -忽 *1 ち.見る見る.見る間に. 

瞬%*く間に•一瞬に.立ち所に . 三 Q 四 

断つ-断っ.絶っ.裁っ.断絶する•絶縁 

する•切断する . 一一 lg 

妥当——妥当 S ぅ •穏当^.順当•適当.適切…一一一〇六 


例える-例(喻.譬) t * える.準(擬) 6 ?える. 


見立てる.見なす(看做抑す) . 一:一〇七 

楽しみ - 楽しみ•娯楽•歓楽.享楽•慰安: • 一一 Q 七 

多分 -多分. 恐らく.どうやら.蓋 W し . 5 g 八 

食べ物——食べ物.食い物•食物•食料.食糧… g 九 
食べる - 食べる.食 う • らう • する • 1^1 

し上がる.頂(戴 M たく.喫?る……一一一 Q 九 
たます - fjli / i す.欺 & |く.ごまかす.担外ぐ. 

偽 加 っ る. 誑 r かす . 一一 I 一 0 

駄目 —駄目.台無し.ふい.おじゃん . .' I 一一一一 

試す—試す•試みる•試験する.試行する. 

確かめる . 一 S 一 

ためらう - 躊躍^ う. 怯 40 - む.たじろぐ. 

躊躇 ! I ぅ する . 一一一一三 

段段——段段•次第に•漸 r く •追い追い. 

漸次 s ん . 一一一一四 


ち 



















25 目次(ち〜つ) 


― * — - CD 九八 


七六六五 


違い- 違い•差•差異(差違)•相違(相 

異)•格差•較差; T •食い違い…… 
力いっぱい— 力一杯•精一杯•極力. 

力の限り . 

知識-知識•知見•教養•素養•蕴蓄11…. 

地方 —— 地方•地帯•地域•地区•区域……. 

中止 —— 中止•中断•中絶•休止 . 

中途半端-中途半端•どっち付かず•不 

徹底•宙 ぶらりん . 

調子——調子.具合.塩梅(按排.按配)琴 

コンーア イシ ヨン . 

長所 —— 長所•美点•利点•取り柄ぇ . 

ちよぅ ど —I — ^度 wifj :* まるで • 恰 も • 

宛 g なら . 

直接——直接•直截?!く •直?に•ダイレクト . 
直観 直観•直感•勘•第六感•インスピ 

レ1 シ ヨン •閃 1らき . 

沈黙—沈黙•無言•黙秘•だんまり•無口. 


寡黙” . 三一三 

0 

対—対•組•糞い•ペア•コンビ•ツィン . 一一三三 

遂に—遂に•結局 •詰まる所 •とうとう • 

所詮^ . 一一三四 

使う—使う •遣う • 用 いる •使 ffl する • 

費やす ... 三一一五 

疲れる —疲れる•くたびれる•疲労する • 

ばてる•困憊ぬ从する . 三-云 

付き合い —— 付き合い•交ゎり•交際•交友…三二六 
次次 —— 次次•続続•立て続け•続けざま • 

矢継ぎ早•陸続 ev 連綿 . 三一一七 

M 、 きる - M 、 きる•果てる *Mm (亡) くなる • 

払底 v ^ する . 三一一七 

償い——償^?い•代償•弁償•補償•賠償. 

報償 . 三一一八 





















目次(つ〜て) 26 


[7~c[ [7~q frq 


四 


作る-作る•造る•持^ぇる•制作する • 

製作す る •製造す る . 一一 三九 

つたない —— 拙 s たぃ •拙?ぃ.下手_拙”. 

拙劣5?•不器用(無器用) . 屋〇 

慎む —— 慎 S っむ•謹^む•謹慎する•控ぇる…三三0 
務め 務め•勤め•勤務•任務•役目•義 

務•責務•使命 . 量一 

募る—募 S る•募集する•公募する•集め 

る•徴集する . 三一一三 

妻-妻•細君•女房•家内•愚妻•かかぁ • 

夫人•奥様•奥さん•おかみさん . 三三一一一 

つまり -つまり•結局•要するに•すなわち…三三四 

積む——積む•重ねる•積み重ねる•積み上げ 

る•積み込む•盛る . 一一一三五 

積もり——積もり•心積もり•意図 

魂胆^ . 量六 

辛い-辛い•苦しい•切ない•やるせな 

い•辛気臭 e s t い . 一一一三六 


釣り合い—釣り合い•均衡1!•平衡. 

均斉(均整)^•バランス . 

て 

提案 —— 提案•提出•提議•発議•上程:: 
抵抗する—抵抗する•反抗する•反発す 
る •歯向(刃向) tptt かぅ•逆らぅ. 

背 s く•盾突 r く . 

停滞 —— 停滞•停頓 n •足踏み•行き悩み. 

立ち往生 . 

丁寧—丁寧•丁重泣ぅ•慇勤れ . 

手紙 —— 手紙•書簡•信書•書状•文•雁書 
5ジ便り.音信.音沙汰.消息;^ぅ. 
敵—敵•敵 J た•仇5•仇敵 II ぅ•ラィバル:: 

手際—手際•手口•やり口 . 

弟子—弟子•門人•教ぇ子•生徒. 
手なずける—手なずける•丸め込む•抱き 





















27 目次(て〜と) 


五五 
九ノ' 


五五五五 
六五五四 


S 云 



道徳-:道徳.徳•公徳.倫理 0 1.人倫. 

モラル . 

時——時.時間.時刻.タィム.アワ 
時時——時時•時折.折折.折節. 

時に.時として . 

解く——解(溶)とく •溶(解)かす. 

解? . 

独自 ——独自•独特.特有.固有 
特徴——特徴.特長.特色•特質 
特別—特別•特殊•格別•別格.並み外れ 
年月 — 年月.歳月.日月.月日 •春秋. 

星霜.光陰 . 

年寄り——年寄り.老人.高齢者.老齢•老 

体.老骨 . 

途中 —— 途中.中途.途上.中頃•中程•半ば 
とつくに ——疾 ■"っくに. 疾 it に •疾 it から. 

早く.夙 S に . 

AJ に力"-とにかくしろ•ともかく • 


込む•懐柔す る. 籠絡 ! I する . 一=四四 

手本—-手本•模範•範3.規範.亀鑑.標 

準.見本. ひながた.モデル . 111 四四 

街う——街 e . t う•ひけらかす•見せびらかす•気 

取る•恰好^つける•振る•勿体ぶる…一一一四六 

出る - 出る•出現する•現れる•表れる* 

現出する•現前する . 三四六 

天気——天気•天候•空模様•日和 r •雲 

行き . 三四七 

伝達——伝達•伝言•言付け•人伝•申し 

送り . 三四八 

と 

同意——同意•賛成•賛同•賛助•支持 . 震 

AJ 、つか -どうか•どうぞ.とぞ•くれぐ tl 

も•何とか . 三五 Q 


動作——動作•動き•振る舞い•挙動•素振抑り三五 Q 



















目次(と〜な) 28 


石石石 石 1 B 

六六五 四 四三 




七七 六 

CD CD 九 


ともあれ•とまれ . 三六 Q 

飛ぶ —— 飛ぶ•跳とぶ•飛行する•跳躍 TI ぅす 

る•飛躍する•飛翔^する . 三六一 

止(停•留)まる—止(停•留)まる•留れま 

る•静止する•停止する . 三六一一 

取り敢えず—取り敢えず•差し当たり • 

一先•一応•差し詰め•当面 . 三六三 

努力——努力•頑張り•骨折り•奮闘•精進 

れぅ•刻苦勉励 . 三六四 

とんだ——とんだ•とんでもない•以ての外…三六五 

な 

内緒 —— 内緒•内密•内内.秘密•機密 . 一一一六六 

内心 —— 内心•本心•真意.本音•心中 . 一一一六六 

内容——内容•中身•実質.内実.内包 . 一一一六七 

なお——猶(尚) g •但し.但•尤 S " も . 三六八 

なおざり——等閑 fl •忽1るせ.粗略.蔑 gbvl 


ろ.疎 r か . 

直す—直す•治す•改める•正す•修理する • 
官一る —直る•治る •« レえる•治癒 ㈣ する • 

0復する . 

—中.内•内部•中身 . 

仲違い —— 仲違 si ぃ.不和.絶交.断交•反 

目! S •確執 ^ t . 

仲直り —— 仲直り.和解.和睦.講和•和平. 

手打ち . 

仲間—仲間•同士.同志•同僚•同輩•同 

類*味.一同•グループ . 

ながら—ながら.つつ.がてら.旁 s '. 

無(亡)くす —— 無(亡)くす.失ぅ•紛失す 

る. 喪失^ する . 

和やか —— 和ゃか.仲がぃぃ.和気藹藹 fSI . 

睦 otl まじい . 

なぜ——何故.どぅして•なんで•何故?.!•… 
撫でる —— 撫 なでる-擦;!る •挛 打る . 























29 目次(な〜に) 


完 


S 兌 


灵 




八八ノ 、V 
五四四 


何気なく-何気なく •何となく •ふと . i 七七 

何しろ-何しろ.何分.何せ.とにかく . 一一一七七 

何やかや——何ゃかゃ•何くれ•彼此 a . 

彼此詰 . 一一一友 

生意気—生意気.小生意気.小賢 s ; しぃ • 

小憎 , r らしい.利きいた風,ふっ . 三七九 

台心^^る—怠ける•怠^'る•ずるける•さぼ 

る. 骨惜しみ する. 油を売る . ■九 

生半可——生半可 ri か•生齧 rf り.一知 

半解均^•半可通我か•知ったか振り一一 一 A 
なまめかしい——艶*|かしい.色つぽい. 

妖艶:^.婀娜 g っぽぃ . 一一一八一 

波——波.波浪•波濤 l a .波乱 . 一一一八一一 

並べる——並べる•連ねる.配列 (_ 列)す 

る. 羅列^ する . 一一 K 一一 


こ 


似合う——似合う.似付かゎしい.相応^ 

しい.打って付け . 

匂い——匂い•薫(香)り.香.臭味 . 

賑やか——賑ゃか.騒がしい.繁華•盛況 
握る——握る.摑£む.撮む.把握2,、する 

逃ける-逃げる•逃*!〇 れる •ずら かる •逃 

亡す る •逃避す る •亡命す る•エス 

-— . 

日光——日光•日•陽光•日差し•天日: 
煮る ——煮る•炊たく •茹ゅでる•湯搔1 く. 

基? . 

fa る—以る . fK ® う • 頃する*類似する • 

相似する•近似する . 

にわか雨 —— 俄 t ) K か雨•むら雨•夕立•時 

雨% •驟雨^ . 

人気——<気•人望•評判•受け 
人間—人間•人•者•人物•人柄•人格•人 

類•キヤラクタ. . 






















目次(ぬ〜の) 30 


ぬ 

抜き差しならない— 抜き差しならない. 
退の つ引ぴきならない •二進^ も三 


進 r もいかない.動きがとれない . 一一一九一 

温もり——温 5 もり•暖(温)かみ.暖(温) 

かさ . 11一九一一 

S れる -濡れる •潤 Isi るう. 湿 ® U る.浸る . 一一一九一一一 


ね 

寝ころぶ- 寝ころぶ.寝そべる.®たわ 

る •伏(臥) す •横臥 1 ぅ する. 寝転 l to 


f . 111九一一一 

ねじる ——捩(捨) ねじる. 捻 fay る •捩 D'i る- 

磋(燃)ょる . 一一一九四 

ねだる——ねだる.せがむ.せびる . 一一一九 


値段——値段•値打ち.価値•価 ^ た • た • 

価格•代価•価額•金額 . 一一一九五 

熱心-熱心•真剣•真摯 bu ん•一生懸命. 

一、4不舌 . 一一一九六 

熱中する-熱中する•没頭する•専念す 

る•凝こる•耽ふける . 一一一九七 

眠る-眠る•寝る•寝 A る•寝付く •蔓入 j 

む•まどろむ . 三九八 

念入り-念入り•入念•周到•細心•丹 

念•克明•綿密 . 三九九 


の 

除く-除く •退どける•除(退)のける. 

退れりける•外 g す . 

望む 望む•願ぅ•希望する•願望する. 

M 待する . 

後程 —— 後程•今に•其の 内 •後で •何作れ. 


四 四 

CD C3 

〇 〇 
















31 目次(の〜は) 


追って.近々•継1て . 四三 

伸はす -伸ばす•延ばす•伸長する • 伸張 

する •伸展す る •延長す る . 四 Q 一一 

のんびり ——のんびり•悠悠??•悠然.悠 

長.ゅっくり . 四01一一 

は 

配付 —— 配付•配布.頒布配達•配送. 

配給 . 四〇四 

ばか ——ばか•愚か.愚かしい.暗愚 <•* ん. 

愚昧.蒙昧ね.愚鈍.魯鈍£ん . 四 g 

計る-計る•測る.量る.計測する•計量 

する•測量する•測定する . 四 Q 六 

刹ぐ - 剝 B ぐ. 剝 はがす •剝 むく •殺 (削) そぐ. 

SIJ ? る . 四 Q 六 

白状——白状•告白.自白.自供.懺悔 g ん. 

吐露?. t •披瀝!,. . 四 Q 七 


激しい 激しい■激烈金烈金烈 A 

烈 ? L .痛烈.熱烈.激甚 rl . 四 ◦八 

励 ます -励ます•力付ける•勇気付ける • 

激励す る. 鼓舞 J :; する. 督励^ す 

る.鞭撻^する . 四 Q 九 

端 —— 端.縁 ,5 . •*■ 縁 r 片端.先端.末端•端末…四一 Q 
恥 —— 恥•赤恥3 §. 辱斿め•恥辱 fB •屈辱. 

羞恥^ . 四一一 

初め-初め•始め•始まり.起こり.起源(起 

原).原初•原始.始原 . 四一一 

恥じる-恥じる•恥じ入る•恥じらう • 

含羞1にむ•照れる.赤面する. 

慙愧(慚愧 )*! する . 四ニー 

果たす—果たす•遂げる.仕上げる•遣り 
遂げる•遂行 する •完遂する • 

達成する . 四一三 

働き——働き•機能.性能.能力•力量.器量… E 一四 
発火 —— 発火•引火.点火•着火.出火 . 四一五 


















目次(は〜ひ) 32 


発生——発生.発祥 2 r •生起.惹起我.勃 

発鹄.突発•激発 . 四一六 

発表 —— 発表•公表.披露 r •発布.公布. 

公示.告示 . 四一六 

話し合い—話し合い•相談•談合.用談. 

要談 . 四一七 

華やか —— 華ゃか.華華しい.派手™派手 

ゃか•華麗•華美 . 四一八 

阻む —— 阻 IfB む. 遮 r る•食い止める. 塞せ き 
止める •妨 S * げる •遮断す る •阻 

止 W する •阻害?^ する. 妨書 する . 四一九 

はびこる—蔓延^ る •蔓延^ する.のさ 
ばる.横行する.跳梁 0 ¢.11する. 

跋扈1する . 四 S 

速い —— 速い•早い•速ゃか•迅速 f ! c •急速. 

早急•速急. スピ ーディー . IZ 3 一一一 

はやり —— 流行 g ゃ.流行•風靡 g ぅ.ブーム. 

ファッション•トレンド . 四三 


破廉恥 - 破廉恥35.恥知らず•恥曝 lg し. 

厚顔無恥 ^ S •鉄面皮 K ぴ . 四一三 

繁盛 —— 繁盛(繁昌) K ぅ.繁栄.隆盛 Sr . 

隆昌 si ?. 四3 

反省 —— 反省•内省.自省•省察 . 四 S 

反対——反対.逆5ゃ.逆様 II •逆1さ.逆し 

ま.あべこべ . 四一一四 

ひ 

被害——被害•被災.遭難.受難 . 四一一五 

光る - 光る.輝く •照る.映ぇる•煌(燦) 

r く.閃 I らく . 四一一六 

弓き立てる —引き立てる•取り立てる • 

守り立てる.押し立てる.擁立する…四一一七 
弾く—弾く.弾ずる.奏妙でる.奏.パする. 

調べる•弾奏する.演奏する . 四一一七 

秘訣——秘訣,.骨^呼吸.極意气.奥義 



















33 目次(ひ〜ふ) 


£ぅ.£''.秘伝.奥の手 . 四一一八 

ひたすら-只管(一向) S •一途 - fl - ちに. 

直向 g たきに. 偏 x . t ' とに. 専 g つら .専 

一^に.一如に . 四一一九 

悲痛 —— 悲痛.沈痛.悲愴? y •悲壮 . 四=10 

必要 ——必要•入用; tr •入り用•所要. 

必須 tt > つ . 四 一一 一〇 

人柄 —人柄又となり(為人).人格. 

人品•品性 . 四一一一一 

皮肉 —— 皮肉•当て付け•当て擦 tc り. 

風刺: r •嫌味^ . 四一一三 

批評——批評•評•批判.論評.講評.評価. 

評定.品評.品定め . 四 S 

暇——暇*1>.暇3.余暇.休暇.閑暇.レジャ! 

バカンス . 四 一一 一四 

評判——評判.世評•噂:;ゎ.取り沙汰ザ 

風評•風聞•風説 . 四# 

平たい—— 平たい. 平べ つたい•平ら. 平 


らか•偏平•平坦•坦坦 . 四# 

広げる —— 広げる•広める.拡大(郭大)す 

る•拡張する.拡充する . 望六 


品行——品行•操行.素行•行状•行跡.身持ち M 七 

ふ 

不幸——不幸•不運•不遇•不仕合わせ(不幸 

せ).薄幸.薄命•非運(否運)•悲運…四一一一八 
不細工 —— 不細ェ(無細ェ)技.不格好詰っ. 
不体裁辞ぃ . a ? ぃ.無様(不様) 2ま. 


みつともない.見苦しい.醜5にい. 

醜悪 . 望九 

不思議——不思議.奇怪.奇妙•奇異•怪奇…四四 〇 
不精——不精(無精) If . 物臭^.骨惜しみ. 

横着 If く•怠惰.懶惰^.怠慢 . 四四 Q 

防ぐ- KJ ぐ * KJ 卸する *K lf する• !%蒲 す 

る.防戦する•防止する.防護する . 四四一 

















目次(ふ〜へ) 34 


不足 —— 不足•欠乏•欠如•払底尨 . g 一一 

付属——付属(附属).直属.所属.帰属.従 

属.服属.隸属^ . M 

普段——普段.日頃•平生 i 平素.日常. 

平常 . 四 M 

普通——普通•通常•一般•尋常•並,平凡. 

凡庸1? . 四四四 

復活 —— 復活•復旧.復元(復原).復興. 

再生•再現.再興.更生.新生. 

リバィバル . 四 g 

船出——船出1.出船.出港.出帆^。. 

出航 . 四四七 

船乗り——船乗り•船員.海員.水夫. 

マドロス . 四四 七 

部分——部分.一部.一部分•局部 . 四四八 

不満——不満.不満足.不平•不服.不本意. 

心外 . 四四八 


麓 —— 麓; T •山麓.山元(山本)•山裾.裾野…四四九 


ふるさと-古里{故里.故郷}.故郷•郷 

里•郷土.生地 . 四五 Q 

-ぶるぶる•がくがく •がたがた • 

わなわな . 四 g 

風呂場 —— 風呂場.浴室•湯殿.浴場 •バス 

ルーム . 四五一 

文 —— 文.文章•文句:;ん.文辞3 ん•センテンス…四五一一 
文化——文化•文明.文物.文芸. カルチヤー… 四 M 一一 
分解——分解.分割.分離.分別.分裂. 

分化•分散.分断 . 四 M 

紛争 —— 紛争.紛糾 It ぅ.悶着^く.揉もめ 

事.ごたごた.いざこざ.トラブル……四五四 


へ 

平気 —— 平気•平然•平静.泰然.悠然. 


悠揚 . 四蓥 

閉鎖——閉鎖.封鎖.閉塞! a . 密閉 . 四五六 




















35 目次(へ〜ほ) 


へこむ 凹;. V 凹(窪):?;む.引っ込む. 

落ち込む . 四五七 

ベテラン I ベテラン•エキスパ ■ — 卜•才 -— ソ 

リティ— . 四五八 

ベランダ -ベランダ•バルコニ!テラス . 四五八 

返却-返却.返還.返済•返納.返上. 

返戻は . g れ 

変装——変装.扮装•仮装•偽装.ヵムフ 

ラ--ジユ(ヵモフラ1ジユ) . 四! tj 九 

辺地——辺地.僻地.辺土.辺境.奥地 • 

秘境 . 四六 Q 


便利 —— 便利.重宝1!ぅ.調法.簡便.軽便…四六一 
逼歴 —— 遍歴.遊歴•巡歴•周遊.行脚 II …… S 一 

ほ 

傍観 —— 傍観.静観.座視•黙視 . 四六一一 

ほうっておく -放って置く.ほっとく. 


ほったらかす•捨て置く.放置する. 

放任する . 四 S 

外 ——外(他)1.他た.別 . 四六三 

朗らか-朗らか.晴れゃか.明朗.快活.陽 

気.陽性.潑剌筇 . 四六四 

褒める - 褒(誉) ほめる. 称(讚)*:*: ぇる •持 

て_|す. 賞す る. 称賛(賞賛) す 

る.賛美する•激賞する•絶賛する . 四 S 

掘る——掘る.穿§つ•抉 <•* る •刳く り貫ぬく. 

掘削! 4 する•剔抉^する . 四六六 

本——本•書•書物.書籍•図書.冊子•ブック四六七 
本拠 —— 本拠.根拠地.根城§ろ.牙城. 

巣窟4! . 四六八 

本国—本国.自国.祖国•母国.故国 . 四六八 

本当に——本当に.本に.実に.真に.誠に. 

正に.正しく . 四六九 

ぼんやり—ぽんやり.ぼぅっと•ぼやっと. 

ぼけつと•ぽかんと•きょとんと •« 



















目次(ま〜み) 36 


px^ |7~C1 
八八八 
^FT, )TCt 


|Z3 29 E3 
ノ' 八 ノ' 


P^\ 

CD 


レし! レ q 

八七 


七七 
八七 


IZH IZ3 E9 |Z3 IZ3 |zg jzg |zg 

七七七七 七 七 七 七 

七六六五 四 三 二 一 * 


\TC\ 


暗がり . 

真っ先 —— 真っ先.先頭.トップ.一番乗り 
全く—全く.すっかり.悉 il く.そっくり. 

有りっ丈.残らず•洗い浚 s い•… 

祭り——祭り.祭礼.祭典.祭祀 L s . 

まとめ——纏 ti め.締め括<<り.総括.統一. 

統合.統括 . 

迷う-迷う.惑2う•戸惑う.さ迷う.混迷 

する • する:: • : : • • : : : •:: 

周り-司り•回り•ぐるり•周囲•周辺•… 

真ん中 —— 真ん中•中央•中心•真っ只中. 

み 

見落とす - 見落とす•見過ごす•見逃す. 

看過する . 

見掛け —— 見掛け•見てくれ•外見•外観: 
水け —— 水気•水分•湿り気•湿気•湿り: 


然? I と•呆然? I と . 

ま 

毎日——毎日•日日|•日日^•日毎 s ご:: 

曲かる-曲がる•折れる•曲折する•湾曲 

する•燒的む•燒机ぅ•屈折する•… 

撒く - 撒まく •薛(播)まく •撒き散らす•ばら 

撒く•振り撒く . 

真面目 —— 真面目•生真面目•誠実•実 
直•律儀(律義) S ち•忠実•几帳 

ffiM . 

^9-増ます • 増ふえる •* ふえる • 増ふやす* 

殖ふやす•増加する•増殖する . 

貧しい——貧しい.貧乏•貧困 . 

まだ —— 未*だ.未* V た.未 iv ' だに . 

又は —— 又は•若しくは.或いは.乃至 S ぃ: 
真っ暗——真っ暗.喑黒.闇.暗闇'^. 























37 目次(み〜め) 


九 


四 四四 四四四 四 
九 九九 九九九 九 
八 七六 六五四 三 


淫ら —— 淫 g ら•猥褻功.卑猥2,.猥雑. 

尾籠 f tf . 四八六 

見通し —— 見通し.見込み.予想.予測. 

予見 . 四八六 

皆 —— 皆•総(凡.全)々て•全部.全体 . 四八七 

身なり—— 身なり.出で立ち•形振 "! り. 

体裁ジ.風采?4.スタィル . 四八八 

醜い——醜い.見苦しい. みっともない •醜悪…四 八 九 

見抜--見抜く.見通す.見破る•見透 t * 

かす.洞察する . 四八九 

見放す——見放(見離)す.見限る.見捨て 

る•見切る . 四九〇 

身振り——身振り•仕種(仕草) <- b 〜所作 

: T . 科 srb .ジ ヱスチユァ . 四九一 

見回り —— 見回り■巡視.視察. パト ロー ル… 四九 一一 

未来-未来•将来.今後.行く末.前途. 

先先•行く行く . 四九 一一 


む 

無 I 無.空 S . 空.>空5 っぽ. 虚(空^ろ • 

空白•空虚•虚無 . 

向かい合い- 向かい合い.差し向かい. 

対面.対座 . 

昔——昔.往時.往年.過去•昔日^•古 

上口' - *1^ くかぅ _ L 乂 ち*!^ かぅ . 

無邪気 I 無邪気 lg •純真•無心•純情. 

天衣無縫 •ぁどけない . 

結ぶ-結ぶ•結ゎぇる•繫 g ぐ•縛る•括る 

むちや -むちや•むちやくちや•めちやく 

ちゃ•めちゃめちゃ•無法•不法… 

め 

目——目.眼•目玉•目の玉.瞳 S と . 


















目次(め〜や) 38 


名誉—名誉.栄誉.誉れ.栄はえ.栄 11 .^栄 

光.光栄 . Mg 

迷惑 —— 迷惑•当惑•困惑 . 1 

珍しい —— 珍しぃ•稀(希) ,1 *稀有 , . 1, 稀覯 

?*. めったにない . M 0 一 

芽生える-芽生える.芽ぐむ•芽吹く.萌も 

える.発芽する . 五 Q 一一 

面会 —— 面会.対面.面接•会見.接見. 

引見^ . Ms 

免職 —— 免職•解雇^;.解任.罷免 r . 解 

職.首切り•首 . g 一一一 

ち 

もぅ ——もぅ •既(己 ^に•早•最早 g ゃ . 五 S 

目的——目的•目標•目当て . §五 

持つ-持っ•携£ずえる•所持する•携帯 

する•有する*^有する•所蔵する . 五◦六 


本 —— 本^元^基^下 S •許^因^素 ti …… M 0 七 
求める -求める•要求する•要望する•要 

請する•せびる•せがむ . §八 

や 

やかて—總种て.間もなく.其の内.何れ • 

遅かれ早かれ . g 九 

約束 —— 約束.誓い.申し合ゎせ.取り決め. 

契約.誓約•盟約 . g 九 

やけ —— 自棄 itf > .自棄糞^•自暴自棄.捨て 

鉢.破れかぶれ . so 

易しい——易51しい.たやすい.易 t い.生易し 

ぃ.容易•平易•簡単 . 11|ーー 

休む-休む•憩う.休息する•休憩する . 五一 一一 

やたら(に) —— やたら(に). 厭 t に. 無性 

に.やけに•馬鹿に.べらぼうに . 笠一一一一 

やつと - 漸 外と. 漸^ く.辛うじて.どうに 





















39 目次(や〜ゆ) 


力•何と* . 五一111 

やはり——やはり•果たして.案の定 iu ょ.思 

つた通り•成る程 . 五一四 

やめる-止める•辞ゃめる•止す•打ち切 

る•取り止める•中止する•終える • 

終わる . 五 S 

やる- 遣る•与える•吳れる•授ける•上げ 

る.施す . 五一六 

ゆ 

-II 

夕方——夕方.夕べ.宵•夕暮れ.日暮れ. 

夕刻•晚•黄昏 f ?. S 七 

友好——友好•親善•親睦.友誼 r . 交誼. 

厚誼 . MK 

有名—有名•著名•高名•名高い . 一 ti 一九 

愉快 I 愉快|ぃ.快い.快適.爽快. 

痛快.心地よい . 五一 S 


ゆがむ 歪?•歪 +'•• む. 捩ユれ る •歪曲 ,; r 

する . 五一一一 

行き来 ——行き来•行き帰り.往復.往来……五三 

行方——行方•行く先.行く手•目的地 . 五一三 

揺する - 揺ゅ する •揺ゅさぶ る •揺すぶ る • 

揺るがす . 五一一一一一 

豊か——豊か•豊富.豊潤.豊饒爲.,.豊穣 

IS ぅ.潤沢^ん . _ 

夢——夢.夢路•夢見.夢幻 lef •夢幻 g ん •幻 

51 •幻影•幻想 . 五一一四 

由来——由来•いゎれ.由緒.縁起^.沿革. 

来歴 . 苎云 

緩む——緩 S む•弛5む.だれる.弛緩*>1/ん. 

r する . 一¢ 1 = 

揺れる —揺ゅれる.揺らぐ.ぐらつく •動 

揺する•揺らめく . 五一一六 




















目次(よ〜ら ) 40 


五吞吞吞 

ニニー- C 3 


云 




よ 

良(善.好.佳)い I 良(善.好.佳)ぃ. 

いい•宜しい . 

用意——用意.準備.支度(仕度)•手配. 

霍 . 

要綱——要綱•要項.要領.要点.骨子^ 
様子——様子.有り様.状態.状況(情況 V 

様相•模様 . 

欲-欲•欲望•欲求.欲心 . 

欲張り——欲張り.貪欲•び•強欲 t ? …… 

汚す -汚 ri す.汚5す•汚染する . 

装ぅ —— 装 r •装? J : ぅ•着飾る.めかす.御洒 

落 s ' する . 

よそよそしい ——余所余所 II しい.素 そつ 
気けない•素気 Ift ない•水臭い. ぶつ 
きら棒 . 


世の中 —— 世の中•社会•世間•世 . 五三四 

夜更かし——夜更^し.夜明かし.徹夜. 

徹宵 K ぅ . 五# 

夜——夜•夜中.夜更け•夜間•夜分•夜半. 

深夜 . 五 S 

因(由.依.縁)ょる——因(由.依.縁)ょる. 

基づく •因 S む.則 !: 〇っる•依拠 i ょ する… M 七 
喜(悦•慶)び I 賣悦.慶); T び•歓喜 I ん. 

喜悦.愉悦•狂喜 . M 七 

rip ? 、_ np ? i •危も i • i • 少奇 i ,危导 

np?-> l. >v tv «»v 

怒く •虚弱•弱弱しい . §八 

ら 

来年 —— 来年.翌年:; >3 v 明くる年•明年. 

後年^ . 菩一九 

乱暴——乱暴.暴行.凶行•蛮行•狼藉 If ……五四0 




















41 目次(り〜ろ) 


10 


理——理.理 K •道理, •真理 原理.原則 …… wg 
利益——利益•収益.純益•利潤.利ざや. 

儲,- 5 fc け•得分.実益 . 五四一 

利口 —— 利口.賢 ; t い•賢; g しい.小賢れかし 
い•賢明•聡明•利発.聡(敏 )2 い. 

怜悧 ' T >. 五四一一 

立派——立派.見事•素晴らしい.素敵(的)…§一 I 一 
了解 —— 了解.了承.納得^.合点1 4, .5$. 

得心^ . 五四四 

領土領土 •国土 •領地.領分.領域. 

地盤•縄張り . M 五 

両立 —— 両立•並立^•連立.並存(併存) 

a . ra •共存 II ぅ. r ? ぅ . w 四六 

旅館——旅館•宿屋.宿.ホテル.宿舎.民 

宿•ペンション . 五四六 


履歴 —— 履歴.経歴.前歴.素性(素生.素 

姓)1$.キャリア . 五四七 

臨終 —— 臨終•今際 I * •末期 ST . 最期 r * ぃ.死 

期*1..一 i . Hj 四八 

る•れ 

留守——留守.不在.外出.他行||4ぅ . 畐八 

礼儀——礼儀.作法•行儀.礼法.エチヶッ 

卜•マナ— . 笠四九 

練習——練習•稽古 1 K •訓練.修練(修錬). 

鍛練(鍛錬 ) K . 五五0 

ろ 

牢——牢.牢屋•牢獄.監獄.刑務所•拘 

置所 . 皇一 

浪費——浪費•濫費(乱費)^•無駄遣い. 
















目次(ろ〜わ) 42 


空費•散財 . 五五一 

論理——論理•理路.理屈•条理.迁棲 S3 …… 霊 

わ 


わがまま-我が儘•気儘.勝手.自分勝 

手•奔放 , 12 . gill 

別れ 別れ•分かれ•別離.離別.決別 . 五五四 

枠—枠.縁 V 縁 ,, r 外郭.輪郭•アウトラ 

イン . 五 M 四 

訳-訳•理由•根拠.原因.故5 . £砉 

分ける -分ける•仕切る.区切る.分かつ. 

離す•裂(割)™く . 蓥六 

わざと —— 態£と.故意に.殊更•態態詩…… g 七 
僅か—僅か•僅少•些少 Is . ちょっぴり. 

細やか . g 七 

煩わしい——煩^ わしい.ややこしい. 厄介 
SS . 面倒•面倒臭い•億劫^'.大儀. 


繁雑.煩雑贫.煩瑣*14ん . 五五八 

忘れる-忘れる.忘却する.失念する•度 

忘れする.物忘れする . S 九 


わたし——私 S た•私 < t > L <: •私 b l .私(儂 )5 .僕. 

俺•小生.手前•我が輩 f •自分.我 .:sQ 


笑い —— 笑い.笑ぇみ•微笑(頰笑)3ほみ. 

一笑•苦笑•嘲笑^ S •冷笑•失笑 …… M 

割に——割に•割合.割り方.比較的 . 五六一一 

悪者——悪者.悪人•悪党.悪漢.毒婦.不 

良 •与太者^:.- j ろつき•ちんぴら . 五六一一 

















,のための 


似た言葉使い分け辞典 












1 愛 


恋慈情愛® 
愛愛愛情£ 


〇1 1〇〇 

間若 

'I 

• I 〇〇〇 

間肉 

1 〇 1 1 〇 

るふ 

1 1 1 1 Q 

?逢 

■〇 1 1 〇 

!« 


比べれば具体的で、 I 神」や一真 
理」などを対象とするのは違和感 
がある。 

情愛は、かなり意味が狭く限定 
され、親しい相手(肉親や夫婦な 
ど)に対する、持続的で深い沈潜 
的な愛情を言う。 

慈愛は、主体が「仏」「母」などの 
ことが多いが、親丄子、師丄弟子 
のように上から下へ一方的に与え 
る愛である。それと対照的なのが 
恋愛で、これは男女が互いに恋し 
合い愛し合うこと、つまり相互に 
求め合い与え合う愛と言えよう。 


〇 


1^5あい (〇愛する) 

I愛\愛情 gf'\ 情愛 gr\, 

,慈愛^'\恋愛^ 

〇使い分け例 W 

愛…「苦しむ人に SI の手を差しのベ 
る。」「子への_。」「男女の*|。」「隣人 
への考」「芸術への*|。」「真理への 

5 

愛情…「手紙で額を打ち明ける。」 


「桜の花への愛情。」「仕事への愛 
Iflo 」 

情愛…「老夫婦のこまやかな劃。」 
慈愛…「仏像の劃に満ちた眼差:; な 
し。」 

恋愛…「友情から劃に発展する。」 


(ど-つ使い分けるか W 

愛は、相手(対象)の価値を認め、 
大切にすること、の意で、五つの 
中で最も基本的.包括的であり、 
対象は、具体的なものから抽象 
的なものまで、物質的なものから 
観念的なものまで、非常に広い。 
愛情は、対象に対して持つ愛の 
気持ちの意で、対象となるのはか 
なり広く、人間だけでなく生物、 
更には「仕事」や「音楽」などのょぅ 
な物事も入るが、〈愛〉の対象に 


挨拶 • 愛する 2 


挨援ぁ ぃさっ 

「挨拶\会釈^<\お辞儀 £1 __J 

(使い分け例〕 


挨拶…「初対面のあいさつ。」「仲人の 
挨拶。」「指名されて_をする。」 
会釈…「軽く^3て席に着く。」 
お辞儀…「お辞儀の仕方がぞんざい 
だ。」「深々 とお 辞儀をした。 」 


(どう使い分けるか) 

挨拶は、動作よりも言葉の方に重 
点があり、会釈•お辞儀のように 
黙つ たまます る場合はない。会った 
ときや別れるときの言葉だけでな 


く、儀式や会合で祝意•謝意•趣 
旨な どを 述べる ときにも 言ぅ。 
〈会釈〉〈お辞儀〉 は、ともに 頭を 
下げる敬礼の動作だが、〈会釈〉 
は 軽い場合、〈お辞儀〉 は 深く ょり 
丁重な場合に言ぅ。 


愛する あいする(〇愛) 

愛する/好®;む/好す く/ 

恋 W する\惚ほれる\慕れぅ 

(使い分け例 J 

愛する… 「子を愛する。」「国を愛す 
|5|。」「|^合う男女。」「文学を_ 
51 青年。」 

好む…「英雄色を®。」「議論は0 


ところ だ。」 

好<:. 「だれにでも^^れる性質。」 
「あの人をている 。I 
恋する… 「友人の妹にている。」 
惚れる… て通ぇば千里も一 
里。」「あの男の気つぷのよさに!^ 
た。」 

慕う… 「母を!^。」「故国を51^。」 
「その先生の学風を_て入門す 
る。」 


广どぅ使ぃ分けるか) 

愛する は、慈しみ大切にする、 
の意で、異性間の愛情だけでな 
く、広く人にも事物にも用いる 
が、やや改まった感じがし、文章 
語的である。 

好む と 好く はよく似ているが、〈好 
む〉の方が客観的で冷静な感じが 


3 曖昧 


あり、恋愛感情としての〈好く〉 
は、〈好む〉には言い換えられない。 
恋する は、特に相手を異性として 
好く場合に使うのが普通である。 
〈愛する〉に比べ、相手を自分より 
高くみる感じがあり、その点で 
〈慕う〉に近い。 

惚れる は、〈愛する〉が抽象的であ 
るのに対して、より感覚的.具体 
的で、ある人やその人柄を対象と 
することが多く、俗語的である。 
慕-つは、人に隠した心の中で人や 
物を追う意が原義で、離れたもの 
や目上の人.自分より優れたも 
の.大きなものに対して、仰ぐよ 
うな気持ちで心の中に追い求めた 
り、それにならおうとしたりする 
意。したがって「子を—」「生徒を 
—」などとは言わない。 


〔注意」〈好く〉が終止形で 使われる 
ことはあまりない。 


曖昧 ぁぃまぃ 

I 曖昧\ぁやふや/有耶無, 

,耶 si \ 朧気 ,? |ろ\漠然び| 

c 使い分 w 

曖昧… 表現でごまかす 。」 S 
味模糊。」 

あやふや…「彼は言ぅことがどぅも 
ぁやふやで頼りない。」「知識が^: 
ふやだ。」©不確か。 

うやむや… 「責任の所在をぅやむやに 
する。」「事件がぅやむやに終わる。」 
おぼろげ…「おぼろげな記憶をたど 
る。」「人影がおぼろげに見える。一 


©おぼろ。 

漠然… 思い描く。」「漠然たる 
不安におののく。」 


r どラ使い分けるか) 

いずれも、「はっきりしない」の意。 
曖昧は、 ずるさやごまかしを含 
んでいる場合にもよく使ぅ。 
うやむやは 、〈曖昧〉より更にご 
まかしの意味合いが強く、意図的 
にはつきりさせないよぅな場合に 
使ぅことが多い0 

あやふやは、ずるさやごまかし 
と言ぅよりも、その人自身がはつ 
きりわきまえていないため確かな 
表現ができない場合に使ぅことが 
多く、頼りない感じを含む。 
おぼろげは、記憶がはっきりしな 
い場合などに使ぅことが多い。や 



会う 4 


おラあ瞹 
ぼやや 
ろむふ 
げやや昧 


' 1 1 〇 

tk 

■ • 〇〇 

な1 

建5 

事り 

I 〇〇〇 

ff 

〇 ' 〇〇 

ii 

る憶 


や古風な言い方。 


漠然は、意味上〈おぼろげ〉に近 
い。漢語なのでよりかたい感じが 
ある。は話し言葉でも 
よく使われるが、「漠然たる」はか 
なりかたい感じの文章語である。 


会う あう (〇面会) 

,会う\逢ぁう/遭ぁう/遇ぁ— 
う/出会 S う/出でくわす/ 
巡 e り会う/落ぉち合ぁう/ 


L 遭遇 II する/邂逅1?:する」 

い分け 

会う… n 心接間で客と^^。」「五時に 
駅前で^^ぅ。」— I 
逢う… 「明朝彼女と事っ。」「逢い引 
き〇」 

遭 I つ… 「夕立に_。」「交通事故に遭 
91 。」「災難に? I っ。」 

遇 I つ… 「道で旧友に遇ぅ。」 

出会う… 「町角で旧友に出会ぅ。」 
「反撃に!5^。」「すばらしい作品 

に雲ぅ。」 

出 < わす… 「思わぬ所で知人に出く 
_。」「事件に出くわす。」⑩出っ 
くわす。 _ 
巡り会 - つ… 「三十年ぶりに姉妹が巡 
」「幸運にう。」 
落ち合 - つ… 「喫茶店で落ち合う。」 


「二つの川が落ち合ぅ所。」 

遭遇する… 「敵に遭遇する。」「難問 
に遭遇す る。」 「雷雨に«|遇する。」 
邂逅する… 「思いがけぬ人と網追す 
SI 。」 「師との劃で私の一生の道が 
決まった。」 


广どぅ使い分け るか W 
会う の本義は、集まりあぅこと 
であるが、人と人が あぅ 場合は、 
どんなケースでもこの語は使える。 
約束してあぅ場合は 逢-つを 使ぅ 
ことがある。 

遭う は、偶然にあぅ意で、 遇う 
も同じ意味であるが、人とあぅ場 
合は後者を多く使ぅ。この場合 
も〈会ぅ〉を使ぅことは可能。 

出会 I つは、外で偶然に人に会ぅ 
以外に、思いがけない事件にあっ 




5 煽る 


たり見聞をしたりする意で、「茶 
屋で—」のよぅに男女が忍びあぅ、 
「者ども出# S 」 のよぅに出て来て 
相手をするなどは古風な用法で 
ある。 

出くわす は、〈出会ぅ〉よりも偶 
然性を強めた口頭語で、もっと強 
く〈出つくわす〉といぅくだけた言 
い方もある。 

巡り会うは、 長い間別れていた 
者が思いがけず出会ぅ、の意。 
落ち合うは、あらかじめ約束し 
た場所に出向いて一緒になる、の 
意。また、川が合流する意もある。 
遭遇するは、 〈遭ぅ〉や〈遇ぅ〉の 
意の漢語的表現であるが、普通 
よくない事にあう場合に使う。 
邂逅するは、 思いがけなく出会 
う、の意。人生上の運命的な出 
会いをするといつた意味にも使う 


厂かたい文章語。__ 

〔注意〕 〈出会う〉は〈出合う〉、〈巡 
り会う〉は〈巡り合う〉とも書く。〈出 
くわす〉は〈出会す•出交す•出喰す〉と 
も書けるが、普通かな圭日き。 


榻るあおる 

煽る/おだてる\唆?>1す/— 
けしかける/焚たき付つけ 
る/扇動!1する\アジる 


(, 使い分け例 ) 

煽る… 「集会で激しい口調で^^。」 
「言葉巧みに客をあおって買わせ 
る。」「国民を^^て、戦争に駆り 
立てる。」 


おだてる… 「子供をおだてて、お使ぃ 
をさせる。」「おだてられてその気に 
なる。」 

唆す… 「友だちを唆して柿を盗ませ 
る。」「悪事を唆す。」 

けしかける… 「犬をけしかけて、か 
みつかせる。」「住民をけしかけて反 
対運動を起こさせる。」 

焚$付ける… 「あることないことを 
並べて人をたきつける。」「友人を *I 
て交渉に行かせる。一 
扇動する… 「群衆を扇動し、暴動を 
起こす。」「聴衆を議場を 
混乱に陥れる。」 

アジる… 「学生運動家が大声でアジ 
41 。」「組合大会で 


(ど-つ使い分けるか) 

煽る は、風を送り火勢を強める 



明かり•上がる 6 


意が原義で、競争心•購買欲を増 
大させる場合などに使う。 
おだてるは、 甘言で人を釣る、 
唆すは、 悪いことをさせる、 け 
しかけるは、 犬に声をかけて相 
手に向かわせるように、自分の思 
う通りにやらせる。 

た$つける は、火をつけて燃や 
すように、相手の感情を刺激す 
る意で、これらは個人や小人数に 
対して使う。 

扇動する.アジる は、多数の人. 
大衆を対象として、ある運動な 
どを起こさせる場合に使い、後者 
は、アジテーシヨンの略「アジ」の 
動詞化した俗語で、もとは左翼 
運動用語。 

〔注意〕 〈扇動〉は〈塌動〉の書き換え • 


明かり ぁかり 

I 明かり\灯ひ\灯火 r \ 灯^, 

丨し火,ひ 

〇使い分け例 ) 

明かり…「明かりを少し暗くしてく 
れ。」「部屋に^^がっく。」 

灯…「街の切が消ぇる。」 

灯火…「灯火,親しむべき候。」「5^管 
制。」 

灯し火…「窓辺にまたたくともし 
火。」「風前のともし火。」 


(どう使い分けるかし 
照明のための光としては、現在は 


電灯を使ぅのが普通で、それを俗 
に「電気」と言ぅこともあるが、電 
灯に限らずに照明用の光を指す 
語としては明かりが一般的。 

灯は、最近ではわずかに古い感じ 
力する。 

灯火は、ややかたい文章語。 
灯し火は雅語的で、また、 あま 
り明るいものには用いない。 
〈明かり〉は〈灯〉の意味のほかに、 
「月の—」「雪—」などと、明るい 
状態を表すのにも使う。 


上がる あがる 

,上がる\ 揚ぁ がる\挙ぁが, 
,る/上1る\登1る / s る 


7 赤ん坊 


G 使い分け例 j 

上がる… 「二階に^^。」「地位が±1 
_。」「物価が^5。」「成績が±1 

萄」 

揚がる… 「天ぶらがからつと 

「花火が「積荷は全部陸に 
揚がった。」 

挙がる… 「二、三人の手が!^た。」 
「名が!^0」 I 
上る… 「坂を^5。」「頭に血が^^。」 
「隅田川を^^舟。」 

登る… 「木に_。」「山に_。」「階 
段を登る。」 

昇る… 「日が®^。」「天にも^^気持 
ち。」 


P どう使い分けるか) 

あがるとのぼるの基本的な区別 


は、〈のぼる〉がだんだん上へ行く 
意で途中の経過に重点を置くのに 
対し、〈あがる〉は一気に上に行 
く、またその結果の到達点や上に 
あるという状態に重点が置かれる 
ことである。 

また、〈のぼる〉は、自力で、ある 
いは、みずから上に行く場合に、 
比較的多く使われる。 

漢字の使い方は、〈あがる〉は 
上がる が一般的で、 揚がる は空 
中に高く向かう、水上•水中から 
陸に移る場合に、 挙がる はあがつ 
たものがよく見えるようになる場 
合に使う。 

〈のぼる〉は、下のものが上へ行く 
意で 上る、 山など高い所へ行く意 
で 登る、日 •月•雲などが勢いよ 
く上がる、空高く行く意には 昇 
るを 使う。 


の 

ほ 

る 

あ 

が 



〇 

〇 

に 

1 

m 

m 

〇 

1 

丄 

W 

道 

〇 

1 

1 

w 

1 

〇 

1 

w 

価 

1 

〇 

1 

¥ 

〇 

1 

丄 

大 

陽 

1 

〇 

1 

が 

1 

〇 

TF 

1 

校 


〔塗思〕 〈ぁがる X のぼる〉といぅ基本 
動詞は非常に多義的で、ここではその 
ごく 一部を記したにすぎない。 


赤ん坊 あかんぼぅ 

1赤ん坊/赤子, 1 か\赤| ち t 
ん\嬰児%\乳児0'(;?\乳 

_飲的み子ご\嬰児玆\べビ1| 

r 使い分け例 〕 

赤ん坊… 「赤ん坊に乳を含ませている 
女がいた。」 




明らか 8 


赤子… 「赤子の手をひねるよぅな、 
簡単なことだ。」 

赤ちやん… 「かわいい赤ちゃんです 
ね。」— 

嬰児… 「_殺しの容疑で逮捕。」 
乳児… 「当保育園では乳児から五歲 
児まで預かります。」 

乳飲み子… 「乳飲み子を抱えて働き 

ました。」_ 

みどりご… 「みどりごをあやす。」 

ベビ—…用品売場。」ゴ 

ルフ」 


r ど-つ使い分けるか) 

赤子—赤ん坊丨赤ちゃんの順に 

くだけた言い方になる。おなかの 
中の子を言ぅ場合もある。また、 
幼いことを強調し、世間知らずだ 
の意味で、「まだ赤ん坊だ」などと 


使う。同じ意味に〈ねんね〉もあ 
る。 

嬰児1みどりご、乳兜—乳飲 

み 子は漢語—和語の対であるが、 
〈みどりご〉は新芽のょうな生ま 
れたばかりの子の意で、大体三歳 
くらいまでを指し、雅語として詩 
歌にょく使われる。〈乳飲み子〉 
は、まだ非常に手間のかかるもの 
というニュアンスで使われる。 
児童福祉法では満一歳に満たない 
者を〈乳児〉(それ以上小学校就学 
期までは幼児)と言う。 

べビ— は、「 I 服」などのように造 
語成分として多く使われ、「—ゴ 
ルフ」などのように「小型•ミニ」の 
意味にも使う。 


〔注意〕「赤子1」とぃぅ語は君主を 
慕う 人民の 意である。 


明らか あきらか(〇確か) 

,明らか\明白於\明快11\, 
明瞭1| 1> \明晰筘\自明 
S , 歴然 XI 

(使い分け例) 

明らか… 「失敗するのは火を見るよ 
り明らかだ。」 

明白… 証拠を示せ。」 

明快 •••「明快に答える。」「単純 Ilf 

RI 。」 

明瞭… 「発音を^ MS する。」 

明晰…頭脳。」 

自明… 「こちらが正しいのは^^。」 
歴然… 「間違いはしている。」 


9 諦める 


「それは歴然たる事実だ。」 


(ど151使い分けるか) 

明らかは、はっきりしていて確か 
である、の意。「月の—な夜」のよ 
うに光が明るい意で使うこともあ 
るが、この場合は、文章語といっ 
てよい。 

明白は、〈明らか〉をやや強調し 
たもので、もつ と強く 「明々 白々 
だ」という言い方もある。 

明快は、〈明白〉より更に強調さ 
れ、快いほどは っきり して、筋道 
が通っているの意。 

明瞭は、確か•疑いないの意より 
も、はっきり見分けられ感得でき 
るの意の方に重点がある。 

明晰は、頭脳の働きが筋道だって 
はつきりしているのに 言う ことが多 


自明は、〈明白〉より強い。 

歴然は、一層文章語的でぁり、 

特に「歴然たる」はかたい。_ 

〔注意〕「瞭•晰」の字は常用漢字でな 
いため、〈明瞭〉〈明晰〉は公用文•新聞 
などでは普通かな書きにしたり、別の 
語に換えたりする。〈自明〉は「 I に」 
の形はなく、「 I な」は普通「の」を用い 
て「自明の理」のよぅに言ぅ。 

識める あきらめる 

(〇捨てる) 

I 諦める\断念^する\観— 
,念11する/思 S い切 t る1 

C 使ぃがけ~1^ } 

諦める…「進学を一^。」「身の不運 


と請める。」 

断念する…「資金難のため拡張計画 
を断念する。」 

観念する…「敵に追い詰められ、も 
はやこれまでと観念する。」 
思い切る…「立身出世を思い切る。」 


〇ど5使い分けるか ) 

諦めるには、実現不可能と認め 
て望みを捨てる.運命的なものを 
仕方のないものと考えてそれに従 
ぅ、の二義があり、断念するは 
前者と、観念するは後者と同じ 
である。 また 〈観念する〉は「…を 
観念^^」とは言えない0 
思い切るは〈諦める〉ょり強くきっ 
ぱり とした 感じがある。 

〔注意〕〈思い切る〉には決心するの 
意もあり、「思い切った…」「思い切って 




飽きる•あした _zo 


…する」はそれに由来する表現。 

飽きる あきる 

~飽きる/倦ぅむ\飽ぁき飽ぁ— 
きする V つんざり する/退 
屈 4 S する 


(使い分け例) 

飽きる… 「四、五時間たつとさすが 
に遊びにも^;た。」 

倦む… ずたゆまず励む。」 

飽キ」飽キ j する… 「退屈な長い話で劍 
き飽きした。」 

-つんざりする… 「どれもこれも甘い 
物ばかりでうんざりする。」 

退屈する… 「言葉の分からない映画 


は退屈する。」 


(ど-つ使い分けるか 1 W 

倦むは飽$るょりも やや古めか 
しく文章語的。 飽き飽きする 
は、〈飽きる〉を強調した語で、 
一つんざりする は同じ意味をょり 
感覚的に表すときに使ぅ。 

以上の四語は、その物事に対し 
興味を失った結果そぅなるのだ 
が、退屈するは、初めから興味 
をひく物事がない場合になる。 


あした 

,明日^\明日?/明日 

みよう\ 3ヨよく 
I にち \§ E じつ 


( 使い分け例 ) 

あした…「あした天気になあれ。」「*1 
y はあしたの風が吹く。」 

明日 S :. 「あすは晴れるでしょぅ。」「*1 
すの日本を担ぅ若い人たち。」® 
昨日 ro 

明日 ST ... 「本日と明日の日程を発 
表するので注意されたい。」®昨 
日^。 

翌日…「_もその事件は起こった。」 
© 明くる日。 ㊣ 前日。 


0どぅ使い分けるかし 

あしたは、〈明日 e よりもくだけ 
た言い方で、口頭語として最も普 
通。 

明日?は、「将来」の意で使ぅこと 
もある。 



11 あたふた 


翌明明あ 
日し 

n u 0 i. 

H うすあ /'- 


0000 

^ 1 
む 

_ 〇〇〇 

う雨 

〇 1 1 • 

か L 

た雨 

| > 〇 > 


■ 〇 •' 

f 音 

〇 • • 1 

I S 


明日 S ぅは改まった言い方で、 
文章語である。 

右の三つは、きょうの次の日のこ 
とだが、翌日は、過去のある日 
を基準としてその次の日の意味で 
ある。文章語で、同義の〈明くる 
日〉もやや文章語的である。 


〔注意〕 <ぁした〉は本来「朝」の意味 
で、現在でも雅語として詩歌にょく 
使われる。 

〈明日〉はアス ともミヨウニチとも 読め 
るので、文脈から判断できず、どちら 
かの読みを期待する場合はかな書きに 
するかルビをつける。 


あたふた 

あたふた/そ そくさ/そこ— 
そこ/うろうろ/まごまご 

(使い分け例) 

あたふた… 「突然の来客であたふた 
しながら茶の用意をする。」「あたふ 
@家に駆け込む。」_ 

そそくさ… 「負けてそそくさと引き 
上げる。」 

そこそこ… 「食事もそこそこに出掛 
ける。」 

一つろ一つろ… 「出口が分からずうろう 
4探し回る。」 

まごまご… 「急な指名でまごまごす 

^101 


f ど 51 使い分けるか } 

いずれも - M 態語。あたふたは、 
予期して如な- i 1 - 一とが起こったりし 
て急ぎあわ-てざさま。 そそくさ 
は、早くしよぅと気ぜわしく事を 
行ぅさま、 そこそこは、 「…も ^I 
こそこに」の形で、 何 かを 十分 やり 
とげず 中途で打ち切っ て 先を 急ぐ 
さま。 うろうろは、 どぅしてよい 
か分からないままにあわてて動き 
回るさま、 まごまごは、 どぅし 
てよいのか分からずあわてるとこ 
ろは〈うろうろ〉と同じだが、〈うろ 
うろ〉のように動き回ることはせ 
ずに 躊躇 II うしている 状態を 言う。 


〔注意〕 〈そこそこ〉は「彼と付き合ぅ 
のは—にしろ」、接尾語的に「千円— 
の品|などとも使ぅ。 






新しい•当たり前 J 2 


新しい あたらしい 

1新しい\真新 II しい/新 S , 
,た/新鮮^\フレッシュ 


( 使 い分け例 ) 

新しい… 「一^洋服。」思 
想。」人。」®古い。 

真新しい… 「真新しいノート。 」「 s ¥ 
しいワィシャツ。」 

新た… 設けた道。」「人生の if I 
たな出発。」 

新鮮… 野菜。」山の 
空気。」「^5^発想。」「何もかも ffl 
鮮に感じられた。」 

フレッシュ… 「フレッシュな感覚。」「ア 
イディアがフレッシュだ。」 


( どう 使い分けるか ) 

新しい は、具体的なものにも抽 
象的なものにも使い、現代的.進 
歩的の意味もある。 

真新しい は、新しさを強調した 
語であるが、〈新しい〉と異なり具 
体物にのみ用いる。 

新鮮とフレッシュは、同じ意味 
であるが、後者は果物.空気など 
の物よりも感じ.発想などに使う 
ことが多い。前者はどちらにも使 
われる。 

新たは、 前の物事に代わったり付 
け加わつたりする場合に用いる。 
また、改めて始める場合に言う。 
文章語的である。 


当たり前 あたりまえ 

,当たり前\当然爲\尤 

も 


f 使い分け例 ) 

当たり前… 「勝って当たり前だ。」「到 
たり前の女の子。」 

当然… 「謝るのが sfw '」 「劃の結 
果。」「_行くべきだ。」 

もっとも •••「彼の言ぅのももっとも 


Qji つ使い分けるか) 

当たり前と当然は、 後者の方が 
やや文章語的である。大体同じ 



23 扱う 


操さ操扱 

穿ば 

るくるラ 


〇 I 〇〇 

T 1 

I 〇〇〇 

V ^ 

1巧 

1 • • 〇 

切本 

‘f 类 

■〇1〇 

丨事 

〇 ■ 〇 ■ 



味なので、〈扱う〉とはかなり異なる c 
さばくは 、混乱する複数の物事 
を巧みに扱い処理する、扱いにく 
い道具をうまく使いこなす、商品 
を売り切る、などの意味がある。 
操作するは、 物を対象とする場 
合は〈操る〉と大体同じだが、〈操 
る〉は簡単な道具、〈操作する〉は 
複雑な機械を扱うときに使うこと 
が多い。物以外の場合にも、「言 
葉を$」「概念!^」のように、 
表現の硬さで使い分けられること 
が多い。人を対象とする使い方は 
〈操作する〉にはない。 


意味だが、前者に「 I の女の子」の 
よぅに「並日通」の意味もあるのに対 
し、後者にはそれがない。後者は 
副詞としても使われる。 

もっともは、人の言動を当然だ 
と肯定する場合に使う。 

〔注意〕 〈もつとも〉は「•.•、もつとも 
例外はあるが」のように、ただしの意 
味の接続詞にも用いる。 


、つぁっかぅ 

,扱ぅ/操1る/捌§ く\操— 
,作 r する I 

〔使い分け 例 ソ 

扱う… 「本を大切に^^。」「総務課で 
扱 51 事項。」「客を大切に^^。」 


叢り扱ぅ。 

操る… 「小舟をぅまく操り、岸に着 
ける。」「手下を操る。」 

さばく… r 手綱をさばく。」「たまった事 
務を」「巧みにばちを^」 
操作する… 「機械を操作する。」「帳 
簿を操作してごまかす。」 


P どう使い分けるか) 

扱一つは、 物や事を対象とする場 
合にも、人を対象とする場合に 
も使われる。 

操る は、物をうまく動かして使 
う意では〈扱う〉とも共通性があり 
「小舟を扱う」とも言える。しかし 
〈操る〉は動かして使うべき物につ 
いて言うので、「本を操る」とは言 
わない。人を対象とする場合は、 
それを自分の思い通りに動かす意 





熱さ 14 


熱さ ぁっさ 

,熱さ/暑?さ\いきれ\熱| 

気 r \ 暑気^/炎熱^\ 
,炎暑^\酷熱^\酷暑^— 

( 使い分け 例 j 

熱さ… 「お湯の熱さを計る。」「熱さに 
思わず手を引っ込める。」 ㊣ 冷た 
さ0 

暑さ… 寒さも彼岸まで。」「一^ 
に弱い。」に向かぅ 。 j ® 寒 
さ0 

いきれ… 「人!^でのぼせる。」「草 

— II いきれ。」 

熱気… 「 MW 消毒。」「異様なに 


包まれる。」®冷気。 

暑気 ..•「暑気を払ぅ。」「暑気あた 
り。」 ㊣ 寒気。 

炎熱… rww 地獄。」 「 WW の道を行 
進する。」 

炎暑… 「 WW に耐えて働く。」 

酷熱… 「_の砂漠。」 

酷暑… の折柄一層御自愛くだ 
さい。」®酷寒。 


(ど-つ使い分けるか) 

暑さは、 気温の不快に感じるほ 
どの高さ、またその程度や時候を 
言うときに使う。 

熱さは、 それ以外の温度の高い 
状態に用いる。 

い $れは、むされるような熱気や 
においを言う古風な語で' 現在では 
「人一」 _ IM ~」の形で使うこと^^い。 


熱気は、 温度の高められた気体. 
空気、また高揚した意気込みや 
雰囲気を言ぅ。また、高い体温や 
病気などによる熱の意味もある。 
暑気は、 夏の暑さの意。「—払 
い」とは暑さを忘れるため酒宴な 
どをすること。 

炎熱は、火の強い熱気 ( rww 地 
獄」は「焦熱地獄」のこと)から、 
炎暑と同じく真夏の燃えるよぅ 
な厳しい暑さの意となる。 

酷熱 も、どうにも我慢できないほ 
どの熱さの意から、多く 酷暑と 
同義に使われる。〈酷暑〉は、非 
常に厳しい暑気。 


〔注意〕〈熱気〉は高い体温、発熱の 
意があるが、その意味ではネッケ また 
はネッケ(漢字は同じく「熱気」)と言ぅ 
方が多い。 


15 集まる•当てる 


集まる あつまる 

,集まる/集合^ぅする/集— 
s う/会吨する/集社る/群 6 tf 
,がる/群むれる 

( 使い分け例〕 

集まる… 「広場に^^て騒ぐ。」「同 
情が」「寄附が」 
集合する… 「全員校庭に集合する。」 
「役員を集合する。」 

集 I つ… 「音楽会に_人々。」 

会する… 「一堂に会する。」 

たかる… 「ありが砂糖にたかる。」「安 
売り店の前に人が^^。」「先輩に 
たかる。」 


群がる… 「タンポポが群がって生えて 
いる。」「高層ビルが^^て立つ。」 
「やじ馬が^^。」 

群れる… 「鳥が謂て飛ぶ。」「海岸に 
人が群れている。」 


广どう使い分けるか) 

集まる は、人や動物だけでなく、 
「同情が—」「寄附金が—」のょう 
に抽象的な事柄や金銭などにも 
使う。目的などなく偶然集まる 
場合もある。 

集合するは、 人について、「役員 
を—」のょうに他動詞としても使 

>90 

集う•会するは、 目的をもっての 
集まりの場合で、前者はやや古 
風で雅語的、後者はかたく文章 
語的である。 


たかる は、虫や動物が獲物など 
に集まる場合にょく使い、人間に 
ついて言う場合にも、軽蔑的なニュ 
アンスがある。祟まる意でなく、 
ねだったり脅し取つたりする場合 
にも使う。 

群がる は、 群れる ょりも集団が 
乱雑で、人や動物だけでなく、 
植物や建造物などについても一一日う。 


当てる あてる 

,当てる\充ぁてる\宛? が, 
う\当ぁてはめる/充当 
2 r する\充用^ぅする\ 
I 適用 II する 



あなた 16 


〇使い 分け例 〕 

当てる… 「球を壁に「胸に手 
を当てる。」「草に光を当てる。」 
充てる… 「教育費に:^;^金。」「保安 
要員に充 I 。」「仕事場に^^。」 
あてが一つ… 「子供に絵本を^^ 
ぅ。」「受話器に耳をあてがぅ。」 
当てはめる… 「言葉を当てはめる。」 
「我が身に当てはめて考える。」 
充当する… 「利益は施設費に 
る。」「人員を充当す5|。」 

充用する… 「借金の返済に食費を却 
用する。」 

適用する… 「新しい規程を適用す 
る。」「第一一条第三項を適用する。」 


C どう使い分けるか〕 

「あてる」という語にはいろいろな 


意味があるが、ほとんどの場合 
当てる が使われる。そのうち、 
その物事のために使う、仕事や任 
務を分担させる、の意では 
■充てる も使われる。そのほかで 
は、「母に^^た手紙」の場合に 
「宛」、「矢を的に^^」「生水に 
あてられる」の場合に「中」が使わ 
れる こと もある。 

あてが一つは、 適当に見積もって 
与える、 またぴったりと 当てて く 
っつける、の意。 

当てはめ るは、ある物事をうま 
く合うように持ってくる、の意。 
充当す るは、金品や人員をある 
目的や用途に当てる、 充用す る 
は、本来の用途でなく、他の足 
りないところに充てて用いる、の 
意で使う。 

適用するは、 〈当てはめる〉の意 


の漢語的表現で、特に、法規を 
具体的な事例に当てはめて用い 
る、の意で多く使われる。 


あなた 

1貴方 S な\あんた\君ジお— 
前ジ貴様 1 * \お宅<*\貴 
下2貝君<#ん\貴兄^/貴 
,殿 r \ 貴方 , I s 

f 使い分け例 U 

あなた… のご趣味は何です 
か。」「あなた、ごはんよ。」©わた 
し。 

あんた… 「おれは^^が好きだ。」 


17 あなた 


君… 「君と僕だけの秘密だょ 。」㊣ 
僕。 

お前… 「_はいい子だね。」「_と 
はもぅ口を利きたくない。」 

貴様… 「一^などに分かるもんか。」 
「_とおれとの仲だ。」 ㊣ おれ。 
お宅… 「おたくはご承知でしょぅ。」 
貴下… 「_のお手紙拝見致しまし 
た。」— 

貴君… 「 SW の健康を祈る。」 

貴兄… 「 S 5 の成功を祈ります。」 
貴殿… 「 SW を当会名誉会員に推薦 
致します。」 

貴方… 「貴布のお考えをお聞かせ願い 
たい。」 


1 T どぅ使い分けるか ) 

日本語の対称(第二人称)代名詞 
には、英語の you に当たるよぅな 


広く使えるものがなく、使い方に 

苦労する。古語の「なんぢ」のよぅ 

な元からの対称はあまりなく、ま 

た、本来は敬語であったものが多 
〇 
V 

君 も お前 も 貴様 も本来は敬語で 
あったが、次第にくだけた、ぞん 
ざいな言葉となった。 

あなたは 微妙で、これも敬意の 
度が薄れて、今では目上の人には 
あまり用いない。しかし、昭和二 
十七年 国語審議会建議の「これか 
らの敬語」には、相手を指す言葉 
としては〈あなた〉を標準の形とす 
るとあり、公用文では普通<あな 
た〉を使つている。手紙文では〈あ 
な S を「貴方」「貴男」「貴女」など 
と表記して使うことがある。会話 
では〈あなた〉は、同等の相手に対 
しても、女性はよく使うが男は親 


しい間ではあまり使わず、初対面 
の人とか、あまり親しくない相手 
に使うことが多い。やや親しい相 
手には代わりに、お宅が使われ 
ることがある。これは本来相手の 
家を指し、その意味では目上にも 
使える敬語である。しかし、対 
称としては〈あなた〉と同じくごく 
軽い敬意しかなく、目上には使え 
ない。 為ん たは〈あなた〉よりぞん 
ざいだが〈お前〉より少し敬意があ 
る。 

貴下•貴君.貴兄(姉)•貴殿は、 

すべて書簡用語で、後のものほど 
敬意が高まる。いずれも普通男性 
が使う。 

貴方 S ぅは、個人に対してだけで 
なく、相手方の組織.機関などを 
も言う敬語である。 



侮る•暴く _ Z 8 


侮る あなどる 

,侮る/見縊 <* びる\見下5 だ 
す\見下 S げる\蔑(贬« げ 
む/軽砂んじる\軽蔑⑦す 
る 


f 使い分け例) 

侮る… 「弱敵と見て®^な。」 
見くびる… 「そぅ見くびったものでは 
ない0」 

見下す… 「人を見下したよぅな態度。」 
見下げる… 「女を脅すとは見下げた 
男だ。」— ㊣ 見上げる。 

蔑む… 「 M 5 ような目つき。」 
軽んじる… 「人を軽んじる。」「約束を 


軽んじる。」 ㊣ 重んじる。 

軽蔑する… 「貧しいからといつて人を 
軽蔑するな。」®軽侮する。侮蔑 
する。 


(ど5使い 分けるか ) 

全語にほぼ共通する意味として 
は、相手を軽く見てばかにする、 
ないがしろにする ということ。 

侮る は 見くびる ょりも文章語的 
である。 

見下す は、 見下げる ょりも相手 

をばかにした感じが強い。「_ 
tfl た…」は「軽蔑すべき…」の意の 
慣用連語で、「見^-した…」には 
置き換えられない。 

蔑むは、軽蔑すると同義である 
が、古風な文章語である。 
軽んじるは、他語と違って人間 


以外のものにも用い、大切にしな 
いでいい加減に扱う ことを 言う。 


暴く ぁばく 

,暴く \ばらす\素すっ破ぱ抜— 

—ぬく \暴露 5 f する I 

ハ使い分け例 W 

暴く… 「不正を暴く。」「墓を暴く。」 
ばらす… 「内情をばらすぞ。」「秘密を 
ばら1-|。」 

素っ破抜く… 「スキャンダルを ^ S 
抜く。」「政党間の密約を新聞が$ 
ぱ抜いた。」 

暴露する… 「倒産寸前の会社の経営 
実態を暴露す4|。」「陰謀が暴露する。」 


19 危ない 


f ど-つ使い分けるか ) 

暴く は、本来「墓を一」のょうに、 
土を掘って物を取り出す意で、 自 
分も 前は 知らなかった ことを探 
り、かつ発表する場合に使うのに 
対して、 ばらす は知っていて秘密 
にしていた ことを 発表して しまう 
場合に使う。〈ばらす〉は、「ばら 
ばらにする」が元の意味で、俗語。 
素っ破抜 <も俗語だが、新聞の 
記事などの場合に使われカラっと 
した 感じである。 また 不意に、 
大々的に、のニュアンスがある。 
暴露するは、 〈ばらす〉と同義の 
漢語的表現であるが、「陰謀が 
I 」のように自動詞(ばれるの意) 
にも 用いられる。 

〔注意〕 〈暴露〉は〈曝露〉の書き換え。 


危ない あぶない 

,危ない/危 f ぅい/危? I なつ— 
かしい\危険!剣呑 

1物騒'2.っ っ I 

い 分け例) 

危ない… 「危ない所で遊んではいけま 
せん。」「落ちそぅで危ない橋。」「彼 
は明日来ると言つたが、危ないもん 
だ。」 _ 

危うい… 「危ぅいところを助かる。」 
「危うく一命をとりとめた〇」 

危なつかしい… 「危なつかしくて見て 
いられない。」「酔つぱらいの危なつか 
y 足取り。」 


危険… 「深夜の外出は危険だ。」「危 
険な思想。」「生命の劃。」 
けんのん… 「崩れやすいけんのんなが 
け。」 

物騒… 「物騒な世の中。」物 
を持ち歩くな。」 


(ど- i い分けるか〕 

危ない と 危うい は、「国が一」と 
いぅよぅ に 同じ 意味に 用いる とき、 
後者の方が文章語的である。ま 
た前者には例の三番 目のよぅに、 
「当てにならない」 の 意味での用 
法があり、後者には、連用形八危 
ぅく〉 で、 「やつとのことで」の 意味 
の使い方がある。 

危なつかしい は、見るからに危な 
い感じだ、の意で、〈危ない〉より 
もそれを見る者の不安な気持ちが 




油 20 


M JB JB 

な 

苏ぅな 

し 

し、いい 


〇〇〇 

模丨 
様空 

1 ■〇 


1〇1 

に丨 

合く 
う間 

〇•〇 

な付 

いき 


危険は、 災難の可能性の大でぁ 
ることを客観的に表現する。 
けんのんは、 〈危なっかしい〉の俗 
語的な言い方。 

物騒 も危険な感じを表すくだけ 
た表現であり、「 I な物」はピスト 
ルなどの凶器を言う。 


H あぶら 

,油/脂 6 |\脂肪4ン油脂| 

プオイル _ 


厂, 使い分 け例 ') 

油…「ごまの酬で揚げる。」 r 酬を絞 
る。」「機械に酬を差す。」「油を流し 
たょぅな海面。」 r 酬が切れて元気が 
出ない。」 

脂…「豚肉の 1 ^。」「脂が乗ったさん 
ま。」「鼻の all 。 」 rsll ぎった顔。」 
脂肪…の多い食品。」「脂肪太 
り。」「皮下_。」「_油。」 
油脂…を原料にせっけんを作 

る。」「_工業。」 _ 

オイル…「サラダオイル。」「オイルカ 
ラー。」「エンジンオイル。」「オイルダ 
ラー。」 


C ど13使い分けるか j 

常温で液体のものを油、固体のも 
のを脂と書き、一般に前者は植 


物性、後者は動物性であるが、 
前者には石油も含む。また、後 
者のうち肉のあぶらを「膏」と書く 
こともある。〈油〉は活動の原動 
力となるもの(酒など)の比喩とし 
て吏うこともある。 

脂肪は、動植物体に含まれる不 
揮発性のあぶらで栄養素の一つ。 
普通常温で固形の脂を指すが、 
栄養学では油と脂を含めて言う。 
化学では、〈油〉に当たるものを脂 
肪油、〈脂〉に当たるものを〈脂 
肪〉として区別する。油脂は、油 
と脂の総称であるが、石油は含ま 
ない。 

オイルは、食用油、燃料用の 
油、潤滑油、また油絵の具など 
の意に広く使う。 




21 怪しい•誤り 


陸しい あやしい(〇不思議) 

,怪しい\可 笑1 しい \疑:わた| 
_わしい/訝 r しい/不審;一ん, 

( 使い分け例, } 

怪しい… 物音がする。」「明日 
の天気は怪しい。」「あの一一人は 
5ぞ。」「彼の英語はものだ。」 
おかしい… 「様子がおかしい。」「頭が 
おかしいのと違ぅか。」 

疑わしい… 「それが本物かどぅか阚 
ゎしぃ。」 

いぶかしい… 「その話にはいぶかしい 
点がある。」 

不審… r 言動に点がある。」「书 
3男。」 


广どう使い分けるか) 


疑わしい は、対象が疑念を もた 
れ るべき 状態 だという 意味を表 
し、 いぶかしいは その原因を突 
きとめたいという、 主観的な気持 
ちをより強く含むニュアンスがあ 
る。 不審は、 〈いぶかしい〉と同義 
の漢語。みなやや文章語的である。 
怪しい•おかしい は、疑わしいの 
意に加え様子が変だの意味があ 
り、特に後者ではその方に力点が 
ある。「彼の英語は®:^」は、何 
となく変で、 正し さが疑われると 
いう 場合で、「彼の英語は^3 
W 」 は、変である ことがもつ とはつ 
きりしている 場合である。〈怪し 
い〉には、当てにならない、 の#! 心も 
ある。二人の男女の間に特別な 


関係があるらしいといぅ場合には 
両者同様に使ぅ。 


誤り あやまり 

,誤り/過*1ち\ 間違 r い\| 
失敗^/失策れ\過失 

過誤 r *> 

r 使い分け例 —) 

誤り… 「文字の寶を正す。」「判断の 

3。I 

過ち… 「_を犯す。」「若い二人の週 
ち。」「過ちを反省する。」 

間違い… 「この答えは^だ。」「道 
中^ がないよぅに。」 

失敗… 「交渉は®に終わる。」「受 




荒い 22 


験に失敗する。」®成功。 

失策… 三塁手の劃でランナーは 
三塁に進む。」 

過失… r 棄による事故。」「業務上 
過失致死。」 

過誤… 「 MM を無くしよう。」 


1 T どぅ使ぃ分けるかし 

誤りは、表記•計算.判断などに 
ついて、過ちは、行為について改 
まった言い方として用い、間違い 
は、両方の意味を兼ねて広く使 
われるほか、事故.万一の事など 
の意味も表す。 

失敗 も 失策 もやりそこないである 
が、後者は軽い意味に使われる。 
〈誤り〉〈過ち X 間違い〉などは、 
その事の本になる判断が正しくな 
いため起こるもので、〈失敗〉〈失 


策〉は方法•手順.技術などの不足 
で起こるもの。例えば、「花を描 
け」と言われて「鼻」を描くのは〈誤 
り〉で、「花」を描くつもりだったが 
花に見えないものを描いてしまつた 
場合は失敗である。 

過誤は、〈誤り〉、過失は、〈過 
ち〉の意の漢語であるが、後者は 
法律用語としては「—致死罪」な 
ど、注意を欠いて結果を予見しな 
いことを I 思味する。 


荒い— い 

1荒い/粗?い/荒 S っぽい/粗, 
W っぽい/荒荒 II しい\手 

_荒|"ぃ\粗暴2ぅ\粗野料 


f 使い分け例) 

荒い… 「波が MI 。 」 「気性が M 3。」「金 
遣ぃが SI 。」 _ 

粗い… 「粒が¥1。」「網の目が¥1。」 
「きめが WI 。」 「計画が¥3 。」㊣ 
細ヵレ 

荒っぽい… 「人使ぃが荒っぽぃ。」「辱 
ぽい荷扱い。」 

粗っぽい… 「仕事が粗っぽぃ。」 

ぃ造り方。」_ 

荒荒しい… 「荒々しく戸を開ける。」 
「荒々しい息遣い。1 — 

手荒い… 「子供に手荒いまねをする 
な。」「一^^荷物を投げる。」© 
手荒だ。 

粗暴…振る舞い。」「すぐに人 
を殴る粗暴切男。」 

粗野… 「粗野な言動。」「粗野だが人 

はいい。」 


23 洗う 


(,ど !51 使い分けるか ) 

荒い は、勢いや動きが激しくすさ 
まじい、性向や行為が度を越えて 
激しい、の意。 

粗い は、織物•編み物の目や粒が 
大きい、表面がざらざらしている、 
やり方が大ざつぱである、の意。 
荒つぽい と 粗つぽい は、それぞれ 
〈荒い〉、〈粗い〉を強めた口頭語的 
な言い方であるが、 どちらも 人間 
の態度や言動について使い、「一^ 
ぼい波」、「粗つぽいきめの肌」のょ 
ぅな使い方はしない。 

荒荒しい も、〈荒い〉の強調表現 
であるが、この語も自然や物につ 
いては使わず、かなり文章語的で 
ある。 

手荒い は、扱い方が乱暴だの意 


で、〈手荒だ〉といぅ形容動詞も 
ほぼ同義に使われる。 

粗暴と粗野はどちらも性質や行 
動が荒々 しいさまを 言うが、前者 
は乱暴だ、後者は品がない点を強 
く言う言葉である。 


洗う あらう 

,洗う \濯 1- t ぐ\漱打ぐ\濯5, 
ぐ/洗濯 n する/洗浄^ ぅ 
する 

(使い分け例) 

洗 5…「髮を^^。」「波が岸を_。」 
濯5:ぐ… 「洗濯物を^^。」®濯:;: 
ぐ0 


漱ぐ… 「口をすすぐ。」 

濯$ぐ… 「牛乳瓶をゆすぐ。」「口をゆ 
すぐ」 

洗濯する… 「下着を洗濯する。」 
洗浄する… 「胃を洗浄する。」 


使い分けるか) 

洗 - つは、 水や薬品.洗剤などで汚 
れを落とす、の意。 

濯::ぐは、洗剤などを使わず、 
水•湯だけの場合に言ぅ。 

漱ぐは、水などで口中の汚れを 
洗い落とす意。 

灌請ぐは、 〈濯 1- t ぐ〉とほぽ同じ意 
味だが、特に揺り動かしてすすぐ 
場合を言ぅ。口頭語では〈ゆす 
ぐ〉の方がよく使われる。 

洗濯するは、 衣類などの汚れを 
洗い落とす意、 洗浄するは、 本 



あらかじめ•争い 24 


かか前 

g ね专 

ねてて 


〇〇〇 


_ _〇 

苫 i 

〇〇 • 

チ,み 

•〇 1 

I? 

0つ 
ノゎ 


争い あらそい 

I 争い\喧嘩1ん\諍1い\睚< 
*|み合ぁい\抗争1|\闘争 

と*つ 
—そう 

「使ぃ分 

争い… 「主導権烈。」「法廷での刳 

I 。」 

喧曄… 「子供の顧に親が出る。」「口 

_。」 

いさかい… 「若い衆のいさかいが絶え 


来医学用語で、局部.患部の汚れ 
を洗い流す意である。 

〔注意〕 「恥をすすぐ(そそぐ)」の場 
合、漢字表記は「雪ぐ」である。 

〈洗浄〉は〈洗滌〉の書き換ぇ。 


あらかじめ 

,予 SI め/前以 M て \予 II 
I て \予2 

f 使い分け例 W 

あらかじめ… 「ご欠席の場合は^^ 
かじめお知らせください。」 「あら か 
じめ想像せざるを得なかった。」 
前もって… 「前もって電話してから出 
かけた。」「前もって打ち合わせる。」 
かねて… 「うわさはかねて聞いてい 


た。」「かねてより話のあつたこと。」 


おりました。」 


(どう使い分けるか W 

あらかじめは、 事に際して前も 
ってして おくさまを 表す副詞で、 
前もつ てよりも改まった言い方。 
かねがねは、かねてを 強調した 

語。 

現時点で未来のこと、過去のある 
時点でそれから起こることに備え 
るのが〈あらかじめ X 前もって〉、 
現時点また過去の.一時点の前に 
何かしていたのが〈かねて〉である。 
(したがって過去の事柄では同じよ 
うに用いられる場合がある。)な 
お、〈かねて〉はの」「5^ 
より」などと 一一一ー ロうことができる。 



25 表す 


ない。」「年寄りにいさか5:の仲裁を 
頼む。」 

いがみ合い… 「兄と弟のいがみ合い。」 
「仲間同士のいがみ合い。」 

抗争… 「派閥間の_。」「二大暴力 
団の抗争。」 

闘争… 「民族独立のを支援す 
る。」「反原発 M ¥。」 


C どう使ぃ 分けるか ) 

争いは、喧嘩と同義にも用いる 
が、「法延での一」のょうに公の 
場所で黒白を決しょうとする場 
合にも使う。 

いさかい.いがみ合いは、古風な 

言い方で、大きな組織.団体でな 
く私的な関係で使うが、後者は 
肉親や仲間など近しい間柄に多く 
使われる。 


抗争•闘争は、他語に比べてかた 
い文章語であるが、後者は「賃上 
げ一」のように組合運動や社会運 
動などで、要求を通すために闘う 
場合によく使われる。 


表す あらわす 

,表す\現1す/頭 r す/示— 
机す/表$ょする\表出5?| 
する\表現1 r する\表記 

する\標記 st > ょぅする I 

{^ぃ分け例) 

表す… 「都会の印象を音楽で_。」 
「喜びを顔に^ R 。」 「名は体を刻 
す。」 r 温度の変化をグラフで」 


現す… 「姿を 1 ^す。」「頭角を現す:」 
「本性を^^。」「効果を^ p - 」 

顕す… 「善行を世に 
示す… 「証明書を示す。」「手本を示 
す。」「道を_。」「難色を3。」 
「上昇傾向を 

表する… 「敬意を表する。」「哀悼の 
意を表する。」 

表出する… 「心の不安を表出する。」 
表現する… 「喜びを全身で 
る。」「作者の気持ちを簡潔に劃 
する。」 

表記する… 「平がなで表記する 。」 S 

記された金額。」 _ 

標記する… 「J Is マークを標記す 
る。」「題目を標記する。」 


(ど-つ使い分けるか) 

表すは、 思想や感情を文章.絵 



有り難い 26 


画•音楽•表情などにして表に出 
す、 また 物事の内容を具体的な 
形にして示す、の意。 現す は、 
隠れていて見えなかったものを外 
から見える ように 表面に出すの意 
で使う。原則として、後者は具 
体的な形のある物、前者は抽象 
的な事柄について用いる。 

顕すは、 はっきりと世間(人々)に 
知らせるの意。 

示す は、相手に分かるように何 
かを見せたり、指さしたりして教 
える、感情や意志を言葉•表情. 
態度などに表して相手に分からせ 
る、などの意で、〈表す〉よりも相 
手に知らせる、分からせる という 
意図が強い。 

表する は、言葉や形にあらわす 
ことで、儀礼的な文な どに多く 使 
う文章語。 


表出す るは、精神内部のものを 
言葉や表情•身ぶりで外に表す 
意。 

表現す るは、表情や身ぶりだけ 
でなく、言語•音楽•絵画などの 
形で表し、伝達しよぅとする、の 
意。 

表記するは、 言葉を文字や記号 
で書き表す意で、物の表面に書き 
記すの意もある。 

標記するは、 目印として付ける、 
また標題として文書の初めに書き 
記す、の意である。 


有り難い ありがたい 

I 有り難い\忝辟ない \勿体, 
ない/恐(長) <*■ れ多助ぃ 


C 使い分け例し 

有り難い… 「そぅしていただくと 
M 3。」「有り難い法話を聞く。」 r*l 

りがとぅございます〇」 
かたじけない… r 御配慮まことに ^I 
たじけなく存じます。」「かたじけな 
1。拝借いたす。」 

もつたいない… 「捨てるのはまだもつ 
たいない。」「もつたい*^:お言葉を賜 
る。」 

恐(畏)れ多い… 「恐れ多くて頭が上 
がらない。」「そんな恐れ多い ことは 
申し上げられない。」 


(ど 51 使い分けるか) 

感情の表現としては 有り難い が 
普通の言い方で、尊くもったいな 
いの意味でも 使ぅ。 

かたじけないは、 〈有り難い〉の 



27 合わせる 


意の古風な言葉で、手紙文など 
に用いる。 

もったいな いは、身に過ぎて〈有 
り難い〉、の意だが、今では、惜 
しいの意に使ぅ方が多い。 
恐れ多い は、もったいなくて恐縮 
だの意。元は、高貴な人の前で 
恐縮だ、の意で、普通の会話用 
語ではない。 


合わせる あわせる 

1合わせる\併 to * せる\ムロ併— 
ぱする\併合^する/合 
同^する\合体^する\ 
統合^する 


( 使い分け例 ) 

合わせる… 「手を合わせて拝む。」「力 
を合わ:^。」「話を合わせる。」「時 
計を合わせる。」「答えを <5 口わせる。」 
併せる… 「隣国を併せる。」「一一つの会 
社を併せる。」「両者を併せて考え 
る。」「併せて御健康を祈ります。」 
合併する… 「三町村が合併する。」 
併合する… 「辺地の学校を併合す 
る。」「隣国を併合する。」 

合同する… 「組織を合同する。」 
合体する… 「機械の二つの部分が刽 
体する。」 

統合する… 「部局を統合する 。」「 A 
公団と B 公団が統合する。」 


(どう使い分けるかし 
合わせるは、二つ以上の ものを 


一つにする、調和のとれたものに 
する、基準になるものと一致させ 
る、照合する、調合する、合奏 
するなどいろいろな意味がぁるが、 
併せる は、他のものを付け加ぇ 
て一緒にするの意にのみ用い、 
「併せて…」といぅ場合はそれと同 
時にの意の接続詞的な用法。 
合併す ると 併合するは、 どちら 
も二つ以上の組織体を合わせて一 
つにする、また一つになるの意で 
ぁるが、強いて区別すれば 、 「A 
村と B 村が—」の場合は前者を、 
「 C 市が A 村を—」の場合は後者 
を使ぅ。つまり前者は自動詞とし 
て、後者は他動詞として使われ 
ることが多い。 

合同するは、独立している二つ 
以上の団体や組織を一つにす 
る、また一つになる、08息、合体す 



' I 荒てる • 安全28 


併合併合 
合併■わ 
すす#せ 
るるるる 


〇△〇〇 

国大 
t 国 

1が 
隣 

1 〇 •' 

等三 
午社 

丨が 
対 

11 1 〇 

を両 
丨手 

1 ■ 〇〇 

箱本 
代体 
を倫 
丨格 
に 


狼まろ慌 


f 二た て 
すつ 之 
るくるる 


0000 

来不 
事意 
にの 
丨出 

〇 ' ' 〇 

が締 
迫め 
0切 

1 0 

〇 ■ OA 

ば悪 

n 

〇〇〇1 

ら道 

ずが 

丨分 

か 


るは、二つ以上の物事を一つに合 
わせる、 また 一体と なる、 の意 
で、この両語は自動詞として用い 
る方が多く、その場合前者ではそ 
れそれが独立性を保ったまま協同 
する— 

統合するは、二つ以上のものを 


まとめて一つにするの意。 


慌てる あわてる 

I 慌てる V つろたえる/まご 
,つく \狼狽3 v > d する 


〇使い分け例 ) 

慌てる… 「遅刻しそうになり慌て 

d 。 」「財布を忘れて慌てる。」_ 

一つろたえる… 「旧悪がばれて うろた 
^^。」「株が暴落して うろたぇる。 」 
まごつく… 「突然英語で名前を聞か 
れまごつく。」「道が分からずまごつ 
<1。」 

狼狽する… 「味方敗北の報に、全員 
狼狽する。」「突然の出来事に^ 
する。」®周章狼狽する。 


Qu ラ使い分けるか) 

慌てる と 一つろたえる は似ている 
が、前者は、するべきことは一応 
分かつているけれども焦って落ち着 
きを失つている場合、後者は、ど 
うすべきか分からず焦り困惑して 
いる場合に使う。 


まごつく は、どうすべきか分から 
ない点で〈うろたえる〉に近いが、 
焦りせく気持ちが〈うろたえる〉よ 
り軽ぃ0 

狼狽す るは、〈慌てる〉〈うろた 
える〉に相当する漢語的表現で、 
かたい言い方だが意味は広い。 


安全 あんぜん 

,安全\安泰^/ 安穏 fiv 
,平安^/平穏ね 




29 言い訳 


( 使い分け例 ) 

安牟: 「身の j を図る。」「作業の SI 
全を期す。」 ㊣ 危険。 

安泰… 「横綱の地位は当分 
「わが社の® I を祈る。」 

安穏…老後。」「5^心。」 
平安: •「精神の園を保つ。」「世の中 
がいつまでも平安で あるよう に。」 
平穏… 「日々平穏に過ごしている L _° 
「世界はこのところ平穏だ。」 


G どう使い分けるか W 

安全•安泰.安穏は、 全体につい 
てでなく、ある個人や集団、ある 
場などについて言ぅことが多いのに 
対し、 平安•平穏は 世の中•世界 
の全体についてもよく使う。 

〈安泰〉は、〈安全 X 安穏〉に比べ 
ると、ただ並〗事なだけでなく、特 


権的な、あるいは有利な地位など 
について言ぅことが多い。 

〈安穏 X 平穏〉は <安全 X 安泰〉ょ 
り消極的•受動的な感じがある。 
〈安穏 X 平安〉は心の状態について 
も言ぅ0 


a 


言い訳 ぃぃわけ 

,言い訳\言ぃい逃*!®れ\申 . f 

し訳,弁解| 1 >弁明^ 


P 使い分け例 ) 

言い訳… r これでができる。」 
がましい〇」 

言い逃れ… 「どうあがいても、 IS 5 M 
nl はできない。」「見苦しく言い逃れ 
をしようとする〇」 

申し訳…「申し訳のないことを致し 
まして。」「一::が立つ〇」 

弁解… 「失敗の顏をする。」「子に代 
わって¢$3ます。」 

弁明… 「君の割を聞こう。」「彼のた 
めに弁明する。」⑱釈明。 


q ど- i い分けるか ) 

言い訳は、自分の過失や、失敗 
に正当な理由が ある ことを主張す 
ること。 若干利己的 (または 卑 
劣) といぅ ニュアンスが 含まれ、 言 





言う 30 


い逃れでは、一層このニュアンス 
が強く、申し訳にはこれがない。 
〈言い逃れ〉は、自分の罪や責任 
を何としても回避しようとして、 
あれこれ言うことだが、〈申し訳〉 
は自分の非を認めた上で、正当 
な理由があればそれを説明して了 
解を得ようとすることである。 
弁解は、〈言い訳〉が自分のために 
するものであるのに対して、他人 
のためにするものをも言う。 

弁明は、〈弁解〉とほとんど同意 
義だが、〈弁解〉の方がやや〈言い 
逃れ〉や〈言い訳〉に近いものがぁ 
り、〈弁明〉は正々堂々としてい 
る0 

〔注意〕〈釈明〉には、〈弁明〉と同じ 
意味のほかに、解釈して明らかにする 
こと、の意味がある。 


言ぅ いぅ 

一一一日ぅ\喋^る\話|す/語妙, 
る\述のべる VE -¥\ 仰^' 
る 


(使 : s 分け例 J 

言う… 「意見を15^。」「氏が演説で W 
1たこと。」「あれつとた。」「松と 
木。」「手紙で!6^てやる。」 
しやべる… 「とりとめもないことを bl 
やべ"^。」「しやべりちらす。」 

話す…「見たことを_。」「私の考え 
を話します。」— 

語る… 「昔を_。」「真相を®。」 
述べる… 「事件の経過を 


申す… 「ただ今申した通り…。」 
おつしやる… 「先生が於っしやった。」 


(ど 1 Q 1 使い分けるか ) 

言う は、基本的には思つたことを 
言葉で表現する意で、広く使わ 
れている。口で言ぅのが普通だが、 
時には書き言葉についても使ぅ。 
しやべる.話す は、書き言葉につ 
いては使わず、また、一語や二語 
の短い場合には使わない。前者は 
とりとめ もない内容で口数多い感 
じであり、後者はある程度 まとま 
つた内容である。また i 刖者はやや 
俗語的である。 

語る は、〈話す〉 ょり 文章語的で、 
内容的にも〈話す〉 ことょり 改まつ 
た、 まとまりのあることに 限られ 
ることが 多い。また自分の行為に 



31 家 • 意外 


述語話言 
ベ 

るるすラ 


〇〇〇1 

を真 
丨相 

1 '' 〇 

れ 

〇 

△ I 〇〇 

を私 
聞が 
け丨 
の 

1 〇 • 1 

節な 

をに 

丨わ 


は使わない。 

述べる は、〈話す〉のやや改まった 
言い方。〈語る〉ほど改まつた感じ 
ではなく、自分が述べる場合も使 
う。また、口で言うのでなく文章 
で表す場合にも使う。 


申す は、〈言ぅ〉の謙譲語。 

おつしやる は、〈言ぅ〉の尊敬語。 


家ぃぇ 

,家 v っち/家屋 r \ 住宅, 
_^ぅ\住居益ぅ\住すまい 


{^い分け例〕 

家… 「¥が建ち並ぶ。」 丨 
うち… 「ゲちを建てる。」「ぅちへいらつ 
しゃい。 Jr ^ sQ 学校。」 

家屋… 「土地•家屋に税がかかる。」 
住宅… 「小世帯用の_。」「公団 fil 
¥。」 

住居… 「_変更の届。」「_移転 
の通知。」 

住まい… 「ひとりずまいの寂しさ。」 
「よぅやく自分のすまいを持てた。」 


(ど一つ使い分けるか) 

家は、人が住む建物。家族や家 
系を意味することもある。 

一つち は、家とほぼ同義に用いら 
れるが、家の中を表したり、「 I の 
学校」のように自分の属するグル 


丨プを示すなど〈家〉よりも用法は 
広い。 

家屋は、 主として法律、行政等 
の公的場面で、財産として見る 
ときに使ぅ。 

住宅は、 住むための家、 住居は、 
ある人の住む家または所、の意 
で、ともに文章語的な言い方。 
住まいは、 本来、住む(住み続け 
る)ことの意(前の 例) で、転じて 
住む家の意(後の 例) になった。 


意外ぃがぃ 

I 意外\案 外^\予想外, 
ぬ r \ 思 s いがけず\思“い 
もよらず 






粋 32 


( 使い分け例) 

意外… 「意外に優しい人だった 。」 rsl 
外な事件ご 

案外:. 難しかつた。」 

ぅまい 1;:やないか。」 

予想外… の進展。」 

に健闘した。」®意想外。 

思いがけず: •「思いがけず人に出会 
ぅ。」「思いがけぬ出来事。」— 

思いもよらず… 「思いも ょらず 賞を 
頂く。」「思いも ょらぬ 幸運。」 


G ど-つ使い分けるか ) 

意外.案外とも、思つていた こと 
と実際とが非常に 違うさまを 表す 
が、〈案外〉が前からの予想に比べ 
て違いが あるときに使うことが 多 
いのに対して、〈意外〉は、予想も 


していなかつたようなときに使うこ 
とが多く、驚きの程度が 強い。 
予想外は、 〈意外〉より更に驚き 
が 強い 感じが ある。 また、〈予想 
外〉の方が、客観的にだれもが感 
じるような 場合によく 使われる。 
思いがけずは、 〈予想外〉に相当 
する 和語。 

思いもよらず は、〈思いがけず〉 
の、より文章語的な言い方。 


粋ぃき (OS 

,粋/小粋^/垢抜" I け/ シ, 

ツク\スマート 
C 使い分け!^ 

粋… 装う。」■造りの家。」 


「粋な話しぶり。」「粋なはからい。」 
㊣ 野暮。 

小粋… 身なり。」振る 
舞ぅ。」 

垢抜け… 「彼女も長い都会暮らしで 
あか抜けしてきた。」 

シック… r シックなアクセサリ^~~。」「ィ 
ンテリアが とても シックだ〇」 

スマ I 卜… 「彼は背が高くスマート 
だ。」「スマー^着こなし。」 


〇ど-つ使い分けるか ) 

すべてに共通した意味は、洗練さ 
れ格好いい様子。 

粋は、服飾•動作.行為•趣味な 
どについて人にも物にも広く使ぅ。 
小粋は、見た目の人の様子に限 
定される。また、どことなくちょ 
つと粋、といつた意味合いもある。 


33 生き返る•息巻く 


復蘇ま生 
活生穿吉 

"6 る亡) 


• 〇〇〇 

木 雨 
がで 
丨草 

I 〇〇 ■ 

憶遠 
がい 
丨記 

〇〇〇 ■ 

事古 
がい 
丨行 

〇 • > • 

を原 

1案 


〈粋〉は本来江戸、特に花柳界風 
の美意識を表す言葉なので、今で 
もそのニュアンスがある。 

垢抜けは、結局は〈粋〉と同じ意 
になるが、野暮でない•田舎くさ 
くないさま、の意味合いである。 
シックには都会風に、上品さと 
落ち着きの加わった感じがある。 
スマ—卜は〈シック〉ょり軽快で活 
動的な感じがある。体形がすらり 
としていることにも® う。 

〔注意〕〈垢抜け〉だけは「する」がつい 
て動詞となる。他は形容動詞語幹。 

生き返る いきかえる 

(〇復活) 

I 生き返る\蘇| ? |る/蘇生~ 
«する\復活棼する 


〇使い分け例 W 

生き返る… 「死者が生き返る。」「雨 

で草木が生き返る。」_ 

よみがえる… 「記憶がょみがぇる。」 
「死の海はよみがえった。」 

蘇生する… 「人工呼吸で MSP た。」 
復活する… 「昔の祭を復活する。」 
「キリストが復活する。」 


P どう使い分けるか〕 

生# J 返る•よみがえる ともに、 
生命を取り戻す、衰えていたもの 
が元気を出すという同じ意味の語 
だが、〈ょみがえる〉は忘れていた 
ものを思い出す意にも使う。ま 
た、〈よみがえる〉の方が文章語的 
である。 

蘇生するは、 〈よみがえる〉の漢 


語的表現だが、「記憶が一」 のょ 
ぅな比喩的な言い方はしにくい。 
復活する も、生き返る意だ/が、' 
キリストの 復活のほかは, 主:と L 
て、滅んでいた習慣•行事な^:が 
再び取り行われる意に使ぅ。 


— ■くいきまく (〇怒基 

,息巻く\いきり立たつ\当ぁ, 
たり 散 ちらす/ 怒鳴 * t * り 散 
ちらす 




生き物 34 


〇使い分け例 〕 

息巻く… 「ただではすまさんと息巻い 
た。」「おれを何だと思っていると ml 

巻いた。」 _ 

いきり立つ… 「いきり立つ彼を抑える 
のに苦労した。」 

当たり散らす… 「だれかれかまわず 
当たり散らす。」 

怒鳴り散らす… 「周りをねめ回して 
怒鳴り散らした。」 


(どう使い分けるか) 

息巻 < は、怒りのため、 また 相 
手を脅すため、激しく荒々しく相 
手に言い立てる意で、 い^り立 
つは、激しい怒りで興奮する意。 
前者は言い立てる動作に重点を置 
き、後者は当人の怒りの感情に 
重点を置く。 


当たり散らす は、快くない気持 
ちを、周囲の無関係の人達にぶつ 
けて発散させる意。 

怒鳴り散らす は、大声をあげて 
さんざんに周りの人達を怒る意。 
〈当たり散らす〉 もこれも、 周りの 
人に責任があるとは限らない。 


生き物 いきもの 

生き物\動物5|\畜生 

_5| < \獣|ナ$|ノ生物: 


f 使い分け例) 

生キ J 物… 「草木も生き物である。」 
「言葉はだ。」 

動物… 「野性の動物を保護する。」 


畜生…「人間は畜生の仲間ではな 
い。」「犬に劣るやつ。」 

獣…「鳥や獣。」「けだものの本性を現 
す。」「あの男はけだものだ。」 
生物…「火星には存在するか。」 


(どラ使い分けるか) 

生き物は、広義では生命あるもの 
一般を指すが、狭義では動物を 
指す。また後の例のように、活動 
し変化するものを比喻的に言う。 
動物は、植物と並ぶ生物の一一大 
区分の一つで、人.鳥.獣•虫.魚 
などの総称である。ただし人間を 
含まない場合もある。 

畜生は、人間を除いた〈動物〉の 
意。ただし、魚や虫には あまり 
言わない。卑しめて言う言葉で、 
人をののしる時にも使う。 




35 行く •意見 


した移動について言う。また、あ 
る状態に向かう意でも使う。文 
章語。 

出向く は、目的をもってある所へ 
出掛ける 意。 あえて こちらからと 
いうニュアンスが含まれる。 
出掛ける は、行く先ょり、出 T - 
行く ことに 重点を置いた表現。 
「散歩に一」は〈出向く〉でなく〈出 
掛ける〉。 

参る は、〈行く〉〈来る〉の謙譲語。 
いらつしやる は、〈行く X 来る〉 
「居る」の尊敬語。 


獣は、動物の哺乳類のぅち、全 
身毛で覆われているもののこと。 
人道にもとる人間をののしって言 
ぅ比喩的用法もある■。(この場合 
は「ケダモノ」) 

生物は、〈生き物〉と同義の漢語だ 
が、比喩的表現はあまりせず、 
r 言葉は一だ」などと言わない。 


一 /^ * v ヽぃく.ゅく 

—行く\赴&*もく \ 出向 ttT > く/— 

出掛* >T* ける\参 1>* る/いらつ 
しやる 

( 使い分け 例— v _/ 

行く… 「三十分で」「うまく^^ 


た。」「パリへ行く。」 ㊣ 来る。丨 
赴く… 「大阪へ^7。」「快方に^7。」 
出向く… 「私の方から出向きます。」 
出掛ける… 「散歩に出掛ける。」 
参る… 「ただ今参 DI ます。」「昨日こち 
らに参りました。」 

いらつしやる… 「いつアメリカへ^^ 
しやいますか。」「ぅちにいらつしや 
い。」「ずつとここにいらつしやるので 
すか。」©おいでになる。 


(どう使い分けるか〕 

行く は、こちらからあちらへ移る 
といぅ意味で、移る目的があつて 
もなくても用いる。 また 物事が進 
行する、事が運ぶといぅ意味でも 
用いる。ィクよりユクの方がやや 
改まつた感じである。 

赴く は、目指すところのは つきり 


意見 いけん 

,意見 \見解1 v > 所信^\, 

_3んえ 



威厳 36 


( 使い分け例 j 

意見… 「自分の®を主張する。」「反 

対顏。」 

見解… 「屬の相違がある。」「政府の 
公式!^。」,®所見。 

所信… 「本会議で 1 II 信を表明する。」 
考え… 「へたな t 休むに似たり。」 


( どぅ使い分け るか j 

意見は、ある問題についての考え 
のこと。「—する」はその考えに従 
つて他人を戒める意味になる。 
見解も、ある問題についての考え 
のことだが、〈意見〉よりも公の問 
題についての公的に発表される考 
えなどに使われることが多い。や 
や堅苦しい言い方。 

所 ®は、公的な場で表明される、あ 


る問題についてのある人の確信ある 
〈考え〉を言う。かなりかたい文章語。 
考えは、前三語の意味をすべて 
含み広い意味で使われる日常語。 


威厳ぃげん 

,威厳\威光|"\権威|ん\| 
,威信威風 r I 

け例し 

威厳…「_に満ちた顔つき。」— 
威光… 「葵の絞の顏。」「親の威光で 
出世す る。」 

権威: •「幕府の震も地に落ちた。」 
「斯界?; 1 • の SM 。」 — 
威一 1 S …「国家の威信を高める。」「威信 


の低下。」— _ 

威風… 「威風あたりを払ぅ。」「威風 
堂々。」 


ハど-つ使い分ける£ 

威厳は、堂々として厳かな様子。 
相手に近寄りがたい印象を与える 
状態を言う。 

威光は、 多くの人が自然に敬い 
服すょうな威勢のこと。〈威厳〉が 
主として相手に直接的印象とし 
て与えられるものであるのに対し 
て、地位とか金力とかの勢いを言 
うことが多い。 

権威は、人々を従わせる力を言 
うが、暴力的な強制力でなく知 
的.道徳的などの精神的な力を言 
うことが多い。「斯界の—」のよう 
に、その分野で最高に権威のある 



37 勇ましい•意志 


権威威 
威光厳 


〇〇〇 

の王 
丨者 

〇 ' ■ 

わ丨 
れを 
る疑 

1 ■〇 

ち1 
たに 

齒満 

〇〇 • 

に親 
着の 
る1 
を 
笠 


威信は、 権威に伴ぅ信頼感の意。 
〈権威〉あっての〈威信〉である。 
威風は、 威勢.権威のある様子の 
こと。威厳がみなぎつて周囲にな 
んらかの作用を及ぽすような場合 
に使うことが多い。 


人、 オーソリ テイ ー の意もある。 


勇ましい いさましい 

I 勇ましい\勇敢|!5\勇壮, 

1!\勇猛!?/雄雄*-* • しい/ 

凜凜 S しい 


( 使い分け例 W 

勇ましい… 「勇ましく飛び立つ。」 r 顯 
ましいたすき姿。」「勇—ましい,行進 
曲。」 

勇敢… 「言論の自由のために勇敢に 
戦ぅ。」「勇敢な発言。」 

勇壮… 陣太鼓の響き。」 
勇猛… 戦士たち。」 
雄雄しい… 「雄々しく苦難と戦ぅ。」 
凜凜しい… 「凜凜しい若武者姿。」 


(どう使い分けるか) 

六語に共通に含まれる意味は、 
恐れず戦う、または戦おうとする 
さま。 

勇ましい が、最も基本的で、広 
く使われる。 

勇敢は、行動や心について使い、 


静止状態の姿の様子には使いにく 
i 〇 
V 

勇壮は、 男らしく強く盛ん、の 
意が加わる。 

勇猛は、たけだけしいの意が加わ 
り、やはり静止した姿の様子には 
やや使いにくい。 

雄雄しい は、男らしいの意が元の 
意味だが、一般的に勇ましく力 
強い意に使う。 

りりしい は、きりつと引き締まつ 
て勇ましいの意で、見た目の姿に 
言うことが多い。 


意志 ぃし 

1意志\意思^意向? vl \意, 

図志向^/指向 l u 



苛める 38 


f 使い分け例 」 

意志… 「劃の強い男。」「園薄弱。」 
意思… 「犯行の® w あり。」「意思表 
示。」 

意向… 「相手の意向を確かめる。」 
意図… 「君の劃が分からない。」「彼 
が意図した仕事である。」 

志向… 「福祉国家を¥向する。」 
指向… 性アンテナ。」 


(どう使い分けるか) 

章 ±心は、あることをしたい、成し 
遂げたいという積極的な心の働き 
を言う。 

意思は、〈意志〉とほぼ同義であ 
るが、特に積極的でなくても、何 
かをしたい、また、したくないと 
思う考えを、広く言う。法律用 


語としては〈意思〉を使う。 

意向は、何をどのようにするかの 
大体の考ぇ。〈意志〉は、あるか 
ないか強いか弱いかが問題になるこ 
とが多く、〈意向〉は、何をどう 
するか、が問題になることが多い。 
意図は、あることをしようと考 
えること。また、その目的や内 
容。〈意向〉より具体性を帯びる 
場合に使う語。 

志向は、 一定の目的目標に心が 
向くこと。〈意向〉より意志的で 
あり、 〈意志〉に比べ どちらを向く 
かに重点が置かれる。 

指向は、心に限らず一般に物事 
がある方向に向くことを言う。 


〔注意〕〈意図〉〈志向〉〈指向〉は、 
「する」がついて動詞となるが〈意志〉 
〈意思 X 意向〉はそぅならない。 


苛める ぃじめる 

1苛める\いびる\虐待ばく| 
_する/嬲仰る/苛* S ぃむ 

f 使い分け例 .) 

苛める… 「悪童が亀をいじめる。」 

いびる… 「嫁を^^。」 _ 

虐待する… 「動物を虐待する。」 
なぶる… 「監禁され^ I ぶられる。」 
さいなむ… 「自責の念にさいなまれ 
る。」 


( どぅ使い 分けるか し 

苛める は、弱いものを苦しめ痛め 
つける意で、広く使ぅ。 


39 異常 •いじる 


伴うものではない: I 非常に美し 
い」は強く褒めているのだが、一異 
葡美しい」では素直に褒めている 
のでなく何か変だという感じを含 
む。 

別状は、語義を書けば<異状>と 

同様になるが、使い方は例の よう 

な場合のほかはあまりないが、こ 

の場合に〈異状〉はあまり使わな 
i 〇 
V 

別条は、普通とは違った事柄の 
意。やはり使い道は極めて狭い。— 
〔注意〕新聞では〈別状〉も〈別条〉と 
書いている。 


いびるは、苛める行為がより陰 
険であり、また心理的な行為で、 
相手は普通人間である。 

虐待するは、〈苛める〉と同義の 
漢語的表現。相手は人間•動物を 
問わない。やや文章語的な言葉。 
なぶる は、弱い相手を面白がって 
苦しめいじめる意。〈いびる〉より 
更に悪質である。 

さいなむ は〈苛める〉と同義の文 
章語。ただし、例のよぅな慣用 
的言い回しの中で使われることが 
ほとんどである。 


異常 いじよう 

I 異常\異状 f 1 う/非常. 
1 g ょぅ\別状^ぅ\別条'^ぅ 


(使い分け!^ —1 

異常:•「物価が!^!高い。」「精神に 
異常をきたす。」 ㊣ 正常。 

異状…「診断の結果を認める。」 
「室内にが見られた。」 

非常…美しい。」 「 S の事態 
に持ち出す書類。」 

別状…「生命に製はない。」 

別条…「日々別条なく暮らしている。」 


(ど5使い分けるか」 

異常は、正常と異なる、の意で、 
〈異状〉ょり広く使われる。 

異状は、異常な状態の意。〈異 
常〉は名詞•形容動詞語幹として 
使い、〈異状〉は名詞のみである。 
非常は、通常でない意で、〈異 
常〉のょぅにマィナスの価値評価を 


いじる 

〔弄 uv > る/捻1 くる\弄||ぶ U 



意地悪 40 


f 使い分け例 ) 

いじる… 「鉛筆を^^。」「会則を叫 
g 。」 「楽器をいじる。」 ㉚ いじく 
る0 

ひねくる… 「ステッキをひねくる。」 
「俳句をひねくる。」 

もてあそぶ… 「小刀をもてあそぶ。」 
「人の気持ちをもてあそぶな。」「政 
治をもてあそぶ。」 


(ど151使い分けるか) 

いじる は、本来、用もないのに、 
手でなでたりひねったりする意だ 
が、趣味で何かものを扱ぅ意や、 
しっかりした方針もなく、物事に 
あれこれ手を加えるなどの意もあ 
る。後の二つには、わずかに軽侮 
の念が含まれる。 

ひねくる は、物について言うとき 


は、手に持ってあれこれ動かして 
みる意。ほかにいろいろ言葉や理 
屈を考え、さまざまに言い回して 
みる、などの意がある。 

もてあそぶ は、小さい物を対象と 
する場合は〈いじる〉〈ひねくる〉の 
意を含み手で持って遊ぶ意。なお、 
〈いじる〉は、自動車•庭などのよう 
なかなり大きな物についても言う 
が、〈ひねくる〉〈もてあそぶ〉は、手 
に持てる程度の小さい物を対象と 
する。〈もてあそぶ〉はほかに、自分 
の自由に慰みものにするという意 
味もある。この場合は抽象的な 
ものも対象となる。 


ち 

て 

あ 

そ 

ぶ 

ひ 

ね 

< 

る 

い 

じ 

る 


〇 

〇 

〇 

を玩 
丨具 

〇 

1 

〇 

丨火 
を 

1 

1 

〇 

丨車 
を 

〇 

〇 

1 

を言 
丨葉 

〇 

1 

1 

丨策 

を 


意地悪ぃじゎる 

E 地悪\邪険^\邪悪, 
,找\陰険11\刺刺結しい_ 

(使い分け例 j 

意地悪…「わざと人の嫌がることを 
言ぅ意地悪な男。」「意地悪な目。」 
邪険… 「人の頼みを^ MS 断る。」— 
邪悪… 「平気で人を殺すょぅな 、*I 
_性格。」「劃のはびこる世。」 
陰険… 「陰険なたくらみ。」 
刺刺しい… 「刺々しい目つき。」 


0■ど- i い分けるか) 

意地悪は、 人に対して悪意を持つ 





41 一段と 


ている様子を言い、性質や気持ち 
についても、行為についても使う。 
邪険は、〈意地悪〉と似ているが、 
気持ちだけでなく外に表れた行 
動、特に相手の働きかけに対する 
反応の仕方などについて言う。 
邪悪は、〈邪険〉が普通、特定の 
相手に対する具体的な行為につい 
て使うのに対して、性質がねじけ 
て悪い さまを 言い、 ょり 抽象的。 
陰険は、表面に出さず陰で人に 
対し悪意を持った行為をする、 ま 
たはし ようとす る さまを言う。 
〈意地悪〉〈邪険〉より根が深く、 
たちが悪い感じがある。 


陰 

険 

邪 

悪 

邪 

険 


0 

〇 

〇 

ろ丨 

ちな 

し 

1 

1 

〇 

つ1 

返に 
す突 

〇 

〇 

1 

罪丨 

な 

犯 

1 

〇 

1 

走丨 

るの 

道 

に 


刺刺しいは、悪意が言葉や素振 


りに表れ、相手に とつてはチクチ 
クと痛いようなものであるさまを 
言う。 


一段と いちだんと 

I 一段と\一際^/ 一入, 
_妓\一層訖 

(使い分け例〕 

一段と…寒さが厳しい。」「ほ 
かの諸国に比べ一段と豊かだ。」「弟 
は兄より一段と大きい。」 

I 際…「ひときわ目立つ服装。」「皆の 
中でひときわきれいだつた〇」 
ひとしお…「ひとしおうれしさが増 
す。」「嘆きもひとしおであった〇」 

I 層…「結婚後 TS 美しくなつた。」 


「一層努力する。」 


ハど-1い分けるか') 

いずれも、ぁるものの状態が、他 
のものや他の時点の状態に比べて 
かなりはつきりした差のあるさま 
を言う語。 

一段とは、他の語に比べ語感が 
強く差が大きい感じがする。二つ 
のうちの一方についても、多くの 
中の一つについても 使われる。 
ひときわは、二つのものや場合 
の比較ではなく、多くのものと比 
ベ、一つだけ 百 立つ ょうなとき使 
う。客観的な状態について言う。 
ひとしおは、主観的な心情など 
について言う ことが 多い。 「彼は一 
体が大きい」は 〈ひとしお〉 ではな 
く〈ひときわ〉、 「喜びが—身に し 



一生•一生懸命 42 


終生一 
生涯生 


〇〇〇 

な丨 
い忘 
れ 

• 〇〇 

な幸 
丨福 

_ 1〇 

丨鮭 
の 

〇_ _ 

舎引 
で退 
暮後 
らは 
し丨 
た田 


(どう使い分けるか) 

|生は生まれてから死ぬまでの間 
を言い生物全般に用いる。 

生涯は〈一生〉と同義であるが、 
主として人間に用いる。 

一代は 〈一生〉の意味もあるが、 
別に一人の君主の在位期間やあ 
る人物が主人としてその地位にあ 
る期間などの意味もある。 

終生は、 現在では〈一生 X 生涯〉 
と少し異なり、生涯のある時点 
から終わりまでの意で、ほとんど 
副詞的に使われる。文章語。 


期は、〈一生〉〈生涯〉と同義だ 


が、かなりかたい文章語。_一 

〔注意〕<1期^〉は「一期れっ」とは別 
語0 


一生懸命 いっしょぅけんめい 

J 生懸命/懸命ば/必死— 
il : 一心^\夢中 r っ 

〇 使い分け例 j 

I 生懸命… 「一生懸命駆ける 。」 「T 
生懸命 cl なる。」 

懸命… 「長い間働いた。」「額 
の努力。」 

必死… 釈明して許された。」 
「_の覚悟。」 

I 心… 二心に祈る。」 

夢中… 逃げた。」 


みる」などは〈ひとしお〉がよい。 

I 層は、前後の比較や二つの比 
較の場合に使い、「皆と比べ一美 
しい」などとは言えない。 


一生ぃっしょぅ 

11生/生涯9一代5 
終生机 f ぅ\一期; •!/> ち 

(使い 分け例 1 〇 

I 生… 「松五郎の d 。」 「稲の -I 
妇。」「ご恩は_忘れません。」 
生涯… 「波乱の生涯を終える。」「生 
國教育。」 

I 代… 「 S 記。」二世 s 。」 
終生… 「終生忘れ得ぬ出来事。」 

I 期…「これが TW の別れとなる。」 




43 一方 • いつも 


他片一 
方方方 


〇 ■ 〇 

丨乱 

kf . 

はた 
いが 
い 、 

_〇_ 

を靴 
ぬの 
ぐ1 

_ 〇〇 

が丨 
痛の 
い 手 

_ 1〇 

す税 

丨金 

だが 

増 


意識的に努力するのに対し、無 
意識的である。 


一方ぃっぽぅ 

〔一方\片方玆\他方 r !__) 

〔,—使 い分け例 W 

一方… rn ^ はがけ、他の三方は森 
だ。」「一^ I のグループにだけ肩入れ 
する。」「金は減る71^だ。」「ょく仕 
事する一友、よく遊ぶ。」 

片方…「道の^^ばかり人が歩く。」 
他方…「にぎやかな人だが、^^さ 
みしがりやの面もある。」 


q どう使い分けるか ) 

I 方は、一つの方向や方面、ま 


たは、二つあるもののうちの一つ 
の意。用言につく場合は、一つの 
方面にだけ片寄つていること、ま 
た、〜しつつ他方で、の意になる。 
片方は、二つあるもののうちの一 
つの意。〈一方〉の例の後ろの二つ 
のょうな使い方はない。 

他方は、一つの事柄に対比的に 
他の事柄を並列 するとき使う。 


いつも 

1何時 - pvi も\ 常如に\始 終, 
ub ?\ 終始^ぅ\普段3ん 


( どう使い分け るか W 

I 生懸命は、元は「一所雙叩」で、 

一所を命がけで守ろうとすること 
だが、今では「熱心に」の意で、遊 
びに類するようなことにでも言 
ぅ。懸命も同義だが、〈一生懸 
命〉のよぅに「に」をつけないで副詞 
的に使うことはない。 

必死は、死を覚悟するほど全力 
を尽くして何かを しようと する様 
子で、〈一生懸命〉より切迫した 
感じがある。 

I 心は、一つの事に心を集中す 
ること。〈一生懸命〉〈必死〉に比 
ベ、より具体的な事柄に ついて 持 
続して打ち込む様子に言う。 
夢中は、何かに心を奪われ我を 
忘れる様子で、他の語がいずれも 



移転 44 


f 使い分け例} 

いつも…健康だ。」失敗 
している。」 

常に…「三角形の内角の和は^ I 二 
直角である。」 「 SS 彼は正しい。」— 
始終… 「 SW もめごとが起きる。」「阚 
»|腹が すく。」©しょっちゅぅ。 
終始…「見合いの間、圏うつむいて 
いた。」一貫。」 

普段…「普段食べたことのない料理。」 
⑱日常。平素。平生。 


f どう使い分けるか ) 

いつもは、どんな時も、の意。 
同じ状態が連続する場合にも、 
同様の事柄が頻繁に起こる場合に 
も使う。 

常には、どんな時も、の意のほか、 


「時」の視点なしに、どんな場合に 
も、の意でも用いる。〈いつも〉よ 
りやや文章語的である。 

始終は、同じ動作や事柄が断続 
して 頻繁に 起きるさまを 言ぅ。 
〈いつも〉のよぅにある状態が連続 
している 場合には使わない。 
終始は、ある期間の始めから終 
わりまで いつも、の意。 

普段は、変化のない状態が続いて 
いる場合に用いる。同義語の〈平 
素〉〈平生〉はかたい文章語。 


移転 ぃてん 

,移転/移住ぐ.ン転居!1\| 
引ひつ越,」し\移動£,ン異 

どう 


( 使い分け例 ') 

移転…「市役所が^!^た。」「住居 

顔。」 

移住…「カナダヘ^^たい。」「*団 
の S 。」 

転居…「海の近くへ転居す る。」 
引っ越し…「田舎へ引っ越しする。」 
移動…「午後は理科室へ移動する。」 

「民族劃。」「高気圧の圍。」「視 
線の劃。」 

異動…「連絡先の一^を生じる。」 
「人事異動。」 


ハど|つ使い分けるか) 

移転は、役所.会社•個人の住居 
などの場所が変わること。動物や 
自然現象には用いない。人間につ 
いて「私(彼)が一する」と言ぅのは、 




45 居眠り 


他の四語はょいが〈移転〉は不適当 
である。 

移住は、 人が永住の目的で住所 
を移ることであるが、主として海 
外へ移り住むことを言ぅ。 

転居 も人が住所を移すことであ 
るが、〈移住〉と異なり、短期間 
移る場合も言い、大規模な集団 
の場合には言わない。 

引っ越しは〈転居〉の意味で日常 
会話に用いる。 

移動は、 一般的に位置を変える 
ことで、人.動物.自然現象.抽象 
的なものなど広い範囲で用いる。 
異動は、 ある人の地位•勤務.住 

所などが変わること。_ 

〔注意〕 「異同」は、〈異動〉とは全く 
意味が異なり、複数のものの間に相 
違があること。〈異動〉「異同」に「す 
る」がついて動詞になることはない。 


居眠り いねむり(〇眠る) 

,居眠り/転寝 S たた/仮寝— 

仮眠 r \ 仮睡' r *> ぃ , 

c 使ぃ分け例 ) 

居眠り… 「いすにかけたまま居眠りを 
する。」「授業中に居眠りをする。」 
うたた寝… 「だらしなく茶の間の畳 
の上でぅたた寝をしている。」 
仮寝… 「事務所で二、三時間® w を 
する。」「仮寝の旅を続ける。」 
仮眠… 「深夜勤務の前にを取 
る。」 

仮睡… 「汽車の中で@の一夜を明 
かす。」「考えているぅち仮睡してし 
まぅ。」 


(どう使い分けるか) 

居眠りは、何かをしている途中 
で寝るつもりはなくついそのまま、 
(横にならずに)眠ること。 

5 たた寝 も、特に寝るつもりは 
なしに眠ることだが、横にはなる 
場合を言う。 

仮寝は、少しの間、ちやんとし 
た寝支度をせずに眠ること、また 
旅先で眠ること、の意。前の意で 
は〈仮眠〉と同じ。 

仮眠は、忙しい時などに、短時 
間、寝支度はしてもしなくても眠 
る ことで、普通眠る意志が ある 場 
合に言う。 

仮睡は、〈居眠り〉〈うたた寝〉の 
意の漢語で、かたい文章語。 



今 • 意味46 


今いま 

1今\現在訖\目下1\現~ 
,今£^\た2*7> 

( 使い 分け例 j ) 

今…「^1電話中だ。」「令はハィテクの 
世の中だ。」 RF 帰った。」 「 q 行く 
ょ。」 

現在… 「 w ¥ の日本。」「_地をお 
知らせください。」「_進行中。」 
目下…「目下の急務。」「目下検討 
中 。」I 

現今…「_の政治状況。」 
ただ今;「^7^のぉ話、楽しく拝 
聴いたしました。」「ただ今参りま 
す。」 


( ど-つ使い 分けるか ノ 

今は、過去と未来の境の時間を 
言う。その幅は最初の例の ような 
短時間の場合も次の例の ように 長 
い場合もある。 また 第三、第四の 
例の ように 直前の過去 や 直後の未 
来を言う場合もある。 

現在は、〈今〉と大体同義の漢語 
だが、直前の過去や直後の未来 
の意味はない。 

目下は、さしあたって今の意。 
〈今 X 現在〉は、かなり長い時間 
も表すが、〈目下〉は短い時間に限 
る。また、〈現在〉よりかたい文章 
語である。 

現今は、逆にかなり長い時間の 
場合に使う。〈目下〉より更にか 
たい文章語。 


ただ今は、〈今〉 とほ ぼ同義だが、 
長い時間を指す ことはない。 ま 
た、〈今〉に比べやや文章語的、か 
つ丁寧な言い方である。 


意味 ぃみ 

〔意味/意義4\訳 tfto 1__| 

ハ使い分け例ソ 

意味… 「語句の_を調べる。」「彼に 
は意味のないことに思えた。」「急い 

だ園が分かった。」 

意義…「劃 ある生活をせょ。」-—1同じ 
意義を持つ語。」— 

訳… 「この文章は到が分からない。」 
「それには深い 1RI がある。」 riRI の分か 
らない困った人。」 「 i ? l はない仕事。」 


47 居る 


訳意意 
義味 


〇〇〇 

明丨 
すを 
る説 

I 〇〇 

n 

1 • 〇 

章明 

〇 ■ ■ 

いな 

< 

I 〇〇 

を語 
書の 
< 1 

〇_ 1 

た遅 
丨刻 


居る いる 

1 ; M る/居おる/いらつしやる U 


使い分け例 


居る:.「公園に子供が三人いん。」「ま 
だ泣いて^^。」「わたしは昨日は学 
校に VM ました。」 

おる… 「いつも家におります。」「わし 
はここにおる。」 

いらつしやる… 「午前中は事務所に ㈣ 
らつしやいますか。1「来月三日にアメ 
リカへいらつしやるそうです。」「こつち 


へいらつしやい。」©おいでになる: 


C どう 使い分けるか j 

居る は、人や動物がある時間同 
じ場所に存在する意。また動作 
作用状態が連続していることを示 
す補助動詞としても用いる。 

おる は、〈居る〉のやや古風な言 
い方。「ます」をつけない場合、 
〈居る〉よりやや尊大な感じがあ 
り、「おります」は「います」に比べ 
丁寧な感じがある。 

いらつしやる は、〈居る〉〈おる〉の 
尊敬語として用いられ、また「行 
く」「来る」の尊敬語としても用い 
られる。〈おいでになる〉は同義だ 
が、やや改まった感じが増す。 
〔注意〕 〈おいでになる〉は連語。 


「それじゃあ悲しい訳だ。」 


(ど 51 使い分けるか) 

意味は、言葉や表現の表す内容 
を 言う。 また 価値•理由.動機な 
どを〗思味することもある。 

意義は、主として事柄の価値を言 
う。物の価値について r この宝石の 
—」 などと 言う ことは ない。 また 
〈意味〉のょうに理由•動機を意味 
する ことは なく、言葉の表す内容、 
の意では単語の場合に限られる。 
訳は、〈意味〉と同じく、表現や 
事柄の表している内容.理由や動 
機の意に用いられるが、ほかにも 
用法が広く、物事の道理、難し 
い事情 (こと)、 「〜のはず」などの 
意味でも使われる。 





色色•陰気 48 


色色 いろいろ 

I 色色\種種&\様様|1\, 
I 多様 f ; I 

〇使い分け例 U 

色色… 「^¥道具。」「^^遊び。」 
「人の生き方にも®^ある。」「3 
試してみる。」「虫の割。」 

種種… 「_の薬草。」「花の_。」 

「種々あります。」「寶雑多。」 

„」 

様様…「一^意見。」「^1工夫す 
る。」「ものの考え方は人によって 
様々 fJ ある〇」 

多様… 「多様な文化。」性。」 
㊣ 一康。 


(ど I つ使い分けるか) 

色色は、 種類がたくさん入り混 
じっているさま。比較的近い性質 
のものが多数ある場合にも使ぅ。 
種種は、 〈色色〉と同義の漢語で 
文章語である。 

様様は、〈色色〉に比べると、中 
に含まれるものの間の違いを強調 
する感じがやや強い。また、〈色 
色〉ょりやや文章語的である。 
多様は、〈様様〉と同義の漢語で、 
ょりかたい文章語。〈種種〉は副 
詞的にも使われるが、〈多様〉は 
その場合〈多様に〉となる。「多様 
の」とは今はあまり言わず、一 
方、「種々性」と言うこともできな 


陰気 いんき 

,陰気\憂鬱|?\陰鬱訖\, 
沈鬱?!\鬱鬱|4\鬱陶|| 



(使い分け例) 


陰気: •「陰気な冬の日本海側の気 
候。」「自殺者の記事を読み_に 
なる。」®陽気。 

憂鬱… 「毎日雨で」 「1 W を 
吹きと ばす。」 「何となく HP ? 」 

陰鬱… 「雲の垂れ込めた陰鬱な風 
景。」「暗い話を聞き、陰鬱にな 
る。」 

沈鬱… 「悲報に接し、一同面 
持ちになる。」 



49 浮き浮きする 


陰憂陰 
鬱鬱 気 


〇〇〇 

m 1 

欉な 

空 

〇〇 - 

持丨 

ちな 

気 

• •〇 

1性 
だ格 
が 

〇 ■ 〇 

庭1 

m 

1 1 〇 

M < 

さ 

'〇' 

男丨 

性質 

の 


沈■は、重苦しい気分でふさぎこ 
むさまで、かたい文章語。単なる 
天気などに起因するのではなく、 
深い精神的原因がある場合に使 

-つ〇 

鬱鬱は、意味は〈憂鬱 X 陰鬱〉と 
ほぼ同じだが、「—と」「—たる」の 
形でしか使わない。「 I たる」は非 
常にかたい文章語である。 
鬱陶しいは、〈陰鬱〉とほぼ同義 
のくだけた日常語。天気が悪いと 
きなどに用いることが多い。また、 
うるさくて煩わしいという意もあ 
る。 



浮き浮きする«2 

浮き浮きする\ほくほく 
する/わくわくする\浮ぅ 
_かれる\浮ぅき立たつ 
C 使い 分け例 W ' 

浮き浮 $ する… 「デート前で®^® 
きしている。」 

ぼくほくする… 「競 M でもうけほく 


鬱鬱…「ぅつぅつとして気が晴れな 
い。」「うつうつたる心境。」森々。」 
鬱陶しい…「梅雨に入り毎日 ^^ J 

うしい。」「あいつは うつとう しいやつ 

だ。」 


(ど151使い分けるか) 

陰 JJ 3 a は、暗くじめじめしたさま。 
広く様々なものについて使うが、 
主に客観的な物事について言い、 
自分の心について言う場合もそれ 
を客観化して言う感じがある。そ 
れに対して、憂鬱は主体の心の 
あり方•状態がふさいで晴れ晴れ 
しないさま。 

陰鬱は、意味は前二語の中間と 
いう感じだが、二語よりかたい文 
章語。 





動き 50 


ほくしている。」 

わくわ< する…「期待で胸がわくわ 
くする。」「わくわくする冒険映画。」 
浮かれる…「花見で®いる。」 
「いつまでも浮かれ,ているなよ。」 

浮キ」立つ…「浮き立つ心を抑える。」 
「世の中が浮き立ち誰も落ち着かな 

い。」 


(どう使い分けるか) 

浮$浮キ j するは、楽しさぅれし 
さのために心がはずんで落ち着か 
ない意。期待感も含まれる。 
ほくほくするは何か良い物を得 
て喜んでいる意。「期待で—」とは 
言わない。 

わくわくするも期待感のある場 
合によく使うが、〈浮き浮きする〉 
より緊張した感じ、または躍動す 


る感じがある。スリルのある楽し 
さの期待を表す場合もある。 
浮かれるは、〈浮き浮きする〉に 
ほぼ同じだが、時に非難の意が込 
められる点が異なる。 

浮き立つは、〈浮き浮きする〉と 
同義のほかに、その場•世の中な 
どの全体の雰囲気が落ち着かず騒 
がしい、の意がある。 


動き ぅごき (〇動作) 

動き/蠢動^>胎動^\ 

,動向 II , 

( 使い分け 

動$…「機敏な一^。」「内閣改造の 


動き。」「人事で大きな動きは見ら 
れない。」 

蠢動…「欲望の劃。」「利権屋の *1 
iil 。」® ぅごめき。 

胎動…「改革の觀が見られる。」 
動向…「世界経済の一^に注目す 
る。」 


〇ど-つ使い分けるか ) 

動キ j は、動くこと。例の最初は 
運動.動作、次は変化.動揺、最 
後は位置の変動の意味で使われて 
いる。 

蠢動は、うごめく ことの 意。虫 
が動くょうに、絶えず少しずつ動 
く場合に使う。 

胎動は、母胎内の子が動くこと 
から、内部から少しずつ表面に現 
れ ようとする 動きに 用いる。 


51 噓 


動向は個人や集団の心の動く方 
向で、その時の人々の考えの傾き 
かげんを表す。 


嘘ぅそ 

I 嘘/ほら\偽 I っり/ 空言— 
(空事)11\虚偽^1\虚言 

_ lfsv ? n \ でたらめ I 

( 使い分け例0 

嘘…「_をついて責任を逃れる。」「_ 
字を書く。」「楽しいと言えば«|にな 
る。」「噓をつけ n :」 「ここで王手をか 
けるのは" II だ 。I 
ほら… 「彼は3ばかり吹く。」 
偽り…「偽 M の証言で人を陥れる。」 


「偽りの愛。」「ぅそ偽り。」 

空言(空事)… 「絵囊は通じない。」 
虚偽… 「觀の証言。」「菌の申告。」 

虚言… 「@11癖*~のある人。」 
でたらめ… 「でたらめを言うな 。」 「-CI 
たらめな男。」 


P ど-つ使い分けるか) 

嘘は、本当でないことを相手が信 
ずるように言う言葉。また、誤つ 
て本当(適当)でないことを言う 
(する)こと。 

ほらは、実際よりもおおげさに 
言うこと。〈噓〉は全く事実でない 
場合もあるが、〈ほら〉は幾分かは 
事実である。〈噓〉つきよりも〈ほ 
ら〉吹きの方が陰湿でない。 

偽りは、事実と食い違うことをわ 
ざと言うこと。〈噓〉はわざとでな 


い場合もあるが、これは意識的- r ' 
ある。〈噓〉と結びつけて強める時 

にも使う。やや文臺 g 的。 

空言は、 現実とかけ離れた空想 
的内容の事柄、また、うそ偽り。 
古い言葉で最近はあまり使わな 
い。「絵空事」は美化された、 
あるいは誇大なことでよ&う。 
虚偽は、「うそ赞」の意の漢語。 

真実でないことを誤つて、または 
故意に真実だとすること。文章 
語。 

虚言は、 他人を欺くための〈噓〉 
の意の漢語で、かたい文章語。 
でたらめは、 いいかげんで、勝手 
気まま、事実に合わない ことや、 
首尾一貫し ない ことを出 まかせに 
言つたりす ること。 人間の性格を 
言い表す こと も ある。 


打つ•うっかり 52 


はぶ殴叩打 
た 

くつる <つ 


00000 

1手 
で 

'AO A A 

?! 

1 1 1 〇 ' 

口憎 
をま 
丨れ 

O ' 11 ' 

をあ 

1 〇 
基 

1 1 1 1 〇 

ぎ柱 
をに 
| < 

1 〇 1 1 〇 

1演 
説 
を 


く。相撲の「はたき込み」は平手で行 
ぅ。〈たたく〉は平たい物を使わない 
でもよい。また、〈はたく〉はそれに 
よって何か(ほこり•お金など)を払 
いのける意が含まれることがある。 


うっかり 

うっかり/つぃ\思3わず\, 
無意識 f しきに/知しらず 
知しらず 


打つぅっ 

,打つ/叩 fcfc く/殴 <** る/打ぶ, 
,っ/叩 I く , 

r 使い分け例 〕 

打つ… 「転んで頭を司。」「手を旬 

て喜ぶ。」「球を^^。」「むちで g 。」 
たた V :•「感嘆して手をたたく。」「人 
の頭をたたく。」「壁をたたく。」 
殴る… 「下士官が新兵を殴る。」 
ぶつ… 「彼女は、いじわる、と言つて 
軽く彼の肩を^^た。」 

はたく… 「ほこりをはたく。」「財布を 
はたく。」「相手の出て くるところを 
すかさずはたいて土俵にはわせた。」 


(どう使い分けるか〕 


打つ は、手や道具を使って、瞬間 
的に強く力を加える意。口語で 
は人に対する動作には言わない。 
たたく は、反復する動作の場合 
に使う ことが 多く、「手を^^」 と 
「手をたたく」を比べると〈打つ〉は 
一回で〈たたく〉は連続の感じであ 
る。相手は人間でも物でも使う。 
殴る は、普通殴る方も、殴られ 
る方も、共に意志を持った人間の 
場合に使う。相手がこらえきれな 
いほど強くぶつ。〈打つ〉〈たたく〉 
ょりも語感が強い。 

ぶつは、〈打つ〉の転化だが、〈殴 
る > と同じく普通人間を対象とす 
る。ただし〈殴る〉 ょり 軽い。 
はたく は、平手や平たい物でたた 





53 美しい 


思つラ 

ゎ吞 

ずいり 


〇〇〇 

滑丨 
ら □ 
すを 

■ ■〇 

火丨 
傷触 
する 
ると 


1 S 

1〇 • 

る3 

〇_ 1 

と1 
叫見 
ぶ事 


起こす(引き起こした)行為を不 
注意から行って しまう 場合に使う。 
ついは、やはり、 しない ほうがい 
いことを、 不注意から というより、 
こらえきれずにしてしまう 場合、 
また、習慣やくせが不必要の場 
面で自分で気づかずに出る場合な 
どに使う。 

思わずは、前の二語のょうに抑 
えるべきことというわけではなく、 
また習慣やくせというわけでもな 
く、 ある 事柄に対して自分で気づ 
かずに反応する場合に使う。 


無意識には 、〈思わず〉とほぼ同 
義だが、〈思わず〉が瞬間的である 
のに対し比較的持続的な場合に 


も使ぅ。 

知らず知らずは、 無意識に徐々 
にそのことが増大する場合によく 
使ぅ。 


美しい うっくしい 

(〇華やか) 

,美しい\麗2るしい\綺麗— 
15ぃ\優美|ぅ\艶?やか 


(使い分け例) 

美しい… 「素顔が」「一^自 
然。」兄弟愛。」話に 
感動した。」 

麗しい… 「見目^3。」「麗しい女 
性。」「11^5友情。」 

綺麗… 「見た目にきれいだ。」「きれい 


一使い分け例) 

うつかり…「ぅっかり触ってけがをす 
る。」「ぅっかり話せない。」「ぅっかり 
すると消えてしまう。」 

つい…「あまり熱いので^!離してしま 
った。」「酒はやめょぅと思いながら 
見るとつい手が出てしまぅ。」 
思わず…「驚いて一^:跳び上る。」 
「見事な技に思わず歓声を上げ 
る。」 

無意識に… 「無意識に歩き回る。」丨 
知らず知らず… 「言葉は知らず知ら 
TI 覚えた〇」 


0どう使い分けるか) 

いずれも抑えよぅとすれば抑えら 
れることを、意図しないで行ぅさ 
まを表す言葉である。 

うつかりは、よくない結果を引き 




移り変わり 54 


な空気。」「きれいに傷は癒えた。」 
優美… n 流品だけに、形も色も阌 
美だ。」 r 立居振舞の®人。」 
あでやか… 「あでやかに着飾る。」「ほ 
ほえみがあでやかで色っぽい。」 


(' どう使 ぃ分けるか ) 

美しい は、目や耳また心に快く 
感じられる様子であるという意。 
外面的な ものについても、 精神的 
な ことについても広く使う。 

麗しいは、〈美しい〉が使える言い 
回しにはほとんど同様に使える 
が、文章語的(雅語的)で、意味 
的にもより上品な感じが加わる。 
綺麗は、〈美しい〉よりも日常語 
的で精神的なものについてはあま 
り使わず、表面的に受け取る美 
しさを言う。「きれいに I は、すつ 


かりの意にもなる。 

優美は、 〈麗しい〉のよぅに雅語 
的ではないが、〈美しい〉よりやや 
文章語的である。意味的には〈美 
しい〉より上品さが感じられる。 
「美-^友情」のよぅな場合に〈優 
美な〉は使えない。 

あでやかは、古語(あてやか)で 
は女性が人の注目を集めるほどき 
れいな さまの 意で、 上品さを 失わ 
ない場合に使ったが、現代では、 
華やかでなまめかしい美し さを 表 
すのに使われる。 


移り変わり うつりかわり 

,移り変わり/推移1 \変, 

,遷12\変化1ん\変動12 


ハ使い分け例) 

移り変わり…「季節の移り変わり。」 

推移…「情勢の讀。」 

変遷…「交通機関の WW 。」 「古代か 
ら近代に至る都市の MM 。」 

変化…「心境の®。」 「一年 前と 今 
とでは大きな変化が見られる。」 
変動…「株価の蠢。」「社会情勢の 

顏。」 


C 3 JI 5 I 使い分けるか) 

移〇変わりと推移は、同義の和 

語と漢語で、前者の方が平易で 
やわらかい感じがするといぅ以外 
に違いはない。時のたつにつれて物 
事が変化してゆくことの意。 
変遷は、他の四語が時間の長短 
に関係なく使われるのに対して、 


55 腕•奪う 


同じで、(働く)人、の意: 

腕前は、〈腕〉ょりも更に肯定的 
に使われる度合が強い。 

手腕は、〈腕 X 腕前〉が趣味•スポ 
1ッや職人的技術について言ぅこ 
とが多いのに対して、複雑で広範 
な精神的能力を要するものについ 
ても言われ、才腕となると後者 
を言ぅことの方が多い。 

手並は、〈腕前〉や〈手腕〉などと 
大体同じ意だが、例のように相 
手や他人の技量の程度をはかるよ 
うな意味の文脈で使われることが 
多い0 


少なくとも 数年間と いぅょぅ な、 
長い時間の中での、大きな物事の 
動きについて使われる。したがって 
「私の生活の I 」「季節の一」など 
とは 言わない。 

変化は、他の四語が途中の経過 
も含め問題にするのに対し、前後 
二つの時点の比較に重点がぁる。 
変動は、社会的な物事の動きに 
使われる ことが 多い。また、一定 
の方向への必然的な動きではな 
く、予測の困難な、方向も定ま 
らない動きという感じがある。 


ぅで 

,腕 \手て\腕前1|\手腕 
1以\才腕筇\手並 r 


( 使い分け例 〕 

腕…「蹄を上げる。」「则のある職人。」 
手… rfl が足りない。」「男に負えぬ。」 
腕前…「おれのを見せてやる。」 
「師匠の_には 脱帽 だ。」— 
手腕…「経営の」「政治^ M 。 」 
才腕…「財政再建にを揮う。」 

手並…「お一^拝見。」 


(どう使い分けるか) 

人間の体の部分としての腕と手 
の違いは、簡単に言えば〈腕〉は手 
首から先を含まず、〈手〉はそれを 
含むといぅこと。能力•技量の意味 
では、〈腕〉には「並以上の」という 
感じが伴うことがあるが、〈手〉には 
そういうことはない。また「割が 
足りない」などの場合は「人男」と 


9うばう 

「奪う\取とり上ぁげる\奪一 



旨い 56 


ぅ場合で、対象は普通、具体的 
な物や金であり、やり方は直接 
的•身体的である。次の〈ふんだく 
る〉と共に俗語。 

ふんだくるは、 〈ひったくる〉のよ 
ぅに身体的な行為に限らず、む 
しろ、相手の弱味に付け込んで 
法外な金品を取り上げる場合に 
よく 吏 A っ。 


取 ^する\巻*き 上ぁげ 
る\ひつたくる/ふんだく 
る 

( 使い分け% ) 

奪う… 「力ずくでま。」「地位を #I 
^|。」「生命を|^。」 

取り上ける… 「ぅまくだまして犯人 
から刃物を取り上げる。」「規則に 
よって取り上げる。」 

奪取する… 「要衝を奪取する。」「政 
権を奪取する。」 

巻# J 上げる… 「お金を巻き上げる。」 
「子供の小遣いを巻き上げる。」 

ひったくる… 「夜道でバックをひったく 
られる。」 

ふんだくる… 「少し飲んで高い料金 
をふんだくられる。」 


( ど-っ使い 分けるかソ 

奪 I つは、 他人のものを、相手の 
意思に逆らって自分のものにする 
意。 

取り上げるは、 〈奪ぅ〉ょり多少 

相手を納得させる雰囲気がある。 

しかし相手の不利益は変わらな 
〇 
V 

奪取するは、 前の二語ょり語感 
が強く、積極的•攻撃的な感じが 
ある。 また 抽象的文脈で多く使 
ぅ文章語。 

卷キ J 上げる は、相手をだました 
り、脅したりして自分のものにす 
る場合で、いくらか時間をかける 
感じがある。 

ひったくるは、 相手の持っている 
物を強引に瞬間的にすきをみて奪 


旨い ぅまい 

■旨(甘)い/美味 t しい/美— 
味1\甘美^ 

(' 使い分け 例~} 

-つまい… 「ぅまい酒を飲みたい 。」「I 



57 生まれ付さ 


'. 汁を吸ぅ-|ぅまい話は要注意:| 
おいしい… I おいしいお餅ですこと。」 
美味…「まことに美味なる料理であ 
る。」 「 s ¥ を追求する。」 

甘美…果物。」「^1^メロデ 
ィー。」「恋人同士の語らい。」 


( どぅ使 い 分けるか ) 

-つまいは、 味がよい意。〈おいし 
い〉に比べややぞんざいな感じがあ 
る。上手だ.具合がよい、などの 
意もある。 

おいしい は、味がよいの意の丁寧 
語。上手だの意では使わない。 
美味も〈ぅまい〉と同義でかたい文 
章語。日常の口語ではほとんど 
用いない。 

甘美は、甘くうまいことの意。食 
ベ物の味についてよりも、芸術作 


品などが感覚的に快い場合に使う 
ことが多い。やはり文章語と言つ 
てよいが、〈美味〉よりは会話中に 
も使われる。 

〔注意〕 〈うまい〉は、上手だ、の意 
味の場合「上手い」「巧い」などとも書 
く。ただし、常用漢字表では 「うま 
(い)」と読む漢字はない。 

生まれ付き うまれつき 

,生まれ付き\生来ば\生ぅ, 
まれながら\ 先天的 IX てん— 

q 使 い分け例〕 

生まれつき… 「頭の良さは生まれつ 
§1だ。」「生まれつきの醜男。|1_ 

生来… 「生来の怠け者。」「生来うそを 


ついたことがない :I 

生まれながら… 「^!まれながらの大 
名。」「生まれながらにして不幸な星 
のもとにあった。」 

先天的… 「先天的な才能。」 

切病気。」 ㊣ 後天的。 


ハどう使い分けるか W 
生まれつきは、 生まれた ときから 
そういう 性質を持っていることで、 
良い意味にも悪い意味にも使う。 
生来は、 〈生まれつき〉と同じ意 
味のほかに、生まれて以来このか 
た、の意味もある。〈生まれつき〉 
のょうに述語になる 用法は ない。 
文章語。 

生まれながら は、〈生まれつき〉 
とほとんど同義だが、〈生まれつ 
き〉が人の性格•性質について言う 




敬う 58 


崇尊尊敬 
拝敬 
すす 

各る ぶう 


0000 

を恩 
丨師 

〇 - 〇〇 

を天 

丨神 

様 

△〇 ■ • 

A 友 
を達 

1の 

• 〇〇〇 

丨親 
を 

'■〇 1 

を国 

1宝 

'■ O ' 

を規 
丨律 


く、また、人間以外の事物にも比 
較的よく使われる。「たつとぶ」 とも 
言う。〈敬う〉より查章語的である。 
尊敬す るは、漢語的な言葉だが、 
現在では〈敬う〉よりよく使われる 
日常語。対象的にも広く、軽い 
敬意の対象の場合にも使われる。 
崇めるは、〈敬う X 尊ぶ〉以上に、 
高いものを対象とする。文体的に 
も、〈敬う X 尊ぶ〉より文章語的。 
崇拝するは、〈崇める〉の漢語的 
表現。〈崇める〉よりいくらか一般 
的で「先生を一」などは〈崇める〉 
より〈崇拝する〉のほうが自然。 


のに対して、そのほかに境遇.運 
命などにも言ぅ。徳川三代将軍 
家光が自分を「 I の天下人」と言つ 
たのは有名。 

先天的は、〈生まれつき〉と同義 
の文章語。ただし、〈生まれつき〉 
は名詞(副詞に も 使う)で、 こちら 
は形容動詞語幹。 


敬う ぅやまぅ 

I 敬ぅ\尊(貴); T ぶ\尊 敬, 
KI する\崇|める/崇拝 
at ¥ る 

Q 使い分け例 W 

敬-つ… 「郷土の生んだ偉人を^^。」 


「恩人を敬ぅ。」「祖先を敬5|。|, 
尊ぶ… 「聖人を一^。」「武勇を圍。」 
「家宝として3。」 ® 尊(貴) tt つ 
ぶ。 

尊敬する… 「兄を尊敬する。」「先生 
を尊敬する。」 

崇める… 「神仏をあがめる。」 

崇拝する… 「恩師を崇拝する。」「教 
祖を崇拝する。」「自然!^。」 


0 どう 使い分けるか ) 

いずれも対象に高い価値を認め 
(対象が人間なら、自分ょり高い 
ものと し)大切にし礼を尽くす意。 
敬う は、主にある程度具体的な 
人間(的なもの)を対象とする。 
やや文章語的である。 

尊ぶ は、〈敬ぅ〉とほとんど同義だが、 
「大切にする」意が〈敬ぅ〉ょりやや強 




59 羨む•うるさい 


もやや文章語的である: 

焼キ」餅を焼 < は、〈嫉妬する〉の 
意味のぅち特に男女間の愛情に 
関する意味で使われる俗語。〈妬 
む〉〈嫉妬する〉に比べマイナスイメ 
1ジは軽く、むしろ笑いの対象と 
なるような場合が多い。 


羨む うらやむ 

,羨む/羨望 fl する\妬1 
(嫉 ) fcfa む/嫉妬 tu っする\焼 
ゃき餅% tl を焼ゃく 

( 使い分け例 d 

羨む… 「隣の子のあめをうらやむ。」 
「昇進した友をうらやむ。」 

羨望する… 「先進国の繁栄を® 
slJrsM の的。」 

妬む… 「同僚の出世を^^。」「_ 
M で悪口を言う。」⑱そねむ。 
嫉妬する… 「幸運な仲間を^ 

る。」「恋人の浮気に嫉妬する。」 r _ 
細心。」 


焼き餅を焼く …Iほかの女と話した 
だけで焼き餅を焼く。」®焼(妬 
ゃ)く。 


(ど-つ使い分けるか〕 

羨む は、自分より恵まれている 
他人の状態に自分もなりたいと思 
う、の意。「羨ましい」 は 日常語だ 
が、 こちらは わずかに文章語的。 
羨望す るは、その漢語的表現 
で' かたい文章語。 

妬む は、前の二語の意に加え、 
その相手をもっと悪い状態に引き 
ずり下したい と 思う という 意。悪 
い意味で使われる。やや文章語 
的。 

嫉妬す るは、〈妬む〉の漢語的表 
現だが、次項の意味で使われるこ 
とが〈妬む〉よりはやや多い。これ 


うるさい 

|煩1い/喧 *? しい/騒 toa が- 
しい 

( 使い分け例 W 

一つるさい… r うるさい 蠅だ。」 「うるさ 
<1小言を言う。」「映画に ついては 彼 
はちょつとうるさい0」 

やかましい… 「くいを打つ音がやかま 




ろれしい 60 


しい。」「やかましく注意する。」 
騒がしい… 「猫の鳴き声で騒がしい。」 
「教室の中が騒がしい。」「世の中が 
騒がしくなつた。」©騒騒しい。 


广どう使ぃ分けるか〕 

|つるさいは、「五月蠅」 とも書く 
ように、音やものがまつわりついて 
不快である、の意。相手が煩わ 
しく 思うほど多弁で ある 意にも 使 

>っ0 

やかましいは、 不快な音がする、 
の意。 どちら かといえば、〈うる 
さい〉は音•声は小さいがくどくど 
しつこいのに対し、〈やかましい〉 
は、音•声が大きくて不快な場合 
に使う。物理的な音の大きさでな 
く言い方が厳しい場合にも使う。 
騒がしいは、 静かな雰囲気を破 


る音や声で、落ち着かなさを誘ぅ 
ときに 使ぅ。極端に静かにしなけ 
ればならない音楽会場などで、少 
し雑音が入つ たりした 場合、〈や 
かましい〉 よりも、 〈騒がしい〉がふ 
さわしい。 


ぅれしい (〇 愉快.喜び) 

,嬉 ni しい\楽咖しい/喜; T , 
,ばしい\愉快 r _ 
c 使 ぃ分け—例 ') 

うれしい… 「合格と聞いた瞬間^5 
しくてはね上った。」「ほめられて^1 
れし3:。」「うれしい涙。」 

楽しい… 「家族旅行はずっと楽しかつ 
た。」「€3!新婚生活。」 


喜ばしい… 「緑が増えて喜ばしい。」 
「彼の受賞はまことに喜ばしい。」 
愉快…「愉快な仲間。」「偷陕な小 
説。」 


^ど -つ使い 分けるか ) 

うれしい は、思いどおり事が運 
び、欲求が満たされて、晴れ晴 
れ とした 良い気持ちだ、の意。 
楽しい は、気持ちよく明るい気 
分で、できればそれを続けたい思 
いがある、の意。〈ぅれしい〉は一 
過性、〈楽しい〉は持続性の感情 
である。 

喜ばしい は、よい結果でぅれしい 
と思ぅ気持ちを第三者的立場で 
言ぅ言葉である。自分の「合格」 
を〈喜ばしい〉とは言わない。この 
中でただ一つ文章語的。 


61 うろつく 


ささぶう 1 
すまらろ 
ら cfc つつ 1 
ろ5< < 


0000 

土知 
地ら 

〇〇_ 1 

大ア 

陸メ 

をリ 

1 力 

1 △〇〇 

を銀 

1 座 

1 1 1 〇 

男怪 

fh 

1 〇 • 1 

求出 
め □ 

丨を 


さまよ 一つは目的はあるがどっち 
へ行ってょいか分からず迷い歩く意 
が元だが、ただ、当てもなく歩き 
回る意味にも使われる。〈ぅろつ 
く〉〈ぶらつく〉は歩く範囲が比較 
姐 狹於 が、 〈さまょぅ〉は世界中で 
もょ輕''また、物理的空間だけで 
なくで"精神世界でもょい。やや文 
章語的。 

さすら |つは、住み家を定めず、 
目的なしに気の向いたまま旅を続 
ける意。〈さまよう〉と同じく範 
囲は広く、 また 精神的な意味で 
も使う。やや文章語的である。 


愉快は、気持ちよく楽しいこと 
で、使える範囲が広く、他の三 
語のどれとも通じる場合が多い。 
ただし、瞬間的、感激的なうれ 
しさの場合は〈愉快〉とは異なり、 
「愉快な涙」などとは言えない。 


〔注意〕〈愉快〉は形容動詞語幹。以 
前は名詞としても用いたが、今はほと 
んどその用法がない。 


がうろついている。」®徘徊ばする。 
ぶらつく… 「池の周りをぶらつく 。」I 
さまよ一つ… 「難破した船の ょうに$1 
まょう。」 「吹雪の中を さまょう。」 
「心の闇を さまょう。」 © 彷徨1! 
する。 

さすら I つ… 「国中をさすらう。」「自然 
を友とし、行方定めずさすらう 
旅。」®漂泊する。 


うろつく 


*っろつく/ぶらつく \彷惶, 

r う\流離 s すう 


使い分け例 


|つろつく… 「その辺は野犬がうろつ 
<1。」「盛り場をうろつく。」「変な男 


(どう使い分けるか) 

うろつく は、はっきりした目的な 
しに、ぶらぶら歩く意味と、あま 
り褒められない目的を持って様子 
をぅかがいながら、歩き回る意味 
がある。 

ぶらつく は、別に目的もなく、 
歩くことを 楽しみに ゆっくり歩く、 
の意。 





運•運搬 62 


運うん 

I運\運命^\運勢^/ 宿, 
,命故く\定|:め 

( 使い分け例) 

運…「連がょい。」「このゲームでは圃に 
見放された。」 

運命… 「 s ¥ に従う。」「こういう一生 
を送る額だったのだ。」「人類の圃 
制。」 

運勢… 「強い顚がある。」「今年の圃 
勢。」 

宿命…「暗いを背負って生きる。」 
「 S の対決。」— 

定め… 「悲しい®に泣く。」「これが 
定めというものさ。」 


( どう使い分けるか ) 

運は、理性で計り知る ことので き 
ない物事の巡り合わせの意。良い 
悪いの評価を伴って使われる。 
運命は、やはり理性で計る こと 
のできない、物事の成り行きの意 
だが、〈運〉は比較的軽く小さな 
事にも使われ、〈運命〉は大きく 
長期的な物事について言ぅ。あら 
かじめ決定されているものとする 
のが普通だが、「 I を切り開く」の 
ょぅな使い方は、運命も人為にょ 
つて変えられるとする考え方に基 
づいている。 

運勢は、その人に備わつている将 
来の運。〈運〉より長期的•総合的 
だが、〈運命〉ほど大きくない。 
宿命は、逃れようとしても逃れる 


ことのできない、決定されている 
運命。「 I を切り開く」とは言え 
なぃ0 

定めは、定まつている〈運命〉= 
〈宿命〉のやわらかい言い方。しか 
しやはり文章語的ではある。 


運搬 ぅんぱん 

I運搬\運送1£\輸送1"\, 
,運輸ゅっん 

〇 使い分け 例〕 

運搬… 「机を隣の教室まで運搬す 
扣。」 

運送…「トラックでの会 
社。」®搬送。 

輸送… 「被災地への物資の創。」「船 




63 絵 


舶輸送:」 

運輸… r 通信と運_の歴史。」1 
省。」 「 Ms 産業。」 


〔ど|つ使い分 けるか ) 

運搬は、かなり大きな物を運び 
移すこと。手荷物などでは言わな 
い。距離は近くても使う。 

運送は、個人で持ち運ぶ ことに 
はめったに使われない。主に営業 
として 荷物•客を目的地まで運ぶ 
ことに 使う。〈運搬〉 のように 近距 
離の場合には あまり 使わない。 
輸送は、大量の物•人を遠くまで 
運ぶこと。〈運搬〉〈運送〉〈輸送〉 
の 順で規模が大きくなり、距離も 
長くなる。 

運輸は、〈運送〉〈輸送〉などを総 
合的に言う抽象度の高い語で、 


個々の具体的な行為には使わな 

〔注意〕 最後の〈運輸〉を除き、「す 
る」がついて動詞となる。 

0 

絵ぇ 

,絵/図画絵画1/絵図— 
1れ\イラスト 

「 钯ぃ分け例〕 

絵:•「花の^ I を描く。」「この^ I の作者 


はゴッホです:11絵かき--一一絵本--一 
図画…「一一 IBi の時間。」 I 図画エ作=」 
絵画…「簡.彫刻土芸の各部門。」 

「十九世紀フランス ^ w。」「m 
展。」 

絵図…「吉良邸の MM 。」 

ィラスト… 「イラストの 多い本。」 「1 
ラストで 説明する。」 


(どう使い分けるかし 

絵は、最も一般的で広く使われ 

る。 

図画は、〈絵〉、または、絵を描 
くことの 意で、小学校で主に使わ 
れる(「図画工作」は小学校の教 
科名)。 

絵画は、〈絵〉と同義ではあるが、 
具体的な個々の絵についてはあま 
り使わない。かたい文章話。 




永久 • 選ぶ 64 


恒悠永永 
久久遠久 


0000 

ma ) 

行天 
体 

1 〇 '' 

史1 

〇_ 1 〇 

設 1 
備的 
な 

I 〇〇 ■ 

真丨 

理の 

|| 〇〇 

ぃ丨 

でに 

夸滅 

今び 

つな 


永劫は、〈永遠〉と同義だが、元 
来は仏教語で、非常にかたい文章 
語。 


ぶ ぇらぶ 

I 選ぶ\選ょる\選択^す— 
る\選考 IX する\選抜^ 
,する\選出^ っ する 

f 使い 分け^} 

選ぶ…「方法を M ^。」 「配偶者を 311 


絵図は、古い言葉で、〈絵〉の意 
と建物や庭などの平面図の意とが 
ある。 

イラストは、広告や書物の中の 
説明図や挿し絵の意。 


永久 えいきゅぅ 

1永久 V 水遠:は\悠久1!ぅ\, 
,恒久 II ぅ V 水劫 ^ 

(, 使い分^^ } 

永久…「_にさびない金属。」「_ 
歯。」「_運動。」 rs 追放。」 
永遠…の真理。」の眠 
り。」 r 永遠の愛を誓う。」 

悠久…「葡の昔。」「驾の大地。」 


「悠久の大河の流れ。」— 
恒久…「恒久の平和。」「_化。」 

永劫…「未来劃。」 


(ど - っ使い分けるか ) 

いずれも基本的には、長くいつま 
でも続くこと。 

永久は、ある時点以降という意 
味合いが強い。また、物質的な物 
についてもょく使う。五語の中で 
最も日常的な語。 

永遠は、物質.物体についてはあ 
まり使わない。文章語的である。 
悠久は、はるか遠い過去から現 
在まで続いてきた(これからも続 
く)という意味合いがある。 

恒久は、特に一定不変の状態が 
続くという意味合いが強い。〈悠 
久> とともにかたい文章語。 



65 延期 


ぶ:」 

よる一「品物を^!な。」「ょり分ける。」 
「 ilol 好み。」 「 d 取り見取り。」 
選択する… 「五つの案から二つを選 
択する。」「進路を選択する。」 
選考する… 「応募者を選考する。」 
「書類で選考する。」 

選抜する… 「各地方かられた 
チーム。」「試験にょって選抜する。」 
選出する… 「委員を選出する。」「東 
京かられた議員。」 


r どラ使い分けるか) 

選ぶ は、適当なものを複数のも 
のの中から取り出す意。 

よるは、〈選ぶ〉と同義だが、単 
独では あまり 使わず、他の語と結 
合した複合語がよく使われる。 
選択す るは、〈選ぶ〉と同義で、 


対象は人.物.事柄と広い: この 語 
以下の語はどれも漢語的文章語。 
選考す るは、ょく調べて適任者 
を選び出す意。〈選択する〉と異 
なり使い道は狭く、対象は人間、 
主体は官庁.企業などで、「結婚 
相手を—」などには使えない。 
選抜する も、やはり適当な人を 
選ぶ意だが、〈選考する〉が一人を 
選ぶ場合でも使ぅのに対し、多勢の 
中から複数を選ぶときに使ぅ。 
選出す るは、〈選考する〉〈選抜 
する〉が上位者.権威ある者にょ 
る下位者の選択であるのに対し 
て、大勢の人々がその中から代表 
や委員•議員などを選挙などによ 
つて選ぶ場合に使うのが普通。 


〔注意〕 〈選考〉は〈餘 i ) 衡〉の書き 
換え。 


延期ぇんき 

—延期\延長妓ぅ\日延|べ\, 
■順延^ん 

( 使い分け例) 

延期… 「試験日の MM 。」 「開幕を一 
日延期する。」「最終日を十日_ 
する。」 

延長… 「睡眠時間の MW 。」 「会期を 
延長 f 」「直線 AB のが直 
線 CD と交わる点。」 

日延べ… r 花見は来週に日延べしょ 
ぅ。」「興行は好評だから十日間01 
延べする。」 

順延… 「運動会は十月十日、ただし 
雨天の場合は順延する。」 




追う 66 


广どぅ iffil い分ける か , w 

延期は、予定の期日.期限を先に 
延ばすこと。定まつていた期間の 
終わりを延期すれば、結果とし 
て 期間延長と同じことになる。 
延長は、長さを延ばすことで、 
時間的長さの場合には、予定さ 
れていた時間や期間を長くするこ 
と。期間を延長すれば、結果と 
して 終わりの時点が延期されるこ 
とになる。 

日延べは、〈延期〉〈延長〉両方の 
意味で使われる。ただし、〈日延 
ベ〉は一日単位の延期(長)である 
のに対して、〈延期 X 延長〉は時. 
分 •月 •年の どれを 単位に してもよ 
い。文体的には、現在〈日延べ〉は 
やや古い感じがあり、〈延期〉〈延 


長〉を日常語と言ってよいだろう。 
順延は、状況を見ながら、一日 
また一日というように少しずつ期 
日を延ばすこと。 



追う おう 

I 追う/追ぉいかける\追跡| 

_£ svl する I 

(使い分け例) 

追 I つ… 「二日後には合流すべく、本 


隊を追う。」「羊の群を追う少年。」 
「手ではえを追う。」「理想を^^。」 
「先人の足跡を_学究の日々。」 
追いかける… 「交差点まで追いかけ 
ることにした。」 ® 追つかける。 
追跡する… 「逃亡する犯人を追跡す 
^1。」「衛星の軌道を追跡する。」 


( ど 51 使い分けるか ) 

追う は例にあげたよぅに広くさ 
まざまな意味に使われる。 

追いかける は〈追ぅ〉の最初の例 
の場合、 つまり、 先行するものに 
追いつこぅ として 後から急いで行 
く、の意味でだけ使われる。〈追 
っかける〉は音便形で意味は全く 
〈追いかける〉と同じだが、やや俗 
語的な調子がある。 

追跡するは、 〈追いかける〉の意 



67 応接•オーケストラ 


も接応応 

て 

な 

し待対接 


0000 

へ 

1 1 〇 • 

の電 

丨話 

で 

1 〇 •' 

1料 
す亭 
るで 

■ - 〇〇 

■客 

ると 

1 

〇 ' ' • 

す客 
るを 
お 

1 


广どぅ使い分けるか」 

応接.応対は 言葉による受け答え 
が中心になるが、〈応接〉の方が丁 
寧で、直接会ぅ場合に限られる。 
〈応対〉はより事務的で、電話の場 
合でも言ぅ。 

接待•もてなし も客に対するもの 
だが、受け答えの意味は薄く、 
饗応すること。手段も言葉より 
飲食など他のものが中心になる。 
〈接待〉は会社など組織として行 
う場合、〈もてなし〉は個人や家 
庭がする場合に使うことが多い0 


L 注意」 〈応接 X 応対〉はIするIがつい 
て自動詞となり、〈接待〉は同じく他 
動詞になる。〈もてなし〉の動詞〈もて 
なす〉も他動詞。 


才丨ケストラ 

—オーケストラ\管弦楽団— 

fif ^ M 父響楽団 4 く*たんり\ 
_楽団|ラ楽隊|1\バンド_ 

(使い分け例一 

才 I ケストラ… 「オ ー ケストラボック 
ス。」「シンフォニーオーケストラ。」 

管弦楽団… 「管弦楽団の演奏。」 
交響楽団… 「世界有数の交響楽団。」 
楽団… 「吹奏 M ®。」「 MB 専属の指 


味のほかに、跡をたどるの意味も 
あり、これは〈追ぅ〉にもあるが、 
〈追跡する〉の方が文章語的であ 
る。 


応接 おぅせつ 

,応接\応対筇\接待^/, 

持もて成なし 

f 使い分^^ 

応接… 「来客のに追われる。」 
応対… 「電話での質問にてきぱきと 
した応对をする。」 「 SW が悪い。」 
接待… 「見学者にお茶のをす 
る。」「料亭での一^。」「§外交。」 
もてなし… 「先輩の家で温かい;^;^ 
しを受ける。」 




大らか 68 


揮者。」 

楽隊… 「行進の先頭を行く楽隊。」 
バンド… 「ブラス^」「ジャズバン 
FI 。」 「仲間で作った^^。」 


(どラ使い分ける 

才—ケスト ラは、次の〈管弦楽 
団〉と同義で、現在日常的には 
〈管弦楽団〉ょりょく使われる。 
劇場の舞台の すぐ 前の楽団員席 
を^5すこともある。 

管弦楽団は、 管楽器•弦楽器及 
び打楽器から成る演奏団体で、 
規模は大小 さまざま である(最小 
は室内管弦楽団の二十人ぐらい)。 
最大規模のものを 交響楽団 とも 
言う。交響曲を演奏しうる編成 
の管弦楽団の意。 

楽団は、 管弦楽団や交響楽団の 


略称としても使ぅが、一般にはそ 
れょり小規模な器楽の合奏団を 
言い、内容も軽音楽を主とする 
場合が多い。 

楽隊は、 隊列を作って演奏する 
音楽隊•軍楽隊の略称。 

バンドは、〈楽団〉 とほ ぼ同義で、 
吹奏楽団(ブラスバン£などにも 
使ぅが、現在ではジャズ•ロックそ 
の他の軽音楽を演奏するものを指 
すのが普通。 


大らか おおらか 

,大らか\鷹揚||\闊達(豁, 
達)棼\寛闊1>開豁1/ 

_磊落找\寛大ぽ\寛容妓, 


( 使い分け例 j 

大らか… 「大らかな歌風。」「大らかな 
気持ち。」 

鷹揚… 「鷹揚に構える。」「鷹揚な態 
度。」#大様《。 

闊達(豁達)… 明るい性格。」 
「自由 作風。」 

寛闊 .•.「寛闊な度量。」「寛闊な衣 
裳。」 

開豁… 「§な気性。」「峠を越える 
と前方は_な草原だった。」 
磊落… 「嘉落に笑う。」「豪放磊落な 

寛大… 「寛^^処置。」 

寛容… 「 SM 人柄。」 


f どラ使い分けるか〕 

大らかは、 細かいことにこだわら 




69 大笑い 


ず、ゆつたりしているさま、鷹揚 
もほぼ同義で、前者は心•気持ち 
について、後者は振る舞い•態度に 
ついて言う ことが 多い。 (大様と 鷹 
楊は本来は別義であるが、音が 
近いため混同して使われる。) 

闊達(豁達) は度量が広く、物事 
にこだわらないさまを言う。文章 
語。 

寛豁と開豁も〈闊達〉〈豁達〉とほ 
ぼ同義であるが、前者はだてで派 
手好きの意に使うことがあり、後 
者は「 I な高原」のように、前が 
広く開けていて眺めが良いことの 
意にも使う。 

磊落は、気が大きく快活で、小 
事にこだわらないさまを一一一ーロう。 
寛大は、心が広く大様な さま、 
寛容は、寛大でよく人を受け入 
れ 、過失を とがめだてしたりしな 


いさまを言ぅ"以上の五語もみな 
文章語。 


大笑い おおわらい(〇笑い) 

,大笑い/高笑 II い/馬鹿, 

笑說い\大笑はぅ\爆笑 

ばく \法荽こう\54:11/ろう 
I しよう\項 かヲ しよう\ ^^ヲ しよう 


( 使い分け例 ) 

大笑い… 「みんなでどっと大笑いす 
る。」「そいつは^だ。」 

高笑い… 「顔を見合わせて高笑いす 
る。」「ばかの^1|^3。」 

馬鹿笑い… 「酔っばらってばか笑いを 
する。」 


大笑… 「呵々 I 大笑:」— 
爆笑;「珍プレーに謂力|る。」「爆笑 
の渦。」 

哄笑… 「満場が哄笑する。」 r 襲がわ 
く。」 

朗笑… 「教室から劃が聞こえる。」 


ハどラ使い分けるか〕 

大笑いは、 あまりのおかしさに大き 
な声で笑うことであるが、「物笑 
い」と似た意味に使うこともある。 
高笑いは、 あたり構わず大きな 
声で笑うことで、得意になってい 
る場合が多い。 

馬鹿笑いは、 ばかみたいに途方も 
ない大声で笑うことで、はしたな 
いという感じを伴う言い方。 
大笑は、 「呵々丄の形で使うこ 
とが多い。「呵々」は「あはは」に相 



犯す 70 


当する擬音語。 

爆笑は、大勢が一度にどっとはじ 
けるように大声で笑うこと。 
哄笑は、大口を開けて大声で笑 
うことで、〈爆笑〉と同じように大 
勢の人に使うことが多いが、はじ 
けるようにという感じではない。 

朗笑は、大きな声で楽しそうに 
笑うこと。 

〈哄笑〉〈朗笑〉は文章語。 


犯す おかす (〇侵入) 

I 犯す\侵|す/冒|す\干犯— 
S する\侵犯^する\侵 
略^くする/侵食^くす 
る/浸食^くする\侵害 a 


r - ~する\冒瀆轉する 」 

(使い分け例〕 

犯す… 「法を」「罪を w ¥。 」 r 暴 
力で女性を$。」 

侵す… 「国境を^一^。」「人権を倒 
¥。」「不治の病に_れる。」— 
冒す… 「危険を冒す。」「雨を冒して決 
行する。」「作物が霜にれる。」 
「神聖を SP 」「藤原姓を®」 
干犯する… 「統帥権を干犯する。」 
侵犯する… 「領空を侵犯する。」 
侵略する… 「周辺諸国を侵略する。」 
侵食する… 「人の領域を侵食する。」 
浸食する…「川 水が岸壁を浸食す 
刪。」 

侵害する… 「著作権を侵害する。」 
冒漬する… 「国法を冒漬する。」「神 
を冒瀆する所業。」 


ハどラ使い分けるか〕 

犯す は、法律•規則•道徳に反す 
る行為をする、また女性の操を 
奪う、 侵す は、他国や他人の領 
域に不法に入り込む、他人の権 
利•権限を損なう、 冒す は、困 
難や障害を押し切つて目的のこと 
をしようとする、身体や作物な 
どに害を与える、神聖•尊厳なも 
のをけがす、他人の姓を名乗る、 
などの意がある。 

右の説明は大体の原則であって、 
「他国•権利を一」は〈侵す〉の代わ 
りに〈犯す〉も使われ、「病魔が—」 
の場合は〈侵す〉も〈冒す〉も使わ 
れる。また、「過ち•矛盾•面2もを 
I 」の場合は〈犯す〉も〈冒す〉も使 
われる。 

干犯するは、 他の管轄に干渉し、 




71 臆病 


その権限を犯す、の意で、非常に 
かたい文章語。 

侵犯するは、 他国の領土や権利 
をおかす、 侵略するは、 他国に 
侵入してその領土を奪ぅ、の意。 
侵食するは、 他の領域.なわばり 
などを次第におかして食い込む意 
で、同音異字の 浸食するは、 風 
雨や流水が岩石や地表を少しずつ 
くずす意。 

侵害す るは、他人の所有•権利 
をおかす、 冒瀆す るは、神聖な 
もの•清らかなものをおかしけが 
す、の意で、後者は特にかたい文 
章語。_ 

〔注意〕 〈侵食〉〈浸食〉は〈侵蝕〉〈浸 
蝕〉の書き換え。 


臆病 おくびよう 

I 臆病\小心 ^ぅ\小胆, 

ねぅ\内気1\弱気#*ゎ\気 
I 弱^\怯懦おょぅ 

(使 い分 

臆病…「自分の MW を恥じる。」 r _ 
病者。」「新企画の実行に社 
長。」— 

小心…「小心を隠す。」「小心者。」「小 

心翼々たる男。」 _ 

小胆… 「小胆をあざける。」「小胆な者 
ほど徒党を組みたがる。」®狙。 
内気… 「内気が災いする。」「内気な女 
性。」 


弱気… I 弱気を出す- I ともす r . ば弱 
気^ I なりがちだ。」「弱気の商い:| 
㊣ 強気。 

気弱… 「夫に死なれてなる。」 
性格。」 

怯懦… 「5¢をののしる。」「怯懦な振 
る舞い。」 


g どラ使い 分けるか ) 

臆病は、物事を恐れやすい性質。 
また不必要に用心深いさま、小 
心は、気が小さいことで 、 「g 
翼々」はいつもびくびくしているさ 
まを言ぅ。 

小胆は、〈小心〉とほぼ同義の文 
章語で、度量が小さいといぅ意味 
もある。 

内 jj 刃は、おとなしく控え目な気 
質。 



贈る 72 


弱気は、結果について悲観的で、 
消極的になりがちなさま•性格を 
言ぅ。また、取引用語では相場 
が将来下落す ると 予想す ることを 
言ぅ。 

気弱は、気が弱いことで、取引 
用語には用いない。 

怯懦は、臆病で意気地がないさ 
まの意で、かたい文章語。 


贈る おくる (〇ゃる) 

I 贈る\差さし上ぁげる\贈.— 
5 r する/贈呈ほする/進呈 
れ从する/献呈 V T ^ する\献 
上^うする 


f 使い分け例) 

贈る… 「中元の品を^^。」「賛辞を III 
^1。」「声援を^^。」「故人に勲五等 
を^^0」 

差し上げる… 「お食事を差し上げ 
る。」「手紙を差し上げる。」 

贈与する… 「宅地の一角を贈与する。」 
贈呈する… 「記念品を贈呈する。」 
進呈する… 「試供品を進呈する。」 
©進上する。 

献呈する… 「恩師に自著を献呈す 
^10」 

献上する… 「宮様に名産を献上す 
slo 」 


(ど i つ使い分けるか W 

贈る は、感謝•祝福•支援などの 
気持ちを表すために、相手に有 


形•無形の物を与える、また、死 
者に勲位などを与える(追贈す 
る)、の意。 

差し上げるは、 「与える」の謙譲 
語。 

贈与するは、 金品を贈り与える 
意。 

贈呈するは、 正式の形で、改ま 
つた気持ちで物を差し上げる、の 
意。 

進呈する も、人に何かを差し上 

げる、の意であるが、丁寧さの度 

合いは〈贈呈する〉に比べやや少な 
、〇 
V 

献呈するは、 目上の人に心を込 
めて物を差し上げる、 献上する 
は、高貴な人に差し上げる、の 
意で、いずれも儀礼的なかたい文 
章語である。 




73 遅れる•厳か 


0000 

■• O ' 

| 〇〇 I I 

■ 〇 ■ 〇 
'• O ' 


贈呈する 
進呈する 
献呈する 
献上する 


名産品粗品閣下!-名恩師に_試供品 
を I を一菓を一著を一を I 


遅れる おくれる(〇停滞) 

,遅れる\後<»れる\遅延^, 
する\遅滞^する\延滞 
M する _ 

G 使い分け^} 

遅れる…「時計が五分 w ^。」 「知 
恵の遅れた子。」®進む。「発車 
が s ^。」 「授業に!^。」 


後れる… I 流行に後れる:」 I 妻に後れ 
51。」 ® 先だつ。「人前で判れた 
様子もない。」 

遅延する… 「エ事が遅延する。」⑱ 
延引する。 

遅滞する… 「業務が遅滞する。」 
延滞する… 「家賃が延滞する。」 

「ど一つ使い分ける^^ 

遅れる と 後れる は、進,^が基準 
ょりおそい、決まつた時刻に間に 
合わないとき前者を、他と比べて 
そのものょりあとになるとき後者 
を用いる。したがつて、たとえば 
「知恵が一」の場合、発達の速度の 
観点からは〈遅れる〉、人との比較 
の観点からは〈後れる〉と考えられ 
る。ただし、先立たれる、気おくれす 
るという意味で〈後れる〉を用いる 


以外は、大体〈遅れる >てすませ- 
いるのが並日通。 

遅延す る、完成や結末が遅れた 
り長引いたりする意。 

遅滞するは、 物事がとどこおり、 
予定通り進まない、の意。 

延滞す るは、支払いや納入が期 
日より 遅れ、とどこおる、の意。 


厳かぉごそか 

,厳か/厳粛ばン荘重1 

!5ぅ\荘厳£!\森厳灶\ 

I厳然^, 

C 使ぃ分 

厳か… 「厳かな声で告げる。」「式典を 




起こる 74 


厳かに執り行ぅ。」 

厳粛…雰囲気。」「死は厳粛 
切事実である。」倫理。」 
荘重••.「荘重な音楽。」 「 WW な文 
体。」 「 slf ^ 儀式。」 

荘厳…礼拝堂。」「¢1厳に神 
事を進める。」 

森厳…境内。」 

厳然…「厳然たる態度で臨む。」「厳 
事実。」 


(ど5使い分ける 

厳かは、威厳がぁって重々しいさ 
まで、人の態度についても、儀式 
などについても言ぅ。厳粛はそれ 
とほぼ同義であるが、物事の存在 
が厳しく動かしがたいさま、道徳 
的に厳しいさまの意にも使う。 
荘重は、厳かで重々しく、力強い 


感じを与えるさま、荘厳は、人 
を厳粛な気持ちにさせるほどにい 
かめしいさまで、前者は音楽や口 
調などにも使うが、後者は主に建 
物や儀式について言う。 

森厳は、身の引き締まるほど〈荘 
厳〉なさまの意。 

厳然は、人が威厳があって近づき 
がたいさま、物事が厳かで動かし 
がたいさまを言う。 

〔注意〕「荘厳(しょうごん)」は、仏 
像•寺院を飾り立てること、また、そ 
の飾りの意となる。 

起こる おこる (〇発生) 

I 起こる/興 ii ; る/起*きる V 
生^じる 


(使い分け例 ) 

起こる… 「地震が」「戦争が起 
73^。」「変化が^^。」 

興る… 「国が3。」「学問が興る。」 
® 滅びる。亡 S ' J ひる。 

起キ J る… 「朝早く起きる。」「倒れた 
稲が®^。」「風が^^。」「腹痛 
が」「トラブルが起きる 。」I 
生じる… 「かびが生じる。」「疑惑が生 
g 。」 「原料の値上がりが赤字を 


生じた。」 


(どう使い分けるか) 

起こる は、ある事態が新たに生 
じるの意。 興る は、勢いが盛んに 
なるの意。 

起きる は、目を覚ます、寝床か 
ら出る、寝ずにいる、横になつた 



75 怒る•抑える 


ものが立ち上がる、などの意であ 
るが、〈起こる〉と同じ意味にも使 
われるょぅになつた。この二語は 
ほとんど区別できないが、現在で 
はむしろ〈起きる〉の方が多用さ 
れ、ょり口頭語的である。 

生じる は、生えるの意から転じ 
て、物事が起こるの意に使われる 
が、〈起こる〉よりも文章語的であ 
る。他動詞としても使う。 


怒る おこる(〇息巻く•叱る) 

1怒る\怒糾る/立腹 n す> 
る/憤 I v t る/憤激 1 It する— 

f 使い分け例 ) 

怒 s る… 「彼が遅れたので^^てい 


る。」 r 騒いで母におこられた。」 

怒* H 1 る… 「不作法に対して!^。」 
立腹する… 「侮辱され立腹する。」 
憤る… 「政治の乱れを實。」 

憤激する… 「卑劣な行為に憤激し 
た。」 


(どう使い分けるか) 

おこるといかるは、ともに不満. 
不快な気持ちの高ぶるのを言う。 
〈おこる〉にはほかに、「叱る」意味 
があるが、〈いかる〉にはない。〈お 
こる〉は日常よく使う口語だが、 
〈いかる〉はやや文章語的。 

立腹するは、 〈いかる〉と同義の 
漢語的表現で更に文章語的な言 
い方。〈腹を立てる〉と言うと、 
〈いかる〉より口語的である。 

憤る は、〈いかる〉の度合いが強め 


られており、 憤激す るは更に強 
い感じを表す。ともに文章語 。I 
〔注意〕 〈怒る〉はィカルともオコルと 
も、どちらにも読める。 


抑える おさえる 

1抑える\押ぉさえる\制 
する/抑制 sf する\抑 
圧^する\制圧^する\ 
圧迫^する\弾圧^す 
る/抑止^する/制止^ 
する 

f 使い分 け 例〇 

抑える…「ィンフレを抑える。」「生長 




抑える 76 


圧制抑抑 
迫圧圧制 
すすすす 
るるるる 


0000 

1力 
で 

〇 1 〇 1 

を自 
丨由 

|| 〇〇 

を情 
丨欲 

〇 •'' 

活増 

を税 

1が 

〇 1 〇 1 

動反 
を対 

1運 

1 〇 1 1 

全敵 
にを 
丨完 


制圧す るは、威力で相手の勢力 
や気持ちを抑えつける、の意味で 
ある。 

圧迫す るは、強い力で押しつけ 
る意で、比喩的には押し迫り脅 
かす、威圧する、の意にも使う。 


弾圧するは、 支配者側が権力や 
武力で反対勢力を抑えつける場 
合に使ぅ。 

抑止する も 制止する も、それを 
させないように抑え止める、の意 
であるが、前者は戦争などの大き 
な場面に、後者は身近な人の言 
動に使う。 


を抑える。」「怒りを抑える。」「反対 
派を抑える。」 

押さえる… 「紙の端を押さえる。」「両 
手で耳を押さえる。」「証拠を押さ 
ぇる。」「急所を押さえる。」 

制する… 「発言を制する。」「感情を 
制する。」「機先を制する。」 

抑制する… 「情欲を抑制する。」「スト 
を抑制する。」 

抑圧する… 「表現の自由を抑圧す 
る。」「欲望を抑圧する。」_ 

制圧する… 「デモ隊を制圧する。」「敵 
を制圧する。」 

圧迫する… 「胸を圧迫する。」「生活 
を圧迫する増税。」 

弾圧する… 「民主化運動を 
^10」 

抑止する… 「戦争を抑止する力。」 

制止する… 「乱暴な行為を制止す 
^10」 


(ど-つ使い分けるか) 


押さえる は、上から力を加えて 
動きを封ずる、他の者が手出しで 
きないよ うに 確保する、大事なと 
ころを把握する、などの意、抑 
える は、悪い状況の広がるのを食 
い止める、感情を表さない ように 
こらえる、力で相手の自由や活 
動を封じる、などの意で、前者 
は具体的な物に、後者は抽象的 
な ことに 用いる ことが 多い。 

制するは、 押しとどめる、 支配 
する、自分に従わせるなど、〈抑 
える〉の意に近いが、「法を—」の 
ように、制定する、の意もある。 
抑制するは、 勢いが盛んになる 
のを抑えて止める、 抑圧するは、 
行動や欲望を無理に抑えつける、 




77 収める 


収める おさめる 

I 収める/納 sij める/収納— 
@ br する\受納我する\納 

入 K ® f a する\納付"?する\ 
収拾 ul-i da する\収束^ぅ 

する\収用找ぅする\収容 
ぅする I 

(' 使い分け例 d 

収める…「どぅかおください。」 
「勝利を^^。」「成果を」 
「目録に収める。」「調停案が紛争を 
収める。」 

納める…「倉庫に「月謝を_ 


める。」「注文の品を納める。」「見事 
に舞い!^。」_ 

収納する… 「税を収納する。」「古道 
具を蔵に収納す^|。」「稲を^^ 
剂。」 

受納する… 「匿名者からの寄付金を 
受納する。」 

納入する… 「製品を期日までに納入 
$。」「すべての会員が会費を^^ 
する。」 

納付する… 「固定資産税を納付す 
^10」 

収拾する… 「事態を収拾するには一 
か月かかる。」 

収束する… 「事態が収束する。」「¥ 
束する数列。」 

収用する… 「空港予定地を 
刪。」 

収容する… 「難民を収容する施設が 
足りない。」 


(どラ使い分けるか) 


収める と 納める は、「蔵に•原稿 
用紙一枚に•権力を手中に—」の 
ように、中にきちんと入れる、受 
け取って自分のものにするの意の 
場合は互用される。「効果•成功 
を I 」のように、成果をあける意 
では〈収める〉、「税金•商品を—」 
のように、金品を受取人に渡す 
意では〈納める〉を使う。〈納める〉 
には終わりにするの意もあり、多 
く接尾語的に用いる。また、〈収 
める〉には「混乱を—」のように落 
ち着かせるの意があるが、この場 
合は「治める」も使われる。 

収納するは、 公共機関が金品を 
その会計に納め入れる、不要な品 
を押入れや箱にしまう、農作物を 



おしやべり 78 


取り入れる、 受納するは、 贈り物 
などを受け取って納める、の意。 
納入すると納付するは、 品物 
や金銭を納める意であるが、後者 
は義務づけられた税金などを国や 
役所に納める場合に使ぅ。 

収拾するは、 混乱した状態を収 
める意。 収束する も、ほぼ同義 
であるが、この語は自動詞にもな 
る。また、数学や物理で「収斂」 
の書き換え語として使われるが、 
この場合「集束」とも書く。 

収用するは、 国家などが公共の 
用に使ぅため特定物件の所有権 
を取り上げる意。 

収容するは、 人や物を一定の場 
所.施設に入れる意で、容疑者や 
犯罪者を一定の施設に入れる場 
合にも言う。 


おしやべり 

I 御喋 f り\無駄口怨\口, 

軽'!1\駄弁^"\多弁叹ん\ 
I 饒舌 12 ぅ/多1 口 iffc ん 

f 使い分け 例 d 

おしやべり…「女同士のおしやべり。」 
「おしやべりな男。」「あれはおしやべ 
DI だから気をつけろ。」 

無駄口…をたたく。」®む 
だ話。 

口軽… 「 HW だから信用できない。」 
㊣ 口重。 

駄弁…「_を弄 S する。」 

多弁…「飲むほどに多弁になる。」 


饒舌…「饒舌をふるう。」「饒舌家。」 
文体。」 ㊣ 寡黙。 

多言…を要しない。」 


(どラ使い分けるか) 

おしやべりは、とりとめもない会 
話、また必要以上に口数の多いさ 
ま、また、そういう人の意で、日 
常普通に使われる語。 

無駄口は、くだらないおしゃべり 
の意。 

口軽は、おしゃべりで軽々しくもの 
を言う、特によく秘密を他に漏 
らすさまであるが、「 I な芸人」の 
ように話し方がなめらかなの意も 
ある。なお、「軽口」は軽妙な話、 
気のきいたしゃれを言うが、〈口 
軽〉の意に使うこともある。 

駄弁は、〈無駄口〉の意の漢語。 


79 遅い 


「だべる」という俗語はこの語を動 
詞化したもの。 

多弁は、口数が多いこと、 饒舌 
も、ほぼ同義であるが、くどいと 
いう感じを伴う。なお、「冗舌」は 
むだ口の意で、多少意味がずれる 
が、〈饒舌〉の代用漢字として使 
うことがある。 

多言 も、〈多弁〉とほぼ同義であ 
るが、よりかたい文章語。 


遅い ぉそい 

I 遅い\のろい\鈍從い \まだ, 
るっこぃ\緩慢ぱ\鈍重 

はぅ\遅鈍 r 


(使い分け例 I 

遅い… 「歩き方が電車。」 
「物分かりが M 5。」 ㊣ 速い。 
のろい… 「計算が^^。」パ 
ス。」「反応が^5。」 

鈍い… 「動作が3。」「頭の働きが Ml 

くなる。」®鋭い。_ 

まだるつこい… 「まだるつこい仕事ぶ 
り。」©まだるい。まだるつこしい。 
緩慢… 川の流れ。」プ 

レ lo j 

鈍重… 「鈍重な動作。」 

遅鈍… 男。」 ㊣ 鋭敏。 


(どう使い分けるか) 

遅い は、動作や作用に時間がかか 
る、頭や心の働きが鈍い、の意。 
また「桜の開花が一」「今からでは 
もう—」のように、基準になる時 


期ょり後だ、間に合わない、の意 
もある。(この場合の反意語は 
「早い」)。 

のろいは、 意味も用法も〈遅い〉 
と同じであるが、じれつたいという 
感じを伴う。 

鈍い は、動作や反応がのろい、 
頭の働きが遅い、の意で、本来は 
刃物の切れ味が悪いさま、また光 
や音がはつきりしないさまも言う。 
まだるつこい は〈まだるい〉の強調 
形で、のろのろしていてじれつたい 
ほどだの意で、どちらも見ている 
側の感じを言うくだけた言い方。 
緩慢は、動きや変化がゆっくりし 
ているさまで、「 I な処置」という 
場合は手ぬるいの意。 

鈍重は、 動作や反応が鈍くのろ 
いさま、 遅鈍は、 動作が遅く頭 
の®きが鈍いさまの意で、どちら 




恐る恐る • 恐れる80 


自信のなさから、態度が落ち着か 
ない様子を表す。 

戦戦恐恐は、 個人がょくない事 
態を恐れてびくびくする場合だけ 
でなく、 世間 や民衆が大変な事 
になりはしないかと恐れおののく 
場合にも使ぅ。〈戦々恐々たる〉は 
非常にかたい文章語。_ 

〔注意〕 〈戦戦恐恐〉は〈戦戦兢兢〉の 
書き換え。 


r ~ もかたい文章語。 


恐る恐る おそるおそる 

m 心る恐る/恐恐益 V びく, 
びく\ 怖*ず怖ぉず/おどお 
ど \戦戦恐恐 1111ょぅ 

(使い分け 例〕 

恐る恐る…「丸木橋を恐る恐る渡 
る。」「恐る恐る貴人の前へ出る。」 
こわごわ…「猛犬にこわごわ近寄 
る。」 

びくびく…「叱 6> u られないかとびくび 
くする。」 

おずおず… 「おずおずと職務質問に 
答える。」 


おどおど… 「おどおどした目つき。」 
戦戦恐恐… 「悪事がばれないかと 
戦々恐々としている。」「戦雲がみな 
ぎり戦々恐々たる日々。」 


(ど-っ使い分けるか) 

恐る恐るとこわごわは、 こわが 
りながら、の意であるが、後者の 
方がより口語的で、また、前者 
の持つ、ひどくかしこまりながら 
の意はない。 

びくびくは、 不安や恐怖のため 
に絶えずおびえ恐れるさま。「体 
を I 震わす」のよぅに小刻みに動 
く様子を表す用法もある。 
おずおずは、 びくびくしながら、 
の意の雅語的な表現で、しりごみ 
しながら動作が進まない様子を表 
し、 おどおどは、 恐怖や不安や 


恐れる おそれる 

m 心(畏)れる\怖以がる\脅, 
你える\怖ぉじける\恐怖 
r ぅする\畏怖仙する\懸 

1念一んする\危惧 <--* する 


81 おつちよこちよい 


与脅怖恐 
g えがれ 

■q - 1 oj cv cD 


0000 

に暗 

を 

• 〇 ' 〇 

sg 

I S 

を 

〇 •'' 

勢 
■b の 
丨客 

_ 〇〇〇 

に失 

丁要 

を 


ぅ、びくびくする、②悪い結果に 
ならないかと心配する、③もつた 
いないと思い、かしこまる、の意 
で、③は〈畏れる〉と書くことが多い。 
怖がる は、こわいと思い、それを 
態度に表す、の意。 

脅えるは、 怖がってびくびくす 
る、の意であるが、「…に脅える」 
の形をとり、…に不安などの抽象 
語も入るのが他の語と違う。 
怖じけるは、 びくびくして、し 
りごみする、の意に使う。 


恐怖するは、 生命に危険を感じ 
てこわくなる、の意。(ただし動 
詞として使うことより名詞「恐怖」 


で使うほうが多い)。 

畏怖するは、 威圧を感じて恐れ 
おののくの意の文章語。 

懸念するは、 気にかかって不安に 
思う。 

危惧す るは、成り行きや結果を 
心配し恐れる、の意の文章語。— 
〔注意〕 〈恐れる〉の①は〈怖れる〉〈懼 
れる〉、②は〈惧れる〉とも書き、〈怖 
がる〉は〈恐がる〉、〈脅える〉は〈怯え 

る〉とも!!日く。 


おつちよこちよい 

,おつち よこちよい\軽薄. 

筇\軽軽 It しい\軽5*>はず 
1み\軽率誌/軽佻! K ぅ 


f 使い 分け例 j 

恐(畏)れる… 「敵を!^。」「冷害 
を恐れる。」「神を一^ぬ所業。」 

怖がる… 「雷を」「暗闇を^§ 
51。」 

脅える… 「物音に脅える。」「不安に #I 
える。」 

怖じける… 「おじけて口も利けな 
い。」「大勢の観客におじける。」 

恐怖する… 「危険を察知して極度に 

ていた。」 

畏怖する… 「厳格な祖父を畏怖す 
^10」 

懸念する… 「先行きが懸念される。」 

危俱する… 「企画の成功を危惧す 
^10」 


(どう使い分けるか〕 

恐(畏)れるは、 ①恐ろしいと思 





音 82 


(使 い分け 例) 

おつちよこちよい… 「すぐ図に乗る fel 
つちょこちょいな.男。」 

軽薄..•「軽薄な発言。」「軽薄な才 
子。」®重厚。 

軽軽しい…「軽々しい振る舞い。」「そ 
んな事を軽々しく言ぅな。」 
軽はずみ…「軽はずみな行動。」 
軽率…「あの発言は軽率だった。」 
軽佻…人物。」 


(ど-つ使い分けるかし 

おつちよこちよいは、考えや行 

動に慎重 さを 欠く さまを 言ぅ俗 
語。軽薄は、それとほぼ同義の 
漢語で、個々の言動よりも主に人 
柄や性格について言う。 

軽軽しいは、慎重に考えないで物 


事をするさま、軽はずみは、深 
くも考えず、その場のはずみで調 
子に乗ってするさまで、軽率は、 
それと同義の漢語である。 

軽佻は、〈軽薄〉とほぼ同義のか 
たい文章語で、「 I 浮薄」の形で使 
ぅことが多い。 


音ぉと 

1音/音ね/声^響 抑き/轟, 

ひどき/鳴なり 


ハ使い分け例し 

音?.「大きな|#|がする。」「足«|。」 
音ね…「鈴の 1 ^が聞こえる。」「虫の 
杜。」「鐘の抝。」 


声…「人の声がする。」「虫の声。」「鐘 
の31"秋の3 

響#」…「鐘の響きが聞こえる。」「響き 
のょい言葉。1「エンジンの一^。」 
轟き…「滝の s ^。」 「雷のが聞こ 
える。」「波の」©唸 s り— 

鳴り…「楽器の#^がょい。」「寶を 

ひそめる。」「耳鳴り。」「海鳴り。」 


( どラ使い 分けるか ) 

音2は、空気の振動が耳に伝わっ 
て聞こえるものを言う一般的な語 
で、声は、人間や動物の声帯な 
どから発せられる音を言う。 

音ねは、音のうち、比較的小さな 
美しい感じのものを言う。 

響きは、周りに伝わってくる音声 
や震動で、〈音 S 〉 が物理的な現象 
を言うのに対し、〈響き〉は聞こえ 



83 おどけ•男 


てきてからだに感じる情況も含め 
て言う。 

轟きは、〈響き〉のうち、遠くか 
ら伝わってくる大きくて比較的低 
い音を言う。 

鳴りは、〈響き〉と同義だが、比 
較的やわらかい音に多く用いる。 


おどけ 

,おどけ/茶目 r \ 剽® 
!?ぅ\滑稽^\ユーモラス— 

(使い分け例) 

おどけ…「人前でおどけを演じる。」 
「おどけ者。」 

茶目…「茶目っ気のある人物。」「この 


子はお茶目さんだ。」 

ひよ - つキ j ん…「彼はなかなかの^^ 
3者だ。」 

滑稽…演技をする。」「彼が表 
彰されるとは滑_だ。」 

ユーモラス…「彼のューモラスな態度 
にみんな笑った。」 


(どう使い分けるか) 

おどけは、「お道化」からきた言 
葉とも言われ、わざとふざけた真 
似をして人を笑わせることを言 

>つ0 

茶目は、無邪気ないたずらなど 
で人を笑わせる様子。子供などの 
かわいらしい動作を言う。 

ひよ-つキ J んは、気軽で面白いこ 
とばかり言つたりしたりする様子。 
〈おどけ〉は行動について言うが、 


〈茶目 X ひょうきん〉は性格的なも 
のをも言う。 

滑稽は、その場にいる人が思わず 
笑つてし まうよう な面白い ことを 
言ったりしたりする様子。また、 
その言動がくだらないので失笑の 
対象になるような、マィナスの評 
価を与える場合もある。 

ユ—モラスは、軽妙で面白い様 
子。〈滑稽〉と大体同義であるが、 
下品でなく、人間的で、マイナス 
のイ メージ はない。 


男おとこ 

I 男/男性^/男子^\ 男, 
; f の人^おのこ/野郎 S ぅ, 



脅す 84 


男男男 
子性 


〇〇〇 

卜1 
イ用 

レの 

1 ■〇 

丨? 

い 

1 〇_ 

権丨 
者有 

〇_ ■ 

行丨 
棒平 

〇〇 1 

員1 
職 

| 〇〇 

なす 

1て 
き 

〇 1 1 

g 丄 

事生 


男性は、青年期以後について用い 
る場合が多い。また、〈男〉に比べ 
いくらか敬意が含まれ犯罪者など 
には言わない。やや文章語的。 
男子は、男の子供を指して言う 
ほか、大人の男、また、特に立 
派な男について言う場合がある。 
最後は文章語。 


男の人は、〈男〉と同じ意味だが、 
多く女性が〈男〉を指して呼ぶ場 
合に使われる口頭語。 

おのこは、〈男〉の雅語的な言い 
方として用いる。 

野郎は、〈男〉をののしつたり冗談 
めかしたりして言う語である。 


脅す おどす 

#'す\脅1びかす/威嚇 r 
する\脅迫??ぅする\強迫 
?!ぅする/恐喝^ぅする 


〇 使い分け例〕 

脅す… 「刀を拔いて®^。」⑱脅! fjs か 
す。 

脅かす… 「平穏な生活を」 
「社長の地位を 

威嚇する… 「ピストルを空に向けて撃 
ち犯人を威嚇する。」 

脅迫する… 「爆破予告をして企業を 
脅迫する。」 

強迫する… 「強迫して遺言状を書か 


f 使い分け例〕 

男…「到の子。」 「 ml の世界。」「強盗の 
容疑で中年の周を逮捕する。」「細 
君に到ができる。」 ㊣ 女。 

男性…「立派な觀。」「壊会員。」 

「1 SS 歌手。」 ㊣ 女性。 

男子…の生徒」「成人!^ P 」 
「一^ r 従業員。」 ㊣ 女子。 

一生の仕事。」 

男の人…に助けられる。」 
おのこ…たるもの弱音は吐か 
ぬ。」1®おなご。 

野郎…ばかりの集団。」「馬鹿 a?l 
良」 


0 ど [51 使い 分けるか ) 

男は、人の性別の一つで女に対比 
される方を言い、最も一般的に用 
いられる語である。 




85 訪れる 


せる。」「強迫観念。」 

恐喝する… 「下級生を恐喝して金を 
巻き上げる。」 


/ -~ \ど-つ使い 分けるか ) 

脅す は、相手に危害を加える様 
子を見せて金品や行動を無理に 
要求する、の意。 

脅かす は、武力や実力を誇示し 
て、相手の安定した状態を損な 
わせる、の意。〈脅す〉が具体的 
な強要の言動が伴ぅのに対し、こ 
れは必ずしもその必要はない。 
威嚇す るは、〈脅す〉と大体同じ 
意味の漢語的な言葉であるが、 
相手に何かの行動を要求するので 
はなく、行動を規制することに目 
的がある。 

脅迫するは、 相手に害を加える 


旨を告げて何かを実行させようと 
する意で、刑法で用いる語であ 
る。〈脅迫する〉 は 相手に恐怖心 
を起こさせるだけの目的の場合に 
も用いるが、 恐喝するは、 主と 
して金品を奪う行為を言う。 
強迫するは、 相手を恐れさせて 
自由な意思決定を妨げる意で、 
民法上の用語。「_観念」 は 心 
理学用語で、意思に逆らって心中 
に割り込んで離れない病的観念。 


訪れる おとずれる 

I 訪れる/訪 - rfc ねる\訪問!!, 

する\来訪!^する\見舞れ 
う 


{ 分け例 j 

訪れる… 「母校を訪れる。」 

訪ねる… 「友人を会社に訪ねる。」 
訪問する… 「恩師の家を訪問する。」 
来訪する… 「友人が突然来訪する。」 
㊣往訪する。 

見舞|つ…「被災者を^ 


0どラ使 い分けるか ) 

訪れる は、人に会うためにその 
場所に行く場合に使う。 

訪ねるは、 〈訪れる〉と同義 だが、 
ょり口語的な言い方である。 
訪問するは、 改まった形で人の 
家などに行く場合に用いる。〈訪 
れる〉と同義の漢語的な文章語で 
ある。 

来訪するは こちらに会うために 
先方から来る、の意。 


L 




おとなしい•踊り 86 


見舞う は、病気や災害で苦しん 
でいる人を慰めに行ったり手紙を 
出したりする、の意。 


おとなしい 

1おとなしい\優料しい\穏印 

I やか/温和^\柔和巧ぅ— 

( 使い分け例 W 

おとなしい…「子供が おとなしく 遊 
ぶ。」「おとなしい人物。」 

優しい… 性格の持ち主。」 
穏やか… 「穏やかな人柄。-」「穏やかに 
話し合う。」「穏やか-*|海。」- 
温和… 「温和な性格"」「温和な天 
候。」®穏和。 


柔和… 「柔和な顔の老人。」 


n どう使い分けるか) 

おとなしいは、 動作や態度、性 
質が物静かで落ち着きがあり、逆 
らつたりしない、の意味。 

優しい は、素直でおとなしい、の 
意もあるが、思いやりや情があつ 
て好ましいの意もあり、この場 
合、暖かく包み込むよぅな感じが 
ある。〈優しい〉はほかに優美であ 
る、の意もある。 

穏やかは、 心が平静で、他と争 
つたり事を荒立てたりしない性質 
や様子を言ぅ。また、物事が順 
調で静かである状態も言う。 
温和は、 〈穏和〉とも書き〈穩や 
か〉のややかたい表現である。 
柔和は、 いかにも優しい顔付き 


で、相手に警戒感を与えない様子 
を言い、多く表情について使ぅ。 


踊り おどり 

1踊り/舞,舞踊3ぅ\舞踏— 

>>タンス\バレエ 
q 使い分け例 ) 

踊り… を踊る。」「阿波^^。」 
「盆^^。」「民謡^^。」子。」 
舞… 「能の _ を舞ぅ。」「獅子網。」「網 
姫。」「網扇。」 

舞踊… 「日本蠢。 J 「讀劇。」 

舞踏… 「1 W 会。」 

タンス… 「ダンスパ^ — ティ^ — 。」「フォ^ ~ 
クダンス。」 

バレエ… 「クラシック^一。」 




87 衰える 


G 5使い分けるか) 

踊りは、音楽などの拍子に合わ 
せて身体を動かし、喜怒哀楽の 
感情を表現するものを言ぅ。 

舞は、音楽などに合わせて身体 
を動かし、ある主題を象徴的、 
様式的に表現するものである。 
〈踊り〉よりも静かな動きを 主と す 
る。また〈舞〉は〈踊り〉より雅語 
的な感じがある。 

舞踊は、〈舞〉と〈踊り〉の総称。 
和風洋風を問わず広く用いる。 
舞踏は、西洋風の〈踊り〉を言ぅ、 
かなりかたい文章語。ダンスは、 
ほぼ同じ意味で使う日常語。 

パレエは、音楽に合わせて劇場で 
演じられる舞踊劇である。 ヨーロ 
ッパで発達した。 


衰ぇる おとろえる 

,衰ぇる M 叔抑れる/廃けれ— 
る\落ぉちぶれる\衰弱 
くする\衰微、 S ぃする 

q 使い 分け例 ソ 

衰える… 「気力が衰ぇる。」「容貌が衰 
ぇ^|。」「国の力が衰ぇる。」 
寂れる… 「町が®^てひっそりしてい 
る。」 

廃れる… 「流行が「伝統が_ 
れる。」 

落ちぶれる…「往年のスターも 
3た。」「落ちぶれたかつての名 
家。」®零落する。 


衰弱する… 「機能が衰弱力る。」「全 
身が衰弱する。」 

衰微する… 「文化が衰微する 。」 「H 
業力が衰微!^。」 


f ど-つ使い分けるか〕 

衰えるは、盛りを過ぎ勢いが弱 
まる、寂れるは、社会的に活気 
や生気がなくなり寂しくなる、の 
意。〈衰える〉は一般的に広く使 
われるが、〈寂れる〉は社会的状 
況を言い人の様子には用いない。 
廃れるは、人の勢いが衰える、 
などの意もあるが、それより、世 
間で使われなくなる、流行がや 
む、の意でよく使われる。 
落ちぶれるは、最盛期を過ぎて 
みじめな状態になる ことを 言い、 
人物や家.会社などに用いる。 




驚く 88 


落廃寂衰 
ち 

ぶ れれえ 
れ 

るるるる 


0000 

がし 

1 に 
せ 

' △〇〇 

丨町 

が 

• 1 ■ 〇 

が容 

丨貌 

1 〇 1 △ 

行長 
ギ髮 

丨の 

〇 ■ • 〇 

名 町 
家一 
ゲ番 

1 の 


衰弱するは、 〈衰える〉と同義の 
漢語的な言い方だが、体力や神 
経などについて用いることが多い。 
衰微するは、 〈寂れる〉と同義の 
漢語的な言い方で、国家や町あ 
るいは文化などの勢いのような社 
会的現象に用いられることが多 


L ' fl ぅする/仰天 H ぅする」 

(使ぃ分け例) 

驚く… 「大きな物音に 
びっくりする… 「値を聞いてびっくり 
する。」 

たまげる… 「暗がりから人が出てき 
たのでたまげた。」 

驚嘆する… 「役者の妙技に驚嘆す 
扣。」 

驚愕する… 「訃報に接し驚愕する。」 
仰天する… 「知らせを聞いて仰天す 
る。」「びっくりた0」 


驚くおどろく 

,驚く V びっくりする/たま, 
げる\驚嘆^1ぅする\驚愕 


(ど〇]使い分けるか) 

驚く は、予期しない事態に突然 
出会って、一瞬心が大きく動揺し 
たり感激したりする、の意。 
びっくりす るは、突然未知の事 


態に接して、心に大きな衝撃を 
覚ぇる、の意。〈驚く〉よりも動 
揺の度合いが強い感じがあるが、 
ややくだけた表現に使う。 
たまげる は、意識を失いそうに 
なるほど心に衝撃を受ける、の意 
で、〈びっくりする〉 より 更に口語 
的な表現に使われる。 

驚嘆するは、 よい出来ばぇや思 
いがけないすばらしい出来事に接 
して、大いに感激する場合に言 
う。〈驚く〉よりも感心している度 
合いが強い。 

驚愕するは、 〈驚く〉の意の漢語 
的な言い方であるが、悲しみ、恐 
れなどの気持ちを伴うことが多い。 
仰天する も、同じく漢語的な語 
であるが、意外性に接した瞬間的 
な単なる強い驚きの場合に使う。 



89 同じ•おののく 


同じ おなじ 

,同じ\同一球\同様线\| 

_同然ぢ\等$しい 

(使い分け例) 

同じ…「みんな服を着ている。」 
「^3,誤りを繰り返す。」「点数を^ II 
じにする。」「^!^条の飯を食う。」 
「彼も私も学校が^;^。」 

同一… 「 MT の服装をする 。」 「MT 
賃金を もらう。」 「同一人物0 」 
同様…「家族扱う。」「それと同 
棟の物と交換する。」 

同然…「紙屑副の書類。」「勝負はつ 
ぃたも 

等しい… 「一一辺の三角形。」「財 


産など無きに等しい。」 


(どう使い分けるか〕 

同じは、二つ以去物事の性質 
や状態に違いが認められない様子 
を表す。話題になつている二つの 
物事が別のものではなく一つのも 
のである場合も言ぅ。 

同一は、〈同じ〉と同義の漢語だ 
が、体言を修飾する場合に、〈同 
じ〉はそのまま、〈同一〉は 「^T 
の」の形になる。 

同様は、様子や状態がひどく似 
ている ことを言う。〈同一〉よりも 
類似性がやや少ない。 

同然は、実際には〈同様〉という 
ほど似てはいないが、根本的な性 
格において変わりがないという判 
断を表す。 


等しい は、二つのものの間に差異 
がなく一致した感じが見られる様 
子を言う。〈同じ〉〈同一〉の場合 
と違って、あれとこれとが一つのも 
のである場合に用いることはない。 


おののく 

I 戦 0 g く \わななく V 身震— 

岛るいする/身みの毛立1つ\ 

_戦慄^する 

f 使い分け例〕 

おののく… 「恐怖におののく。」 
わななく… 「緊張で全身が^^ 
<1。」 

身震いする… 「思っただけで身震いす 



お化け 90 


る。」 

身の毛立つ… 「余りの惨状に 
立つ思いがした。」®鳥肌立つ。 
身の毛が(も)よだつ。 

戦慄する… 「 gsF べき犯罪。」 


( どラ使い分け るかり 

おののく は、恐ろしさや寒さで 
ぶるぶると 体全体が震える場合に 
言ぅ。実際に体が震えなくても、 
非常に恐怖を感じる ときな どにも 
言ぅ。文章語的である。 

わななく は、恐怖や寒さなどで 
体の全体や一部分がぶるぶると小 
刻みに震える場合に言い、〈おの 
のく〉以上に文章語的である。 
身震いす るは、寒さ•恐怖や嫌 
悪感で体が震える場合に言う。持 
続するものではなく瞬間的に震え 


る 場合で ある。 

身の毛立つ は、恐ろしさで寒け 
がして肌がぞくぞくっとする、の 
意。寒さの場合には用いない。 
戦慄す るは、恐怖や怒りで体が 
震えるよぅな気持ちになる、の 
意。寒さによる場合には使わな 
い。文章語である。 


お化け ぉばけ 

1お化け/化ばけ物,怪物— 
漂/妖怪^/幽霊は/亡 

壽 

〇使い分け例) 

お化け…「早く寝ないとが出る 


ょ。」「お化け屋敷。」 

化け物…の正体を見る。」 
怪物…を退治する。」「彼は政 
界の®^である。」 

妖怪…「一®変化が現れる。」 

幽霊…「夜な夜な劃が出る。」 
亡霊…「毎夜0に悩まされる。」 


(ど-つ使い分けるか) 

お化けは、このグループ中最も平 
易あるいは幼児語的である。 
化け物は、動物などが別の姿に 
身を変えたもの、または正体の知 
れないものが現実にはあり得ない 
異様な姿で現れるものを言ぅ。 
怪物は、得体の知れない怪しいも 
のを言い、〈化け物〉の文章語的表 
現である。また、その言動や力量 
などが普通と大きく違つている人 



91 覚える 


暗銘記覚 
記記憶 5 
すすす X 
るるるる 


0000 

を金 
丨言 

〇 ' 〇〇 

数英 
多単 

〇 1 1 1 

1ま 
る 

11 〇〇 

す人 
ぐの 
丨顔 
を 

1 〇 △ ■ 

を師 

心の 

{ fl 


る•体得する、などの意はない。 
銘記するは、 大切なことを心に 
刻み付けて絶対に忘れないよぅに 
する、の意。「心に—」が慣用の 
言い方だが、同義の〈銘じる〉は 
「肝に—」と言ぅのが慣用である。 
文章語。 

暗記するは、 何も見ないでもそ 
の文句がそっくりそのまま復元で 
きるように覚える場合に言う。同 
義の和語〈そらんじる〉は、より 
文章語的である。 


暗唱するは、 文章などを暗記し 
ていて、見ないで言う、の意。 


物を指して比喩的に言う。 

妖怪は、何がそれに化けているの 
か分からない不思議なものを言 
う。〈怪物〉ょりも正体不明度が 
高い感じがある。 

幽霊は、死者の魂が迷い出たもの 
を言う。〈化け物〉と違い、人間 
の姿を取るとされる。亡霊もほ 
ぼ同じ意味で用いられるが、鎧兜 
WS を着用するなど生前の具体的 
な姿をしていることが多いという。 


覚える おぼえる 

覚える\記憶? s する/銘 
記^する/暗記^する/ 
暗唱54ぅする 


( 使い分け例 j 

覚える… 「単語を覚える。」 r 人の顔を 
覚える。」「こつを覚える。」「快感を 
覚える。」 

記憶する… 「心の奥に記憶する。」 
銘記する… 「心に銘記すべき言葉。」 

⑱銘じる。銘ずる。_ 

暗記する… 「テキストを暗記する。」 
® そらんじる。そらんずる。 
暗唱する… 「人の前で詩を暗唱す 
^>10」 


(どう使い分けるか) 

覚える は、認識した事項を頭に 
入れ、忘れないよぅにする、の 
意。ほかに、感じる、体得する、 
などの意もある。 

記憶するは、 〈覚ぇる〉の漢語的 
な言い方である。ただし、感じ 




お參りする•思い付き 92 


お参りする おまいりする 

—お参りする\詣 外 でる/参, 
_拝歆する/参詣はする — 

( 使い分け例 W 

お参りする… 「お宮にお参りする。」 
「祖先の墓にお参りする。」 

詣でる… 「毎朝氏神に一^^。」 

參_する… 「神社を参拝する。」 

參詣する… 「寺に参詣する。」 


q ど-つ使い分けるか ) 

お参りするは、神社 や寺院、墓な 
どに拝礼のため出掛けて行く、の 
意で でるは、 〈お参りする〉と 


同義の文章語である。 

参拝す る. 参詣す るは、 やはり 
同義の、漢語的な文章語である。 
神社の場合〈参拝する X 参詣す 
る〉のどち らも 用いるが、寺院の 
場合は〈参詣する〉を用いる ことが 
多い。 


思い付き おもいつき 

>思い付き\閃 I らき\着| 
,想 II ジ発想!?\アィデア— 

( 使い分け例) 

思い付 $…「よい思い付きだ。」「それ 
は思い付きの対策に過ぎない。」 

閃キ V :「ひらめきのある文章。」 
着想… 「一^が奇抜な小説。」 


発想… 「発想を転換する。」 
アイデア… 「いいアイデアだ。」 


(, どう使 い分けるか ソ 

思い付キ j は、ふと浮かんだ考え 
で、良い考えの場合もあるが、気 
まぐれな詰まらない考えという意 
味合いで言う場合もある。 

閃 $は、瞬間的にぱっと浮かんで 
くる優れた考えを言い、良い意味 
で用いられる。 

着想は、 ある事業や計画を始め 
たり進めたりする上での工夫を言 
ぅ。〈思い付き〉ょりも大きな構想 
をもった事柄に使ぅ。 

発想は、 その問題をどう扱うか 
についての考えで、〈着想〉がもっと 
進んだ状態を展望しているのに対 
し、初期の段階で浮かんだ工夫を 


93 思い遣り•表 


言ぅ。また、芸術作品などで思 
想を、ある形に表現することなど 
の意味の使われ方もする。 
アイデアは、〈着想〉とほぼ同じ 
意味で用いられる外来語だが、く 
だけた感じである。 


思い遣り おもいやり 

,思い遣り\ 情 S 4 け\同情— 

,我>哀祕れみ\憐憫 ^I 

〇使い分け例 W 

思いやり…「思いやりのある人。」 
情け…「一^があだとなる。」 

同情…「同情を寄せる。」「被災者に 111 
清する。」 

哀れみ…を請う。」 


憐傾… 「憐聞の ' If を崔す。」 


c ど う使ぃ分け るか ) 

思いやりは、人の身の上や気持 
ちを推し量つていたわることで、 
同情は同義の漢語。日常的には 
後者の方がよく使われ、対象への 
感情もより直接的である。 

情けは、人間としての温かい感 
情の意で、やや古風な語。「 I を 
交わす」という場合は男女の愛情 
のこと。 

哀れみは〈憐れみ〉とも書き、か 
わいそうだと思うこと。隣憫は、 
同義の漢語でかたい文章語。これ 
らは〈思いやり〉や〈同情〉よりも少 
し高い所から対象を見ている感じ 
がある。 


表ぉもて 

I 表/表面 g : r \ 外面ば/外— 
,面11\上辺?ゎ 

G 使い分け例) 

表…「葉書の'^に書く。」「畳の SI を替 
える。」「¥で遊ぶ。」「判の理由。」 
㊣ 裏。 

表面…「地球の WW 。」 「水の WW 。」 
「表面を繕ぅ。」 

外面ば…「詔は立派な建物。」「州 
面的な美しさ。」® E 面。 
外面?^.:「そとづらはいいが家では暴 

君だ。」窝面?|。 

I つわべ… を飾る。」「人間は 91 
_だけでは分からない。」⑯ぅわ 




趣 94 


2 外外表表 
わ面面 

ベ 1! H 面 


00000 

の物 

1 事 

''' △〇 

T1 

1 1 1 〇 • 

の地 
丨球 

' 1 〇〇 1 

さな 

〇 ■ 〇〇 • 

0 1 
繕を 
う取 

I 〇 • I I 

で丨 

はは 

暴よ 

君く 
だ家 


うわべは、物の外側に現れていて 
見える部分を言う。,1外面.^〉の 
日常語と言える。同義の〈うわつ 
ら><うわつつら〉は、やや俗語的 
な感じがある。 


使い分け例 


寧: 「趣のある庭園。」「話の趣は承知 
した。」 

厶—ド…「其の場のムードを損な 
ぅ。」「険悪なムード。」 

雰囲気… 「職場のが明るい。」 
情趣… の深い邦楽。」 

風情… 「寂しげなでたたずんでい 
る。」「退屈そぅな風情で居る。」 
情緒… 「下町の SW 。」 ㉚ 情調。 
が安定している。」 


趣 おもむき 

,趣/ ムード/雰囲気^/ 情, 
趣 ばぅ\風情$ぃ\情緒 ^' ぅ. 


どう使い分けるか 


趣は、何かが釀し出されていて、 
しみじみと感じられる味わいを言 
う。また、物事の主旨を言うこ 
ともある。やや文章語的である。 
厶—ドは、その場に釀し出され 


つら。うわつつら。 


0どう使い分けるかし 
表は、舞 する 二つの面のうち、前方. 
外側.正式.正面など、そのものの 
代表的な面や見えている8^を一 一ー ロう0 
表面は、そのものを形成している 
一番上側や外側の部分、つまり 
外から見ることので きる 面を言 
う。物体の場合、表面•裏面を対 
語と言うことは必ずしもできない。 
外面^:は、〈表面〉ょりも、外に 
向かって見せょうとする面という 二 
ユアンスが強い。内実の伴わない見 
せかけの意を含む場合も多い。 
外面1?は、〈外面15>と同じ意味 
のほか、特に、身内でない外の人 
に対するときの態度の意がある。 
やや俗語的な言葉。 





95 親方 


る気分や状態を言う。〈趣〉が主 
として良い状態を言うのに対し、 
良否にかかわらず用いる。日常 
語。 

雰囲気は、〈ムード〉よりややか 
たい表現として用いられる。 
情趣は、しみじみと心を打たれ 
るような好い味わいのある様子を 
言い、〈趣〉よりさらに文章語的で 
ある。 

風情は、その場の情景から感じ 
られる風流でいかにも好ましい様 
子を言う。〈情趣〉と同じ意味で 
使われるほか、単にそこから受け 
る感じも言う。 

情緒は、感情や心の動きを誘い 
出すその場の気分的環境である。 
心理学では、喜怒哀楽などの心 
の動き (= 情動)を言う。 


親方ぉゃかた 

,親方\親父 0 |'\親分茂\, 
巨頭|!\首脳找\旦那 
,(檀那)1ん V ホス/マスタ1 


( 使 い分け例ソ 

親方…「萄の世話になる。」 

親父…「ぅちの^:^。」「課長から蚓 
やじに頼んでください。」 

親分…「山賊の!^。」「_風を吹 
かす。」®首領。|@子分。 
巨頭…「政界の SM 。 」「§会談。」 
首脳… 「 SM 部。」 「 SM 会議。」 
旦那…「うちの_さんは優しい。」 

ボス…「背後に到がいる。」「到政 


治。」©顔役。領袖。 
マスタ! •「酒場の マスター。」 


〇ど5使い分 けるか ) 

親方は、その社会で後継者を指 
導.養成する責任を持った立場の 
有識経験者を言う。職人の棟梁 
や芸人の主人、相撲の年寄りな 
どの ことである。 

親父は、子が父親を言うほか、 
店•会社などの主や長を言ったり、 
単に中年すぎや老年の男を指して 
言ったりする。いずれもくだけた 
言い方である。 

親分は、徒党を組んで行動する 
集団の頭を言う。悪事を働く集 
団に用いることが多い。 

巨頭は、大きな組織の中で最も 
重要な位置にあり、実権を持って 



及び 96 


いる人物の一人一人を言う。 
首脳は一人一人でない集団をも 
言う。〈巨頭〉とともに文章語。 

日|那は、使用人の側から言う自 
分たちの雇い主、商人の得意先や 
客、妻に対する夫、一家の主人、 
取り締まられる側から言う警官 
など色々に使う。ただし男に限ら 
れる。 

ボスは、日本では普通〈親分〉の 
意味のくだけた言い方である。 
マスタ—は、もともと熟練者の 
意味であったが、今は商店や酒場 
の経営者や店長•支配人などを呼 
ぶ言葉として用いられている。男 
に限る。 


〔注意〕〈旦那〉はもと梵語で寺院の 
施主の意味である。その意味では「擅 
那」と表記する。 


及び および (〇又は) 

I 及び/並5びに\又**\且か| 
,つ\乃至 S ぃ 

(使い分け例;! 

及び…「本体^^付属品。」 

並びに…「新聞放送で発表す 
る。」「淑女^^紳士諸君。」「父及 
び母並びに親族。」— 

又…「詩人でもありまた彫刻家でも 
ある。」「食べてもよい。また食べな 
くてもよい。」 

且つ…「驚き:^喜ぶ。」「必要^^十 
分な条件がそろう。」 

ないし… 「修業年限は三年^: J 五 
年。」「東京^^横浜から出港す 


る。」 


(どう使い分けるか) 

及びは、前に述べた事柄に、同 
じ条件にあり、同じ範囲に含めら 
れるものを付け加えて述べるとき 
に用いる。 

並びには、〈及び〉に似ているが、 
二つの事柄を同列対等に置いて述 
ベる ときに 用いる。〈及び〉の場 
合、前後のものは必ずしも対等で 
ない0 

又•且つは、接続詞としては、共 
に上に述べた事柄のほかに、別の 
観点の事柄も共存することを表 
すと きに 用いる。〈且つ〉のほうが 
文章語的である。なお、〈又〉は、 
二つの事柄がどちらをとっても同 
じだという場合にも ffi う。 



97 降(下)りる 


ないしは、「甲—乙」といぅ場合、 
甲から乙まで、の意で、範囲を限 
定することを表す。また、「また 
は」「あるいは」と同じ意味でも使 

われる。かたい文章語。_ 

〔注意〕 いずれも接続詞としてのみ取 
り上げたが、〈又〉〈且つ〉にはそれぞれ 
副詞としての別の意味がある。 

降(下)りる おりる 

I 降(下)りる/落*ちる/下1 
さがる\下$;る\下降 r す 
る 

(使い分^!^ 

降りる… 「山を降りる。」®登る。 


「霜が降りる。」「車を降りる。」「職 
を降りる。」 

落ちる… 「階段から^^。」「成績が 
急に落ちる。」 

下がる… 「ズボンが」「物価が 
下がる。」「成績が ㊣ 上 
がる。「三歩一^5。」 

下る… 「坂を!^。」「天竜をる。」 
「東海道を P 。」 ㊣ 上る I ° 
下降する… 「気球が下降する。」「水 
銀柱が下降す別。」「物価が1^¥ 
る。」 ㊣ 上昇する。 


(ど-つ使い分けるか ) 

降りる は、人間や物体などが下 
方に向かって移動し、今までより 
も低い位置に到達することを言 
う。人の場合、意図的な動作で 
ある。また、中から外に出ること 


や位や役目から退くことにも用い 
る。 

落ちる は、人•物体などが重力で 
自然に下方へ移動することや、急 
速に一挙に低い位置や段階に行く 
ことを言う。 

下がる は、一方の位置や段階に 
対してょり低い位置や段階に変わ 
つたことが認められることを言う。 
抽象的な価値や度合いの移動にも 
使われる。〈,降りる〉が起点から 
離れて移動' T - ることに重点があ 
るのに対し、〈下がる〉は移動の結 
果の?!1-達点に重点がある。 

下る は、高い位置から低い位置に 
向かつて移動することを言い、川 
の上流から下流へ、また都や駅の 
起点から遠ざかることにも用い 
る。〈降りる〉ょりも移動の経路 
が長い場合に使ぅ。 



終わり 98 


下下落降 
がちり 
るるるる 


〇 1 1 〇 

1 山 

を 

〇 • 1 ' 

1 川 
を 

_ 1 △〇 

を階 

1 段 

|| 〇〇 

に 一 ■ 
丨階 

1 〇 • 1 

が値 
丨段 

_ 〇〇 ■ 

が成 
丨績 

■ ' ' 〇 

丨車 

〇 ''' 

T 藿 


下降するは、 〈降りる〉とほぼ同 
義の漢語的な言い方だが、かなり 
高い所から下方へ移動する場合の 
使用が多い。 


終わり おわり 

,終わり/仕舞(終)* U い\, 
終末益ぅ\終了以:/終結 
ぬう/終焉^ぅ\最終 tsi > 

最後3\最期3\果はて\ 

末ジ末尾2っ\ラスト 


使い分け 例 ノ 

終わり… 「仕事はこれで二 
年の終 g 。」 「手紙の終ゎり。」 
㊣ 始め。初め。始まり。 

仕舞い… 「映画をまで見る。」 
「店を仕舞いにする。」 

終末… 「事件はを迎えた。」® 
結末。 

終了… 「行事のは四時である。」 

終結… 「戦争は WW に向かぅ。」® 
終決。終息。 

終焉… r 英雄のの地。」 

最終… r 麵の電車。」「顏回。」 
最後… 「本日義の番組。」「列の«| 
後の人。」 ㊣ 最初。 

最期… 「木曽義仲の liw 。」® 臨 
終。末期。 

果て… 「地の^ 7 から現れる。」「旅路 
の果て。」「一^のない欲望。」 


末…「今月の末には帰国する。」「末は 
博士か大臣か。」「¥の問題。」 
末尾… 「名簿の顏に加える。」 

ラスト… 「映画のラスト。」「ラストで 
ゴ^—ルインする。」 ㊣ トップ。 


0どラ使 い分けるか〕 

終わりは、何か連続してきた物 
事が、これ以上先には続いていか 
なくなること、また、そういう一 
番端の部分。 

仕舞いは、今までやつていたこと 
にかたを付けてやめることで、あ 
る行為におけるひと区切りについ 
て言う。 

終末は、いろいろな経過をたどっ 
た事件や物語の結果が出る部分 
を言う。 

終了は、終わること•終えること 




99 恩 


の意の漢語。行為•動作の〈終わ 
り〉であり、「一年の—」「手紙の 
I 」とは言わない。 

終結は、今まで難航していた事 
態や物事が解決する段階に来る 
ことを言う。論理学では、仮説 
から推論によつて得られる結論を 
言う。•以上三語は文章語。 

終焉は、静かに落ち着いて生命 
を全うし死ぬ、の意の漢語。ま 
た、安定した老後を言う こと も 
ある。非常にかたい文章語。 
最終は、時間的にみた最も後の 
部分をいい、最後は、空間的に 
並んだ順番の最も後の部分をも 
言う。最期は、生命の尽きる時 
のこと で、人の死について用いる。 
この 意味で〈最後〉を使っても誤り 
ではない。 

果ては、自分の位置から見て一 


番遠い端の部分を言う。また、 
物事をし尽くしたところ、行き 
着いたところの意にも用いる。 

末は、ある期間や区間の一方の 
端で、自分にとって遠い方の部分 
を言う。また、余り大切でない方 
の部分を言うこともある。 

末尾は、文や番号などひと続き 
のものや、表や列の順番な t ' の後 
ろの方を言う。 

ラストは、〈最後〉のくだけ-*言 
い方として、またスポーツ用語と 
して用いる。 


恩おん 

1恩/恩恵誌\恩義^/ 恩, 
,顧^'\恩典 If 


(使い分け例) 

恩… 「親や師の®|。」「®!を忘れる。」 
「 SI を与える。」「剧に着せる。」⑱ 
恵み。お蔭。— 

恩恵… 「天候の翻を受ける。」「法の 
恩 BI に浴する。」 

恩義… 「 Mil を感じる。」 

恩顧… 「日頃のに感謝する。」 
恩典… 「大赦の屬にあずかる。」 


〇 ど 51 使い分 けるか ) 

恩は、目上の者が相手のためを 
思って純粋な気持ちでする、情け 
深い言動を言う。日常語。 

恩恵は、自然や公共団体などが 
与え、その人が豊かで幸せになる 
ょうな状況や行為を言う。〈恩〉 
が個人的な関係を主とするのに対 



女 100 


し、〈恩恵〉はもつと広い立場を含 
んだ言い方である。 

恩義は、人から受けたありがたい 
行為で、報いて返さなければなら 
ないと心の中で感じているものを 
言ぅ。 

恩顧は、目上から掛けられた情 
けや恵みのことで、文章語的表現 
である。 

恩典は、情けや恵み深い処置や 
制度のことを言う。 

〈恩〉以外の四語は文章語である。 


丨34おんな 


,女/女性 だ\女子 S よ/掃, 
,人'3 A 女子 g な\乙女^' 


(! ®i : 1> 汾: b:0yi} 

女…「¥の子。」「却の園。」「まだ却を 
知らない少年。」 r 彼の却。」「*1す 
り。」 ㊣ 男。 

女性…「_の社会進出。」「_解 
放運動。」「女性議員。」 ㊣ 男性。 
女子…「女子大学。」「女子プロゴル 
フ。」従業員。」 ㊣ 男子。 
婦人…「こちらのご^方。」警 
察官。参政権。」 

おなご…衆の仕事。」 

乙女…「€の感傷。」 


(ど5使い分けるか) 

女は、人の性別の一つで男でない 
方をいい、最も一般的に用いられ 
る日常語である。 

女性は、青年期以後について用い 
る場合が多い。〈女〉は、男が特に 


恋愛や性の対象としての意で使つ 
たりするが、〈女性〉にはそれがな 
い。また、わずかに敬意が込めら 
れているょうである。やや文章語 
的である。 

女子は、子供や若い女について言 
うが、成人した女に用いることも 
ある。後者は複合語の場合が多 
く、文章語的である。〈女性〉のょ 
うな敬意は感じられない。 

婦人は、成人した女で、〈女性〉 
に比べ、更に少し敬意が感じられ 
る一方、やや古い感じもある文章 
語である。 

おなごは、〈女子〉の古風な言い 
方で間東ではあまり使わないが関 
西では日常語的である。 

乙女は、少女や、若い清純な女 
性を言う語である。 


101 改革 


□ 

改革 かいかく 

|改革\変革ね\革新け\, 
改良尨ぅ\改善^\革命 

1I 

f 使い分け 例 — W 

改革… 「社会制度を改革する。」「機 
構の_を図る。」— 

変革… 「日本経済が顆を遂げる。」 


「選挙民の意識を変革する。」「社会 

の園期。」 

革新… 「保守と@¥。」「技術を® 
する。」 「 WS 的な意見。」 ㊣ 保守。 
改良… を加えて、騒音の少な 
い機械にする。」「米の品種を^^ 
扣。」 

改善… 「食生活の劃。」「体質劃 

を図る。」「会議のやり方を改善す 
^10」 

革命… 「自由と平等をぅたい革命を 
起こす。」「フランス壽。」「産業割 
制。」 


(どう使い分けるか〕 

改革•変革は、ほぼ同義で、入 
れ換え可能なヶースが多いが、 
〈改革〉は制度.機構•方式など、 

形のはつきり定まつているものにつ 


いて言うことが多く、〈変革〉 は 比 
較的形のはつきりしない大きな物 
事について言うことが多い。 また 
「する」をつけて動詞にする場合、 
〈改革する〉は他動詞だが、〈変革 
する〉は自動詞•他動詞両方に使 
える。 

革新 も、前二語と非常に似てい 
るが、これまでの古いやり方やあ 
り方を新しいものに変えるという 
点を強調した言葉である。制度 
や機構などについても使うが、慣 
習•因習などの打破という意味合 
いで使う傾向がある。 

改良•改善 は、 よりよ く変える 
点で似るが、〈改善〉がやり方.あ 
り方な どを 変えてよい方向へと持 
つていくのであるのに対して、〈改 
良〉は形を持つ物について用いるこ 
とが多い。「生活の仕方を^¥ 




会議•外人 102 


改改革変改 
善良新革革 


〇△〇〇〇 

を古 

1 い 

す制 
る度 

■〇 1 1 〇 

丨農 
地 

1 〇〇 1 ■ 

丨技 
術 

1 • ' 〇 > 

の意 

丨識 

〇 ' 1 '' 

丨生 
活 

1 1 〇 •' 

党丨 

政 


る」とは言わない。 


革命は、社会の根本からの重大 
で全体的な変革•改革を言う。比 
喩的には「意識—」などのように広 
く 使う。 

〔注意〕 この六語 中、〈革命〉 だけは 
「する」がついて動詞となることがない。 


会議 かぃぎ 

,会議\協議' r ぅ\合譲一 rv 
|会談筇\審議れん 


( 使い分 け例 ) 

会議… Rit を開いて運営方針を定 
める。」「役員たちが会議する。」 
協議… 「三者の代表が協議する。」「姻 
_離婚。」 

合議… 「共有の土地を、^11の上で 
売却する。」「合賺して決める。」 
会談… 「各国の首脳が集まって^^ 
«»|。」「巨頭^^。」 

審議… 「税制問題を審議する。」「中 
央教育会。」「予算 WM 。 」 


(どう使い分けるか) 

協議は、対立的でまとまりにくい 
問題に各当事者の意見にかなった 
解決を得るための協調的な話し合 
いであることが多く、〈合蠢〉とと 
もに話し合いの手続きや形式には 


こだわらない。 

会議は、三人以上集まるのが普 
通だが、〈協議〉〈合議〉は二人の 
話し合いでもよい。 

合議は 〈会議〉より、また比較的 
〈協議〉よりも公的な意味合いは 
薄い。 「SM 会」 「WII 会」の言葉 
はあるが「¢11会」とは言わない。 
会談は、 組織の代表者が公的な 
立場で話し合うこと。 

審議は、提出された原案について 
検討.評議する意味が加わる。 


外 A がいじん 


外人/外国人 ^?/異邦, 

I人 尨ぅ \異人叫 ん 



103 改正 


(一使い分け例) 

外人…「日本にも^^が多く住んで 
いる。」 ㊣ 邦人。 

外国人…の観光客。」 
異邦人…「彼のょぅな人は、我々の 
中では異邦人と言える。」 

異人…「我が国にもかつて簡の残し 
ていった文物がある。」館。」 
「長崎の、昔さんの住んだ 
館。」 


(■ どう使 い分けるか ノ 

外人は、外国人を略した俗語。 
公的な言葉としては〈外国人〉を 
使う。 

異邦人も、もとは外国人の意だ 
が、今では、自分のよく知らない 
ゆかりのない類の人を比喩的に言 


うことが多い。〈外国人〉より文章 
語的である。 

異人は、古風な言い方で、特に 
西洋人を指した。 


改正 かぃせぃ 

,改正/改定 T*> / 改訂 2 V 
|修正益ぅ\訂正な 

c 使い分け例ソ 

改正..•「条例(条約)を改正する。」 
「鉄道ダィヤの」「規約 MW 。 」 
改定…「運賃の MW 。」 「価格を 
する。」 

改訂…「辞書を改訂する。」「§5版。」 
修正…「法案を修正する。」「軌道_ 


正。」 

訂正…「誤字を訂正する。」「先の報 
告に訂 II を加える。」 


¢5使い分けるか VV 

いずれも改め直す意。 

改正•改定は、法令.規約などに 
ついて多く用いるが、〈改定〉はそ 
の場合、主に数値の変更について 
使う。 

改訂は、現在では多く書物の内容 
などを改め、作り直す場合;^う。 
修正は、完全に誤りとは言えな 
いものを、よりよく直すことを言 
う。また、法案.議案など、「案」 
の段階で直すのは〈修正〉である。 
訂正は、言ったり書いたりして発 
表したものの間違いを正すこと。 
書物の場合、〈改訂〉のように書 



概要 104 


訂修改改改 
正正訂定正 


00000 

-r is 

るを 

1 △〇〇〇 

る的 
に 

1 1 1 1 〇 

の条 

1 約 

•■• O ' 

の料 

1 金 

1 1 〇 •' 


' 〇 ' •' 

1軌 
道 

〇 1 1 1 1 

の発 

丨言 


物そのものを作り直すわけではな 
い。〈修正 X 訂正〉は器物や機械 
などの故障•破壊を直して復元さ 
せることや、仕組み•社会体制を 
直すことには言わない。 


概要 がいょぅ 

(〇趣旨。大体。要綱) 

I 概要\概略1 iA 大意 I ぃ\| 

要約れ\粗筋5|\大綱 
_誌\アウトライン 


0使い分け例 W 


概要…「事件の概要。」「会社の酬 
到。」 「1 W 次のよぅに話した。」 
©大要。 

概略…「経過のを説明する。」 
「講義の® wL _° r ® w それでよろし 
い。」「商店は® w 閉店した。」® 
大略。 

大意…「文章の顏をまとめる。」「話 

のをつかむ。」 

要約…「共同声明の园をのせる。」 
⑱要旨。「内容を要約する。」 
粗筋…「源氏物語のあらすじ。」⑱ 
梗概尨〇 

大綱…「計画の大綱ができる 。」㊣ 
細目。 

アウトライン… 「論文のアウ^^ 
ン。」「計画のアウトラインを描く。」 
㉚ 輪郭?!。 


ハどう使い分けるか;} 

概要と概略は、簡単に言えば共 
にあらましで、ほとんど同義であ 
る。ただ、両方とも副詞的用法 
があるのだが、前者はその場合、 
言語活動を示す言葉の修飾に限 
られ、後者は、例のよぅにそれ以 
外の使用例がまれにある点が異な 

っている。 

大意は、文章や話のあらましで、 
後の〈粗筋〉に近いが、小説やドラ 
マなど以外の文章について言ぅこ 
とが多い。 

要約は、文章などの要点をつかみ 
まとめること。またそうしてまと 
められた言葉(文章)。後の意で 
は〈要旨〉と同義になる。また、 
〈大意>とも近いが、<大意 y がぃわ 






105 会話 


華寧談談談談華 m 


「会話がはずむ。」「英会話。」 
「親子の^一が欠けている。」 
「採用は围の上で決める。」 
の内容を公表する。」 
「両国の首脳が会談する。」 
「三党首が鼎談する。」 

「3^の名手。」会。」 

「譲室〇」「総理の議〇」 


会話 かいゎ 

,会話/対話 r \ 面談 ^V 
対談会談^/鼎談 
筇\座談^\談話|ん\懇 
,話 to x \ 懇談 fx 


f 使い分け例) 


懇話…「俳文学懇話会。」 
懇談…「父兄と懇談する。」 


ハど 5使い分けるか W 

会話は日常生活における話のや 
りとり、対話は二人が向かい合っ 
て話すこと、面談は面会して直 
接に話をすることを言う。 

対談は二人で向かい合って相談し 
たり、特にあるテーマについて語 
り合つたりすること、会談は面会 
して話し合うことであるが、責任 
ある立場の者の公的な場合に使う。 
鼎談は三者会談の意(鼎 S なは三 
本の足のある器)。 

座談は数人が同席して気楽に話 
し合うことで、「 I 会」はある問 
題について自由に形式ばらずに話 
す会合を言う。談話はくつろいで 


ば元の文章を相似形で縮小した 
感じがあるのに対して、〈要約〉は 
結論に重点を置き、その他の部 
分は大きく略している。 

粗筋は、小説•戯曲などのストー 
リーのあらましを言い、論説文や 
説明文などについては言わない。 
同義語の〈梗概〉はかなりかたい文 
章語で、〈粗筋〉は日常語。 

大綱は、計画•方針•法案などの 
全体の最も基本的な骨組み。箇 
条室日きし得るようなものである。 
アウトラインは、〈大綱〉に近い 
が、〈大綱〉よりラフな感じがあ 
る。本来の意味は、物体の周囲 
の形を表す線=輪郭であり、〈輪 
郭〉ともども、物事のあらまし、 
の A 思に使われている。 






変える 106 


話をするという意と、公的な事柄 
について形式ばらないで行う意見 
の発表という意とがある。 

懇話と懇談はどちらも打ち解け 
て じつくりと 話し合うことで、全 
く同義と言ってよいが、前者は「— 
会」という形以外にあまり使われず、 
後者には相談するというニュアンス 
を含んで使われる場合がある。 


変える かえる 

,変える \換 (替)かえる \ 代, 
かえる/ 改 fc l める \変更12 

する/交換 tl する/変換 
t 2 する\交替(交代)^ 
する 


广 Iffil い分け例) 

変える… 「顔色を変える。」「態度を 
変、を。」「方針を変える。」 

換(替)える… 「机の脚を」「パ 
ケッの水を換える。」「宝石を金に ^I 
え^>|。」「言い換える。」 

代える… 「挨拶に」「何物も命 
には代えられない。」 

改める… 「日を^^て参上します。」 
「態度を「金額が正しいか 
どぅか改める。」 

変更する… 「予定を変更する。」「決 
定を変更する。」 

交換する… 「部品を交換する。」「知 
換条件。」「意見を交換する。」「チリ 
紙_。」 

変換する… 「光を電気に変換する。」 

「漢字寒」 

交替(交代)する: •「勤務を^^ 


る。」「選手交代。」 


(ど5使い 分けるか ) 

変える は、そのもの自体の様子 
やあり方をかぇる場合に使う。例 
ぇば状態•性質•位置•考ぇ方な 
ど。 

換(替)える•代える は、そのも 

のとは別の他の何かにかぇる、の 
意。中で、〈代ぇる〉は、本来そ 
うでない他の役目をさせる、代 
理•代用をさせる、の意。 

改める は、あり方•やり方を特に 
新しくする、改善するなどの意 
味合いで使うことがある。検査す 
る、吟味する、などの意も表す。 
変更するは、 ほぼ〈変ぇる〉と同 
義の漢語的表現と言ってよい。た 
だし、「顔色を—」などとは言わ 


107 返る 


ない。 

交換するは、ものとものとを取 
り換える、引き換える、の意だ 
が、物質とは限らず「意見を—」 
などの使い方もある。 

変換するは、物事を別の性質の 
ものに変える場合に使ぅ。ほとん 
ど物理.数学などの分野に限ら 
れ、人間の性質•態度などを変え 
る場合などには使わない。 

交替(交代)するは、一つの任務 
で人がかわる場合に使う。 


返る かえる 

,返る\帰$る/戻 s る/引ひ. 

き返がす 


nlffil い分け例) 

返る…「貸した金が_。」「北方領土 
が^^てくる。」「軍配が^^。」「答 
えが返ってくる。」 

帰る…「客が帰る。」「旅から帰る。」 
「外国で生まれた子が両親の国に ®I 
扣。」「一週間ほど実家に^^。」 

戻る…「盗まれた金が0。」「交差点 
に「来た道を少し_。」「体 
力が元に「夫と別れ実家に 

引き返す…「途中から引き返す。」 


「ど-つ使い分けるか) 

返るは、物や事が元の所に移る、 
また元の状態になる、の意。返 
事が来る、上下.表裏が逆にな 
る、などの意もある。 


帰るは、人や動物が、元の場所 
や本来あるべきところに移る、の 
意。物については言わないが、乗 
物は例外。ただし「船が港に—」 
などは擬人法とも言える。 

戻るは、人にも人以外の物事に 
も使われ、〈返る〉〈帰る〉と同義 
で使われる場合も多い。しかし、 
〈戻る〉の動作の到達点は単に前 
に居た所であるのに対して、〈返 
る〉〈帰る〉では、本来 あるべき 所 
の意味合いがある。外国生まれの 
子供が初めて祖国に行くのに〈帰 
る〉を使い得るのはそのためであ 
る。 また 〈帰る〉 は、 人などの位 
置の移動であるが、〈戻る〉は状 
態•性質が元のようになる場合に 
も使う。「実家に1^5」というの 
は、単に体が移動するだけでな 
く、家族関係の変化を意味する 



顔立ち 108 


戻帰返 
るるる 


〇 - 〇 

が 貸 

1し 
た 
金 

〇〇 ■ 

家 

に 

1 

• ■ 〇 

我 

に 

1 

_〇 • 

来 

客 

が 

1 


が、「実家に帰る」ではそういう意 
味にはならない。 


引き返すは、人•動物.乗物につ 
いてのみ使われ、その場合の<一民 
る〉と共通する用法が多いが、違 
いは、〈引き返す〉が目的地まで行 
かずに途中から進行経路を逆行 
する場合にだけ使われる ことで あ 
る。 


顔立ち かおだち 

1顔立ち\顔付1 き/容貌, 
fl \ 顔 f はせ/表情 K :/ 


L 相好爲 」 

( 使い分け _w 

顔立ち…「整った一^。」「子供っぽ 

ぃ SW 。」 

顔付き…「険しいになる。」「真 
剣な顔付き。」 

容貌…「園の優れた人。」「園魁 

偉。」 

かんばせ…「花のかんばせ。」 

表情…「明るい WW になる。」が 
豊かだ。」「気持ちを一^に表す。」 
「表情をとらえる。」 

相好…「孫を見てうれしさに相好を 
崩す。」 


{どう使い分けるか) 

顔立ちは、その人その人に大体 


きまった顔の様子の意。顔のつく 
り。目鼻立ち。対して、顔付き 
は、その時その時の表情の感じを 
言うことが多い。 

容貌は、〈顔立ち〉の意の漢語で 
文章語。 

かんばせは、顔の様子。〈顔立 
ち〉が形について言うのに対して、 
色なども含めて言う。日常語と 
してはあまり使わない雅語的な言 
葉である。「花の—」は美しい顔の 
ことを 言う。 

表情は、〈顔付き〉とほとんど同 
じ意だが、顔だけでなく、しぐ 
さ.態度などに表れたものを含む 
場合がある。 

相好も顔付き、顔の表情の意だ 
が、「—を崩す」 という 慣用句で使 
うことが多い。 



109 かかわる•垣根 


かかわる 

fi (関) t わる/関係 Kt す— 
る/関 W する/関連过す 
る\掛かかり合ぁぅ\関与 

かんする 

ハ■い分 け例し 
かかわる… 「君の仕事に僕が: 
d 。」 「人権にかかわる問題だ 。」I 
関係する… 「私はその仕事に関係す 
d 者です。」「天候が生産高に 
^5。」「事件に MS がある。」 
関する… 「植物に関する詳しい知 
識。」「我ずという態度。」 
関連する… 「今の話題に関連する発 


言でしたら、どぅぞ。」「関連会社。」 
掛かり合一つ… 「他人のことに掛かり 
3たくない。」 

関与する… 「今回の事業計画に我々 
も関与する。」「犯行への PI 与。」 


(ど-つ使い分けるか) 

かかわる と 関係するは 同義の和 

語と漢語的な語。 関する も同義 
だが、文章語的である。 関連す 
る もほとんど 同義だが、〈関す 
る〉に比べかかわりあう二者の間 
はわずかに距離が大きい感じがあ 
る。例えば「花に話」と「花 
に関連する話」では、前者は花そ 
のものの話でもょいが、後者は花 
に関係のある、しかし、花そのも 
のではないものの話というふうにな 
る。〈かかわる X 関係する〉は「事 


件に—人」と言えるが〈関する〉 
〈関連する〉は普通そぅいぅ言い方 
をしない。 

掛かり合 うは、人が物事や人と 
かかわる•携わる ことに 言い、「生 
物に—資料」などとは言わない。 
関与す るは(人が)直接にかかわ 
り入り込む、参画する意。 

〔注意〕 〈関する〉は普通終止形で使 
わない。 


垣根 かきね 
—垣根/塀/垣,囲;*>い\ス 

1エンス 

C 使い々! S :: 例') 

垣根… 「竹を編んだ:^。」「填根越 





書く no 


しに話す。」 

塀… 「刑務所の高い_。」「土_。」「板 

_。」 

垣:: .. ggli 「竹,^11-—「生け域。」「玉 
垣。」「みず_。」「|®!越し。」 

囲い… 「家のまわりに M 3 をする。」 
フェンス… 「フヱンスを張る。」「アルミ 
フヱンス。」「金網の 


(どう使い分 けるか d 

垣根•塘はいずれも自分の家や屋 
敷とそれ以外の土地とを仕切る 
囲い。〈垣根〉は木や竹などで作る 
簡単なもので比較的低く、すき 
間も多い。〈塀〉は土.石.板.コン 
クリート.ブロックなどで作られ、 
隔絶の効果が より 大きなもの。 
垣は、〈垣根〉と同義だが、 より 
古風で、複合語の一部としてのほ 


かは日常あまり使わない。〈垣根〉 
は「垣の根元」の意もあるが、普 
通は「根元」の意味な しに 前述の 
意味で使ぅ。 

囲いは、 物の四方をふさぐこと。 
また、そのための物で垣根や塀の 

ことも一一一ーロう。 

フェンスは、〈垣根 X 塀〉の意で、 
特に球場のグラウンドを囲む塀に 
は〈フェンス〉をう。 


書くかく 

1書く \記从す\認れ ためる V 
記述 S ? する\記入 s ゅぅす 
る/記載 a s する\記録 r 
する 


0使い分け例 } 

書く…「字を書く。」「文章を1^7。」 
「小説を書く。」 

記す…「出来事をノートに記す。」「名 
前を記す。」「マークを記す。」「心に 
記す。」 

したためる… 「手紙をしたためる。」 
「日記をしたためる,。」 

記述する… 「詳細に記述する。」 
記入する… 「必要事項を記入す る。」 
記載する… 「雑誌に記載する。」「名 
前の名簿への SW 。」 

記録する… 「議事を記録する。」「病 

状の顏。」 


(どう使い分けるか〕 

書くは、文字.絵.図、また文章 
(詩•小説•日記•手紙)など広く目 


111 隠す 


し記書 
た 
た 
め 

るすく 


〇〇〇 

1日 

記 

を 

■ 〇〇 

名持 
をち 

1杨 

に 

〇•〇 

を遺 
丨書 

'•〇 

を小 
丨説 

•〇1 

1心 
に 


的語になるが、 記す は「絵を—」 
「小説を一」と言わない。その代わ 
り r 心に一」のょぅな使い方があ 
る。〈書く〉の方が日常語的であ 
る。 

したため るは、「書き記す」の意 
では日記.手紙などについて使うが 
限られており、かなり 古風で ある。 


記述するは、 考えを書き記して 
述べる意。当然文章になる。 これ 
に対して 記入するは、 書類•表な 
どの中に書き入れる意で、書かれ 
るものは語句や記号でもよい。 記 
載するは、 書類や書物の中に載 
せる意。〈記入〉が筆記具を使う 
動作であるのに対して、 そういう 


動作を言うのではない。 

記録するは、 後に残すため記し 
留 t't める意。 映像 や音声について 
も 使う。 〈記載する〉が、ある程 
度き ちんと した文書や書物の 中 
に、であるのに対して、〈記録す 
る〉 は 書物の 中とは 限らず、 メモ 
などを含む。 

〔注意〕 〈したためる〉は食事をする 

の意に使うこともある。 


隠す かくす 

I 隠す\秘ひめる/秘ひする V 
潜抒める/匿* t う/隠匿^ 
する\隠蔽^する 


「使い分け例 j 

隠す… 「子どもを背中に®^。」「金を 
SR」 「不安の色は_なかった。」 
「真実を&。.|㊣現す。 

秘める… 「心に^^た思いを打ち明 
ける。」「謎を®5た遺跡。」 

秘する… 「名を秘する。」 

潜める… 「声を®て話す。」「世論に 
押され悪徳業者も影を潜めた。」 

「鳴りを潜める。」_ 

かくま一つ… 「犯人をかくまぅ。」 
隠匿する… 「食料を隠匿する。」「犯 
人を隠匿する。」 「MH 物資。」 
隠蔽する… 「建物を幕で隠蔽する。」 
「事実の Ms。」 ㊣暴露する。 


(ど-つ使い分けるか」 

隠す は、最も一般的に、他人に 





馬区け回る 112 


知られないよぅに、見えないよぅ 
にする、の意。 

秘めるは、普通、物や人を目的 
語としない。秘するは同義だが、 
より文章語的である。 

潜めるは、目立たないよぅに小 
さくす る意味にも使ぅ。 

かくまうは、人を隠す ことに 用 
い、 隠す こと 自体を こっそりと 行 
ぅことを言ぅ。 

隠匿するは、〈隠す〉 〈かくまぅ〉 
の意の漢語的な言い方だが、物に 
ついて言ぅことが多い。 

隠蔽するは、蔽 i い隠す意。 


駆け回る かけまわる 

「駆け回る\駆かけずり回 to * 一 


る/飛"び回 to * る/奔走!! 

する\東奔西走 せな^す 
I る\狂奔! I ぅする 

0使ぃ分—け1^|〕 

駆け回る… 「運動場を駆け回る。」 
「就職のために駆け回る。」 
駆けずり回る… 「資金集めに駆けず 
り回る。」 

飛び回る… 「みつばちが野原を謂 
回る。」「金策に飛び回る。」 

奔走する… 「基金調達に奔走す る。」 
「企画実現のために奔走する。」「先 
輩の奔走© , おかげで助かる。」 
東奔西走する… 「東奔西走して材料 
を集めた。」「東奔西走の日々。」 
狂奔する… 「両陣営とも選挙運動に 
狂奔す る。」 「地上げ屋の _。」 


广どう使い分けるか) 

駆け回る は、 あたりを あちこち 
走り回る、 転じて あちこち 忙しく 
回って尽力する、の意。 駆 
けずり回る はそれを強調した、 
やや俗語的な表現。 飛び回る も 
元の意味から転じて、同じような 
意味に使われる。 

奔走するは駆け回って物事がう 
まく 運ぶよう努力する、 またあれ 
これ世話をする意で、東奔西走 
するはこれを強調した表現。こ 
れらは「運動場を一」のようには使 
わない0 

狂奔するは 事に熱中してなりふ 
りかまわず奔走する意であるが、 
「興奮した馬が—」のように使うこ 
とも ある。 



113 かすか•形 


力す力 

,幽(微 )$ か v っっすら/ほ— 
—んのり/仄 I か 

(使い分け例) 

かすか… 「かすかに動いた。」「かすか 
d ほほえむ。一「かすかな記憶をたど 
る。」「かすかに息をしている。」 

うつすら… 「ぅつすら目を開く。」「ぅつ 
すら記憶にある。」「ぅつすら耳にす 
る。」 r 雪がぅつすら積もる。」 
ほんのり… 「桜がほんのり色づく。」 
「ほんのり甘い。」 

ほのか… 「ほのかに香る。」「ほのかに 
秋の気配が感じられる。」「ほのかな 
恋心。」 


(ど-つ使い分けるか) 

かすかは、視.聴.臭.味などの感 
覚がとらえる微弱な様子を表す 
語で、心の動き、気配などにも 
言い、この四語の中では最も広く 
用いる。だが、物理的なことに比 
較的よく用い、「ぅつすら笑みを 
浮かべる」「0のり甘い」「ほのか 
u 香る」などの、奥に控えていて 
全面的には現れないゆえのムード 
や味わいには欠ける。逆に「かす 
0息をする」を他では表さない。 
- つつす らは、物のほか、意識など 
の表面に浮かび見えるものの様子 
によく使う。 

ほんのり•ほのかは、色•光•味 

などの手でつかめないようなものの 
表現によく使い、暖かみを感じる 


ものにあてることが多い。〈ほの 
か〉は、「 I に聞く」などとも使ぅ。 

やや文語的0 _ 

〔注意〕〈ぅつすら X ほんのり〉は副 
詞。他の二つは形容動詞語幹。 


形 かたち (〇身なり) 

杉\形,型,形式ば\型| 
式迖•ば/類型怒\典型 M 
1\様式: s \ タィプ\。ハタ 
—1ン\スタィル 

r 使い分け例 j 

形^-…「美しい瑚の山。」「岡はかりの 
あいさつ。」「制を整える。」 

形?.「洋服の_がくずれる。」「壁に 





形 114 


手の形がっく。」「借金の_。」 

型… 「石膏で Ml をとる。」「一 f 紙。」「演 
技の型を習得する。」 「 IT にはま 
る。」「新しい_の人間。」「小酬乗用 
車。」 

形式… 「お供ぇの_。」「手紙文の瑚 
式。」「結婚式の張る。」 
「形式主義と内容主義。」 

型式… 「古い一^の機械。」「11^証 
明。」 

類型… 「社会現象を劃にょって分 
ける。」!'人物がみな劃的でつまら 
ぬ。」 

典型… 「この作品は後期ロマン派の判 
型である。」「_的な職人気質。」 
様式…二定の^^に従ぅ。」 r ゴシッ 
ク WW 。」 「生活!^を変える。」 
タイプ… 「新しい^ k の車。」「くよ 
くよする夕^ K の人。」「荒れやすい 
タイプの肌。」 


パタ—ン… 「行動のパタ彳ン。」「新し 
いバタ J ノを作り出す。」「ワン^:^ 
>1。」 

スタイル… 「生活のスタイルを頑とし 
て変えない。」「小説に独特の ^V 
ルを生み出した。」「スタイルブツ 
ク。」 


( k っ使い分けるか ) 

形 たは物の姿、格好の意。 

形 S も大体同義だが、一語として 
使ぅことは あまり 多くなく、例の 
一、 二は、〈かたち〉と1111 口っても ょ 
い。だが最後の例は特殊な意味 
で、〈かたち〉とは言わない。 

型は、①個々のものの形の元にな 
る もの、②規範 あるいは習慣とし 
ての一定の形式、③同類の多 
数のものに共通の形や形式、など 


の意がある。〈型〉はタィプやモデ 
ル、〈形〉は具体的な個々のものの 
形状. ありさまと 考える とわかり 
やすい。〈型〉の②は「形」と 書くこ 
とも ある。 

形式は、人間の作るもので、内 
容に対する外面的なもの、または 
そぅする決まりになつている一定 
の型。対して型式は機械.自動 
車•航空機などにおいて、構造.形 
などの特徴による型。 

類型は、似た型、 または 同類の 
ものに共通した型。典型は、同 
類のものの中の模範、 または 同類 
のものの特徴を最もよく表してい 
る もの。いずれもその型で あると 
いぅ共通性はあるが、 「 MW 的」が 
(同類のものと比べて)特徴がない 
さま「典型的」が(同類のものの 
中でも特に他の類に比べ)特徴的で 


115 悲しみ 


スタ形 
$ィ型 
ルプ式 


0000 

11 

説い 

1 

|| 〇〇 

の丨 

挨通 

拶り 

• 〇 ■ 〇 

n 

〇〇〇 1 

1 5 

の h 

建テ 
築;1 


あるという観点の違いがある。 
様式は、〈形式〉が具体的な形を 
とらえて言うのに対して、その全 
体に共通の特徴をとらえたもの 
で、 より 抽象的である。 

タイプは、その類に共通する形 
(= 型)。物事のやり方の型の意 
は表さない。対してパタ—ンは、 
決まった型や様式によるやり方、 
の意も表す。 

スタイルは、様式、姿、格好のほ 
か文体や作風についても言い、「—ブ 
ック」の例では特に服装の型を言 
い、「 I がいい(人)」というのは 
体型を指す。 


悲しみ かなしみ(〇悲痛) 

,悲 (哀)しみ/嘆1き/憂 S , 
い/悲哀 s v > 哀愁2|ぅ\悲 
嘆|ん\悲観|ん 


f 使い分 け例〕 

悲しみ…に打ちひしがれる遺 
族。」を乗り越える 。」㊣ 
喜び 。I 

嘆$:.「嘆きを訴える。」 

憂い…「_に満ちた表情。」「備えあ 
れば®3なし。」— 

悲哀…「人生の®を感ずる。」 
哀愁…「3の漂う街。」 「 WW を感 
じさせる メロ デイー 。I 


悲嘆…「子を失い悲嘆にくれる。」 
悲観…「将来を悲観する。」「園的 
な見方。」 ㊣ 楽観。 


(ど-つ使い分けるか,) 

悲しみは、心に痛みを感じ泣け 
てくるような気持ちを表す。 

嘆キ J は、悲しみや苦しみ、憤り 
などが深く、ため息の出るような 
感じであること。 

憂いは、心の閉ざされるような 
憂鬱な悲しい気持ち。「後顧の 
—」などでは心配•不安の意。一つ 
の事態から直接弓き起こされる場 
合も多い0 

悲哀は、そこはかとなくひつそり 
としているが切なさに似た悲しみ。 
哀愁は、物悲しい感じを客観的 
に印象などとして表す。味わい. 




必ず 116 


絶 S 必 
»っ 

E とず 


〇〇〇 

勝彼 

つは 

1 

〇〇 - 

な彼 

いは 
よ1 
来 

- • 〇 

? A 

■〇1 

の丨 

窆帰 

ろつ 

うた 

〇_ _ 

対1 
だ反 


ることは できない。 〈きつと〉 はか 
なり口頭語的で、かたい表現には 
適さない。 

絶対(に) は、〈必ず〉以上に断定 
的で、 また、 〈£ず〉 よりも、 主 
体的な意志を表すときに使う。 


必定も、〈必ず〉ょり強い感じで、 
その点〈絶対〉に近いが、意志を表 
すといぅょり客観的な見通しにつ 
いて言ぅ感じが強く、その点は 
〈必ず〉に通じる。ただし非常にか 
たい文章語。_ 

〔注意〕 〈絶対〉〈必定〉 は名詞 だが、 
副詞としても(あるいは副詞的にも)使 
われる。 


趣にも言う。〈憂い〉〈哀愁〉は、 
〈悲しみ〉のように直情的でなく漂 
うような悲しみであり、「 I をこ 
らえる」「 I を乗り越える」のよう 
には言わない。 

悲嘆は、悲しみ嘆くこと。 

—悲観は物事の考え方に言う。_ 

〔注意〕〈憂い〉は〈憂え〉の転。 

必ず かならず 

,必ず/きっと/絶対誌. 
,(に/必定 gr 


C 使い分け例 W 

必ず…「正義は^^勝つ。」「朝は^: 
早く起きる。」 「必ず 来るとは限ら 


なぃ。.1 

つと… 「きつと 明日は晴れる だろ 
ぅ。」「きつと成功すると思ぅ。」 

絶対(に)… 「明日の試合は^^負 
けられない。」そんなことはな 

ぃ。」 

必定… 「昇格は必定と心得る。」「^1 
定われらは勝つ。」 


0つ使い分けるか) 

必ずは、客観的に論理的に、そ 
れ以外はあり得ない、という気持 
ちを断定的に表すとき多く使う。 
キ J つとは、強い確信を持つている 
が、 あくまでも 自分の推量だとい 
う気持ちで言うときに用い、後に 
「だろう」などの推量表現を伴うこ 
とが多い。「あの時は一驚いたこと 
だろう」などを〈必ず〉で言い換え 





117 必ずしも•かなり 


£ずし も かならずしも 

,必ずしも/強 g なち/一 概— 
if に/満更!!_ 

(,使ぃ<^§し 

必ずしも… 「必ずしもいいことばかり 
でない。」「必ずしも気に入りはしな 
い。」「必ずしもその道に進むもので 
なぃ。」 

あながち… 「あながちそぅとは言え 
ない。」「あながちばかにできない。」 

I 概に… 「一概に悪いと決めつけられ 
なぃ。」 

まんざら… 「まんざらばかではない。」 
「まんざら食えないわけでない。」「$ 
でもない話。」 


(ど一つ使い分けるか〕 

いずれも後に否定の表現を伴い、 
絶対でない意を表す部分否定の用 
法がある。 

必ずしもは、 否定的なものの否 
定にも、肯定的なものの否定にも 
使え、また、客観的な事柄の可 
能 性にも、考え方 •とらえ 方の適 
否についても使え、応用が広い。 
あながちは、 考え方. とらえ 方に 
ついて、 必ずそうと 考える (とらえ 
る) ことは できない、のように言 
う。〈必ずしも〉〈一概に〉よりも 
やや文章語的。 

一概には、 おしなべて、どんなこ 
とにも一様に当てはめてとらえる 
(ことはできない)という場合に使 


まんざらは、否定的なものの否 
定=肯定、というような言い回し 
方で使う。ただし、「 I でもない」 
は慣用句で、かなりよい、の意。 
かなり俗語的な響きがあり、かた 
い文脈にはそぐわない。 


百 

ん 

ざ 

概 

あ 

な 

が 

互 

必 

ず 

し 

至 


1 

〇 

〇 

〇 

まと1 
いは不 
言当 
えだ 

〇 

1 

〇 

〇 

いで 丨 
はい 
なや 

1 

1 

1 

〇 

らる1 
なと成 
いは功 
_す 

〇 

1 

1 

1 

来な1 
栄いで 
え出も 


かなり 

«!' 成1 ン 大分^/ 余程, 
w ± ど/随分 fs 





金持ち 118 


( 使 い分け例 j 

かなり…「今日はかなり暑い。」「かなり 
の腕を持っている。」「:の人出。」 
「ここに住んでもうか^^になる〇」 

だいぶ…楽になった。」「結婚 
してだいぶ経つ。」®大分^。 

よぼど…「ょほど疲れたのだろう。」 
「今日はきのうょりょほど暑い。」 
「彼は、^の事がなければ話さ 
ない。」「ょほど聞いてみょうかと思っ 
た。」®ょっぽど。 

随分…「ずいぶん昔。」「ずいぶん大き 
くなった。」「子どもを捨てるなんて 
ずいぶんな話だ。」 


q どう使 い分けるか ノ 
いずれも程度の甚だしい様子を表 
す。 


かなりは、非常にといぅほどでは 

ないが思ぅ以上に相当に。初めの 

例の場合、〈ょほど〉とは言わな 
i 〇 
V 

だいぶは〈かなり〉と同程度だが、 
「の」を伴って名詞を修飾する使い 
方はしない。 

よほどは、〈かなり〉〈だいぶ〉ょり 
少し程度が強い感じがある。「の」 
を伴わず程度を表す場合、推量 
か比較の文で使われる。最後の例 
は、「思いきって」の意で、〈ょほ 
ど〉特有の用法。 

随分は、〈ょほど〉と同程度。〈だ 
いぶ〉と同じく「の」を伴って名詞を 
修飾す る 使い方はしない。 終わり 
の例のように「ひどいこと」の意味 
もある。(この場合の〈随分〉は形 
容動詞語幹) 


金持ち かねもち 

I 金持ち/富豪^\長者— 
£ r / 大尽^\金満家 
H か\資産家1ん\素封 

そほ*つ 

( 使い分け l^lw 

金持ち…「彼は金持ちだ。」 

になる。」 

富豪…「劃の息子。」「大劃。」 
長者…「百万霸。」「_番付。」「村 

の長者。」 

大尽…「大尽風を吹かす。」 

金満家…「そんなぜいたくは金満家 
でなければできない。」 


119 かむ 


資産家… 「製糸業で成功し資産家と 
して名を成す。」 ㊃ 財産家。 
素封家… に生まれつく。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

金持ちは 広く一般的に、財産を 
多く持っている者を言う。 

富豪は「大金持ち」の意の漢語。 
〈金持ち〉よりスヶールが大きい感 
じがある。 

長者は〈金持ち〉の古い言い方。 
大尽は〈金持ち〉、また遊廓で大 
金を使う人。やはり古い言葉であ 
る。 

金満家は、〈金持ち〉という以上 
に、金を有り余るほど持つている 
という意味合いがこめられた表現。 
資産家は、金に限らず土地•家 
屋•証券など財産を多く持つてい 


る人、の意味合いがある。ちなみ 
に、「資産」は、法律では、資本 
にす ることができる 財産を言う。 
素封家は代々続いた財産家。 


力む 

,嚙(咬)かむ/嚙かみ砕«<く V 
齧0'*>る\咀嚼^くする/嚙か 

み付っく\食くい付っく\齧 
伽り付っく — 

( 、使い分け例 ) 

かむ… 「上下の歯を ぐつと:^。」 「よ 
く^^で食べる。」「犬に足をかまれ 
た。」「歯車の歯を^^せる。」 

かみ砕<.:「奥の歯でかみ砕く。」「別 


み碎いて話す。」 

かじる… 「せんべいを^^。」「古典 
文学を少し^^た。」 

咀嚼する… 「咀嚼して飲み込む。」 
「内容を咀嚼する。」 

かみ付<.: 「政府にかみつく。」「犬に 
かみつかれる。」 

食い付く… 「ステーキにかぶりと 
る。」「難しい仕事だが、食ぃつぃて 
何とかやっていく。」「魚が餌に食いつ 
VM た。」 

かじり付く… 「大きなりんごに泡 

^^7。」「机にかじりついて勉強す 
る。」「石にかじりついてもやる。」 


ハど151使い分けるか) 

かむ は、上下の歯を(強く)圧し 
合わせる、 そのことによつ て物を 
断ち砕く、物に歯を立てる(つき 



からかう 120 


さす)、などの意。 

かみ砕く は、物をかんで砕く意 
と、そのよぅに物事を分かりやす 
く説明する意とがある。 

かじる は、かたい物を少しずつか 
み砕く意。転じて、難しい事を少 
しだけ研究する、の比喩的意味 
もある。 

阻嚼する には、かんで碎くの意 
のほか、理解を自分のものにする 
まで意味をよく考える、の意があ 
る。 

かみ付く は、相手が痛いと感じ 
るほど歯や牙をつき立てる意で、 
転じて、大きなもの、上のものに 
攻撃的に批判を加える、の意に 
も使う。「食物に丄とは言わない0 
食い付く は、かみ付く、または 
かみ付いて離れない(かみ砕く意ま 
ではない)意で、食べることのほか 


人や物事に対する姿勢についても 
言ぅ。 

かじり付く は、かたくて大きな 
ものを一生懸命かじる、の意。 
転じて困難な大仕事に強い熱意を 
もって取り組む場合に使ぅ。執念 
を感じさせる言葉である。 


か 

じ 

0 

付 

< 

食 

い 

付 

< 

か 

み 

付 

< 


1 

〇 

〇 

fl 

〇 

〇 

1 

リキ 
に5 

1 ゥ 

1 

1 

〇 

に上 
丨役 

1 

〇 

1 

に甘 

1 い 

話 

〇 

1 

1 

1 机 

に 


からかう 

からかう/冷ひやかす/茶 
I 化 r す/揶揄 I する 


「使い分け例) 

からか 一つ…「相手がどう出るかちょつ 
とから^^てみた。」「小さい子を刎 
らかう。」 

冷やかす… 「新婚夫婦を冷やかす。」 
「冷やかしの客。」 

茶化す…「ひとのまじめな話を^^ 
1-1。」「照れて^^。」— 

揶揄する… 「世相を揶揄する。」「警察 
を揶揄するょうな文句の挑戦状。」 


f ど5使い分けるか) 

からかラ么 / P やかす はほぼ同義 

にもなる が、〈からかぅ〉は言葉に 
よらず ちよつ かいを出してもて あそ 
ぶよぅな場合にも言い、「猫を—」 
とも 言えるが、〈冷やかす〉にこの 
用法はなく、相手の高まった気分 


121 絡む 


や好調に目を付けてする場合に言 
い、物心つかない年少の者などを 
相手とすることもない。「冷やか 
tl 客」では、買うつもりがないのに 
商品について尋ねるなどする、©思。 
茶化す は、まじめな話を冗談の 
ようにしてしまう、またそのよう 
にしてごまかす意。〈からかう〉 
〈冷やかす〉ほど意図的でなく、ふ 
ざけるのがすきな性格から自然に 
そうしてしまう場合が多い。 

挪撤する は、〈からかう〉とほぼ 
同義の漢語的な言い方だが、〈か 
らかう〉がごく軽い気持ちでする 
小さな行為にも使うのに対して、 
比較的大きな相手に、悪意をもっ 
て、皮肉など、ある程度知的な 
手段でする場合に使う。かなりか 
たい文章語。 


絡む からむ 

,絡む/絡 S まる/纏 -5* わる V 
もつれる I 

(使い分け例) 

絡む… 「糸が§。」「色々な理由が細 
んで事態は複雑だ。」「この計画には 
A 社が觉でいる。」「酔って人に絡 

句」 

絡まる… 「門柱に蔦が」「仕事 
の問題に家庭の事情が」 
纏わる… 「足に着物の裾が^ 

4。」「足元に子犬がまつわる。」「彼 
の成功にまつわる話。」 

もつれる… 「糸がもつれる。」「話がも 
つれる。」 


「ど - っ使い分けるか) 


絡む.絡まる は、どちらも物につ 
いても事柄についても使え、ほと 
んど同義だが、意志のある場合 
は〈絡む〉を使う。主体が人の場 
合、相手に難題を吹きかけ困ら 
せる、の意になる。 

纏わる は、物の場合は〈絡む〉と 
同義だが、人などの場合、〈絡 
む〉の意とは違う。子供が母親に 
まつわるのは母親を慕うからであ 
る。 ある 物事に関連する、の意の 
場合は、〈絡む X 絡まる〉ではや 
やマィナスィメージがあり、〈纏わ 
る〉 ではそれがない。 

もつれる は、他の三語がいずれも 
何か相手がありそれに「 I する」の 
に対し、それ自体で〈もつれる〉の 




枯れる•かわいい 122 


もま絡絡 
0〇 + 
れわ$ 
るるるむ 


0000 

がひ 
丨も 

I _ 〇〇 

が諸 
丨事 
情 

■〇 1 〇 

が酔 
丨漢 

1 ' ' 〇 

1 金 

が 

' 〇 '' 

伝沼 
説に 

1 

〇 1 1 1 

丨話 

が 


であり、「何かに」もつれるのでは 
ない0 


しおれる。」 


萎む… 「花がしぼむ。」「風船がしぼ 
が。」「期待が:35^。」 

萎びる… 「野菜がしなびる。」 

た肌。」 _ _ 

萎える… 「足がなぇる。」「心がなぇる。」 
「$た衣類。」「植物が^^。」 


枯れる かれる 

,枯れる\萎机れる/萎(凋)— 

WL む/萎* k びる\萎なえる I 

r , 使い分け例 〕 

枯れる… 「木が枯れる。」「やせても ttl 
nl ても、プロ選手。」「芸が^: g ^。」 
萎れる… 「花がしおれる。」「不成功に 


〇,ど5使い分けるか) 

枯れる は、水気がなくなり、生 
物としての機能が失われる意。 
萎れる は、生気がなくなり弱々 
しくぐつたりする意。 

萎む は、生気をなくして縮む、 
ふくらんでいるものが小さくなる 
意。 

萎びる は、生気がなくなり、し 
わがよつたり乾いたりする意。 
以上はみな、広く物事や人間の 


様子をも比喩的に表す。 

萎える は、手足がしびれたり、 
力が抜けたりの意がもとの意味 
で、力が抜けてぐつたりとする、 
また気力がなくなる、くたくたに 
なる、萎れてぐつたりとするなど 
の意味を表す。 


かわいい 

I 可愛 t ゎい/可愛 t ゎらしい V 
愛 f くるしい\可憐 r ' 

f 使い分け例) 

かわいい… 「かわいいしぐさ。」「我が 
身がかわいい。」「かわいいところがあ 
る。」©憎い。「かわいい木の芽。」 




123 かわいそう 


かわいらしい… 「かわいらしい子供。」 
「_いらしい洋服。」「かわいらしい 
車。」©愛らしい。 ㊣ 憎らしい。 

愛くるしい… 「愛くるしい目。」 

可憐 …「可憐な表情。」「可憐な少 
女。」 


(どぅ使い分けるかし 
かわいい は' 対象となるものの 
様子を表すほかには、そのものへ 
の自身の愛着を表す。こぅした主 
観的な意味合いがあるのに対し 
て、 かわいらしいは、 かわいい と 
思わせる様子であるの意で、対象 
となるものの客観的な印象を表 
す。したがって、「我が身が^! 
5」を「我が身がかわいらしい」 とは 
言えないのである。〈かわいい><か 
わいらしい〉は、小さいものについ 


て言う ことが 多く、小さい という 
ことを 表す こと もある。〈かわいら 
しい〉の同義語〈愛らしい〉はやや 
文章語的な言い方。 

愛くるしい は、やはりやや文章 
語的で、たいへん〈かわいらしい〉の 
意。〈愛らしい〉よりも強意の表 
現。人の表情•顔立ち •しぐさと い 
つた様子に言う。 

可憐は、〈かわいらしい〉と同義だ 
が文法的性質が異なり(形容動詞 
語幹)、また漢語で〈愛らしい〉以 
上に文章語的である。 


かわいそぅ 

,可哀相^ぃ\気きの毒ブ哀, 

,2れ\不憫5ん/痛|ましぃ . 


ハ使ぃ分け例;! 

かわいそ I つ… 「一人ぽっちでかわいそ 
ぅだ。」「こんなこともできないとは 
かわいそぅなやつだ。」 

気の毒… 「大病をして気の毒だ。」「彼 
に気の毒なことをした。」「気の毒な 
我利我利亡者だ。」 

哀れ… 末路。」 「 S 分が哀れで 
ならない。」「哀れな行い。」 

不憫… 「我が子が^一^。」「孤児を^1 

赞思ぅ。」 

痛ましい …「痛ましい最期を遂げ 
る。」「痛ましい事故の跡。」 


ハど-つ使い分けるか} 

いずれにも かわいそ-つに 思ぅ意 
味があるが、 気の毒は 客観的に 
そのよぅだと 感じる意がなかでも 




乾かす•代わる代わる 124 


強く、対して哀れは、惨めだ.情 
けないの意を表す、または含むこ 
とがあり、対象となる人(他人ま 
たは自分)について悲しむ気持ち 
を表す主情的な表現と言える。 
以上三語は、見下げたといぅ意 
味を表すことも ある。 

不憫は、かわいがる気持ちからか 
わいそうに思う、いじらしく思う 
意もある。 

痛ましい は、見ているのがつらい 
ほどに痛々しくかわいそ>つだ、 QW 。 


乾かす 力わ力 t 


乾かす/干ほす/乾燥 IX す— 
る 


( 使い分け例) 

乾かす… 「洗濯物を^^。」「ぬれた 
手を乾かす。」 

干す.:「蒲団を^^¥。」「魚を^^。」 
「^3物。」「3柿。」 

乾燥する… 「衣服を乾燥する。」 


f どう使い分けるか) 

乾かす は、物の表面を水気のな 
い状態にする、の意。洗濯物は大 
体薄い物で、表面と内部に分けら 
れないから〈乾かす〉と言える。 
干す は、〈乾かす〉とよく似てお 
り、言い換えられる場合もある 
が、本来の意味は〈乾かす〉と少 
し異なり、物の表面だけでなく内 
部でも水分を非常に少なくする 
場合に使う。蒲団をしんから湿 


気のないようにするのは〈乾かす〉 
より〈干す〉がふさわしい。 

乾燥するは、 乾く または 乾かす 
の意の漢語的な言い方で、やや文 
章語的である。〈乾く〉や〈乾か 
す〉に大体置き換えられるが、逆 
に「心がヲ」「舌の根も®ぬう 

ちに」のようなのは慣用的なもの 
なので、〈乾燥する〉では置き換え 
られない。 


代わる代わる 

かわるがわる 

I 代わる代わる/代 かわり— 
番以こに\交互1 r に\入い 
れ代(替) かわり 立たち代 
(普) かわり \取と つ 普*ぇ引 




125 考える 


L ひつ替かえ 


( 使い 分 け例) 

代わる代わる… 「出席者が代わる代 
@意見を述べる。」「新年の挨拶に 
客が代わる代わる訪れる。」 
代わり番こに… 「一つの踏み台に三 
人が代わり番こに乗る。」1®交替 
で。「ステーキとパンを代わり番こ 
CI 食べる。」 

交互に… 「赤い椅子と白い椅子を¢1 
葡置く。」®互い違いに。「何人 
かが^ MS * ホールを打つ。」「ジャンプ 
とステップを交互に行ぅ。」 
入れ代わり立ち代わ〇… 「見舞い客 
が入れ代わり立ち代わり訪れる。」 
取つ替え引つ替え… 「新しいドレスを 
取つ替え引つ替え着て現れる。」 


(ど-つ使い分けるか) 

いずれも一つの物や事の状態が変 
わることで なく、 ある 物や事が別 
の物や事と代わり合う ことを 表 
す。 

代わる代わるは、 単に別のもの 
と入れ代り同じものは繰り返さな 
い場合にも言う。 

代わり番こに と 交互には、 一定の 
範囲での物•人•動作が、 A 、 B と 
代わつて、また A …という繰り返 
しの形で代わり合う ことに 言う。 
これらは例のょうに、動作の主体 
(〜が)が代わるのにも、対象 
(〜 を)が代わるのにも使う。 〈代 
わり 番こ〉は、子供がよく使う。 
入れ代わり立ち代わりは、 人 
の出入りが頻繁に続く様子に言う。 


取つ替え引つ替えは 物や相手を 

替える ことに 言ぅ。一定の範囲 
内で繰り返し替える場合もある 
が、次々 と 新しく替える点を特に 
突いた言い方。無節操や軽々しさ 
を批判する響きのある こと もある。 


考える かんがぇる 

,考ぇる\思3ぅ\思考^す— 
る\思索! u する/考察 II 
する\思慮 0 U ょ する\考慮 
b する 

ハ使い分け^3 

考える… 「雨になるだろうと考えて傘 





考える 126 


考思考思考 
慮慮察 =. 
すすす ^ 
るるる"^る 


00000 

来日 
会本 

1の 
将 

〇 △ I 〇〇 

場彼 
をの 
丨立 

1 1 〇 • 〇 

¥科 
丨学 
的 

• 1 • 〇〇 

う彼 
丨を 
かど 

1 1 • 〇 ' 

親子 

心を 

1 


れる。 

思慮するは、 慎重にいろいろに思 
い考える意。「する」をつけず名詞 
で使ぅ ことの 方が多い。〈思索〉に 
比べ、 実生活的である。ただし、 
何について考える かは 狭く限定さ 
れない場合が多い。 

考慮するは、 〈思慮する〉よりも、 
考える対象が具体的に「〜を」 
「〜について」のように示されるこ 
とが多い。 


〔注意〕 〈思う〉の例の後ろ三つの場 
合、〈想う〉とも書く。 


を持つてきた。」「人の気持ちを考え 
SI 。」 「ょい方法を考える。」「表紙の 
デザィンを考える。」 

思|? :「出掛けょぅと1?^。」「ぁりが 
たく^^。|「新年に一^。」「子を ®I 
91 。」 「11^人には一^れず。」 
思考する… 「科学的に思考する。」「論 
理的_力。」@思惟 v > b する 
思索する… 「人生について思索す 
51 。」 「哲学的な一^にふける。」丨 
考察する… 「歴史的背景について #I 
「祭りに関する 一一®。」 
思慮する… 「思慮するひま もない。」 

「蠢深ぃ人。」 

考慮する… 「それぞれの立場を考慮 
tl て、最善の策を立てる。」 


(ど-つ使い分けるか :I 
考えるは、用例によって、思う. 


思い付く •判断する•見込む•熟慮 
する•思案する•考案する•配慮す 
るなど様々に置き換えられ、知的 
な判断をする場合に広く用いる。 
思 I つも、 考える•感じる•慮る•念 
じる•慈しむ•恋するなど、表す 
意味は広いが、〈考える〉が知的作 
用を表すのに対して情意による作 
用を含むのが普通である。 

思考するは、 あるテーマについて 
道を見いだすべく考える意で、文 
字面に触れて言えば〈思う〉よりも 
〈考える〉作用が不可欠と言える。 
思索するは、 特に深く広く思い 
考える場合に言い、単純な問題 
や日常生活上の問題を考えるの 
に言うのは適さない。 

考察するは、 学問的に厳密に調 
査•実験•観察などの結果を踏ま 
えて知的判断を行うのによく使わ 





127 頑固•観賞 


よりも、単に自分の言い出したこ 
とを曲げない様子に言う。 
意固地は、意地を通すことがよ 
くないと分かっていてもそれを続け 
るような様子。 

片意地は、周囲の事情を顧みず 
自分の一つの考えを通そうとする 
様子。〈頑固〉に比べて、考えの根 
本から狭い範囲に固執していると 
いう場合が考えられる。 

前の三語は肯定的評価を伴うこ 
ともあるが、後の二語は否定的に 
用いるのが普通である。 


« 固がん こ 

I 頑固/頑な\強情^ぅ V 
意固地(依怙地) g ,」\ 片意 
,地 tufc I 

( 使い 分け例 ) 

頑固…「言い出したら聞かない頑固な 
性格。」「古来の製法を頑固に守 
る。」汚れで、なかなか落ち 

ない。」頭痛。」_ 

頑な…「誰が申し入れてもかたくなに 
拒否し続けた。」 

強情… 「強情に、自分の非を認めな 
い。」「_を通す。」 

意固地…「意味がないと知りながら 


意固地に続ける。」 

片意地…「片意地な態度。」 「5 MW 
を張る。」 


(どう使い分けるかし 

いずれも周囲に対する態度や気質 
について言う。 

頑固は、一定の考えや考え方を 
頑として変えない様子を言う。個 
人の性格•気質だけでなく、比喩 
的に物事についても言う。 

頑なは、人の説く道理に堅く従 
おうとし ない様子を言うので〈頑 
固〉〈片意地〉と同義の例が多いが、 
やや古風で文章語的である。き 
まじめ•潔癖といつた人間の固さに 
触れて言う場合が多い。 

強情は <頑固〉に比べると、主張 
や信念をその裏付けとするという 


観賞 かんしょう 

,観賞 \鑑賞は ぅ\ 賞 美, 
_れょぅ/賞玩^*っ\玩味* t ん_ 




簡単 128 


(使い分け例) 

観賞…「庭園を観賞する。」「菊花の 
会。」 「 S 魚。」 

鑑賞…「音楽を鑑賞する。」「芸術截 
賞。」 rss 眼。」「文学 as 。」 
賞美…「松の枝ぶりを賞美する。」 
賞玩…「骨董品を賞玩する。」 

玩味…「秀句を玩味する。」「熟読 5 tl 

№1。」 


广どぅ使い分けるか W 
観賞は、自然などの美しさを楽 
しみ味わいながら見ること。対し 
て鑑賞は芸術作品を味わぅこと。 
賞美は、誉めたたえながら、そ 
のよさを味わうこと。 

{員玩は、珍重する、またおいしい 
と言つて食べる (= 賞味する)意 
で、〈賞美〉とともに、味わうより 


たたえる意が重くなる。 

玩味は、食べ物の味をょく味わ 
ぅこと、また理解を自分のものに 
するまで意味をょく考え味わぅこ 
とで、〈賞玩〉とともに食べる行為 
にも用いる。 


簡単 t たん 

,簡単/簡明 は \簡略妓 く/, 
I 簡素砂ん/手軽 r 

使い分け例〕 

簡単…「簡単な仕組み。」「簡単な説 
明。」 ㊣ 複雑。「簡単なクイズ。」 
「簡単に応じる。」「簡単に手に入 
る。」 


簡明…「簡明な表現。」 

簡略…「簡略な式。」 S 略に記す。」 
㊣ 煩(繁)雑。 

簡素…「簡素な食事。」「簡素なたた 
ずまい。」「事務の化。」 

手軽…持ち運べる。」「1^— 
作れる。」 「 w ® 道具。」 


(ど 51 使い分けるか) 

簡単は、仕組みなどの 単純さと、 
扱いや理解のたやす さとを 表し、 
そのどちらの 意 も 兼ねる場合 も 多 
く、単純化して容易にするよぅな 
場合は安易•安直な様子を表すこ 
ともある。 

簡明は、「簡単明瞭」の意で簡単 
で分かりやすい様子。説明な どに 
言ぅ。 

簡略は、やり方が略式でぁる様 



129 姦通•感動 


子。説明•手続きなどに言ぅ。 
簡素は、飾り気などがなく質素 
な様子。 

〈簡明〉〈簡略〉〈簡素〉は、簡単な 
形にしてある様子を言い、「私に 
はこのくらい 簡単 だ」のよぅ な行い 
やすい意はない。 

手軽は、扱いが簡申で手間がかか 
らない様子。 


姦通 かんつぅ 

,姦通\密通我\不義 rA \ 不— 
,倫 r I 

f 使い分け例 W 

姦通…「人妻と姦通する 。」 「S 
罪。」 


密通…「男女の密通。」「敵に密通す 
^10」 

不義…を働く。」 「 Rif の子。」 
㊣ 正義0 — 

不倫… 「 KW 関係。」の恋。」 


(どぅ使い分けるかし 

姦通は、法や倫理に反して男女 
が情を通ずること。具体的には妻 
や夫のある者がその相手以外の異 
性と肉体関係をもつこと。ただ 
し、かつて日本の刑法にあった姦 
通罪は、夫をもつ女性と他の男 
性との関係にのみ適用され、妻を 
もつ男性と夫のいない女性との関 
係には適用されなかつた。これは 
男女平等の現憲法の原則に反す 
るので、姦通罪の規定は昭和二 
十一年に削除されている。 


密通•不義も〈赛通〉の意に似るが、 
法にでなく倫理に照らして言う。 
〈不義〉は男女の覆に9ーロ1刖に讓 
に外れる ことを 言い、その行為とい 
うより関係 や 様子に重きの ある 言 
い方。「不義密通」の言い方もある。 

かに通知することも一一一ーロう。 
〈不義〉は〈赛通〉よりさらに古い表現。 
不倫は、倫理的に許されないこ 
とであり、そうした男女の関係に 
も言う。この四語の中では近年最 
もよく使われる。 


感動 かんどぅ 


,感動/感銘(肝銘)1 v > 感, 

|激|5>感心^\感服我 



機会 130 


感感感感感 
服心激銘動 


00000 

立 

广派 

すな 

る処 

置 

1 1 •〇〇 

覚深 

えい 
る1 
を 

1 1 〇•〇 

場丨 
面的 
な 

〇 1 〇 1 1 

0 1 
だの 
至 

•〇 • 1 1 

子丨 

な 



機会きかい 

I 機会\時機' A 好機 r \ 折— 
,潮時1^>\チャンス\タィ 
ミング 


C 使い分け例〕 

感動… 「素晴らしい出来栄えに_ 
す^。」「深いを覚える。」 
感銘… 「師の言葉に深い® W を受け 
る。」「感 M を深くする。」「この作品 

にた。」 _ 

感激… 「親切な行為に感激する。」 
「遂に® W の優勝を果たした。」 
感心… 「彼のまじめさに感心する。」 
「飲酒はできない。」「感心な 
子。」 

感服…「見事な腕前にた。」 


(ど-つ使い分けるか U 
いずれも、単に感じる というのと 
は違い、何らかの原因によって心 
に深くまたは強く感ずること。 
感動も感銘も同じ心の動きについ 


て用いることができるが、〈感銘〉 
が一つの感慨に至りそれが落ち着 
き動かしがたいものとなる点をと 
らえて言うのに対して、〈感動〉は 
その感慨への動きをとらえて言う。 
「 WW が高まる」「類の一瞬」と 
は言わない。 

感激は、自身の上に興奮するよ 
うな急激な喜びが直接もたらされ 
る場合に多く用いそれに対して 
〈感動 X 感銘〉〈感心〉〈感服〉は直 
接自分にかかわらないものにも意 
味や価値を読み取るところに始ま 
り、比較的持続的だと言える。 
感心は褒めるに価す る、 または 
なるほどと深く感じ入るほどであ 
るという意。「 I できない」はよく 
ないという評価を婉曲に表す。 
感服は、自分はかなわないと敬 
服するほど感、レすること。 





131 機会 


(, 使い分け 例 ) 

機会…「今こそ事業に着手するよい 
機会—だ。」「だれにも教育のは 
与えられる。」 

時機…「いつかを得て行おう。」 
「 WM をうかがう。」 

好機…「今が社の再建を図る0と 
言える。」 「$ w 逸すべからず 。」 「ffl 
剩到来。」 

折…「お出掛けの折はお立ち寄りくだ 
さい。」「折を見て話す。」「押に触れ 
ては会いに行く。」 

潮時…「潮時を見て手を着ける。」「こ 
こらへんが_だ。」 

チヤンス…「チヤンスをつかむ。」「シヤ 
ッタ^ ~チヤンス。」 

タイミング…「ご飯が できたところに 
帰つてくるなんて、いいタイミング 
だ。」 「タイミングを 外す。」 


(どう使い分けるかし 

<機会 X 時機 X 好機 X 潮時>はい 
ずれも基本的には何かをするのに 
よい時を言う。 

機会はきっかけとなる時。特によ 
いという意味でなくても用いられ 
る。意味合いはさまざまで、〈折〉 
や〈チャンス〉「きっかけ」など用例 
によって言い換えられる。 

時機は適当な機会.時。〈機会〉 
〈潮時 X 折〉と言い換えられること 
が多い。 

好機は特によい機会を言う。し 
たがって「よい—」とは言わない。 
折は、機会と言い換えられる場 
合もあるが、基本的には「時」の 
意で、「 I からの雨」のように、ちよ 
うどその時という意味、また「厳 


寒の—、お体大切に」などのよう 
に時節の意味でも使われる。 
潮時は何かを始める、または終 
えるのに最もよい時.頃合いの意。 
ある物事の流れの中でのいつとい 
うこと である。「千載一遇の ffl 
機」「チヤンスをものにする」などの 
例と比べると、「潮時を心得る」の 
ようにややさめた言い方になる傾 
向がある。 

チヤンスは、〈好機〉と同義だが 
〈好機〉はかなりかたい文章語で 
〈チヤンス〉はくだけた日常語。ま 
た、「絶好の額」というのは変だ 
が、この場合〈チヤンス〉なら言え 
る。 

タイミングは、. S . S をす 
るのによい 時を M - 計らうことの 意 
で、意味的には他の語とは異質で 
ある。「グッド—」と言えば、好機 



器械•効(利)き目 132 


をぅまくとらえることの意味にな 
る。 


器械きかぃ 

-器械/機械1 A からくり V 

,仕掛* > u け\マシン I 

C 使い分け例し 

器械…「医療体操。」 
機械… 「 SW の操作。」「機械的。」 
からく〇…「からくり人形。」「のぞき 
からく1。」「からくりを見破る。」 
仕掛け…「ぜんまい仕掛けで動く。」 
「奇術の^ s 。 」け花火。」 
マシン…の操縦。」「マシンガ 
ン。」「ピッチングマシン。」 


ハ どう使ぃ分 けるか j 

器械•機械は、 ある 程度以上の 
複雑な構造を持った道具、使うと 
き、それ自体の形の変化や動きが 
ある ものを言う ことが 多い。〈機 
械〉は規模の大きい、動力を備え 
たもの、〈器械〉は規模が小さく 
簡単で動力を備えていないものと 
区別す ることが 多いが、必ずしも 
はつきり 分けられない。 

からくり•仕掛けは、道具を動 
かすために仕組まれる装置やその 
装置の原理を言う。〈からくり〉 
は古い言い方で、近代的な機械装 
置を言うのはふさわしくない。人 
が付いて操り動かすものである。 
比喩的に計略の意もある。〈仕掛 
け〉は器械や装置そのものよりも、 


その仕組みを言ぅことが多い。一 
時で役目の終わるものにもょく使 
>つ0 

マシンは、英語 machine(= 機 
械) からき た語だが、日本では特 
に競走用の自動車やオートバイな 
どを言うことが多い。 


効(利)き目 ききめ 

,効 (利)き目/効果 r \ 効— 

匕匕こう/ ~&>171~>こう 

—會のう \交月よう I 
け例) 

効キ J 目…「薬の効き目が現れる。」「僕 
が言っても、彼には_目がない。」 
効果…「練習の顏が現れる。」「殺菌 



233聞く 


効果のある石鹼。」 

効能… 「薬の劃を表示する。」 
効用: T 鶏の鳴きまねなんぞでも何 
かの gw はある。」 r うその^ W 。 」 


(どう使い分けるか} 

効$目と効果は大体同義の和語 
と漢語。かたい文章語的文脈では 
〈効果〉を使ぅ。望んだ通りの結 
果、また、そのしるし、の意。 
〈効果〉はそのほかに「成果」に近い 
ニュアンスを持ち、「予想以上の一 
を収める」は〈効き目〉で言い換え 
られない。「効き目が上がる」など 
も言わない。演劇•放送などで使 
う「音響効果」の略としての「効 

果」も〈効き目〉と譬わない。 

効能 も〈効き目〉とほぼ同義だが、 
ものの「はたらき」に視点を合わせ 


た言葉なので、〈効果〉のよぅに行 
為の結果については用いず、物(薬 
など)の効き目に使ぅことが多い。 

「劃を収める」「劃が上がる」 

とは言えない。 

効用 は、効き目の意もあるが、 
基本的には「効き目のある用途」。 


H くきく 

,聞く\ 聴" く/ 尋 f ' fc ねる \| 

問とぅ/ 伺 ^ぅ\ 聴取 ^ ぅす 
る/聴聞 ST " する\傾聴 

wl vi する _ 

(使い分け例〕 

聞く… 「波の音を聞く。」「誰かに聞こ 


ぅ。」「言ぅことを聞かない子。」 
聴く… 「ホールで音楽を M ^。」 「講義 
を,。」 

尋ねる… 「駅までの道を尋ねる。」「お 
S 者。」「ルーツを尋ねる。」 

問う… 「名を問ぅ。」「正否を世に間 
1^1。」「責任を^^。」「男女の別は間 

W なぃ。」 

伺一つ… 「お名前を^^。」「先生のお宅 

に切。」 

聴取する… 「事情を聴取する。」「ラ 
ジオの_者。」 

聴聞する… 「各界の代表者から 

fL _° 「醤会。」 

傾聴する… 「博士の話は傾聴する必 
要がある。」「麗に価する。」 


(どう使い分けるか} 

聞 < は、広い意味.用法があり、 



岸 134 


伺問尋聞 
ね 

ろラる< 


0000 

を事 
丨情 

〇 1 00 

し少 

た? 

いお 

1 

〇_ 1〇 

をお 
丨話 

'■ O ' 

史前 
に例 
丨を 
歴 

' 〇 '' 

を責 
丨任 


聴取するは、 聴き取る意。ただ 
し例の よぅな 狭い用法しかない。 
聴聞するは、 人の話を聴く意。 
特に行政当局がある事の関係者 
の意見を聞く場合に言う。 

傾聴するは、 〈聴く〉より更に熱 
心な場合に言う。 


旱きし 

,岸/渚 的ぎ\浜2\磯,岸辺 
1 r \ 海岸^/海辺?み .2 S ■ 


「使い分け例 j 

岸… 「3 F にたどり着く。」 

渚…「潮に打ち寄せる波。」 

浜… 「浜で日干しをする。」 

磯… 「_の香。」「_釣り。」 

岸辺… 「岸辺に棲息する生物。」 
海岸… 「1¢通り。」「一®線。」 
海辺… 「 SW を散歩する。」 「 WW の 
町。」 


ハどラ使い分けるか) 

岸は、海.河川.湖.池などから上 
がったすぐの陸地。 

渚は、海.大きな河.湖など波の 
寄せるような所におけるその波打 
ち際。水と陸とが相寄った辺り。 
浜は、海や湖などに沿った平地。 
多くは砂浜だが、石浜もある。 


自然と耳に入ってくる場合にも使 
ぅが、 聴く が使えるのは、聞こぅ 
とする 意志をもって熱心に聞く場 
ムロである。また〈聞く〉は、人の 
言葉に従ぅ、質問する、などの 
意もあるが、〈聴く〉はそぅいぅ意 
には用いない。 

尋ねる•問う は、ともに、質問 
するの意があるが、〈尋ねる〉に 
は、行方の分からないものを探し 
求める意、探求するの意もあり、 
〈問ぅ〉には、取り調べる、追求す 
る、問題にする、などの意もあ 
る。ともに必ずしも聴覚によらな 
い行為にも用いることができる言 
葉である。 

伺-つは、〈聞く X 問ぅ〉〈尋ねる〉 
の謙譲語。お聞きする、お尋ねす 
る、お訪ねするの意。 





135 技術•基準 


磯は、海や湖などの岩石の多い波 
打ち際。風景は〈浜〉と対照的。 
岸辺は、 岸のほとり。更に上がっ 
た陸や、沖あいに対して言ぅ。 

海!: は、海と陸が接する所。〈海 
辺 > ょり狭い範囲の場所。 

海辺は、 海のほとり。海の近く 
の土地を言ぅ。 

技術 ぎじゆつ 

|技術\技巧びン技能、§ぅ\~ 
—テクニック I 

(使い分け例 d 

技術… 「操作議が身に付く 。」 「RI 
_革新。」 「 SM 援助。」— 

技巧… 「_を凝らす。」「§に走り 


すぎる。」「技巧的な表現。」, 
技能… 「 S 検定。」「特殊_。」 
テクニック… 「テクニックを教わる。」 
「1クニツクを要する。」 


(ど一つ使い分けるか) 

技術は、 「編集—」の場合は一般 
的な、物事を ぅまくし 遂げるわ 
ざの意だが、「 I 者」の場合は、 
科学技術(自然科学を応用し人 
間の生活に実際に役立てる技術) 
を意味する ことが 多い。 

技巧は、 技術の巧みさ。〈技術〉 
に比べ、具体的.特殊.末梢的な 
ことについて言ぅ。芸術やスポー 
ツの分野で使うことが多い。 
技能は、 技術を含めた、物事を 
行う腕前.技量。特定の事柄につ 
いて個人が果たす力について言う 


ことが多い。 

テクニックは、 英語 technic 。 技 
術.技巧と言い換えられる。 


基準 きじゆん 

,基準/規準^ A 標準— 
1'^ジ水準以ん\レべル 

(使い分け例〕 

基準… 「比較の劃。」「採点の MS 
を設ける。」「労動 IS 法。」「建築 SI 
_。」 

規準… 「劃に従った行動。」「地価の 
_となる 公示価格。」 

標準… 「給与が一般サラリーマンの標 
I «に達する。」 「WS 的な家庭。」「樹 
1:値。」「^5語。」 「 giF 服。」 





気性 136 


水標規基 
準準準準 


〇〇△〇 1 

? 劣 

I _ 〇〇 

従丨 

うに 

〇〇_ ■ 

深 A 

重下 

1 ' • 〇 

の比 
丨較 

'' O ' 

活社 
の会 

1生 

1 〇 '' 

家1 
庭的 
な 

〇 丨丨丨1 
_ 

Sf 


に比べ具体性や精確さがあること 
が多い。 

標準は、物事の程度を知るため 
のおょその目安、平均的な程度、 
また一般的なあるべき姿、などの 
意がある。 

水準は、ある集団の平均的な程 
度(標準)の高さ。個人の能力な 
どの程度についても言う。〈基準〉 
や、あるべきものとしての〈標準〉 
は定めるものだが〈水準〉は計るも 
の。 


レベルは、〈水準〉とほぼ同義だ 
がほかに段階•クラスの意がある。 


気性 きしよう (〇性質) 

,気性\気質 bs > 性分 n ぅ V 
気立 f - t て/気心* r ; ころ/根性 


〇使い分け例 j 

気注… 「 WW が激しい。」「進取の ml 

ttl OJ 

気質… 「気«|が荒い。」「気 KI は多血質 
でけんかつ早い。」 

性分… 「じつとしていられない_。」 
「細かいことが気になる s ^。」 ⑩ 
たち。 

気立て… のいい娘。」— 
気心… 「1^5の知れた人。」「5^5が分 


水準…「我が国の技術力も世界の水 
準に達した。」「生活^ 1 F が高い。」 
「知的 ¥ ip 」「¥! F 器。」 

レベル…「知的:^が高い。」「生活の 
「君は^?が低い。」「事務 
次官^5の会議。」 


(ど5使い分けるか) 

基準は、判断•行動な どのもとと 
なるよりどころ。それを比較の材 
料とすることによつて 程度な どが 
分かる。 

規準は、社会的に通用させる行 
動や判断の手本となる規範•決ま- 
り 。〈基準〉に比べる とやり 方 •あ 
り方のよぅなものの手本と言え 
る。が、互いに意味が重なる場合 
も多く、区別なく使われることは 
多い。〈基準〉〈規準〉ともに〈標準〉 





137 季節 


からない。」 

根性…の曲がったやつ。」「なか 

なかいい^®だ。」 


(どう使い分けるか W 

気性は、感情面における生まれ 
つきの性質。〈気象〉とも書く。た 
だし 〈気象〉は天候の状態の ことを 
も言う0 

気質は〈気性〉と同義のほか、心 
理学用語として、個人の感情の 
傾向で、いくつかのタィプに分類 
される ものを言う。なお、同じ漢 
字を当てることもある「かたぎ」 
は、同じ職業や身分などに特有 
の気風や性格を言う。 

性分は、生まれもった性質。その 
性質からどうしてもそうなつてし 
まうという具体的言動とともに言 


うこと が多い。 

気立ては、備わっている心の特ち 
よう。評価を伴う言葉である。 
物事や人を受け止める ときの 様 
子から、また若年の、特に女性に 
向けて言うことが多い。 

気心は、他人につかめるかどうか 
の点からとらえる気持ちや性質。 
根性は、根本的なものの考え方 
に添ってしみついた性質。「 I があ 
る」では根気強く頑張りぬく精神 
を言う。 


季節きせつ 

,季節/時節 ? 0 '/時候 l u \シ, 

1ズン\季き 


(使い分け例 j 

季節…「春夏秋冬の四つの劃。」「杉 
の花粉の飛ぶ季細。」「私にも夢見 
る季節があった。」 

時節…「桜の WM 。」 「一^に合わせて 
明るい歌を歌ぅ。」「今の^、儉 
約する人は少ない。」「§到来。」 

時候…「国の挨拶。」「暖かい園に 
合った服。」 

シ—ズン…「スリー シ ー ズン。」 「海水浴 
の シーズ ン。」「入学 シ ー ズン。」— 

季…「この句には一 T がない。」「冬 1 P 」 
「雨¥。」「年¥が明ける。」 


( ど151使 い分けるか ) 

季節は、春夏秋冬の四つの I つ一 
つ。また、一年の内の ある 特徴的 
な一時期。また、人生など的 




基礎 138 


な一時期を比喩的に「•.•の季節」 
と 一一一一 口>つこともある。 

時節は、〈季節〉の意のほか、社 
会のその時の情勢の意。そのこと 
をするのによい 機会の意もある。 
時候は、その季節の気候、の意。 
シーズンは、〈季節〉と同義の外 
来語だが、「入学の 季節,」 は「入学 
シーズン」となるよぅなちよつとし 
た違いがある。 

季は、一語と して 使ぅのは俳句 
の用語(四季おりおりの景物、ま 
たは季語の意)に限られる。造語 
成分と して 〈季節〉の意で「冬季」 
「雨調」などと用いる。ちなみに 
「冬期」「雨期」などの言葉もあり、 
これらは「冬の期間」「雨の期間」の 
意だが、実際には同じことになる 
場合が多い。 


基礎 きそ (〇本じ 

|基礎\基本! # \根本!£\| 

基盤、 S ん\基1 : 


( 使い分け例) 

基礎… 「医学の義を学ぶ。」「会社の 
mw を固める。」 「 aw 的な訓練。」 
「_控除。」— I 
基卒: 「柔道の基本の技を学ぶ。」「基本 
に帰って考え直す。」「基本的に間違っ 
ている。」「5的人権。」方針。」 

根本… 「類方針。」「類理念。」「根 

¥的な改革。」 

基盤… 「活動の麵を築く。」「財政 

囊。」 


基… 「国家の基を築く。」 


(どラ使い分けるか) 

基礎は、その上に何かが積み重 
ねられる土台としてあるもの。 
基本は、物事の成立するための、 
土台というより常により所となる 
もの。〈基礎〉の意味を表すことも 
あるが、〈基礎〉が丁工事」「—訓 
練」のように具体的に定められる 
ものであるのに対して〈基本〉の方 
はより抽象的であると言える。ま 
た、〈基礎〉はプロセスの初めの段 
階であるのに対して、〈基本〉は全 
段階を通じての大切なことであ 
る。 

根本は、更に抽象的で、具体的 
な物や技術ではあり得ず、考え 
方•理念•精神などについて言う。 




139 汚い 


基根基基 
盤本本礎 


0000 

の経 
丨営 

_ _ 〇〇 

る1 
技と 
術な 

' 〇〇 ■ 

針丨 

方 

〇_ _〇 

め丨 

るを 

固 

〇〇 - ■ 

る説 
がの 
す丨 
を 

•' O ' 

人丨 
権的 


基盤は、それの上に立って生活や 
活動が可能となるようなものに言 
うことが多い。 


基は、 〈基礎〉〈基本〉を含めた意。 
和語であるが、むしろ他の語より 
文章語的である。 


汚いきたなぃ 

,汚い/薄汚 CI ない/汚 r ら 
しい/不潔3っ\ むさくる し 


C 使ぃ分け例 j 

汚い… 「§日。」「3手で触るな。」 
「^5色。 I 「祠い言葉を使ぅ。」「やり 
方が®?」「金に W 5。」® きれい。 
薄汚い… 服。」根性。」 
「まったく やつだ。」 
汚らしい… 「何か汚らしい格好。」「何 
とも 汚らしい顔だなあ。」 

不潔… 「掃除を した 手で料理を して 
は!?行為。」 
むさくるしい… 「むさくるしい 身な 
り。」「むさくるしい 部屋ですが、 お 
入りください。」 


(どう使い分けるか 

汚いは、見た感じ、聞いた感じが 
不快である、衛生的でない、のほ 
か卑劣だ、 よこしま だ、品がない 


など広い意味で使われる。「金に 
I 」な、どは、けちで金に執着する 

繁-° 

薄汚 - IA : は、全体的にどことなく 
涅れているという意。単に汚さが 
薄いというだけでなく、はっきり 
しないところからくる気味悪さや 
侮蔑感を伴うこともある。 
汚らしい は、汚く見える、汚い 
感じがする、の意。 

不潔は、 不衛生の意を表すが、 
「清潔」とともに行為•考え方や人 
柄についてもよく使う。 

むさくるしいは、 きちんと してい 
ない、さっぱりしていない、の A 思 
で、身なりや部屋の中の様子に言 
うことが多い。自分の住まいに招 
く時に「 I 所ですが」などと謙遜し 
て言う。見た目の感じを表すもの 
で心が汚れて いると いう意味は表 





気取り•気抜け 140 


え〉のほぅがよく使われる。 

虚飾は、 外見に見合った中身がな 
く外見がよいものに見えるよぅに偽 
り装った、そのうわべ。〈見え〉の前 
の意味に当たる文章語。個々の行 
いについてでなく、性格や生活態度 
などについて用いることが多い。 


さない。 


気取り きどり 

,気取り/見み え/虚栄 ^V 
,虚飾^ く 


( 使い分け例 j 

気取り… のない人柄。」「夫婦 
で歩く。」 

見え… 「見ぇつぱり。」「見ぇも外聞も 
ない。」で高価な品を買ぅ。」 

「愚坊。」 

虚栄… 「§¥を張る。」「知的®!?心 
としての 学問 好きもある。」 

虚飾… 「 SM に満ちた生活。」 「 SW の 
ない人。」 


(どう使い分けるか) 


気取りは、 体裁を飾って、上品 

ぶつたりもつたいぶつたりすること。 
また、それらしい様子をするこ 
と。他人の目をごまかそうという 
意識よりも、本人がそうなったよ 
うな気持ちの場合が多い。 

見えは、 他人から見られるその 
人の様子 (= 体裁)。また、体裁 
を考ぇてうわべをよく見られよう 
とする こと。「見栄」 とも 書き、 
芝居の 「I を切る」 は 「見得」 とも 
書く。 

虚栄は、実態•実質がそうでない 
のに見かけをよく見られよ うとす 
ること。〈見え〉の後の意味と同じ 
だが、文章語であり、日常のちょ 
つとしたことを表す場合には〈見 


気抜け きぬけ 

1気抜け\気 落 s ち/力 落, 
_*;%から とし/拍子抜1 ょ.っしけ— 

( 使い分け例〕 

気抜け… 「その後は気抜けの状態 
だ。」「君がいなくなって気抜けし 
た。」 

気落ち… も無理ない。」「失敗続 




141 厳しい 


きで気落ちする。」®落胆。 
力落とし…「ご家族を亡くされてお 
力落としでしょぅ。」 

拍子抜け…「あっさり勝ってかぇって 
拍子抜けだ。」 


(どラ使い分けるか) 

気抜けは、気持ちに張りがなく 
なり、ぼんやり とした 気分になる 
こと。 

気落ちは、がっかりして気持ちが 
しぼむこと。 

力落としもほぼ同義で、気を落 
として 活力や張り合いを失ぅ こ 
と。多く「お力落とし」の形で韦 
意を表すのに使う。 

拍子抜けは、勢い込んでいたのが 
不意にその必要がなくなり、力が 
抜ける こと。 肩透かしを食つたよ 


うにそれまでの調子をもてあます 
感じがある。 

〔注意〕〈力落とし〉だけは「する」がつ 
いて動詞になることがない。 


厳しい きびしい 

,厳しい/手厳 r しい\厳重, 

ば>厳格び/峻厳^ん\ 
峻烈纯ん 


( 使い分け例 ) 

厳しい… 「暑さが1:33。」「仕事に_ 
d 態度。」表情。」 

処分。」 

手厳しい… 「手厳しい批判を浴び 
る。」 ㊣ 手緩 S るい。 


厳重… 「厳重な戸締まり。」「厳重に 
注意する。」 

厳格 …「厳格な人柄。」「厳格な教 
育。」 

峻厳 …「峻厳な態度。」「峻厳な山 
容。」 

峻烈 •••「峻烈な批判。」「峻烈な気 
性。」取調べ。」 


(ど5使い分けるか) 

厳しい は、考え方、態度、状 
況、雰囲気などさまざまに使わ 
れる。 

手厳しい は、他人に対する攻撃 
的な態度•扱いに言ぅ。「—育て 
方」とは言わず、〈厳しい〉よりも 
痛烈な感じもある。 

厳重は、 事の処置などにおいて手 
落ちがないよぅにと入念で厳しい 




寄付 142 


様子。人柄などには言わない。 
厳格は、甘やかさない様子。相 
手(または自分)に対するいい加減 
でない気持ちや考えに基づいての 
態度や人柄に言ぅ。その人の固 
さも感じられる 表現。 

峻厳は、非常に厳しくいかめしい 
様子。山の様子などにも言ぅ。 
峻烈は、非常に厳しくはげしい 
様子。人の態度や言動について言 


寄付き ふ 

,寄付\寄贈| # .1 # \寄進 

2\献金^\醵金0\義 
捐金!|ん\募金 SA カンパ 


q 使い分け例 〕 

寄付 … rs を募る。」「調度品を施 
設に寄付する。」「_金。」 

寄贈… 「蔵書の寄贈。」「寄贈した品 
物。」 

寄進… 「灯籠を神社に寄進する。」 
献金…「政治^!。」 

醵金…を募る。」「関係者どぅ 
しが醵金する。」 

義捐金…— 地に送る。」 
募金… 「募金する。」「蠢を募る。」 
「街頭運動。」 

カンパ… 「資金か、ノ。ハ。」「カンパに協力 
する。」「カンパしてくれ。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

いずれも無償で金銭 または 品物を 


提供することに言う。 

寄付は、 金品を贈ること、また 
その金品を言うが、個人にでなく 
団体に贈る場合に使う。 

寄贈は、 品物を贈る場合に使い、 
贈呈のょうな意味。 

寄進は、社寺などに金品を寄付 
すること。 

献金は、 ある目的を援助するた 
め金銭を寄付すること、またその 
金銭0 

醵金は、 ある事業のため複数の 
人間が金銭を出し合うこと。ま 
たその金。 

義捐金は、 不幸や災害などに見 
舞われた人への慈善を目的とした 
寄付金。 

募金は、 寄付金などを集めるこ 
と0 

カンパは、 kampaniya (ロシア 




143 決まり 


語)の略として生まれた語。活動 
や援助の資金のために大衆を相手 
に呼び掛ける募金。またそれで集 
めた金。ただし、「 I する」と言 
ぅとカンパに応じて金を出す、の 
意味になる。 

〔注意〕〈義捐金〉は、新聞では〈義 
援金〉と書く。〈義捐金〉を除いてみな 
「する」がつき動詞になる。 


決まり さま〇 

,決まり \規則:; く/ 規 約, 
t s \ 規定 Ts > 規程 Tt > 規 

律(紀律)^\法5\法律 
器\定ねめ\ルール 


('使い分け例し 

決まり…「校内では上履きを履く拥 
まりになつている。」「私は毎日七時 
に起きるのが決まりだ。」「決まりを 
付ける。」 

規則… を定める。」「戸籍法施 
行®。」「_的な配列。」「刹則 
正しい生活。」 

規約… 「生徒会の^^。」 

規定… 「前項の WW に従ぅ。」「意味 
解釈の規準を規定する。」「体操の 
^55種目。」「概念11定。」 

規程… 「勤務 WW 。」 「図書貸出規 

slo 」 

規律…のある暮らし。」正 
しい態度。」丨 

法… 「人間は闽の下に平等だ。」「健康 
闽。」 

法律…「_によって権利を行使す 


る。」「法律家。」 

定め… 「_を守る。」「花はいつか枯 
れる定めにある。」 

ル I ル… 「試合のルールを決める。」 
「交通^5。」「社会の^5。」 


(どラ使い分けるか) 

決まりは、決まつている ことと い 
う意味で規則•規定•法則•慣習な 
どのほか決着•落着など、表す意 
味は広い。最も日常的な語である。 
規則は、成文化された決まりを 
言うのが普通だが、法令などょり 
具体的で細かい決まりを言う。慣 
習などは指さない。ただし 、「I 
正しい」などは、 この 意を離れて 
法則や秩序の意で使われている。 
規約は、比較的狭い特定の組織 
内の約束事としての規則に言う。 



決める 144 


規規規決 
ま 

律定則り 


0000 

守丨 

るを 

〇 ■ 〇 ■ 

活し 

1 1 • 〇 

歩朝 
が食 
丨前 
だの 
散 

1 〇 • 1 

る前 
通項 

りに 
: 1 
す 


関係者の協議によって決められる 
場合が多い。 

規定は、規則や、法令の条文に 
定めて ある こと、の意。全体と し 
てでなく、個々の条文について一一一ーロ 
う。 「 — する」と言える ように、 
決める行為をも言う。 

規程は、組織の内部の執務など 
に関する規則で、〈規定〉と異な 
り、一連の条項の全体を言う。 
規律は、秩序ある生活や運営を 
保つための決まりを漠然と総体的 
に言う言葉で、具体的な成文化 
したものではない。現在では「秩 
序」と同義で使われることが多い。 


法は、〈法律〉の意のほかに、物 
事の仕方、道理など多くの意味 
がある。 

法律は、国家が定める決まりで、 
日本では国会で決めたものを言 
う。ちなみに国の行政機関の出す 
ものは政令•省令•訓令などであ 
り、地方公共団体で定めるもの 
は条例である。 

定めは、規則•決まりの意として 
は古い言い方。自然に決まつていつ 
た慣習•傾向や、人為の及ばない 
運命の意でも使う。 

ルールは、英語 rule ( = 規則)。 
スポ^—ツや遊びの決まりごとに使 
うことが多い。その場の取り敢え 
ずの取り決めや、明文化はされて 
いないが、守るべきものとして常 
識化したものに言うことも多い。 


決める きめる 

,決める/定1;める/決定 V T >?, 
する/決?する\裁定 sa す 
る\認定苽する/判定ほ 
する 


(,使い分け例) 

決める… 「担当を^^。」「心を韵 
る。」「決めてかかる。」「技を決め 
扣。」 

定める… 「法に定める。」「行く当て ^I 
办ぬ旅。」「的を I I 
決定する… 「予算を決定する。」「最 
終的には自分で決定する。」 
決する… 「意を^^。」「雌雄を^^ 




145 気持ち 


決決定決 
す¥めめ 

"cJ -QJ QJ cD 


〇〇〇〇 

を運 

1命 

1〇〇〇 

を方 
丨針 

〇〇•〇 

を黒 
丨白 

〇〇 ■ - 

が勝 
丨敗 

| • | 0 

丨技 
を 

1 1 〇 • 

をね 

1ら 

い 

〇 • ' • 

丨意 
を 


それへの強い意志などが表れる。 


裁定するは、物事のょしあし•理 
非を裁いて決める意。 

認定するは、事実•資格として 
それに当たるかどうかを判断して 
認める意。主に公の機関が審査 
などを通して行うもの。 

判定するは、はつきりと見分け 
て決める意。優劣•勝敗•正邪な 
ど、どちらとするかの判断におい 
てはつきりさせる場合に使う。 
〈裁定する X 認定する X 判定す 
る〉は、第三者的、また客観的な 
目や、立場で行うものと言える。 


気持ち きもち (〇心) 

1気持ち/心持: T ろち\気分— 

f s \ 心地 % 1\気色^く\心 
情^う\感情情緒 
K う.^ぅ/ 情操^' ぅ 


〇使 い分け例 ) 

気持ち… 「気持ちを込める。」 

が定まる。」「空気が悪くて気持ち 
が悪くなった。」「ほんのです。」 
心持ち… 「酒に酔ってょい^^だ。」 
r 心_多いくらいだ。」 

気分… 「褒められて類がいい。」「病 

気で_が優れない。」「ほろ酔い ml 

划。」「新婚劃。」 


る。」「まなじりを決して戦ぅ。」 
裁定する…「中央労働委員会が ww 
する。」 

認定する…「資格を認定する。」「事 
実と認定する。」 

判定する…「優劣を判定する。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

決めるは、それょり動かなくな 
るといぅきつちりとした感じが出 
るのに対し、定めるは、決めて 
落ち着かせる意で、秩序•統制 
•安定などにつながるものにょく 
使われる。 

決定するは、具体的なテーマにつ 
いてはつきりとそぅ決め(ま)る意 
で、「心を—」 とは 言わない0 
決するは、語勢の強い表現で、 
はつきりと決ま(め)るニュアンスや 




気持ち 146 


心地…「耳に心地ょい音楽。」「人心地 
ついた。」「夢見^¥。」「住みむ地。」 
気色…「相手の劃をぅかがぅ。」「気 
fel の悪い模様。」 

心情… 「75 W を吐露する。」「悪いこと 
だが、: 5 S 的には分かる。」丨 
感情…をあらわにする。」「_的 
な発言。」「国民 WW 。」 ㊣ 理性。 
情緒…不安定。」©情動。 

「南国のを醸す。」®情趣。— 
情操…「豊かなを育てる。」「情操 
教育。」 


(ど3使い分けるか 

気持ちが表せる意味は広く、心. 
考え•気分•心情•心理•心境•感 
触など、そのつどさまざまな言葉 
で置き換えられるが、基本的に 
は、心の状態の ことで ある。 


心持ちは、漠然ととらえた〈気 
持ち〉。気分のようなものに近く、 
考えなどの意味合いは薄い。気立 
ての意味もある。やや古風な表 
現。 

〈気持ち X 心持ち〉とも「 I 右寄 
り」などの例では、ほんの少しの 
意味を表す。 

気分も漠然とした気持ちである 
が、楽しいなどのほか身体面の快 
不快にも言う。「新婚—」などで 
は、いかにもそれらしい気持ちを 
言う。 

心地は、物事にじかに触れている 
時に身体または心の全体に受けた 
感触に言う。 

気色は、顔に表れた気分。また 
は物事に対して抱く快不快などの 
気分や感じ。 

<心地X気色〉は<気持ちX感情〉 


と違つて「込める」ことはできない。 
心情は、心の内容を知情意とす 
る場合の、情意(感情•意志)の側 
面としての〈気持ち〉。比較的非 
理性的な側面での心の状態。 
感情は、物事に感じて起こる、 
快不快と結びついた気持ち。喜. 
怒.哀•楽など0 

情緒は、一種独特の雰囲気の中 
で誘い起こされるさまざまな感 
情。また、その雰囲気。また、 
一時的で急激な感情の動き。後 
者は emotion の訳である。 

情操は、美的•知的•道徳的など 
の価値判断の基になる、高度で 
複雑な感情。〈情緒〉が一時的で 
あるのに対し、持続的なもの。 


〔注意〕〈情緒〉は慣用でジョゥチョと 
読むことが多い。 




147 着物•救助 


ことも 多い。 また 舞台の演技者の 
衣服を言ぅ。 

コスチユーム は英語 costume ( = 
衣装)に基づく。ある時代や地方 
などを 表す民族衣装、 また 舞台 
衣装、ほかに婦人服に おけるひと 
まとまりの 衣装、 などの 意で 使ぅ 
ことが 多い。「 I プレ^—」は、ある 
時代の衣装で演ずる劇の こと。 


着物 きもの 

,着物/衣服广\衣類,\| 
被服严\衣装(裳)5ょぅ\コ 
スチューム 


q 使い分け例) 

着物…「着物を着なくても過ごせる 
暖かさ。」「洋服を脱ぎ11^を着 
る。」— 

衣服…を身にまとぅ。」「_の 
管理。」 

衣類…「@の整理をする。」 

被服…「家庭科での勉強をす 
る。」 「 SW 費。」 

衣装…「0 持ち。」 「舞台 0。」§ 


合わせ。」 _ 

n スチユ I ム … n 蒙華なコスチユームを 
身にまとぅ 。」I コスチユームプレー。」 


(どう使い分けるか) 

着物は、着る物という意味で衣 
服の全般をも言うが、洋服に対 
して和服を指すことが多い。 
衣服は、身にまとう物、着る物。 
和服か洋服かを問わない。 

衣類は、身につける物であり、 
服とは言えない靴下や帽子なども 
含まれる。 

被服は、衣服•着物の意のかたい 
文章語。 

衣装は、衣服•着物の意である 
が、見せるもの、見られるものと 
いうニュアンスが強く、アクセサリ 
丨などを含めた全体について言う 


救助 きゆうじょ(〇助ける) 

|救助\救出は-35\救済| 
_al ぅ/救援 JI ぅ 

ハ使い分け別,) 

救助 … 「人命の觀。」「川に溺れた人 
を救助隊。」 



急に 148 


救出… 「人質の救出。」「坑内からけが 
人を救出する。」 

救済… 「難民の_。」「貧苦から人々 
を救済する。」 

救援… 「被災者の SM 。」 「侵略され 
た国を救援する。」 


(ど-つ使い分けるか) 

救助は、 遭難した人を危険から 
救い助けること。 

救出は、 危険な所に閉じ込めら 
れている人を救い出すこと。〈救 
助 X 救出〉は精神的な救いには使 
わなぃ。 

救済は、 困窮から人を救ぅこと。 
精神的な不幸からのそれも言う。 
救援は、 回復や再起に不足して 
いるもの(金品•人手など)を提供 
して力を添えてやる援助の意味合 


いが強い。〈救助 X 救出〉は即、命 
にかかわる危険から救うことだ 
が、〈救済〉〈救援〉はそれほど緊 
急ではない。その代わり対象の人 
数が多くて長期になることが多い。 


急に きゅぅに 

,急に/俄1ゎに\いきなり/— 
矢庭 S ゎに/突然尨/不意1 
に/出だし抜ぬけに 

( 、使い分け例 ) 

急に… 「このところ急に日が長くなつ 
た。」「事態は進展している。」 
「 W 5 腹が痛くなった。」 

にわかに… 「にわかには返答できな 


い。」「雷鳴とともに空はにわかに闇 
と化した。」 

いきなり… 「いきなりそんな ことを 聞 
かれても答えられない。」「入社して 
いきなり課長に任命される 。」I 
やにわに… 「戸外を見やると、やに 
g 外へ走り出た。」 

突然… 「 WW 雨が降り出した。」® 
突如。 

不意に… 「不意に肩を叩かれ驚いた。」 
ぅまい文句が浮かんだ。」 
出し抜けに… 「出し抜けにおかしな 
ことを 言ぅなょ。」 


f どう使い分け^か U 

急には、 極めて速く事態が変わ 
る さま、また、 思いが けず、 前触 
れもなく、の二様の意味がある。 
にわかには、 〈急に〉と同義の、か 




149 清い 


なり文章語的な和語。 

いさな りは、〈急に〉の後半の意 
味(思いがけず。前触れなく)と同 
じだが、有意志的な動作に 限ら 
れ、その動作が相手にとつて思い 
がけない ことであるさまを1111口ぅ。 
自然現象には用いない。 
やにわには 、〈いきなり〉と同義 
だが文章語である。同じく自然 
現象には使えない。 

突然は、〈いきなり〉と同義の上、 
有意志的な動作に限らず、自然 
現象などにも使ぅ。同義の〈突 
如〉は〈突然〉ょり文章語的な漢 
語。 

不意に も、〈突然〉と同義だが調 
子が弱く、また、より日常的な 
語。 

出し抜けには、 〈いきなり〉と同 
じく意志のある動作について使う。 


その動作に対する非難めいた感じ 
が少し 付きまとう。 


清いきょぃ 

,清い/清 is らか/清潔^ベ 
,清浄^ぅ I 

(使い分け例) 

清い… 流れ。」「_心。」交 
際。」 

清らか…「清らかな調べ。」「清らかな 

恋。」 

清潔… 「部屋をしておく。」「阇 
潔* I 人柄。」政治。」®不 
潔。 

清浄…「^¥空気。」 「心は^^ 


一点の汚れもない。」「清浄* I 気分で 
新年を迎える。」 


( ど5使 い分けるか ソ 

® いは、汚れていないですがすが 
しさが伴うような様子を言う。 
清らかを〈清い〉と比べると、〈清 
い〉のほうは客観的な認識として、 
〈清らか〉のほうは、自分はそう田心 
うという主観的な認識として言う 
違いがある。どちらも人間の内面 
に触れて言う場合には、純粋で利 
己心や俗悪なところがない意。 
清潔は、衛生上のことのほかに、 
人柄や行為の印象にも言う。物 
質的なものについて言うことがか 
なり多いことや、「澄んでいる」と 
いう言い換えが当たらない場合が 
多いことは、〈清い X 清らか X 清浄〉 



教師 150 


と違ぅ。 

清浄は、物質面では空気や水、 
抽象的な面では心やムードとして 
の空気などによく使い、「澄んでい 
る」といぅ言い換えが大方当ては 
まる。「恋•恋愛 • 票•人柄」など 

については一言わない。 


教師 きょぅし 

,教師/教員^ぅ/教官— 

”ぅ\教育者 1 <1^\先生 

w v > 師し/師匠 r 

〇使い 分け例) 

教師…「国語の_。」「家庭 SM 。 」 
教員…免許状。」の養成。」 


「教員組合。」 

教官… 「大学の®。」「少年院の教 

5 

教育者… 「教育者にあるまじき所 
業。」「研究者にして教育者。」 
先生… 「中学校の先生。」「外科の先 
由。」「^51だいぶご機嫌だね。」 

師… 「師と仰ぐ。」「師の恩。」 

師匠… 「小唄のお MS さん。」「学問上 

の圏。」 


(どう使い分ける IANU 

教師は 学問や技芸を教える人で、 
「ピアノー 」 のよぅに 学校以外でも 
使い、 また 宗教の指導者の意もあ 
る。 

教員は 学校で教育職務に従事す 
る人で、職員•事務員と区別して 
言う。 


教官は 国立の学校や研究所で教 
育•研究を職務とする公務員で、 
私立大学の教員を指す のは 俗用。 
教育者は、 教育に従事する人で 
あるが、生徒の手本となるような 
人格者という敬意や自戒を込めて 
用いられることが多い。 

先生は 学問や技芸を指導する人 
で、そのほかに医師.代議士.弁 
護士などの敬称として使われる 
が、親しみやからかいの気持ちを 
込めて言うこともある。 

師は 学問や技芸.宗教上の指導者 
を敬意を込めて言う語で、代名 
詞や接尾語としても用いる。 
師匠は 技芸や遊芸などを教える 
人で、芸人の敬称としても用いる 
が、学問上の直接の先生を言う 
場合もある。 




151 共同•巨大 


互協協共 
助力同同 


0000 

挙1 
げの 
る実 
を 

I 〇〇〇 

営丨 

すし 

るて 

運 

1 1 1 〇 

議1 
謀 

1 1 〇 1 

合丨 

組 

1 〇 • • 

め1 
るを 
求 

〇 I ' 1 

金1 
年 


た同等の資格で関係すること。 
協同は、心 や力を合わせ共に事 
を行うこと。〈共同〉 のように 例え 
ば単に場所•物•権利などを共有 
する ことな どには使わないが、比 
較的新しい用法として〈共同〉を 
〈協同〉 の 意味で使う こと もある。 
協力は、 力を合わせる ことに 重 
点をおいた語。〈共同 X 協同〉は 
複数の者が対等の立場で事を行 
うが、〈協力〉では主たるものに対 
する助力もある。 

互助は、 同等の立場や資格の人 
が互いに助け合うことに言う。 


助け合いは、 助けたり助けられ 


たりの関係であり、〈互助〉と同 
義の和語で日常的な言葉。 


巨大 きょだい 

,巨大/膨大^\莫大^\| 
多大^\甚大^/絶大 

ぜつ\ し 

_だぃ\3プだぃ 

(' 使い分け qw 

巨大… ドーム。」 rM ^ 都 
市。」資本。」 

膨大 •..「膨大な宇宙。」「膨大な計 
画。」「膨大す2>|予算。」 

莫大… r 莫大な財産。」 r 莫大な損 
失。」 

多大… 「多大な費用。」「多大な努 


共同 きようどう 

1共同\協同0ぅ\協力— 

0\互助 D ' r - ょ/助 tfc け合ぁい— 

f 使い分け例〕 

共同… 「_ で 経営す る。」 「_炊 
事場。」「_募金。」 ㊣ 単独。 
協同.. . niMQSi ! に^:® ^ する0 」 「ml 
同一致。」「§組合。」 

協力… 「美化に協力する。」「3^を 
惜しまない。」 

互助… 「@の精神。」「3会。」 
助け合い… 「歳末助け合い運動。」 

P ど-つ使い分けるか) 

共同は、 共に事を行うこと、ま 




嫌う 152 


力。」「師から多大の恩恵を受け 
た。」 

甚大… 「甚大な影響を受ける。」「被 
害は 

絶大…権力。」「絶大な御支 
援を賜りますよぅに。」 

至大…「至大な構想に驚嘆する。」 
功績。」 


(どラ使い分けるか U 

巨大は、同類の他のものょり規模 
が-36外れて大きいさま。膨大は形 
や S - 量が非常に大きいさま。本 
*-- は膨れて大きくなること。 
莫大は数量だけでなく、程度が 
この上なく大きいさまを言う。 
多大も数量•程度が大きいさまを 
言うが、他の語ほどではない。 
「 I の」の形も多く用いる。 


甚大は程度が甚だしく大きいさ 
まを言うが、多く好ましくないこ 
とについて使う。 

絶大は人間の力や行為がこの上 
なく大きいさまを肯定的に言う。 
至大もこの上なく大きいさまで、 
構想や効果など無形のものについ 

て言う非常にかたい文章語。_ 

〔注意〕〈膨大〉は本来の意のほかは 
〈彪大〉の書き換え。 


A つきらう 

,嫌う/嫌 i がる/厭つ/憎— 
< K む\嫌悪^する/憎悪 , r 
■する/忌ぃむ\忌避 s する 


f 使 い分け例 W 

嫌一つ… 「友達にれる。」「外出を細 
91 。」「壁は湿気を g 。 」「所嫌わ 
ず現れる。」®好く。好む。 

嫌がる… 「人にれる。」「働くの 
を嫌がる。」「人の嫌がることをする 
な。」 _ 

厭う •••「労をいとぅ。」「世をいとぅ。」 
㊣ 慕ぅ。好む。 

憎む… 「罪を寶で人を憎まず。」「憎 
糾ないやつ。」 ㊣ 愛する。可愛が 
る0 

嫌悪する… 「無神経な態度を嫌悪す 
d 。」 ㊣ 愛好する。 

憎悪する… 「裏切った相手を憎悪す 
a 1。」®熱愛する。 

忌む… 「友引の葬式を風習。」 
「不正を忌む。」_ 

忌避する… 「徴兵を忌避する。」 





153 m 


广どぅ使い分けるか〕 

嫌う.嫌がる は重なる意味用法 
も多く、好意を持たない、避ける 
の二方向をそれぞれ持つが、〈嫌 
がる〉は、〈嫌ぅ〉•避けたいなどの 
気持ちを様子に表すといぅ意味合 
いで使ぅ こと も ある。 

厭う は〈嫌がる〉の古い言い方とも 
言え、嫌がって避ける意。健康面 
などでいたわる意もある。 

憎む•嫌悪する•憎悪す るは自 
身がそこから遠ざかりたいといぅ 
よりも、対象の存在を否定したい 
くらいにひどく嫌ぅ、いやだと思 
うことを表す。なお「悪」は憎むの 
意。〈嫌悪する〉は、感覚的な好 
みとして言う感じが強い。〈憎悪 
する〉は〈憎む〉よりも激しい憎し 


みが感じられる。 

忌む は、嫌い避ける意だが、けが 
れや縁起、また煙つたさから遠ざ 
ける ことに言う。 

忌避するは、 嫌がって、そうなら 
ないようにと強く避ける意。 



〔霧/霞 t す\靄, スモッグ 
(使い分け例 U 

霧…「_が降る。」「_が立ちこめる。」 
「夜_。」「夕«|。」「|*|を吹く。」 
霞:「鬪が立っ。」「朝鬮。」「夕«|。」「春 
BI 。」 「目に* I がかかる。」 

靄… 「»|がかかる。」「朝»|。」 

スモツグ… 「光化学スモッグ。」 


(ど-つ使い分けるか} 

霧は、水蒸気の凝結した細かい 
水滴で、地表や海面の近くに漂 
う。平地では秋に多く、雅語と 
しては秋のものだが、気象用語と 
しては季節はない。人が液体を細 
かくして空中に飛ばした場合にも 
言う。 

霞は、水滴に限らずちりなども 
含めて空中に浮遊する微細なもの 
のために、空や遠くの景色がぼん 
やりと 見える現象を言い、〈霧〉と 
違って「 I を浴びる」「 I にまかれ 
る」 ということは ない。また「 I が 
たなびく」では薄雲のように帯状 
に見える現象を言う。目がはっきり 
見えない ことを 表す場合には「翳 
み」とも書く。秋の霧に対して、 
〈霞〉 は 春のものとされている。 





切る•着る 154 


2TV rsTEI 


〇〇〇 

朝 

1 

1 1〇 

夜 

1 

- 〇 ■ 

春 

1 

〇〇1 

び丨 

くが 

た 

な 

〇‘ △ 

め1 
たの 
冬た 
のち 
夕こ 


靄も煙などを含めて言う。〈霧〉 
のように大気中に低く立ちこめる 
が〈霧〉より湿度は低く見通しは 

よい0 


スモ ツグは smog ( smoke 煙 + fog 
霧の合成語)。排煙•排気ガスな 
どが雲や霧のように立ちこめたも 
の。大気汚染と言える。 


切る きる 

,切る/伐 きる/斬きる\截き— 
る\切断(截断)^する\断 


L 裁する/カットする 」 

0^ い分け例) 

切る… 「指を^5。」「縁を^^。」「ス 
ィッ チを切る。」「スタ^~卜を切る。」 
「風を切る。」 

伐る… 「木を伐る。」 

斬る… 「人を^^。」 

截る… 「布を截る。」 

切断する… 「パィプを切断する。」「鉄 
板を切断する。」「_面。」 

断裁する… 「紙を断裁する。」「_裁 
機。」 

カツトする… 「髪をカットする。」「賃 
金カット〇」「ボールをカットする。」 


f どぅ使い分けるかし 
切る は、最も広く用いられ、〈伐 


る〉〈斬る〉〈截る〉 もこの 表記で表 
せる。特に使い分けるとすれば、 
伐る は木を、 斬るは 人を、 截る 
は 紙や布などを切る場合に使ぅ。 
切断する•断裁するは、 物を断 
ち 切る ことに 使い、〈断裁する〉 は 
主に紙を、製本などで型に合わせ 
て切る場合に使ぅ。 

カツトする の cct は「切る」意だ 
が、日本語としては切り除く、 
削除する、切り捨てるなどの場 
面•意味で用いられる。 


着る きる 

,着る\纏> つ/着っける\羽, 

—戀る 





1 55 議論 


(' 使い分け例 〕 

着る… 「服を_。」 

纏う… 「豪華な衣装を身に^ J ^。」 
着ける… 「エプロンを着ける。」 r 髪飾 
りを着ける。」 

羽織る… 「ヵーディガンを羽織る。」 


(どぅ使い^;けるか) 

着る は、上半身を含めて服を身 

につける音 r 

纏一つは、 身にぐるつ と 覆つた全体 
をとらえて 言ぅ。 

着ける は、身につける物であれば 
衣類のほかアクセサリーなどの場 
合にも使う。「付ける」とも書く 
が、「付ける」は他の意味も多い。 
羽織る は、衣服の上に肩から背 
中に引っ掛けるように着る場合に 


言い、袖を通していてもいなくて 
も言ぅ。 


議論ぎ ろん 

,議論/論議5討論!|\, 
討議れぅ\論争1!\ディスヵ 

ッション 

( 使い分け例〕 

議論… 「 MW を闘わす。」「運営方針 
について議論する。」 

論議… 「税制についての劃。」「本対 
策の是非を論議する。」 

討論… 「自然破壊について討論する。」 
「政治会。」 

討議… 「対策を討議する。」 r 意見発表 


の後、討議に入る。」 

論争… 「党のあり方を巡る」「激 
しく論争する。」「文学1¥。_| I 
デイスカッシヨン… 「'ディスカッション 
する。」「パネルディスカッション。」 


ハどう使い分けるか) 

議論は、 問題点について結論や合 
意点を求めて互いの意見に批判も 
加えながら意見を出し合ぅこと。 
論議は、 ほぼ〈議論〉に同義だが、 
〈論議〉の方が問題が狭く限定さ 
れ、核心に迫る煮詰まった話し合 
いである場合が多い。 

討論 も 討議 も、問題を詳しく調 
ベ問いただすための〈讓論〉。〈討議〉 
は具体的な方向を目指して、詳し 
い問題に入り込む場合が多く、 
〈討論〉の方が意見の出し合いの意 





近所 156 


近近近 
辺隣所 


〇〇〇 

家1 
々の 

'• 〇 

T 

1 ■〇 

合丨 
い付 
さ 

_〇_ 

国丨 

諸 

〇 ■ _ 

丨大 

阪 

〇 ■ • 

丨机 
の 


所の意味であるのに対し、それだ 
けでなく、市町村や国段階での 
近い所をも意味する。 

近辺は、その指す範囲が〈近所〉 
〈近隣〉に比べるとやや漠然として 
いる。また、 より 狭い段階でも使 
い、「机の一」などは〈近所〉〈近 
隣〉では不適である。 


辺りの意味用法は、〈近辺〉に近 
いが、空間的に とらえる 範囲は更 
に さまざま (周囲、一帯など)で 
漠然としている。また「ころ」「ぐ 
らい」といった 時間 や 程度の大体に 
も言う。 


が強く、話し合いだけでは具体的 
な施策が求められない ことを 前提 
とした 場合に使われる ことが 多 
い。いずれも話し合いの形式の整 
つた 場合が多く、社会問題を扱ぅ 
特定の公式的な話し合いやその名 
称に多く使われる。 

論争は、勝つことを意識において 
する話し合い。 

ディスカツシヨンは英語 discus - 
sion ( = 討論•討議)。「パネル—」 
は、聴衆の前で専門家が討論し、 
質問を受けるもの。 


近所 きんじよ 

,近所\近隣1!\近辺2\, 
辺 S り 


(使い分け例 j 

近所…「_に住む。」 r _ 付き合 
い。」迷惑。」「近所合壁 。」㊣ 
遠方。 

近隣…の家。」 「 Ms の村々。」 

園諸国。」 

近辺…「駅の® M 。」 「東京近辺。」「机 

の_。」 

辺り…「神社の到を散歩する。」「辺 
DI の気配。」「今日_には帰ってく 
るだろう。」 


(ど-つ使い分けるか) 

近所は、自分の住まいの近くで、 
その範囲では、どの家のどの人と 
具体的に知っているょぅな近い所 
を言ぅ。 

近隣は、〈近所〉がその家に近い 




157 ぐいぐい 


G 


ぐいぐい 

I ぐいぐい\ぐんぐん\どん— 
どん\ずんずん/とんと 
ん\どしどし/めきめき I 

C 使い分け1 

ぐいぐい…「ぐいぐい綱を引く。」「<1 
いぐい酒をあおる〇」 

ぐんぐん…「成績がぐんぐん上がる。」 


「他者をぐんぐん引き離す。」 
どんどん…「どんどん戸をたたく。」 
「どんどん出世する。」 

ずんずん…「ずんずん歩く。」「木はず 
大きくなった。」 

とんとん…「とんとん話が進む 。」 rd 
んとん拍子。」 

どしどし…「応募者がどしどし来 
る。」「どしどし.言い付けて くださ 
い〇」「どしどしと上がり込む〇」 

めキ J めさ…「めきめき力をつける。」 


(,ど-つ使い分けるかノ) 

ぐいぐいは、力を込めて引いたり 
押したりする様子や、勢いよ く 物 
事を続けてするさまを表す。 
ぐんぐんは、物事の進み方の速 
い、また力強いさま。〈ぐいぐい〉 
は動かす力の強さに、〈ぐんぐん〉 


はそれによる物事の動きに視点の 
置かれた表現。 

どんどんは、物を強く連打する 
音の さまの ほかは、〈ぐんぐん〉 と 
同じに使える。 

ずんずんは、進んで行く様子が 
力強いさま。積極的で振り返らな 
い感じがある。ほかに物事の変化 
や進行が速いさまを表す用法では 
〈とんとん〉 よりも、 ぬきん出る よ 
ぅな感じが表れる。 

とんとんは、物事が(を)順調に 
運ぶさま。「 I たたく」などは擬 
声語で、別の用法である。 
どしどしは、物事が次から次へと 
滞りなどがな^ J 8 くさま。ためらい 
や遠慮などのない感じも表れる。 
めキ J めキ J は、成長•進歩•伸展な 
どが目立つて速いさま。 




食い違い•苦情 158 


食い違い くいちがい 

I 食い違い\齟齬?;/矛盾— 
1 S ゅん V シレンマ I 

(使い分け例〕 

食い違い…「一一人の意見に食い違いが 
ある。」「歯車の食い違い。」 

齟齬…「発言に副を来す。」 

矛盾…「論理に劃がある。」 

た態度。」®自家撞着。 
ジレンマ…「親孝行も、恋もしたい 
というジレンマ,から逃れられない。」 


(ど131使い分けるか) 
食い違いは、互いの不一致•ず 


れ。同一人物の二つの言動の〈食 
い違い〉は、後の〈矛盾〉と同じに 
なる。 

齟齬は、〈食い違い〉と同義の漢 
語。極めてかたい文章語。 

矛盾は、つじつまの合わないこと 
を言い、〈食い違い><龃齬〉と違っ 
て、別の人間のそれぞれの方向が 
違っているょぅな場合ではなく、 
同じ人間または同じ仲間の幾つか 
の発言が背き合い論理性がないこ 
とに言ぅ。中国の故事成語。文 
章語的だが、かなり日常的にも 
使われている。 

ジレンマは dilemma 。 二つの望 
みがあり、一方を果たすと必然 
的にもう一方が果たせなくなるた 
めに、その間に挟まって動きがと 
れないこと。現実の〈食い違い〉の 
中で、論理の〈矛盾〉を避けよう 


厂として陥る板挟みの状態である。 


苦情 くじょぅ 

,苦情/文 句^\難癖4!\1 
異議か\物言1い\タレー 
,ム 

( 使い分け例 W 

苦情…「一^を訴える。」 「15 W が絶え 
ない。」 「 S 処理。」 

文句…「いつも^^ばかり言ぅ。」「刻 
创が多い。」「_をつける。」 

難癖… 「 MW をつける。」 

異議… 「 WW を唱える。」を申 
し立てる。」 

物言い… 「 SSI がついて取り直し。」 




159 悔しい 


クレ …「取引先にクレームをつけ 
る。」「判定にクレームがつく。」 


(どう使い分けるかし 

苦情は他から受ける損害や不利 
益に対する不平•不満。文句はそ 
ういう状態に対する言い分の意で 
ある。 

難癖は「 I をつける」という形で使 
い、ちょっとした欠点を見つけて 
悪く言うこと。 

異議は他と異なる意見や考えの 
意で、 「I あり •なし」のょうに 使 
うが、特に他人の意見や行為を 
不服とする場合に使う。(なお、 
同音の「異義」は「同音—語」のよ 
うに異なった意味の意)。 

物言いは相撲で行司の判定に審 
判委員が異議を申し立てること 


で、一般に〈異議〉の意にも使われ 
る。なお、「 I が悪い」は言葉づか 
い、 「 I の種」は口論の意である。 
クレ— 厶は貿易で売り手の契約 
違反に対する損害賠償の請求の 
意であるが、一般に異議申し立 
て•苦情の意にも使われ、「 I がつ 
く」「—をつける」の形になることが 
多い。 


悔しい くゃしぃ 
,悔しい\ 残念^/無念 rvl 

口惜 *< ちしい 


ハ 使い分け例 ) 
悔しい… 「試合に負けて 


残念…「せっかくの運動会が中止にな 
って残念だ。」「君に会ぇなくて®^ 
/il 。」 

無念…「この度の敗訴は!^。」 
口惜しい…「ここで逃したとは口惜 

32。」 


ハどう使い分けるか) 

悔しい は、屈辱感や敗北感のた 
め腹立たしく、忘れられない、諦 
めきれないといった主観的な感情 
に言う。 

残念は、改めて考えれば果たせ 
た方がょかったと思う、という程 
度の軽い気持ちにも言う。また 
〈悔しい〉ょり客観的な響きがあ 
り、屈辱感は少ない。 

無念は、心底残念でならない意。 
心に掛けていたことが果たせなかっ 




倉(蔵)•暮らし 160 


たり失ったりしてとりかえしのつか 
ない場合に使うことが多く、恨め 
しく思う気持ちが含まれているこ 
とが多い。屈辱感などには〈悔し 
い〉のほうがよく使われる。つくづ 
く残念だという意味で「残念無 
念」の言い方もある。 

口惜しいは、残念だ、悔しいの 
意。もう少しで果たせたことがで 
きなかつたというような場合に、 
残念だ、の意で使われる。やや 
文章語的な古風な言葉。 


倉(蔵) くら 

,倉 {蔵} \倉庫: r \ 物置, 

„戠\納屋的 


(■使い分け例〕 

倉(蔵);「米卸。」「阐出し。」「旧家の 
倉(蔵)で古文書を見つける。」 
倉庫…「穀物の¥®。」「材料の# 
庫。」 S 業。」 

物置…「この部屋は Si に使う。」「冬 
の間ク ーラー は物置に しまう。」 
納屋…「農具は劃に しまう。」 


0 ,^^ 0 : 18I い分けるか〕 

倉は、家財や商品などを火災や 
盗難などから守り保管しておく建 
物。<倉>と<蔵〉の違いは現在明 
確ではなく、熟語は慣用でどちら 
かを書くことが多い。やや古い。 
倉庫も倉だが、材料.製品などの 
品物を貯蔵.保管する建物として 
一時的にそこに物を置いておくよ 
うなものであることが多い。「倉庫 


業」の例では他人の物を預かるた 
めの建物.設備を言ぅ。 

物置は、当面使わない物や雑具 
などを入れておく場所。独立棟 
とは限らず、規模が小さい。 
納屋は、ほぼ物置小屋と言え、 
独立棟として設けたもの。 


暮らし くらし 

I 暮らし\ 生活: \暮くらし- 

1向む き\ 生計11\家計1ぃ— 

(使い 分け例 ) 

暮らし…「日々の暮らし。」「暮らしが 
立つ。」「つましい 

生活… 「地方で囊を営む。」「芸術 


161 比べる 


家生生葶 

計計活し 


0000 

け丨 

るを 

助 

△ △〇〇 

1日 
々 
の 

•'〇' 

営丨 

むを 

_ 〇〇〇 

て丨 
る i 

〇_ 1〇 

か丨 

るを 

預 


家としての生活。」「記者生活にも 
慣れた。」「_環境。」「_を助け 
る。」「§水準。」「§力。」 
暮らし向吉…「暮らし向きは派手な 
よぅだ。」「暮らし向きはよくない。」 
生計…「漁業で生計を立てる。」 
家計…「家計を預かる。」「家計を助け 
る。」「家計は火の車。」「¥£薄。」 


1 r どラ使い分ける か ) 

暮らし•生活ともに、暮らすこ 
と、生計の意で使われる。〈生 
活〉のほぅが生きること全般に関 
して言われ、〈暮らし〉は、日常 
生活、または生計の意に主として 
使われる。 

暮らし向キ」は、経済面から見る 
生活ぶり。 

生計は、暮らし•生活の意味だ 


が、経済によって成り立っていると 
いぅ意味での生活に言ぅ。 

家計は、その家の収支の状態。 


比べる くらべる 

,比べる/照てらし合ぁわせ— 
る/突っき合あわせる/対 
^1する\対照垃ぅする_ 

0使い分け例〕 

比べる…「背の高さを比べる。」「私に 


比べて君は堅実だ。」「プロには比べ 
られない。」®比較する。 

照らし^ I わせる…「過去のデータと 
照らし合わせてみる。」「原文と一^ 
し <5 口わせる。」 ® 照合する。 

突キ j 合わせる…「帳簿を突き合ゎせ 
冽。」「一字一字突き八口わせる。」 
対比する…「去年の業績と^^ 
§1。」「外国と対比して考える 。」I 
対照する…「西洋史と日本史を 
する。」 


ハどぅ使い分けるかし 

比べるは、二つ以上のものを並 
ベ、その異同.優劣を調べる、の 
意。優劣を見ることから、競ぅ. 
競わせる、の意にもなる。 
照らし合わせるは、二つのもの 
を比べ異同を詳しく見る、の意で、 





繰り返す 162 


〈比べる〉より厳密な感じがある。 
〈比べる〉のように優劣を見る意味 
合いはない。 

突き合わせるは、 〈照らし合わ 
せる〉 とほ ぼ同義だが、 より 詳細 
で厳密な感じがある。 

対比する•対照する もよく似て 
いるが、前者は二つのものを比べ 
違いをはつき りさせることに 重点 
があり、後者は そうと 限らず共 
通性をみる場合もある。なお名詞 
「対照」には、「よき蘭をなす」 

のように、二つのものの対極的な 
はつき りした 違い、の意味もある。 


繰り返す くりかえす 
「繰り返す \ 反復^す る/1 


重妙ねる/重複 tl う^^す 
る v ダブる/蒸むし返がす 


( 使い分け例 W 

繰り返す… 「失敗を繰り返す。」「歴 
史は繰り返す。」 

反復する… 「同じ言葉を反復して覚 
える。」 

重ねる… 「練習を ir ^ u _° r この件に 
ついても重ねてお S びします。」 
重複する… 「意味が重複する表現。」 
ダプる… 「同じ説明をダブつてする。」 
三つの映像を^^せる。」 
蒸し返す… 「話を蒸し返す。」 


q ど一つ 使 い分けるか ) 

繰り返す は、同じ ことを 二度 ま 
たは何度もする、 という 意。 


反復するは、 同じ事を何度も繰 
り返す場合に言う。「失敗を一」 
とは言いにくい。 

重ねる は、最初の例や「苦労を 
I 」のような例では、一度でなく 
何度もそれを繰り返す、といった 
ニュアンスがあるが、二番目の例で 
は一度繰り返す、といった感じで 
ある。 

重複す るは同じ物事が重なる 
意。「…を重複する」の形(他動 
S はない。 

ダブる は、英語 double から作ら 
れた動詞で、同じ ことを 二度す 
る、二つのものが重なる、の意。 
蒸し返す は、一度決着のついた 
ことをまた 問題にする こと。 「I 
のはよくない」 という 否定的な評 
価を含んで使う場合が多い。 




163 くるくる•苦しみ 


くるくる 

くるくる\ぐるぐる/くる 
りくるり/くるんくるん 


广 使い分け例 〕 

くるくる… 「こまがくるくる回る。」 
「糸をくるくる巻き付ける。」| くる 
くるよく働く。」「くるくる方針が亦久 
わる。」 

ぐるぐる… 「体に縄をぐるぐる巻き 
付ける。」「ぐるぐる腕を回す。」 「町 
の中をぐるぐる探し歩く。」 

くるりくるり…「風向計が くるりく 
るり 向きを変える。」 「くるりくるり 

態度を変える。」 _ 

くるんくるん… 「風がくるんくるん 


風にあおられて回つている。」 


(ど一つ使い分けるか) 

いずれも同じ音の繰り返しによる 
語で、「くるつと」「ぐるり」 などと 
比べると連続的な動き(特に回 
転)を表していることが分かる。 
ここに 掲げたものに限らず、擬 
音•擬態語は、清音は比較的軽い 
感じ、濁音は重い•力のこもつた. 
やかましいなどの感じが ある。 
くるくるはぐるぐるに 比べると、 
軽やかに調子よ く 動く感じ。 〈ぐ 
るぐ る〉は 〈くるくる〉 に比べ、重 
さの感じられるものの動き、大き 
な動きを表すのに適する。 

くるりくるり は、こまのように 
円いものの等速回転運動ではな 
く、一回転することが目にわか 


り、一回転ごとにリズムが感じら 
れるようなものの様子に使う。 
くるんくるん は〈くるりくるり〉 
よりも更にリズムの強弱が大きい 
感じがある。 

〈くるくる〉〈くるりくるり〉〈くる 
んくるん〉 は、態度や方針を変え 
る 様子にも言うが、変わりすぎて 
よくないという評価が込められて 
いる場合が多い。 


苦しみ くるしみ 

,苦しみ\苦痛?<ン苦悩0<ぅ\, 
悩的み\苦悶:;;ん\煩悶^\ 

煩悩?! 



苦労 164 


f 使い分け例) 

苦しみ… 「心臓の?を訴ぇる。」 
「産みの」「生活の」 
苦痛… 「足腰に Pi を感じる。」「家で 
じつとしている の も 苦痛だ,。」丨 
苦悩… 「いかに生くべきかの§。」 
悩み… 「生活の^?を抱ぇる。」 
苦悶… 「現況に活路を見いだすべく P 
^^。」「_の表情。」 

煩悶… 「自らの行いに煩悶する。」 
煩悩.; を捨てる。」「百八 ®I 
,觸。」 


q どう使い分けるか j 

苦しみ•苦痛は、 体だけでなく心 
に感じるものをも言う。 

苦悩は、 苦しみ悩むこと。身体 
的な苦しみには言わない。精神的 


な〈苦痛〉に比べる と、 抽象的なも 
のについて言う。文章語である。 
悩みは、 難問を解決できないでい 
る こと。 〈苦悩〉に比べ、具体的な 
場合、 また 軽い場合にも言う。 
苦悶は、 〈苦悩〉や〈苦痛〉が激し 
く、悶 g えるほどに 苦しむ ことを 
特に言う。肉体的苦痛の場合に 
も使う。以下二語も文章語。 
煩悶は、 解決できない悩みでもだ 
え苦しむ こと。 「煩」の意から も、 
さまざまに 思い乱れる意が強い。 
肉体的苦痛については使わない。 
煩悩は、 身心の安息を妨げる、 
どんな人間の 中にももともと ある 
欲望や邪念を言う仏教用語 。I 
〔注意〕 〈苦悩><苦悶 X 煩悶〉 は、 そ 
れぞれ r —する」の形の動詞になるが 
〈苦痛 X 煩悩〉はそうならない。 


苦労 くろう 

1苦労/苦心^/労苦; r \, 
辛酸以\辛苦<1.ん\辛労 
1 f ! c \ 心労1^ 


(使い 分け例 ) 

苦労… 「金に苦労する。」 r 苦労して作 
り上げる。|「人生は?^が絶えな 
い。」 S 性。」人。」 

苦心… 「いい色に仕上げるのに!5^ 
た。」「一^惨儋(澹)。」 

労苦… 「彼の額になんとか報いてや 

りたい。」 

辛酸… r ¥ S をなめる。」「1®^味わ 
ぅ〇」 




165刑 


辛労苦苦 
酸苦心労 


' 〇〇〇 

ね丨 

るを 

重 

〇 ■ - ■ 

め丨 

るを 

嘗 

1 〇 ' A 

報彼 

いの 
る1 
に 

• 1 ' 〇 

か親 
けに 
る1 
を 

0000 

の修 
丨業 
中 


み。 降り かかつ てくるさまざまな 
苦労を言う場合が多く、「—をな 
める」 と言 つても、進んで するとい 
う意味ではない。 


辛苦は、 辛い苦しみを言うが、 
生活•仕事上のという響きがある。 
辛労は、 特に大変なひどい骨折 
りを言う。同音の 心労は 精神面 
だけの苦労を指す。 

〈苦労〉〈苦心〉は日常語と言ってょ 

いが、他は文章語。_ 

〔注意〕 〈苦労><苦心〉〈辛苦〉は、そ 
れぞれ「 I する」と動詞になるが、他は 
名詞として使うだけである。 



刑け ぃ 

刑/罰 > f 刑罰§/処罰 

,乾\処刑は 

( 使い分け例〇 

刑… 「懲役二年の酬を言い渡す。」「酬 
を終える。」 

罰… 「罰を与える。」「罰金を科す。」 
「天劃。」— 

刑罰… 「刑罰に処する。」「何人も法律 


辛苦… 「辛苦して家業を再興する。」 
「艱難辛苦を乗り越える。」 

辛労… 「筆舌に尽くしがたい!^を 
重ねた。」 

心労… が重なり、病気にな 
る。」 


(ど - つ使い分けるか) 

苦労は、 困難とたたかい、労力 
を費やすこと。心身のどちらの面 
のことにおいても使う。 

苦心は、 ある限られた事柄に関 
してあれこれと頭を使うこと。能 
動的•積極的なもの。人生におけ 

る漠然とした苦労などには言わな 
i 〇 
V 

労苦は、 主に仕事そのものの苦 
労に言う。 

辛酸は、 厳しく辛い思いや苦し 





経過 166 


に定める手続きによらなければ、 
刑罰を科せられない。」 

処罰… 「31^を受ける。」「厳重に ®I 
罰する。」 

処刑… 「殺人罪で®れる 。 」「®l 
酬台〇」 


r どう使い分けるか;} 

刑は 犯罪者に罰を与えることで、 
法律に従うもの。 

罰は 悪い行い(や規則違反など)に 
対する懲らしめ として 使い、法に 
従う ものとは 限らない。 

刑罰は 罪を犯した者に加える制 
裁。特に法に背いて罪を犯した者 
に国家が加える制裁を言う場合 
もある。この場合、〈刑〉と同義 
だが、〈刑〉の方が具体的である。 
処罰は 刑罰に処すること、罰す 


ること。その行為を言う。 

処刑は 刑に処する意だが、特に 
死刑を行うことの意に言うのが普 
通である。 


経過け ぃか 

■経過/成 なり 行 ゆき\いき 
さっ\顚末|1\過程び\プ 

ロセス 


( 使い分け例 し 

経過… 二年が®^た。」「その後の 
S を伝える。」「1^は良好。」 
成り行き… 「成り行きを見守る。」 
「成り行きでこうなつた。」 

いキ J さつ… 「決定までのいきさつ。」 


顛末… 「事の顛末を話す。」 

過程… 「調査ので既に明らか 
だ。」「変化の§を追ぅ。」「成長の 

プロセス… 「さまざまなプロセスを踏 
んで仕上げられる。」「結果よりもプ 
ロセスを重んじる。」 


(ど5使い分けるか) 

経過は、単に時間を経ることを 
言う場合と、事態の変化していく 
実際の様子を言う場合がある。 
成り行きは、 結果に至る進行の 
実際の様子で、〈経過〉とほぼ同 
じだが、「 I に任せる」のように結 
果を不測の未来としてとらえる感 
じの用法があり、〈経過〉とこの点 
が異なる。 

い# J さつは 結果につながる途中の 




167 計画 


事情。 顚末は、 事の初めから終 
わりまでの詳しい事情。どちらも 
結果から溯っての途中の事柄を言 
うので、「顚末を話す」はもとより 
「いきさつを話す」と言えば、まず 
は結果までの全体を とらえて い 
る。したがって〈成り行き〉のよう 
に「 I に任せる」ということはない。 
過程は、結果に至るまでの道筋 • 
通り道。〈いきさつ〉などのように 
初めから結果までの全体ではなく 
途中である。また、〈いきさつ〉な 
どのように過去のことだけでな 
く、現在進行中のことも未来のこ 
ともある。 

プロセスは、 英語 process 。 〈過 
程〉と同義のほか、手順•手続な 
どの意もある。 


計画 けいかく 

|計画\企画|>企^<ゎて\| 
企 r み\目論見|!\計 

—略以<\策略口<\謀略 sr _ 

C 使い分け例 ) 

計画… 「旅行の計画を立てる。」「事業 
経済。」 nsi 的犯罪。」 
「計画した通り事が進む。」 

企画… 「新商品販売の^ M 。」 「営業 
部の企國会議。」「^11立案能力。」 
企て… 「つまらぬ企ては捨てよ。」「仕 
大な企^|。」 

企み…「会長を降ろそうという企み。」 
もくろみ… 「もくろみがまんまと成功 


する。」「もくろみが外れる。」 
計略… 「人質奪還の;^。」,「城攻めの 
8。」 

策略… 「詐取の一^を練る。」 「 SW に 
引つかかる。」— 

謀略… 「敵の圖にはまる。」「国際麻 
薬シンジケートの MW 。」 


广どう使い分けるか) 

計画•企画は、意味の違いがわか 
りにくいが実際には互いに言い換 
えられないケースが多い。〈計画〉 
は、確かに実現できるという客観 
的な根拠があるものとして立てら 
れ、〈企画〉は、新しく発案する 
計画というニュアンスを持ち、必ず 
成功する保証はないが、可能性に 
賭けるものとして立てられる、と 
言えようか。企業活動の中では 



傾向 168 


〈企画〉が多く使われる。 


画 

計 

画 



〇 

〇 


m 

fe 

1 

〇 

1 ¥ 

族 

旅 

〇 

1 

の 

W 

商 

品 

1 

〇 

業 

1 

年 

度 

〇 

1 

1 

m 

番 

組 

1 

〇 

-r 

る 

罪 


企ては、〈企画〉に対応する和語 
で日常的にはあまり使われない 
が、〈企画〉より内容の漠然とし 
ているものが多い。 

企みは、隠れてするよくない企 
て、 といつ たニュアンスで使われる。 
もくろみは、内心ひそかにする二 
ュアンスはあるが〈企み〉のように悪 
いこととい、つ 感じはない。 

計略•策略は、自分の都合のよい 
ように事を運ぼうとするためのひ 
そかな計画。〈策略〉の方が相手 
を欺く感じが強い。 

謀略は、相手を陥れるための〈策 
略〉。かなり大きく手の込んだ悪 


質のものを言う。 


傾向 けいこう 

,傾向/趨勢^\大勢筇\_ 
風潮 It . ン時勢 S " \時流 


(使い分け例〇 

傾向…「私はすぐに弱気になる傾向 
がある。」「高齢者人口は増加の_ 
1611をたどる。」「現代文学の!¥。」 

趨勢…「世のには勝てない。」 
⑩趨向。 

大勢…「_には影響がない。」「反対 
意見が_を占める。」「天下の大 
»| 。」 


j 風潮… 「物を大切にしない社会の風 
酬を反映する。」 

時勢… に後れる。」「勤勉が褒め 
たたえられないご時勢になつた。」 
時流… 「§に乗る。」 「 WM に染まら 
ぬ気概。」 


(ど- 0® い分ける£ 

傾向は、物事がある方向に向か 
う、 そうなつていくこと。〈風潮〉 
との間で言い換えとなることも多 
いが、〈風潮〉は世相としてとらえ 
て使い、好ましくないこととして 
言う例が多い。〈傾向〉は個人のこ 
とについても使う。個人にしろ社 
会にしろ、比較的確かな動きと 
してとらえたものを言う。 

趨勢は物事が移り進んでゆくあり 
さま、 成り行き。社会的動向を 





169 掲示•敬服 


表すのに使う。 

大勢は大体の形勢を言い、それ 
が「 I に従う」のょうに特に世の中 
のそれを指して使われることもあ 
る。時に大きな権勢の意。〈趨 
勢〉とともに「動向」に近い意。 
風潮.時勢.時流は時代にょる移 
り変わりとしてとらえる点で似る 
が、〈時勢〉は個々の現象について 
でなく世の中全般をひっくるめて 
動的にとらえて言うニュアンスがあ 
り、「昨今の若者の WW 」 を〈時 
勢〉では言い換えられない。〈時 
流〉は、その時どきの社会の風 
潮•傾向を動的にとらえて、それ 
に従うとその時の社会の波に乗れ 
るというニュアンスで使う。〈時勢〉 
は〈時流〉に比べ、大きな世の変化 
の中での必然的なものと言える。 


掲示けぃじ 

,掲示/表示 g ょぅ\標示, 
1 gf \ 展示 0 'I 

ハ使い分け例し 

掲示…「日程の^ W 。 」「_物。」「ポ 
スタ^~を掲示する。」 

表示… 「意思を表示する。」「品質剥 

¥。」 

標示… 「町名を標示する。」「¥¥ 
板。」 

展示… 「作品を展示する。」 「 SW 即 
売。」 


0ど-つ使い分けるか j 
掲示は、人々の見える所に知らせ 


たい事柄を書いて掲げること、ま 
たその文書。 

表示は、 おもてにはつきりと表し 
示すことを言い、人目に付く所に 
掲げるなどの意味合いはない。表 
5ょにして示すことにも言う。 
標示は 目印として示すこと。ま 
た目印となる文字 •記号 •図など。 
展示は 多くの人に見せるために並 
ベること。作品などの観賞のため 
という場合もあり事務的な意味 
合いの特にない点が〈掲示〉〈表示〉 
〈標示〉と違う。 


敬服 けいふく (〇敬ぅ) 

|敬服\感服行\心服打べ 

,心酔ひ/傾倒 IK 




怪我 170 


( 使い分け例 ) 

敬服…「君の熱心さには敬服する。」 
感服…「見事な腕前に感服する。」 
心服…「多くの人が心服を寄せる。」 
心酔…「師匠の芸に心酔する。」「西洋 
文化に心酔する。」 

傾倒…「カントに傾倒する。」「川端文 
学に傾倒する。」「紛争解決に全力 
を傾倒する。」 


(どう使い分けるか) 

敬服は、 すっかり感心して自分よ 
り上だと尊敬するよぅな場合に 
使ぅ。 

感服 もほぼ同義だが、尊敬の念 
は前者が、感動は後者がやや強い 
という ニュアンス。 

、む服には、心からの尊敬の意のう 


えに、相手に付き従ぅ意が加わ 
る。 

心酔は、対象の価値を高く評価 
し尊敬するあまり、冷静さを失つ 
て夢中になるといぅ感じがある。 
傾倒も、心をひかれ夢中になる 
ことだが、〈心酔〉に比べると冷静 
かつ理性的な感じがある。 


怪我けが 

,怪我 \傷 t * s \ 負傷; WA 傷— 

fezl しよう 

—tjtlu がい I 

q 使い分け例〕 

怪我… 「足に^^をする。」 「M 
人。」「あの人に近付いては® W をす 
る。」 「S の功名。」 


傷… 「傷を負ぅ。」「机に傷が付く。一 
「心の劁。」「名前に«|が付く。」 「 f« I 
だらけ。」 

負傷 …「事故で負傷する。」 

者。」 

傷圭口 .••「他人に傷害を負わせる。」「傷 

響件。」 


广どう使い分けるか) 

怪我は、 事故や過失による、 
〈傷〉を含む身体の損壊。比喩的 
に、過ち•痛い目の意も ある。 

傷は、体の皮膚や筋肉などに負 
う損傷を言う。「無傷 S ず」の例で 
は広く〈怪我〉の意になるが、普 
通、骨折な どは 〈怪我〉 とは 言って 
も〈傷〉 とは 言わない。 また 物に付 
く跡や、不名誉、欠点、精神的 
な痛手にも言う。 



171 景色 


負傷は、けがを負ぅ(受ける)こ 
と。この「傷」は骨折なども含めた 
広い意味。 

傷害は、けがを負わせること、つ 
まり 〈負傷〉させること。 


景色 けしき 

,景色 \風景は\眺做め\光| 
景^\情景だぅ\見晴财ら 
し/眺望 , !!ぅ\シーン 

G 使い分け^ } 

景色… 「松島でも最も景色の美しい 
所。」二面の雪!^。」「春一^。」 
風景… 画。」「町の wl ^。」 「人々 
の働く風景。 i 「心象風景。」 


眺め… 「眺めがょい。」「眺めが利く。」 

「見事な勸だ。」 

光景…「仲良く遊んでいるはほ 
ほえましい。」「あの時の悲惨な_ 
が目に浮かぶ。」丨 

情景… 「場面の誦を思い浮かべる。」 

「震描写。」 

見晴らし… 「見晴らしがょい。」 

らし台。」 

眺望… 「ここからは MW が 利く。」 「高 
台から眺望する。」 「 MM 台。」 

シー ン…三人が出会う^ X を演ず 
る。」「映画のワン^ X 。」 


f どう使い分けるか) 

景色.風景は、 自然界の様子を 
言う。ただし、〈風景〉は、自然 
以外の 町 や人々の見える場面のあ 
りさまをも 言う。 


光景は、自然について言ぅときは 
〈風景〉と同じだが、人間の登場 
する場面では、〈風景〉が、比較 
的、人間も自然の一部と同様に 
見た ありさま なのに対し、人間 
(人生)的関心をより強く持ってと 
らえた ありさまと 言える。 

情景は、 普通、自然の風景など 
でなく、人間(たち}の営為の一 
場面としての ありさまであり、 文 
章•演劇などの描写の対象として 
よく使われる。 

眺めは、 眺めて見える景色や情 
景。具体的な景色を言ぅので、 
「風景■を描く」 とは 言っても単に 
「眺 吻を 描く」 とは 言わず、 「ここ 
からの眺めを描く」などになる。 
また「眺めがよい」 は 見える風景の 
ほかに見え具合(遮るものがない 
など)を言い、 これらは 〈光景〉な 



けち 172 


見眺風景 

晴 

ら 

しめ景色 


〇〇△〇 

場丨 

所の 

X 

い 

〇〇 ■ _ 

利丨 

くが 

〇 •'' 

台丨 

II 〇〇 

賞1 
すを 
る観 


どでは言い換えられない。 
見晴らしは、—特に遠く広く見渡 
せる こと。「_ が美しい」 とは言 
ぅが「見晴らしが美しい」 とは 言わ 
ない。「見晴らしがいい」 と 言えば、 
見えるものは美しく気持ちがよ 
い、の意が含まれるのが普通。 


眺望は、 〈眺め〉と同義の漢語。 
「望」 は 遠くに見る意。 

シ—ン は英語 scene で、映画や 
演劇などの場面に言ぅ。場面で 
あるから 状況を含むもので一瞬を 
静止画像のよぅに、また特に視 
覚的に とらえる ニュアンスはない。 


けち 

,けち \しみつたれ\吝嗇— 

1 ^く\守銭奴3せん ‘ 

〇使い分け例 j 

けち… 「金持ちなのにけちな人 。」 「(tl 
_仕事。」 「55^ 根性。」 

しみつたれ… 「しみったれで高い物は 
買わない。」「しみつたれた料簡。」 

各 i 一… 「¢11で財をなした人。」 
守銭奴… 「彼は金持ちだがと 
言われ嫌われている。」 


ハどう使い分けるか) 

けちは、 物惜しみする様子。金 


品に限らず、時間や労力などに 
も言う。また大したことのない、 
見下げたなどの意もある。 
しみったれ は、〈けち〉に意味•用 
法はかなり似るが、〈けち〉よりじ 
め - U めした感じがあり、侮蔑感が 
強い。ぱっとした見栄えのする感 
じがない意で考えや態度、生活ぶ 
りなどにも言う。 

吝嗇は、〈けち〉とほぼ同義の漢 
語だが、〈けち〉の転義はない。 
守銭奴は、お金を使わずに貯め 
る ことに極度に執着す る 様子やそ 
ういう人を言う。〈けち X しみった 
れ〉< 吝嗇〉が既にあるものを惜し 
んで使わないことを言うのに対し、 
増やそう とする ことも含め、また 
お金だけに言う。 


〔注意〕「しみったれ(た…)」の場合は 





173 決行•決心 


動詞「しみつたれる」の連用形。 


決行 けっこぅ 

,決行\敢行技\断行技\| 

塞了きよぅ 

こう 


(使い分け例 ) 

決行…「討ち入りの^^。」「体育祭 
は雨天決行とする。」「ストライキを 
決行する。」 

敢行…「開会式は悪天候の中で靜 
ざれた。」 

断行…「組織改革を断行する。」「熟 

慮顆。」 

強行…「賃下げを強行する。」「国会 
での法案の強行採決に反対する。」 

「翔突破。」 


(ど-つ使い分けるか) 

決行は、思い切って事を行うこ 
と。後の三語の意味に皆含まれ 
る基本的な意味である。 

敢行は、字面の通り敢えて行う 
ことであり、何らかの不都合や不 
安に対する打開が見られないま 
ま、それでもやつてみるというニユ 
アンスで用いる。 

断行は、かなり思い切って踏み切 
る場合に使い、強い意志で立ち向 
かうだけの困難が前提となる。 
強行は、むりやり行うこと。自 
身の不都合や周囲の反対や不都 
合を押して強引に行うこと。 
いずれも語感として大がかりな事 
に用い、個人的な日常の ちょつ と 
したことには用いない。 


決心 けっしん 
,決心/決断 ^/決意|っ\| 

I 踏ふん切ぎり 
f , 使い分け例〕 

決心…「辛くても頑張ってやる^?が 
つく。」「マラソンを始めようと決心 
する。」 

決断…を迫られる。」「どちらを 
採るか決断する。」「_力。」 
決意… 「 SW を固める。」「入団を浏 
意する。」 

踏ん切り…「職を変えようと思うが、 
踏ん切りがつかない。」「ようやく樹 
がっいた〇」 





欠点 174 


決決決 
意断心 


〇〇〇 

始了 

めフ 

るソ 

1ン 
を 

■ 〇〇 

つ丨 

かが 

な 

い 

〇〇_ 

迫丨 

らを 

れ 

る 

〇 ■ 〇 

固丨 

めを 

る 


踏ん切りは、 思い切って物事に乗 
り出す決心。単に調子としてそ 
うする 弾みが つかないような 場合 
にも K う0 


欠点 けってん 

^点\弱点找く\短所は\, 
_難点び/欠陥1あら I 

f 使い分け例; } 

欠点… 「怒りっぽいのが到だ。」「为 

劍のない作品。」 ㊣ 美点。 


弱点…「物知りの彼にも経済観念が 
ないといぅ弱点がある。」「相手チー 
ムのは守備だ。」を握 
る。」 

短所… 「長所を伸ばし、圈を改め 
る。」「この機械のは、作動が 
遅いことだ。」 ㊣ 長所。 

難点…「この製品の園は重いこと 
だ。」「震は軽薄なところだ。」 
欠陥… 「この型の車にはブレーキ系統 
の_があった。」商品 。I 
あら… 「人の^^を探す。」「_を隠 
す。」「あらが見える。」 


r ど-つ使い分けるか j 

欠点は、補ぅ必要があると思わ 
れる不十分なところ。人柄におい 
ては〈短所〉とほぼ同じ。 

弱点は、〈欠点〉の意のほか、明 


〇どう使い分けるか〕 


決心は、心に掛けていたテーマに 
ついて、意志を定めることや定ま 
った意志を言う。〈決断〉〈決意〉 
と違う点は例の第二のように、覚 
悟くらいの意でも用いられること。 
決断は、意志とともにある決定 
に言う。〈決心〉はそう なる 見込み 
が現実的には立たない内にも言え 
るが、それに現実的な実行の決 
定を下した場合は「汍断した I に 
なる。 〈決心〉〈決意〉と違って「測 
断を固める」とは言わない。 

決意は、意志を決定すること。 
自身の気持ちをはつ きりとした 方 
向•態度に位置付ける場合に言 
う。 「 SS を新たにする」のように 
心意気が核を成す ものと 言える。 





175 けなす 


らかでない弱みを言うこともある。 

いずれの場合もある程度認めた存 

在に対して言い、また攻められる 

と困るような点を言う。 

短所は、 できる•できないといった 

面から見たよくないところ。性 

能•機能などにも言い、人の容姿 

については〈難点〉とは言っても〈短 

所〉とは言わない。 

難点は、 不足•不十分というより 

よくない点であり、文句を付ける 

べきところという 意味合いで 使う。 

解決が難しい問題点の意でも使 
う0 

欠陥は、 なくてはならないものが 
欠けているという意味合いで使う。 
例えば 「I 商品」は、単によくない 
ものでなく商品として成り立たな 
いもの。 

あらは、 よく見ないと目立たない 


ょうな難点に言う。基本的には、 
はたがとらえるものとして言う。 


けなす 

—贬 I す\こきおろす/腐 #<1 
す\けちをつける/謗:^る/ 
1詰 2る\ 非難 r する 

r 使い 分け例 ;} 

けなす… 「人の作品を^^。」 
こきおろす… 「とことんこきおろす。」 
腐す… 「せっかくの労作をくさされ 
た。」 

けちをつける… 「人の仕事にけちを 
つける。」 

そしる… 「不誠実な態度を^:;^れ 


た〇」 

なじる… 「悪徳行為をなじる。」 
非難する… 「彼の態度を非難する。」 


广どう使い分けるか) 

けなす は、人や物事を悪く言う 
の意。〈けなす〉〈こきおろす〉〈腐 
す〉 〈けちをつける〉 は、価値や 
出来不出来を、〈そしる〉〈なじ 
る〉〈非難する〉は、善悪を問題に 
する場合が多い。「悪徳行為をげ 
なす」「不誠実にけちをつける」と 
は言わない。 

こ$おろす は、 ひどく けなす意。 
腐す は、小さなあらを殊更に取 
り上げて非難するような場合に 
言う。 

そしる は、人を対象に悪く言う 
意。 




原因 176 


訳理原 
由因 


〇〇〇 

た家 
丨出 
し 

_ •〇 

は病 
過気 
労の 
だ1 

〇_ 1 

悲丨 

しも 

いな 

< 

〇〇_ 

食玄 
う米 
丨を 

_〇_ 

に雨 
中を 
止丨 


通は言わない。 

訳は、〈原因 X 理由 X 事由〉に置 
き換えられる場合が口語では多 
く、表す意味は広い。一般的な 
物事の道理や、漠然とした事情 
や涅由を表す こと もある。 


事由は、 理由や原因となる事 
実。特に出来事の訳を言ぅ。非 
常にかたい文章語。 

要因は、 主要な原因。また必須 
の因子。 

素因は、 もととなる原因。直接 
の原因に対する、そもそもの事情 
や素地•下地などを言う。特に病 
気のそれを一言う こと もある。 


なじるは、悪いところを責め問ぅ 
ことで、相手に直接向かつてする 
ことになる。 

非難す るは、社会•倫理的に問 
題だとして、また客観的に言ぅ 
場合が多い。 


原因げ んぃん 

,原因\ 理由 r \ 訳 g \ 事由,, 
,? u \ 要因^/素因 r — 

(使い分け例 i 

原因… 「風邪が原因で欠勤する。」「故 
障の原因を探る。」 ㊣ 結果。 
理由… 「風邪を_に休む。」「自然 
保護を訴える w ¥。」 「正当な al 
由。」「提案 W 5。」 


訳… 「出掛けた訳を聞く。」「訳もなく 
悲しい。」「まだ何も 1 RI のわからない 
子供だ。」 

事由… 「欠席の事由を記す。」 

要因… 「倒産の劃。」 

素因… 「この度の狂乱物価の S ® は 
十年前の政策の中にある。」「病気 

の劃。」 


(どう使 い分けるか〕 

原因は、 ある物事を起こしたも 
とになつたもの。客観事実として 
のそれを言ぅ。 

理由は、 〈原因〉の意味を含めた 
意味で使ぅ場合もあるが普通は 
判断の論理的な根拠となる事情 
や事柄を言ぅ。〈原因〉と違って何 
らかの判断のもとになるものであ 
り「故障(病気)の MS I などとは普 


177 元気•健康 


元気 げんき 

,元気/活気 #*>/ 生気^\, 
,意気扣\血気 ^I 

(使い分け例 J 

元気… 「飲んで元気を出す。」「新入 
生は|^^¥声で答える。」「病気か 
と思つたら、^ w じやないか。」 
活気… 「町に WW があふれる 。」 「WM 
あるチ^—ム。」 

生気… 「生気を失ぅ。」「雨で草木も 

生気を取り戻した。」 _ 

意気… 「意気揚々。」「人生意気に感 
ずる。」 

血気… 「血気盛んな年頃。」「血気に 
はやる。」 


(どう使い分けるか〕 

元気は、 心や体の活動のもとと 
なる力、また、それのある様子。 
病気に対する健康の意もある。 
活気は、 活動の様子から感じら 
れる生き生きとした勢いのある雰 
囲気。情景としてとらえる感じが 
ある。個人について よりも 集団. 
組織について言うことが多い。 
生気は、 生き生きとした気力や 
様子のほか、植物のみずみずしさ 
にも言う。 

意気は、 気立て•気概といった精 
神における勢いを言う。 

血気は、 燃えるように盛んな意 
気や活力を言い、人について言う。 
冷静さを欠くというニュアンスもあ 
る。 


健康けんこぅ 

,健康/健 びゃか/健全抑 /, 
強健0ぅ\強壮11ぅ\健勝 
ば ぅ \壮健^\丈夫1ぅ\ 

,達者^/タフ 


(使い分け例,} 

健康… 「 SW を祝す。」「毎日 
暮らしている。」 「 SS 的な常識。」 
健やか… 「健やかに成長する。」「寶 

勤考ぇ。」 

健全… 「健全なる精神は健全なる身 
体に宿る。」娯楽。」 

強健… 肉体。」 

強壮… 若者。」「^5剤。」 






謙遜 178 


健勝…「御健勝にてお過ごしのことと 
存じます。」 

壮健…「御なにょりです。」 
丈夫… 育つ。」「まだ足は ^ r 
だ。」長持ちする家具。」 
達者… 暮らす。」「足腰が 
妇。」「口の MW 人。」— 

タフ… 「タフな活動家。」「タフガイ。」 


(どう使い分けるかし 

健康は心身共に異状なく元気な 
さま、健やかは それと 同義の和 
語で雅語的。健全は、人体だけで 
なく、「—な財政」 のように 組織の 
状態な どにも 用いる。 これらの 語 
は他語と違って精神面にも使う。 
強健と強壮は、 どちらも 体が強く 
て丈夫なさまを言うが、後者には 
精力が強いという意味もある。 


健勝と壮健は、健康がすぐれて元 
気な さまを 言うが、「御—」の形で 
手紙文に使うことが多い。 

丈夫は、〈壮健〉とほぼ同義である 
が、人間以外の物の堅固なさま 
も表す。 

達者 も〈壮健〉とほぼ同義である 
が、〈丈夫〉と同様に、足や腰の 
ょうな体の部分の働きが優れてい 
る場合にも使う。また、 この 語は 
「英語が—」、「世渡りが—」のょ 
うに熟達して巧みだ、心臓が強く 
抜け目がない、 などの 意にも使わ 
れる。 

タフは、 心身共に頑強な さまを 
言う。 

〔注意〕 「丈夫(ジョゥフ)」は、一人 
前の男子•ますらおの意。「偉丈夫」の 
「丈夫」はその例。 


謙遜 けんそん 

一一遜\謙虚^\謙(遜)^ 
り/謙譲 P 

(使い分け例) 

謙遜… 態度。」「そのょぅなご 
MW を。」「駄作ですと謙遜する。」 
「 SM 表現。」 ㊣ 不遜0 
謙虚… 気持ち。」人の 
話を聞く。」 ㊣ 傲慢。横柄。尊 
大。 

へりくだり… 「極端なへりくだりもま 
た人を不快にさせる。」 「へりくだつ 
た態度。」 

謙譲… 「日本人らしい圃の美徳。」 
「1 M 語0.1 




179 限度 


(,どう使い分けるかし 

謙遜は へりくだること。つまり 相 
手に対して自身を低い者として卑 
下する態度をとること。 

謙虚は、 控えめにつつましく、お 
ごらない様子。他の人に価値を認 
めるものがあれば受け入れ従うょ 
うな気持ちや態度がある様子。 
対して〈謙遜 X へりくだり><謙譲〉 
は個々の態度についても言い、社 
交辞令的なものも含め相手を立 
てるという形をもって表すもの。 
へりくだりは 、〈謙遜〉の意の 和 
語。「へる」 は 自分を低くする意。 
謙譲は、 〈謙遜〉とほぼ同義だが、 
より文章語的で用法が限られる。— 
〔注意〕 〈謙遜〉 は 「する」がついて動詞 
となるが〈謙虚 X 謙譲〉 は それがない。 


限度 げんど 

I 限度\限界^ f \ 極限 a く \, 
I 際限ほ\切きり/限? I 

q 使い 分け例 ) 

限度… 「忍耐にも圈がある。」「貸付 
金の®®額。」— 

限界… 「力の顆まで出し切る。」「森 
林地帯の_。」 

極限… 「生きるか死ぬかといぅ簡の 
状況に置かれた。」 

際限… 「 MM もなく話し続ける。」 
切り… 「ぜいたくを言えば切りがな 
い。」「仕事の^^をつける。」 

限〇… 「力の^^を尽くす。」「欲望に 
は!^がない。」 


(どラ使い分けるか) 

限度 も 限界 も、物事の範囲や程 
度の、これ以上は無いという区切 
り.境目、の意であるが、〈限界〉 
が空間的な境目にも使うのに対し 
て〈限度〉は使えず、「森林地帯の 
限度」などとは言わない。 

極限は、 達することの極めて難 
しいぎりぎりの限度の意で、容易 
に達し得る区切りの場合には、「貸 
付 額の SW 」 のように、〈限度〉 
はよいが〈極限〉では不適当である。 
際限は、 〈限度〉のように「—があ 
る」とは言わず、「—がない」のよう 
に否定的な表現を伴なう。また 
〈限界〉のように空間的なものに使 
われることは、〈際限〉にもない。 
切りは、終わり、あるいは中断で 




行為 180 


限切際極限限 
0 り限限界度 


〇 1 1 1 △〇 

あも忍 
る丨耐 
がに 

• A 1 △〇 1 

帯森 
の林 

1地 

' 1 ' 〇〇_ 

れに1 
るお状 
か況 

1111 △〇 

の貸 
丨付 
額 

〇〇〇 •△△ 

i j > 

すな 


きる区切りの意で、「切りもなく 
話す」と言えばへ際限〉と同じだ 
が、「仕事の切り」「ちょうど切り 
がよい」などは〈切り〉特有の用法。 
限りは〈限度〉と同じに使われる 
ような場合も多いが、「力の ある 
3働く」のように前の修飾語と 
ともに連文節として後の用言を修 
飾する用法、「一回®^」のよう 
に接尾語的に複合語を作る用法 
などは〈限り〉だけのもので〈限度〉 
では置き換えられない。 


〔注意〕 「そぅ言つたきり口をつぐん 
だ。」の〈きり〉は別語(助詞)。 

B 


行為こぅぃ 

,行為\行動||\行 4 !い/仕— 
業^\所行(所業)公ぅ\ 
作為 1 1 


f 使い分け例〕 

行為…「親切からの0。」「不法0。」 


「国事行為。」「道徳的行為。」「恥ず 

べき jgwo 」 

行動… 「良識にかなった行動をとる。」 
「素早く行」 「 IEM 的な人。」 
「自由@。」 HEM 様式。」 

行い… 「考えを屈に表す。」「日頃の 
を改める。」 

仕業… 「誰の劃か、壊れている。」 
所行(所業)… 「許されぬ®。」 
作為… の跡がぅかがわれる。」 
「3的〇」 


c どう使い分けるか;} 

行為は、行い、特にし ようという 
意志のある行いを言う。広く使わ 
れる。 

行動は、 特に実際に体を動かし 
てする場合に言う。実行の意もあ 
る。「 I 半径」のように動き回るこ 





181 好意•後悔する 


志は〈厚意〉を相手に差し向ける 
気持ち。 

愛想は、 好意の意もあるが、接 
遇の仕方としての表情や言動その 
ものを言う場合が多い。 

親切は、 〈厚意 X 志〉のょうな改 
まつた、また特定の人向けの感 
じ、 〈愛想〉 の、 表に表そうとす 
る感じなどが特にない心遣いの多 
くがこれで表せる。日常的で自然 
の人情に よる 気持ちも表しやす 
い。 r 深切」と書けば心から思う気 
持ちが強調される。 


とそのものを言う例は他の語では 
言い換えられない。 

行いは、生活において実際にする 
ことの全般に言うが、また特に倫 
理面から見た場合のそれを言うこ 
とも ある。 

仕業 •所行は、ょくなぃ行ぃでぁ 
る場合に使う。<仕業>は和語で 
日常語。〈所行〉は、漢語でかた 
く古ぃ文章語。 

作為は、殊更に手を加えた作り 
事としての行為。法律用語とし 
ては、人の行為のうち積極的なも 
のを言う。 


好意こぅぃ 

「好意\厚意"?\志ね^1\愛一 


L 想?*- S ぃ)\親切(深切)^」 

(使い分け例 vy 

好意… 「人の®®を無にする。」「類 
的な見方。」 r $ s を抱く。」®悪意。 
厚意… 「日頃のに感謝する。」 
志…「お M はありがたく思います。」 
愛想… が尽きる。」 「 WW がよ 
い。」「何の一一?もしない。」 

親切… 「親切から言うのだ。」 


(どう使い分けるか) 

好意は、 相手を好ましく思ぅ気 
持ちやそこからの親切心。 

厚意は 思いやりのある心で、好 
感情は特に表さず、〈好意〉より 
も深さや手厚い感じが表れる。 他 
人の行為を読み取って言ぅ。 


後悔する こうかいする 

,後悔する\悔< いる\悔.ゝ. 
やむ\懺悔 , f f する\反省 



豪華 182 


反懺悔悔後 
省悔 
すす f u す 
るるむるる 


00000 

し悪 
たい 
t 事 

1 を 

〇•〇•〇 

た損 

1 〇 • 0 1 

罪犯 
をし 

1 た 

'' 〇 • • 

敗彼 
をの 
丨失 

〇 ' 1 '' 

度日 
丨泾 


も、そのような結果を招いた自身 
の あり方を責める気持ちとして 言 
うことが多い。〈悔やむ〉 は 自責よ 
り結果そのものが 非常に残念 だと 
いう気持ちから出ることが多い。 
懺悔するは、 自身の罪を悔い改 
める誓いとして神や他人に告白す 
ること。 宗教的な思想 や 倫理観 
による 罪悪の観念に基づく点は、 
〈後悔する〉などと違う。 

反省するは、 悪くなかったかどう 
かと振り返る意。〈後悔する〉な 
どと違って意識的に行える もの。 


豪華ごぅか 

|豪華\豪勢だ\豪壮15\1 
,デラックス 

(使い分け例) 

豪華… 衣装。」 「SW 絢爛。」 
豪勢… 「豪勢な生活。」 r ® な—料 
理〇一 

豪壮…邸宅。」 

デラックス… 「デラックスな車。」 


( どラ使い 分けるか ) 

一蒙華は ぜいたくで華やかなさま。 

<豪勢〉よりも視覚的な華やかさ 
を表しやすい。 


L ぽする 」 

〇使い分け例 ) 

後悔する… 「進学しなかったことを衡 
悔^^。」「§先に立たず。」 
悔いる… 「軽率だったと5!^。」 
悔やむ… 「退学を®^。」「母の死を 
「失敗がれる。」 
懺悔する… 「罪を神に懺悔する。」 
「彼女に対して懺悔したい。」 

反省する… 「一日を反省する 。」 「KI 
3て悪かったと謝れば許す。」 


(どラ使い分けるか) 

後悔する•悔いる•悔やむは、ほ 

ぼ同義。〈後悔する〉〈悔いる〉では 
前者が漢語的な言い方だが、後者 
の方が文章語的である。どちら 





183 講義•高級 


口演は落語•講談などの口頭の芸 
を演じることを 一言う。 

演説は大勢の前で自分の主義•主 
張や意見を述べることで、〈講演〉 
が講義的であるのに対し、ょり情 
意的で、時に扇動的である。 弁論 
も大勢の前で!!見を述べたり論じ 
合ったりすることであるが、法律 
語では訴訟当事者が法廷で行ぅ 
申し立てや陳述を言う。 

スピーチは〈演説〉と同義にも使 
うが、普通には式場などで多くの 
人を前にしてする短い話を言う。 


1家勢は、 人を驚かせるほどぜいた 
くなさま。惜しまず景気よく何か 
をする勢いが感じられる。 

豪壮は、 外見から受ける感じが、 
規模的にも大きく派手で、立派 
であるさま。堂々とした感じが表 
れる。 

デラックスは、 フランス語 deluxe 
を英語読みして日本語に取り入 
れた語。ほぼ〈豪華〉の意だが、 
高級だといぅニュアンスも出る。 


講義こ— 

,講義\講演技\口演£|\, 

演説焚/弁論スピー 
チ 


广使い分け例) 

講義… 「哲学の Ms 。」 「大学で 

30.1震録。」 

講演… 「 A 博士の MW を聞く。」「国 
際関係について講演する。」 

口演… 「なにわ節の ns 。」 「高座で PI 
演する。」 

演説… 「_をぶつ。」「公会堂で3 
so 」 「街頭_。」 

弁論… 「 SI ! 大会。」「検察側の最終 

so 」 

スピ—チ… 「披露宴の スピー チ。」 


(どう使い分けるか) 

講義は 学問を解説すること、特 
に大学での授業を言ぅ。 講演は 
聴衆に対してある題目について話 
をする こと。 


高級 ころさゆろ 

,高級\高等||\上級|^':/— 
上等2 : r 




合計 184 


f 使い分け例 ) 

高級 :•「高級な内容の話 。」 「M 
品。」「_官僚。」 「 w ¥ 料理店。」 
r 古志向。」 ㊣ 低級。 

高等… 技術。」 「 WW 動物。」 
rsw 裁判所。」®下等。初等。 

上級… の学校。」「^¥生。」「±1 
級裁判所。」「:審。」 ㊣ 下級。 
初級。— 

上等… 「_の品。」「これだけ出来れ 
ば^ IP ?」 兵 。」㊣ 下等。 


q どう使い分けるか } 

高級は、 等級や程度の高いこと。 
定められた段階によるのでなく一 
般よりも高い意を多く表す。商 
品の品質など暮らし向きと関係 
のあることでの例が少なくない。 


高等は、 等級•程度•品位が高い 
ことなどに使い、手続き上や進 
化 •熟達などの段階における例が 
多い。品質は表さない。 

上級は 上の等級•階級、また特に 
学級を表す。品位や品質などは 
表さない。 

上等は、 高い等級のほか、特に実 
質に目を向けて品質や状態が優 
れてよいことを言ぅ傾向がある。 


合計 ごぅけい 

|合計\総計^1\累計 2 v >~l 
,通算!?/合算技 

C 使い分け例) 

合計… 「合計が出る。」「合計する。」 


「合計八人。」 r 合計金額。」 

総計… 「費用の MS を出す。」®総 
和。 ㊣ 小計。 

累計… 「今月までの劃。」「得票数を 
開票の終わつた順に累計す 51 。」 
® 累算。 

通算… 「 MW 五回の優勝。」「一^ 
51 と五年になる。」®通計。 
合算… 「諸経費の^ M 。」 「夫婦の収 
入を合算する。」 ® 加算。 


(どう使い分けるか j 

合計は、 全部を合わせて数える 
ことに もその数えた数にも言う。 
総計は 「小計」に対して言う全部 
の合計。計算の手続きにおける違 
いは問わない。 

累計は、 小計を順々に加えていく 
こと。また、そうして得られるそ 




185 剛健•降參 


者で」とは謙遜して言ぅが必ずし 
も性格とは言いがたい。 

不屈は、困難にくじけず屈せず 
意志を貫く様子。〈硬骨〉と違って 
誘惑に負けないなどのことではな 
い。また激しさ、固さ、正しさ、 
無鉄砲などのニュアンスはない。 


の時点その時点の合計。最終的 
には全体の合計と同じになる。 
通算は、全部をひっくるめて計算 
すること。総計。 

合算は、合わせて計算すること。 
計算して出た数を言うのではない。 


剛健 ごぅけん 

|剛健\剛直择<\硬骨努\| 

,無骨(武骨):5>不屈:^ — 

f 使い分け例 ) 

剛健…「剛健な気性。」「剛健な校 
風。」「質実 Ms 。」 ㊣ 柔弱。 
剛直…「剛直な男。」「性質が実に_ 
直で、節を曲げない。」 


硬骨…「硬骨の士。」「^漢。」 
無骨…「1^手。」「一^体つき。」 
「無骨だが 優しそう だ。」 

不屈…「_の精神。」「不撓3ぅ不 
刺。」 


Qy - っ使い分けるか〕 

剛健は心身の強くたくましいこ 
と。集団の気風などにも言ぅ。 
剛直は気性が強く信念を曲げな 
いこと。正しいと思うことへと向 
かぅ感じも表れる。 

硬骨は、意志が固く、みだりに 
信念を曲げたり容易には屈した 
りしないことで、気性を超えた意 
志の強さ、固さが表れる。 

無骨は、ごつごつしていて洗練さ 
れていないことだが、特に無作法. 
無風流などにも言ぅ。「生来の I 


降参 こうさん 

,降参 \降伏(降服)行\屈| 
伏(屈服)れ\投降?|\帰 
■順 f 1 

(使い 分け例) 

降参 「 SS の白旗を上げる。」「この暑 
さには 



交渉 186 


投屈降降 
降服伏参 


0000 

す敵 
るに 

1 

''' 0 

にこ 
はの 
丨暑 
ださ 

• 〇 •' 

に相 

1手 
すの 
る圧 
力 

〇 - 〇 • 

告丨 
すを 
る勧 


降伏(降服)…「敵国に降伏する。」 
「無条件 s 。」 

屈伏(屈服)…「相手に屈伏する。」 
投降•.•「力尽き投降する。」「投降 

兵。」 _ 

帚圓…「敵に帰順する。」 


(ど|つ使い分けるか) 

降參は、戦いや争い事に負け、 
相手の意に従うこと。日常の私 
的な ことに も使い、 また 閉口しお 
手上げだ、の意もある。 

降伏は、戦いに負け相手の要求 
や命令に従うこと。国どうしの公 
式的なことに言う。以下文章語。 
屈伏は、戦いとは関係なく相手 
に対して折れ従うこと。 

投降は、自らの意志によって降参 
すること。国ではなく、将兵や軍 


隊について言う。 


帰順は、敵対関係にあった相手 
に服従す ること。 


交渉 こ > つ しょ a つ 

,交渉/折衝 sr \ 談判 11\| 
外交^/渉外^ぅ\駆かけ 

ひき _ 

(使い 分け例〕 

交渉… 「賃上げの S 。 」「労使で一^ 


1-1 る。」「交渉を絶つ。」「没交渉。」 
折衝… 「政府間の_を重ねる。」 
談判… 「誘致問題で談判する。」「膝詰 
め^^。」「_は決裂した。」 
外交… 「外務省は外交を担当する。」 
「_使節。」「保険の外交。」 
渉外…「他社との^^に当たる。」「会 
社の部。」 

駆け引 $… 「 g け引きなしの商売。」 

「恋の靜引き。」 


(どう使い分 Itf ! る ^ J 

一父渉は、ある事をかなえるために 
相手に掛け合うこと。また、人 
とのかかわり•交際の意。 

折衝は、利害の一致しない者ど 
うしの交渉を言い、駆け引きの二 
ユアンスも濃い。国家間、労資間 
などの ことに 言う。文章語。 




187 功績 


談判は、相手に掛け合うこと。 
懸案だった事柄に強硬な態度でけ 
りを付ける という 場合が多い。 
<交渉> に比べ古い言葉。 

外一父は、外国との交渉。また、 
商売などで勧誘や外部との交渉 
に当たること。「 I 官」は前者の、 
「 I 員」は後者の例になる。 

渉外は、外部との交渉、の意。 
駆け引キ J は、相手の状況や出方 
に応じて出方を加減し自分側に 
有利に事が運ぶ ようにす ること。 
交渉上の技術である。 


功績 こうせき 

功績\手柄| ? "\功労||\| 

業績! f ぅ義 


(使い分け例) 

功績…「文化活動にのあった 
人。」「_を上げる。」 「 WW を残 
す。」 「 WW が大きい。」 

手柄…「_を立てる。」「お^ W 。」 
「 S 話。」 

功労…「_に報いる。」「会社にとつ 
て最大の g 者。」 

業績…「優れた囊を残す。」「会社の 
_を伸ばす。」 「 SW を上げる。」 
「 SS 不振。」 

功…「関ヶ原の合戦で* I を立てる。」 
「取締役として糊があつた。」「刻成 
り名遂ぐ〇」 


(どう使い分けるか W 

功績は、社会(特定の社会の場合 
もある)や世間への寄与•貢献とい 


う点で認められる優れた成果•手 
柄。「 I を立てる」「優れた I 」と 
は言わない。 

手柄は、〈功績〉に比べ、その場 
限りの ことに言う 傾向があり、 
「永年の I をたたえる」など、〈手 
柄〉では不適当である。 

功労は、労を尽くしたことをそ 
の成果に加えて言う。 

業績は、事業や研究などの上の 
実績を言い、〈功績〉は社会への貢 
献など公的な ィメ ージがあるが、 
〈業績〉には、それは特にない。ま 
たより 具体的なものについて言う。 
功は、成功を収めた結果•仕事。 
「 I を焦る」のように成果に重きが 
ある。「 I を奏する」では効き目、 
「年の一」では経験の蓄積、年功 
の意。文章語。 




公然•構想 188 


公然こうぜん 

,公然\大|っぴら\明ぁけ透, 
すけ\ォ1プン 


(使い分け例 } 

公然…「§の秘密。」「公然た K * K 。 」 
「^1!^詐欺まがいの行為を働く。」 
「彼女の家に^^出入りする。」 
大つぴら… r こんな忙しい時に^^ 
は休めないよ。」「事を大つぴら 
にする。」 

あけすけ… 「あけすけに何でも話し、 
慎みといぅものがない。」®あけつ 

ぴろげ。 _ 

才 I プン… 「内部事情を才^~プンにす 


る。」「オープンな付き合い。」 


(ど5使い分けるか) 

公然は、世間に知れ渡っている様 
子、または世間に対して隠し立て 
しない様子。 

大つぴら は、隠し立てをしない様 
子のほかに、あえて人々の目に 映 
るような形でする様子も言う。 
あけすけは、 話したり見せたり 
する内容に包み隠す点がなく、そ 
のままに表す様子。 

〈公然〉〈おおっびら〉〈あけすけ〉が 
そのようにしないほうがよいという 
批判め いた 響きを持ち得る のに 対 
し、 才—プン は、本来隠すべき 
ことではないという 考え方や気持 
ちに基づくものと言える。 


構想 こうそう 

,構想/筋 s \ 筋書 r き/便, 
概為\ストーリ IV フロ ッ 


(使い分け例 d 

構想… 「小説の議を練る。」「新しい 
事業のがまとまる。」が 
煮詰まる。」 

筋… 「話の御を話す。」「飼が複雑な映 
画。」 

筋書き… 「筋書きを読む。」「筋書き 
通りに事が運ぶ。」 

梗概… 「物語の 1 W を記す。」 

スト—リ—•••「スト^ — リ' —を作る。」 





189 広漠 


「ストーリー性。」「ストーリー漫 
画。」 

プロツト…「小説のプロットを立て 
る〇」 


(ど-つ使い分けるか) 

構想は、成そうとする物事につい 
て組み立てた考ぇ。内容や構成 
など構成要素から成る全体をと 

らえて一一一ーロう。 

筋は、物語の展開のおおょそ。 

筋書$は、筋を書き表したもの。 
一般的な事柄の仕組んだ段取り 
を言うこともある。 

梗概は、内容のぁら筋。小説や 
戯曲などで言うが非常にかたい文 
章語。 

スト—は、物語の意とその 
筋(書き)の意がある。 


プロットは、全体の構成.筋立 
て。どこに何を配するかといぅ意 
味から、小説などのほか、一冊の 
本の内容構成といつたストーリー 
性のないものにも使ぅ。 


広漠 こうばく 

,広漠\茫漠?'|\茫洋| , |\| 
洋洋||\渺渺|ゼ\縹 
—渺^:/蒼茫 fl 


(使い分け例) 

広漠… 「広漠たる大平原。」 

茫漠… 「茫漠たる原野。」し 
た意見。」 

茫洋… 「茫洋たる大海。」した 


人物〇」 

洋洋… 「洋々たる太平洋。」「前途 
洋々。」_ 

渺渺… 「渺々たる天空。」⑱渺茫。 
縹渺 •:「縹渺たる荒野。」「神韻 !I 
酬〇」 

蒼茫… 「蒼茫たる草原。」 


C どぅ使ぃ分けるか} 

広漠は遮る物もなく広がっている 
さま、茫漠は果てしなく広くと 
りと めのないさま、また内容がは 
つきり しないさま、茫洋は広くて 
見当もつかないさま、またつかみ 
どころのないさまも言ぅ。 

洋洋は水が満ち満ちて限りなく 
広がつているさま、また将来が希 
望に満ちているさま、渺渺は遠く 
はるかまで果てしなく広がつている 




幸福•公平 190 


幸幸幸幸 
いせ運福 


0000 

願丨 

うを 

〇 • 〇 • 

賞丨 
でに 
きも 
た入 

1〇•〇 

わ丨 

うを 

味 

'• 〇 • 

ま 1 
れに 

る恵 

〇 1 1 1 

のも 

1 つ 

け 


さま、縹渺はそれとほぼ同義で 
あるが、かすかではつきりしないさ 
まの意もある。 

蒼茫は見渡す限り青く広がってい 
るさま。 

〔注意〕いずれも「 I たる」「—と」の 
形がある。 

幸福 こぅふく 

,幸福\幸運(好運)1|\幸| 
机ぁせ(仕合 S . U わせ)/幸 

い/ラッキ ^I 

f 使い分け例} 

幸福… HPI を求める。」暮ら 
し。」 


幸運… 「幸運にも入賞できた。」「数々 
の WMU 恵まれる。」®不運0 
幸せ… 「君のょぅな人に出会えて幸 
SOJIW 者。.1 

幸い… 「不幸中の幸い。」「役立てても 
らえれば一^?」「_い(にして)、 
怪我はなかった。」— 

ラツキ —••「ラッキ ー な試合 展開。」 


(ど-つ使い分けるか) 

幸福は、恵まれ満ち足りている 
(と感ずる)こと。生活の全般にお 
いての様子や感じに言ぅ。 

幸運は、 運がよいこと、またよい 
巡り合わせ。 

幸せは、 〈幸福〉と意味•用法の重 
なることも多いが、〈幸せ〉は「 I が 
よい」に表れるように巡り合わせ 
(がよいこと)が基本の意味である。 


幸いは、 幸せの意のほか、望まし 
い、都合がよいなどの状態(であ 
る)の意。動詞の用法で「悪天候 
が— して 交通渋滞を免れた」はよ 
い結果を もたらす 意。 


ラツキ— は英語 lucky (= 幸運 
な )0 


公平 こぅへい 
1公平\公正^/公明^/フ 

エア 





191 高慢 


(.使い分け例) 

公平…分け与える。」「_を 
欠く。」「?^無私。」 ㊣ 不公平。 
公正…「試合を公正に行ぅ。」「公正 
取引委員会。」 

公明…裁決。」「_正大。」 
フェア…「フヱアな態度。」プレ 

I 。」 


f ど-つ使い分けるか.) 

公平は、どれにも偏らず同じよ 
うに平等に扱うこと。 

公正は、公平で正しいこと。 
公明は、隠し立てするような点 
がなく公平であること。 

〈公平〉は人に対する待遇、〈公 
正 X 公明〉はそれを踏まえた物事 
の行い方によく使われる。 


フ H アは英語 fair (= 公正)。〈公 
正〉のほうが公的な事柄によく使 
われる。 


高® こうまん 

1高慢\傲慢^\横柄は\| 
,尊大は/不遜 r I 

c 使 い分け例) 

高慢… 「高慢な人。」「高慢な態度。」 
「高慢の鼻を折る。」「高慢ちき0」 
傲慢… 態度。」「_無礼。」 
横柄…「横柄^ I 口の利き方。」 
構える。」 

尊大… 「 ifRIZ 構える。」「_ぶつた 
ところが ある。」 

不遜…の振る舞い。」 


(とう使い分けるか〕 

いずれもほぼ「謙遜•謙虚」と反対 
の意で「 I な態度」のように使う。 
高慢は、 うぬぼれが強く高ぶって 
いること。例えば自身の才能や美 
貌、地位などを鼻にかけてなど。 
傲慢 も〈高慢〉に似るが、 おごり 
高ぶって、振る舞いが人を侮るか 
のように自己本位、勝手気まま 
なことに言う。 

横柄は、特別なおごりがあるな 
しにかかわらず、態度が偉そうで 
礼を欠いている様子を言う。〈傲 
慢〉よりも具体的な個々の言動を 
とらえて 言う ことが 多い。 

尊大は、おごりというより思い上 
がって人を見下した態度であるこ 
と。いかにも偉そうにという感じ 





越(超)える•凍る 192 


超超越越 
過越 = 
すす^ 
差> する 


1 _ 〇〇 

丨山 

を 

'• O ' 

1度 
を 

, △ 1 〇 

を想 

1像 

1 〇 •' 

を世 
丨俗 

〇 1 1 〇 

時所 
間定 
をの 
丨勤 
務 


限•枠などの外に出る、の意が、 
〈越す〉には「〜に越した ことは な 
い」の用法、時を経過する、引つ 
越す、行く•来る、の意がある。 
超越するは、 標準や次元をはる 
かにこえる意で、具体的な場所を 
通りすぎる意味には使わない。ま 
た、数値では表せない。 

超過するは、 決められた時間や 
数量をこえる、の意。 


凍る こおる 
「凍る\凍ぃてる\凍結以す一 


は〈横柄〉に似る。 

不遜も思い上がった態度だが、 
〈尊大〉に比べ、偉そうにというよ 
り、 へりくだるべき ところをそう 
しないことである。 

越(超)ぇる こえる 

,越 (超)ぇる/越(超) こす\, 
超越^ぅする\超過 r ぅす 
る 

f 使い分け例 j 

越(超)える… 「川を^^。」「作業 
は年を越えて 続く。」 「十人を ®I 
My ^。」 「常識を越(超)える。」 
「立場を越(超)える。」 


越(超)す… 「峠を越す。」「度を越 
(超)す。」「元気にたことはな 
い。」「年を_。」「よそへ_。」「家 

へお越しください。」_ 

超越する… 「科学を超越する思想。」 
「世俗をた高僧。」 

超過する… 「規定時間を超過する。」 

料金。」 「 S 勤務。」 


(どう使: S 分けるか) 

「越」は目的を達するための通過 
点としての何かを通り過ぎる、つ 
まりこぇてその先まで進む場合、 
「超」は抽象的な意味で、基準や 
範囲の外に出るなどの場合に使 
ぅ。ただし、「越」は両方使ぇる。 
越える.越す は同じ場合に使ぇる 
ことも多いが、一方だけが持つ意 
味用法として、〈越ぇる〉には、制 





i93 心 


る/氷結1 r する \ 凍 vx . 
る/悴 f しむ \凍 しみる 

q 使い分け例) 

凍る… 「水が凍る。」「土が凍る。」「身 
も凍る恐ろしさ。」 

凍てる… 「大地が w ^。」 「星の穿 
そぅな夜。」 

凍結する… 「路面が凍結する。」「話 
し 合いは凍結 tl たまま。」 

氷結する… 「湖が氷結する。」 
凍える… 「手が死ぬ。」 
かじかむ… 「手がかじかみ結べない。」 
凍みる… 「道が^^。」「今日は^: 
5|。」「3豆腐。」 


(どう使い分けるか) 

凍る•凍てる.凍結する.氷結す 


るはいずれも物が低温のため固ま 
る意だが、比喩的にも使う。特 
に〈凍てる〉はやや古風な語で比喩 
の用法の方が多い。 

〈凍結する〉〈氷結する〉は特に固 
く凍り付く場合に使うが、〈凍結 
する〉は水を含め物について、〈氷 
結する〉は水について言う。 

凍える は、寒さで感覚が麻瘦する 
などして体の自由が利かなくなる 
意。 かじかむ は手や足が、寒さ•冷 
たさで思うように動かなくな1思。 
凍みる は、凍る意と冷ぇ込む意 
とがある。 


、レ こころ (〇気持ち) 
「心/物心! I ろ\心理吁\« 


一神忒/心神^/内面筇 _ 

(使い分け例) 

心…「以の成長。」「0が広い。」「優しい 
-^1 の持ち主。」「心ある人。」「女心。」 
§。」 —㊣ 体。身。 

物心… 「物必がつく年頃には父がいな 
かった。」 

心理… 「当事者の描写 
に優れた小説。」作戦。」 
学。」— 

精神… 「精»|を集中する。」「たくまし 
い!^。」障害。」 ㊣ 肉体。 
物質。 

心神… を喪失する。」耗 
弱。」 

内面… 「顔かたちょり内面の美し 
さ。」「内面!生活。」 
® 外面。 




答え 194 


f どう使い分けるかし 

心«-、人間の知覚.感情.意志な 
-ど C おける精神作用の総合(「心 
身」の心)を言う場合と、考え•気 
持ち•情けその他に特に言う場合 
とがあり、後者の場合、〈心情〉 
〈心理〉〈精神〉にも置き換えられ 
る0 

物心は、世の中の事や人間の気 
持ちなど物事がわかる人間として 
の心。「—が(の)つく」の形で使う 
のが普通である。 

心理は、状況に対応する心の働 
き0〈心情〉に比べると、それを生 
む状況と直接に結びついている、 
やや反射的で動的なものと言え 
る。 

精神は、「 I 医学」では肉体に対 


する心、「スポ^ —ツマンー」では心 
の持ち方、「憲法の—」では則るベ 
き考え方の根本、理念を言ぅ。 
〈心〉でも特に高度の能力としての 
心を言ぅのが普通で「赤子の—」と 
は あまり 言わない。 

心神は、心や精神。学術用語や 
法律用話として表れるかたい文章 
語。 

内面は、人間の、身体に対する、 
心や精神の面。 


答え こたえ 

|答ぇ\応答 ||\返事(返, 

辞}^\返答|2\回答筘\ 

解答^ 


f 使い分け例 j 

答え… 「計算の葡。」「先方からの劄 
i を待つ。」 

応答… rsw を待つ。」「無線で 

刪。」「質疑圖。」圓 
返事…「『はい』と囊をする。」「色ょ 
い mw を待つ。」「_を出す。」— 
返焚〒: 「呼んでもがない。」 

を急いでほしい。」 

回答… 「アンケ^—卜の回答。」「行政側 
の園。」 ㊣ 質問。 

解答… 「試験問題の M 5。」 「住宅難 
の問題に§が得られない 。」㊣ 
問題。 


n ど51使い分けるか W 

答えは、 答えるといぅ行為と、答 
える内容のどちらにもなる。また 




195 ごたごた 


乱雑ごご 
ちた 

雑然 

6ご 
にとやた 


0000 

|r 

〇 1 〇 1 

書1 

く字 
を 

1 〇〇 1 

て話 
いが 
る1 
し 

1 1 1 〇 

こ1 
るが 
起 


雑多で無秩序な様子。事態が紛 
糾する様子にも言う。 

ごちやごちやは、 多くのものが 
入り乱れて集中している様子。 
〈ごたごた〉が物の内容にまとまり 
がないのにも言うのに対し、位置 
関係•配し方に言う。 

雑然は、 整然としていない様子 
で、かなり漠然と辺りの雰囲気に 
言うのに対し、 乱雑は 具体的に 
どれと指摘できるような様子に言 


混;' « は、 さまざまなものが入り 
混じつて判然としないさまを言う。 


〈応答〉〈返事〉〈返答〉〈回答〉〈解 
答〉のどの意味も表せる。 

応答•返事•返答は、 質問や呼び 
掛けに対する答えではあるが、 
〈応答〉は、反応して答えるという 
行為を言う。〈返事〉は手紙の返 
信の意もある日常語。〈返事 X 返 
答〉は、行為も内容も言う。 
回答は、 質問や要求に対する答 
え。文書による公式のものによく 
使う。 

解答は、 問題を解いて答えを 出 
すこと、またその答え。他に難問 
題を解決する策や案。 


ごたごた 

「ごたごた v ごちやごちゃ\一 


雑然芑\乱雑|!\混沌 

,(渾沌 )!I 

(使い分け例〇 

ごたごた… 「ごたごた並べる。」 「^7 
^7詰め込む。」「社内は人事異動 
でごたごたしている。」 

ごちやごちや… 「頭の中がごちやごち 
やしてきた。」「ごちやごちや言われ 
てぅるさい。」 

雑然… 「一^した部屋。」 ㊣ 整然。 
乱雑… 「乱雑に物を置く。」「字を SLI 
雑に書く。」 

混纯… 「解決の見通しもなく 
した情勢だ。」した風景。」 


(どう使い分けるか) 
ごたごたは、 物の集まり具合が 





固着•事 196 


固着 こちやく 

,固着/膠着 II く \癒 着, 
J ゃく\固定^ぃ\定着訟く _ 


f 使い分け例 W 

固着…「部品を接着剤で固着する。」 
「 Ms 観念。」 「 Ms 物。」 

膠着…「会談は状態になる。」 
「 SS 語。」「戦線の§。」 

癒着…「傷口の_。」「政界と財界 

の癒着。」 _ 

固定…「椅子を床に固定させる。」「固 
SI 客。」 「 M ® 給。」 「 MW 観念。」 
定着…「新法が定着する 。」 「SIS 
液。」 


(ど-っ使い分けるか) 

固着は、他の物にしっかりくっつい 
て離れないでいること。「—観念」 
などの用法もあるが、普通物につ 
いて言う。 

膠着は、粘りついて離れない状態 
になること。また、ある状態が固 
定して一向に変化しないこと。後 
者では〈固着〉に似る。 

癒着は、裂かれた、または離れて 
いるべき皮膚や膜などがくっつくこ 
と。利益のため二者が必要以上に 
強く結びつき合うことにも言う。 
固定は、一つの場所や一定の状 
態から動かないこと。 

定着は、ある定まった場所、地 
位などにしつかりとくつつくこと 
で、なじむ意もある。 


事こと 

If \ こと\ ^ もの/ ml — 

■ ,「朴がら\衫_ごと 

_物れっ I 

へ使い分け例〕 

事… 「,*1ここに至る。」「それは 1*1 だ。」 
「君のが好きだ。」「食べた TXxj が 
ない。」 

事柄… 「あった!¥を説明する。」 
物事… 「すべての劃に興味がある。」 
事物… 「証拠となる!^。」「存在す 
るあらゆる事物。」 


(ど-つ使い分けるか) 

事は、形やその位置がその存在を 





197 言葉 


示すことので きる 「もの」に対し 
て、現象•出来事•関係などを言 

A っ0 

事柄は〈事〉の内容に当たるもの 
を指して言ぅ。 ありさま、 事情 
など。「事が起きる」に対し「事柄, 
が起きる」 とは 言わない。 また 
〈事〉に比べ抽象的な用法は少な 
く具体的な場面に対応して使わ 
れる ことが 多い。 

物事は物と事とをひつくるめて思 
考•行動の対象となる一切を指す 
表現。かなり漠然とした とらえ 
方になる。 

事物は〈物事〉と同義の漢語。た 
だし、〈物事〉は「事」に、〈事物〉 
は「物」に重点の置かれる傾向があ 
る。前の三語は日常語だが、〈事 
物〉はかたい文章語。 


言葉 ことば (〇 文) 

■言葉/文句^/辞'じ/語ご\_ 
,言語^\文言|サひ ! 

(使い分け例ソ 

言葉… 「 ISM を使って伝ぇる。」 「1 SS 
を換ぇる。」 「 ISS を濁す。」「難しい 
言菊。」「お I 6 M を頂戴する。」 
文句… 「歌の^^。」「あいさつの5:1 
句,。」「5^を言ぅ。」 

辞… 「開会の朝。」「 #1 を低くする。」 
語…「調を次ぐ。」「次から二つ_を選 
べ。」「詞形。」「熟調。」 

言語… 「世界の HW 。 」「人間は譲 
を有する。」「1^感覚。」「15^に絶 
する。」 r ® 学。」 


文言… 「文言として記された真情-- 


广どう使い分けるか) 

言葉は、 〈文句 X 辞 X 語 X 言語〉 
〈文言〉のいずれの意味としても使 
う。ものの言い方、語気などの意 
味で使うことも ある。また 小説や 
戯曲などの会話や、旋律を伴わ 
ない独白などの部分にも言う。場 
合によっては「詞.辞」とも書く。 
文句は、文章中の語句。文の形 
のものも、文の一部のものも ある 
が、 あまり 長くないもの。〈言葉〉 
のように広い意味は表さない。ほか 
に言い分.苦情などの意。 

辞は、ある特定の目的を持つひと 
続きのまとまった〈言葉〉。日常語 
とは言いがたく、形式ばった場合 
に限られる。 



子供•断る 198 


語は、一つ一つの〈言葉〉、つまり 
単語。 

言語は、個々の表現についてでは 
なく、抽象的に言ぅ場合や、総 
.体的•体系的な〈言葉〉を言ぅとき 
に使う。文章語で日常的には一一一口 
葉〉と言うことが多い。 

文言は、手紙.文章の中の文句. 
表現をとらえて言う。文章語。 


子供 こども 

,子供\ 小児^ぅ\児童尸\| 
1少年^ぅ\年少者51ょぅ— 

f 使い分け例 d 

子供…「私の園の頃。」「国っぽい 

男。」が出来た。」 ㊣ 大人。 


親。 

小児…科。」「$病。」 

児童…「§の保護。」「児童憲章。」 
少年…「_ょ大志を抱け。」「少年 
少女。」「_文学。」「^¥期 。」㊣ 
少女。 

年少者…「年少者の労働を禁止す 
る。」 ㊣ 年長者。 


(どう使い分けるか) 

子供は、大人に対する子供のほ 
か、親に対する子を指す。 

小児は、大人に対しての〈子供〉 
と同義の文章語。医学の分野で 
使ぅ。 

児童は、〈小児〉と同義だが、法 
律でよく使う。学校教育法では 
小学校に通う年齢の子供に当て、 
児童福祉法では十八歲未満の者 


を言う。やはり文章語。 

少年は、成年に対して子供、ま 
たは少女に対して男の子を言う。 
大体幼児期を越え青年に達する 
前くらいがその時期に当たる。少 
年法では二十歳未満、児童福祉 
法では小学生以上十八歳未満に 
言う。使用頻度は高いがやや文 
章語的である。 

年少者は、年若い、また幼い者。 
年端がいかず成熟していない者。 
何歳から何歳までという決まつた 
ものはない。 


断る ことわる 

I 断る/拒 Ifi む\拒否»8 ょす, 

る/拒絶?1する/辞退び 




199 この頃 


する\固辞 U'; する\突っっぱ 
ねる 

1 f 使い分け例) 

断る… 「誘いを3。1「誤解のないょ 
ぅ一言 S? 趣旨を^^ておく。」 

拒む… 「要求を§。」「来るものは fgl 
まず。」 

拒否する… 「相手の要求を®!^ 
る。」「乗車を拒否する。」「登校 fgl 
商。」㊣承諾する。 

拒絶する… 「参加を拒絶する。」「插 
M 反応。」 ■ 

辞退する… 「出場を辞退する。」「賞 
を辞退する。」 

固辞する… 「強く就任を要請された 
が固辞する。」 

突っぱねる… 「その意見を突つばね 
51。」 


1 T どう使い分けるかし 
断る は、申し入れを受けないと 
言い渡す意と、事前に承諾を求め 
る意とがあり、いずれもそれを相 
手に伝える動作•行為に意味の重 
点がある。対して 拒む は、相手 
に伝える行為より、受け入れない 
という気持ちに重点がある。〈拒 
む〉には、進もうとするものを妨 
げる、の意があるが、やや文章語 
的である。 

拒否する•拒絶するは、 〈拒 

む〉の漢語的な言い方だが〈拒絶す 
る〉のほうが強くきっぱりと受け付 
けないニュアンスを表す。 

辞退するは、 遠慮などから自身 
が退く形で立場•役目を断る意。 
固辞するは、 固く辞退する意。 


突つばねる は、とんでもないとい 
ぅ調子で初めから強い勢いで相手 
の要求をはねつける意。 


この頃 このごろ 

この頃\近頃11\最近!?>\| 

この所 r 

(' 使い分け U 

この頃… 「77^雨が降らない。」「77 
の頃は冬でも暖かい。」 

近頃… 「_は不景気だ。」「_めっ 
きり寒くなった。」迷惑な話。」 
最近… 「最近髮行。」_彼に会っな」 
この所… 「このところ鳴りを潜めてい 
る。」「このところの好景気0」 




好み 200 


こ最近こ 
の の 

所近頃頃 


0000 

景丨 

気は 

だ不 

1 〇 1 1 

見ご 
たく 

1 

■ 〇〇 • 

越1 
ン引 
たっ 

'• O ' 

迷こ 
惑れ 
千は 
万丨 

• 〇〇〇 

学1 

W4 


れの中での一時期としてとらえ、 
また特に今を強調して言うことが 
多い。何日.何年には当てるが何 
十年に当てては言わない。 


好み このみ 

|好み\好すき\嗜好|"\愛~ 
,好訪 

〇使い分け例 ) 

好み… 「夫の®^に合わせた食事。」 


「洋服の好みがぅるさい。」「派手好 
祝。」「最近の®^は気に入らない。」 
好 $:.「好きこそものの上手なれ。」 
「君が仕事 。」 「ffl 
_しろ。」「_者。」 ㊣ 嫌い。 
嗜好… 「 SW が偏る。」「煙草を@ 

50」「團品。」 

愛好… 「ゴルフの劃者。」「日本画を 
愛好する。」「一^家。」 


(どラ使い分けるかし 

好みは、好きだと感じるものの傾 
向。好きは、傾向に限らず、唯一 
個の具体的なものを対象とする 
場合にも言い、対象への気持ちが 
直線的と言える。「君が好きだ」 
を「君が®^だ」と言つても少なく 
とも愛情表現にはならない。〈好 
み〉は世間が関心を持つているもの 


c ど5 使い分けるか ) 

この頃は、 少し前から今まで。 
「丨は冬でも暖かい」 では ここ何年、 
「 I は日が長い」ではここ数日の間 
を表す。ちなみに「このころ」は 「こ 
のころが懐かしい」のように今話題 
にしている時期を指して言う。 
近頃•最近は、 今に近い過去か条 
在までを漠然と指す。〈最近〉は、 
近い過去の一時点を指す場合もあ 
る。の)若い人」は期 
間を言う例、引っ越した」は 
一時をと$そい i 薯の例では 
〈この頃〉と同じ意味になる。〈近 
頃〉には、古い言い方だが、甚だ 
の意もある。〈最近〉は、空間につ 
いても最も近いという意味で用いる。 
この 所は、これまでの一連の流 





201 媚びる 


を言うこともある。 

嗜好は、口にして心に味わい楽し 
むこと。またそういう好み。「— 
品」と言ぅ場合、特に酒•茶•煙草 
などを言うことが多い。 

愛好は、好んで親しむまた楽し 
むこと。主義や思想など精神的 
なものを対象とする場合もある。 


媚びる こびる 

,媚びる\諂いっぅ/阿1もる\| 

迎合^する\追従^っす 
_る\ 胡麻 *;* を擂 する 

G 使い分け例 ) 

媚びる…「重役に「視聴者に 


,:*■: 媚:び石ょぅな CM 。」 

ベ 1 x > らう… 「お得意様にへつらぅ。」 
おもねる… 「時流におもねる。」「会社 
におもねる。」 

迎合する… 「他人の意見に迎合す 
51 。」「権力に迎合する。」 

追従する… 「上役に追従する。」 
ごまをする… 「上司にごまをする。」 


( ど-つ使い分けるか ) 

いずれも気に入られようとしての 
振る舞いに言う。 

媚びるは、甘えたり相手の顔を 
立てるような様子をしたりして喜 
ばせ気に入られようとする意。も 
とは、女の、男に対するなまめか 
しい態度に言う語だが転じて広く 
使われる。 

へつら 5は、自分よりも力のある 


人に対する場合が多く、男女関 
係の中では使わない。よく「媚びへ 
つらう」とも言う。おもねるもほ 
ぼ同義だが、かなり古風で文章 
語的である。〈へつらう〉のほうが 
日常よく使うが、世間•世論を対 
象にしてはあまり言わない。 
迎合するは、自分の考えを曲げ 
て相手に気に入られようとする 
意。しかるべき自分の考えや立場 
がある ことを 前提に言う。 

追従するは、 機嫌をとること。 
ちなみに〈追従 Sr する〉は他人の 
言う ことにそのまま 従う意。 
ごまをする は、機嫌をとって自 
分の利を図るような様子に言う。 
相手が団体である場合には言わな 
い。〈媚びる X 迎合する X 追従す 
る〉 とともに個々 の行為や態度に 
言うことができるが、〈へつらう〉 




細かい•困る 202 


八おもねる〉は一貫して言える態度 
をとらえて言ぅことが多い。 


細かい こまかぃ 

,細かい\些細(瑣細二ぃ\| 
瑣末(些末) s > 微細?/\ 
末梢的 II しょ. ノ ささやか/ 

I 微小 5 ょ .ン 微少 5 ょぅ 

〇使 い分け例 ) 

細かい…刻む。」「神経が製 
叫。」®粗い。 

些細…なことを気に掛ける。」 
@重大。 

瑣末…事に追われて仕事に 
ならない。」 


微細… r ® な説明。」「微細な調 
査。」文様を描く。」 
末梢的…「話が葡的なことに終始 
する。」 ㊣ 根本的。本質的。 
ささやか…「ささやかな楽しみ。」 
微小…「菌類の世界。」 ㊣ 巨 
大。 

微少…「被害は微少である。」 


ハどう使い分けるか"} 

細かいは、ごく小さい、小さい事 
にまで及ぶ、などの意。 

些細は、取るに足りないよぅなつ 
まらないことである様子。 

瑣末は、事が重要でない細かいこ 
とである様子。「瑣(些)末の」の 
形が多い。 

微細は〈細かい〉と同様、形状の 
小ささ、詳しさなどを表すが、ご 


く細かい様子。 

末梢的は、根幹に対する枝葉の 
ことである様子。全体における位 
置付けや重要度から言う。 
ささやかは、大それていないちょ 
つとした、規模の小さい様子。 
微小は物理的な大きさについて言 
う。肉眼ではとらえにくいような 
極めて小さい様子に言う。 

微少は、量がごくわずかな様子。 


困る こまる 

,困る \弱2 る/ 苦?,<しむ\窮| 

r する\困窮 IX ぅする\困 
惑 tx する/迷惑15する/ 
手古摺 r る 




203 ごみ 


窮弱苦困 

すレ 

るるむる 


0000 

く金 
てが 
丨な 

〇 - 〇〇 

に 返 
丨答 

' 〇 '' 

で 彼 
ね女 
だに 

会甘 

れい 

1 ^ 

'' 〇 ' 

に 貧 
丨困 

〇 ■ 〇〇 

に 生 
丨活 


〇ど-つ使い分けるか) 

困る は、〈苦しむ〉意もあるが、 
ぅまい対処ができない意が必ず含 
まれる。 

弱る は、一義として困る意があ 
るが、〈困る〉に比べ、しんから困 
っていない調子が少しある。 

苦しむ は、対処できても身につら 
いことを表し、精神的また肉体的 
の両方に言う。 

窮するは、 直面した事態に手も 
足も出ない場合に言う。 


困窮するは、 大きな事でひどく 


困る場合に使う。また特に生活 
に困る意味でも使う。 

困惑するは、 とるべき態度の判 
断がつかないで困る、の意。その 
場のことに使う表現。 

迷惑するは 他人の所行などにょ 
り、嫌だと思うょうな目にあう場 
合に使う。 

てこずる はスムーズな処置ができ 
ずもてあまし、かなり手間取る意。 


ごみ 

,ごみ/塵 S \ 埃 0 !/屑?\塵— 
,芥妓 

分け例 j 

ごみ…「裂を捨てる。」「裂処理。」 


( 使い分け例 j 

困る… 「生活に寶。」「まじめに働か 
ないで_たやつだ。」 

弱る… 「金がなくて寶た。」「結婚を 
迫られ_る。」 

苦しむ… 「病気で15:^。」「理解に^1 
y 行動。」 

窮する… 「返答に窮する。」「^5ば 
通ず。」 

困窮する… 「不景気で困窮する。」 
「生活§家庭。」 _ 

困惑する •••「仲裁にならず困惑す 
⑸。」「子供にはしゃがれ親父は MW 
の体。」 

迷惑する… 「彼の怠慢でこちらが瑚 
3た。」「世間にをかける。」— 

てこずる… 「面倒な問題で解決にてこ 
た。」「この子はてこずらせる。」 







込(混)む 204 


「目にごみが入る。」 

塵…「3が積もる。」「3一つない 
部屋。」「3ほども疑わない。」 

埃…「ほこりが舞ぅ。」「ほこりを吸 
ぅ。」「綿」「土 」 

屑…「壊されてくずになる^「鉄<1 
¥。」「人間の@|。」「星_。」 

塵芥…焼却場。」 


「どう使い分けるか) 

ごみは不要になつて後は捨てられ 
るだけの(捨てられた)物の総称と 
して使われ、〈塵 X 埃〉〈屑〉など 
の言い換えとなることもある。広 
義には自然にたまつた埃•土 •砂な 
どをも含む。 

塵は小さなごみに言う。空気中に 
浮いている目に見えないほどの物 
も含み、自然にたまつた土•砂•埃 


などにも言う。ほかに値打ちのな 
いもの、または極めてわずかなこ 
とのたとえ。 

埃は、すぐ舞い上がるほどのごく 
細かいごみ。 

屑は、無用で、ちぎれ砕けるな 
どして利用価値や商品価値とし 
て半端なもの。〈ごみ〉〈塵〉〈埃〉の 
ょうにその場を汚している物とい 
う意味合いはない。役に立たない 
つまらない人や物にも言う。 
塵芥は「塵•芥•ごみ」の意の漢語。 
つまらないもの、軽いもののたと 
えと もなる。 


込(混) むこむ 

「込(混)む/込(混,み合ぁ一 


ぅ\立 たて 込,」む V 混雑 IX 
する/雑踏 II する V ごった 
IS す I 

〇使い分け例) 

込む… 「道路が_。」「予定が3。」 
「枝が^^。」「ずいぶん手の込んだ 
仕事だ。」 ㊣ すく。 

込み合う… 「車内が込み合ぅ。」「電話 
が込み合ぅ。」 

立て込む… 「仕事が立て込む。」「家が 
立て込んでいる。」 

混雑する… 「通りが車で混雑する。」 
の緩和。」 

雑踏する… 「年末の街は買物客で雑 
「盛り場の SM 。」 

ごった返す… 「境内は参詣者で司た 
9た0」 




205 頃•転ぶ 


(ど-つ使い分けるか) 

いずれもある物事のある、または 
あった時を指す。 

頃は幅のあるおよその時を表し、 
時節•時代なども表される。 

折は時機、場合の意。タィミン 
グとしての時を言う。時節の意も 
ある。 

際は、「雨天の—は中止」のよう 
に、時というよりもケース•場合 
として言う感じがある。 

節はやや改まった表現。 


f どう使い分けるか W 
込むは、物又.事柄の集中に言 

* つ0 

込み合う は、込んで自由に動き 
がとれないくらいだといぅ当事者 
に視点を置いた表現。 

立て込む は、人の集まり、用件 
の重なり、家の立ち並びに言ぅ。 
集中してゆとりのない様子を表す 
が、それによる直接の不都合•不 
自由は特に表さない。 

混雑するは、特に無秩序•無統 
制に物や人が込み合ぅ様子に言 

A つ0 

雑踏するは、思うように歩けな 
いほど人で込み合うことに言う。 
戸外やかなり広い場所でのことに 
言うことが多い。 


ごった返す は、〈混雑する〉と似 
るが、人の集まりに言ぅ。〈込み 
合ぅ〉よりも騒然とした感じが表 
れる。 


頃 ころ (〇時) 

〔頃/ s \ 際ジ s U 

( 使い分け例, ) 

頃…「子供の_。」「五月^ I 。」「もぅ帰 
る_だ。」「食べ_。」「徳川の_。| 
折… 「押に触れて思ぅ。」「押も拥。」 
「前にお会いした拥。」「猛暑の拥。」 
際…「その, PSI に見た。」「緊急の_の備 

え。」「この_どっちでもいい。」 

節…「その ffil はお世話になりました。」 
「当刺は物騒だ。」 


転ぶ ころぶ 
「転ぶ/転: r がる/転.!.;げ一 




壊れる 206 


倒転転転 
れげが 
るるる ぶ 


0000 

いづ 

てま 
丨ず 

• 〇〇 1 

が丸 

1 い 

石 

I 〇 1 ■ 

1 笑 

い 

SS 3 S 

だ丨 
でて 
は:^ 
起 S 
きも 
ぬた 

〇 | | | 

風樹 
で木 

1 が 


事の方向が変わる、の意がある。 
転がる は、回転しながら移動す 
る、または 転倒す る意。 物が雑 
然とまたはいくらでもあるという 
意 も 表し、 転げるにこの 意味 •用 
法はない。一方「笑い®^」 とも 
言わなぃ。 

倒れる には、回転の要素はない。 
病気で床; t に伏す意や、病気•事 
故などで死ぬ意、権力の失墜•倒 
産などにも言う。 


転倒す るは、 ひつくりかえると い 
ぅのに近く、人が転んで膝をつく 
程度には使わない。 


壊れる こわれる 

,壊れる M 朋 f '< れる/潰れれ, 
る/崩壊?: I する\壊滅筇 
する 

r 使い分け例) 

壊れる… 「時計が」「話が3 
る。」©直る。 

崩れる… 冚が^^。」「体の線が ^I 
3。」「天気が^^。」「千円札が 
^^。」「相好が^£^。」「生活態 
度が3朋れる。」 ㊣ 固まる。 
潰れる… 「実が」「会社が^5 
刪。」「来客で一晩^5た。」 

崩壊する… 「建物が崩壊する。」「政 


L る/倒於れる/転倒^する」 


^使い分け例) 

転ぶ… 「つまずいて®。」「七_八 
起き。」「どちらに®^でも悪い展開 
にはならない。」 

転がる… 「ボ ー ルが®^。」「床 I に飼 
司て寝る。」 「ラジオなら 家にいく 
ら でもている。」 

転げる… 「急坂を®£落ちる。」「笑い 

倒れる… 「柱が倒れる。」「疲労で倒れ 
扣。」「政権が®^。」 _ 

転倒する… 「足を踏み外して転倒す 
句」「気が転倒する。」「本末®®。」 


(ど3使い分けるか) 

転ぶ は、〈転がる〉、転倒する、物 





207 今後 


潰崩壊 
れれれ 
るるる 


1 1〇 

丨時 
計 
が 

1〇_ 

1山 
が 

〇1 _ 

丨会 

社 

が 

I 〇〇 

丨堤 

防 

が 

〇〇〇 

が建 
丨物 


〈壊れる〉にある「故障する」の意は 
〈崩れる〉にはないが、〈潰れる〉は 
「のどが—」のように体の機能に関 
して使う。 


崩壊す るは崩れ壊れる、潰れ 
る、のいずれをも表す。 

壊滅す るは、ひどく壊れて(壊さ 
れて)無くなること。この二語は 
漢語的文章語。 


今後 こんご 

,今後 \将来はぅ\未来3\| 
1行ゅく末5\先先11 


( '使い分け例 j 

今後… 「今後は気をつけます。」「今後 
の身の振り方。」㊣従来。 

将来… 「WM の夢。」 「WM のある身。」 
1性。」㊣過去0 
未来… 「人類の都市。」 
「近^?。」㊣過去。 

行く末… 「子の行く末,を案じる。」 
㊣来し方。 

先先… 「穿安心だ。」「行く穿で歓 

待される。」 


(どラ使い分けるか) 

今後は、 これから。今(に近い時 
点)から 先。 〈将来〉〈未来 X 行く 
末〉先々は今を含まない。 

将来は 「将に来らんとす」の意で 
これから来る、来るべき時という意 


権が崩壊する。」 

壊滅する… 「都市が壊滅する。」 


(ど151使い分けるか) 

壊れる は、砕け破損する、機械 
などが故障する、の意。 

崩れる は、壊れ落ちる、砕けて 
ばらばらになるといつたニュアンス 
や均整を失ぅ意味が出せる。 
潰れる は、物理的な意味では押 
すなどの外からの圧力によって、 
形が内側へと歪んだりすることに 
使い、「地震で壁が^^」の言い 
換えはできない。また「箱が_ 
d」 は一個一個の箱の形が壊され 
ることを表すが、「箱が崩れる」で 
は多数の箱を積み上げた全体の 
形が壊れ、上のものが落ちるとい 
ぅ意になる。 





今度•こんな 208 


味合いで使う。 

未来は 「未だ来らず」で、まだ来 
ていない、見通しや予測の立たな 
い時というニュアンスで使うことが 
多く、〈将来〉ょりも今に遠い時を 
指す場合が多い。 

行く末は 将来の成り行きを不安. 
期待などをもって見るときに使う。 

〔注意〕 〈今後〉〈将来〉〈先先〉は副詞 
的用法があるが他の二語にはない。 


今度 こんど 

1今度\今回は/この度你 V 
1今般 ^I 

(使い分け例) 

今度… の実験はうまくいった。」 


「今度会ぅのが楽しみだ。」 

今回… 初めて参加した。」® 
前回。次回。— 

この度… 「この度はおめでとうござい 
ます。」 

今般… 「_の御計画。」 ㊣ 先般。 
過般。 


( どう使 ぃ分けるか J 

今度は 今回•この度を指す場合と 
次回•この次を指す場合とがある。 
今回は 前回•次回に対するが、回 
数を数えるようなものでない場合 
にも 使う0 

この度は 改まった言い方。口調と 
してやや丁寧。 

今般は 〈この度〉の意の文章語で 
かたい非常に改まった言い方。 
いずれも副詞的にも使う。 


こんな 

〔こんな\こぅいぅ\かかる一 
(使い分け例 ) 

こんな… 「こんな珍しい品見たことが 
ない。」「^¥ものいらない。」「私の 
話は^^ ところ だ。」「天気が^^ 
なですから。」 

こ|つい-つ… 「こういう類の仕事 。」^I 
状況だ。」®こうした。 
かかる… 事態は憂慮に堪え 
ない0.1 


( ど5使い分けるか j 
こんなは 、「この」の婉曲な言い方 





209 裁決•財産 


_1霊雲 


「当局の裁決する事柄。」 
「委員会のに従う。」 
「先輩の裁断に任す。」 
「経営を裁量する。」 
「社長のを仰ぐ。」 


財産ざぃ t 


,財産\資産ひ\財1:\家産‘ 
1ん\身上^ぅ\身代^ 


0 

裁決さぃけっ 

,裁決\裁定ぽ\裁断筇\, 
,裁量^ぅ\決裁 a ? 

P 使い分け例) 


(どラ使い分けるか) 

いずれも物事の善悪•理非•適否 
を裁いて決定する意。裁断が最 
も一般的な用語で、裁定は労働 
委員会の仲裁裁定などに、裁決 
は法律用語としては行政庁の訴 
願や申請に対する決定•処分の意 
に 使ぅ。 

裁量は各人の自由な判断による 
処理、決裁は権限を持つ上級者 
が部下の案件の可否を決定するこ 
とを言う。 


「このよぅな」から転じた口頭語だ 
が、単に「このよぅな」の意にとど 
まらず、ある状態や程度などを 
強調し、注目させる働きがある。 
また、「 I ものいらない」のよぅに、 
「これしきの」と同様の意味で、見 
下したり軽く見たりするニュアンス 
もある。 

こういうは、 このよぅな、の意 
で、〈こんな〉と同義のよぅだが、 
〈こんな〉にある「たかがこれしき 
の」といったよぅな軽蔑的な意味 
合いはない。 

かかる は、「かくある」のつづまっ 
たもの。このよぅな、の意の文語 
で、非常にかたい表現の中で用い 
る0 








災難 210 


(使 い分け例 ) 

財寧.. 「親の麗を当てにする。」「_ 
闺所得。」 

資産… 「劃の凍結。」「流動資産。」 
財… 「一代で_を築く。」「生産財。」 
家産… 「 S ® を傾ける。」 

身上…をつ ぶす。」 「身上持ち。」 
身代…二人で大きなを築く。」 


「どう使い分けるか , j 

財産は 個人や団体の持つ金銭的 
価値の ある ものの総体、 資産は 
個人や法人の所有する、経済的 
価値のある有形無形の財産の意 
で、日常語では「財産家=資産 
家」 のように 同義にも用いるが、 
法律的には後者は資本と するこ 
とがで きる 財産を 言う。 


財は文章語として〈財産〉の意に 
使ぅが、経済学では人間の欲望 
を満たすものの意。 

家産は一家の財産で、身代は一 
身の財産。結局はほぼ同義。前 
者はかたい文章語で、後者は古風 
な言い方。身上も同様に古風な 
語で〈財産〉の意であるが、「—の 
苦労」のょぅに所帯(のやりくり) 

の意にも使われる。_ 

〔注意〕 「身上(しんじよう)」は、一 
身に関すること(「1書」)、また、そ 
の人の本領といった意味の語。 


災難 さいなん(〇被害;> 

,災難/災害は\災禍 r\l 
|災厄找\難0\災1ぃ 


f 使い分け例 .) 

災難… 「とんだ函にあぅ。」 

災害… に備ぇる。」「災害対策 
を講じる。」 

災禍… 「§の跡も生々しい。」 
災厄… 「身にが降りかかる。」 
難… 「危ぅく難を免れる。」 

災い…「口は のもと。」©幸い。 


f どう使い分けるか,一 

いずれも人に突然ふりかかる不幸 
な出来事の意。 災難は 主に個人 
的に、天災•人災.損害の大小に 
かかわらず用いるが、 災一 一は地震 
や台風、戦争や事故などで広範 
囲に被害を受けた場合に使ぅ。 
災禍は 〈災害〉、 災厄は 〈災難〉と 
それぞれ同義の、かたい文章語。 




211 材料 


<<< <<< <<< <<< 
火火火火 
厄禍害難 


0000 

の不 
丨慮 

〇 - ■ 〇 

か丨 
かが 
る降 
0 

I 〇〇 • 

生丨 
々の 
し跡 
いも 

1 1 1 〇 

t こだ 
ね丨 

• ' 〇 • 

本丨 
部対 
策 


難 も〈災難〉の意の文語的表現で 
あるが、この語には「—を言え 
ば」、のょぅに欠点、困難の意も 
ある。 

災いは、意味内容は最も広いが、 
やや古めかしい語で、決まり文句 
以外にはあまり使われない。 


〔注意〕「禍」も〈わざわい〉と読むが、 
常用漢字表にはない読み。しかし「— 
を転じて福となす」などには使ぅ。 

材料 ざいりよう 
「材料/原料技 A 原材料一 


时||/資材,\素材^\ 
_資料^ぅ\データ _ 

P い分け例 J 

材料…「料理の^^を買ぅ。」「サルを 

研究の親に使ぅ。」「作文の獄 

を探す。」「景気好転の^ S。 1 
原料…「石灰石はセメントの®。」 
原材料… 「S5S を輸入に頼る。」 
資材…「建築用の 

素材…「この靴下のはナイロン。」 
「不倫を一^にした小説。」 

資料…「研究 SS を集める。」 

デ—夕…「デ^^不足の論文。」 n 

W バンク。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

材料は、①加工して製品にする 


もと、②研究.調査の結論を出す 
もと、③作文や芸術作品の題材、 
④相場や景気を変動させる原因、 
などの意。 

原料も加工品製造の もとの 意で 
あるが、〈材料〉と違つて、 もとの 
物質が製品になつたとき その 性質 
を残していないものを普通言ぅ。 
原材料は原料と材料、資材は材 
料として役に立つ物質を言ぅ。 
素材は物を つくるもとになる 材料 
の意であるが、芸術作品の題材の 
意(〈材料〉③) にも 使われる。 
資料は研究.判断の基礎にする材 
料(②)の意で、デ— 夕も ほぼ同 
義であるが、後者は、 コン ピユ ー 
ターでプログラムを運用できる形 
に記号化.数字化された資料の意 
に最近はよく使われる。 





捜す 212 


捜す さがす 

I 捜す\探¥\探?;る‘ t'fc 

ねる/漁 M る/捜索 II す 
る/捜査 r する/探索 n 
する 


f 使い分け例) 

捜す… 「忘れ物を捜す。」「家出人を 

劉。」 

探す… 「仕事を「適当な助手 
を®3ている。」丨 

探る… 「ポケットを_。」「情勢を掬 
^|。」「箱根の新緑を^。」 
尋ねる… 「母を!^て三千里。」「道 
を」「由来を尋ねる。」 


漁る… 「神田で古本をあさる。」「のら 
犬がごみ箱をあさる。」 

捜索する… 「遭難者を捜索する。」 
搜査する… 「犯人を捜査する。」 
探索する… 「史料を探索する。」 


ハどう使い分けるか ) 

捜す と 探す は、人や物を見つけ 
ようとして 行動す る、 の意で、同 
義に用いられるが、強いて区別す 
れば、前者は見えなくなつたも 
の、後者は欲しいものをさがす場 
合に用いる。 

探る は、見えない物を手足など 
で捜し求める、が原義と言えよう 
が、 そつと 様子や事情を調べたり 
推し量つたりする、美しい風景な 
どを訪ね求める、などの意があ 
る0 


尋ねる は、所在の分からないもの 
を捜し求める意のほか、不明の事 
を他人にきく、物事の根源•根本 
などを探り求める、などの意もあ 
る。 

漁る は、欲しい物を求めて探し 
回る意で使うが、原義は「のら犬 
がごみ箱を I 」のように、えさを 
求めてうろつくの意。 

搜索するは、 捜し求める 、捜査 
する は、捜し調べる、 探索する 
は探り求めるの意で、それぞれよ 
く似通っているが、法律用語とし 
ては、〈捜索〉は裁判所や捜査機 
関が犯人•証拠物の発見のため、 
身体•物•家を強制的に探査する 
場合、〈捜査〉は捜査機関が犯人 
と犯罪事実に関する証拠を発見 • 
収集する昜合に使う。 




213 作者 


作者 さくしや 
|作者\著者^\筆者 ^V 

書かき 手て/ライタ 1\作 

家1\文士3ん\文人31\ 
,物 書 I のき I 

(使い分け例} 

作者… 「源氏物語の®。」「この彫刻 
の作#|。」「^1^不詳。」「狂言作 
荀。」 

著者… 「昆虫記の一^。」「^1^略 
歴。」「著者自身の註。 j 
筆者… r この手紙の WW 。」 「この文章 
の筆者。」「筆者はそう思います。」 
書き手… 「この記事の書き手は誰 


か。」「当代屈指の書き手。」 

ライタ!: 「覆面の ライタ ー。」「ルポ 
ライタ丨。」「シナリオライタ丨。」 
作家… 「純文学の^¥。」「放送№1 
家。」「陶芸^¥。」「劇画^¥。」 
文士… 「三文^文士と自称する。」 
文人… 「文人墨客の交友。」「3 
画。」 ㊣ 武人。 

物書き… 「売れない ss ^。」 


ハど - つ使い分けるか) 

作者は、ある芸術作品を作った 
(作る)人を言ぅのが普通だが、 
「狂言—」「座付—」などの場合は 
職業としての〈作家〉の意になる。 
著者はその書物を書き著した人、 
筆者は、その文章や書画を書い 
た人で、どちらも職業名ではな 
い。〈筆者〉は、文章中で自身を 


指して言う場合もある。 

書き手は、 その文章を書く(書い 
た)人の意だが、文章や書画に巧 
みな人を言う場合もある。 
ライタ— は、これら四語と同じ 
く、その文章を書いた人の意にも 
使うが、文章を書く職業として 
も言う0 

作家は、 芸術活動の創作を職業 
とする人で、特に小説家や劇作 
家を 指す ことが 多い。 文士は その 
意味の〈作家〉の古風な言い方。 
文人は、 詩文•書画など文雅の 
道に携わる人の意で、職業作家 
に限らない。 

物書き も、文章を書く ことを 職 
業とする人。作家や ラィタ^ —が、 
一種の謙称として自分について使 
うことが多い。 



叫ぶ•避ける 214 


叫ぶ さけぶ 

I 叫ぶ/怒鳴% t * る/喚肋く\絶| 
I 叫 II ぅする\怒号ぴぅする— 

f 使い分け例 j 

叫ぶ… 「火事だ/と w ^ l 。」 「政界の浄 

化を3。」 _ 

怒鳴る… 「芝生に入るなとどなる。」 
わめく… 「酔つぱらいが^^。」 
絶叫する… 「助けを求めて絶叫す 
^10」 

怒号する… 「広場で怒号する群衆。」 


(どう使い分けるか U 
叫ぶ は、大声をあげる、また、 


世間に対し強く主張する、の意。 
怒鳴る は、非常に大きな声で、 
または 特定の相手をしかりつけて 
叫ぶ、 わめく は、興奮して大声 
で何やら叫び騒ぐ、の意。 

絶叫するは 声を限りに叫ぶ、 

奴心 D | T する は怒つてどなる意で、ど 
ちらもかたい文章語。 風. 波の激 
しく荒れ狂ぅさまを「海が一」 など 
と 表現する こと もある。 


避ける さける 

,避ける/避(除)ょける/ 躲— 
帥す \逸-てらす \回避^:す 
る/退避 P する/待避 g ぃ 
する 


(使い分け例) 

避ける… 「難を!^。 I 「人目を鄉 
ける。」「混乱を避ける。」 

よける… 「水たまりをょけて通る。」 
かわす… 「危難から身を5:^。」「敵 
の攻撃を^ P 」「批判を^ P 」 
そらす… 「相手から目をそらす。」「話 
をそらす。」「球をそらす。」 

回避する… 「事前に危険を 
d 。 」「責任を回避する。」 

退避する… 「安全地帯に退避する。」 
待避する… 「列車が待避する。」 


ハどラ使い分けるか U 

避ける は好ましくない事物から 
離れた位置をとる意。 よける は 
それと ほぼ同義だが、 ょり 口語的 
で、「誤解を I 」、「明言を I 」の 




215 下げる 


ような抽象的な用法はない。 
かわすはとつさの体の動きでよけ 
る意。「批判を—」のようにうまく 
そらして 難を避ける意にも 使う。 
そらす は面倒を避けるために向 
きを変える意のほかに「球を—」、 
「好機を—」のように、不注意で 
受け損う意もある。 

回避す るはよくない結果を恐れ 
て避けようとする意で、具象物に 
は用いない。 退避す るは危険を 
避けて安全な所に移る、待避す 
るは危険が過ぎるまで、あるいは 
他の列車が通過するまで避け待つ 
ことで ある。 


下げる さげる 

「下げる\提さげる/ぶら下一 


さげる\垂たらす\吊つる\ 

I 吊 s す\掛かける 

(使い分け例 ;} 

下げる… 「頭を下げる。」「価格を TI 
げる。」「地位を^^。」「軒にすだ 
れを下げる。」「腰に手ぬぐいを 
51。」 

提げる… 「かばんを提げる。」 
ぶら下げる… 「胸に勲章をぶら下げ 
51 。」「買物袋をぶら下げる。」 
垂らす… 「幕を華らす。」「束ねた髪を 
後ろへ垂らす。」 

吊る… 「蚊張を「谷に橋を SI 

SI 。」 

吊す… 「提灯:;:3うを^ P 」 「軒に干し 
柿を吊す。」 

掛ける… 「服をハンガーに掛ける。」 
「壁に絵を掛ける。」 


(ど15使い分けるか) 

下げる は、前三例のょうに、あ 
る位置.段階から低い位置.段階へ 
移す意であるが、上端を固定して 
下に垂らすの意にも使う。 

提げる は、特に、手にさげて持 
つ場合に使う。 

ぶら下げる はつり下げる•手にさ 
げるの意で、ややくだけた言い方。 
垂らす は、布や糸を上で支えて 
ぶら下げるの意であるが、液体を 
滴らすの意もある。 

吊る も 吊す も、上端を引っ掛け 
て支え、落ちないようにする こと 
であるが、前者は その 位置を保た 
せる こと、 後者は そこから 垂れ下 
げる場合に多く使う。 

掛ける は、何かでとめたり支えた 



差し迫る 216 


掛吊吊垂下 
け らげ 
るするする 


00000 

をす 
丨 だ 
れ 

〇〇 1 •〇 

を看 

1板 

1 △〇•〇 

を腰 

1に 
剣 

〇 1 1 〇 1 

を醬 
丨油 

△ 1 1 〇 ' 

を額 

1に 

髪 

1 1 〇 1 1 

で土 

1俵 
際 


りする意では他語と共通である 
が、ぶら下げたり垂らしたりする 
ことよりも 離れたり落ちたりしな 
い方に力点がある。この語は非常 
に多義的であるが、「賞金を I 」 
「心に—」などの場合は〈懸ける〉、 
「橋•電線を—」などの場合は〈架 
ける〉を用いる。 


差し迫る さしせまる 
「差し迫る/押おし詰つま一 


る/切羽詰 r ぱまる/切迫 
1<-0する/急迫! I ぅする/緊 
迫?!する/窮迫^ぅする1 

9い分け例〕 

差し迫る…「手形の期日が差し迫 
扣。」「特にった用事はない。」 
押し詰まる…「納期が^!まる。」 
「今年も ffl し詰まってきた。」 
切羽詰まる…「_詰まって悪事を 
働く。」 

切迫する…「試験の期日が切迫す 
SI 。」 「事態が切迫する。」 

急迫する…「国際関係が到迫する。」 
緊迫する…「緊迫した空気が流れ 
る。」た国際情勢。」 

窮迫する…「財政がする。」「失 
業し生活がる。」 


h ど-つ使い分ける6 

差し迫るは、なすべき期日.期 
限、困難な事態が間近に迫る意。 
押し;一! □□ まるはほぼそれと同義で 
あるが、年の暮れが近づく意を表 
すのはこの語の独特な用法。 
切羽詰まるは、土壇場に追い詰 
められ、抜き差しならなくなる 
意。 

切迫するは〈差し迫る〉と同義 
の、急迫するは〈切羽詰まる〉に 
似た意味の漢語的表現で、かたい 
文章語。和語の方は個人的な場 
合にも使ぅが、漢語の方は大状 
況に多く使ぅ。 

緊迫するは、情勢が緊張し、油 
断できない状態になる、の意。 
窮迫するは経済的.金銭的に切 





217 差し支え•さっき 


羽詰まる意で、個人の家計につい 
ても用いる。 

〔注意〕 〈切迫する〉は「呼吸が一」の 
ょぅに呼吸や脈が小刻みに速くなる意 
にも使ぅ。 


差し支え さしつかえ 

,差し支え \差 きし 障 tos り/, 
,障 S り/支障^.>故障^ぅ— 

(使ぃ分^ ^ 

差し支え…「差し支えがぁって出席で 
きない。」 

差し障り…「差し障りが起こって行け 
ない。」 

障り…「縁談に寶があると困る。」 
支障…「本業に MS を来す。」 


故障…「建設計画に故障が生じる。」 
「外部から S が入る。」 


(ど-つ使い分けるかノ i 

差し支えは何かをするのに都合 
の悪い事情の意で、差し障りょ 
りも口語的。ただし後者には、 
「話すと I がある」のょぅに具合の 
悪いことが起こりそぅな事情の意 
もある。 

障りは〈差し障り〉の古風な言い 
方で、支障はその文章語的表現。 
故障は機械や体の一部に異常が 
あること、また、事態の進行を 
邪魔するもの {=< 支障〉}の意。 

を申し立てる」の場合は支 
障ありと異議を唱えることであ 
る。 

〔注意〕 「.••して差し支えない」はして 


もよい(許容)の意を表す。 

「お障りなくお過ごし…」の〈障り〉は病 
気の意。 


さつさ 

|さっき\先程'|1\先刻^\, 
1今* V し方&*\最前|? 


ハ使い分け例 W 

さつキ j …はごめんね。」 

先程… 「§お伝えした通りです。」 
㊣ 後程1 r 

先刻… 「先刻からお待ちです。」「わた 
しはそんな事は_承知だ。」® 
後刻:<。 

今し方… 「つい^;^帰っていった。」 
最前… 「劃お電話した者です。」 




察する 218 


(ど-つ使い分ける E 

いずれも時間的に少し前の意で、 
名詞にも副詞にも用いる。 

さつ$はやや俗語的で、先程は 
少し改まった言い方、先刻は更に 
改まった文章語的な言い方であ 
る。「そんな事は一承知だ」の場 
合は前から.既にの意。 

今し方はたった今の意で、時間 
的隔たりは一番少ない。やや古 
風な最前は、時間的には〈先程〉 
と〈今し方〉の中間ぐらいの感じで 
ある。 


察する さつする 
「察する/察知 r する/推1 


察筇する/推ぉし量(測)一 

る/推量*) ti っする\推測!^ 1 
する/憶測!?する 


r 使い分け例 j 

察する…「敵の気配を察する。」「御 
心中お®:3申し上げます。」_ 

察知する…「危険を事前に察知す 
扣。」 

推察する…「彼の気持ちを W 1 T す 
51 。」「お喜びのほど御_いたしま 
す。」 

推し量(測)る…「相手の意図を推し 
_。」「敵の出方を推し量る。」 

推量する…「彼女の胸中を推量す 
^10」 

推測する…「事件の行方を_測す 
扣〇」 


憶測する…「憶測して発言するな。」 


(ど-つ使い分ける か;! 

察するも推し量るも、他の事を 

もとにして ある事について考え、 
見当をつける、の意。日常語とし 
ては後者は前者ほど使われない。 
また、前者には、他人の心中を 
思い やる (同情する)、もある。 
察知するは、推し量って知る、 
推察するは、他人の事情や心中 
を推し量る、の意。前者は知的 
な働きの場合、後者は心情的•共 
感的なものも含む働きの場合とい 
った違いがある。 

推量すると推測するは、ほとん 
ど 同義で、「五年後の人口を—」と 
いぅ場合は どちらの 語も 使える。 
強いて区別すれば後者の方がやや 




219 さて•騒ぎ 


憶推推推察 
測測量察知 
すすすすす 
るるるるる 


00000 

を心 
丨中 

1 1 • 〇 1 

り1 
あに 
る余 

1〇〇•〇 

向人 
を □ 
丨動 

〇 • 〇 1 1 

手自 
に分 

1勝 


客観性が強く、「当て推量」、「推 
测統計学」のように置き換えられ 
ない使い方もある。 

憶測するは、正当な前提や根拠 
なしにいい加減な推測をする意。 


〔注意〕〈憶測〉は〈臆測〉の書き換え。 


さて 

|技(扨.偖 «\ところで\| 
それでは\では 


广使い分け例,ソ 

さて…「3、話は変わって…。」 
「方々探したが、 さて 見つからな 

ぃ。」 _ 

ところで…「ところであの件はどぅな 
りましたか。」 

それでは… 「それでは開会します。」 
「君も行くか。それでは僕も行こ 
ぅ0」 

では… 「^5次の問題に移ります。」 


f ど-つ使い分けるか ) 

さてとところでは別の話題に転 
じるときに使ぅ 語。前者の方がや 
や改まった言い方で、後者の方が 
話題を急に変ぇる感じが強い。 
〈さて〉は、古風な文章や書簡文 
では前書きから本論に入る ときな 


どに使う。 

それでは は話の初め•終わりの切 
れ目を示す語で、〈さて〉〈ところ 
で〉ょりも軽く、場面を切り替え 
るときに使い、 ではは それを簡略 
化した話し言葉である。 

〈さて〉は今までの話を受けて、そ 
うして•ところがの意に、〈それで 
は〉〈では〉は前の事柄を受けて、 
それならの意に使う用法もある。 
〔注意〕 「さて、どうしょうか」の〈さ 
て〉、別れのあいさつとしての〈それで 
は〉は感動詞。 

騒ぎ さゎぎ 

|騒ぎ\騒動|1\騒乱!1\, 
騒擾^.>暴動^/動乱 




触る 220 


I どう | 
L らん 」 

(使い分け例 j 

騒? •「どんちやん®^。」「火事_ 
が収まる。」 

騒動…「地震劃。」「米劃が全国 

各地に広がった。」 

騒乱…が続いて農民が苦し 
む。」 

騒擾… 「 SW 罪で起訴される。」 
暴動…「各地で劃が相次ぐ。」 
動乱…「武力で動乱を鎮定する。」 


(ど-つ使い分けるか W 

は、やかましい声や音を立て 
るところから混雑•もめ事までを 
言い、騒動は、それよりやや大規 
模なもので、「お家—」のように権 


力争いを言うこともある。 

騒乱は、事変が起こって社会秩 
序が乱れること、騒擾は、社会 
秩序を乱すこと。法律用語に「騒 
Ijsl 罪」があるが、新聞などでは「騒 
SLI 罪」と書くのが普通。 

暴動は、共通の要求のもとに徒 
党を組んで起こす大規模な暴力 
的騒動、動乱は、もっと深刻な、 
国家の安危にかかわるような騒乱 
を言う。 

〔注意〕「…どころの劇ぎではない」 
は、事の重大さや程度の甚だしさを 
強調する言い方。 


さわる 

「触る/障的る/触ふれる/一 


接¥る\接触 Sr する/抵 

触 btf ' する 

C 使い分け例し 

触る… 「お尻に豐れる。」「足に何か 
硬い物が3。一「手で1て確かめ 
る。」「気に触る。」 

障る… 「耳にいやな音。」「夜ふか 
しは体に」「気に®^。」 
触れる… 「電線が枝に」「冷た 
い空気に「法に触れる。」 
「目に触れる。」「怒りに触れる。」 
接する… 「タィヤの地面に接する部 
分。」「額を思て密談する。」「客に 
」「円に直線。」 
接触する… 「車が塀とて壊れ 
る。」「鐵不良。」「他人と接触する 
のを避ける。」「外国との換触。」 
抵触する… 「法に抵触する。」 




221 さん 


接接触障触 
f すれ 
るるるるる 


00000 

丨体 

に 

1 1 1 〇〇 

1 気 

に 

• • 〇 • I 

に 冷 
丨気 

〇〇〇•〇 

が 手 

1 と 
手 

〇 • ' •' 

イ某 
$国 

1ス 

パ 


はいなくて非常に近づいている意 
とに使われる。人と人の場合には 
会ぅ、交際するなどの意になる。 
接触するは、 〈接する〉と重なる 
場合も多いが、例えば「客に—」の 
場合、〈接触する〉では単に会う 
のではなく、特定の目的を持って 
関係や連絡をつける、といつたニュ 
アンスがある。 


抵触するは、 〈触れる〉の漢語的 
な言い方だが、特に法などに違反 
する 意で 使うことが 多い。かたい 
文章語。 


さん 

さん/様 s /君ジ殿ジ兄| 

11\嬢1\氏女史2ょ 

(使い分け例ノ j 

さん…「田中さん。」「おじさん。」「魚 
屋^5。」「お隣り^^。」 

様.:「中村«|。」「おば^^。」「宮«|。」 
「仏さま。」 

君… 「おはょぅ、鈴木5 
殿… 「高橋一郎觸。」「学校長鬭。」 
兄… 「渡辺^にょろしく。」 

嬢… 「写真の中央が川上文子* I で 
す。」 

氏… 「山田正男珣の見解。」「受賞四 
闲の略歴 。I 


(ど5使い分けるか〕 

触る と 触れる は、どちらも二つ 
のものがくっつく場合に言い、同 
じ用法の場合も多いが、〈触る〉は 
二つのもののどちらか一方あるい 
は両方が人間または人間の部分 
である場合に限られ、〈触れる〉は 
物と物でもよいという違いがある。 
また、〈触れる〉では一方が気体や 
電流などもよいが〈触る〉ではそう 
いうものはない。〈触れる〉はほかに、 
抽象的なものと何らかの関係を持 
つ意の さまざまな 使い方がある。 
障る は、物事が目や耳などにさ 
わり それが害や邪魔と感じられる 
場合に言うが、「気に—」は〈触 
る〉も使う0 

接する は、物と物の場合は〈触れ 
る〉とほぼ同じ意と、直接独れて 





残酷 222 


女史… m 下 女史の新しい 作品。」 


(どう使い分けるか) 

さんは、人の名前や人を表す語 
などに付けて、軽い敬意や親愛の 
情を表し、様は、人名や神仏名 
などに付けて敬意を表し、君は、 
多く男性間で、同輩か目下の人 
の名前に付けて軽い敬意を表す。 
相手を呼んだり紹介したりする 
ときは〈さん〉、 手紙のあて名など 
では〈様〉が現在の標準的な用法。 
呼称に〈様〉を付けるのは改まつた 
言い方。 

〈君〉を異性間で使ぅことが最近 
はよ くあるが、正格的ではなく、 
〈さん〉の方が丁寧。 

殿は公式の場面や文書で相手の 
姓名や官職名に添える敬称、 兄 


は、男性同士の手紙文で親しい 
先輩•同輩の姓名に添える敬称。 
前者は堅苦しい語で、公文書以 
外で使用す るのは 古風。 

嬢は未婚の若い女性、女史は女 
性の学者•芸術家•政治家な どの 
名前に添える敬称。氏は人の姓 
名に付けて敬意を表すが、数詞に 
付ける場合もある。これらの語は 
第三者的に使い、相手に対する 
呼称ではない。なお、〈氏〉には所 
属する氏族「徳川,^」、婦人の実 
家を示す用法「妻紀闲」があるが、 
これは敬称ではない。 

〈兄〉、〈氏〉、〈女史〉は接尾語以 
外に、 「5 al の御意見を伺いたい」、 
「闲は広島の出身」、「_の専門 
は国文学」のように代名詞として 
も R う。 


〔注意〕〈さん〉〈様〉には「お•ご」のっ 
いた語に添えて「ご苦労さん」「お疲れ 
さま」と あいさつの言葉とする用法があ 
るが、この場合も〈さん〉より〈様〉の方 
が丁寧である。 


残酷 ざんこく 

,残酷\残虐? f > 残忍^ V 
冷酷^\酷薄^/惨(酷) 
h い/惨. rtf たらしい 

(使 い分け例 :一 

残酷… 仕打ち。」 

残虐… 犯罪。」 

残忍… 性格。」 

冷酷… 「冷 酷な, 処分。」 




223 散歩 


酷薄… 「酷薄な心の持ち主。」 
むごい… 「むごいことを言ぅ。」 
むごたらしい •:「むごたらしい殺し 
方。」 


(どラ使い分けるか U 

残酷は 理由なく人畜を苦しめる 
ひどい行為•態度、 残虐は ひどい 
殺し方や傷つけ方をするさま、 
残忍は 無慈悲なことを平気です 
る性質を言ぅ。 

冷酷は 思いやりのない、対人的な 
心情の冷たさ、 酷薄は 思いやり 
のなさを強く言ぅ語である。 
むごい は無慈悲で残酷である意、 
むごたらしいは それを強調した 
言ぃ方でぁるが、「むご(たらじ)ぃ 
事故現場」のように、物事の状態 
が見るに堪えないほど痛ましい、 


悲惨だといぅ意味にも使ぅ。 


散歩 さんぽ 

|散歩\散策!!\漫作ろ歩1 
き/漫歩 ir *> 遊歩 I ぅ\逍 
,遙1^う , 


(使い分け例 j 

散歩…「日課の散歩に出掛ける。」「犬 
を連れて散歩する。」 

散策…「高原の劃を楽しむ 。」I 
そぞろ歩き…「土手をそぞろ歩きす 
扣。」 

漫歩…「盛り場を漫歩する。」 

遊歩…「川沿いの類道路。」 

逍遙…「春の野を逍遙する。」 


(ど-つ使い分けるか) 

どの語も気晴らしや健康のために 
ぶらぶら歩く意であるが、散歩が 
一番普通に使われる。散策はや 
や気取った言い方。 

そぞろ歩キ J は雅語、漫歩は漢語 
の文章語で、散歩よりも当てもな 
くのんびり歩くという感じが強い 
が、かなり古風な言い方である。 
〈漫歩〉は新聞のコラムなどで、 
「政界—」のように比喩的に使わ 
れることがある。 

遊歩は比較的新しい語で 、「I 
道」のように造語成分として使わ 
れることが多い。逍遙は古風な 
文章語で、ぶらぶら歩きながら想 
を練るといつた場面にふさわしい。 




死224 


B 

死し 

,死\死亡酐\死去*1-ょ\没| 
ブ死没?"\物故4\落命 

以\逝去筇\長逝^ぅ\永 
眠以\他界1ぃ\往生、 p > 
_昇天益っ , 


q 使い分け例 〕 

死…「用をもって償う。」「用の灰。」「愛 


犬の死を悲しむ。」 ㊣ 生。 

死亡… 「 MTJ の原因。」「習届。」「事 
故で二名死亡。」 

死去…「惜しまれながら死去する。」 
「親友のを悲しむ。」 

没…「平成元年没。」「長崎にて没。」 
死没…「劃者の霊を慰める。」 
物故…「裂者名簿。」「異境で物故 
する。」 

落命…「航空機事故で落命する。」 
逝去…「父君の御逝去をお悔やみ申 
し上けます。」 

長逝…「旅先で長逝する。」 ㊃ 永 
逝0 

永眠…「薬石効なく永眠致しまし 
た。」 

他界…「天寿を全ぅして他界する。」 
往生…「議を遂げる。」 

昇天…「安らかに昇天する。」®上 

1 S じよぅ〇 

ラてん 


(,どう使い分けるか〕 

死は人以外の生物にも使ぅが、 
ほかはすべて人間にのみ使ぅ。 
死去が死んでこの世を去るとい 
ぅ、感情をこめた語であるのに対 
し、死亡は人の死を事務的•客 
観的に表現する語。したがって、 

「事故で二名習」、「親友圉の 

報」の〈死亡〉と〈死去〉は置き換ぇ 
られない。 

没は死んだの意で、墓碑や年表. 
略歴などで死亡年月日や場所を 
簡潔に示すときに使ぅ。〈死〉では 
言い換ぇられない。死没は死亡と 
同義の文章語。 物故 も〈死去〉と 
同義のやや古風な語で、「 I 者」 
はある団体に所属する人について 
言ぅ。落命は不慮の災難や戦い 



225 強いて 


で死ぬ場合に用いる。 

逝去は〈死去〉の尊敬語で、目上 
の人や儀礼的な場合に用いる。 
長逝は永久に逝きて帰らぬこと、 
永眠は永遠の眠りにつくことで、 
〈死去〉の婉曲な言い方である。 
他界は人間界から他の世界へ行 
くこと、往生は死んで極楽に生 
まれ変わることで仏教語、また 
昇天は死んで天国に赴くことで 
キリスト教用語であるが、信仰に 
関係なく一般の人の死にも使われ 
ている。ただ〈往生〉は、「悪路に 
—した」、「 I 際が悪い」などの俗 
語に多用されるので、死去の意に 
は あまり 使われない。ただし、 
「大往生」とは言う。_ 

〔注意〕〈没〉〈死没〉は<残><死残〉の 
書き換え。 


強いてし ぃて 

I 強いて/敢ぁぇて/たって V 
無理'? tf に/無理遣 r り/強 

,引^に _ 

(使い分け^} 

強いて… 仃くことはない。」 
敢えて… 「あぇて苦言を呈する。」 
たつて… 「たって(の)お望みとあれば、 
…〇」 

無理に… 「二人の仲を引き離 
す。」 

無理やり… 「無理やり(に)連れて行 
く〇」 

強引に… 「強引に口説き落とす。」 


(,ど-つ使い分けるか、一 

いずれも無理を押しても物事をす 
るさまを表す言葉。 

強いては、 相手の意志に逆らって 
もやら せるのが原義であるが、自 
分について言う場合は「強いて (= 
敢ぇて)言ぇば」のように〈敢ぇて〉 
とほぼ同義になる。 

敢えてには「 I 事を構ぇる」のよ 
うにわざわざの意もあり、また 
「 I 驚くに足りない」のように、打 
消しを伴って取り立てての意にな 
ることもあるが、いずれも文章語 
的である。 

たつて は、無理を承知でぜひと頼 
む場合に使い、 この 語もやや文章 
語的である。 

無理には、 最も普通に用いられる 



叱る•仕組み 226 


強無たあ強 
引理つえい 
ににててて 


00000 

む1 
頼 

1 _ △〇〇 

ら1 
ば言 
: 0 
な 

〇 △ • _ 1 

す丨 
る採 
決 

'•' O ' 

f m 

なく 

いに 

• ' 〇 • 1 

所1 
望の 


語。 無理やりは それを強めた語 
で、 強引にと ほぼ同義であるが、 
より口語的な言い方。どちらも 
〈強いて〉よりも相手に押し付ける 
度合いが大きい。 


〔注意〕 〈無理に X 強引に〉は形容動 
詞の連用形。 


叱る しかる (〇怒 S る) 

1叱る/叱責^する\窘 g し— 
める/戒4める 


f 使い分 け例} 

叱る… 「騒ぐ子を智。」「犬を叱る。」 
叱責する… 「部下を叱責する。」 
たしなめる… 「無作法をたしなめ 

SI 。」 _ 

戒める… 「子供のいたずらを戒める。」 


〇ど I つ使い分けるか〕 

叱る は、荒い声でとがめ注意する 
意で、人間だけでなく家畜などに 
も使う0 

叱責するは 〈叱る〉ょりも強く響 
く文章語で、監督者が下の人の 
責任を問う場合などに使う。 
たしなめるは、 穏やかに叱る意 
で、相手の反省を促す。対して、 
戒める は、もっと強く、懲らしめ 
るの意もあり、再び同じ過ちを犯 


さないよぅ 叱る ことで ある。 

なお、〈戒める〉には前もって注意 
する (「自らを— t 、 ある 行為を 
禁ずる(「金品の授受を—」)の意 
味 もある。 


仕組み しくみ 

,仕組み/骨組^み/組くみ, 
立たて/仕掛机け\構造!|\ 
構成^/機構^\組織 

1 W き/システム\メカニズム— 
分け例〕 

仕組み…「ロボットの^「結末 
の®^?がおもしろい。」 

骨組み…「ビルの「論文の骨 




227 仕事 


組みができる。」 

組み立て… 「組み立て式の棚。」「文章 
の組み立てを分析す る。」 

仕掛け… 「簡単な仕掛けの カメラ。」 
「種 も 仕掛 ^ I もない。」©からく 
り0 

構造… 「機関車の圏。」「建物の f#l 
造。」 r 汚職の sm を解明する。」「社 
会の_。」 

構成… 「文章の sw を示す。」 rsw の 
巧みな絵。」「家族 SW 。」 

機構… 「人体の0。」「行政 sw を 
改革する。」「国連の3。」 

組織… 「社会の SS 。」 「組合を ws 
する。」「筋肉 SM 。」 

システム… 「新しいシステムを導入す 
る。」「システムエンジニアリング。」 

「流通システム。」 _ 

メカニズム… 「ワ^ —プロのメカニズ 
A !。」 「流通のメカニズム。」 


(どぅ使い分ける か;! 

和語と漢語は大体 仕組み一 
機構、骨組み一構造、組み立 

て— 構成と対応し' 和語の方が 
日常語的、漢語の方が文章語的 
である。外来語は システムー 
組織、メカニズムー仕掛け. 
〈機構〉と対応する。 

これらの 対応には多少意味の ずれ 
はあり、〈仕組み〉は〈機構〉には 
ない計画土夫の意味がある。〈骨 
組み〉は基本的な、あるいは大づ 
かみの構造を言い、〈構造〉は細部 
の 仕組みについても言ぅ。〈組み立 
て〉は単純で具体的な物について 
多く用い、〈構成〉のように複雑 
な、あるいは抽象的な事柄にはあ 
まり使わない。 


〈組織〉は構成分子が有機的なま 
とまりを持つ仕組みで、生物学で 
は形や作用の同じ細胞の集団を 
言う。〈システム〉はこの意味では 
使われず、人間の作る組織' ま 
たは方式の意に用いる。この語に 
は体系という意味もある。 
〈仕掛け〉はからくりと同義に用い 
ることがあるが、こういう軽い意 
味は〈機構〉や〈メカニズム〉にはな 
い。後の二つは機械装置にも社会 
組織の仕組みにもほぼ同じ意味に 
使われるが、〈メカニズム〉は機械 
関係では俗にメカと略称されるこ 
とがある。 


仕事 しごと (〇動き) 

「仕事\職業れ>パ\職<1-ょ\1 




仕事 228 


職務3<\業務!;|\作業 
れょぅ\働 4 I き\労働||\勤 
,労|£ 


(使い分け例) 

仕事… 「遅くまで仕事をする。」「やり 
がいのぁる 5 wIL _°「 Bf を探す。」 

職業… 「教師を麵とする。」 

職… 「¥に就く。」「手に^ I を持つ。」 
「校長の№1にぁる。」 

職務… 「 SM を遂行する。」 

業務… 「劃上の過失。」 

作業… 「本日の £ M 。」 「現場で M 
する。」「手^11。」 

働$…に出る。」「抜群の^;。」 
労働…「庭仕事もなかなかの^^ 

だ。」 「 SW 省。」_ 

勤労… 「勤労奉仕。」「勤労所得。」 


r ど一つ使い分けるか〕 

仕事は頭や体を使って働くこと、 
職業は生計を立てるために日常 
従事する仕事の意で、〈仕事〉は 
〈職業〉と同義にもなるが、「水 
I 」、「針 I 」のようにもつと幅広 
く使う。 

職は〈職業〉の意のほかに、それに 
必要な技能の意にも、 また 役目 • 
地位の意にも使う。この場合は 
〈職務〉に近い。 

職務は仕事として担当している 
任務、業務は日常継続して行う 
職業や事業などの仕事の意で、 
「運転士の一」は〈職務〉と同義に 
なるが、「商店主の—」の代わりに 
〈職務〉とは言わない。 

作業は一定の手順に従って仕事を 


することで、内容の具体的な仕 
事に言う。たとえば、運送〈業 
務〉における荷積み〈作業〉といつた 
ようにである。 

働キ」は動いて仕事.役目をするこ 
とで、〈仕事〉と同様に意味が広い 
が、「頭の—が鈍る」のように機 
能.作用を意味す る こと もある。 
労働は収入を得るために働くこ 
とで、 どちらかと 言えば、「精神 
労働」より「肉体労働」を指すこと 
力多レ 

勤労は心身を労して仕事に勤め 
ることで、「勤労者」は r 労働者だ 
けでなく中小商工業者や自営農 
民なども含める。 

〔注意〕〈仕事〉は物理学では、ある 
物体に力を作用させ、その位置を移 
動させる ことを言う。 


229 事実•事情 


真実現事 
実際実実 


0000 

す丨 

るに 

反 

> 〇〇〇 

て丨 

考に 

え即 

るし 

〇〇 ■ 〇 

通丨 
り、 
だそ 
の 

_〇〇_ 

こ1 
るに 
起 

〇 ■ ■ 〇 

か丨 
にを 
す明 
るら 


P ど-つ使い分けるか) 

事実は ある事柄が(表面には見え 
なくても)客観的に見てあつた(あ 
る)ということを言い、 現実は、 
観念や理想でなく現に事実として 
存在する実際の状態を言う。 
実際は、 そのような現実をある 
がままに見、それにどう対応して 
いくかという立場から使われる。 
真実は うそ偽りのないこと、本当 
の意で、その内容が観念的な事 
柄か具体的な事柄かということに 
は関係がない。 


〔注意〕 〈現実〉以外の語はそのまま 
副詞的にも使われる。(それぞれの最 
後の例) 


事情 じじょう 

,事情\実情 gr \ 実状, 

辟./実態^/実体誌/内 
_情筇.ン内実筇 

f 使い分け例 W 

事情… 「複雑な觀が絡む。」「やむを 
得ない!®で欠席する。」 

実情… 「姻情を訴える。」 

実状… 「讀に合わない計画。」 
実態… r 高山植物の調査。」 
実体… 「夢の謂は何か。」 


事実 じじっ (〇本当に) 

I 事実/現実1>実際 v^v 
,真実^ 

(使 い分け例 .) 

事実… 「 SW が明るみに出る。」「その 
件の関係を知りたい 。」 「WM 
そぅ言われている。」 

現実… 「夢が到になる。」「世の中の 
_は甘くない。」 ㊣ 理想。 
実際… 「老人ホームのを見る。」 
「 MM に試してみる。」「彼には 
腹が立つ。」 

真実… 「 MW を究明する。」「先生は 
SW のみを教えてくださつた。」「*1 
_困った話だ。」®虚偽。 





辞職 230 


内情…「敵の内情を探る。」「政界の fil 
t » l を暴露する。」,®内幕。 

内実…「職場の劃を告げる。」 


f どぅ使い分けるか) 

事情は、物事がある状態に至った 
いきさつ、それに基づく今の有り 
様、 さらに それにより何かをする 
(しない)理由の意にもなる。 
実情と実状は、実際の状況の意 
で同義に用いるが、前者には 「I 
を尽くす」のよぅに真情(本当の気 
持ち)の意もある。 

実態は〈実情X実状〉とほぽ同義 
であるが、事の次第よりも物事の 
外面的な状態の方に重点がある。 
実体は事物の本体.実質の意で、 
哲学用語としてはさまざまな現 
象•作用の根底にある不変の本質 


を^ 一一一口う。 

内情と内実は内部の事情の意で、 
ほぼ同義であるが、前者は表向 

きにできないというニュアンスをもつ 

I て使われることが多い。_ 

〔注意〕「実体(じっていごは実直の 
意。〈内実〉は「—困っている」と副詞的 
にも使う。実のところの意。 

辞職じしょく 

|辞職\辞任2ん\退職はく\, 

退任^/離職 しょく \ M 任 

失職^ く \失業 ft ぅ : 

0使い分け例) 

辞職…「_の意志を固める。」 


辞任… 「議長の辞任を認める。」「委員 
を辞任する。」 

退職… 「圃の勧告。」「定年で讀 

処分。」 ㊣ 就職。 

退任…「議長の^^を迫る。」 ㊣ 就 
任。 

離職… 「病気のため離職する。」「閉山 
にょる# W 。」 ㊣ 着任。 

離任… r ® のあいさつ。」「0式。」 
® 就任。着任。 

失職… 「現在親中だ。」 

失業… 「勤務先の倒産で失業する。」 
「卒業しても就職できない者が多く 
劃人口が増大している。」 


(ど5使い分けるか) 

辞職は職を、辞任は職務•任務 
を自分の意志でやめること。 
退職と退任はそれぞれ職•任務を 




231 静か 


退退辞辞 
任職任職 


0000 

り責 
丨任 
すを 
ると 

1 〇•〇 

丨会 
す社 
るを 

0-0- 

丨議 
す長 
るを 

〇〇1 1 

ず丨 

るを 

命 

1 1 1 〇 

総内 

1閣 

1 〇 • > 

丨定 

年 


規程によりやめることであるが、 
やめさせられる場合も含む。 


離職は〈退職〉〈失職〉の第三者的 
表現であり、それをぼかした婉曲 
な表現としても使う。離任は任 
務を離れることのほかに、任務は 
続けるが転勤のため前の任地を離 
れる場合にも使う。 

失職と失業はほぼ同義で、職業 
を失う(つている) こと だが、後者 
は前者ょりも広く使われ、「 I 者 
対策」のょうに、働く意志•能力 
があるのに職が得られないでいる 
ことな どの意にも使う。 


静か しずか 

静か\物静於か\静 

粛 sr \ 静寂' sr \ 閑静 

_ st \ 森閑(深閑)れ 」 

( 使い分 け例一 

静か…「^¥山道。」「海が^ P ?」 
「静かな政局。」子。」 
物静か…「もの静かな住宅地。」「封 
静かに話す。」「もの静かな人柄。」 
静粛…「御静粛に願います。」 

静寂…夜の空気。」 

閑静…「閑静な屋敷町。」 

森閑(深閑)•••「森閑たる境内。」「閑 
閑とした奥の院〇」 


(' ど- i い分けるか VV 

静かは物音がしないでひっ そりし 
ている場合のほか、物事の動きが 
少ない、人が穏やかで口数が少な 
いなどの意を表す。物静かはもっ 
とひっ そりした 感じで、人間につ 
いては言葉や態度が落ち着いてい 
る さまを 表す。 

静粛は人が物音や声を立てないで 
静かにしている ことを 言うのに対 
し、静寂は辺りが物音もせず静 
かな さまを 言う。 閑静は、 環境 
がもの静かで住み心地がょい場合 
に使う0 

森閑は、〈静寂〉とほぼ同義であ 
るが、人気がなくしんと静まり返 
っている感じが一層強く、かたい 
文章語である。特に「 I たる」はか 




自然に•死体 232 


たく古風である。 


自然にし ぜんに 

I 自然に/独 s りでに/自1 
ずから \_ t ずと 

f 使い分け例 ) 

自然に… 発火した 。」 「MMU 
鼻歌が出てくる。」「夜が更けると自 
_眠くなる。」 

ひとりでに. •■「火はひとりでに消えた。」 
「戸がひとりでに開く。 」 「湯が沸く 
とひとりでに スイ ツチが切れる。」 
おのずから… 「大人になれば^^ 
智分かる。」「事実はおのずから明 
らかだ。」 

おのずと… 「黙つていてもおのずと知 


れる。」「おのずと頭が下がる。」 


(ど-つ使い分けるか) 

意味の上では大差なく、「時がた 
てば—解決する」にはどの語も入 
れられ る。強いて区別すれば、 
自然には、 その物の性質から.必 
然の成り行きで、 ひとりでには、 
他の助けなしに、 おのずから. 
おのずとは、 そのものの本質か 
ら、の意。 

〈おのずから〉は、文語としてぁつ 
た語で' 文章語。〈おのずと〉はそ 
のょぅに由緒正しい語ではないが、 
〈自然に〉〈ひとりでに〉などに比べ 

れぱ、やや文章語的でぁる。_ 

〔注意〕 〈自然〉はそのままでも副詞 
になり、また〈自然と〉という言い方も 
ある。「自然(と)そうなる」。 


死体したぃ 

,死体\死骸,\死屍:^\遺| 
_体|>屍&\亡骸 ft 

f 使い分け例 j 

死体… 「犬の!®。」遺棄罪。」 
死骸… 「小鳥の锡を埋める。」 
死屍… 「§累々たる戦場。」 

遺体… 「遭難者の_。」 ® 遺骸 

屍… 「生けるしかばね。」 

なキ J がら… 「なきがらに取りすがる。」 


へ' どう使い 分けるか W 
死体•死骸は 人にも動物にも用い 




233 親しい 


懇親む近親 

つ 

意密ましし 
じ 

なないいい 


00000 

1 

仲 

〇〇 I 〇〇 

達丨 

友 

_〇1〇〇 

係丨 

関 

〇 • 1 - 〇1 

合 J 
い 知 
り 

丨丨〇丨丨 

妹丨 

姉 


ハど - つ使い分けるか〕 

親しい は、一番普通な基本的な 
日常語。ただし、「 I 縁者」は血 
縁が近いことを示す。 近しいはや 
や改まった言い方。 睦まじい は男 
女や家族の仲のょい場合に多く使 

、っ0 

親密は〈親しい〉を強めた文章語 
で、人間どうしだけでなく、国ど 
うしなどにも言う。銀〗 H 思は大人 
どうしに使い、子供や男女の間に 
は用いない。 


るが、鳥や虫には後者を使ぅのが 
普通。屍は〈死体〉に相当する古 
語で、これらは肉体を主とした表 
現である。 

これに対して遺体〈遺骸〉は人格を 
主とした、丁寧な言い方で、人間以 
外の動物には用いない。 なキ J' から 
は〈遺体〉の古風な雅語的表現。 
死屍はかたい文章語で、「— 
累々」「 I に鞭 S 打つ」のよぅなきま 
り文句以外にはあまり使わない。 

〔注意〕 〈死体〉〈死骸〉は〈屍体〉〈屍 
骸〉とも書いたが、現在前者が普通。 


親し V したしい 


「親しい/近*'%しい/陸 f まじ一 


ぃ\親密钍\懇意1\心安 
?!ろい/気きが(の)置ぉけな 


c 使ぃ分け例) 

親しい… 友人。」「一:^付き 
合ぅ。」 

近しい… 「ごく 間柄。」「お3 
く願つています。」 

睦まじい… 「睦まじく話し合ぅ。」 「仲 
睦まじい夫婦。」 

親密… 「家族ぐるみの交際。」 
㊣ 疎遠。 

懇意…「3にしている人。」@昵 

懇ぱ。 _ 

心安い… 「だれとでも心安くなる。」 
気が(の)置けない… 「彼とは 
仲 だ。」 ㊣ 気が置ける。 





しつ力、り•しつこい 234 


〈がつちり〉は抜け目のなさも表し、 
ちやつかりょり重々しく使われる。 
〈かっちり〉も「 I 組んだスケジュ ■ — 
ル」のように具体物以外にも使わ 
れる。 


心安い はくだけた日常語。ただ 
し、「お心^7おぼしめせ」のよぅ 
な古風な用法では安心だの意。 
気が置けない は、気遣い•遠慮が 
いらない、つまり親しい•心安いの 

意。_ 

〔注意〕 「親しく御覧になる」などの 
〈親しく〉は直接•みずからの意。 

〈気が置けない〉を、気が許せない、と 
解するのは誤り。 


しっかり 

,確3り v がっしり v がっち, 
り/かっちり 

( 使い分け例 W 

しっかり… 「しっかり(と)つかまれ。」 


「頭はまだしっかりしている。」「しっ 
た息子。」「しっかり食べる」 
がつしり… 「がっしりした体。」「5^3 
り(と)組み立てる。」 

がつちり… 「がっちり(と)スクラムを 
組む。」 「 k 取』終回だ、がっちりいこ 
ぅ。」「哲-ちり ( ijy ためこむ。一 
かっちり… 「鍵-がかっちり(と)かか 
る〇」「かっちり(と)した格好〇」 


(ど一っ使い分けるか) 

しっかりは、 構成の堅固さ、 
がっしりは、 組み立ての強固さ、 
がっちりは、 組み合わせの緊密 
さ、 かっちりは、 軽量物の結合 
の緊密さを言ぅ。 

ほかに〈しっかり〉は意識や言動. 
態度の確かさや、十分にの意でも 
使ぅ。 


しつこい (〇 執着) 

しつこい\ くどい\執抛 

和っン執念深 S ぅねんい 


0使い分け例) 

しつこい;「しつこい料理。」「レ1^ 
風邪。」「しつこく文句を言ぅ。」 

© しつつこい。 

くどぃ…味。」 「話が^ 50 」 
執拗… 抗議。」食ぃ下 




235 実行 


執施実実実 
行行施践行 


00000 

わ丨 
せを 
る見 

ム 

I _ 〇〇〇 

1計 
す画 
るを 

〇1 1 •〇 

員 i 

1 〇〇 1 1 

丨条 
す例 
るを 

1 • • 1 〇 

1 

力 

'•' O ' 

の道 
丨徳 


ハど-つ使い分けるか〕 

実行は 計画や理論を実際に行う 
こと。 実践は 自分自身で実行す 
ること。 実施は 制定された法律 
や決められた計画を実際に行うこ 
とで、個人的な行為ではない。 
施行は 〈実施〉と同義にも使うが、 
法律用語としては公布された法 
令を実際に発効させること。 
執行は 行政•司法上の決定事項 
や団体の議決機関の決定を実際 
に実現する場合に使う。 


がる」 

執念深い… 「かたきを 討とうと 執念 ^ r 
男っきまとう。」 美行じっこう 


C どラ使 い分けるか ) 

しつこいとくどい は、色や味や 
香が濃すぎてうるさいという場合 
はほぼ同義。人間の言動や態度 
については、 i 刖者はどこまでもつ 
きまとう、後者はくどくどと言い 
続けるの意で、「しつこい風邪」の 
ように、〈しつこい〉を〈くどい〉に 
は置き換えられない場合もある。 
執拗と執念深い は人間の性格 • 
態度について用い、前者は意地っ 
張りでしつこいさま、後者はしつ 
こく思い込んであきらめないさま 
を言う。 


I 実行/実践尨/実施3 /1 
I 施行^ • r \ 執行^ 

c 使ぃ分 ^^) 

実行… 「不言一^。」「選拳での公約 
を!^に移す。」「計画だけで寝 
が伴わない。」 

実践… 「理論を SW に移す。」「劃 

弓一了きゆぅ〇 | 

こぅ J 

実施… 「値上げを実施する。」「計画 
を実施に移す。」 

施行… 「試験を施行する。」「法令の 
施行に関する規則 。 J 
執行… 「一^機関。」「_猶予。」「予 
算を執行する 。I 






質問•失礼 236 


〔注意〕「施行(せぎょぅ)」は仏教語 
で、僧や貧民に物を与えること。 


質問 しつもん 

,質問\質疑^\尋問^\| 
* 問^/査問 r \ 諮問 れん— 

q 使い分け例 ) 

質問…「各党の代表^。」「_攻 
めにあぅ。」 

質疑…「発表が終わり圓に入る。」 

團応答。」 

尋問…「職務 WM 。」 「不審尋問を受 
ける。」 

審問…「当事者を審問する。」 

査問… 「 SM 委員会を設ける。」 
諮問…「文部大臣のを受ける。」 


「首相の諮問機関。」 


(どう使い分けるか U 

質問と質疑はほぼ同義であるが、 
国会では後者は議題の内容を明 
確にするために行ぅこと、前者は 
議題に関係なく内閣に説明を求 
める ことと 区別する。 

尋問は、裁判官や警察官が職務 
上の必要から口頭で質問するこ 
と。審問は、裁判所が関係人に 
書面•口頭の陳述の機会を与ぇて 
きくこと。 

査問は、事件の関係者に質問し 
て実情を調査すること。 

諮問は、機関や学識経験者に政 
策上の意見を尋ね求めること。 
〔注意〕〈尋問〉は〈訊問〉の書き換ぇ。 


失礼 しつれい 
,失礼/失 敬 ^\ 無礼 §>1 

3ひ 

ネれい 


(使い分け例〕 

失礼…「_の段お許しください。」 

「お先に3〇」「ぁっ、30」 
失敬…やつだ。」「ここで^¥ 
するよ。」「人様の物を失敬する。」 
無礼…「一^を働く。」「無礼な態 
度。」— 

非礼…「非礼をわびる。」 


Q とう使い分けるかし 
失礼は、文章語•口頭語の両方に 





237 芝居•字引 


一番広く使われる。会話では人 
と別れるとき、ものを尋ねたり頼 
んだり、軽くわびるときのあいさ 
つ 語 。「I しちやぅ わ」は人の無礼 
を非難する女性語。 

失敬は、もっと軽い意味で、主に 
会話で男性が使ぅ。人の物を無 
断で持って行くこと.盗むことの意 
もある。 

無礼は古風な言い方、非礼はも 
っとかたい文章語で、礼儀外れを 
非難する度合いは順に大きくな 
る。 


芝居しばい 
,芝居 \演劇茲\劇,狂言, 

♦0う/ドラマ 


(使 い分け例 j 

芝居…「芝居がはねる。」「芝居のぅま 
い役者 。」 r 一^®打つ。」 

演劇…「演劇を鑑賞する。」「高校の 
3部。」 

劇…「学芸会ではお姫様の役で®01に 
出た。」「翻訳劍。」 

狂言…「顔見世劃。」 「 WP 強盗。」 

ドラマ…「深刻なドラマ。」「ホームド 

司〇」 


(どう使い分ける# 0 

芝居 •演劇•劇は同義語だが、口 
頭語としては〈芝居〉が一番普通で 
あり、演劇は文章語。<芝居〉は狭 
義では歌舞伎や^^のものを言う。 
〈劇〉は造語成分として多用され、 
単語としては学芸会などの子供 


のお芝居の意に使うことが多い。 
〈芝居〉と狂言は、比喩的に、人 
をだますための作り事の意にも使 
う。他の三語はこの使い方を あま 
りしない。 

ドラマはテレビやラジオの番組の 
演劇の意で使うことが多く 、「I 
を書く」の場合は戯曲の意。 


字引 じびき 

パ子引\字書 UD ' シ字典 TL ; んベ 
,辞書3ょ\辞典?ん\事典1"_ 


(使い分け例〕 

字引… 「字引を引く。」「生き字引。」 
字書… 「¥11で画数を確かめる。」 




自分 238 


字典…「漢和字典にない現代語。」— 
辞書…「顧に当たる。」「こまめに朝 
*1を引く。」 

辞典…「用例の豊富な英和 W 1 T 」 
「ことわざ® W 。」 

事典…「分野別の一^。」「百科 *I 
刺。」 


(ど-つ使い分けるかし 

内容的には字書.字典は漢字中 
心、辞書.辞典は言葉全般、 
事典は事物の解説を主にしたも 
の。 

全体をひっくるめた呼び名では 
〈辞書〉が普通で、字引はやや古 
風で通俗的な感じになった。 
書名などでは〈辞典〉が最も多く、 
漢字を扱うものでも「漢和辞典」と 
も言う。〈辞典〉と〈事典〉の区^^ 


厳密ではなく、「理化学辞典」「こ 
とわざ事典」とかなり自由に使わ 
れている。 

〔注意〕 同音で紛らわしいため、〈事 
典〉を「ことてん」、〈辞典〉を「ことばて 
ん」、〈字典〉を「もじてん」と呼んで区 
別することもある。 

自分 じぶん (〇わたし) 

,自分 \自身 UD ' ん\自己£0'\自| 
我'§\己巧\自|ずら\我肋\ 

■我が/エゴ 

(使い分け例〕 

自分… 「自分の ことは 自分でやれ。」 
自身… 「_身の考えを述べる。」 


自己… 「冷静に自己を見つめる。」 
自我… に目覚める青年期。」 
己… 「己の本分を尽くす。」 

自ら… 「自らを高しとする。」「白ら命 
を絶つ。」 

我肋…「熱戦に KI を忘れる。」「_こそ 
はと思ぅ者は来い。」 

我が…「掛の意識〇」「我を張る。」 
エゴ… 「当を徹底的に分析する 。」51 
rf ' l を捨てろ。」 


广どぅ使い分けるか) 

自分が 最も普通の用語で、強調 
するときは「自分自身」と言ぅ。 
自身は他の語の下について、「彼 
I 」「計画—はよい」のよぅにその 
ものの意になる。単独で用いれば 
<自分 > よりも文章語的。 自己 も 
〈自分〉の改まった言い方。自我は 




239 資本 


幽自幽自 
我己身分 


■ 〇〇〇 

を1 
悟の 
る非 

〇〇△〇 

つ丨 

め4 
る見 

〇〇 ■ 1 

識丨 

意 

1 1 〇 ' 

問私 
題丨 
の 

''' 〇 

ま1 
しが 
たや 
り 


哲学や精神分析の用語で、天地 
一切のものに対立する自分、自 
分に対する意識の意。 


己や自らは自分自身の雅語的な言 
い方。我 nh や我がは「_にもな く」 
「我を折る」など使われる。 
後者は我意の意になることが多い。 
エゴは本来は自己•自我の意であ 
るが、「—に走る」「 I 丸出し」の 
よぅにエゴィズムの略語としてマィ 
ナスの意味に用いることが多い。 

〔塗思〕〈自分〉は、わたくしの意(第 
一人称代名詞)にも使うが、かたく古 
い感じである。 


〈己〉は、お前の意の代名詞や丁、今 
に見ていろ」のような感動詞としても 
使う。が、前者は死語に近い。 

會ら〉は、二番目の例の ように 副詞 
として使う場合の方が多い。 


資本しほん 

I 資本\資金れん\元手 r \, 

iP 爸もと 
_一 きん 

P 使い分け例 W 

資本… 「資本は生産の三要素の一 
つ。」「_家。」「_主義。」「顔の 
広さが私のだ。」 

資金…を調達する。1「逃走 #I 

朝。」「軍襲。」 r 結婚蠢。」 

元手… 「退職金を_に商売をする。」 


r この商売は体が元手だ。」 

元金… を出し合う。」「3だ 
けでも返す。」 ㊣ 利息。利子。 


〇ど-つ使い分 けるか ) 

資本は経済用語としては厳密に 
定義されるが、事業をするのに必 
要な基金を言ぅ一般的な意味で 
は、資金も和語の元手や元金も 
同じよぅに使われる。 

〈資金〉は、営利以外の特定の目 
的に使われる金を指す場合もあ 
る0 

<資本〉と<元手〉は、比喩的に、 
利益を生む大切なものの意にも使 
われる。 

〈元金〉は、〈資本金〉の意のほか 
に、利子に対する元の金"元金 
(がんきん)の意もある。 





自慢•閉める 240 


自漫 じまん 
,自慢/己惚2ぬれ/慢心1 

自賛! 0 '\自負3\自任 

,2ん\自尊1°'\気位|*2 
f 使い分け例〕 

自慢… 「お国」「足の速さを i |«| 
する。」 

- つぬぼれ… 「ぅぬぼれが強い。」 

慢心… 「3が敗北を招いた。」 
自賛… て笑われる。」 

自負… 「総裁としての割。」「第一人 
者と自負する。」 

自壬… 「指導者をもって自任する〇」 
自尊… 「 SS の念が強い。」心。」 


気位…「葡位が高い。」 


(,どう使い分けるか1 

自慢は 自分や自分に関係の ある 
ことを 他人に誇るのに 対し、 
うぬぼれは 自分で実力以上に内 
心で思い込むこと、 慢心は 更に 
強く おごり 高ぶる心が身についた 
状態を言ぅ文章語。 

自賛は「自画—」に由来し、自分 
で自分のことを褒めること。 
自負は内心での強い自信、 自任 
は自分の能力に対する自分自身 
の思い込みで、度が過ぎれば〈ぅぬ 
ぼれ〉同様マィナスの意味となる。 
なお、同音の「自認」は「失策を— 
する」などと用い、誇らしさなど 
とは無縁の異義語である。 

自尊は〈うぬぼれ〉と同義であるが、 


「独立—」のように自分を大事に 
し誇りを持つ意にも使う。気位 
は「自尊心」に似ているが、自分の 
生れや育ちによる品位を誇るよう 
な-ユアンスがある。 

〔注意〕〈自賛〉は〈自讚〉の書き換ぇ。 

閉める しめる(〇閉鎖) 
I 閉める/閉とじる\閉とざ— 

,す(鎖 ¥) 

@い分け例) 

閉める…「窓を閉める。」「栓を閉め 
d 。」 「店を閉める。」 ㊣ 開ける。 
閉じる…「水門が」「本を3 
T 5。」 「幕を閉じる。」 ㊣ 開く。 




241 習慣 


慣慣風慣習 
例行 習習慣 


00000 

ぅの 

■ ' ' ' 〇 

?| 

'■' O ' 


1 1 〇 1 1 

い鳥 
?? 

〇〇 • ' • 

mm 

式り 

〇 1 1 OA 

た丨 

そ化 

卜し 


(ど-つ使い分け るか,0 

習慣は慣習と同義に使ぅことも 
あるが、一般には前者が個人のも 
の、後者が広く社会に広がったも 
のを指す。風習は、〈慣習〉より 
も規制力の弱い風俗習慣。 

慣行と慣例は比較的新しい、狭 
い範囲の事柄にも使われる。 


習わしは〈慣習> や〈風習〉、 
し$たりは〈慣例〉に相当する和 
語で、後者の方が若干社会規範 
的な意味合いが強い。 


閉ざす… 「道を閉ざす。」 ㊣ 開く。 
「雪に閉ざされた村。」 


q ど-つ使い分けるか ) 

閉める は物を動かして透き間を 
ふさぐ、 閉じる は開いていたもの 
をふさぐ、 閉ざす は出口や通路 
をふさぐの意で、「窓を I 」のよぅ 
にどの語でも使える場合は、〈閉 
める〉が最も口語的で〈閉ざす〉は 
やや文語的。また、「窓が—」と 
自動詞に使えるのは〈閉じる〉だけ 
である。 

〈閉める X 閉じる〉には終わりにす 
るの意もある。「店を—」は一日 
の営業の終わりと廃業の両意 。I 
〔注意〕 「栓をしめる」には〈締める> 
も使ぅ。「財布のひもを I 」「張薄を 
丨 I などは〈閉める〉でなく〈締める〉。 


習慣 しゆぅかん 

,習慣/慣習は,/風習. 
はぅ\慣行^\慣例は\習 

S わし\仕来^り 


C . 使い分け例) 

習慣…「習慣は第一一の天, tt である。」 
「早起きの」「早婚の liM 。 」 
慣習…「その土地のに従ぅ。」「惻 
到法。」 

風習…「雪国の珍しい M ^。」— 
慣行…「職員旅行は毎年の割だ。」 
慣例…「慣例となった春季闘争」 
習わし…「これが世の 1 S 53。 」 

しキ J たり…「古いしきたりを改める。」 






修業•秀才 242 


修業 


しゆうぎょう • 
しゆぎょう 


,修業/修行 p > 修練(修 
錬)^/修養^/研修 

,ばぅ\研鑽び 


使い分け例 


修業… 「韻 iSS 証書。」「花嫁修業 


修行…「諸国を歩いて修行する僧。」 
「武者_。」 — 

修練(修錬)… 「武道を修練す る。」 
修養… 「修養—が足りない。」— 
研修… 「夏期に英会話を研修する。」 
「新人の3期間。」 

研鑽… 「多年研鑽を積む。」 


どう使い分けるか 


修業は 学術•技芸を習って身につ 
ける こと、 修行は 仏の教えを修 
習し行ぅ ことで あるが、転じて学 
芸•武道を身につけるよぅ努力す 
る意にもなったので、〈修業 ri ; ぅ〉 
と混用され る場合もある。 

修練は 精神や技芸を磨き鍛える 
こと、 修養は 徳性を磨き人格を 
高めることで、精神•人格に重点 
がある。 

研修は 学術などを磨き修める こ 
とで あるが、 現在では 仕事を覚え 
させるために行う実習や訓練の意 
に使う ことが 多い。 

研鑽は 着実に研究することで、 
やや古風なかたい文章語。 


秀才 しゆうさい 

,秀才\天才?>1\俊オュん\, 
奇才 3# /鬼才 a # 


使い分け例 


秀才… 「_の誉れが高い。」「本校1 
の^?」®鈍才。 

天才… 「数学の! R ^。」 「日本一の天 

^1ピアニスト。」 

俊才… 「木谷門下の w ?」® 俊秀。 
奇才… ぶりを発揮する。」 
鬼才… 「一代の^¥。」 


ど-つ使い分けるか 


天才は各分野で生れつき抜群の 




243 収集•住所 


才能を持つ人。秀才は学校の成 
績や学問上の.業績の優れた人、 
俊才は〈秀才7と■同程度の評価で 
ぁるが、勉強や学問以外の分野 
にも 使われる。 

奇才は世にまれな、鬼才は人間 
離れのした才能(の人)で、芸術の 
分野で使うことが多いが、経営的 
手腕などにも用いる。 


収集 しゅぅしゅぅ 

I 収集 \ 拾集は:〗\ 採, 
_集ばぅ\採取ば 


(使い分け例) 

収集…フる。」攀の鍾0」 


拾集…「破片を拾集する—。」丨 
採集…「昆虫! S 。 」「方言の1*。」 
採取…「薬草を採取する。」「指紋の 

親。」 


ハどう使ぃ分 けるか〕 

収集は不用品を集める、貴重品 
を集めるのどちらの場合にも使 
う。(後者はもと〈蒐集〉)。 

拾集は落ちている物を拾い集める 
こと。 

採集は標本や資料にするため採 
り集めること、採取は鉱物や植 
物や指紋などを調査や利用のた 
めに選び取ること。 

〔注意〕〈収集〉や〈拾集〉と同音の 
「収拾」は「 I がつかない」「事態を—す 
る」などと 使い、混乱した状態を うま 
く収める意。 


住所 じゆうしょ 

,住所/居所^/居所 f ' ろ 
\居住地" I 所在地 

しよ ざい 


ハ使い分け例) 

住所… 「_を定める。」「_変更 
届。」「_不定。」 

居所 il …「居所を変える。」不 
明。」 

居所!; ころ…「團を知らせる。」「虫の 
_が悪:20」 

居住地… 「彼らの®は海辺だ。」 
所在地… 「 A 社のを探す。」 
「県庁所在地。」 





執着•終了 244 


(どう使い分けるか) 

法律語としては生活の本拠とな 
る住所に対して、多少の期間継 
続して居住する場所が居所^。 
居所5ころは、<住所><居所^>の 
意も含み、もっと広く、居る所の 
意で使ぅ。 

居住地は住所と居所の併称の意 
もあるが、普通には生活の場所を 
狭く限定しないで言ぅ。 

所在地はあるもの(人に限らな 
い)の存在する土地の意。 


執着 しゆうじやく 

(〇しつこい) 

「執着\執心^う\執念一 


鈦ぅ\固執^こゅぅ/妄執 

ちろ 

しゆう 

「使ぃ分け例) 

執着…「古い家に劃を感じる。」「生 
に執着する。」 

執心…「地位に執心する。」「彼女に御 

執心だ。」 _ 

執念…「執念を燃やす。」「執念深い 

男。」 _ 

固執…「自説を固執する。」「少年時 
代の記憶への M ¥。」 

妄執…「5^¥にとらわれる。」©妄 
念。 


(どう使い分けるかし 

執着は 愛着よりもずっと強く、あ 
る物事に心が強くとらわれるこ 


と。執// b ' は何かを手に入れたいと 
しつこくこだわること。執念は強 
い執着を持ち続ける気持ち。 
固執は自分の意見•主義を頑固に 
守ることで、「…を固執する」とも 
「…に固執する」とも言ぅ。 

妄執は仏教語で、迷いの心から 
起こる執念の意。かたい文章語。 


終了 しゆぅりょぅ 

,終了/完了技ン終結益ぅ, 
\完結? t \終止^ぅ\終息 
■れ r \ 満了 p \ 修了^:” — 

( 使い分け例〕 

終了…「試合 SK 。 」「予定の仕事を 





245 趣旨 


完終完終 
結結了了 


0000 

丨難 
すエ 
る事 
が 

〇 I 〇〇 

丨仕 
す事 
るが 

II 〇 A 

丨準 
す備 
るを 

1 1 1 〇 

丨試 

ム 

| 〇 | | 

の 戦 
丨争 

〇 1 1 △ 

説連 
の 載 
丨小 


終了する。」 ㊣ 開始。 

完了… 「準備割。」「大工事が劉 

する。」 

終結… 「争議が終結する。」 

完結… 「連載小説が完結する。」 
終止… r ® 符。」「文が終止する。」 
終息… 「戦火が^3た。」 

満了… 「任期が満了する。」 

修了… 「_証書の授与。」 


( ど-つ 使い分けるか ) 

終了は 予定通りに事が終わる(終 
える)こと、 完了は なすべき事が 
完全に終わる(終える)こと。 
終結は 物事に決着がつくことで 
〈終決〉とも書く。〈終結〉は論理 
学や数学では仮説から導かれた結 
論—帰結の意となる。 一 i 兀結は ひと 
続きの仕事や作品が終了してまと 


广使い分け例') 

趣旨… 「募金の劃をくむ。」「申請 
書の®®を理解する。」 

趣意… 「本会設立の劃。」「話の ®I 
意をつかむ。」 「 MM 書。」 

主意… 「文章の主意をくみ取る。」 
主旨… 「反核をとした冊子。」 
要旨… 「談話の要旨をまとめる。」 
論旨… 「1®明快な主張。」 


ハど-つ使い分けるか) 

趣! 一日はその事を何のためにするか 
といぅ目的やねらい、 趣一| 思は しょ 
ぅと思い立つた動機や目的。また、 
文章や話については、〈趣旨〉は言 
おうとしてい參柄、〈聾〉 S ベよ 
うとしている考え•意味に重点があ 
る。特に区別しないで陵うことが 


まること。 


終止は 終わりの意で、主に文法 
や音楽の用語として使ぅ。 終息 
は混乱状態が終わり絶えること。 
満了は 定められた期間が終わる 
こと、 修了は 定められた学業.課 
程を終えること。 


〔注意〕〈終息〉は〈終熄〉の書き換え。 


趣旨 しゅし (〇 概要•要綱) 

—趣旨/趣意^ V 王意^/, 
主旨^\要旨:^\論旨1 









手段 246 


方方手手 
立 

策法て段 


0000 

じ1 
るを 
講 

1 1 1 〇 

に卑 
出劣 
るな 

1 

1 • 〇 ' 

に悪 
乗人 
るの 

1 

' 〇 '' 

誤丨 
り的 
な 

〇 1 • 1 

て丨 

る全 


操作が 方法で、手段は その一部 
となる個々の段階について言ぅこ 
とが多い。 手立ては それと同義 
の 和語で やや 古風な 語。〈手段〉 
には、目的達成のために役立つも 
のの意もある。 


方策は 難事を解決するための手 
立てや手段。 

方便は 一時的な手段の意(本来 
は仏教語)。 

仕方は 〈方法〉ょりも軽い意味に 
使う日常語。 仕様 も同様である 
が、「 I 書 S 」 のように専門語とし 
て使う場合がある。 やり方は 〈仕 
方〉よりももつとくだけた言い方 


多いが、「趣旨書」とは言わない。 
主意は 文章や話の内容の中心的 
な意味、 主旨は 中心となる事柄 
やねらいの意である。 

要旨は 内容の主要な点、 また それ 
を短くまとめたものを言ぅ。論旨 
は議論や論文の主旨•要旨の意。, 
〔注意〕 〈主意〉 は、 意志を重んじる 
(「主意主義」)、主君の意志、の意味 
もある。 


手段 しゆだん 

,手段\手立れて\方法||\| 
方策||\方便^\仕方 

机た/仕様;ーン遣ゃり方妙/ 

遣ゃりロジ術_ I 


f 使い分け例 } 

手段… 「最後の w ® に訴える。」「目的 
のためにはを選ばない。」「金を 
出世の一^に使う。」 

手立て… を講じる。」 

方法… 「安易な^¥をとる。」「_ 
的に間違っている。」論。」 
方策… 「万全の葡を立てる。」 
方便… 「うそも方便 だ。 」 

仕方… 「操作の®^を教わる。」「勉 
強の_が悪い。」 

仕様…「何とか仕様はあるだろう〇」 
やり方… が分からない。」 

やり口… 「^5が汚ぃ。」 

すべ… 「なすすベがない。」 


(ど5使い分けるか) 

ある目的を達するための計画的な 





247 出現•出身 


で、改まった文章などには用いな 
い。やり口は多く公正•正当でな 
いやり方を指す俗語。 

すべは 手段•方法の意で雅語的。— 

一 注意〕 〈仕方〉〈仕様〉は「かわいくて 
仕方がない」「仕様のない子」 などとも 
用い、 この 〈仕様〉は会話では ショウと 
言う ことが 多い。 


出現 しゅつげん 

1出現/現出ば>発現^/— 

I 顕現 p 現翦1 

(使い分け 1 ^! ;) 

出現… 「救世主の劃。」「新製品が 

出現する。」_ 

現出… 「地獄図を現出する。」 


発現… 「民族精神の創。」「練習の 
成果が発^^。」 

顕現… 「神の啓示が顕現する。」 
現前… 「理想社会が現前する。」 


P ど5使い分けるか) 

出現は 隠れていたもの.知られて 
いなかつたものが現れ出ること、 
現出は ある状態.情景が実際に現 
れ出る(ょぅにする)ことで、〈出 
現〉ょりも使用範囲が狭い。 

発現は 内部にある力や効能が実 
際に現れ出ること、現し出すこと、 
顕現は普通は 目に見えないもの 
が具体的な形をとつて現れる、 
はつき り形を現すことを 言う。 
現前は 名詞としては目の前にあ 
ることの意で、「—の事実を直視 
する」のように使う。 


出身 し ゆつ しん 

,出身\出ノ生ぅまれ/出— 

—自' UI . ゅっ \育 g ち 

( 使い分け例 〕 

出身… 「岩手県の一一^。」「東大 ffil 
身。」「学者 IS の大臣。」, 

出… 「北海道の ail 。 」「東大 ail 。 」「名門 

の*|。」 

生まれ… 「大正十二年 1 M。」S 
まれは九州。」「商家の丨 
出自… 「人麿の出自を調べる。」 

は明らかでない。」 

育ち… 「育ちがよいせいかのんびりし 
ている。」「氏より育ち。」「下町 WI 
ち。」「お嬢様^。」 




出発•順 248 


Q どう使い分けるか } 

出身は 「5 W 地」、 「 SW 校」、及 
び経てきた身分を言う語。 出は 
それのやや平俗な和語。 

生まれ も経歴に関する点は同じ 
で、出生年、生地、生まれた環 
境•家柄を言う語。 

出自は主にどんな家柄の出かを 
言う語で、昔の人についてはよく 
用いるが、現代人にはあまり使わ 
ない。 

育ちは 育てられた環境や育てら 
れ方を言い、接尾語的に用いるこ 

とが多い。_ 

〔注意〕 「水の ml が悪い」などの場合^ 
〈出〉は、出方•出る量の意。「稲の育 
引が早い」などの〈育ち〉は、そのもの 
の育ち方•育ち具合の意。 


出発 しゅつぱつ 

,出発/スタート\門出 T **> ど\, 

1出立^/巣立竹ち I 

C 使ぃ分け例 j 

出発… rsw を延期する。」®到 
着。「わずかな資金で出発する。」 
スタ—卜… 「選手たちが一斉にスタ 
: TX を切る。」「新しいメンバーでス 
夕^-卜する。」 

門出… 「夫の問を見送る。」「人生の 
を祝ぅ。」 I 
出立… 「明日の未明に出立するつも 
りだ。」 

巣立ち… 「希望に燃えて広い社会へ巣 
立ちをする。」 


〇どう使い分けるか U 

スタ—卜は競技用語として多く 
使ぅほかは、意味も比喩的な用 
法も出発とほぼ同じ。 

門出は 戦いや長旅に出ること、 
転じて新しい生活に出発する意の 
やや古風な語。 出立は 旅立ちの 
意の古風でややかたい語。 
巣立ちは ひなが巣を離れること 
から、若者が親元や学校から社 
会へ出て行くことを言う語。 


_じゆん 

「順/順序:^ん\順番部ん V 
^順位^ん\序列^' 





249 瞬間 


广 使い分け例 〕 

順…「_を追って話す。」「小さい1111に 
並ぶ。」— 

順序…「@5ょく並べる。」「圍通り 

に進める。」 

順番…「ょぅやく MW が来る 。」 「MW 
を待つ。」 

順位…「成績の!^が上がる。」「觀 
を争う。」 

序列…「年功副。」「_をつける。」 


G ど3使い分けるか ) 

順序は一定の基準にょる配列、 
順番は順序を追ってその番になる 
こと。順は「順不同=順序不同」、 
「順に=順番に」のように〈順序〉と 
〈順番〉の両義を持つが、口頭語と 
しては後者の方が紛れが少ない。 


なお、「順序を踏む」 と言ぅ 場合 
の八順序〉は物事を行ぅ手順の意。 
順位はある順序に従って決めた位 
置.地位、序列は成績.年齢.地 
位など一定の基準で配列した順 
序の意で、後者はより文章語的。 


瞬間 しゅんかん 

I 瞬間\一瞬はん\瞬時, 
UL -ゅん\刹那 r \ 瞬 fc l く間 
,ま\束的の間* 

¢3分け例ソ 

瞬間… 「決定的な一^を写す。」「その 
瞬間、ハンドルを切った。」 

I 瞬… rg の出来事。」「よそ見した 


一瞬追突する。」二瞰たじろぐ。」 
瞬時… 「瞬時も目を離せない。」 
刹那… 「衝突した_気を失った。」 
「一刹 S 5 I たりとも忘れない。」 
主義。」 ㊣ 劫:% 

瞬く間… 「またたく間に通り過ぎ 
る。」 

束の間… 「つかの間のしあわせ。」 


〇ど5使い分け るか ) 

瞬間 も I 瞬 も 瞬時 もまばたきす 
るなどのごく短い時間の意である 
が、修飾語を受けある特定の時 
間を言うときは〈瞬時〉は使えな 
い。〈一瞬〉は最も短かさが強調さ 
れた感じで、また、 「—たじろぐ」 
のょうに副詞的にも使う。 

刹那にも〈瞬間〉〈一瞬〉のょうな 
用法があるが、もと仏教語でやや 





詳細•承知 250 


束瞬刹瞬一瞬 
のく 

間間那時瞬間 


000000 

幻丨 

影の 

| _ 〇 1 〇〇 

をそ 

だ息 

II △〇〇 1 

崩丨 

壊に 

すし 

るて 

1 〇 1 △ 1 1 

ち1 

fg 

杯 

〇〇 11,1 

か1 
月の 


古風な語である。 

瞬 < 間は〈瞬間〉と同じ漢字を使 
つているが、用法は〈瞬時〉に近く、 
「その.瞬く間」とは言わない。 
束の間は他の五語よりもいくらか 
幅の ある 時間を言う。 


詳細しょぅ さい 

,詳細\精細誌\委細^\| 
子細 さ;; , 


q 使い分 け例 〕 

詳細…「額は追って通知する。」「蘭 
@説明。」 

精細… 「 WW を極める描写。」「精細 

釗注解。」 _ 

委細… rww は面談の上。」「委細承 

知した。」「劃構わず。」 I 

子細…「_は追って発表する。」「子 
細 あつて 辞職した。」 


(ど-つ使い分ける ^ j 

詳細は詳しく細かいこと。また詳 
しい内容の意。 

精細は〈詳細〉ょりも念入りでき 

め細かいが、詳しい内容の意はな 
i 〇 
V 

委細は〈詳細〉とほぼ同義である 
が、形容動詞にはならない 。「I 


承知した」の場合は細かな点まで. 
万事の意、「—構わず」という熟 
語は事情がどうあってもの意。 
子細は〈委細〉と同じく詳しい事 
情の意であるが、その事情が簡単 
に言えない.表に出せないというニユ 
アンスをもつ場合がある。「子細 
ない」は差し支えないの意。この語 
も形容動詞にはならず、「子細 
に」は副詞。 


承知 しょ >つち (0 同意•了解) 

,承知\ 承認^ r \ 承諾 fi ぅ— 
1\承引^ぅ\受諾§<»> 

例 ,} 

承知…「一^の返事をする。」「今度や 




251 象徴 


つたら承知しない。」 

承認… r 申し出の劃を求める。」「辞 
職を承認する。」©拒否。 

承諾…「執筆を承諾する。」 

承引…「まげて御承引下さい。」 
受諾…の旨を回答する。」「就 
任を受諾 I 。」 ® 拒絶。 


f どう使い分けるか ) 

承知の原義は内容をよく知ってい 
ること、その上で相手の願いや要 
求を聞き入れる意になる。 

承認も正当•妥当と認めた上で、 
申し出を承知する こと。 法律語 
では国家.政府•交戦団体の国際 
法上の地位を認める ことの 意 もあ 
る0 

承諾は承知したと引き受けるこ 
と、承引は同義の改まつたかたい 


言い方。 

受諾もほぼ同義であるが、「降伏 
勧告の一」のょぅに受動的に承諾 
させられる意の場合がある。 


象徴 しよ A つちよ*つ 

,象徴\ 表徴 sll \ 表象, 
_^:ジ徴表£||\シンボル— 

f 使: s 分け^^ 

象徴…「ハトは平和の^ S 。」 「政治腐 
敗は現代の象徴,的な現象なのかも 
しれない。」 

表徴…「選挙制度は民主社会の蘭。」 
表象…は記憶によって再生され 
る。」「知覚 WW 。 」「記憶 w ¥。 」 


徴表… 「快眠は健康の襲の一つ。」 
シンボル… 「ハ ー トは愛のシンポル。」 
「この店のシンボルマーク 。 J 


ハどぅ使い分けるか) 

〈シンポル〉の訳語と して 〈象徴〉 
〈表徴 X 表象〉の三つがあったが、 
現在では象徴が一般的で、抽象 
的なものを具体的な形で表すこと 
である。 

表徴は、ある物事の、外面に表れ 
たしる しで、〈象徴〉と似通った点 
があるが、表象は、哲学用語と 
して、意識に現れる外界の対象 
のかたち一心像の意で、〈象徴〉 
とは 全く違った意味に使われる。 
徴表はメルクマールの訳語で、あ 
る 事物の、他と区別す るしるし 
となる 性質を言ぅ。 



情熱•消滅 252 


熱熱激熱情 
気意情情熱 


00000 

め丨 

るが 

冷 

•〇1〇〇 

の仕 
丨事 

へ 

| • 〇〇 

音丨 
楽的 
な 

' 1 〇 1 1 

れ1 
たに 
犯駆 
罪ら 

〇 1 1 1 1 

の会 

1場 

1 1 1 1 〇 

丨静 
家か 
な 


〔注意〕 〈熱気〉は「 I 消毒」のょぅに 
物理的な意味にも使ぅ。 


消滅 しょぅめつ 

,消滅/消失 uur \ 喪失^\| 
,紛失は/遺失5> 散逸功 I 

分 け 例 〕 

消滅… 「自然 WW 。」 「法律の効力が 
消滅する。」「文字が消滅する。」 


シンボルは、〈象徴〉の意のほか 
に、もつと軽く、ある意味を持た 
せた記号や形の意で使ぅことも多 


情熱 じょぅねつ 

,情熱/熱情 sr \ 激情涔ぅ, 
|\熱意 f / 熱気 r I 

0 .使い分け例〕 

情熱… 「音楽に圃を燃や K 」 「仕 

事への sir が薄れる。」 

熱情… 「額を込めて語る。」「熱情あ 
ふれる手紙。」— 

激情… 「一時の激情に駆られる。」 
熱意… 「仕事に対する_意が欠け 
る。」 


熱気… 「熱気を帯びた口調。」 


(どう使い分ける£ 

情熱は ある物事に対して激しく 
燃え立つ感情、 熱情は 熱心な気 
持ち.熱烈な愛情を言い、ほとん 
ど同義で互換して使える場合が 
多い。しかし、 「 —家」、 「 I 的な 
ひとみ」などは、〈熱情〉で 置き換 
えられない。 

これらに 対して、 激情は 持続的 
でない、一過的なもの鲁う。 
熱意は 目的を達成しようとする 
意気込み、仕事への熱心さを言 

A つ 0 

熱気は 高揚した意気込みのほか 
に、「異様な—に包まれる」という 
ようにその場の気配や雰囲気を言 
う暴合もある。 




253 正面 


消失… 「権力の豐。」「意欲が劃 

する。」 

喪失… 「記憶謂。」「すっかり自信を 

審+^。」 

紛失… 「_届。」「書類が紛失する。」 
遺失… 「_物取扱所。」 ㊣ 拾得。 
散逸… 「古文書の劃を防ぐ。」 


n ど-つ使い分けるか) 

消滅 も 消失 も消えて無くなるこ 
とで、「権利の—」ではどちらを使 
つても同義であるが、具体物には 
前者を使ぅのが普通。また「 I 時 
効」「—処分」のょぅな法律語には 
前者だけが使われる。 

喪失は、主として抽象的.精神 
的なものを失うことを言う。 

これに対して以下の三語はすべて 
具体物を失うことを言い、紛失 


はどこかに紛れこんで所在が分か 
らなくなること、遺失は落とし 
たり忘れたりすること、散逸は 
ばらばらになつて行方が分からな 
いこと であるが、書物や文献に つ 
いて用いる。 


正面 しょぅめん 
,正面/前面 11\前方|从\, 

向むかい/真正面 しようめん\ 
* まっ向:/真向 tf * かい 


¢3分け例 j 

正面… 「3 W を見つめる。」 rww 玄 
関。」 ㊣ 背面。側面。「仕事に IE! 
圃 から 取り組む。」 


前面… 「建物の前面の入り口。」「減 
税を前面—に押し出した政策。」 
前方… 「前方に見える山。」「百メート 
ル_の展望台。」©後方。 
向かい… 側に座る。」「お_ 
q さん。」 

真正面… 「真正面の峰。」 「 WWW か 
らぶつかって行く。」©真っ正面。 
真っ向… 唐竹割り。」 

から反対する。」 

真向かい… 「真向かいの席。」 


q ど-0使い分けるか } 

正面は、 ①まっすぐ前の方向、 
②物の表の側、③物事にまともに 
対することで、「 I 切って非難を 
浴びせる」は③を強調した言い方。 
前面は、 物事の前の面であるが、 
〈正面〉②に含まれる正式のといっ 




しょげる 254 


た意味を持たない。 

前方は、 前の方向.方面の意であ 
るが、〈正面〉③や〈前面〉のよう 
に比喩的•抽象的に用いる ことは 
ない。 

向かいは、 正面から向かい合うこ 
とで、〈前方〉よりも近接してい 
る。 

真正面は、〈正面〉①③を強めた 
言い方で、口頭語ではそれを更に 

強めて〈真っ 正面〉 と言うことが多 
i 〇 
tv 

真っ向は、本来額の真ん中の意 
であるが、「 I から勝負する」など 
の場合は〈真正面〉とほぼ同義で 
ある。真向かいは、〈向かい〉を 
強調した語で、〈真正面〉や〈真っ 
向〉のような比喩的•抽象的な用 
法はない。 


しょげる 

しょげる/気落*;#ちする\, 
塞(鬱ごぐ/沈れむ/滅入 
f る\消沈^ぅする/ 

_落胆^する/鬱屈 41 する— 

(使い分け例) 

しよげる… 「試験に落ちてしょげる。」 
気落ちする… 「失投して気落ちす 
扣。」 

塞ぐ…「一日中^?でいる。」「気が 
ふさぐ。」 

沈む… だ面持ち。」「愁いに淵 
む。」「物思いに S 5。」 

滅入る… 「気の^^話。」 


消沈する… 「選に漏れて消沈^^。」 

「意気額。」 

落胆する… 「負けて落胆する。」 r 失 

望麗。」 

鬱屈する… 「鬱屈した日々を送る。」 
® 鬱結する。 


(ど-つ使い分けるか〕 

しよげるは、 失望して元気がな 
くなる、の意で、やや俗語的。 
「しょげ返る」 「し ょげ込む」 はこれ 
を強調した言い方。 気落ちする 
は、がっかりして気が弱る、の意。 
これに対し、失望や期待外れとい 
ったはっきりした原因なしに、気 
分が晴れず憂鬱になるのが塞ぐ 
で、 沈む もこれ に近いが、「愁い 
(物思い)に—」といった場合は〈沈 
む〉を使ぅ。 


255 処置 


始処処処 
末分理置 


0000 

i ± 1 

方の 

〇 1 〇 △ 

の 事 
丨件 

〇〇 1 1 

るを 

■ ' ' 〇 

の 骨 
丨折 

•' O ' 

丨事 

す務 

るを 

■Oil 

1 ^ 
す反 
名者 
を 


者を罰すること、始末は①物事 
の決まりをつけること、②浪費を 
慎むこと。 

右の各語の②はそれぞれ独自の意 
味を表すが、①はよく似ている。 
このぅち 〈始末〉が一番日常的で あ 
るが、改まった文章には あまり 用 
いない。〈処分〉は余計な物•不要 
な物を始末 するとき に多く 使ぅ。 
〈処置〉と〈処理〉はほぼ同義であ 
るが、前者はその人の判断に、後 
者はある規準•手続きによる点に 
重点がある。 


〔注意〕 いずれも「する」がついて動詞 


〈塞ぐ〉や〈沈む〉は相手や第三者 
について言ぅが、 滅入る は、何か 
に触発されて自分が沈んだ気分に 
なる場合に言ぅ ことが 多い。 

消沈するは、 〈しょげる〉と似た 
意味で、「意気—」の形で多く用い 
る0 

落胆するは、 〈気落ちする〉の漢 
語的な言い方。 鬱屈するは 〈塞 
ぐ〉よりも「ふさぎこむ」に近い意 

味のかたい文章語。_ 

〔注意〕 〈消沈する〉の〈消沈〉は〈銷 
沈〉の書き換え。 


処置 しよち 

I 処置/処理 0 U ょ/処分 n\l 
始末* t っ — 


(使い分け例) 

処置… 「寛大な処置を願ぅ。」「応急 
処置を施す。」 

処理… 「事務を処理する。」「製品に 
熱をする。」「ごみ場。」 
処分… 「不要品を処分する。」「退学 
の処分を受ける。」 

始末… 「火のをする。」「紙や鉛筆 
を始末して使ぅ。」 


(どぅ使ぃ分けるか:3 

処置は ①判断を下してその物事 
の取り扱い方を決めること、②病 
気や傷の手当てをすること、 
処理は ①事件.事務をさばいて始 
末をつけること、②製造工程で材 
料に加工すること、 処分は ①物 
事の取り扱い方を決めてかたをつ 
けること、②規律•規則を破つた 





しよんり•矢卩らせる 256 


になる。ただし、〈始末〉に事の始めと 
終わり•事の次第などの意味もあり、 
この場合はそうならない。 

しょんぼり 

しょんぼり/しおしお/す— 
ごすご/悄然 たぅ 

(,使い分け例 W 

しよんぼり… 「一人しょんぼり(と) 
立つている。」「落第してしょんぽり 
する。」 ㊣ しょぼんと。 

しおしお… 「叱られてしおしお(と) 
家に帰る。」「不合格と聞きしおしお 

立ち去る。」 _ 

すごすご…「断られてすごすご(と) 
引き返す。」「負けてすごすご帰る。」 


悄然… 「悄然と立ち尽くす。」「悄紙 
_後ろ姿。」「孤影^ M 。」 


(ど5使い分けるか) 

しよんぼり は元気なくしおれてい 
る さま、悄然はそれに相当す る 
漢語で、かたい文章語。 

しおしおもほぼ同義であるが、 
帰る.去るなどの動作に使ぅのが 
普通。すごすごも元気なくその 
場を離れるさまを表すが、その場 
所に未練を残している点が〈しお 
しお〉とは異なる。 


知らせる しらせる 
「知らせる\告つげる\教31 


ぇる/報 5 S じる\告知 n す 
る\報知" I する\報告 ff 
する 

(使い分け例〕 

知らせる… 「正午を知らせるサイレ 
ン。」「目で知らせるど「わが方の底 
力を^1ら甘てやる。」 

告げる… 「別れを告げる。」「春を SI 
鳥〇」「風雲急を告げる。」 

教える… 「数学を教ぇる。」「人の道を 
教ぇる。」「道順を教ぇる。」「秘密を 
教ぇる。」 

報じる… 「ラジオが正午を報じる。」 
「台風の接近を®^。」©報ず 
る0 

告知する… 「納税期日を告知する。」 
「受胎 so 」 




257 知らぬ彦頁 


報教告矢 JI 
じえげ§ 
るるるる 


0000 

を内 
丨情 

_ 〇〇〇 

を住 
丨所 

〇 • 〇〇 

1時 
鐘を 

|| 〇〇 

丨急 
を 

1 1 1 〇 

丨虫 

が 

' « 〇 > 

を別 
丨れ 

• 〇 •' 

を犬 

1に 

-±f 


ジオなどで知らせることで、か 
たい文章語である。 


告知するは、 連絡事項を関係者 
に告げ知らせる(「告知板」)、 
報知するは、 事件などを告げ知 
らせる、の意で、どちらもかたい 
文章語。 

報告する も、告げ知らせる意で 
あるが、与えられた任務の経過や 
結果、調査内容などを述べる場 
合に使ぅことが多い。 

〔注意〕 〈報じる〉には、「師恩に丄 
「一矢を一」のように、報いるの意もあ 
る0 


知らぬ顔 しらぬかお 

,知らぬ顔\素知:^らぬ顔— 
跡/何食 S ? わぬ顔1\澄すま 
|し顔*!*\ポ^~力^~フェ^~ス— 

い分け例〕 

知らぬ顔… 「呼んでも知らぬ顔だ。」 
「人の足を踏んで知らぬ顔をしてい 
る。」®知らん顔。 

素知らぬ顔… 「知り合いに会ったが、 
素知らぬ顔で通す。」 

何食わぬ顔… 「一枚かんでいながら、 
何食わぬ® I で話を続ける。」 
澄まし顔… 「ボタンがとれていたが' 
すまし 顔で人前に出る。」 


報知する… 「事件を報知す る。」 「火 
災報知器。」 

報告する… 「近況を報告する。」「_ 
査内容を報告する。」 


(ど-つ使い分けるか W 

知らせる は、言葉や合図で人が 
知る よぅにす る、実態を相手に 
分からせる、の意、 告げる は、 
言葉や声や音で、事態や意志を 
知らせる、の意で、〈知らせる〉よ 
りも文章語的である。 

教える は、知識や技芸を身につ 
けさせる、行動や考え方について 
注意を与えて導く意であるが、も 
つと軽く、自分の知つていることを 
相手に知らせるといぅ意にも使 
*っ0 

報じる は、物事を、特に新聞. ラ 




調べる 258 


ポーカーフエース… 「勝負師のポ ー 

カーフエース。」 


ハど-つ使い分けるか) 

知らぬ顔と素知らぬ顔はどちら 

も、知っていても知らない顔つきを 
することで、前者の方がょり口頭 
語的で、日常会話では〈知らん 
顔〉と言ぅことが多い。 
何食わぬ顔はもっと積極的に、 
自分は何の関係もないといった顔 
つきをすること、澄まし顔は平 
然さを装って気取り顔をするこ 
と0 

ポーカーフエ— スは心中を表に 

出さない無表情な顔で、トランプ 
のポーカーで手のよしあしを相手 
に読みとられないように表情を押 
し隠すことに由来する語。 


調べる しらべる 

I 調べる\取"り調¢.1/ベる/調— 
査 r ぅする/検査^する/ 
点検^する/検閲^す 
る/査察:;; っ する 

(使い分け例し 

調べる… 「事故の原因を^^。」「語 
の意味を辞書で^^。」「機体を調 
3。」「帳簿を^^。」「被告を ill 

3。」 I 

取り調べる… 「容疑者を取り調べ 

る。」 _ 

調査する… 「古代の遺跡を調査す 
§1。」「事故現場を調査する。」 


検査する… 「血液を検査する。」 
点検する… 「機械の内部を^^ 
扣。」 

検閲する… 「手紙を検閲する。」 
査察する… 「被害状況を空中から査 
察する。」「工場を査察する。」 


ハどラ使い分 けるか ノ 

調べる は、①必要な知識を得る 
ためにあれこれ見聞きする、②異 
状や違反がないか確かめる、③あ 
れこれと問いただす、の意で、 
取り調べるは 右の①の意もある 
が、多くは③の意で使い、捜査機 
関が容疑者から事情を詳しく聞 
き出すことを言ぅ。 

調査するは、 〈調べる〉の①〜③ 
に相応する漢語的な言い方だが、 
「辞書で調べる」のょぅな軽い意味 




259退く 


には使わない。 

検査す るは、ぁる基準のもとに 
異状や不正がないかどぅか調べる 
(〈調べる〉の②)、の意で、 
点検す るは、それを一層念入り 
に一つ一つ調べる場合に言ぅ。 
検閲す るは、信書.出版物•映画 
などの内容を強権的に取り調べ 
る、の意で、現憲法では禁止さ 
れている。 

査察す るは、状況を調査.視察 
する意で、大掛かりな場合に使 


退く しりぞく 

,退く \引ひく/引ひき下气が . 
る\退® く\立たち退® く/ 


.退去筇する\退出 Si っす| 
る/退却誌くする/退散^ 
する/撤退^する/引退 
する\隠退^する 

f 使い分け例 W 

退く…「一歩^^。」—®進む。「御 
前を退く。」「政界を^^。」「三回戦 

で男。」 

引く…「潮が引く。」「兵を引く。」「身 

を引く。」「会社を^^。」_ 

引$下がる…「客間から引き下が 
る。」「説得されて引き下がる。」「役 
員から引き下^5。」 

のく…「そこをのいてくれ〇」 
立ち退く…「借家を立ち退く。」 
退去する…「国外に退去する 。I 
退出する…「役所から退出する。」 


退却する… 「敵が退却する。」 

退散する… 「恐れをなして退散す 
る。」「群集が退散する。」 

撤退する… 「占領地から撤退する。」 
© 撤仅する。 

引退する… 「現役を引退する。」 
隠退する… 「故郷に隠退する。」⑩ 
退隠する。 


f ど10使い分けるかし 

退く は、後退する、退出する、引 
退する、敗退するなどの意味を 
持つ最も基本的な語。 引く は非 
常に多義な語であるが、〈退く〉 
と同義に用いる場合は、「潮.出水 
が一」、「身.手を一」以外はやや 
古風な言い方。 引キ j 下がる は、 
〈引く〉を強めた語であるが、「すご 
すごと一」はこの語独特の用法。 



自立 260 


のく は、古語では〈退く〉とほぼ 
同義に多用されたが、現代語と 
しては「どく」の意以外にはあまり 
使わない。 立ち退く も、現在で 
は主に、今の居所を引き払ってよ 
そへ移る意に使う。 

退去するは、 多く強制的に立ち 
退かされる場合に使われ、 
退出するは、 貴人の前や改まっ 
た席などから引き下がる場合に使 

退却す るは、戦争や競技で負け 
て後方へ下がる、 退散す るは逃 
げ去る、または方々に立ち去る、 
の意で、「そろそろ退散しよう」の 
ような言い方もある。 撤退する 
は、陣地などを取り払って退去す 
る意であるが、退却と違って自分 
から進んで行う。 

引退するは、 現役.第一線から 


退く、 隠退するは、 社会的活動 
をやめて静かに暮らす、の意で、 

—どちらも知名人に使ぅのが普通。— 
〔注意〕 〈引く〉も〈退く〉と表記する 
ことがある。 

自立 じりつ 
.立/独立び/独〗り立だ— 

ち/一本立1っぽんち/自主 

ド/自律叩っ , 

q 使い分け例 ) 

自立… 「 SW の精神。」経営。」 
「親会社から自立する。」 

独立…「勤めている店をやめ独立を考 
える。」「植民地から®^る。」 


独り立ち… 「家を出て独り立ちす 
扣〇」 

一本立ち… 「親元を離れて一本立ち 
する。」 

自主… 外交を貫く。」性 
に乏しい。」「_独立。」 

自律… 「自律して生活する。」「自律 
的行動。」 ㊣ 他律。 


ハど5使い分 けるか j 

自立は他からの支配や援助を受 
けずに自分の力でやつてゆくこと 
で、独立も個人や団体については 
ほぼ同義に使ぅが、一国が他国の 
支配を受けず完全に主権を行使 
する「到国」の意では〈自立〉は 
用いない。なお、「割家屋」の場 
合は、単独に存在する、の意。 
独り立ちと I 本 立ちはどちらも 



261 新人 


個人の自立•独立の意の口語的表 
現で、後者の方が語感としてキリ 
ッとした感じが強い。 

自主は他から保護や干渉を受け 
ずに独立して行動すること、 
自律は自分の立てた規範に従って 
自分の行動を規制することを言 


〔注意〕〈自主〉を除き、「する」がつい 
て動詞になる。 


新人 しんじん 

新人\新顔以\新参れ从\ 
新入^り/新米は/ 
新進 ill / フレッシュマン/ニュ 
1フエース 


(使い分け例) 

新人… 「大学野球部3戦。」「彫刻 
界の新人。」®旧人。 

新顔… 「新顔のウエートレス。」「さつき 
出たアナウンサーは sw だ。」® 
古顔。 

新参… 者のくせに生意気だ。」 
「雑用をに押し付ける。」® 
古参。 

新入り… 「新入りの者です。よろし 
くお願いします。」 

新米… 「¥¥の店員で何もわからな 

ぃ。」 

新進… 気鋭の作家。」 「 SM のピ 

アニスト。」 

フレッシュマン… 「フレッシ^ FX に期 
待するところ大である〇」 

ニュ I フエ I ス… 「今年期待のニューフ 


(どラ使い分けるか) 

いずれも、ある集団に新しく仲間 
入りした人、ある社会に新たに 
登場してきた人を意味する語であ 
る。 

新人は 最も基本的、客観的な語 
であるが、特殊な意味として、人 
類進化の過程で原人.旧人に次ぐ 
ものを指す場合もある。 

新顔は〈新人〉とほぼ同義である 
が、「人事異動で部内に一が目に 
つく」といった用法もある。 

新参は、もと、主君.主人に新た 
に仕えること、また、その人の意 
で、やや古風であり、 新入り と 
同様、期待感ょりも未熟.駆け出 
しの感じが強い。ただし、新入^ ぅ 
という漢語にはその臭いはない。 




親切 262 


新新新新新 
入 

進米り顔人 


■ 0000 

員丨 

部 

〇 •''' 

の丨 

作気 
家鋭 

1 △〇 ■ • 

者私 

では 

す丨 

の 

> ' A 1 〇 

迎丨 

会歓 

〇 • ' △〇 

活丨 

躍ら 

し 

い 


新米は本来は新しい米の意だが、 
人間の〈新入り〉の意の場合は新 
前^の転で、仕事に慣れない未熟 
な者と いう 意の最も強い語で ある。 
新進は、 ある 分野に新しく進出 
して認められること(また、その人)。 


ニュ I フエースはもと映画界の新 
人俳優の意でぁるが、芸能界以 
外でも、将来への期待を込めて新 
人•新顔の意に使われる。 
フレッシュマンは大学や会社へ新 
しく入った人の意で、〈新人〉とほ 
ぼ同義でぁる。 


親切 しんせっ 

,親切 (深切)/情 S & け深城い, 
\優^:しい/手厚 l T い/懇 
今ろ/懇切? x /懇篤 ^I 

P 使い分け例〕 

親切… 「親切な忠告。」「親切に道を 
教える。」 

情け深い… 「情け深い親方。」 
優しい… 看護婦さん。」 

<1見守る。」音色。」 
手厚い… もてなし。」「手厚く 
看護する。」 

懇ろ…世話をする。」「^^1 
語り合う。」仲。」 


懇切…「懇切に指導する。」 

懇篤…「御懇篤なるお言葉を賜る。」 


(どう使い分けるかし 

親切は相手の身になって優しい態 
度で対処するさま、 情け深い は 
思いやりの心が強いさまで、後者 
は上の者から下の者への親切心を 
言う。 

優しい は人に対して思いやりがあ 
り、接し方が穏やかな さまを 言う 
が、「 I 物腰」「—音色」のょうに 
上品で美しいの意にも使う。 
以上の語が主として人柄や性格に 
ついて言*っのに対して、以下の語 
は行いや仕方について言う。 

手厚い は取り扱い方やもてなし方 
が親切で丁寧なさま、懇ろはそれ 
とほぼ同義のやや古風な語である 





263 侵入•心配 


が、「 I な仲」のよぅに親密なの意 

もある。 

懇切と懇篤は〈懇ろ X 手厚い〉の 
意の漢語でかたい文章語である 
が、後者は「ご一な」の形で手紙 
や改まつたあいさつなどに多く使 


侵入 しんにゆう(〇犯す) 

〔侵入\浸入^>進入はう〕 


(使い分け例) 

侵入… 「賊が裏口から侵入する。」「家 
宅^^罪。」— 

浸入… 「汚水の葡を防ぐ。」「濁流が 
浸入する。」 

進入… 「車の進入を禁止する。」「危険 


地帯に進入する。」 


^ どう使 い分けるか ) 

侵入は 他の領域に不法に入るこ 
と、 浸入は 土地や建物に水が入 
り込むこと、 進入は 進んで行って 
その場所に入り込むこと。 

侵は人間が侵す こと、 浸は水がし 
みこむことを 意味す る 字。 


心配 しんぱい 

,心配/気掛*?*かり\虞|そ\| 
不安4ん\懸念加ん\危惧ジ 
憂慮^/気苦労 r ぅ\心 
■労;^/心痛れ\杞憂 r 


(使い分け例) 

心配… 「先生に心配をかける。」「子供 
の将来を心配する。」「雨が_ 
だ。」「切符の^®をする。」 
気掛かり… 「夫の健康が気掛かり 

だ。」 _ 

虞… 「病気が長引くおそれがある。」 
不安… 襲われる。」 「 KW 一 

夜を明かす。」_ 

懸念… 「先行きに懸念を抱く。」「結 
果を懸念する。」 

危惧… 「額の念を抱く。」「工事の完 
成を危惧する。」 ㊃ 危懼 <# o 
憂慮… 「 KW に堪ぇない。」ベ 
き政界の現状。」 

気苦労… が絶ぇない。」 
心労… 「御心労をおかけします。」 
心痛… 「_の余り寝込んだ。」 
杞憂… に過ぎない。」 





進歩 264 


(ど-つ使い分けるか d 
心配は先行きの ことを 案じて思い 
わずらぅことで、 気掛かりと虞 
もほぼ同義であるが、〈気掛かり〉 
は主に形容動詞、〈虞〉は名詞とし 
てしか使えないので、用法はかな 
り限定される。なお、〈心配〉は気 
を使って世話をするの意もある。 
不安は気掛かりで落ち着かないさ 
ま、縣〗令〗は気にかかって不安に思 
ぅこと で、前者は〈心配〉や〈気掛 
かり〉ょりもやや文章語的であり、 
後者は文章語である。 

危惧は成り行きや結果を心配し 
おそれること、憂慮も同様に悪い 
結果にならないかと心配し気遣う 
ことであるが、かたい文章語であ 
る。 


気苦労は心配や気遣いにょる精 
神的な苦労で、心労は同義の漢 
語であり、心痛はそれょりも深 
く心を悩ます場合に言う。 

杞憂は中国古代の故事に基づく 
成語で、無用な心配.取り越し苦 
労の意である。 


進歩 しんぽ (〇生育) 

I 進歩/進化^/発達^\| 
発展巧\伸展1^\進展 

Tt 1\ 展開 ?;I 

(使い分け例) 

進歩…「長足の類を遂げる。」「都市 
工学が進歩する。」©退歩〇「1^ 


的な思想。」 ㊣ 保守。 

進化… 「生物の萄の過程。」「人は 
猿からた。」 ㊣ 退化。 

発達…「心身が発達する年ごろ。」「技 
術の S が著しい。」 「 SS 3 た低気 
圧。」「犬は嗅覚がている。」 

発展… 「町の劃に尽くす。」「大事件 
に発展する。」「御のよぅで結 
構ですね。」 

伸展… 「国力のを図る。」「事業 
を伸展する。」 

進展… 「話し合いがを見せる。」 
「捜査が進展する。」 

展開… 「新たな観点から議論を SM 
$。」「事件が意外なを見せ 
る。」「眼下に大草原が展開する。」 


f どラ使い分けるか」 

進歩は、次第によい方•望ましい 




265 信用 


伸発発進 
_展達歩 


_ 〇〇〇 

の文 
丨化 

〇 - 〇〇 

丨技 
す術 
-るが 

△〇1 1 

の芸 
丨術 

1 ' ' 〇 

思丨 
想命 

の 

•• O ' 

の心 
丨身 

• 0 • ■ 

す町 
るが 

1 


進展は勢いが進んでその力が広が 
ることで、俗に進歩•発展の意に 
も使われる。展開は、物事が停 
滞なく次々に新しい段階に進展し 
ていく•進展させることで、場景 
が広々とひろがること。 


〔注意〕〈展開〉は、数学で、立体の 
表面を平面上に広げること、「式 (a+ 
cr}2 を—する」 などの 場合の意に使ぅ。 


信有 しんよう 
「信用\信頼纹\信任辻乙 


L 信託ね/信憑芑 ぅ 」 

(使い分け例 J 

信用…「店の簡にかかわる。」「君の 
言葉を信用する。」「信用機関。」 
信頼… r ® を裏切る。」「子を® 
$。」「一^度の高い機械。」 
信任…「社長の!^が厚い。」「現内閣 
を信任する。」「信任状を提出す 
る。」 

信託…「国民の劃にこたえる。」「金 
を銀行に信統治。」 
信憑… 「_性が乏しい。」「信憑する 
に足る証言。」 


(ど-つ使い分けるか) 

信用は、確かだとして受け入れる 
こと、また確かだという人望•評 


方へ進み変わっていくこと。 

進化は、生物が長い年月の間に 
単純で下等なものから複雑で高等 
なものへ変化することで、比喩的 
に物事の進歩•発展の意に使ぅこ 
ともある。 

発達は、成長して完全な形に近 
づくこと、規模が大きくなるこ 
と、外界によく適応した状態に 
達すること、などの意。 

発展は、勢いや力がのび広がるこ 
と、一震く盛んな段階に移って 
いくこと、手広く活躍することな 
どの意。 

伸展は、勢いやその及ぶ範囲がの 
び広がること•のばし広げること。 
〈発達〉は質的な成長、〈発展〉は 
量的に広がること、〈伸展〉はある 
方向での伸びに重点を置く語であ 
る0 




親類 266 


判で、経済用語と しては 支払い能 
力の あることをもとにした 取引の 
状態で、 クレジットの 訳語。 
信頼は 言じて頼りとすること、 
信任は 信用して物事を任せるこ 
とで、後者は国会の「—投票」、 
外交使節の「—状」など特定の用 
語にも使ぅ。文章語。 

信託は信用して委託すること。 
法律では一定の目的に従い他人に 
財産の管理•処分をさせる意。 
信憑は 信じてよりどころ とする こ 
とで、かたい文章語。 


親類しんるい 

,親類\親戚戢\親族れ\| 

血族巧\血縁找\姻戚 


歆\姻族^\縁者^/身 

1内 r \ 身寄从り 

(使い分け例し 

親類…「1¥の家に泊る。」「彼の家と 
は付き合いをしている。」 
親戚…「彼は遠い^^に当たります。」 
親族…「はとこまでは顏だ。」「翼 

会議を開く。」 _ 

血族… 「祖父の命日に血族が集ま 
る。」 

血縁… 「彼女とは関係はない。」 
姻戚… 「 WW もお祝いに参加した。」 
姻族… 「三親等内の® W は親族とさ 
れる。」 

縁者… 「親類§を漏れなく招く。」 
身内… 「身内の者だけで式を挙げ 
る。」 

身寄り… 「身寄りのない老人。」 


(どぅ使い分けるかし 

親類は家族以外の血族.姻族の 
総称で、日常普通の用語。親戚 
はそのやや改まつた言い方。 
親族は民法上では、六親等内の 
血族および配偶者、三親等内の 
姻族を指す。文章語。 

血族は血筋のつながった一族で、 
血縁もほぼ同義であるが、前者 
には養親子のよぅに法律上認めら 
れた者も含まれる。 

姻戚 も 姻族 も結婚によってできた 
親類の意で、一般的には前者が、 
法律では後者が用いられる。 
縁者は〈親類〉と同義のやや古風 
な語で、近世では姻戚を指した。 
身内は家族やごく親しい親類、 
また同じ親分につく子分たち。 




267 粋•炊事 


も大事なところで〈精粋〉とほぼ同 
義であるが、後者の方がやや古 

風。これらは「バニラエツセンス」、 

「梅肉71^」のように薬物.食物 
の有効成分を抽出•濃縮したもの 
にも使う語である。 

〔注意〕 〈粋〉は「—を利かす」「—な 


身寄りは 親類縁者の意であるが、 
いざといぅ時頼りにできるといぅ二 
ユアンスが含まれる。 

〔注意〕 〈身内〉 は「—がしまる」のよ 
うに、からだ全体の意にも使う。 



哗 す Vi(08 

,粋/精粋 t - tt / 精髄' r - a -/ 神, 

髄(真髄)な\ェッセンス\ 

エキス 


(使 S 分け例〕 

粋… 「科学技術の糊を集める。」 
精粋… 「伝統芸能の霜。」 

精髄… 「王朝文学の_をなす作 
品。」 

神髄(真髄)… 「芸の觀に触れる。」 

エツセンス… 「東洋美のエッセンス。」 
ェキス:「カント哲学の^^。」 


(ど 一つ 使い分けるか) 

粋は 最高水準にあるもの、 精粋 
はまじりけ がなく最もよいところ、 
精髄は 物事の一番優れた大切な 
ところ、 神髓は 学芸の最も 肝心 
のところ、その道の奥義を言う。 
エツセンスは 物の本質的要素で 
〈神髄〉、 エキス も物の本質的な最 


人」のょうに、人情に通じ物わかりが 
いい、花柳界や芸人社会に通じ「いき」 
であるの意にも使う。 

す V し 

,炊事\料理^ぅ\調理, 

_°!ぅ\割烹 , 1?: 

(使い分け 1 

炊事… 「¥¥当番。」「交代で¥¥¥ 




推薦 268 


る。」 

料理… rww が上手だ。」「魚を§ 
す-£|。」「日本料理。」「ぉぃしぃ判 
理。」「強敵を料理する。」 

調理…「圏師。」「肉を調理する。」 
割烹…を見習う。」着。」 


(どう使い分けるか〕 

炊事は食物の煮炊きをすること、 
料理は、材料に手を加え、食べ 
られるようにすること、またそう 
してできた食べ物も言う。転じて 
「強敵を I する」のように、物事 
をうまく処理するの意にも使う。 
調理は、〈料理〉と同義であるが、 
仕事として大勢の料理を作る場 
合によく使われる。〈料理〉のよう 
に、できた食べ物の意味はない。 
割烹は日本風に食物を調理する 


ことで、「 I を経営する」のよぅに 
「割烹店(日本料理の店)」の略と 
して使ぅ場合もある。 

〔注意〕〈割烹〉は「—する」とは言わ 
ない。 

推薦 すいせん (〇勧める) 

I 推薦/推奨 btf ' \推賞(推— 
称) u - ri > 推挙(吹挙) K \ 
,推輓(推挽)^\推戴は 


〇使い分 け 例 ) 

推薦…「_状。」 r 学生を企業に搁 
薦する 。」 「A 氏御 sm の品。」 
推奨…「良書として推奨する。」「君の 
推奨した人を採用する。」 


推章:歷 i がこ; iMI した^! T 」 
推挙…「長老の^一:で大臣になる。」 
「幹事に推挙する。」 

推輓…「部長に推輓する。」 

推戴…「名誉総裁に推戴する。」 


f どう使い分けるか j 

推薦はょいと思ぅ人や事物を取 
り上げて他人にすすめること、 
推奨はある品.人.事柄が優れて 
いる ことを 述べて人にすすめるこ 
とで、意味は似通っているが、「— 
入学」、「 A 氏を委員に一」などの 
場合は〈推奨〉は用いない。 

推賞は、ある品又.事柄が優れ 
ているのを人に向かって褒めるこ 
と。以上の語は人にも物にも用い 
るが、以下の語は人についてしか 
言わない。 



269 ずうずうしい•清清しい 


推推推推 
挙賞奨薦 


0000 

で全 
丨員 
女 一 

る致 

〇 • 〇〇 

丨助 
す手 
るに 

〇1 •〇 

丨委 
す員 
るに 

1〇〇1 

て口 
丨を 
す極 
るめ 

• 〇〇〇 

す私 
るの 
品丨 


推挙は、ある官職•地位•仕事に 
適当な人として、その人を上の人 
にすすめること。 


推輓は〈推挙〉とほぼ同義の' 古 
風でょりかたい文章語。 

推戴は、ある人を敬って組織など 
の 長に なつてもらぅこと。 


ずうずうしい 

(〇破廉恥找) 
,ずうずうし い/厚加 かまし— 
い/ふてぶてしい/ ずぶとい 


(,使 い分け例 ) 

ずうずうしい… 「ずぅずぅしく真つ 
先に取る。」「ずぅずぅしいにも程が 
ある。」 

厚かましい… 「厚かましく他家に上 
がり込む。」「厚かましいお願いで恐 

縮ですが…。」_ 

ふてぶてしい… 「ふてぶてしく放言 
する。」「ふてぶてしい面0構え。1 
ずぶとい… 「ずぶとく構える。」「ずぶ 
d 神経の持ち主。」 


C どう使い分けるか ) 

ずうずうし いは普通の人なら遠 
慮してやらない ことを 平気で やる 
さま、 厚かまし いは恥知らずで 
遠慮がないさまで、似た意味であ 
るが、後者は第二の例の ように 自 


分のことについて改まった場面で使 
うこともある。 

ふてぶてし いは大胆で無遠慮な 
さまで、心情ょりも外面的な態 
度について多く使う。 

ずぶとい は神経が太くて少々のこ 
とにはびくびくしない、また横着 
なさま。 


清清しい すがすがしい 

—清清しい/爽 S やか\涼打や— 
か/清涼^ぅ\爽快?:!\清 
,新(生新)^ 

(使い分け^ } 

すがすがしい… 「すがすがしい高原の 




過ぎる 270 


朝。」「すがすがしい態度。」 

爽やか…「さわやかな五月の風。」「刮 
わやかな笑顔。」「弁舌さわやかに語 
る〇」 

涼やか… 「涼やかな目元。」「涼やかな 
音色10。」 

清涼… 「清涼な谷水。」飲料 
水。」 

爽快…「裂な気分。」「身も心も爽 
なる。」 

清新… 作風。」「画壇に到 

の気を吹き込む。」 


广どぅ使ぃ分けるか W 
すがすがし いは、清らかで気持 
ちがよいさま、さわやかは、さつ 
ぱりとして気分のよいさまで、ほ 
ぼ同義であり、どちらも自然にも 
人間的なものにも使うが、後者の 


方が心理的な快さの意味合いが強 
く、また「弁舌—」のように明快で 
よどみがないの意にも使われる。 

涼やかは、涼しそうですがすがし 
い感じのする さま。 

W ? 涼は、冷たくさわやかなさま 
を言うが、造語成分として多く 
用いる。 

爽快は、気分がさわやかなこと 
で、物には用いない。 

清新は、さわやかな感じを与え 
るほど新しみがあることで、人間 
的な事柄に使う。 


過ぎる すぎる 

I 過ぎる\経たつ/経へる/経— 
過1ぃする 


(使い分け例 ;! 

過,ギ J る… 「夏が過ぎる。」「上京して早 
くも三年が「四十歲を週 
ぎる。」 

経つ… 「月日が_。」「上京してから 
もぅ大分^^0」 

経る… 「長い歳月を_。」「幾多の困 

難を gl て完成する。」_ 

経過する… 「十五分経過する。」「事 
態は望み通りに経過する。」 


(ど!5!使い分けるか) 

過ぎるは空間的にも、時間的に 
も、また程度についても用いるが、 
時間に関しては、時が移ってある 
期間が終わる、時がたつ(経過す 
る)、ある時点を越える、の意味 
がある。 




272直ぐ 


経経経過 
過 ギ 

す ぎ 

るるつる 


〇〇〇〇 

分出 
丨発 
た後 
今五 

〇 I 〇〇 

が年 
丨月 

1 〇 1 • 

を年 
丨月 

I I I 〇 

を正 
丨午 

1 1 〇 > 

大完 
分成 
丨後 

〇 ■'' 

に順 
丨調 


経つ は、時間が過ぎていく意。な 
お、文語的な用法だが、新しい 
年.季節になる という 意の〈たつ〉 
は、「秋(春)^^」 のょうに 、〈立 
つ〉と書く。 

〈経つ〉は「時が一」と言うが、 経る 
は「時を一」と言う。〈経る〉の方 
が文章語的である。また、〈経 
る〉には、ある過程•段階を通る、 
の意もある。 

経過するは、 時間が過ぎていく 
意のほかに、時間が進むに従って 
物事が移り変わっていく意にも用 
いる。 


直ぐ すぐ (〇やがて) 

,直ぐ/直すぐに/直すぐ様— 
ジ直 *: fc ちに \直 #0' \直扣に\ 

_即刻^\即座^に _ 

P 使い分け例) 

すぐ… 「すぐ来て下さい。」「もぅすぐ 
春だ。」怒る人。」 

すぐに… 「今からすぐに行く。」「風が 
吹くとす^^倒れる〇」 

すぐさま… 「すぐさま実行に移す。」 
直ちに… 「直ちに現場に向かう。」 「こ 
の事から直ちに証明される。」 
じき… 「もうじ# I 正月だ。」 

じきに… 「父はじきに帰つてきます。」 


即刻… 「デモ隊は即刻解散せょ。」 
即座に… 「質問に即座に答える。」 


( ど5使い分 けるか ) 

すぐとすぐには 時を置かず、ま 
たちよつとしたことにも 簡単に の 
意を表すが、「すぐそば」 のように 
距離が近接している場合は〈すぐ 
に〉は用いない。 すぐさまは 〈すぐ 
に〉 と 同義であるが、 やや 古風な 
言ぃ方。 

直ちには 〈すぐ(に)〉と同義のや 
や改まった言い方で、「部屋の前か 
ら I 海が広がる」のように直接.じ 
かにの意味もある。 

じ$とじきには 時間を あまり 置 
かないさまで、〈すぐ(に)〉 よりも 
やや時間の経過がある感じであ 
る。〈じき〉は「—隣にある」のよう 




凄い•少し272 


に距離が近いことも表す。 

即刻は〈直ちに〉の意の漢語で、 
即座にはすぐその場での意。 


凄い すごい (〇 大変•激しい) 

,凄い/物凄! - I い/凄 St まじ— 

,い/ひどい\甚1なだしい_ 

例し 

凄い•.•「すごい目つき。」「すごい腕 
前。」怒られた。」 

物凄い… 「ものすごい形相 If ぅ。」「も 
のすごい人気。」「ものすごく驚く。」 
すさまじい… 「すさまじい剣幕。」「す 
さまじい売れ行き。」「あれで大スタ 
—とはすさまじい。」 

ひどい… 仕打ち。」「ひどい 


雨。」「^53^寒い。」「ひどい出来。」 
甚だしい… 「誤解もい。」「甚だ 
H 寒い地方。」 


(どラ使い分ける 
凄い は、ぞっとするほど恐ろしい、 
恐ろしいほど優れている、の意。連 
用形を副詞的に用いて非常にの意 
を表すが、若者の会話では「すっ 
ごく」とも言*っ。 

物凄い は〈凄い〉を更に強めた語 
で、基本的な用法は同じ。 
すさまじいは 〈物凄い〉 とほ ぼ同 
義で、やや文章語的であるが、 
「:.で… とは すさまじい」の形であ 
きれ かえる ほどひどい の意を表す 
のはこの語独特の用法である。 
ひどい は 残酷だ•むごい、程度が 
甚だしい、の意を表し、連用形で 


は非常にの意になるが、「—作品」 
の場合は程度が悪いの意。 
甚だしい は、程度が激しいの意で 
あるが、マイナスの価値の程度に 
ついて言う。 


少し すこし 

■少し/ちょつと/少少^:/— 
,些1か/僅 •£ か/僅僅 E 1 
け例) 

少し… 「もぅ^^ 欲しい。」「^3行く 
と駅がある。」 

ちよつと… 「この品はちょつと高い。」 
「もぅち ょつとで終わる。」「君には ち 
難問だ。」「ちょつと見当がつか 
ない〇」 



273 勧める 



少少…「塩を少々加えます。」「少々難 
しい。」「少々御猶予願いたい。」— 
些か…「いささか疲れました。」 

_の配慮。」 

僅か…「わずかばかりで恐縮です。」 
「残りは:三つ。」 

僅僅…「€五年前の出来事。」 

(ど151使い分けるか) 

少しは、数量•程度が少ない、時 
間•距離が短いさま。 

ちよつとも、数量•程度がわずか、 
時間•距離が非常に短い、の意で 
あるが、やや俗語的。「—いける 
味」のよぅにかなりの意、下に打 
ち消しの語を伴って、簡単には 
:•ない)、の意にもなる。 

少少も分量•程度が少ないの意で 
あるが、「—お待ち下さい」と言う 


とき、 〈ちよつ と〉よりも 〈少し〉、 
それよりも〈少少〉が改まった丁寧 
な言い方になる。 

些かはほんの少しの意の、やや 
古風な雅語的な表現。 


僅かは数量が非常に少ないの意 
で、僅僅は同義の漢語であるが、 
数詞に添えて使う。 


る すすめる(〇推薦} 

1勧める/薦 - rt める\誘::ぅ V 

持もち掛かける/仕向 tpu け 


る\勧誘妓する\勧奨はぅ 
する/奨励 S ぅする 

0使い分け例^ } 

勧める… 「一読を勧める。」「発明•発 
見をすすめるための賞。」 

薦める… 「優秀作品として M^。 I 
誘う… 「旅行に」「眠りを雪。」 
持ち掛ける… 「縁談を持ち掛ける。」 
仕向ける… 「勉強するように仕向け 
d 。」 「意地悪く仕向ける。」 

勧誘する… 「保険に勧誘する。」 
勧奨する… 「酪農を勧奨する。」 
奨励する… 「スポ^—ッを奨励する。」 

(どラ使い分けるか) 

勧める は、よいと思うことを人にす 
るように言う、その事が盛んにな 





捨てる274 


るよぅ励ます、の意で、「酒•座ぶ 
とんを—」は飲食物などを客に供 
する場合に言ぅ。 

薦めるは、ある人(第三者)•物. 
事を採用するよぅに進言する場 
合に言ぅ。 

誘う は行動を一緒にするよぅに 
勧めること、「眠りを—」などの場 
合は自然にそぅなるよぅに仕向け 
る、の意。 

持ち掛けるは、 話をして働きか 
ける意、 仕向ける は、他人や動 
物が ある 行為•動作をする気持ち 
になるよぅに 持つていく意で、「意 
地悪く—」の場合は特定の態度で 
人に接する、の意で、古風な表 
現。 

勧誘するは、 勧めて誘い入れる 
の意、 勧奨するは、 そうするの 
はよい事だと積極的に勧める、の 


意、奨励するはよい事だからや 
るよう にと 一般の人に言う、の意 
である。 


後口て^^すてる 

I (〇諦 r める•見放 r す) 

,捨てる/ぅつちやる/放 is り— 
出'だす/役矢け出だす\擲ぬげ 

つ/放棄 r する/廃棄 8 S 
する\遺棄 sv > する/委棄叫 
する 

い分け例 ) 

捨てる… 「ごみを捨てる。」「泣く子を 
^7ておく。」「故郷を捨てる。」「希 


望を捨てる。」「煩悩を捨てる 。 J 
I つつちやる… 「紙くずを窓からうっち 
^。」「仕事をうっちゃって帰る。」 
放り出す •••「学業をほうり出す。」 
「厄介者をほうり出す。」 
投げ出す… 「仕事を^^出す。」「命 
を投げ出してかかる。」 

なげ-つつ… 「身命を* I げうつ。」「全財 
産をなげうつて援助する。」 

放棄する… 「試合を® I 棄する。」「権 
利を放棄する。」「戦争 SW 。 」 
廃棄する… 「不良品を廃棄する。」 
「条約を廃棄する。」 「 SK 処分。」 
遺棄する… 「死体を遺棄する。」「幼 
児を遺棄する。」 「 SK 罪。」 

委棄する… 「相続権を委棄する。」 


(どう使い分けるかし 
捨てるは①不用の物として投げ 



275 拗ねる 


出す、②構わないで ほぅっておく、 
③愛情を かけて いたものを見放 
す、 ④無駄だと努力をあきらめ 
る、⑤物事に対する執着をなく 
する、などの意があり、うつち 
やるはその①•②に相当するやや 
俗語的な言葉で、相撲の技では 
「土俵際で—」と言い、土壇場で 
逆転するの意に使ぅ。 

放り出す は、乱暴に投げ出す意 
で、〈捨てる〉の④の意にも使ぅ。 
投げ出す も同じ意味に使われる 
が、 何かのために大切なものを差 
し出すといぅプラスの意にも使わ 
れる。 

なげ |つつは、これと同じ意味の 
やや古風な雅語的な言葉である。 
放棄す るは、自分にかかわりの 
ないものとして投げ捨てる意であ 
るが、有形物には用いず、無形物 


.や抽象的な事柄に使ぅ。 廃棄 
する は、不用な ものとして 捨て 
る意であるが、条約などを一方 
的に無効にする意にも使ぅ。 どち 
らもかたい文章語。 

遺棄す ると 委棄するは、 どちら 
も、捨ててほつたらかしにする意 
であるが、法律的には前者は遺 
棄罪となる行為(要保護者を扶助 
しないことや、死体•人骨を放置 
すること)を、後者は所有権を移 
転させる一方的意思表示を 言う。 

〔注意〕〈放棄する〉は〈抛棄する〉の 
書き換え。 


拗ねる すねる 

「拗ねる \ s む\戀くれ一 


L る/いじける 

( 使い分け例〇 

すねる:. 「すねて泣く子。」 

ひがむ… 「すぐに^5性質。」 
ひねくれる… 「性格がひねくれる。」 
r ひねくれた言い回し。 


いじける… 「いじけた性格を直す。」 


(ど-つ使い分け ) 

すねる は、自分の気持ちを分か 

つてもらえないので、 わざと 逆らつ 
た態度をとる、の意、「世を一」 
は不平•不満を率直に表さず、意 
地を張つて世を捨てた態度をとる 
場合に言ぅ。 

ひがむ は、物事を素直に受け取 
らず、被害妄想的に、自分に不 



素早い 276 


ひひす 

ね 

<がね 
れ 

るむる 


△〇〇 

て II 匕 

1ら 
れ 

_ 1 〇 

世挫 
を折 

1し 
て 

〇〇 1 

方物 
がの 

1見 

〇 -- 

て苦 

It 

TI 


利で あると ゆがめて思い込む、の 
意で使ぅ。 

ひねくれるは「—た枝」のように 
物の形状がゆがむ意、転じて、性 
質や考え方がねじけて素直でなく 
なる意。 


いじける は、寒さや恐さでちぢ 
こまつて元気が無くなる意で、転 
じて、 自信を無くして臆病で消 
極的な性質になる、の意。 


素早 


V 


すばやい 


速) tfT ゃい\すばしこい/は 
しこぃ\機敏§ん\敏捷 

ぅ\敏速びん' 


びん 

しよ 


/敏活'奴 


使い分け例 


素早い… 「すばやく身をかわす。」「す 
処置。」 


(0 早(速)い) 

「素早(素速)い/手早(手一 


手早い… 「手早く着がぇる。」「手早く 

料理する。」_ 

すばしこい… 「すばしこく動き回 
る。」©すばしっこい。 

はしこい… 「なかなかはしこい子だ。」 
® はしつこい。 

機敏… 措置をとる。」 

行動する。」 


敏捷… 「敏捷な守備動作。」 
敏速… 処理。」 
敏活… 行動。」 


0ど-〇®い分けるか) 

素早い は動作や反応が速い、 手 
早い は物事をするのがすばやいの 
意で、後者は手でする動作には 
限らないが、前者のような頭の回 
転の速さの意は含まない。 
すばしこい は全身的な動作がき 
びきび として すばやい、 はしこい 
は利口で挙動が速いの意で、後者 
には抜け目がないの意もある。口 
頭語では〈すばしっこい >< はしっこ 
い〉とも言う。 

機敏は〈素早い〉、敏捷は〈す ばし 
こい〉の#®の漢 3 SS で、敏速は身の 
こなしよりも 仕事ぶ りな どのす ば 
やさに 多く使う。敏活はとつ さに 
頭が働いてすばやく行動するこ 
とで、頭の回転の速さの方に重点 





277 狡い•生育 


r - がある。 


狡い ずるぃ 

I 狡い/狡;;い\狡;:っ辛 S い V 

悪賢11」い\抜ぬけ目めがな 
,い\狡猾^/老獪^ 

い分け例 W 

ずるい… 「ずるいやり方。」「ずるく立 
ち回る。」 

こすい… 「やりくちがこすい。」 

こすつからい… 「こすつからい男。」 
® こすからい。 

悪賢い… 「あいつはて油断がな 
らない。」 

抜け目がない… 「欲には抜け目がない 


商売人。」 

狡猾…手段。」 
老獪…策略家。」 


Qu 5使い分けるか) 

ずるい は自分の利益のためにぅま 
くごまかして立ち回る性質だ、知 
らん顔をしてすべきことを怠ける 
の意で、 こすいは ほぼ同義の俗 
語的な言い方。けちだ、の意もあ 
る。 こすつからい は〈こすからい〉 
を強めた言い方で、けちでずるい 
といぅ意味の俗語。 

悪賢い は悪い方面にょく頭が働 
く意で、〈ずるい〉ょりも意味が広 
い。 抜け目がない は自分の利益 
になる ことによ く気がついて手抜 
かりがない意を言い、〈ずるい〉や 
〈悪賢い〉ほど暗い感じを伴わない。 


狡猾は、〈ずるい〉さまの意の漢 
語で、老獪は経験を積んでいて 
悪賢いさまを言う。 


□ 


生育 せいいく (〇進歩) 

,生育/成育 VS \発育 1 ^V 
,生長^. A 成長誌ぅ 

C 使ぃ分^ ^〕 

生育… 「苗の劃が遅い。」 r 作物が ^I 
育する 。I 




制作278 


成育… 「稚魚の成育法。」「順調に成 
育する:」 

発育… 不全。」盛りの 
子。」「すくすく発育する。」 

生長… 「稲の 5 M が悪い。」「苗木が^1 
長する 。I 

成長… の早い子。」「精神的に脚 

「賣株。」 


「どう使い分けるかし 
生育は生まれ育つこと、作って育 
てること、成育は育つて大きくな 
ることで、前者は植物に、後者 
は人や動物に多く使ぅ。 

発育は、 生物が次第に育って大き 
くなる ことで、動物•植物に限ら 
ないが、人間の赤ん坊や子供にょ 
く使う。 

生長は植物が伸び育つこと、成 


長は人や動物が育って成熟するこ 
とで、後者は物事の規模や内容 
が大きくなることにも使ぅ。 


制作せぃさく 

|制作\製作泣\作成^\| 
作製^\調製むぅ\創作 

!1\創造|5\造成爲\製 
_造^\生産訧 

(使い分け例 W 

制作… 「テレビ番組の額。」「壁画を 
制作する。」「卒業® JI 作。」 

製作… 「模型飛行機の_。」「工具 
額所。」「部品を製作する。」 
作成… 「予定表の®。」「試験問題を 


作成する。」 

作製… 「用具の^^。」「地図を0 
する。」 

調製… 「報告書の劃。」「礼服を PI 

創作… 「家具の!^。」「詩三編と fjl 
№1一 編。」「文芸作品を創作する。」 
創造… 「文化の¥|1。」「網造力。」 
㊣ 模倣。「天地を創造する。」 

造成… 「囊地。」冚林の震。」「宅 

地を造成する。」 

製造… rww 業。」「洋紙を^^ 
^10」 

生産… 「米の®を減らす。」「電気 
製品を生産する。」「国民総生産。」 
㊣ 消費。 


( どラ使い分けるか ) 

制作は、 絵画や彫刻や映画や放 




279 正式 


本本正 
格 

的式式 


〇〇〇 

を丨 

習に 

う柔 

道 

_ 〇〇 

1 1 

ルの 

ノレ 

〇〇_ 

は格 
丨好 
だだ 
ねけ 

■ •〇 

続丨 

きな 

手 

〇1 • 

冬丨 

な 


正式は一定の手続きをきちんと 
踏まえたさま、本式は省略など 
しない本来の形式によるさまで、 
ほぼ同義であるが、前者は社会 
的に公認されたの意、後者は本 
格的だの意で使ぅことがある。 
正規は、正式の規定にかなってい 
るさま、本格的は本来の正しい 
方式に従つているさま、また本調 
子であるさまを言い、格調が高い 
ことを意昧する昜合もある。 


ど5使い分けるか 


才 I ソドツクス…「オー ソドツクスな 
手法に従う。」©正統的。 


送番組を作ること、製作は道具 
や機械を作ること、作成は文書 
や計画を作ること、作製は物品 
や図面を作ることで、〈製作〉と 
同義に使うこともある。 

調製は規則または注文や好みに 
合わせて作ること、創作はある 
物を初めて考え作り出すこと、文 
学•芸術作品を作ること、またそ 
の作品(特に小説)。比喩的に、 
うそ•乍りごと。 

創造は自分の力で新しいものを作 
り出すことで、神が宇宙.万物を 
作ることにも 一百う。 

造成は手を加えてすぐ人間が使 
えるようにすること、製'£*=3|は原 
料に手を加えて商品を作ること、 
生産は人間生活に必要な物資を 
作り出すことを言う。ただし、 
「国民総—」の場合はサービスを ft 


り出すことも含まれる。 


正式 せいしき 

|正式\本式ば\正規ヤ\, 

本格的^ かく/ オーソドッ 
■クス — 

(使い分け例) 

正式…「正式な手続きを踏む 。」 「EI 
式 KI 婚約する。」 ㊣ 略式。 

本式…「茶道を習ぅ。」「装備 
だけは本式 ね。」 ㊣ 略式。 
正規…は認められない。」 「 JEI 
規に登録された選手。」 

本格的…「本格的に華道を習ぅ。」 
「本格勤夏の訪れ。」 




性質 280 


才—ソドックスは伝統的•正統的 
であるさまを言ぅ。 


性質 せいしつ(〇気性•特徴) 

I 性質/性格^/質性向— 
は\特性^\属性び\本 
性氙•ばぅ\素質^/資質 

tu っ . 


c 使い分け例; 

性質…「柔和な劃。」「水に溶けやす 
い ®SL_° 

性格…「@の不一致。」「_の異 
なる 団体。」 ! 
たち…「我慢強い^^。」「_の悪い 
風邪。」 


性向…「何にでも口をはさむ性向が 
ある。」「消費®^。」 

特性…「特性を生かす。」 

属性…「銅の BS を利用する。」 
本性…「人間の本性ほに基づく行 
為。」「生酔い本性ばぅ違1わず。」 
素質…「ピアニストの素質がある。」 
「 WS に磨きをかける。」 

資質…「音楽家としての劃に欠け 
る。」 


f ど-つ使い分けるか ) 

性質は人間の持って生まれたた 
ち、事物の本来の特徴、性格は 
先天的な気質と後天的な影響と 
にょる人間の感情や意志の傾向、 
事物に特有な傾向や性質で、前 
者が先天的なものを主とするのに 
対して、後者は後天的なものをプ 


ラスして考える言い方。たちは気 
質だけでなく体質も含め、事物に 
ついては良い•悪いの観点からみた 
性質を言う。 

性向は、性質の傾向であるが、 
個人だけでなく集団社会にも用い 
る。特性はそのものに特有の性 
質、属性は事物の性質•特徴の 
意で、ほぼ同義だが、後者は哲学 
では実体の本質的な性質を言う。 
本性は、本来的な性質、普段は 
隠れていて見えない生まれつきの 
性質(「1を現す」)の意で、正気. 
本心の意にも使う。 

素質も資質も生まれながらの性 
質や才能の意であるが、前者は 
将来発展するもととなるもの、 
後者は生まれつきという点に比重 
のかかった言い方である。 




281 背負う•是非 



背負う せぉぅ 

背負う/負ぉう/背負* 1 -っ/— 
担 t ぐ/担* K う 

(使い分け例 J 

背負 I つ… 「赤ん坊を^^。」「一家 
を背負う。」「責任の一半を 
ゲ。」 

負 I つ… 「荷を^^。」「義務を^^。」 
「深手を^^。」「先人に^所が大 

きい。」 

しよ I つ… 「ランドセルをしょいます〇」 
「借金をしょってしまう。」「あいつず 
いぶん: W てるね 。I 
担ぐ…「神輿 S しを!^。」「会長に Ifil 
ぐ。」 「御幣 v ぃを担ぐ。」「まんまと al 


训れた。」 

担う… 「重荷を^^。」「次代を^^ 
若人。」「衆望を g 。」 

(,ど!つ使い分けるか) 

背負 I つは、 荷物などを背中に載 
せる、苦しい仕事や条件を身に引 
き受けて責任を持つ、の意で、 
負/つは、 これらの意味の他に、 
傷などを身に受ける、恩恵など 
を被る、の意を表す。 しよラは、 
〈背負ぅ〉から転じた俗語的な言い 
方で、「しょってる」の形でぅぬぼ 
れるの意にも使ぅ。 

担ぐ は、荷物などを肩に載せる意 
で、人を祭り上げる、また、人を 
だますの意にも用い、 さらに 「縁 
起2んを—」「験5を—」などの慣用 
句もある。 担う は〈担ぐ〉よりも文 


章語的で、自分の責任として引 
き受けるといぅ抽象的な表現に多 
く吏ぅ。 


是非 ぜひ 

,是非/理非ジ正否\ 当, 

否 r \ 可否 t \ 良否 r ぅ\ 

,善ょし悪ぁし 

(使い分け例〇 

是非… 「事の_を論じる。」 ㊣ 善 




全快 282 


悪。「制度のあり方を是非する。」 
理非…「一^曲直を正す。」 

正否…「事の_を見定める。」® 
正邪。 

当否…「事の当 51 は問わず。」「_を 
検討する。」 

可否…「共学の を 考える。」「可 
SI 同数。」,®賛否0 
良不口…「製品の良否を判定する。」 
善し悪し…「品 のよしあしを見分け 
る。」「正直すぎるの もよしあし だ。」 


「ど-つ使い分けるか) 

是非は、良いか悪いか、サ変動詞 
として、よしあしを判断する、の 
意。「 I もない」「 I に及ばぬ」の成 
語は、やむを得ない•仕方がない 
の I 思になる。 

理非は道理に合つていることとい 


ないことで、〈是非〉 とほ ぼ同義の 
かたい文章語。 

正否は正と不正、正か不正か、 
当否は正当か不当かで、ほぼ同 
義であるが、後者には適当かどぅ 
かの意味もある。 

可否と良否は どちらも 〈善し悪 
し〉 とほ ぼ同義で あるが、 前者は 
賛成と反対、賛成か反対かの意 
にも 使ぅ0 

善し悪しはいいか悪いかの意のほ 
かに、「 I だ」の形で、いい点も悪 
い点もあつて一概には決められな 
いの意を表す。 


〔注意〕 「是非を論じる」の〈是非〉は 
名詞だが、「ぜひ来て下さい」「ぜひと 
も合格したい」のよぅに、 あとに 願望 
や命令の表現を伴って実現を強く望む 
気持ちを表す〈是非〉は副詞。 


全快 ぜんかい (〇 直る) 

■全快/全治 T . U I \ 根治— 

u x . % x \ 治癒,平癒^/ 
,快癒1/本復?!\快気3| 

ハ使い分け例) 

全快…を祝ぅ。」「全快して退 
院する。」®全癒。 

全治… 「 j 二週間のけが。」 

根治…「葡の難しい病気。」「水虫が 
根治する。」®完治。 

治癒…の見込みが立たない。」 
「手の傷は治癒 tl た。」 

平癒…「_を祈願する。」「難病が 
平癒する。」 




283 全然 


快癒…「御快癒を祈ります。」 

本復… を祝う。」「病が^^ 
る。」|@平復。 

快気… 「額祝いを送る。」 


〇どう使い分けるか) 

全快は病気や傷が完全に治るこ 
とで、うれしい、おめでたいという 

気持ちを含めて、日常最も普通 
に使われる語。 

全治もほぽ同義であるが、病気 
よりも傷に、また診断当初の見 
込みとして「 I 二か月」のように使 
うことが多い。 

根治はやっかいな病気が完全に治 
ること、根本的に治すことの意で 
あるが、多く他動詞的に使う。 
治癒は手当ての結果病気や傷が 
治ることで、最も基本的.客観的 


S 口い方。 

平癒は、病気が治り健康な状態 
にもどる意のやや古風な語で、簡 
単な病気には使わない。 

快癒 も 本復 も〈全快〉とほぼ同義 
の語で、前者は手紙文などに主に 
使い、後者はもっと古風な文章 
語。 

快気は全快の意だが、主に「 I 祝 

(いごの形で使われる語。_ 

〔注意〕八語すベて「する」がついて動 
詞になる。 


全然 ぜんぜん (〇全く) 

I 全然\まるきり/てんで V 
とんと\一向諄(に)/皆 


目ぱ\更更11\少5しも\ 

I ちっとも\毛頭^ 

ハ使い分け例) 

全然… 「何の事か震分からない。」 
まるキ J り… 「話がまるきり合わな 
い。」©まるっきり。 

てんで… 「てんで話にならないょ。」 
とんと… 「とんと覚えがないね。」 

I 向 0 J ) …「何と言われても一向に 
気にならない。」 

皆目… 「犯人については見当がつ 
きません。」 

更更… 「あなたを疑ぅ気持ちは®^ 

なぃ。」 

少しも… 「一緒に酒を飲んでも^3 
も心を許さない。」 

ちつとも… 「ちっとも遊ばない。」 
毛頭… 「反対する気などない。」 



僧 284 


ち一とてま全 
S 向んん! 
もにとでり然 


000000 

な丨 
い進 
ま 

,,,〇〇〇 

め1 
だだ 

I 〇 I I 〇〇 

気丨 
だ平 

丨 1 〇 1 〇丨 

て丨 

ジ忘 

たれ 

〇〇 iiii 

ま J 
われ 
なで 

V 1 

よか 


ても一向(に)平気だ」のように 
否定語を伴わない用法がある。 



^In そう 

「僧\僧侶11\坊主^\坊?1 


さん\和尚^'ぅ/住職 

じゆう/ .ほう 

しよく \、9^. CIn し 

(使い分け例) 

僧.:「修行中の^|。」「破戒個。」 
僧侶…「_の読経1"ぅ。」 

坊主… 「坊主憎けりゃ袈裟5まで憎 
い。」「なまぐさ_。」 

坊さん… 「お寺のを呼ぶ。」 
和尚… 「和尚さんがお経をあげる。」 
住職… 「西光寺の SS 。」® 住持。 
法師… 「1 M の説教を聴く。」 


f ど-つ使い分ける か) 

僧も僧侶も出家して仏門に入つ 
た人の意であるが、前者は造語 
成分として使う方が多い。 

坊主は 寺の主 僧、 あるいは一般に 


1 T どう使い分けるか〕 

これらの副詞は下に打消しの語や 
否定的表現を伴って使ぅ。 

全然.少しもが 最も基本的な語 
で、 まるキ JO . てんで•とんと. 
ちつともは くだけた言い方、 
皆目•毛頭は やや改まった表現、 
更更は やや古風な語である。 

右の例文はすべて打消しの語を伴 
っているが、〈全然 -X まるきり X て 
んで〉•は:'•全然不ル能だ」、「まる 
きりだめだ」、「てんで無意味だ」 
のょぅに打消しではないが否定的 
な表現を伴ぅ場合もあり、更に 
俗語的用法では、否定的表現も 
伴わない場合がある。 I 
また、〈とんと〉や I 向(に) も 、 rtl 
んと忘れていた」、「何を言われ 




285 騒音•想像 


僧の意で、坊さんはそれを親し 
んで呼ぶ語(直接には「お坊さん」 
と言う)であるが、〈坊主〉は 「I 
頭」の連想から「山が丸—になっ 
た」、あるいは男の子供や大人を 
親しみやからかいを こめて 「やん ち 
や—」、「三日—」などと言うので、 
本来の意味に使われる方がむしろ 
少ない。 

和尚は弟子から師の僧を呼ぶ語 
であるが、一般には〈僧侶〉や〈住 
職〉と同じ意に使われる。オシヨ 
ゥは禅宗での称で、宗派にょって 
はカシヨウ、ワジヨウと言つた。 

住職は寺の長である僧、法師は 
仏法にょく通じて これを 広める僧 
の意であるが、後者は、現在では 
「荒 I 」「影 I 」などとは 用いるが、 
単独で使う ことは あまりない。 


騒音そぅぉん 
〔騒音/雑音!?\ざわめき1__) 

(使い分け例〇 

騒音… 「 S 1 S 公害を防止しょぅ。」 
雑音… r ラジオに SW が入る。」「周り 
からょけいな雑音,を入れるな。」 
ざわめキ J : •「木々のざわめき。」「場内 
のざわめ# I が静まる。」 


(どう使い分けるか) 

騒音はうるさく感じる音、雑音 
は通信路に入り込むよけいな音、 
ざわめ $はどことなくざわざわす 
る声や音。<騒音〉も〈雑音>も不 


快な音であるが、〈ざわめき〉の快 
•不快はその場の状況による。 
〈雑音>は比喩的に、関係者以外 
の無責任な口出しの意味にも使 


〔注意〕 「楽音」に対する「噪音」も今 
は 〈騒音〉 と書き換える。 


想像 そうぞう 

|想像\空想?</夢想1 & \, 
■幻想1 ( £\妄想!| 

f 使い分け例'} 

想像… 「一^もつかない。」をた 
くまし ゅうする。」「一^上の動物。」 
空想… が広がる。」「未来を m 



損なう 286 


妄幻夢空想 
想想想想像 


00000 

け1 
るに 
ふ 

〇 ■ ■ 〇〇 

し1 

n 

〇〇 1 〇 1 

抱1 
くを 

1 1 〇 1 〇 

し1 
なだ 
いに 

• 〇 ■ 〇 ' 

1 

的 

11 〇〇 1 

1 

家 


幻想は、非現実的な ことをとり 
とめもなく思い浮かべ、時には現 
実との区別がつかないでいる ことを 
言う。 


妄想は根拠のない想像をするこ 
と、更にそれを事実であると堅た 
く信じる病的心理を言うが、本 
来は仏教語(モウゾウとよむ)で、 
邪念を意味する。 


損なう そこなう 
「損なう\損:^ねる\損!$じ一 


厂る\壊^す\害1 する | 
(使い分け例 〕 

損なう… 「器物を^^。」「命を_ 
ぅ。」「品位を損なぅ。」「ホ-~ルを受 
け撝な^|。」「忙しくて昼食を食べ撋 

割。」 

損ねる… 「飲みすぎて健康を^^ 
扣。」「機嫌を損ねる。」「資格を取り 

損じる… 「茶器を損じる。」「名声を 
損「文字を書き損じる。」 
@損ずる。 

壊す… 「おもちやを「建物を *1 
1-1。」「胃をこわす。」「話を7 X ^0」 
「縁談を^^。」 

S する… 「健康を害する。」「感情を 
害する。」「風致を害する。」「主君を 
害する。」 


する。」 

夢想… 「 SW だにしなかった。」「天下 
を取ることを夢想する。」 

幻想…を抱く。」 「 W 1 T 的な 
絵。」— 

妄想…「劃にふける。」「被害围。」 


0 J 5使い分けるか) 

想像は、実際に知覚に与えられ 
ていない物事を心の中に思い浮か 
ベること。 

空想は、もっと自由奔放に、現 
実には あり 得ない ことをあれこれ 
思い巡らす ことを 言う。 

夢想は夢の中で思うこと、また 
夢のように当てもないことを心に 
思うことで、〈空想〉 とほ ぼ同義で 
あるが、古くは夢で神仏のお告げ 
があることを言つた。 


287 粗雑 


大い雑粗 
雑力し卩、 

把減雑 


0000 

丨仕 
だ事 
が 

1 〇△〇 

品1 
物な 

〇〇 - • 

経丨 

理な 

' 1 △〇 

神1 
経な 

I 1 OA 

文丨 

字な 

0 △ I • 

を丨 

つに 

け見 

る当 


f ど 5 使い分ける か ) 

粗雑は、 あらっぽくていいかげん 
なさま、 雑 もほぼ同義の少しく 
だけた言い方で、乱雑だの意もあ 
る。 

いい加減は無責任、 大ざっぱな 
さま、また生ぬるいの意。 
大雑把は、 大づかみで細かい点に 
注意しないさま。 


ざっぱに見積もる。」 

大まか… 「大まかに話す。」「金に磬 
まかだ。」 

雑駁… 知識を並べ立てる。」 


n ど-つ使い分けるか) 

損な ラは、物を壊す、人を死傷 
させる、何かの状態を悪くまたは 
不正常にする、などの意で、動 
詞の連用形に付いて、失敗する、 
機会を失うの意を表す。 損ねる 
は〈損なう〉の少しくだけた言い方 
で、 基本的な意味.用法は同じで 
あるが、物や人を壊したり死なせ 
たりする意には使わない。 

損じる も〈損なう〉 とほ ぼ同義で、 
ょり文章語的であるが、動詞の 
連用形についた場合、その機会を 
逃すという用法はない。 壊す は 
〈損じる〉とほ ぽ同義の和語で ある 
が、不注意ではなく、意図的に 
行う場合にも使う。 また、 「縁談 
を—」など もこの 語独特の用法。 


害する は傷つける、損なうの意 
味のほかに、「主君を—」 のように 
殺害するの意にも使う。 


粗雑 そざっ ぞんざぃ> 

I 粗雑/雑好0い加減1 ん\, 
大雑把^^/大^!まか/雑 

1 駁 fl , 

1 f 使い分け 例 j 

粗雑…細工。」「考ぇ方が細 

類。」— 

雑… 「 S 文字。」「仕事が」 
いい加減… 「いいかげんな答弁。」「5! 

かげん CI 仕事をやる。」 

大雑把… 「大ざっぱな仕事ぶり。」「刘 





育てる 288 


大まか も〈大雑把〉とほぼ同義で 
あるが、〈大雑把〉が雑だというマ 
ィナスの評価があるのに対し、こ 
れはこせこせしていないというプラ 
スの評価で使うことがある。 

雑駁は、知識や考えが雑然とし 
てまとまりに欠けるさまを言う文 
章語で ある0 _ 

〔注意〕 〈いぃ加減〉は「 I の湯」「—に 
しろ」のように、適度の意の連語、ま 
た「 I いやになる」「—年をとつている」 
のようにかなり•だいぶの意の副詞とし 
ても使う。 


育てる そだてる 
,育てる \養5 しう\育< ( i ぐむ\| 

養育 VI する\扶育 r す 


る/扶養4ぅする\育成以 
,する\養成^する 

(使い分け例 〕 

育てる… 「子を育てる。」「朝顔を育て 
る。」「弟子を w ^。」 「才能を 
る。」「民主主義を育てる。」 

養う… 「妻子を#^。」「牛馬を *1 
ぅ。」「部下を養ぅ。」「人を見る目を 
_。」 r 英気を_。」「病を*^。」 
育む… 「両親にれる。」「自由の精 
神を育む—。」三人の愛を0。」 
養育する… r 三人の子を* I 育する。」 
扶育する… 「因心師の遺児を扶育す 
扣。」 

扶養する… 「老いた両親を 
^10」 

育成する… 「苗を育成する。」「後継 
者を育成する。」「自立心を育成す 


匀」 

養成する… 「技術者を養成する。」 
「体力を養成 I 。」 


ハどい分けるか) 

育てる は、生物が順調に成長す 
るように世話をする意で、能力を 
身につけさせたり、情操や思想を 
よい方向に伸ばさせたりする場合 
にも言う。養/つは家族の生活や 
動物の面倒を見る意で、能力や 
活力を身につけ、豊かにする場合 
にも言う。前者は成長させるこ 
と、後者は生活させる ことに 重点 
がある。 

育む は、親鳥がひなを育てる、 
が原義で、〈育てる〉と同義の雅 
語的な言葉。 

養育するは、 子供を自分の手元 


289 聲える•そば’ 


で養い育てる意、 扶育するは、 
世話をして育てる意で、後者は実 
子でない場合に使う。 扶養する 
は、子供に 限らず、家族や 肉親 
の生活上の世話をして養う場合に 
言う。 

育成するは、 立派なものになる 
ように育てあげる意。 

養成す るは、教え導いて技術や 
能力を身につけさせる、の意で用 
いる。 


聳える そびえる 

I 聳える/聳 g え立たつ/そそ. 
り立たつ/峙供ぱつ\屹立^ 

する 


q 使い分け例 W 

聳える… 「雲にそびえる峰。」「塔が秋 
空にそ5^5。」 

聳え立つ …「雲の上にそびえ立つ 
山。」 

そそり立つ… 「眼前にそそり立つ超 
高層ビル。」 

そばだつ… 「南アルプスのそばだつ 
山々。」 

屹立する… 「屹立する高峰。」「高層 
ビルの屹立する街。」⑱聳立むぅす 
る。 


5使い分ける か;一 

聳える は山や建物が他を見下ろ 
すように高く立つ、の意で、比喩 
的に「斯界に—巨匠」などとも言 
う。 聳え立つ はその強調語、 


そそり立つ はその雅語的な言い 
方である。 

そばだつ は他に比べてひときわ険 
しく高くそびえ立つ、の意。 
屹立す るは同義の漢語的表現で 
かたい文章語。 


そば 

,側,傍1たら\脇,傍|\| 
際^辺 0 ? 

(使5为け例〕 

そば… 「駅の^ w の公園。」 r いつも ^ I 
ばにいてほしい。」「教わる^ w から 
忘れる。」— 

傍ら… 「机の^^。1「母の^^で子が 
遊ぶ。」「仕事の_勉強する。」 



それぞれ 290 


は脇傍側 
たら 


0000 

を丨 

出か 

すら 

P 

| 〇〇〇 

に社 
控長 
えの 
る1 

〇 ■ 〇〇 

の池 
茶の 
店1 

〇〇1 _ 

に道 
寄の 
る1 

' « ' 〇 

丨駅 

め•の 
店す 
ぐ 


I にそらす」のよぅに本筋をはず 
れた横の意にも使ぅ。 

はたは 場所よりも第三者的な立 
場、周辺の人の意が強く、「道の 
丄 「池の一」などのはた(端)はふ 
ち.へりの意。 


際は物の端や物と物との境目の 
意で、 「…際 S 」 と接尾語として用 
いるときは、…のすぐそばの ti 思に 
なる。時間的には「いまわの—」、 
「別れ一」のように、…しようとす 
る時の意。 

ほとりは主に水のある場所の近 
くやその辺りを言う。 


それぞれ 

,其其 (夫夫)喆\各(各— 
各)||-\銘銘|/個個二\ 
_一 一 1^\各自3\各人け_ 

〇使 い分け例 W 

それぞれ: •「それぞれが責任を持 
つ。」「好みは人それぞれ違ぅ。」「ど 
の詩もそれぞれすばらしい。」 

各(各各)… 「斟が意見を述べる。」「人 
はおのおの性格が異なる。」「どの辞 
書も特色がある。」 

銘銘… 「切符はめいめいが買う。」「めぃ— 
烈の判断に任せる。」「_皿。」 
個個… 「個々の意思。」「個々に契約す 


脇… 「議長のわきの席。」「わきから口 
を出す。」「話を^^にそらす。」 
はた… 「 g の見る目。」 rg の迷惑 
も考える。」 

際… 「がけの PSI に立つ。」「窓際。」「いま 
わの阐。」 

ほと D …「湖のほとりのホテル。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

そば も 傍ら もある人.物のすぐ近 
くの所の意で、後者はやや古風な 
文章語。時間的には、前者は「教 
わる一から忘れる」のよぅに、… 
するとすぐ、後者は「仕事の I 、 
勉強する」のよぅに、…と同時に 
一方での意を表す。 

脇は胸の側面で腕の付け根のすぐ 
下の所が原義で、転じて、少し離 
れた廣を言い、更に転じて「話を 




291 ぞんざい 


各個銘各そ 
れ 
ぞ 

人々銘れ 


00000 

意丨 

見の 

〇1〇1 △ 

で切 
買符 
え 

1 

• ■ 1〇〇 

色辞 
が書 
あは 
る1 
特 

' 〇 ' • • 

出丨 

せに 

よ提 


る。」「個々別々。」 

I I :•「一々の例は省略する。」「いち 
いち文句をつける。」 

各自… 「弁当は鲁が持參せょ。」 
各人… の自由に任せる。」 


(どラ使い分けるか U 

それぞれ も 各 も多くのものの一 
人一人 • つ一つの意で、副詞的 
にも使ぅが、後者の方が改まった 
言い方である。銘銘は人について 
しか使わない。 

個個は幾つかのものの一つ一つ•一 
人一人の意であるが、副詞的には 
使わない。| |は一つ一つについ 
て漏れなく •ことごとくの意で、 
副詞として使うことが多い。 

各自 も 各人 もおのおのの人•めい 
めいの意で、前者の方がよく使わ 


れるが、後者には「 I 各説 」、「I 
各様」などの成語がある。 


ぞんざい (〇 粗雑) 

,ぞんざい/ 投なげ遣ゃり/社, 

撰 r \ 疎略(粗略) r く/ 

St 

f 使い分け例 〕 

ぞんざい… 「品物をぞんざいに扱う。」 


「ぞんざいな口を利く。」 
なげやり… 「仕事がなげやりだ。」 r 釗 
げやりな態度。」 

杜撰…「ずさんな工事。」「管理がずさ 

ぎ。」 

疎略(粗略)… 「客扱いが」 
疎漏… 「 Ms のないょぅに。」 


(どラ使い分けるか) 

ぞんざいは 物事のやり方•扱い方 
が乱暴なさまで、特に口の利き方 
が丁寧でないときよく使ぅ。 
なげやりは 心を込めないで物事 
をする、また無責任な態度をと 
るさまを言ぅ。 

杜撰は、物事に誤りや手抜きが多 
くいいかげんなさま、 疎略(粗略) 
は、物事のやり方、特に人の扱い 
方がなげやりでぞんざいなさま、 




対応•対抗 292 


して決まった語句が規則的に現れ 
る現象を言ぅ。 

照応は主に、物事や文章などで、 
両者が互いに関連したり、対応し 
ていることで、〈呼応〉や〈対応〉に 
は相対する両者に動きがある場 
合が多いのに対して、この語には 
静的な感じがある。 

適応は、 ある状況•条件などにう 
まく 合うこと、また合うように自 
分の行動の仕方を変えること。 
順応は、 〈適応〉の後半に相当する。 


疎漏は、物事のやり方が大ざっぱ 
で手落ちの多いさまを言う。この 
二語は文章語。 


□ 


対 E たぃぉぅ 

1対応/呼応严\照応戢ぅ\, 
_適応|1\順応鉍ん 

(使 い分け例 ) 

対応… 「英語とドィツ語の_関係 
を調べる。」「気力に対応する体力が 


ない。」「政府の対応を求める。」 
呼応… 「互いに呼応して行動する。」 
「副詞の一^。」 

照応… 「 MW の妙。」「主語と述語が 

ない。」 

適応…「彼の性質はその仕事に MS 
tl ている。」「_の速さ。」 

順応… 「環境へのが速い。」「世間 
に順応する。」 


(どラ使い分けるか) 

対応は、 二つの事物がぁる要素 
や性質をめぐって相対する関係に 
あること、また状況や相手の動き 
にふさわしい行動をとることに用 
いる。それに対して 呼応は、 両者 
のつながりがょり緊密で、互いに 
通じ合っているょぅな場合を言ぅ。 
文法用語としては、ある語句に対 


対抗たぃこぅ 

,対抗/対決 筇\対峙 %V 

,拮抗 ? S 




293 大衆 


( 使い分け例 〕 

対抗… 「クラス^^で試合する。」 r A 
社に^社も新商品を出す。」 
対決… 「両者到の日が迫る。」「最 
終日に対決する。」 

対峙… 「源平両軍は、川を挟んで対 
¢3た。」「米ソの®が続いた。」 
拮抗… 「勢力の^ M 。」 「両チーム、攻 
撃力は^ている。」 


(どう使い分けるか) 

対抗は、 互いに向かい合ぅ勢力が 
優劣、勝敗を争って張り合ぅこと 
の意。その勝敗に決着をつけると 
いう意味合いが強いときには 対決 
を用いる。 対峙は、 山が向かい合 
つてそびえ立つように、相対する 
両者が対立したまま動かない場合 


に使う。 

拮抗は、相対するものの力量、 
勢力が同じくらいで、互いに一歩 
も譲らぬような場合に用いる。 


大衆たぃしゅぅ 

大衆\民衆^ぅ\公衆 

^|ぅ\人民^\国民だ\庶 
I 民む , 

f 使い分け例〕 

大衆… 「_に受ける文学。」「_ 
食堂。」「_運動。」 

民衆… 「白由を求めて立ち上がる民 

_。」「圈芸術。」 

公衆… 「_の面前で恥をかく。」「駅 


前で公衆に訴える。」「公衆電話。」 
人民… 「人民の人民にょる人民のた 
めの政治。」「€戦線。」 

国民… rsw の権利と義務。」「国民 
所得。」「ドイツ_。」 

庶民… 「庶民の暮らしがよくなる。」 
「_に手の届かない高い家。」 


(どラ使い分けるか) 

いずれも社会を構成する、世間 
一般の人々を言ぅが、視点の違い 
がある。 大衆は、 知識人に対す 
る大多数の一般人、また、金持 
ちに対する大多数の一般人といぅ 
意味合いがある。それに対して、 
民衆は、 国家や社会を構成する 
人々の間の支配•被支配の力関係 
の中で用いられることが多く、 
その中で、積極的に働きかけをす 




大体 294 


る被支配層の人々、政治的意識 
のある〈大衆〉といつた感じがある。 
公衆は、その地域に住む、ある 
いは、その場所に居合わせる一般 
の人々を言い、〈大衆 X 民衆 X 人 
民 X 庶民〉のよぅに階級.階層と 
して見たものではない。 

人民は〈民衆〉友破ぼ同義である 
が、近年は、 S 運動の中でブ 
ルジョアジ^—に対するプロレタリア 
1卜といぅ意識をにじませて用い 
た。「会戦線」は、ファシズムに 
反対する広範な団体や個人の結 
集した共同戦線のこと。 

国民は、国家への所属の視点か 
ら、その国を形づくる一般の人々 
を言う。〈公衆〉と同様、階級•階 
層として見たものではない。 
庶民は〈大衆〉とほぼ同義だが、 
日常生活の暮らしぶりの視点か 


ら、平凡な暮らしを営んでいる普 
通の人々を言ぅ。〈大衆〉は「大多 
数」に、〈庶民〉は「平凡な暮らし」 
に意味の重点がある。 


大体 だいたい (〇概要) 

I 大体/大概1/大抵誌/ 

_大凡||\凡3そ\殆兮ど」 

(使い分け例) 

大体… 「窃のところ満足だ。」「窃 

終わつた。」「^5そんな ことを する 
君が悪い。」五十キログラム。」 
大概… 「スーパーでは^^の物を売つ 
ている。」「いつも大概家にいる。」「う 
そは大概ばれる。」 


大抵…「彼は大抵のことは知ってい 
る。」「並大抵の苦労でなかった。」 
おおよそ… 「事件のおおょそはもぅ 
分かっている。」「おおょそ一一:十人く 
らい集まつた。」 

およそ… 「出席者は^^三十人。」 
意味のない話だ。」 

ぼとんど… 「ほとんどの人が眠った。」 
「ほとんど落ちる ところ だつた。」 


ハど- i い分けるか) 

大体は、名詞としては大部分の 
意。副詞として用いる場合も〈お 
およそ X 大抵 X ほとんど〉とほぼ 
同じ意味だが、例の第三の場合 
のようなもともと、そもそも、と 
同じ意味は〈おおよそ><大抵 X ほ 
とんど〉にはない。 

大概 も〈大体〉とほぼ同じだが、 



295 大変 


ほおお大大大 
と卜お 
ん 4 *'よ 

どそそ抵概体 


•〇1 1 1〇 

がな1 
悪態そ 
い度ん 

〇 •■ 〇〇〇 

にはふ 

y 1 ? 

る家ん 

〇〇〇 • ■ 〇 

ま人丨 
7は三 

A 集十 

〇 A A 〇〇 1 

驚と1 
かでの 
ぬはこ 

1 1 1 〇 1 i 

か労並 


であるが、第二例のよぅに、 もぅ 
少しのところでとか、すんでのこ 
とを意味する場合は〈ほとんど〉だ 
けである。 


大変 たいへん (〇凄 S い) 

,大変\ 非常' r うに/大層— 

Is ン甚一なだ/極 tos めて\と 

ても\滅法^\とびきり 


(,使い分け例) 

大変… 「この本は_やさしい。」「刘 
変な人出だった。」 

非常に… 「今年の冬は^^暖い。」 
大層… 「今年のテスト問題は囊難 
しい。」数。」 

甚だ… 「_迷惑な話だ。」 

極めて… 「それは®^重大な事柄 
である。」 

とても… 「まずくてとても 食べられな 
い。」!^無理な話だ。」「君は ^I 
ても きれいだ。」© とっても。 
滅法… 「あの男は力が強い。」 
とびきり… r とび^^ 上等の洋服。」 


(ど-つ使い分けるか) 

いずれも事物の程度や数量などが 
甚だしいさまを表すのに用いる副 
詞または副詞的な語。 


〈大体 X おおょそ><おょそ〉のょう 
に大ざっぱな量を言う場合には使 
えず、二十キロほどの距離 
である」 とは 言わない。 

大抵は、〈大体〉ょりももっと全部 
に近い大部分という感じがある。 
また〈大概〉と同じく、大ざっぱな 
量を表す用法はない。〈大概〉と異 
なり、普通.並々の意がある。 
おおよそは、物事の量やありさ 
まを おおづかみに示していること 
を表す。「いつも一家にいる」「うそ 
は一ばれる」のょうな事柄の起こ 
る可能性について言う場合に〈おお 
ょそ〉は使えない。 

およそは、〈おおょそ〉の転で、用い 
方はほぼ同じであるが、副詞とし 
て用いる場合、下に打ち消しを伴 
って、まったく、全然の意味を表す。 
ほとんどは、〈大抵〉とほぼ同義 



体面 296 


大変•非常に.大層は ほぼ同義で 

あるが、〈大変〉が最も口語的で 
あり、また、〈大層〉は他の二語 
よりやや程度が弱い感じである。 
〈非常に〉は形容動詞の連用形。 
〈大変 X 大層〉は形容動詞語幹で 
もある。形容動詞としては 、「I 
な数」に〈大変 X 大層〉は適当だが 
〈非常〉は不適当といつた違いがあ 
る。〈非常(に)〉は前二者と異な 
り、それ自体に「大」 といぅ 意を含 
まないのである。甚だ•極めては 
どちらもやや文章語的な和語だ 
が、後者の方が程度が大きい。 
とてもは、これらの語と共通の 
意味としては最も口頭語的な和 
語。打ち消しを伴う「とうてい」の 
意の用法は〈とても〉だけにあるも 
ので〈大変〉などにはない。なお、 
同義の〈とつても〉は、話し言葉で 


用い、一墨めた感じがする。 
滅法•とびキ J りはほかの語ょり 
更に程度の甚だしさを強調してい 
る感じがある。〈滅法〉は仏教語 
からの転。〈とびきり〉は肯定的に 
使うことが多い。 


体面 たいめん (〇見かけ) 

,体面/体裁 だ \ 面子 ^ /— 
,見栄 ^ §r 

c 使ぃ分け例〇 

体面…「社長のを保つ。」「5®を 
重んずる。」 「5 M 上。」 

体裁…「5¥が悪ぃ。」「詩の 5 W を整 
える。」「お体裁を言う。」 


面子… 「面子にこだわる。」「親の面子 
をつぶす。」「_が立つ 。I 
見え… 「見ぇをはる。」「見ぇで高価な 
毛皮を買ぅ。」 

沽券… 「このまま黙っていては、•顯 
にかかわる。」「_が下がる。」 


(どう使い分けるか) 

体面は世間から見られたときに 
おかしくない、それ相応の表向き 
の外観やありさまを言い、体裁 
は、外見の意のほか、外から見ら 
れたときの自分の状態についての 
感じを表す。「5^が悪い」とか 
「詩の® S 」 とかは言わない。 
面子は〈体面〉と同義であるが、 
いくぶん俗語的な響きが ある。 ま 
たが立つ」 「 Byf を立てる」は 
慣用的な言い回しで、〈体面〉で言 


297 耐える 


うとき は「体面を保つ」などの よう 
に言う。 

見えは、 自分を実際以上によく 
見せよう とすること。 「 I をはる」 
という慣用的な言い方を〈体面〉 
〈体裁 X 面子 X 沽券〉 で 言う こと 
はでき ない。 

沽券は、 〈体面〉や〈体裁〉が主に 
見かけ•外観を意味するのに対し 
て、その人の品位とか値打ちにつ 
いて使われる。 


耐える たえる 

耐える\堪(悚える/忍 
© U ぶ\我慢 s んする/辛抱^ 
,する\忍耐はする 


(使い分け例 W 

耐える… 「苦しみに耐ぇる。」「地震に 
耐ぇる構造。」 

こらえる… 「笑いを こらぇる。」 「涙を 
こらえて歩く。」 

忍ぶ… 「恥を^5で人前に出る。」 
我慢する… 「今の子供は我慢するこ 
とを知らない。」「眠けを我慢する。」 
辛抱する… 「どんなつらいことも!^ 
してやりぬく 〇」 

忍耐する… 「忍耐するにも限度があ 
る。」 


〇ど5使い 分けるか ) 

いずれも、苦し さや つら さを 我慢 
したり、外部から加えられた力や 
刺激などに負けないで持ちこた 
える意で用い、互いに他の語と置 


き換えられる場合も多い。 

耐える は、物がその主体となる 
こともありうるが、他の五語は人 
だけが主体になる。(擬人化され 
た物はもちろん別。)また、〈耐え 
る〉は自動詞であり、「…を 
る」という言い方はできない。 
こらえる は、苦しみやある感情 
を我慢するというより、表面に出 
るのを抑えるという意に使う場合 
が多く、「涙を—」は他の語に置 
き換ぇにくい。 

忍ぶは自分の内に生じた精神的 
苦痛にじつと耐える意で、特に 
「恥を—」という場合、他の語は 
使ぇない。 

我慢す るは、感覚的な もの、 外 
部からの刺激に耐ぇる場合に比較 
的よ く 使うが、 辛抱す るは どち 
ら かというと精神的な ものをこら 



絶える•高飛車 298 


える場合が多く「暑さを一」など 
は〈我慢する〉がふさわしい。 

忍耐するは、やや文章語的な言 
い方。おもに精神的な苦痛に耐え 
る場合に使い、自然現象とか生 

丨理現象にはあまり使わない。_ 

(注意〕 〈堪*える〉は「聞くに丄「感 
に—」 などと 使ぅ語 だが、 〈耐える〉 と 
同義でも使ぅ。 

絶える たえる 

I 絶える\途絶*: t える/断絶— 
する\絶滅棼する I 

使い分け 例 j ) 

絶える…「子孫が^^。」「消息が *1 
える。」「石油の備蓄が絶える。」「息 


が絶える。」 

途絶える…「車の流れが途絶える。」 
「便りが途絶える。」「話が途絶え 
5 1。」®途切 i ; れる。 

断絶する…「国交を断絶する。」「家 
系がた。」 

絶滅する…「恐竜は^た。」「犯 
罪を絶滅すを。」 


(どう使い分けるか〕 

いずれも今まであつたもの、続いて 
きた状態.動作などがそこで終わ 
りになつたり、切れてしまつたり 
する意。 

絶えるは、これまで続いてきた状 
態などがいつたん切れる。また、 
最終的に終わりになる、の意であ 
るのに対して、途絶えるは、一時 
的に、多くは急にふつとそこで 


切れるというニュアンスをもち、再 
び元の状態に戻る可能性も含ま 
せている。死ぬ意味の「息が^^ 
る」を、〈途絶える〉ではおかしい。 
断絶するは今まであったものが、 
まったく断ち切れてしまう意で、 
〈途絶える〉を強調した感じの漢 
語的な言葉。 

絶滅するは、生物あるいは人間 
が作りなす物事が残らず滅び無く 
なってしまう意で、生命のない自 
然物(例えば石炭など)には言わ 
ない。これも強い調子のある漢語 
的な言葉で、〈断絶する〉と共に 
文章語である。 


高飛車たかびしゃ 
「高飛車\居丈高 ^ け \頭1 


299 妥協 


*1ごなし\高圧的1?ぁっ\ 

_威圧的茲っ 

( 使い分け例〕 

高飛車… 「相手の弱腰に付け込んで 
高飛車に出る。」「高飛車な口ぶり。」 
居丈高… 「居丈高に構ぇる。」 

頭ごなし… 「頭ごなしにどなりつけ 
る。」 

高圧的… 「彼の高圧的な態度が嫌い 
だ。」 r 高圧的な当局の姿勢。」 
威圧的… 「威圧的な態度で迫る。」 


〇どう使い分けるか) 

高飛車は 相手の立場に構わず、 
いきなり自分の態度や意見を押し 
出して相手の意表をつくような場 
合に用いる。 


居丈高は 、「いたけ」(座っている 
ときの 背の高さ)を高くする こと 
で、相手を威圧するような態度 
で応対する意に用いる。 

頭ごなしは、 相手の言い分に耳 
を傾けず、最初からがみがみ言っ 
たり、どなりつけたり、叱ったり 
するような場合に使う。 

高圧的と威圧的は ほぼ同義で、 
〈高飛車〉〈居丈高〉が主に個人の 
態度に言うのに対して、もっと巨 
大なものについても言える。自分 
の意見や態度を相手に押し付け 
る度合がより強い感じがある。 
〈高圧的〉はどちらかというと目に 
見える外面的な圧力で相手に迫 
る場合に用いるが、〈威圧的〉は更 
に内面的な圧力がそれに加わり、 
相手を圧倒する力がより強い。 


妥協 だきょぅ 

—妥協/歩1み寄ょり/譲 - f ® り 
合*い/互譲 0 r ょ ぅ\妥結1> 
_折ぉり合*い\協調 Ilad 

(使い分け例;') 

妥協… 「今度の内閣は三派襲の産 
物だ。」「人生では妥協することも 
必要だ。」 

歩み寄り… 「問題の解決には、両者 
©• 歩み寄りが必要で ある。」 
譲り合い… 「席の譲り合い。」 

叫の心が大切である。」 

互譲… 「15®の精神を養ぅ。」, 
妥結… 「労使徹夜の折衝の末を 



卓越 300 


協互歩妥 
み 

調譲り協 


〇〇 ■ 〇 

神1 

の 

精 

■ ' I 〇 

物丨 

の 

産 

'■ 〇〇 

す丨 

るが 

成 

立 

〇 ' 〇〇 

る1 
を 
図 

1 〇 1 1 

徳1 
の 


力を合わせる という 点に力点が置 
かれ、積極的で前向きの姿勢があ 
る。 「5 M の精神」とか「彼には ml 
_性がある」に〈妥協〉は使えない。 


卓越たくぇつ 

,卓越 \抜群这\ 卓絶癸\, 
,傑出5 r \ 超絶?!う 

r 使い分け例〇 

卓越… 「 WM 3 た才能の持ち主。」 


みる。」 r 交渉が妥結する。」 
折り合い… r 両者の折り合いをつけ 
る。」 

協調… 「他人と協調する心に欠け 
る。」「労使の協,にょり解決を図 
る。」 


( ど-つ使 い分けるか— ) 

妥協は、 互いに意見や利害が対 
立しているときに、一方または両 
方が自分の意見を抑えたり、譲 
り 合つ たりして事をまとめること 
で、 どちらかといぅと 相手に自分 
を合わせ、不本意ながらも自分の 
意見や立場を抑える といぅ ネガ テ 
イブな 響きを 持つ。 

歩み寄〇 は〈妥協〉に比べて表現が 
やわらかく、 条件 や 主張などの一 
致点を求めて互いに自分の立場を 


讓り合 うことで、 〈妥協〉 のよう な 
ネガティブな塑一きはない。「妥協の 
産物」に〈歩み寄り〉は使えない。 
譲り合いは 順番とか権利などを 
互いに相手に 譲ろうとすること 
で、「席の譲り合い」に〈歩み寄り> 
は使えない。態度や姿勢と いうよ 
りも、心や精神のあり方を表す。 
互譲は 〈譲り合い〉と同義の文章 
語で かたい 表現。〈互譲す る〉の 形 
はない。 

妥結 も、意見や立場の対立する 
両者が、互いに譲り合つて話をま 
とめることで あるが、 個たという 
よりも、結社、団体など組織間 
の交渉に用いられる。 

折り合いは、 「—がつく」「 I をつ 
ける」という形で用いる。 

協調は、利害 •立場や意見などの 
異なるものが、互いに譲り合い、 



301 確か 


抜群…「抜群の成績で卒業する。」 
卓絶…た文章で読者を魅了 
する。」 (§) 卓抜。 

傑出…た政治手腕。」「彼は 
文武両道に倒出している。」 

超絶…「古今に®^た偉業。」 


ハ, どう使い分けるか I 

いずれの語も他と比較にならぬほ 
ど飛び抜けて優れていることに用 
いる。 

卓越は文章語でかなりかたい表 
現。サ変動詞として用いることが 
多い。 

抜群は名詞および形容動詞とし 
て用い、サ変動詞〈抜群する〉はな 
い。多数の中で他と比べて特に飛 
び抜けていることの意。それに対 
して〈卓越〉は、特に他との比較を 


意識せず、絶対的に飛び抜けてい 
る ことの 意。「_の成績」を〈卓 
越〉に置き換える ことは できない。 
卓絶は 〈卓越〉とほ ぼ 同義で ある 
が、〈卓越〉 はどちら かとい うと 総 
合的な能力、才能、人格など事 
柄の本質的側面について用いるこ 
とが多いのに対し、〈卓絶〉 は 更に 
個々の具体的な事柄について用い 
る。 「卓越した能力」 に 〈卓絶〉 は 
使わない。 

傑出は個々の具体的な事柄ょり、 
ょり全体的な能力、手腕、人物 
の偉大さに用いる。「傑出した人 
物」に〈卓越〉は使えない。 

超絶は、他の ものとは 比べる こと 
がで きない ほど、 はるかに 優れて 
いることの意。 


確か たしか (〇明らか) 

,確か/確実辟/着実 srv 

_正確找\的確(適確)11— 

(使い分け例一- 

確か… 「 これほど^§¥証拠はない。」 
r この男の身元は 
確実… 「当選は一*^。」 

着実 … 「SSS 準備を進める。」「仕事 
の進め方が S 1 P ?」 

正確… 「彼の時計は 
的確… 指示を与える。」 


ハど-0使い分けるか j 

確か も 確実 もほぼ同義の和語と 




足す 302 


的正着確確 
確確実実か 


〇〇△〇〇 

え丨 

るに 

答 

_ 0000 

行丨 
すに 
る進 

• 〇 > 〇〇 

情1 
報な 

1 1 • 〇〇 

は彼 
丨の 
だ合 
格 

1 ' ' ' 〇 

9 1 
だに 
そ 


漢語だが、〈確か〉は、自分の主観 
的判断で事実に限りなく近いこと 
を表すのに対して、〈確実〉は白分 
の判断でどぅ、といぅことよりも 
客観的な事実にウェィトを置く。 
着実は落ち着いて確実に物事を 
処理することで、一歩一歩事を 
進めていく行為や態度に用いる。 
正確は、事物そのものの正しさ、 
間違いのないことを示す。 

的確は、判断や表現などの意識 
の働きに多く用い、事物の本質か 
ら外れない正確さを表す。 


足す たす 

足す/加 fc <える\添そえる\| 
追加 r する\添加^す 
る/付っけ足たす 

G 使い分け例^ 

足す… 「七に五を_。」「水を^:。」 

「砂糖を55^。」 _ 

加える… 「彼女を仲間に加ぇる。」「ス 
ピードを加ぇる。」「原稿に手を;^ 
る。」「敵に一撃を 
添える… 「贈り物に手紙を 
「病人に手を添える。」「花を!^ 
51。」 

追加する… 「注文を追加する。」「言葉 


を追加する。」 

添加する… 「人工甘味料が一:て 
ある。」「食品物。」 

付け足す… 「説明を付け足す。」「材 
料を付け足す。」 


f どう使い分けるかし 

足す も 加える も、すでにあるも 
のに、何かを増し加える場合に用 
いるが、〈足す〉は、すでに ある 同 
質のものの不足を埋め合わせると 
きに使う。〈加える〉は、例えば、 
すでに塩は入っていたが、それに 
新たに砂糖を加える、というよう 
に、異質のものを付け加える場合 
に使う。また相手に影響を及ぼす 
ような行為に用いる場合も <足 
す〉ではなく〈加える〉を使う。 
添える はややニュアンスが異なる。 


303 助ける 


すでにある主となるものに補助的 
に何かを付ける場合に使う。また 
〈足す〉や〈加える〉は、数えるこ 
とができる事物について使うこと 
が比較的多いのに対し、〈添える〉 
は、言葉や行為でそばから補った 
り、すでにある事物を引き立たせ 
るために付け加える、 というよう 
な意で使うことが多く、その場合 
〈足す〉や〈加える〉は使えない。 
追加するは、 後から増やしたり、 
付け加えたりする意のかたい表現 
で T 特に不足している事物を補う 
場合に使う。 

添加するは、 すでにある本体に 
何か別のものを添え加える場合に 
使う、ややかたい文章語。食品に 
色や味、香料などを添えるよう 
な場合によく使われる。 

付け足す は〈足す〉とほぼ同義で、 


すでに ある ものに同じ性質のもの 
を補い加える場合に使ぅ。しかし、 
言葉や説明、注などを〈付け足す〉 
と言ぅと き、〈足す〉は使わない。 


助ける たすける(〇救助) 

I 助ける/救<1-う\手伝?.^た 

>つ/援助 K する 


(使い分け例) 

助ける… 「おぼれた人を助ける。」「家 
計を®^。」「図表が文意の理解 
を助ける。」 

救 I つ…「命を聲。」「気分的にれ 

る。」「_ようのないやつ。」 

手伝 I つ…「食事の支度を!;」「友 


人の店を手伝ぅ。」「折からの強風 
も^^て火は広がった。」 

援助する… 「資金面で援助する。」 


ハどう使い分けるか W 

助ける は、力を貸して相手にそ 
れ以上の悪い事態を避けさせる、 
の意。「朝出す」の形で〈救ぅ〉に 
より近い意味になる。なお「命を 
助ける」は手を下してそぅする場 
合と、 逆に手を下さない ことによ 
つて、 つまり 殺さずに見逃す場合 
とがある。 

救う は、よくない状況の中から人 
を抜け出させる、の意。精神的 
な ことにもよ く使われる。 

手伝う は、その活動の主軸とな 
る人の補佐として力を貸す、の 
意。 また 事が順調に進むよぅに力 




戦い•たちまち 304 


戦争は武力にょる国家間の戦い 
だが、比喩的に用いて「受験—」 
「交通—」などとも言ぅ。 

戦は戦争の雅語的な言い方。戦闘 
は、戦争において直接武力を行使 
することをぅ。 

合戦は古めかしい語であるが、 
「紅白歌—」などと使われる。 
対戦は敵味方になつて戦うこと 
で、現在では試合や競技について 
よく使*つ。 


を貸すのであって、危険や困難の 
中における場合とは限らない。 
〈助ける〉〈救ぅ〉と違って精神面に 
力を貸す意味では使わない。 
援助するは、 後押しとして力を 
貸す意なので、〈手伝う〉のよう 
に、相手に付いたままでするとい 
う意にはならない。 


戦いたたかぃ 

,戦い/闘 1 たい\戦争 ?1 \戦, 
31 <\戦闘|!\合戦爲\対 
,戦筇 

(使い分け例 W 

戦い…「源平の SI 。」 「ワーテルローの 


戦い。」「日米の H 。」 

闘い…「労使の3。」「難病との鬪 

ぃ。」_ 

戦争…「戦争を放棄する。」「また戦 
争す^ I 気か。」「日清_。」 

戦…「觸の庭(戦場)。」 

戦闘…「国境で gW を交える。」「最 
初に戦闘部隊。」 rgs 機。」 
合戦…「川中島の^ S 。」 「東西両軍 
が関が原でた。」— 
対戦…「強豪チームと対戦する。」 


( k . つ使い分けるか ) 

戦いは、〈闘ぃ〉ょり一般的.包括 
的である。闘いはどちらかと言え 
ば規模の小さいものに使う。ま 
た、具体的に目に見えるものでな 
い困難や苦痛に立ち向かうという 
場合は〈闘い〉の方がふさわしい。 


たちまち 

|勿心*|ち\見みる見みる\見み| 
る間 まに/ R たく 間 まに/ 

' 瞬 ^んに \立 たち 所 5 !に 


305 断つ 


〇使い分け例〕 

たちまち… 「宝くじがたちまち売り 
切れる。」「空がたちまち曇る。」 

見る見る… 「顔が見る見る青くな 
る。」 

見る間に… 「雑居ビルが見る間に炎に 
包まれた。」 

瞬く間に… 「様相が瞬く間に変わ 
る。」 

一瞬に… 「魚雷を受け船が TWU し 
て沈む。」 

立ち所に… 「難問をたちどころに解 
決する。」 


QU -っ使い分けるか) 

いずれも極めて短い時間の間に、 
状態が変わったり、ある事態が起 
こる場合に用いる語である。 


たちまち に比べて 見る見るは、 
実際見ている目前で刻々と変わつ 
ていく様子を示す度合が強い。 
見る間には、 「見ている間に」とい 
うこと で、事態の変わつていく様 
子というより、その時間の短さを 
示す場合に使う。 

瞬く間に • |瞬には、 見る間も 

ないほどのごく短い時間に事が変 
化する、その時間の素早さ、短 
さを更に強調する。 

立ち所には、 ややニュアンスが異 
なる。例えば「雪が I 消える」とか 
「顔が—赤くなる」とはあまり言わ 
ないように、自然的、生理的な 
変化には使わない。〈立ち所に〉 
は、人間の意思や行為が何らかの 
形で関与して、事態が即座に変 
わる場合に用いることが多い。 


断つ たつ 

1断つ/絶たつ/裁たつ\断絶 
棼する/絶縁^する/切 
断 K する 


(使い分け例) 

断つ… 「糸を^^。」「酒を暫。」 
絶つ… 「交わりを g 。」 「消息を_ 
OI 。」 

裁つ… 「布を^^。」「 * 物を^^。」 
断絶する… 「家系が断絶する。」「国 
交を断絶する。」「親子の^ S 。」 
絶縁する… 「親類と絶縁する。」「ゴム 
で絶縁する。」「§体。」 

切断する… 「足を切断する。」 



妥当 306 


(ど-つ使い分けるか〕 

断つ は、物を刃物などで二つ以上 
に切り離したり、物事を途中で 
遮る場合に用いる。 

絶つ は、今まで続いてきたつなが 
りや関係が切れてしまったり、そ 
こで終わる場合に用いる。 

裁つ は、衣服を作るために布を 
切る、の意。 

断絶するは 〈絶つ〉とほぼ同義だ 
が、漢語的な言い方でかたい文章 
語。「親子の縁を驾」に〈断絶す 
る〉はあまりふさわしくない。 
絶縁するは、 人とのつながりや 
縁を絶つ場合や、電気•熱などが 
伝わるのを断ち切る場合に用い 
る。「親類と—」に < 断絶〉は使え 
ない0 

切断するは、 長く続いている物を 


断ち切ることで、〈断つ〉が二つ以 
上の部分に分かれることを強調す 
るのに対して、〈切断する〉は切り 
離す動作を強調する。 


妥当 だとう 

,妥当/穏当^\順当^ん\| 
I 適当|1\適切 ?I 

f 使い分け例 , j 

妥当… 意見。」性。」 
穏当… 「彼の意見はまあ 
順当… 「順当に勝ち進む。」「順当な 
結果に満足する。」 

適当… 大きさに切る 。」 「MM 
*1土地が見つかる。」 「 SWS 判断す 
る。」 


適切… 「彼の指示は実に適切だ。」「適 
3指導。」 


f どラ使い分けるか) 

妥当は、 物事の判断や処置が道 
理にかなって無理がなく、びたり 
と当てはまる場合に用いる。 
穏当は 〈妥当〉に比べて、多少の 
相違、不満は あるとしても 一応 
道理にかない、穏やかで当たり障 
りのないさま。 

順当は、 物事の順序や結果が予 
想通りに進んだり、道理にかなっ 
ていることで、「—に勝ち進む」に 
〈妥当〉や〈穏当〉は使えない。 
適当は、 ある状態、分量、性質、 
程度などが物事や人に比較的ぅ 
まく当てはまる場合に用いる。当 
てはまる度合がかなり緩やかで、 



307 例える•楽しみ 


適順穏妥 
当当当当 


_ 〇〇〇 

1§ 

〇△〇1 

篇 

〇〇1 1 

進1 

t » 

1 ' 〇 • 

欠 

1 1 1 〇 

1 

性 


「Iにやれ」のような場合、いい加 
減の意にも用いるが、その場合 
〈適切〉は使えない。 


適切は、その場や事物にぴったり 
と当てはまる場合に用いる。「I 
な助言」に〈適当〉は使えない。 


例える たとえる 

1例(喩 •譬) える\準(擬 )1 
s ぞえる/見立 s てる/見み 
なす(看做 I す) 


(使い分け例) 

例える… 「彼女の美しさを花に^ 

るとバラの花だ。」 _ 

なぞらえる… 「人生を旅になぞらぇ 
^10」 

見立てる… 「花びらが舞ぅのを雪に 
見^!てて、花吹雪と言ぅ。」 
見なす… 「正解と見なす。」 


( ど-つ使い分けるか } 

例える は、ある事柄を分かりや 
すく説明するために、それと似通 
つた具体的な物を引き合いに出す 
場合に用いるが、 なぞらえるは、 
二つのものを互いに似通った性質 
を持つものとして比べてみると 
いう意味を持つ。 見立てる は、 
目的を持って、ある物を他の物だ 


と見る、の意。 

見なす は、やや判断の下しにく 
いようなものを、仮にそうではな 
いかと判断して取り扱う、また、 
本来異なるものを法律上同一視 
する、の意。他の三語と語義的 
にやや異なる。 


楽しみ たのしみ 

1 楽しみ/娯楽. t r \ 歓楽! tv 
,享楽!1ぅ\慰安|ん 
( 使い分け例 d 

楽しみ… r 読書をにする。」「孫 
の成長がだ。」 

娯楽…番組が少ない。」「人の生 
活には必要だ。」 




多分 308 


歓楽… 「 S におぼれる。」街。」 

享楽…「囊にふける。」「享楽主義。」 

慰安…「従業員ののため本日休 
業。」「老人を Ml 安する。」 


ハど5使い分けるか j 

楽しみは心が満ち足りてくつろい 
だ気分で安らいだり、何かをしみ 
じみと味わつたり、自分の好きな 
事をする ことな ど、一般的に広く 
用いられる。また楽しい事を期待 
したり、心待ちにする場合にも用 
いる。 

娯楽は〈楽しみ〉と同義の漢語だ 
が、やや遊びの要素が強い感じが 
ある。 

歓楽は、人の感覚を喜ばせる楽 
しみに用い、一孚楽もほぼ同義であ 
るが、前者の方がより具体的な場 


合が多い。 

慰安は、自分でなく他人の労を 
ねぎらつたり、心を慰めたりする 
場合に用いる。 


多分 たぶん 

,多分/恐?らく/どうや— 
ら\蓋1し _ 

f 使い 分け例 ) 

多分…「多分成功するだろう。」「多 
別大丈夫でしよう。」 

恐らく… 「午後は 恐らく雨になる で 
しよう。」「恐らく明日は行くことに 
なろう。」 

ど一つやら… 「どうやら 救助されたよ 
うだ。1「どうやら雨らしい。」 


蓋し…「けだし名言である。」 


(ど-つ使い分けるか—') 

多分は、副詞としては、かなり確 
度の高い推量を表す場合に使ぅ。 
恐らく もほぼ同義であるが、〈多 
分〉 のよぅに 名詞の用法はなく、 
また、やや文章語的である。この 
二語は推量の助動詞「ぅ」「よぅ」 
などを伴ぅのが普通。 

どうやらは、十分にはつきりした 
根拠ではないけれど、周りの様子 
や状況から、何となくそぅではな 
いかと推定する(推量に基づき判 
断を下す)場合に用い、推量では 
なく、推定の助動詞「らしい」「よ 
ぅだ」「そぅだ」などを伴ぅのが普 
通である。ほかに、何とか•どぅ 
にかの意もある。 



309 食べ物•食べる 


ど 

Z ) 

や 

ら 

恐 

ら 

< 

多 

分 


1 

〇 

〇 

雨明 
だ日 

tf 

1 

1 

〇 

す丨 

るに 

頂 

戴 

〇 

1 

1 

だ敗 
の 

〇 

1 

1 

て丨 

v ef 


蓋しは、かたい文章語で他の三 
語ょり更に確度が高く、十中八 
九まず間違いないだろうという、 
確信的な推定を表す。断定の助 
動詞を伴うことが多い。 


食べ物 たべもの 

I 食べ物/食 <ぃ物|\食物| 

_ぬく\食料れ5<\食糧れ5<_ 

0 使い分け例 〕 

食べ物… 「 w ¥ を粗末にするな。」 


食い物… 「食い物の文句を言ぅな。」 
食物… 「米を主要な食物とする国 
民。」— 

食料… 「食料を買いだめする。」 
食糧… 「劃の生産が落ちる。」 


(どう使い分けるか W 

食べ物は 日常生活のなかで最も 
広く用いられ、人間や動物の生 
命維持に必要な穀類、野菜、肉 
など食べられる物すべてを言う。 
そのまま 食べられる物という意味 
で、すでに料理した物、加工した 
物を言う場合が多い。 

食い物は、 〈食べ物〉 と 同義。本 
来敬語であった〈食べ物〉が普通の 
語になつたのにつれ、こちらは今 
では、 ややぞんざいな言葉になつ 
た。 


食物は、 〈食べ物〉がそのまま食べ 
られる物を指す場合が多いのに対 
し、そういう限定なしに一切の食 
ベられる物を言う。 

食料は〈食物〉と同義にも用いる 
が、缶詰めとか魚、生野菜、肉 
など、主食以外の食物を言うこ 
とが多い。 

食糧は、主に米、麦など主食と 
なる食物を言う。 


食べる たべる 

I 食べる/食くう/食'、 らう/, 
食 < b ょする\召めし上ぁが 
る/頂(戴)1たく/喫 OS する 





だます 310 


〇使い分け例) 

食べる… 「ご飯を食べる。」 

食う… 「そろそろ飯でも^^ぅか。」 
食らう… 「大飯を食らぅ野郎だ。」 
「酒を食らぅ。」 

食する… 「米を食する民族。」 
召し上がる… 「どぅぞお先に召し上 
句て下さい。一 I 
頂く… 「おいしくました。」 
喫する… 「茶を喫する。」「たばこを喫 
する。」「大敗を喫する。」 


(ど1つ使い分けるか) 

食べるは、もとは、〈食ぅ〉「飲む」 
の謙譲語•丁寧語だったが、現在 
その意識は薄れ、日常最も広く 
用いられる。また現在、飲み物の 
場合は用いない。 


食一つは、 〈食べる〉に比べ、現在い 
くぶん粗野な感じに響く。 

食らう は〈食ぅ〉よりさらにぞん 
ざいで粗野な感じがある。 

食す るは漢語的な文章語で、普 
段の会話には用いない。 

召し上がるは、 〈食ぅ〉の尊敬 
語。 頂くは 同じく謙譲語•丁寧 
語。 

喫するは、飲食する意の非常に 
かたい文章語で、転じて「大敗を 
I 」のよぅにも用いる。 


だます 

1騙* ft * す/欺 & | く V ごまか, 
す/担 t ぐ/偽 r る \誑1 
かす 


(使い分け例) 

だます… 「だまして、にせものを買わ 
せる。」「子供をだまして寝かせる。」 
欺く… 「人目を欺く明るさ。」「親を欺 
2:て、こっそり金を持ち出す。」 
ごまかす… 「税金をごまかす。」「話 
を、笑ってごまかす。」「数をごまか 
1-10」 

担ぐ… 「彼は人を!^のがぅまい。」 
「ムフ度は、 まんまと _れたな。」 

偽る… 「名前を^5。」「所得を®^て 
申告する。」「自分を偽る。」 
たぶらかす… 「女にたぶらかされる 
な。」「彼をたぶらかして金を巻き上 
げる。」 


(ど5使い分けるか) 

だます は、本当でない事や物を 




311 駄目 


偽ご欺だ 
まま 
かま 
るすくす 


0000 

を 

1 

〇〇 - ■ 

百 

を 

1 

1 〇 1 1 

を 

1 

1 1 〇 1 

丽 

待 

を 

JJ 


たりしたりするという、行為の不 
真実に重点が置かれた使い方が多 
い。文章語。 


たぶらかす は、ぅまいことを言つ 
たり、ごまかしたりして、相手の 
正常な判断を迷わしたり、失わ 
せる場合に用いる。 


駄目だめ 

—駄目/台無^し\ ふい/お, 
じやん 


ハ使い分け例) 

駄目… 「ただ口で言っても駄目だ。」 
「甘やかして子供を駄目にする。」 
「もぅこれ以上どぅにも駄目だ。」 
台無し… 「今までの努力も、これで 
台無しだ。」「しみが付いて、洋服が 
台無^^なった。」 

ふい… 「せっかくのデ^~卜をふいにす 
る。」「縁談が^^になる。」「今まで 
の苦労が^2になる。」 

おじやん… 「雨で試合がおじゃんにな 
った。」「彼の一言で計画はおじゃん 
だ。」 


q ど5 使い分けるか ) 

駄目は、 かなり広く用いられる。 
何 かをしても、予想通りにならな 
かつたり、思うような結果になら 


本当だと思い込ませる意。 

欺く も、〈だます〉とほぼ同義で 
あるが、すでにその人が持っていた 
判断や期待に背いてだます意味合 
いを持つ。〈だます〉より文章語的 
である。 

ごまかす は、本当の事や内容、 
姿などを、その場や表面を取り 
繕って隠したり、変えたりする意 
で〈だます〉〈欺く〉の対象語が人 
間であるのに対し、物事や数量の 
ことが多い。 

担ぐ は、あまり事は深刻ではな 
い、だます側にそれほど悪気があ 
るわけではなく、まただまされる 
側もそれほど痛手を受けるのでも 
ない場合に用いる。 

偽る は、〈だます〉〈欺く〉と同義 
でも使うが、〈ごまかす〉のように 
本心や事実と食い違う ことを 言つ 




試す 312 


なかつたり、好ましくない結果に 
なることの意に用いる。また役に 
立たなくなつたり、してはいけな 
いこと、やつてもできない、不可 
能なことの意にも用いる。 
台無しは、〈駄目〉が人、物、事 
柄のいずれにも用いるのに対し、 
物、事柄が駄目になることで、人 
には使えない。〈駄目〉より、更に 
その程度がひどい状態になること 
を表し、特に何かをした結果に焦 
点を合わせて用いる。 

ふいは、 それまでの努力や予定、 
もぅ少しで手に入る物や事柄が急 
に一切失われる意に用いる。 

おじやん も〈ふい〉とほぽ同義。計 
画し期待していたことが駄目にな 
る意で、おしまいだという意味合 
いを含む。くだけた表現。 


試す ためす 

,試す\試 r みる/試験 r 
する/試行 l u する/確 bfc か 
める 

( 使い分け I ^ J I し 

試す… 「腕前を試す。」 

試みる… 「実験を®る。」— 
試験する… 「耐久性を試験する。」 
試行する… 「幾度も試行する。」 
確かめる… 「事の真偽をる。」 


「ど一つ使い分けるか I 

いずれも事の真偽、良否、実力な 


どを実際に当たって確かめてみる 
場合に用いるが、 試す は、すでに 
事前に分かっている実力、程度な 
どが実際にその通りかどうかを調 
ベてみるという意味合いを強つ。 
それに対して 試みる は、 あら かじ 
めどんな結果になるか分かってい 
ない場合、不確実なものを調べる 
場合に用いることが多い。したが 
って、<試み-|.〉.は、実際に確かめ 
ようとす る行為にウェィトが置か 
れ、.〈試す〉は、自分でそうだと 
認知する側にウェィトが置かれ 
る。「切れ味を¥¥」に、〈試み 
る〉は使えず、「試し切りを試み 
51 」 とは 言える*. 

試験するは、 物の性質や状態な 
ど、あるいは人の能力、知識など 
を調べ、検査する、の意。あらか 
じめ定められた順序、規定などに 




313 ためらう 


確試試試試 
か行験;^ 
めすす# 
るるるるす 


00000 

丨各 

〇 ■ 〇 ■ 〇 

実 

を 

I 〇 1 〇 A 

if 

1 另 

〇 • ' > 〇 

rg 

1 


従つて行われる場合に用いること 
が多い。 

試行するは、 〈試みる〉の意のか 
たい漢語的文章語。 「 SIE を重ね 
る」とか錯誤」などの用法が 
多い0 

確かめる は、〈試す〉とほぼ同義。 
単に人や物の能力、性能などに 
限らず、事柄全般の事実関係を 
確認する場合に広く用いる。「能 
力を s ¥」 に、〈確かめる〉は使え 
るが、「事実を確かめる」に〈試す〉 
は使えない。 


ためらう 

,躊躇 4 I う/怯$む\たじろ 
,ぐ/躊躇 II ぅする 

〇使い分け例 } 

ためら-つ… 「馬に乗るのをためら 
91 。」 r 結婚をためらう女性が増えた 
ょう だ。」 

怯む… 「敵の攻撃にもひるむことなく 
前進する。」「どんな困難にも^^ 
ない。」 

たじろぐ… 「相手の剣幕にたじろ 
<1。」 

躊躇する… 「参加を躊躇する。」「急 
激な事態の変化に躊躇する。」 © 
逡巡する。 


(ど-つ使い分けるか W 


ためら-つは、 何か事をする場合、 
しようかどうかと 迷って行動に踏 
み切れず、ぐずぐずする場合に用 
いる。 

躊躇するは、 〈ためらう〉の意の 
かたい漢語的文章語。 

怯む と たじろぐ は、 ともに 相手 
の気力や威勢に押されて、今まで 
の姿勢が崩される場合に用いる 
が、〈たじろぐ〉がその外面的姿 
勢、態度に重点が置かれているの 
に対し、〈怯む〉は、それによって気 
力が失われるという、心の動揺に 
重点が置かれる。「行くのを_ 
らう」に〈たじろぐ〉も〈怯む〉も使え 
ないように、〈ためらう〉はいまだ 
行動に踏み切れない状態であるが、 





段段•違い 314 


この二語はすでに一歩踏み出して 
いたことが前提である。 


段段 だんだん 

,段段/次第れぃに\漸1く V 
,追ぉい追*い\漸次 0 I 

f 使い分け例, , ,) 

段段… 「空が_明るくなる。」 
次第に… 成長する。」 

漸く… 「目的地にょぅやくたどり着 
く。」「ょぅやく日が暮れる。」 

追い追い… 「天気は追い追い回復す 
るだろう。」 

漸次… 「手術の後、快方に向か 
う〇」 


ハどう使い分けるか) 

段段は、 物事の状態がある方向 
に向かって順々にゆっくり移り進ん 
で行く様子を表す。 

次第に もほぼ同義であるが、や 
や改まり、文章語的。 

漸くは、 長い時間かかったり、手 
間取ったりした後、待っていたこ 
とが実現するような場合に用いる。 
追い追いは、 〈段段〉〈次第に〉と 
ほぼ同義であるが、「_回復し 
てきた」に〈追い追い〉が使えないよ 
うに、これからそのようになる、 
という場合に用いる。 

漸次は、—かたい文章語。_ 

〔注意〕〈漸次〉をザンジと言うのは 
誤り0 



違いちがぃ 

1違い/差*/差異(差違 ^ v 
相違(相異) 1 1\格差|く\ 
較差 r \ 食'、い違 c い 

f 使い分け例) 

違い… 「考ぇの M 3。」「値段の MI 。」 
「性質の MI 。」 「色の MI 。」 

差… 「^|が開く。」「貧富の_。」 





315 力いっぱい 


食格相差違 

い 

違 

い差違異い 


〇 ■ 〇〇〇 

あ見二 
るに人 

1 〇2 
が® 

' 〇△〇〇 

あ化各 
るに国 
丨の 
が文 

〇 1 〇 1 〇 

あ動主 
名 {jl 張 

が行 

1 1 〇 • 〇 

る tjl 箱 

が8 

あ量 


で違ぅといぅ意識が強い。〈違い〉と 
同じく「 I ない」の言い方がある。 
また、このグループ中ただ一つ 「I 
する」と言える。やや文章語的。 
格差は、 価格、資格、品質、等 
級など、格付けの上での違いを表 
し、 較差は、 ある範囲の中での 
最大と最小、最高と最低など、 
両極にあるものを比較したときの 
違いを表す。 

食い違いは、 本来同じであつてほ 
しい、うまくかみ合ってほしいもの 
が、そうではない場合に用いる。 


力いっは いちから ぃっぱぃ 
ガー杯は SA 精一杯。 Si ぃっ— 

,\極力 51 <<\力«.%かの限科り 

( 使い分け例 j 

力いっぱい… 「力いっぱい押す。」「^1 
^5^働く。」 

精いっぱい… 「精いっぱいの努力をす 
る。」「精いっぱい譲歩した。」 

極力… 「隣国の改革を®^支援す 
る。」 

力の限り… 「力の限り叫ぶ。」 


ハど-つ使い分けるか} 

力いつぱいは、 あるだけの力を出 


差異… 「生活習慣の差異。」 

相違… 「事実と相違する。」「見解の 
^ ML _° r _ ありません。一 ■ 
格差… 「大卒と高卒の賃金 SM 。」 
較差… 「一日の気温の 1 M 。」 
食い違い… 「主張の食い違い。」 


(どう使い分けるか〕 

W ! いは、 他の事物と性質、状態、 
程度、数量などが同じでない意で 
広く用いられる。 

差は、大小•高低•優劣•価値な 
どの隔たりで、〈違い〉より意味が 

差異は、 〈違い〉と同様な意の漢 
語だが、単純な具体的数量の差 
には使わない。かたい文章語。 
相違 も〈差異〉と同様の漢語だが、 
特に二つの事物と比較してその間 




知識•地方 316 




•「幅広い知識を持つ。」 

の ある 人。」 

•「あの男は® i がない。」 
.「彼には文学の劃がある。」 
•「 SS を頤ける。一 


(どう使い分けるか) 

知識は、 ある事物についていろい 
ろと知ることや、その知られた内 
容を言う。 

知見は、 知識と共にそれに基づ 
くものの考え方、見解を含み、 
「彼とは—が異なる」 と言うと 
き、〈知識〉は使えない。 

教養は、いろいろな知識や学問を 
身に付けることによつて養われる 
心の豊か さや 品位を表す。 

素養は、 日ごろの練習や訓練、 


修養によって身に付けた技能、知 
識、教養を表す。「詩の gs 」 と 
言うと、詩に関する単なる知識 
の意だが、「詩の BS 」 と言うと、 
知識だけでなく創作も含めた、よ 
り奥行きのある能力を言う。 
蘊蓄は、学問や技芸に関する、 
更により深い知識を言い、用法は 
それだけ限られてくる。 


地方 ちほう 

—地方\地带^\地域?き\| 
_地区<%\区域^ 

( 使 い分け例; 」 

地方… 「東北!^。」「一^へ転勤する。」 


して能動的に何かをする場合に使 

精いっぱいは 、〈力いっぱい〉と同 
じようにも使うが、「—の譲歩」の 
ように、能動的な力でなく、耐 
えられる限度ぎりぎりまでの意味 
合いがあり、その場合〈力いっぱ 
い〉は使わない。 

極力は、ややかたい漢語表現。 
精神的な、または抽象的な努力 
をする場合に用いることが多い。 
力の限りは、〈力いつぱい〉とほぽ 
同義であるが、やや文章語的。 


知識 ちしき 

I 知識\知見£ん\教養|1ぅ\, 
素養 r \ 蘊蓄 ? t 







317 中止 


「地方選出議員。」 

地帯…「豪雪 WII 。 」「工業 WS 。 」「安 
全地帯。」 

地域…「地域の暮らしを守る。」「地域 
に根ざした活動。」「汚染 WW 。」 
地区…「文教 WM 。 」「§代表。」 
区域…「遊泳禁止の層。」 


(ど-つ使い分けるか) 

地方は、地理的に区分されたあ 
る一定の地域、また、ある方面 
の土地を指して言う。また「 I の 
文化」と言うように、中央すな 
わち首都及びそれに準ずる大都 
市に対して、そのほかの地域や田 
舎という意味でも使われる。 
地帯は、〈地方〉よりも範囲は狭 
いが、それでもある程度の広がり 
を持ち、しかも特定の自然環境、 


産業、目的などの条件、性質を 
持つ地域を言う。 

地域は、「 I 社会」というょうに、 
地形•文化•行政など人間の生活 
の場として区画された土地を言う 
場合に使う。 

地区は、人間の生活と密接に結 
びついたある目的のために人為的 
に区分された一定区域の土地を 
言う。 

区域は、区切りをした範囲で、 
地区と同様にも使うが、特に土 
地とは限らないでも使われる。 


中止 ちゆぅし 

1中止\中断 fl ぅ\中 絶, 

ちゆう\ ■二きゆう 
—ぜつ丄し 


(使い分け例) 

中止…「雨で旅行がになる。」「会 
議を中止する。」 

中断…「臨時ニュースで番組が 
d 。」 「交渉は一時¥£となる。」 
中絶…「騒音で演奏を中絶する。」 
「中絶の手術をする。」 


休止…「雪のため運転を休止する。」 


〇どラ使い分けるか) 

中止は、 行っていた ことを 途中で 
やめたり、また予定していた こと 
が何かの理由で取りやめになった 
りする ことを 言ぅ。〈中止〉の場 
合は、その後がすぐには続かず、 

__1そこで一応事が終わってしまぅの 
に対し、中断は一時的に途切れる 
が、またその後で続くと予期され 




中途半端•調子 318 


る場合である。 

中絶は、それまで行われていたこ 
とが途中で止まり、絶えてしまぅ 
ことで、〈中止〉では再開の見通し 
がないわけではないが〈中絶〉の場 
合それを考えていない。「妊娠¥ 
鄉」の略として用いることが多い。 
休止も、続けていた何かの活動や 
作用をやめることで、ある区切り 
や単位のはじめからやめる場合に 
使い、その途中からやめる場合に 
は使わない。 


中途半端 ちゆうと はんぱ 


,中途半端\どっち付" か, 
ず/不徹底 TAV 1 T / 宙^ぶら 


L りん 


f 使い分け例 j 

中途半端… 「仕事が中途半端に終わ 
る。」 

どっち付かず… 「どっち付かずの態度 
では困る。」 

不徹底… 「連絡がで申し訳な 
ぃ。」 

宙ぶらりん… 「彼の反対で計画が ®I 
ぶらりんになる。」 


(ど一つ使い分けるか) 

中途半端は、 物事がやりかけに 
なつていて未完成の状態、また〈ど 
つち付かず〉であいまいなさまを言 
う日常語。漢語ではない。 

どっち付かず は、二つの内どちら 
かに決めなければならないのに、 


なかなか決まらないようなあいま 
いな態度などに用いる。 

不徹底は、 ややかたい漢語で文 
章語。物事のやり方や、手順に 
関して、十分でなく、中途半端 
になる場合に使うことが多い。 
宙ぶらりんは、何か計画してい 
たり、予定していたことが急に進 
まなくな り、 といつては つきり やめ 
るでもない状態になつてしまう場 
合に用いる。 


調子 ちよ >つし 

,調子/具合 s > 塩梅(按, 

排•按配)^/コンディシヨ 
ン 




319 長所 


(■使い分け例) 

調子…「バィオリンの^ r を合わせ 
る。」「いばった調子でものを言ぅ。」 
「体の_がょい。」「ふとした_ 
に忘れる。」— 

具<口.••「ぅまい具合に彼をだますこと 
ができた。」「腹の§が悪い。」 
あんばい…「味のあんばいがょい。」 
「近頃胃のあんばいが悪い。」 

コンデイシヨン…「絶好 の n ン〗 TI イシヨ 
X で試合に臨む。」 


f どう使い分けるか) 

調子と具合は、人間の体や物事 
の運び、動きの状態を表す場合、 
ほぼ同義で、どちらでも同じよう 
に使える。しかし、音の高低とか 
人間の声や言葉、文章などの持つ 


独特のニュアンスといつた意味の〈調 
子〉に、〈具合〉は使えない。また 
物事のふとしたはずみとか勢いを 
表す意味の〈調子〉、例えば「 I が 
出る」とか「その I 」という場合に 
も〈具合〉は用いない。 

〈具合〉は、「機械の動き一が悪 
い」のょうに、物事のょり具体的 
で動的な状態に用いることが多 
く、その場合〈調子〉は使えない。 
また、「手ぶらでは一が悪い」とい 
う場合にも〈調子〉は用いない。 
あんばいは、「塩梅」と書く場合 
は、味付けの加減の意、転じて 
物事の具合.加減•調子。「按排. 
按配」と書く場合、「仕事の進め 
方の—を考える」と言うように、 
ほかとのバランスを取りながら配 
置したり処理することの意。 
コンデイシヨンは、何かを行うと 


きの、人の健康状態や調子、ま 
た物の状態の よしあしを 表す。 


長所 ちょうしょ 

I 長所\美点1^\利点?ん\, 

I 取と り 柄ぇ 

(使い分け例〕 

長所… 「簡を生かす。」 ㊣ 短所。 
美点… 「彼女の園は優しさだ。」 
® 欠点。 I 
利点… 「この新車にはが少ない。」 
取り柄… 「何も^ W がない。」 


ハど3使い分けるか} 

いずれも備えている性質や働きの 






ちようど 320 


中の優れている点を表す。 

長所は人にも機械などの物の場 
合にも広く用いるが、美点は人に 
ついて使うだけで物に対して使わ 
ない。 

利点は、そのものがもつ自分にと 
っての有利な点の意で、〈美点〉と 
逆に物や事について使うだけで、 
人の場合は用いない。 

取り柄は、〈長所〉 とほ ぼ同義で 
あるが、〈長所〉が、人や物、事 
柄などのいずれにも用いられるの 
に対して、〈取り柄〉は人について 
用いる ことが 多い。しかも「正直だ 
けが彼の—だ」のように、全体と 
しては あまり ぱっとしないが、 そ 
の中でわずかに一つ、一一ついい点で 
あると いうような場合に K うこと 
が多い。 


ちようど 

,丁度 r ぅ/まるで\恰 r — 
も/宛 r ら 

( 使い分け例〕 

ちよ - つど… 「彼の濃いひげは ちょうど 
ブラシのようだ。」「旅行の費用は %I 
ようど 十万円だ。」「体に ちようど 合 
ぅ服。」_ 

まるで… 「まるで夢のような話。」「ま 
世話にならない。」 

あたかも… 「あたかも雲のようにわ 
き起こる。」「時あたかも満月の夜。」 
さながら… 「事故現場は地獄絵^^ 
がらである。」「さながらピエロのよう 
に化粧の濃い女だ。」 


(ど-つ使い分けるか) 

ちよ-つどは、 数、 大きさ、 位置、 
時刻などが自分の望みや予測、 
あるいは一定の基準にぴったり合 
うさまを言う 意味もあるが、 ここ 
の他の語と同様、比喩として物事 
が他のものとほとんど同じようで 
ある場合にも用いる。何か自分の 
意識の中にィメ彳ジがあって それ 
とぴったりという意味合いが強い。 
まるでは、 たとえられる 二つの も 
のが全体として完璧に同じようで 
ある ことを 表す。「…のようだ」を 
伴う ことが 多い。また、「…ない」 
という否定語を伴って、少しも そ 
の状態でない ことを 表す。 
あたかもは、 比喩用法0¢合の〈ち 
ようど〉 とほ ぼ同義だが、文章語的。 




321 直接•直観 


さあまち 
なたスよ 
がかる5 
らちでど 

厂 

0000 

ぶよ 

1 1 1 〇 

U 

に 

■ 〇 • 〇 

る1 

〇 ' ' 1 

II 

の 


数.大きさ•位置などがぴったり合 
うさ まを 言う用法はない。ただ「時 
— J でちょうどその時の意を表す用 
法があるが、古風妄章語である。 
さながらは、 そつくりそのままの 
意。「…さながらの」の言い方があ 
る。文章語的。 


直接 ちよくせつ 

,直接/直截? I く/直 K に V 夕 

イレクト 


f 使い分け例〕 

直接… 「彼に sw 話をする。 

税。」 ® 間接。, 

直截… 「表現が ww である。」 

じかに… 「火で^511焼く。」_ 

ダイレクト… 「ボールがダィレクトに 
塘に当たる。」「ダィレクトメール。」 


(ど-つ使い分けるか) 

直接は、 間に他の人や物を置い 
たり挟んだりしないで、対象にじ 
かにかかわる場合に用いる。 

じかに もほぼ同義であるが、〈直 
接〉が抽象的な関係やかかわり方 
にも 使ぅのに対して、〈じかに〉は 
具体的な動作に重点が置かれ、 
より口頭語的である。 

直截は、 ためらうことなくずばり 
と表現したり、直ちに物事を決め 


る意に用い、かたい文章語。 
ダイレク トは、直接的の意。「— 
メール」 は、 マスコミ などの媒体 
なしに直接客に郵送される広告。 


直観 ちよっかん 

,直観/直感 t !/ 勘第, 
六感が ろ/インスピレ J ン 

ヨン/ B らき 


ハ使い分け例〕 

直観… 「真理を直観する。」 

直感… 「危険を直感する。」 

勘… 「蒯の鋭い男。」「打者としての al 
力 t J 

第六感… 「 KW が働く。」 





沈黙 322 


インスピレ I シヨン… 「ィンスピレー 
シヨンを受ける。」 

ひらめ$…「この作品には、彼の才 
能のひらめ# I が感じられない。」 


(ど-つ使い分けるか) 

直観は、考ぇたり思い巡らした 
りの推理をしないで、直接、瞬間 
的に物事の本質を とらえる こと。 
かたい文章語。 

直感は、理性にょらず、直接感 
覚的に とらえること。 〈直観〉 より 
は日常的な語。 

勘は、理性でも感覚(五感)でも 
ないょぅな何かにょつて、直接、 
瞬間的に物事の本質や意味、事 
情などを素早く感じ取る心の働 
き、能力を言う。〈直感〉以上に 
日常語的だが意味はあいまいで 


ある。 

第六感は〈勘〉とほぼ同義である 
が、「 I が鋭い」とは言わない。 
〈勘〉以上に非感覚的なものという 
感じが ある。 

インスピレ—シヨンは、霊感に 
当たる外来語で、まるで天からの 
啓示ででもあるかのように、突然 
ひらめく考えや判断。超越的な 
存在からの働きという意味合いを 
持ち、「 I を受ける」「 I がわく」 
という使い方をすることが多い。 
ひらめキ J は、優れた才能や鋭い 
感覚から、一瞬火花のように感 
じられる。その才能の輝き、感 
覚の鋭さを言う。したがつて、他 
の類語と用法がやや異なる。 


沈黙ちんもく 

—沈黙/無言 x & \ 黙秘 rv 
だんまり\無口 4 & \寡黙 

%< 


(使い分け例 } 

沈黙… 「_を守る。」「非難を恐れ 
沈黙する。」 

無言… 「 iii の行。」 「1 W で見つめ合 
ぅ。」 

黙秘… 「取り調べに黙秘する。」「劃 
権。」 

だんまり… 「だんまりを決め込む。」 
無口… rlfn ^ 女。」 ㊣ おしゃべり 
寡黙… 「彼は*一^人である。」 




323 対 


(ど-つ使い分けるか ) 

沈黙.無言は、共に黙って何も言 
わないことだが、前者は「—する」 
と言い、後者はそう言わない。逆 
に後者の「—で見つめる」に前者は 
当てられない。 

黙秘は、質問に対して何も言わ 
ないで黙づていること。特に取り 
調べなどで自分に不利になるよう 
なことは言わないで沈黙を守る、 
という場合に用いる。 

だんまり も、〈黙秘〉とほぼ同義 
であるが、〈黙秘〉が法律用語でも 
あるかたい文章語であるのに対し 
て、〈だんまり〉は古風だが平俗な 
感じの言葉である。 

無口は、〈無言〉のように黙って何 
も言わないということではなく、 


口数が少ないことで、主にその人 
の性格を言う。 

寡黙 も 〈無口〉 とほ ぼ同義で ある 
が、 その 人の性格を言う場合に 
も、そのときの 状態を言う場合に 
も、 どちらが 多いということなく 
使う。 

〈無口〉は日常的な口頭語で〈寡 
黙〉は漢語の文章語。 



対っぃ 

「対/組ジ番 s い/ペア/コンー 


F \ ッィン 」 

〇使い分 け例 ) 

対… 「対の湯飲み茶碗 。I 
組… 「五枚の座布団が' fil になってい 
る。」「二人一細。」「隣_。」 

つがい… の小鳥。」 

ペア… で踊る。」の座席。」 
コンビ… 「あの二人はいいだ。一 
ツイン… 「ツィンタワー。」「ツィンべ ッ 
ド。」「ッィンの部屋。」 


(どラ使い分けるか) 

対は、物や人が二つ そろって 一組 
になる場合に用いるが、組は二つ 
以上幾つかの物や人が一緒になっ 
て一組になつている場合に用いる。 
「細体繰」に〈対〉は使ぇない。 




遂に 324 


つがい は、特に一組となった動物 
の雄と雌を言ぅ。 

ペアは、〈対〉とほぽ同義の外来 
語。二つまたは二人そろって一組 
になることで、意味の上では 
コンビも同じであるが、〈コンビ〉 
は英語の coma - ination から来てい 
ることからも分かるよぅに、両者 
の間の結びつきに重点を置いた表 
現。物には あまり 用いられない。 
ツインは、対になつていることで、 
特にホテルで一室に二つベッドを備 
えていること、またその部屋の意 
でよく使う。 


遂に っぃに 

「遂に/結局 sr \ 詰っまる一 


L 所^\とぅとぅ\所證机3」 

ハ使い分け例) 

遂に… 山頂にたどり着いた。」 
「彼は姿を現さなかった。」 
結局… 「結局そぅせざるを得ない。」 

「結局は負けるさ。」_ 

詰まる所… 「つまるところ本人次第 
だ。」 

とラとう… 「とぅとぅ合格した。」 I と 
ぅとぅやつも観念したか。」 

所詮… かなわぬ相手だ 。」 「S 
蛙の子は蛙か。」 


(どラ使い分けるか 

遂には、それまで長い時間がかか 
つたり、努力を続けたりして、あ 
る事態となる意。また、下に否 


定的表現を伴うと、その否定的 
状態が最後まで続いてしまったこ 
とを 表す。 

と一つと I つもほぼ同義であるが、 
〈遂に〉よりもその事柄への期待感 
が濃厚で、長い時間の末やっとそ 
うなったという気持ちが強い。 
結局は、その事柄に至るまでに 
途中いろいろな方法•手段を試み 
たり、 さまざまな 経過の後、最 
後はそうなつてしまうという意。 
詰まる所は、 あれこれいろいろ考 
えてみたが、それらを最終的に ま 
とめた結果、要するにこういうこ 
とになるという場合に用いる。 
〈結局〉とほぼ同義。 

所詮は、 〈詰まる所〉の意のかたい 
漢語。否定的な結論や判断を伴 
うことが多い。 




325 使う•疲れる 


費使用使 

ゃ f ぃ 

するるろ 


_ 〇〇〇 

エ竹 

を 

1 

細 

〇_ △〇 

労 

力 

を 

1 

''' 〇 

を従 

1 業 
員 

'' 〇 • 

見部 
を下 
丨の 
意 


疲れる つかれる 

疲れる\ くたびれる/疲— 
労 f u する v はてる\困憊 
赶 する 

( 使い分け例 ) 

疲れる… 「体が」「読書に 
^|。」「機械が¥^。」 

くたびれる: •「働き畜てくたびれる 。 j 


® うっかぅ 

I 使ぅ/遣で っ/用 M いる\使— 
_用 f b する/費^やす I 

(使い分け例) 

使-つ… 「定規を「人をあごで側 
i 。」 「トリックを使ぅ。」 

遣う… 「人形を遣ぅ。」「周りに気を ®I 

910 」 

用いる… 「竹を3た細工物。」「学者 
を^^。」「新工法を^^。」「部 

下の意見を^^。」_ 

使用する… 「ワ^ ~~ プロを使用する。」 
人。」 

費やす… 「労力を費やす。」「時間を 


(ど一っ使い分けるか) 

使 I つは、物や人を働かせ、 ある 
目的のために役立たせる意。 

遣一 つは物事を工夫して用いる意。 
用いる も道具や方法などには〈使 
う〉と同じように使えるが、人や 
意見を〈用いる〉という場合に見ら 
れるように、機能•能力などを尊 
重して使うという意識を伴うこと 
が多い。やや文章語的。 

使用す るは、〈使う〉と同義の漢 
語的な言い方で文章語的。 「 W 5 
者」は使う人であり、 「 WW 人」は 
使われる人で ある。 

費やす は、金銭•労力•時間 • 言 
葉など大切なものを使う場合に 
用いられ、その際、使って無くな 
るという点にウェィトが置かれる。 





付き合い 326 


「この服もくたびれてきた。」 
疲労する… 「心身ともに疲労する。」 
ばてる… 「徹夜してばてる。」 

困憊する…「疲労困憊する。」 


(どう使い分けるか〕 

疲れる は、何かを使い過ぎ、負 
担をかけたために、もとの働きが 
鈍ったり衰えたり、元気が無くな 
ったりする、の意で、肉体•精神 
両面に使う。また、 ある 物事を 
長く続けて嫌になるという場合 
も、「ゲ - —ムに I 」のように用い 
る。また、比喩的に機械•物質な 
どの機能低下にも使う。 

くたびれるは、 〈疲れる〉のやや 
くだけた言い方であるが、肉体の 
疲れには使っても、 r 心が—」とは 
言わない。また体全体の疲れを表 


しても、「目が—」とはあまり言わ 
ないょぅに、部分には使わない。 
また、物など長く使つて、古くな 
つて弱る場合にも用いる。 

疲労するは、〈疲れる〉の漢語的 
な言い方で、文章語。 

ばてる は、もぅこれ以上動けな 
くなるほど疲れ果てる意の俗語。 
困憊するは、〈ばてる〉とほぼ同 
義のかたい漢語的な言い方で文章 
語。単独で用いるょりも、「疲労 
I 」と、重ねて用いる場合が多い。 


付き合い つきぁい 
,付き合い/ 交 U '* わり/交際 

こう\ 71 fs / こう 

さい\1夕方ゆう 


(使い分け例〕 

付キ J 合い… 「彼とは長年の付き合い 
である。」「付き合いの悪い男。」 
交わり… 「一^に加わる。」「_り 
を結ぶ。」 

交際… 「彼との交際を断る。」 

交友… 「_関係は多くない。」 


(ど5使い分けるか〕 

付き合いは、交際と ほぼ同義の 
くだけた和語。〈付き合い〉は、 
人と人とのつながりの意で あるが、 
〈交際〉は、お互いに親しい気持ち 
を抱いている人と人とのかかわり 
合い、の意である。〈付き合い〉 
は本心はそうしたくないが、義理 
で交際するという意にも用いるが、 
〈交際〉にはそのようなマィナス 




327 次次•尽きる 


のぅちに頻繁に連続して起こる度 
合いを強調す る 感じが ある。 
矢継ぎ早は、主体の働きかけや 
意思がょり積極的な場合、つまり 
話とか質問のょぅに言葉を用いた 
積極的な行為に多く用いられる。 
陸続は、ひつきり なしに 続く さま 
の意のかたい文章語。 

連綿は、物事が長く続いて絶え 
ることのない意でやはり文章語。 


ィメージ はない。 

交わりは 、〈付き合い〉に比べ、 
ょり狭い範囲での親密な間柄、 仲 
間としての関係に多く用いる。 
交友は、 〈交際〉が幅広い一般の 
人間関係を言ぅのに比べて、その 
範囲が狭く、友人としての関係に 
力点の置かれる語。 


次次 つぎつぎ 

,次次\続続|:<<\立"て続ャ 
け/続-? -P けざま/矢継 r ぎ 

,早1\陸続!< ; \連綿|:| 


f 使い分け 例〕 

次次…「人が穿に死んでいった。」 


続続… 「大判小判が變出てきた。」 
立て続け… 「立て続けに負ける。」 
続けざま… 「車が続けざまに追突す 
る。」 

矢継ぎ早… 「矢継ぎ早に質問する。」 
陸続… 「群集が詰め掛ける。」 
連綿… 「数世紀に渡り®続いてい 
る。」 「 SS 体。」 


(どう使い分けるか) 

次次は、物事がある順序をもって 
後から後から続くことで、時間的 
連続性に重点が置かれているのに 
対して、続続は数量の多さに重 
点を置いた表現。 

立て続けは、続けざまと ほぼ同 
義で、ある物事が連続して起こつ 
たり行われたりする場合に用いる 
が、〈立て続け〉の方がより短時間 


尽きる つきる 

I 尽きる\果はてる\無(亡)— 
1なくなる/払底^する 
(使 い分け3 

尽キ j る… 「食べ物が^^。」「愛想が 




償い 328 


尽きる。」「悲惨の一語に尽きる。」 
果てる… 「旅が果てる。」「宴が果て 
1.1。」「異国に果てる。」 

無(亡) <なる… 「気力が無くなる。」 
「時間が無くなる。」「父が亡くなつ 
た。」 

払底する… 「備蓄の原油が払底す 
扣。」 


C ど-つ使い分けるか j 

尽きる は、今まであったものがだ 
んだん減って無くなる意。「…に 
尽きる」の形で、その事柄が徹底 
している意にも用いる。 

果てる も、 ずっと 続いていた物事 
が終わる意に用いるが、〈尽きる〉 
よりも行動や行為について言うこ 
とが多い。死ぬという意にも用い 
る。やや文章語的。 


無くなる は、〈尽きる〉よりくだ 
けた表現で日常よく用いる。人が 
死ぬ意では 「亡」 の字を書く。 

払底するは、 すっかり無くなるの 

意のかたい文章語。_ 

〔注意〕 〈果てる〉 は、 「困り果てる」 
のよぅに動詞連用形について、「すっか 
り…する」の意に用いることも多い。 


償い っぐない 

«い/代償^>弁償^ぅ\| 
補償3ょぅ\賠償迖.ン報償 


r 使い分け例 ) 

償い…を求める。」「罪の M ?」 


代償…「壊したガラスの代償を払 
ぅ。」「勝利の S は大きかった。」 
弁償…「_を申し出る。」「無くした 
本をする。」 

補償…「遺族が補償を要求する。」 
「損害を補償する。」 

賠償… 「損害^^。」「相手国の被害 
を賠償する。」 

報償…「僅少な3金。」「国家が钿 
賞する。」 


ハどラ使い分けるか〕 

償いは、①相手に与えた損失に 
対して金品を出すこと。②自分 
の犯した罪や過ちを金品や労力 
によって埋め合わせをすることで、 

この②の意味は他の五語にはな 
、〇 
V 

代«には、〈償い〉00のほかに、本 




329 作る 


賠補弁代償 
償償償償い 


00000 

求丨相 
すを手 
る要に 

〇〇〇 ' 〇 

る丨損 
t 害 
すの 

〇 △ 1 1 〇 

求 1 隣 

tm ^ 

• ' 〇 ' 〇 

を本 

'''' 〇 

を罪犯 
すのし 
る 1 た 

1 1 •〇 • 

a.L* 

大の 


人の代わりに償いをすること、ま 
たある事を成就するために必要な 
犠牲や損害の意もある。 

弁償 も 補償 も 賠償 も基本的な意 
味は〈償い〉の①と同じであるが、 
〈弁償〉は個人的な、小さな損害 
の場合に使い、六語中最も日常 
語的である。〈補償〉は大きな事 
故や、公的な性格のものに使う。 
〈賠償〉は法律語としては他人の 
権利を棄損した場合に、 また 国 
家どうしの場4 口に使う。 


報償は 国や公共団体が弁償.賠 
償することで、この語には報復と 


厂いぅ意味もある。かたい文章語。 
〔注意〕 〈代償〉は「—する」といぅ形 
では使わない。 

作る つくる 

1作る\造<-3る/梅; T える’ 

\制作 ts する/製作! S す 
,る/製造^する 

广 使い分け例 W 

作る… 「本棚を®。」「詩を3。」 
造る… 「池を簡。」「酒を!^。」— 
こしらえる… 「団子をこしらえる。」 
「家をこしらえる。」 

制作する… 「絵画を制作する。」「映 
画一£会社〇」 


製作する… 「工具を製作する。 1 1_ 
製造する… 「食品を製造する。」「自 
動車§工場。」 


(ど 51 使い分けるか〕 

作る は、それまでなかったものを 
新しく生み出すとか、創造的あ 
るいは精神的な行為の場合に用い 
る。ただし、建造物•釀造などの 
場合には 造る を用い、原料•材料 
などを加工してつくるものにも、 
〈造る〉を用いることがある。 
こしらえるは、 ややくだけた表 
現で、材料に手を加ぇて形のある 
物を作り上げる場合に用いる。 
「詩を一」とは言わない。 

制作するは、 芸術作品などを作 
る意で、 製作するは、 道具や機 
械などを作る場合に用い、 製造 




つたない•慎む 330 


も) 料理技術を 言ぅことになる。 
稚拙は、 幼稚で技量不足の意、 
拙劣は、 非常に程度が低く下手 
といぅ意。 

不器用は、 手先などが器用でな 
いこと、 要領が悪く ぎこちない意 
に使う。〈下手〉に比べ、〈不器用〉 
は生まれつきのニュアンスが強い。 


するは原材料を加工して商品を 
作る場合に用いる。以上三語は 
文章語。 


つたない 

1拙 s たい/拙 c い/下手ジ稚— 
拙*%>拙劣1/不器用 
乂無器用) II _ 

c 使い分け例し 

つたない… 「つたない文章。」 

まずい… 「食べ物が^^。」「質問の 
仕方が^^。」所でばった 
り出会う0」「まずい顔。」 ㊣ うまい。 
下手… 絵。」 ㊣ 上手 - fu ょぅ。 
稚拙… 「この作品は一一だ。」 


拙劣… 「拙劣な方法。」 
不器用… 「不器用な手つき。」 


(どう使い分けるか U 

つたない は、出来がょくないと 
か、上手でない意で、特に文章. 
詩•絵.字.楽器の演奏など技芸一 
般に関して用いる。 

まずい は、〈つたない〉と同義の、 
くだけた言い方として使う。原義 
は食べ物の味がょくない意で、ほ 
かに具合が悪いとか、容姿などが 
醜いとかいう意味でも使うが、こ 
れらの意味は〈つたない〉にはない。 
下手は、〈つたない〉がやや文章語 
的であるのに対して、ややくだけ 
た言い方。「 I 料理」に〈まずい〉を 
使えば味が悪い意だが、〈下手な〉 
を使えば、(結果としては同じで 


填む っっしむ 

|慎む\謹5 っ む/謹慎^ す, 
る\控|える 

f 使い分け例) 

慎む…「行動を S 5。 」「酒を S 5。 」 
謹む…「3で申し上げます。」 
謹慎する…「しばらく M 8 する。」 


331 務め 


控える… 「食事の量を控ぇる。」 


r , どう使い分けるか) 

慎む は、調子に乗って過ちを犯し 
たり、軽はずみなことをしたりし 
ないように十分気をつける意に用 
いる。また、度を超さないように 
控えめにする意にも用いる。 

JI 1 むは、 うやうやしくかしこまる 
意で、相手に深い敬意を表しへり 
くだる謙譲表現として用いる。 
「謹んで…」の形でょく使ぅ。 
謹慎するは、 反省の気持ちを込 
めて表立った言動を差し控える場 
合に用いる。ややかたい漢語的な 
言い方の文章語。 

控える は、〈慎む〉が他者に配慮 
しての 心情•態度に重点が置かれ 
るのに対し、単に自制して物事の 


量や程度を少な目にする意で使 
ぅ。〈慎む〉よりはくだけた言い方 
である。 


務め つとめ 

I 務め/勤£め/勤務 & !\任— 
務 tfK ん\役目|く\義務ヲ責 
■務 r \ 使命 ® U ぃ , 


( 使い分け例〕 

務め… 「親としての^^を果たす。」 
勤め… 「今月で勤めを辞める。」「朝の 
お勤め。」 

勤務… 「会社の一^時間。」 

任務… 「部長の任務を果たす。」丨 
役目… 「それは君の簡だ。」「お 


ごくろぅさん。」 

義務… 「納税の! IW 。」© 権利。 
責務… 「教師の責務は重い。」 

使命… 感がないとできない。」 
「これは私のである。」 


ハど-0使い分けるか) 

務めは、 個人的に、あるいは家 
庭や組織の中で当然果たさなけ 
ればならないことの # T 
勤めは、 会社.役所な どに 雇われ 
て仕事をすること、またその仕事 
の意。また、接頭語「お」を付け 
て、 僧侶な どが 毎日行ぅ勤行の 
意にも用いる。 

勤務は、 〈勤め〉と同義のややか 
たい漢語の文章語。 

任務は、 〈務め〉とほぼ同義のや 
やかたい漢語の文章語で、個人的. 


募る 332 


私的な務めにはあまり用いない。 
組織の中で上からの命令にょって 
する仕事とか、割り当てられた仕 
事の場合に用いるのが普通。 
役目は、〈任務〉と同義だが、公 
的なあるいは正式の場面での用語 
としては〈任務〉が使われ、〈役 
目〉はくだけた日常語として現在 
では使われる。 

義務は、それぞれの立場に応じ 
て、 人が必ず果たすべき務めの こ 
とで、法律上、道義上の強制意 
識が〈務め〉〈任務〉などょり強く 
伴う。文章語である。 

責務は、責任と義務、あるいは 
責任を伴う大切な務め。文章語。 
使命は、そうするのは天の声だ 
と思われるほど強い自覚を持つて 
行う仕事の意の文章語。 


募る つのる 

,募る/募集 5 ゅぅ する/公募, 
ぬぅする/集-3*める\徴集 

_ s ? l する _ 

f 使い分け例 〕 

募る… 「参加者を®。」「作品を劓 
d 。」 「寄付を募る。」 

募集する… 「自衛官を募集する。」 
「論文を募集する。」「アィデアを M 
集する。」 

公募する… 「教授を公募する。」 
集める… 「人手を」「生徒を講 
堂に」「関心を集める。」 
徴集する… 「兵士を徴榘する。」 


ハど-つ使い分けるか W 

募るは、 単に人や物を集めるの 
でなく、広く呼びかけ集める意。 
ほかに、「恋しさが—」のようにあ 
る状態.感情.現象などの勢いがま 
すます強くなる場合にも用いる。 
募集するは、 〈募る〉の漢語的言 
い方だが、〈募る〉より日常的に使 
う。しかし「寄付を!^」に〈募集 
する〉が使えないように、人や、 
人の生み出す案や作品などを対 
象とするのが普通である。 

公募するは、 つてなどによらず、 
広く一般に公表して公平に募集 
する、の意。 

集める は、広く呼びかけてという 
意味は特になく、とにかく多くの 
人や物、興味や関心などを一か 




333 妻 


所に寄せさせる # if 
徴集す るは、国や公共団体が目 
的に応じて人や物を強制的に集め 
る、の意で、かたい文章語。な 
お、会費とか税金を集める場合 
は〈徴収する〉を用いる。 


妻っま 

|妻\細君2\女房彀ぅ\家, 

内浐\愚妻:;;>かかあ\夫 

人'2ん\奥様 1 ? \奥5さん\ 

おかみさん 

( 使い分け例 ) 

妻…「 #1の座を守る。」 ㊣ 夫。 
細君… 「君の MW は美人だね。」 


女房…「ぅちの女房は可愛いやつだ 
ょ。」「あいつの^®は気取り屋だ。」 
家内… 「¥£と相談して決めます。」 
愚妻…「これが劃でございます。」 
かかあ… 「おれのかかあはぅるせえや 
つでね。」 

夫人… 「3同伴の参会者が多い。」 
「社長3〇」 

奥様 … 「SW はお元気でいらつしやい 
ます力」 

奥さん… 「あの人の1^5、どれ。」 
おかみさん… 「店のおかみさん。」 


(どう使い分けるかし 

妻は、文章語としては最も一般 
的な言葉で、尊敬の意も、特にへ 
りくだった気持ちもない。 

細君は、親しい間柄の相手に用い 
る。自分の妻についても他人の妻 


についても使うが、いずれも同輩 
以下の相手に言う。 

女房は、自分または第三者の妻 
をやや軽い気持ちで言う場合に用 
いる。話し相手の奥さんを指し 
て、「君の一は」とは言わない。ま 
た相手が目上の場合に、「私の— 
は…」とは言わない。 

家内は、それほど親しい間柄と 
も言えない一般の相手、 また 目上 
の相手に対して、自分の妻をやや 
へりくだって言う場合に用いる。 
愚妻は、自分の妻をかなりへりく 
だって言う文章語。しかし文章語 
としても 今日あまり 用いない。 

かかあは、自分の妻を指すぞん 
ざいな俗語で、ょほど親しい間柄 
かくだけた雰囲気の場合以外は用 

いない。「あいついつも—の一言>っな 

りだ」のょうに、相手や第三者の 




つまり 334 


妻にも使えるが、乱暴な言い方。 
俗語と しても 最近は少ない。 
夫人は、他人の妻を敬って言う 
漢語の文章語。「あなたの—」と 
は言わないように、第三者の妻に 
対して用いることが多い。 

奥様は、相手の妻に対しても第 
三者の妻に対しても用いる敬った 
言い方。 

奥さんは、〈奥様〉のくだけた言 
い方。軽い敬意がある。 
おかみさんは、他人の妻に対す 
るかなりくだけた言い方。特に商 
売を営む人の妻を指して言うこと 
が多い。 また 料理屋.飲食店•美 
容院 などの 女主人の意に も 使う。 
また「うちのかみさんは…」のよう 
に、「お」を除いて自分の妻を指し 
て用いることも多い。 


つまり 

I つまり\結局 sr \ 要 ai す— 

るに\すなわち _ 

〇使い分け例) 

つまり… 「つまりこういうわけ だ。」 

結局… n 二転四転したが耀君が勝 

ち だ。」_ 

要するに… 「要するに辞任せょという 
ことだ。」 

すなわち… 「革命の原動力すなわち 
民衆の力こそ未来を切り開く。」 


f ど-0使い分けるか j 
つまりは、 その前の言葉や話の内 


容を最終的にまとめたり、言い換 
えたりする場合に用いる。 

結局は、 途中いろいろな経過があ 
った末、最終的にこういう結果. 
結論になるのだという気持ちを強 
調する意味合いがある。〈つまり〉 
が単に直前の内容のまとめ、言い 
換えに重点を置くのに対して〈結 
局〉は最終の結論•結果に重点を 
置く。 

要するに も、前二者とほぼ同義 
であるが、今まで述べてきたこと 
の大切なポィントを分かりやす 
く、要約するという気持ちが強い 
表現。 

すなわちは、 副詞ではなく接続 
詞であるが、前の事柄を受け、そ 
れがその後に続く事柄と同じであ 
る ことを 表す用法があり、この場 
合、「つまり」と同義になる。 




335 積む 


積積重積 
みみ 
上重ね 
けね 

るるるむ 


0000 

丨本 

を 

〇 △ 1〇 

を米 
丨俵 

1 △〇1 

を力 

1 [- 

■ 〇〇〇 

を経 
丨験 

1 △〇1 

を失 
丨敗 


す要結つ 
S す ^ 
わる 

ちに局り 


0000 

のそ 
問れ 

〇△•〇 

丨父 
祖の 
父父 

1 1 〇 1 

き重 

1態 
宛が 
ぬ続 

〇 ' A ' 

勝戦 
つち 

令 


る。重ねられる両者が大体同形 
で、また平面があり、それを合わせ 
る場合に使う。「練習を—」とも 
言うが、その場合〈積む〉のように、 
成果が段々大きくなる意は特にな 
く、「繰り返す」と同じ。 
積み重ねる は、〈積む〉と〈重ね 
る〉の両方の意味を合わせ持ち、 
体積のある、大体同形で平面を 
持つ物を次々と上に載せる意であ 
る。抽象的なものについても言う。 
積み上げるは、 高く積むの意。 


積み込む は、車•船などに物を載 
せる意の〈積む〉に、「入れる」意を 
強調した語。 


積む つむ 

,積む\ 重扣ねる/積っみ重^ 
ねる \積 っみ上 ぁげる\積っ 
1み込 こむ \盛"る 

C 使 い分け例 ;} 

積む…「本を何冊も!^。」「俵が 
れている。」「車に荷物を^5。」「練 
習を_。」 

重ねる… 「紙を一枚 1 T ^。」 「セータ 


丨を重ねて着る。」「重箱を三つ重ね 
d 。」 「失敗を重ねる。」 
積み重ねる… 「本を積み重ねる。」 
「経験を積み重ねる。」 
積み上げる… 「米俵を高く積み上げ 
d 。 」「れんがを積み上げる。」 
積み込む… 「船に牛を積み込む。」_ 
盛る… 「料理を皿に穿。」「土を盛っ 
て墓とする。」「趣向を盛る。」 


(どう使い分けるか) 

積む は、ある程度体積のある物 
を次々に上に載せる場合に言い、 
紙など薄い物では言わない。車や 
船などに物を載せる意もある。 
「練習」など抽象的なものについて 
言ぅときは、それの結果が残って 
次々に大きくなる場合である。 
重ねる は、薄い物についても使え 





積もり•辛い 336 


盛る は、容器に飲食物などを満 
たす、土などをぅず高く山のよぅ 
に積み上げる、などの意。 


積もり つもり 

—積もり \心 積ナ」ころもり/意— 

_図魂胆^ 

(使い分け例) 

積もり… 「彼女と結婚する!^^ 
だ。」「死んだでがんばる。」 
心積もり… 「旅行費用の心積もりを 
している。一 

意図… 「君の意図はょくわかる。」「政 
府の今回の声明のは何か。」 
魂胆… 「ちくしょう、そういう魂胆だ 
つたのか。」 


(どう使い分けるか〕 

積もりは、そのときはそうしよ 
うと前もって持っている意図や心 
構え、また、金額などを予測す 
ること(見積もり)の意。また、 
実際にはそうでないのに、そうで 
あるような気持ちを持つことの意 
にも使う0 

心積もりは、 自分の心の中だけ 
での見積もりや予定のこと。「死 
んだ—で」のような使い方はでき 
なぃ。 

意図は、何かをしようと考える 
こと、また、その内容。〈積もり〉 
<心積もり > が私的•個人的に考 
えていることに重点を置くのに対 
して、〈意図〉は公的なものにも用 
い、また、比較的よく考えられた 


確かなものに用いることが多い。 
魂胆は、 心の中の、隠された意 
図やたくらみの意で、マィナスの 
評価を伴い用いることが多い。 


辛いっらぃ 

,辛い/苦?.<しい/切分ない V 
やるせない\辛気臭4^き 


(使い分け例 d 

辛い… 「痛くて^!。」「仕事が¥1。」 
「部下に3あたる。」 

苦しい… 「息が!^。」「家計が!^ 
^|。」「10^弁明に終始する。」 
切ない… 「^5思い。」 




337 釣り合い 


やるせない… 「不合格でも誰に文句 
も言えずやるせない気持ちだ。」 
辛気くさい… 「辛気くさい仕事。」 


f どう使い分けるか〕 

辛い と 苦しい とは、ほぼ同義で、 
肉体的、精神的両方の苦しさに 
用いる。しかし〈辛い〉には、第三 
の例のよぅに冷酷さを表す使い方 
があるが、その場合〈苦しい〉は使 
えない。 また 〈苦しい〉には、必要 
な金銭や物が乏しくなって生活が 
圧迫される場合(第二の例)、言っ 
ている ことに 無理がある場合(第 
三の例)の使い方があるが、それ 
らの場合〈辛い〉は使えない。 
切ない は、さびしさ•悲しさ•恋し 
さとい つた、胸が締めつ けられる よ 
うな精神的•感情的辛さの場合に 


用いる。主に自分の主観的感情に 
ついて使い、生理的•感覚的辛さ 
记上使ぇない。 

や^ぜないは、 〈辛い〉〈切ない〉 
より更に I 辛い気持ちをどこにも 
持つてい^^うがない という、やり 

きれな^^分を強調する言葉。 
辛気くさいは、 事柄が込み入つ 
てなかなかうまくいかず気が晴れ 
ない意に用いる。 


釣り合い つりあい 

|釣り合ぃ\均衡|!\平衡| 
^\均斉(均整)以\バラン 
ス 


ハ使い分け例) 

釣り合い… 「上着とズボンの色の鉀 
がいい。」「てんびんの釣り合い 
がとれる。」 

均衡…「軍事力のが破れる。」「貿 
易不一」「財政的 w ¥。」「 w ¥ 
予算。」 

平衡…「彼は!^感覚が鈍い。」「動物 
の!^器官。」「3交付金。」 

均斉(均整)…「_のとれた容姿。」 
「3美。」 

パランス… 「バランスを崩す。」 

1X1 感覚を持った考え方。」「軍事^^ 

到。」 


C ど-つ使い分 けるか ノ 

釣り合いは、日常的に使ぅ和語 
で具体的な物や事柄について広く 
用いるのに対して、均衡はかたい 




提案 338 


漢語の文章語で、目に見ぇない抽 
象的な力関係に多く用いる。 

平衡 も〈均衡〉とほぼ同義だが、 
運動などにおける身体の安定状 
態やそれを保つ感覚については〈平 
衡▽を使ぅ。なお「 I 交付金」と 
は、地方自治体間の財政的バラン 
スを保つため国が地方自治体に交 
付する金のこと。 

均斉は、主に身体や物の形が外 
から見て釣り合いがとれて美しく 
安定感のある場合に用いる。 
パランスは、前の四語すべてと 
交付金」などの公的な用語 
である熟語は別にしてほとんど言 
い換えられる。近年では、最も日 
常語的と言える外来語(英語 a * al - 
ance )。 


B 


提案てぃぁん 

,提案\提出はっ\提議マ\, 
,発議3\上程'^ぅ‘ 

「使い分け例;! 

提案…「議題の^*を急ぐ。」「機構の 
改革を提案する。」 

提出…「レポートの輝出。」「議案の提 
划。」「証拠を^一^る。」 

提議…「野党の震に応じる。」「環境 


問題を提議する。」 

発議…「部長の顏により、その問 
題が討議された。」 

上程…「賺案の^ W 。」 「衆院の本会 
議にる。」 


ハどラ使い 分けるか j 

提案は、会議などで論議するた 
めに議案や考えを出すこと、また 
その議案や考えの意に用いる。し 
かし議会用語としては、「議案の 
W 5」 と言い、その場合〈提案〉は 
使わないよぅである。 

提出は、報告.意見.証拠•議案 
などをある場に出すこと。 

提議は、会議などに論議すべき 
問題を提出すること、またそれを 
更に結論を求めて論議する意に用 
いる0 




339 抵抗する 


歯反反抵 
向発抗抗 
かすすす 
つるるる 


0000 

に命 
丨令 

△ △〇 1 

年親 
ごに 
ろ丨 

' 〇 • | 

言級 
¥友 
丨 の 
発 

1 〇 1 〇 

¥流 
丨行 

' > > 〇 

ま誘 
V 惑 

tg 

け 


判をくわえて従わない意に用いる。 
〈抵抗する〉ょり攻撃的な感じが 
ある。 

反発するは、 〈反抗〉のょぅに上 
の者に対してといぅわけでなく他 
人の言動に反対の気持ちや言動 
を持つ意。 

歯向か 5は、〈反抗する〉のくだ 
けた表現。 


逆ら 5は、「風に—」のよぅに、 
物事の勢いや自然の流れとは反対 
の方向に進む意にも用いるが、そ 
の場合他の語は使えない。 

背く には、期待とか気持ちを裏 
切るという意が強い。 


発議は、議題なり議案なりをし 
かるべき会議に初めて持ち出すこ 
と。また、合議体で議員が議事 
の開始を求めること。 

上程は、議案を会議にかけるこ 
とを言う。公的な会議以外はあ 
まり用いられない。 


抵抗する ていこうする 

I 抵抗する/反抗^する/, 
反発^する\歯向(刃向) 
g かう/逆 I らう/背於く/ 
,盾突 r く _ 

f 使ぃ分け例 ) 

抵抗する… 「弾圧に抵抗する民衆。」 


「非暴力抵抗運動。」 

反抗する… 「教師に反抗する生徒。」 
「■期。」 

反発する… 「偉ぶ つて 仲間に反発さ 

れる。」 _ 

歯向かう… 「親分にはむかぅ。」 
逆らう… 「時の流れに^^。」 
背く… 「上官の命令に^。」「親の期 
待に^。」「妻に^。」 

盾突く… 「上司にたてつく。」 


(どう使い分けるか ,} 

抵抗するは、 外から加えられる 
力 や圧迫を はね 返そうとする意に 
用いる。 

反抗するは、 外からの力というよ 
り、親とか目上の者、権力ある 
者に対して、その支配下にある者 
がその意見•主張.制度などに 批 




停滞•丁寧 340 


盾突 <は、口答えしたり、反抗 
する態度に重点を置いた表現。 


停滞 ていたい 

,停滞 \停頓は/足踏 " e 
み\行 ゅき悩特 み/ 立たち 往 



r 使 い分け例 〕 

停滞… 「低気圧の3。」「連休で郵 
便物が停滞する 。I 

停頓… 「業務の 5 W 。」 「会議の進行が 
停頓する。」 

足踏み… 「生産量が状態であ 
る。」「成長が足踏みしている。」 

行キ j 悩み… 「行き悩みを感じる。」「交 


渉の行き悩み。」 I 
立ち往生… 「雪のため立ち往生の 
車。」「難問に@往生する。」 


Q ど-つ使い分 けるか 1 
停滞は、 物事が一つ所にとどまつ 
てなかなか先に進まないことで、 
〈停頓〉と共にややかたい文章語。 
停頓は、 人為的原因で物事が行 
き詰まり、同じ状態にとどまる、 
の意。したがつて「寒気団の蘭」 
に八停頓〉は使わない。 

足踏みは 、〈停滞〉〈停頓〉の意の 
くだけた言い方。「—状態」の形で 
使ぅことが 多い。 

行き悩みは、 更に前進したいと 
か、物事を解決したいという気持 
ちがありながらそうならない場合 
に用いる。 


立ち往生は、前にも後にも進め 
ないような状態の意に用いる。 
〈行き悩み〉が、この先どうしてよ 
いか分からないという気持ちであ 
るのに対して、〈立ち往生〉は外 
的な原因でどうにも動きがとれな 

いという 面が強調され る。_ 

〔注意〕〈行き悩み〉は動詞として使 
う方が多い。 


一-^寧てぃねぃ 
T 寧/丁重 Iv ^ ぅ\慇®!!^〕 

9い分け例) 

丁寧… 「あいさつの仕方が丁寧だ。」 
「丁寧に字を書く。」 ㊣ 乱暴。 
丁重… 「丁重に断る。」 




341 手紙 


慇勤…「慇憝な態度で接する。」11 i 

磨礼。」 


C どぅ使 ぃ分けるか ) 

丁寧は、人に対して礼儀正しく、 
相手の立場や気持ちを考ぇて細 
かく心遣いする意に用いる。また 
物事に対して、注意深くきちっと 
する意に用いる。 

丁重は、人に対する応対の場合 
に使い、〈丁寧〉より更にその慎重 
さや敬意の度合いが強い。 

慇勲は、きわめて丁寧で礼儀正 
しい意で、かたい文章語。なお 
「 I 無礼」は、表面は極めて丁寧 
であるが、心の中では尊大であ 
る、の意。 

〔注意〕宁重〉は〈鄭重〉の書き換ぇ。 


手紙てがみ 

,手紙\ 書簡む \ 信書 ^V 
書状 L b > 文^雁書54\ 
便 i * り/音信32日沙汰 
_ lf \ 消息れ^ 


(使 い分け例 ) 

手紙… 「手紙を書く。」 

書簡… 「大統領からの劃。」 

信書… 「信書を交わす。」「信書の秘 
密 。」I 

書状…「書 ttl をしたためる。」 

ふみ…「ふるさとにふみを送る。」 

雁書… nin が参る 。I 

便り… 「息子から剧が来た。」「彼の 


病気を風の便りに聞く。」 

音信…「15^が途絶える。」 

音沙汰…「半年もがない 。I 
消息…「類がない。」冚で園を絶 
つ。」 「 S 文。」 


〇ど-つ使い 分けるか ) 

手紙は、日常広く使われるが、 
広い意味では「葉書」も含め、狭い 
意味では封書を言ぅ。 

書簡は〈手紙〉の改まった語で、 
主に公的なものに用いる。 

信書は個人の間でやりとりする 
手紙。 

書状は、相手に伝ぇるべき用件 
などを比較的改まった調子で書い 
た文書や手紙。改まった相手に対 
して用いる。 

ふみは〈手紙〉の意の雅語、雁書 




敵 342 


は漢語の文章語でともに古風。 
便りは〈手紙〉よりやや雅語的な 
響きがある。特に近況などを知ら 
せる手紙に用いる。そのほか「花 
の I 」のように、ある事に関する 
情報の意にも用いる。 

音信は、手紙などによる知らせや 
連絡の意で、音沙汰と同じく多 
くは否定的表現を伴って用いる。 
消息は、人がどうしているか、物 
事がどうなっているかその様子の 
意で「 I 不明」のように用い、また 
そうした様子を伝えるものとし 
て、知らせ.〈手紙〉の意にも使う。 


敵てき 

「敵/敵ノ仇 s \ 仇敵 II ぅ\一 


L ライバル 


〇使い分け例 」 

敵:;;… 「»|と戦ぅ。」「痴漢は女性の 
敵。」「公害は人類の_。」 

敵 S *' た…「商売がたき。」「父の^^を 
討つ。」「目のかたきにする 。」I 
あだ… 「_を討つ。」「恩を_で返 
す。」「好意がかえってとなる。」 
仇敵… 「仇敵に出くわす。」「不俱戴 

天の與」 

ライバル… 「ライバルに勝つ。」「ライバ 
5意識〇」 


(どう使い分けるか) 

敵 は、戦いや競争•試合などの 
相手、また、害を与えるものの 
意に使う。 


敵 * *■ たは、古くは〈敵 < J とほぼ同義 
であったが、現在は何かで競争し 
たり競り合ぅ相手の意に「.•.がた 
き」の形で用いることが多い。また 
〈あだ〉と同じく、恨みのある相手 
にも用いる。 

あだは、 〈敵 S *- た〉と同じく、恨み 
を返すべき憎い相手の意に用いる 
ほか、悪意のある仕返しや、予 
想に反して害となって返つてくる 
事柄にも使ぅ。 

仇敵は、 〈敵 S *' た〉や〈あだ〉にもあ 
る、恨みや憎しみのある相手の意 
に用いる漢語。<敵”>よりもかた 
い文章語である。 

ライ'八ルは、恨みとか憎しみと 
はあまり関係なく、よい意味での 
競争相手、好敵手の意に用いるこ 
とが多い外来語。(英語 rival ) 



343 手際•弟子 


ラ仇仇敵敵 

八 

ル敵 


△〇〇〇〇 

討 1 
つを 

1 1 1 1 〇 

将 1 
兵の 

1 1 1 〇 ' 

取丨 

るを 

1 1 0 | | 

と好 

穿意 

るが 

〇 | | | | 

の学 
丨問 
上 

' 〇 • ■ 〇 

類癌 
のは 
丨人 


手際 てぎわ 
〔手際/手口|"\ゃり口%<1__| 


(,'使い分け例 ノ 

手際… ょく料理する。」「交渉の 
手際が悪い。」 

手口… 「あの事件と手口が同じだ0」 
「巧妙な^5の犯罪|.°| 

やり口… 「強引なやり口にあきれる。」 
「ゃり が汚い。」 


弟子でし 

「弟子/門人2\教3え子一 


L ご\生徒 r 

(使 い^^} 

弟子… 「落語家に^ F 入りする。」 
「大工さんが^^をとる。」 

門人… 「内村鑑三先生の^^とな 
る。」,®門弟。門下生。 

教え子… 「教え TF の結婚式に招かれ 
る。」「林先生の^: P 。」 

生徒… 「麻生中学の5^。」「彼は私 
の生徒だった。」 


〔どう使い分けるか 1 ノ 

弟子は、 特定の師匠や先生につい 
て教えを受け修業に励む者を言 
い、単に学問のみならず広く芸 
道.技芸.スポーツなどにわたり、 
また、師も特に著名な人でなくて 


C どう使ぃ分けるか,一 

手際は、 物事を無駄なく処理す 
る手並みや方法の意に用い 、「I 
がょい」「 I が悪い」という形で使う 
ことが多い。 

手口は、 主に犯罪や悪事のやり 
方.手段の意に用い、悪いィメー 
ジが伴う。 

やり口 も、実際に何かを行うと 
きの手段.方法の意であるが 、「I 
が汚い」のょうに、公正.正当でな 
いやり方に用いることが多い。 





手なずける•手本 344 


も用いられる。 

門人は、学問や芸術.技芸などの 
上で一家をなす特定の先生につい 
て教ぇを受けている弟子に用いる 
漢語の文章語。 

教え子と生徒は、同じょうに、 
学校で教ぇを受ける者を言う。 
〈生徒〉は、ある学校に在籍してい 
る者を言うのが本来の用法で、ま 
た、現在教ぇを受けている者に使 
うが、〈教ぇ子〉は「〇〇高校の 
I 」とは言わず、個々の先生との 
関係で使い、しかも過去に教ぇた 
者にも使う0 ___ 


手なずける てなずける 

「手なずける/丸 5 * め込こ一 


む/抱’たき込こむ/懐柔伽1ぅ 
する/籠絡 tf する _ 

分け例」 

手なずける… r ラィオンを手なずけ 
扣。」「部下を手な' fl ける。」 
丸め込む… 「怒る妻をことば巧みに 
丸め込が。」 

抱き込む… 「わいろを贈って政治家を 

抱き込仂。」 _ 

_ 柔する… 「相手を懐柔する。!^ 
籠絡する… 「甘い言葉で籠絡する。」 


P ど 一つ 使い分けるか U 
手なずけるは、 動物や人などを 
うまく取り扱って自分の思う通り 
になるように仕込んだり、味方に 
つける意に用いる。 


丸め込む は、自分と意見を異に 
する者などをうまくあしらつて、 
自分の思い通りにすること。 
抱き込む は、〈丸め込む〉が巧み 
な手段で相手をうまくだますとい 
うニュアンスを持つのに対して、だ 
ますというょり利益を与えて相手 
を自分の側に引き込み利用する、 
というニュアンスを持つ。 

康柔するは、 〈抱き込む〉の意の 
ややかたい漢語的文章語。 籠絡 
するは 〈丸め込む〉意の非常にか 
—たい漢語的文章語。_ 

手本 てほん 

「手本\模範^\範3\規範| 

一|ん\亀鑑的ん\標準§ゼ\見 


345 手本 


見範模手 
本範本 


0000 

と子 

穿供 

るの 

〇 △ 1 〇 

阜 I 

すの 

1 1 〇 1 

|U 

る答 
案 

〇 1 1 1 

丨商 
品 
の 

1 〇 1 1 

れ 1 
る 塞 


文章語。 

標準は、物事の程度を判断した 
り比べたりするときのよりどころ 
となる一般的な目じるし•基準の 
ことで、「 I 的家庭」のよぅに、一 
般的•ごく普通の、といぅ意にも 
使われる。 

見本は、商品などで全体の質や 
状態が分かるように示す品物のこ 
と。比喩的に人にも使う。 


ひながたは、実物を小さくかた 
どって作った物で、模型の意の和 
語。また、決まった形式の書類の 
書き方見本の意もある。 

モデルは、模型•型式•見本、また 


L 本1ん\ひながた/モデル」 
〇使い分け例〕 

手本…「習字の手本。」「手本を示 
す。」 

模範…「生徒にを示す。」「觀 
青年。」 I 
範…「範を S れる。」「全社員の範たる 
べし〇」 

規範…「社会の劃を作る。」「圏 

文法。」 

亀鑑…「教育者の劃たれ。」 

標準… 「 W 1 T を超える体重 。」 「WW 
語。」— 

見本…「_の商品。」「まるで節約家 
の見本のょぅな人。」「見本市。」 
©サンプル。 

ひながた…「宇宙船のひながた。」 
⑩模型。「休学届のひながた。」 


モデル…「車のモデル。」「マンションの 
モデル•ルーム。」「この作品の^^ 
は実在する人。」 


c どぅ使ぃ分けるか j 

手本は、元来習字や絵などを書 
くときの模範となる書画、またそ 
の本のこと。また模範となるべき 
人の状態•行為の意にも用いる。 
模範は、見習ぅべき立派な手本 
の意の漢語だが、人の状態や行 
為についてしか用いない。 

範は〈模範〉と同義のややかたい文 
章語。亀鑑も同義で非常にかた 
い文章語。 

規範は、物事を判断•評価したり 
行動したりするときの、 より どこ 
ろとなる規準の意で、具体的な人 
の状態•行為には使わない。かたい 





街う•出る 346 


小説.絵画などの素材となる人 
物•ファッションモデルなどの n 思に広 
く用いられる外来語。 _ 


® うてらぅ 

,街う/ひけら かす/見みせ— 
びら かす/気取2る/恰好 
諄つける/振•ふる/勿体^ 
ぶる , 

分け — e 

01つ… 「彼は奇をてらうことのない飾 
り気のなぃ人柄だ。」「学をてら|5|。」 
ひけらかす… 「才能をひけらかす。」 
見せびらかす… 「彼氏からもらった 
指輪を見せびらかす。」 


気取る… 「気取った歩き方! J ^ 

ムロ好つける… 「そんなに恰好つけても 
すぐぼろが出るょ。」 

ぶる… 「彼は人前に出るといつもぶる 
んだょね。」 I ] 
もったいぶる… 「もったいぶった口調 
で話す。」 


ハ ど一つ使い分けるか^ 

货うは、目立つよぅな振る舞いを 
して自慢したり、知識や才能な 
どがあるかのよぅに振る舞ぅ意に 
用(る。物を自慢する意には使わ 
ない。 

ひけらかすは、 〈街ぅ〉よりも更 
に自分の持つているものを、得意 
になって人前に示す意で、事柄、 
物両方に使う。 

見せびらかす も、自分の持ってい 


るもの、特に物質的な物を自慢 
そうに人に見せる意に用いる。 
気取る は、単に自分の持っている 
ものというのでなく、自分の存在 
全体にかかわることでいいところ 
を人に見せようとする場合に用 
い、 怡好つける はほぼ同義の俗 

ぶる も同義であるが、「学者—」 
のように接尾辞としての使い方が 
多い。動詞としては俗語的。 
もったいぶるは、 必要以上に 
重々しく偉そうに見せかける意。 


出る でる 

「出る/出現^っする/現 r — 
i れる\表2られる/現出 ulf , 



347 天気 


L する\現前?^する 


('使い分け例) 

出る… 「水が^5。」「幽霊が^^。」 
「音が3。」「顔色に^^。一 ■ 
出現する… 「救世主が出現するのを 
待つ民衆。」「新製品の_。」 
現れる… 「偉大な大統領が^^。」 
表れる… 「彼の気持ちがこの文にょ 
く S ている。」 

現出する… 「夢に見た光景が現出し 

た。」「奇跡の翻。」 

現前する… 「現前する事実は疑えな 
い。」「劃の情景に目を見張る。」 


广どう使い分けるか〕 

出る は、このグループの語の中で 
は最も一般的に幅広く用いられ 


る。意味も広く、ここの例はその 
一部である。 

出現するは、 隠れていたり、知 
られていなかったりした物が、はっ 
きり形をとつて現れてくることの 
意に用いる。ややかたい文章語。 
「新星の!^」とは言うが、「月が 
雲間から出現」とは言わないよう 
に、日常の自然現象や動植物に 
はあまり使わない。 

現れる は、今までなかった物や見 
えなかった物、あるいは隠れてい 
た物が人に知られるようになる意 
に広く用いる。また物や人だけで 
なく、「効果が I 」のように事柄 
一般にも使う。 

表れる は、思想.感情など心の 
内側のものが具体的な形となって 
表面に出てくる場合に用いる。 
現出するは、 実際に現れ出る意 


で「夢の中に一」とは言いにくい: 
現前するは、 目の前に現れ出る 
意で、〈現出する〉ょり更に具体 
的ではつきりしている場合である。 

天気 てんき 

|天気\天候|1\空模様~ 

II ぅ\日和^\雲行1き— 

(使い分け例」 

天気… 「今日はがいい。」「やっと 
天気になる。」 

天候… 「向こぅ三日間は^^に恵ま 
れる。」「今年の夏の觀。」「農業は 
に左右される。」 

空模様… 「はっきりしない空模様。」 




伝達 348 


日空天天 

和様候気 


△〇〇〇 

予明 
報日 
の 

- 〇△〇 

しは 
な$ 

V ? 

〇 - △〇 

Vg 

たは 

よ 

• _ 〇 A 

だ丨 

が 

不 


順 


「両国の間は険悪な空模様だ。」 
日和…「結婚式にもってこいの日和。」 
「行楽3。」「^が良い。」 

見主義。」 

雲行キ」 …「どうも# I 行 SI が怪しい。」 


C ど-つ使い分けるか1 

天 Jl 3 a には、晴天という意で用いる 
場合もあるが、この使い方は〈天 
候〉にはない。 

天候は、ある 期間内の天気の状 
態の意に使う。 

空模様は、天気の具合や様子を 
言うが、「—が良い」とは言わず、 
天気が悪くなりそうな場合に多く 
使う。 そこから また、比喩的に、 
物事の(心配な)成り行きにも用い 
る0 

日和は、特に行楽とか式など何 


かをするのにふさわしい天気と 
いう意で用いる。「 I 見」は比喩的 
に用いる。 


雲行キ J も〈空模様〉と同じく、あ 
まり天気の状態が良くない、これ 
からだんだん悪くなるという場合 
に使う。転じて物事の(心配な) 
成り行きや形勢にも使う。 


伝達 でんたつ(〇知らせる) 

~伝達/伝言 XI /言付^, 
け/人伝??/申, f し送 <*»■ り— 


f 使い分け例 」 

伝達… 「注意事項の IM 。」 「部長の 
意向を課長が伝達す^|。」「情報伝 

311 機関。」「大衆 II 達。」 

伝言… 「帰省する友に母への伝言を 
頼む。」「母に伝言す^>|。」「雲板。」 
言付け… 「上京す る 友に言付けをす 
る。」 「言付げを聞く。」⑱言伝?!。 
人づて… に聞く。」 「 AI づてで 
言って やろぅ。」 

申し送り… 「全員に漏れないよぅに 
申し送りをする。」「先方へ手紙で¢1 
し送りをする。」 


( ど-つ使い分 けるか j 

いずれも「伝える (= 人を介して知 
らせること)」意を基本的に持つ。 
伝達は、伝えることの意の漢語で 




349 同意 


かなりかたい文章語なので、「う 
わさを—する」などとは言わず、 
公的な場面である程度重要な事 
柄について使う。なお「大衆—」 
は、マスコミュニケーションの訳。 

伝言は、 個人的•私的な場合に 
使い、言葉を伝える こと、 伝える 
言葉、両方の意味がある。 
言付けは 、〈伝言〉と同義の和語 
だが、やや古い感じが あり、 〈伝 
言〉の方がむしろ日常語的であろ 
う。動詞〈言付ける〉には、物を 
人に頼んで先方へ渡す、の意もあ 
る。 

人づては、 他人を通して伝える 
ことで、〈伝言〉〈言付け〉に似てい 
るようだが、誰か具体的な人を 
通じてと特に意識しないこと、 

「—する」「 I る」などの動詞がない 
こと、 「 I を頼む」 とは 言わない こ 


とな ど、 かなりの 違いが ある。 
申し送りは、 多くの人の間で、 
A から B 、 B から c 、 C から D 
といぅよぅに順々に伝えていくこ 
と。ほかに、手紙や電話などで離 
れ ている 相手方に言つ てやること 
の意味 もある。 


□ 


同意 どうい (0 承知.了解) 

,同意\賛成^\賛同|1\, 
_賛助 S 4\ 支持 ub 


ハ使い分け例) 

同意…「到を求める。」「結婚に劃 

する。」 

賛成… 「震多数と認める。」「議案に 
賛成する。」 ㊣ 反対。 

賛同…「大方の圓を得る。」「趣旨に 
賛同して寄付をする。」 

賛助… 「 SW 会員。」て出演 
する。 一 

支持… 「大衆の_を受ける。」「あな 
たの支持する政党は。」 


(ど5使い分けるか) 

同意は他人の意見と同じ意見を 
持つ こと、 それを言動で示す こと。 
賛成は他人の意見や提案を良い 
と 認めて同意する こと、 賛同もほ 
ぼ同義であるが、賛否を問われる 




どうか•動作350 


何とぞは 、〈どうぞ〉とほぼ同義 
であるが、相手に願う気持ちが更 
に強い。やや古風な言い方。 
くれぐれもは、 十分に念を入れ 
るように相手に申し入れる場合に 
使う。やや改まった言い方で、手 
紙とか別れるときのあいさつの 中 
で用いることが多い。 

なんとかは、 実現は難しいかも 
しれないが、そこを無理しても、 
と願う気持ちを強く表す。また、 
十分とは言えないがそれに近い程 
度になるだろう、 という 場合にも 
用いる。 


場面で言うのは〈賛成〉であり、 
「彼の意見に—だ」と言う場合に 
<賛同〉は不適当だ。 

賛助は会や事業の趣旨に賛成し 
て力を貸すこと、支持は主義•主 
張に賛同して後押しすること。前 
者は多く個人的、後者は国民•住 
民•組合など多数者にも使う。 


どぅか 

—どぅか\どぅぞ\何 K * とぞ\— 
くれぐれも \何3とか 

〇使い分け例 W 

どうか… 「どぅかよろしくお願いしま 
す。」「この古新聞どぅかならないか 
な。」「今日、私はどうかしている。」 


どうぞ… 「どぅぞお先に。」 

何とぞ •••「何とぞお許し下さい。」 
くれぐれも… 「くれぐれも よろしく 
お伝え下さい。」 

なんとか… 「なんとかして下さい。」 
「なんとかなるさ。」 


(ど5使い分けるか d 

ど I つかは、 相手に丁寧に頼むと 
きに用いるが、その場合 どうぞ も 
使える。〈どぅか〉は、少し無理 
とは思ぅがそ こを 何とかと願ぅ気 
持ちが強いが、〈どぅぞ〉は表現が 
いくぶんやわらかい感じ。また〈ど 
ぅか〉は、なんとかならないかと願 
ったり、何か様子が変だと思った 
りといぅよぅな場合にも使ぅが、 
そぅいぅ場合には、現在〈どぅぞ〉 
は使わない。 


動作 どうさ (〇動き) 

「動作/動 ri き\ 振 ふる 舞まい/1 




351 道徳 


1挙動!1\素振#り 」 

ハ 使い分け例一 ) 

動作…「劃がのろい。」「運転謂。」 

動キ J …「心臓の動きが止まる。」「今日 
は体の_がいい。」「_がとれな 
い。」「株価の_。」「社会の_。」 

振る舞い…「振る舞いに気をつける。」 
「傍若無人の振る舞い。」 

挙動…「あの男の_に注意せょ。」 
「一®不審。」 

素振り…「悲しそうなそぶりをす 
る。」「うれしそうなそぶりが感じら 
れる。」 


f ど-つ使い分けるか } 

動作は、人が何かを するとき の 
体の動きを表す。 


動$は、単に人の体の動きだけ 
でなく、あらゆる物事の位置や場 
所の変動や状態や情勢などの変 
化を表す。 

振る舞いは、〈動作〉が体の動き 
それ自体に視点を置いているのに 
対して、特に人の前での態度•行 
動や動作の仕方の意に用いる。す 
なわち 周りの人々 との 関係に視点 
を置いた言葉である。 

挙動は、外に現れた人の動作や 
行動のことで、一般に「 I が怪し 
い」とは言うが「 I が立派」とは言 
わないように、マィナス評価を伴 
うことが多い。 

素振りは、そうした動作や行動. 
態度などに感じられる気配とか、 
そこに現れた喜怒哀楽といつた心 
的状態について用いる。〈挙動〉が 
その行動•動作に伴うその人の意 


図や目的に視点を置くのに対し 
て、〈素振り〉はその態度•動作に 
感じられる感情に主として視点を 
置く。 


道徳 どうとく 

I 道徳/徳<1:\公徳2:;0\倫理 

°1\人倫^/モラル 


(使い分け例〕 

道徳… 「 MW を守る。」教育。」 
「公衆_。」 

徳…「倒のある人。」「才あって御なし。」 
公徳…「公徳心を高める。」 

倫理…「5¥の研究。」「政治®。」 
IW 学。」 




時 352 


人倫…「人倫にもとる行為。」 
モラル…「モラルの向上に努める。」 


(どう使い分けるか〕 

道徳は、人が社会生活をする上 
で、他の人や社会に対して守るベ 
き行為の基準を言ぅ。 

徳は、その人の身に備わつている 
優れた人柄や品性•行いの意に用 
いる。 

公徳は、公衆道徳のことで、特 
に社会とのかかわりに視点を置い 
たかたい文章語。「 I 心」の形で使 
うことが多い。 

倫理も、〈道徳〉とほぼ同義の、 
よりかたい文章語。道徳を学問 
的対象とする場合に使うことが多 
い。倫理学の略としても用いる。 
人倫は、何よりも人としてあるべ 


き、またどぅしても守るべき倫理 
道徳の意のかたい文章語。 
モラルは、〈道徳 X 倫理〉と同義 
の外来語(英語 moral )。 最近で 
は〈倫理〉や < 道徳〉より気軽に使 
われ、日常語化している。 


時 とき (〇頃) 

I 時\時間、 r \ 時刻 CU く/夕— 

_ィム/アワー I 
c ; 使い分け例 W 

時…「時のたつのは早い。」「ゲームに時 
を忘れる。」 「' Bfl が迫る。」「天候の変 
わりやすい B # l 。」 「変革の_。」「0#|を 
待て〇」1®所 

時間…「團を守る。」「食事の!^。」 


「時間を超越する。」 ㊣ 空間。 
時刻…「到着のは3時 
を まわりました。」 

タイム…「タィムを計る。」「タィムを 
求める。」「ティータィム。」「タィムカ 
—ド〇」 

アワ I …「ラッシュアワー—。」「ーキロワ 
ットアワー。」「ゴ • ~ルデンアワ^—。」 


(ど5!使い分けるか) 

時は、過去•現在•未来へと流れ 
続く時間として、またある一点に 
定められた瞬間的な時、ある長 
さの時間としての時、時期•季節 
の意味の時、時代あるいはチャン 
スといつたよぅにさまざまな場合 
に使われる。 

時間は、空間に対立する時の全 
体概念としての意味、またその流 



353 時時 


れの一点から一点までの間の長さ 
のある時の意だが、俗には〈時刻〉 
の意にも用いる。〈時〉を「じ」と読 
んで「三 B # l 」と言えばある一点の 
時であるが、「三!^」と言えば 
ある長さの時を表す。 

時刻は、 時計が刻々と刻む時間 
のある一点を言う。時の長さを 
言う ことは ない。 

タイムは 〈時間 X 時刻〉両方の意 
で使うが、一語で使う場合、競 
技などでそれに要した時間や、ル 
1ルなどで決められた一定の時間 
の意のことが多い。またタイムア 
ゥトの略として、競技一時休止 
の意にも使う。 

アワ— は、英語 hour は名詞だが 
日本語としては ほとんど 他の外来 
語に付けて用いられる。意味は、 
時.頃•折.時代•単位としての一 


厂時間な どいろいろ。 


時時 ときどき 

|時時\時折?|\折折?!\| 
折節找\時#!: たま\時れに\ 

_ 時 # t として I 

ハ使:^け例;} 

時時… 「渋谷には!^出掛けます。」 
時折… 「両親が!^訪ねてくる。」 
折折… 「四季穿の楽しみ。」「穿電 

話をかける。」 

折節… 「_訪れる。」「_外出中 
でした。」 

時たま… 「彼とは!^会う 。I 
時に… 「普段はおとなしいが、!^怒 


る こと もある。」「時に、君の仕事は 
ぅまくいつてるかね。」 

時として… 「たいていは家にいるが、 
時として出掛けることもある〇」 
©時には。 


(どう使い分けるか) 

時時と 時折はほぼ同義で、そん 
なにひんぱんではなく、 しばらく 
間をおいては何かを繰り返す場合 
に用いる。〈時折〉の方が、〈時々〉 
に比べて、 まれと いうわけではな 
いが繰り返される度合いがそれほ 
ど多くない場合に用いるようであ 
る。また、やや改まつた感じで文 
章語的である。〈時々〉は日常語。 
折折は、「 I のうた」のように名 
詞 として、 その時その時の意にも 



解く 354 


用いるが、副詞としては〈時折〉と 
ほぼ同義でより改まった感じの文 
章語。 

折節は、更に古い感じ。名詞と 
しては〈折折〉と同じ意味があり、 
副詞としては〈折折〉の意のほかに 
ちようど その時といった意の使い方 
もある。 

時たまは、〈時々〉や〈時折〉より 
も繰り返される度合いがず っと 少 
なく、たまにそのこと が行われる 
場合に用いる日常語である。 
時には、〈時たま〉 とほ ぼ同義だ 
が、「何 かのはずみにそういう こと 
も ある」といった 感じを伴う場合に 
使う ことが 多い。ほかに、 「ところ 
で」の意の接続詞的用法もある。 
時としては、〈時に〉 と 同じ。 た 
だし、 「ところで」の!はない。 


解く とく 

I 解(溶)く/溶(解)とかす V 
靡く/解 S す — 


(使い分け例) 

解(溶)く… 「ひもの結び目を 

「粉を水に$。」「髪を^^。」「緊 
急警報を^7。」「問題を_く。」「怒 
りをぞ。」 ㊣ 結ぶ。_ 

溶(解)かす… 「チーズを溶かす。」 
「絵の具を「髪をくしで_ 
かす。」 

ほどく… 「なわをほどく。」 ㊣ しば 
る。 

ほぐす… 「糸のもつれをほぐす。」「緊 
張をほぐす。」「卵をほぐす。」 


ハどう使い分けるか) 

解くは、今まで結んであつたり縛 
つてあつたりしたものをばらばらに 
分け離す、固形物や粉を液体に 
入れ、全体として液状にする、 
また、乱れたものを整えたり、絡 
んでいるものを分け離す、などの 
意。そこから今までき ちつと 整え 
られていた設備、組織、状態など 
をゆるめたり解除したりする意に 
も用いる。 

溶(解)かすは、 固形物や粉を加 
熱したり液体を加えたりして液 
状にする、の意で、「チーズを—」 
は〈解く〉ではおかしい。また、髪 
の乱れを整える意もある。 

ほど <も、基本的な意味として 
は〈解く〉の最初の意味と同じで、 




355 独自•特徴 


ほほとと 
ぐ どか 
すくす< 


0000 

丨髪 

を 

〇〇 ■ 〇 

れ糸 

をの 

1も 

〇 • - 〇 

を緊 

丨張 

'' 1 〇 

1謎 
を 

,〇•〇 

を荷 
丨物 

〇 ' △〇 

丨卵 
を 

A 1 〇 1 

をチ 

ズ 


くたけた日常語。〈解く〉が広く、 
組織•状態•抽象的内容の事柄な 
どに用いられるのに比べて〈ほど 
く〉は具体物以外は使えない。 
ほぐす は、何か塊のょぅな状態 
のものを細かくさばいて分ける意 
で、「卵を—」に〈ほどく〉は使えな 
い。また何かの精神的圧迫をやわ 
らげる場合にも用いる。 


独自 どくじ 

「独自\独特げ\特有”\1 


L 固有! ; 」 

〇 使い分け例 W 

独自… 「_の判断で行ぅ。」 

調査する。」「_性。」 

独特… 「日本語_の表現。」「バラの 
独特の色。」「彼の_の声。」二種 
_。」 

特有… 「この花特有の香り。」 

固有… 「民族顆の文化がある。」 


〇どう使い分けるか ) 

独自は、他のものと異なり、そ 
れ自身だけにある、そのものだけ 
で、の意で、人間の働き•行為 • 
考え方•生き方やあり方などに用 
いることが多い0 

独特は、そのものだけが持つてい 


る特別な性質であることの意、人 
にも物にも広く用いる。「 I に研 
究する」には〈独自〉が妥当で、 
〈独特〉は使えず、「 I の研究方 
法」にはどちらも使える。また「— 
性」では〈独自〉、「一種—の」では 
〈独特〉だけが使える。 

特有は、他にはなくそれだけに 
備わっていることの意で、特に備 
え持つといぅことに重点を置く言 
葉。 

固有は、もともとそのものに自 
然に備わつていることの意に用いる 
かたい文章語。 


特徴とくちょぅ(〇性質) 

「特徴\特長^ぅ/特色一 




特別 356 


W く/特質^ 


( 使い分け例 ) 

特徴… 「横顔に議のある男。」「議 

的な話し方。」 

特長…「燃費の安いのがこの車の最大 
の M だ。」 

特色…「各人の特色を生かす。」「ゴツ 
ホの絵の§。」 

特質…「日本美術の WS 。」 「アメリカ 
外交の§。」 


(ど-つ使い分けるか」 

特徴は、ほかの ものと 比べて特に 
目立つ点とか区別されるところの 
意に用いる。 

特長は、ほかのものと比べて特に 
優れている点とか、そのものだけに 


備わっている長所を言う。〈特徴〉 
には この 評価の意識はない。 
特色は、ほかの ものと 比べて違う 
点、またほかより優れた点を合わ 
せ持つ場合に用いる。〈特徴〉と 
〈特長〉の二つの意味を同時に持 
ち、人や芸術作品などの場合、 
「持ち味」というくだけた表現に置 
き換える こと もできる。 

特質は•〈特長〉や〈特色〉のよう 
に価値評価の意味を含む語では 
ない。一方、〈特徴〉と比べ、具 
体的な物より、大きな抽象的な 
事柄について使うことが多い。 


特別とくべつ 

「特別\特殊^\格別5?\1 


L 別格^\並 なみ 外 e れ 」 


へ使い分け例) 

特別… 「 WW の列車編成。」「今日は 
食事が特別ぅまい。」「特別扱い。」 
「 SM 室。」まずくもない。」 
特殊… 材料を用いる。」「額 
*1書体。」技能。」 

格別… 「今日の寒さは「糊 
刺のご愛顧。」 

別格…「彼女だけはの扱いだ。」 
並み外れ…「並み外れの大きな体。」 
「並み外れに大きい。」 


〇ど-つ使い分けるか) 

特別は、普通一般の ものと 違い、 
特にそれぞれ区別されるさま。副 
詞 としても 使い、その場合、打ち 




357年月 


消しを伴ぅと「それほど」 の意。 
特殊は、 性質や内容の点で普通 

のものと特に? S つている場八 n に用い 
る。「 I 料理」の例で〈特別〉と〈特 
殊〉を比べると、前者は価値の高 
い物、後者は変わった物といぅニュ 
アンスの違いがある。 

格別は、普通とは違って状態な 
どの程度が甚だしく大きい(高い) 
さま。また副詞と しても 〈特別〉 


格 

別 

特 

殊 

特 

別 



と 

.ほ 

ぼ 

同 

〇 

〇 

〇 

を 

す 

る 

1 

な 

扱 

い 

〇 

1 

〇 

扱 

1 

に 

取 

に 

使 

え 

る 

1 

〇 

1 

を 

持 

つ 

1 

な 

性 

質 

〇 

1 

〇 

さ 

は 

1 

だ 

0 

の 

暑 

丄 

1 

0 

い 

1 

扱 


別格は、特別に取り扱われる地 
位。名詞である。 

並み外れは、〈格別〉とほぼ同義 
の和語。ただし、副詞はない。 


年月 としつき.ねんげつ 

,年月\歳月? a \ 日月 ^ A 
对\月日"?\春秋&ジ星 
,霜^\光陰^ 


( 使い分 け例 ノ 

年月… 「過ぎ去った年月。」「年月を経 
る。」「長い!^をかける。」 

歳月… 「_の流れ。」「_人を待 
たず。」— 

日月…の進歩が著しい。」 
月日…「月日が 定まらない。」「月日の 
立つのは早い。」 

春秋… 「劃に開かれる学会。」「劃 
を経る。」に富む。」 


星霜… 「努力を重ねること幾!!^。」 

光陰…「劃 矢のごとし 。I 


广 ど-つ使い分 けるか ) 

いずれもある程度以上の 長さの寺 
間を言う言葉。 

年月は、何年か以上の長さを言 
うのが普通である。〈としつき〉は 
和語で、やや雅語的響きを持ち、 
〈ねんげつ〉はややかたい表現の中 
に用いる。意味は全く同じ。 

歳月も同義で、ょり改まった文章 
語。日常 語と してはあまり 使わ 
ないが「 I 人を待たず」は漢詩に基 
づ くこと わざで、〈歳月〉 を使う。 
日月は、〈歳月〉と同義の文章語 
だが、「じつげつ」 と言う 場合、 太 
陽と月の意もある。 

月日は、〈年月 X 歳月〉とほぼ同 



年寄り358 


義の日常語だが、〈年月〉ょり短 
い、数 か 月程度の時間にも使う。 
春秋は、四季のうちの春と秋の 
両シーズンという 意もあるが、〈歳 
月〉 と同義にも用いられる。特に 
未来の時間を言うことが多い。ま 
た、一年の意もある。 

星霜•光陰は、いずれも過ぎ去っ 
ていく 年月、長い時間を表す文学 
的な文章語。意味と して 差はない 
が、「幾—」は〈星霜〉を使うこと 
が 多く、 「 I 矢の如し」 はこと わざ 
で〈光陰〉に決まっている。 

〔主意〕 〈月日〉をガッピと零っと、何 

月何日という日付けの意になる。 


g れぃ\老齢^/老体^/ 
,老骨^, 

け例 」 

年寄り…「年寄りを大切にする。」「こ 
の 年寄りが知つていることをお話し 
しましょぅ。」 「お年寄り。」 I 
老人…の 問題を考える。」「老 
AI 問題。」ホーム。」 

高齢者…「高齢荀の人口が多くな 

る。」 「 wl ¥ 福祉。」 _ 

老齢…「老»|の人優先の席。」「老齢 
年金。」 I 
老体…「¥5をいたわる。」「ご老体。」 
老骨…「老#1にむち打って働く。」 


年寄りとしょり 
「年寄り\老人 £|\高齢者1 


う使い分けるか j 
年寄〇 はく だけた 和 M PP で、改まつ 


た場面では あまり 使わない。自分一 
を指しても使える。他人を言う一 
場合「お年寄り」が普通。 ! 
老人は〈年寄り〉よりやや文章語 
的な漢語。 

高齢者は、〈老人〉よりかたい文 
章語。「高齢化社会」という言葉 
と共に、近年よく使われるように 
なつた。 

老齢は、〈老人〉の意味ではなく、 
年齢が高いこと。〈老人〉の意で 
「 WS 者」と言うのはあまり聞かれ 
ない。かたい文章語。 

老本は、本来老いた身体の意だ 
が、〈老人〉の意にも使い、_に 
「ご老体」と言えば「お年寄り」10 
意の漢語である。ただし、「ご老 
体」には、「お¥1寄り」と異なり 
一少々やゆ的な調子が感じられるこ 
とがある。 




359 途中 


老高老年 
齢寄 
体者人り 


△〇〇〇 

切丨 

にを 

大 

' 〇〇1 

問丨 
題福 
祉 

〇1〇 • 

1 st 

1 1 I 〇 

冷 

〇 1 1 I 

「る! 


老骨は、本来の意味の〈老体〉に 
同じ。〈老人〉の意はなく、「ご 
I 」とも言わない。 


途中 とちゆう 

|途中\中途2ゅぅ\途上以ょぅ\| 
|中頃玆\中程|2\半|ば_ 

( 使い分け例 ) 

途中… 「会社に行く M ¥ u _ 0 r 宿題を 
途中までする。」 

中途… 「話を!^で遮ぎる。」採 


用。」「中途退学。」 

途上… 「発展の途上にある国。」 
中頃… 「昭和の圍。」「試合の圍か 

ら調子が出る。」 _ 

中程… 「島の!^にある小山。」 

の成績。」「話の!^。」 I 
半ば… 「九〇年代3。」「研究 
にして病に倒れる。」「3無意識に 
叫ぶ。」 


(どう使い分けるか) 

途中は、 ある目的地に至るまで 
の間のどこかの地点、また物事の 
終わるまでの間のどこかの時点の 
意。 

中途は 〈途中〉と少しニュアンスが 
異なり、本来のあり方でなく物事 
の半ばに何かが起こるという意識 
が強く、そうした用い方が多い。 


〈途中〉より少し文章語的である。 
途上はややかたい文章語。物事 
が進行している途中の意に用いる。 
中頃は、ある時代とか期間の中 
程、また進行している物事の真ん 
中あたりの意に用いる。時間的流 
れの中程であって、空間的な中途 
の意には使わない。 

中程は、進行中の物事について時 
間的な中頃の意にも、空間的な 
真ん中あたりの意にも使う。また 
品質.順位•程度などの真ん中あ 
たりの意にも用いる。 

半ばは、数量的なもの、また場 
所や期間、進行中の物事の真ん 
中あたりの意に、幅広く用いられ 
る。副詞的に、物事の程度が中 
位だという意味で使う用法もあ 
る。 





とっくに•とにかく 360 


とつくに 

-疾 とっくに/ 疾 W に/疾 at か— 
ら\早|く/夙1;に 

r ^ i い 分け例〕 

とつくに… 「彼はとっくに家に帰った 

ょ。」 

と I つに… 「子供は tl ぅに寝た。」 
とうから… 「競技はとぅから始まって 
いる。」— 

早く… 「 iF ^ 明治初期にその兆しは 
あったのである。」「両親とは早くに 
死に別れた。」「朝!^から起きてい 
る。」 

つとに… 「計画は^^敵に察知せら 
れた。」「^5学に志す。」 


广 ど-つ使い 分けるか ) 

とつ<には、 時間的にずっと前に 
何かが行われたり何かの状態が終 
わっている場合に用い、 と-つに も 
ほぼ同義。いずれもある行為や状 
態がかなり早い時点に終わっていて 
現在にまで続いていない。 
と-つからは そぅした行為や状態 
が現在も行われていたり続いてい 
たりしている場合に用いる。 

早くは、形容詞「早い」の連用形 
が副詞化した(あるいは副詞的に 
使われる)もので、前の三語との 
意味の違いは、今ょりずっと前と 
いうだけでなく、ある物事が始ま 
つてからあまり時間がたつていない 
時にその事(事件や現象など)があ 
つた、という意味合いを持つことで 


ある。 

つとには、 雅語的な言葉で、早 
くからの意と、幼少の頃からの意 
とがある。文語としては、朝早く 
の意もあるが、現代の口語では使 
われない。 


とにかく 

,とにかく/何 S しろ/とも 
かく/ともあれ\とまれ— 

とにかく… 「とにか^^戦してみょぅ。」 
なにしろ… 「なにしろ手ごわい相手だ 

った 〇」 . 

ともかく… かく助かってょかっ 



361 飛ぶ 


た。」「実力はともかく挑戦するだけ 
でもたいしたものだ。」 

ともあれ…「何はともあれ、本人の 
気持ち次第だ。」 

とまれ…「とまれ全力を尽して事に 
当たるべきである。」 


P ど-つ使い分けるか) 
とにかくは、いろいろ問題があつ 
て結果はどうなるか分からないが、 
ある決心をしたり行動に踏み切る 
場合に用いる。 

なにしろは、他の事はさておい 
て、この事は無視できないとか強 
調したいという場合に 使う。 
ともかくは、〈とにかく〉と同義 
に用いることが多いが、「…ならと 
もかく」「…はともかく」の形で、 
その事はさておきという意にも弔 


いる。この場合〈とにかく〉は使い 
にくい。(ただし使ぅといぅ説もあ 
る) 

ともあれも、〈とにかく〉とほぼ 
同義であるが、文章語的である。 
「何は—」の形で用いることが多い。 
とまれは〈ともあれ〉の転で、いず 
れにしてもの意。かなり気取った 
文章語。 


飛ぶ とぶ 


,飛ぶ/跳とぶ/飛行^す- 
る \ 跳躍 ^ r する \ 飛躍 T w 
,する/飛翔5 ょぅ する 


( 使い分け例 ) 

飛ぶ… 「鳥が^!。」 1 ?エット機が刑 
ぶ0」「 ヒユー ズが翌。」「ぅわさが瑚 
別。」 

跳ぶ… 「とび箱を®。」「パッタが ^I 
ぶ。」 

飛行する… 「むささびが飛行する。」 
「大西洋横断一^。」 

跳躍する… 「砂浜で跳躍する。」「_ 
圈運動。」 

飛躍する… 「学力が大きく飛躍す 
る。」「ときどき考えが飛躍する。」 

飛翔する… 「天空を飛翔する 。」I 


C ど3使い分けるか ) 

飛ぶ は本来の地上を離れて空中 
を移動する意のほか、元の場所や 
形から切れて離れる、空中に散 



止(停•留)まる 362 


る、うわさ•命令などが広く伝わ 
る、などのさまざまな意に用いる。 
跳ぶ は、地面から跳ね上がる場 


跳躍するは、 〈跳ぶ〉の意の漢語 
的文章語。 

飛躍するは、 〈跳躍する〉ょりも 
スケールが大きく、空中に高く飛 
び上がること。また、そうした物 
理的位置変化のみならず、物事 
が急速に進歩向上する意、思考. 
論理などが正しい順序を越えて先 
へ進んでしまう意などにも使う。 
飛翔するは、 羽根や翼などのあ 
るものが大空をゆうゆうと飛び行 


一く意に用いる。かたい文章語。 

止(停•留)まる とまる 

止(停•留) まる/ 留 if k ま 
る/静止^する/停止 UT ぃ 
する 

い分け例 j 

止(停•留)まる… 「機械が止まる。」 
「バスが停ま^>|。」「出血が止まる。」 
「小鳥が枝に留^ r る。」「目に留ま 
W こ I 
とどまる… 「今の職場にとどまる。」 
㊣ 去る。「出国希望者はとどまる 
ところを 知らない。」 

静止する… 「地球は静止することが 


ない。」「静止しているようなこま。」 
停止する… 「操業を一時停止する。」 
「車が私の前で停止した。」「下—まで 
転がり停止 tl た石。」「思考停止。」 


ハどぅ使い分けるか U 

止まる は、今まで動いていたもの 
が動かなくなったり、続いていたも 
のが終わりになる場合に用いる。 
〈停まる〉〈留まる〉より広く使わ 
れ^^^^まる〉は、今まで動いて 
い&‘もの-がある場所でその動きを 
やめる、移動をやめる場合に使ぅ 
が、これは〈止まる〉でもよい。〈留 
まる〉は、今まで動いていた鳥や虫 
などがある場所につかまつてじつ 
と動かない場合に使うが、また「ホ 
ツク がうまく—」のように固定する 
意にも使う。これらは〈止まる〉で 


合に使ぅ。 

飛行するは、 地面を離れて空中 
を移動するという〈飛ぶ〉の意の漢 
語的文章語。羽根や翼のある“ 
物や航空機などの人工物に用いる 
ことが多い。 


tr 

漢 「 
生 
•る 



363 取り敢えず 


もよい。また人の五感や意識にと 
らえられる意にも用い、この場合 
は〈止まる〉とは書かない。 

とどまる は、今いる場所や、地 
位•役職などから動かないでいる意 
に用いる。また物事の動きなどが 
ある限度内におさまつてそれ以上 
に出ることがなくなる場合にも使 

* つ0 

静止す るは、全然動かなくなる 
意。物理的な動きに関して言い、 
精神的な活動などには使わない。 
停止す るは、途中でやめる意で、 
物理的にも精神的にも言ぅ。ま 
たほかの語は自動詞だがこれは他 
動詞にも使ぅ。 

〔注意〕 「停」の上マル)、「留」のトド 
(マル)の読みは、常用漢字表にはない。 


取り敢えず とりあえ 

、ず 

,取り敢えず/差さし当ぁた— 

り\一先^\一応戠\差さ 
_し詰ずめ\当面 !I 

f 使い分け例 d 

取り敢えず… 「取りあえず準備だけ 
はしておけ。」「取りあえず何かやつ 
てみろ。」 

差し当たり… 「さしあたり 五万円渡 
しておく。」「さしあたり止血する。」 
ひとまず… 「今日は ひとまずこれで 
終わりにしておこぅ〇」 

I 応…「一応よくまとめてある 。」 「T 
闷この辞書を使っていて下さい。」 


差し詰め… 「さしずめ生活はなんと 
かなる。」「希望者はさしずめ彼だけ 
だ。」— 

当面… 「劃の目標は大学受験だ。」 


( ど-つ使い分けるか し 

取り敢えずは、 他のことはさし 
おいて、まず始めにすることはこ 
の事だという場合に用い、 差し当 
た〇 もほぼ同義であるが、緊急 
の措置として何かが行われる点に 
重点を置いた表現。 

ひとまず もほぼ同義であるが、 
〈取り敢ぇず >< 差し当たり〉が比較 
的差し迫った場面に用いるのに対 
して、〈ひとまず〉は次の行動や状 
態に移るまでの一つの区切りとし 
て何かをするという場合に使う。 
二心は、〈ひとまず〉と同じように 




努力 364 


一ひさと 
>■しり 

兰ああ 

まナ― 5 

応ずりず 


0000 

r | 

-生 

る活 

が 

〇〇 ■ 〇 

済丨 

ん準 

だ備 

が 

1 1 〇 1 

は1 
な名 
い案 

〇 1 I I 

さ1 
だの 
で 


あとでき ちつと するつもりであるが 
当面これで済ますという場合に使 
う。また、十分とは言えないが何 
かが一通り整っている場合にも使 


差し詰めは、 先のことは分から 
ないが今のところこうだ、と言う 
場合に用いる。また、いろいろ考 
えたり検討してみたが、結局こん 
なところに落ち着くのでは、とい 
つた意にも用いる。〈差し当たり〉 
より、現時点ではこのことよりほ 
かに道はない、という限定する感 
じが強い。 

当面は、 〈差し当たり〉とほぼ同 


義で、名詞およびサ変動詞として 
用いる。さしあたって処理•解決 
しなければならない必要性の強い 
場合に用いる。 _ 


努力どりょく 

,努力/頑張一んり/骨折抛ね— 
り\奮闘 It \精進^ぅ\刻 
,苦勉励^^, 

け例 W 

努力… 「到の結果試験に合格す 
る。」「懸命に努力する。」 

頑張り… が利く若さ。」「頑 
張りを期待する。」— 

骨折り… 「むだな骨折りは嫌だ。」 


損。」「お骨折りください。」 
奮闘… 「奮闘して勝利を得る。」「孤 
軍奮闘。.一 

精進… を怠らない。」「芸道に精 
料理。」 

刻苦勉励… 「日夜刻苦勉励の結果、 
難関を突破する。」 


(どう使い分ける ^ J 

努力は、ある目的に向かって力を 
尽くして励む意。 

頑張りは、〈努力〉とほぼ同義の 
くだけた言葉。ただし、「—が利 
く」を「_が利く」とは言わない。 
〈頑張り〉より動詞「頑張る」を用 
いるほうが多い。「頑張れよ」のよ 
うに、人を励ます言葉としてよく 
用いる。また、意志.主張を押し通 
したり、意地を張る場合にも用い 




365 とんだ 


る。 

骨折り も、〈努力〉とほぼ同義の 
くだけた和語。ただし〈努力 X 頑 
張り〉が本人自身の行為にかかわ 
ることが多いのに比べて、〈骨折 
り〉は他の人のための努力という 
意味合いが強い。 

奮闘は〈努力〉と同義のややかた 
い文章語。■「孤軍—」は〈奮闘〉で 
なくてはならない。 

精進は、本来仏教用語で、現在 
は一般的に物事に打ち込み励むこ 
とに も言う。特に芸の世界などで 
はよ く使う。肉食をしない ことの 
意もあり、「 I 料理」 は 肉類を使 
わない料理のこと。 

刻苦勉励は、非常にかたい文章 
語。身 も 心 も 削る ほど 非常な努 
力を重ねること。 


とんだ 

とんだ/とんでもない\以, 

、ての外 I , 

(使い分け例 d 

とんだ… 「とんだ目に会ぅ。」「とんだ 
悪党だ。」「^57失敗をした。」 
とんでもない… 「とんでもない ことを 
してくれたな。」「おれが ぅそつき だ 
なんて、とんでもない。」 

もつてのほか… 「カンニングをするな 
んて、もつての g のことだ。」 


q ど-つ使い分けるか ) 

とんだは、 予想や思いもつかない 


事柄、取り返しのっかないほど大 
変なこと、常識では考えられない 
あきれたょぅな ことな ど、 多く 悪 
いことの程度が甚だしい意に用い 
る。 

とんでもな いもほぼ同義である 
が、 どちら かといえ-ば〈とんだ〉に 
比べ思いがけないと up た意外性に 
重点が置かれる。したがってまた、 
相手の言ぅことを強く否定する 
場合にも用いる。 

もってのほか も、思いもょらぬ意 
外性を強く表現するが、〈とん 
だ〉や〈とんでもない〉が自分のこと 
にも相手、また第三者のことにも 
用いるのに比べて、〈もってのほか〉 
は自分のことには使わず、相手や 
第三者を強く非難する場合に使 



内緒•内心 366 


秘内内内 
密々密緒 


0000 

て1 
おに 
くし 

• 〇〇_ 

査丨 
すに 
る調 

_〇△〇 

に1 

出で 
る旅 

〇〇△〇 

を丨 
子の 
る話 

■ 〇〇 ■ 

ま丨 
せに 
る済 


〔注意〕〈内緒〉は〈内証〉 の 音がナィ 
シヨに 転じた のに 〈内緒〉 の 字を 当てた 
もの。 

内、レなぃしん 

,内心\ 本心 ^/ 真意 V>L ん\, 
■本音_ん\心中^っ I 
f 使い分け例 W 
内心…「^5はほつとしている。」 
本心…「本心を打ち明ける。」「ょぅや 
く:^に立ち返った。」 



内緒なぃしょ 

,内緒/内密筇\内内** I *, 

_|1\ 秘密 1>機密^_ 

^使い分け例'} 

内緒…「家族にで出掛ける。」 
内密…調査する。」 

内内…「このことは WI 々にしてほし 
い。」相談す,る。」 

秘密…「外部には NSI 密にする。」「二人 


だけの W ®。」 「秘密文書。」 
機密…「国家の®®事項。」 


(どう使い分けるか U 

内緒は、表沙汰にはせず隠して 
おく ことを 言う。内密と同じ意 
味だが、〈内密〉が間柄の親疎を 
問わず一般的に使われ文章語的 
であるのに対し、〈内緒〉は仲間 
内の私的な行動に用いられる こと 
が多く、くだけた言葉である。 
内内は、すっかり隠し通すのでは 
なく、公に発表する前に内輪ど 
うしでひそかに話を通じておくよ 
うなときに 用いる。 

秘密は、公的個人的を問わず他 
に隠して知らせないこと一般に使 
うが、機密は、国や役所など公 
の機関のことに限られる。 





367 内容 


真意… 「彼の発言の真意が分からな 
い。」 r この文章の SS を確かめる。」 
本音… 「本音を漏らす。」®建2.刖。 
心中: 「心中察するに余りある。」 


广どぅ使い分けるか〕 

内心は、 表情や動作などに現れ 
ていない心の中を指す。 

本心は、 感情や判断まで含めて 
広く心の中をある程度客観的に 
表すのに対し、 首!;意は、 話や文 
章の本当の意味や意図に重点を 
置いた使い方をする。 また 〈本心〉 
は 本来の正常な意識の働きについ 
ても用いられる。 

本音は、 心の中を言葉に表した 
もので、建て前に対し、 はっきり 
とは 言葉に出して公にできない個 
人的な心の中の意に使われること 


が多い。 

心中は、 心の中に思つている内容 
を指し、〈本心〉 とほ ぼ同じ意味 
で使われる0 _ 

〔注意〕 「心中(しんじゅう)」と言う語 
は情死のことを言うが、元々互いの心 
中 l ! c ぅを誓い合つたところから出ている。 


内容 ないょぅ 

,内容 \中身 S か\実質^ V 
,内実' S / 内包 fri 

( 使い分 !^ d 

内容… 「包みの sw を調べる。」「この 
本は内容がない。」 ㊣ 形式。 
中身… 「箱の!^を捨てる。」「^9 
濃い話をする。」 


実質… 「見かけよりも実質に重点を 
置く。」 「 Ms 的な論議。」 

内実… 「会社の謂を聞く 。」 「SS 
を暴露する。」 

内包… 「可能性を内包する。」 

と外延。」 ㊣ 外延。 


ハどう使い分けるか) 

内容は、 そのものの内部を形作っ 
ているもので、容器などに入つてい 
る実体のあるもの、また話や文章 
によって表されている事柄や意味 
について言ぅ。 中身 もほぼ同じ意 
味で用いられるが、〈内容〉に比べ 
てくだけた言葉である。 

〈内容〉や〈中身〉が物理的に取り 
出す ことので きるものも表すのに 
対し、 実質は、 中に含まれてい 
る抽象的な意味を表す。 



なお•なおざり 368 


内実は、外部の人間には見えな 
い内部の様子について使い、会社 
や団体などの組織の内部を指すこ 
とが多い。 

内包は、そのものの内部に、あ 
る事物を含んでいること。また論 
理学の用語で、ある概念の中に 
含まれるすべてのものに共通の性 
質の意。前者の意の場合のみ「— 
する」の形がある。 


なお 

,猶 (尚) g \ 但极し\但极\尤| 

_ s っも 

f 使い分け例 ') 

なお…「3、詳細は改めて御連絡 


致します。」 

但し… 「行ってもょい。^^、夜間 
はだめだ。」 

ただ… 「この品はとてもいい。ただ、 
値段が高い。」 

もっとち… 「彼の成績は素晴らしい。 
もつとも、数学は別だが。」 


(ど-っ使い分けるか j 

いずれも付け加えて述べるときの 
つなぎの語。なおは、単純な追 
加でぁるが、 但し•ただ.もっと 
ち は、条件や例外を補説すると 
きに使ぅ。〈但し〉はやや改まった 
言い方で、〈ただ〉はそのくだけた 
言い方。〈もっとも〉は急いで付け 
加える感じがぁり、「…だが」とい 

ぅ形で終わることが多い。_ 

〔注意〕 「3四、五日の余裕が欲し 


い」、「ただ平安を祈るのみ」の〈なお〉 
や〈ただ〉は副詞。 


なおざり 

,等閑!|\忽|るせ\粗略| 

, r \ 薦宕\疎"|か I 

ハ使ぃ分け例し 

なおざり… 「この分野は今まで_ 
ざりにされて来た。」 

ゆるがせ… 「ゆるがせにできない問題 
だ。」 

粗略… 「客を^^に扱ぅ。」「彼の意見 
を決して_にしてはいけない。」 
ないがしろ… 「勉強を民がしろにす 
る。」「親をないがしろにしてはいけ 
ない0」 





369 直す 


おろそか… 「準備がおろそかだ。」 


广どう使ぃ分けるか^} 

なおざ〇 は、 そのことが 大切な 
ことと 知っていて、 当然 払わねば 
ならない注意を払わず、打ち捨て 
ていい 加減 にしておく ことを言う。 
ゆるがせは、 そのことが 大事な こ 
とであることに 気付かずに、注意 
を怠りほうつて置くことを言う。 
粗略は、細かい ところまでは 注意 
をしないで、不十分な扱いをする 
ことを言う。 

ないがしろは、 本来なら大事に 
扱ったり尊敬したりしなければな 
らないものを軽んじる ことで、 人 
を 対象と する こと も多い。 
おろそかは、 やり方がいい加減な 
様子。〈ないがしろ〉が意識的な行為 


について言うのに対し、これはいつ 
の間にかそ*3つてい況 S 一ーロう。 


直す なおす 

直す/治 g す/改 fc t める/— 
,正*: ft す/修理^ぅする 

C 使い分け例 W 

直す…「文章を」「機嫌を ittl 
す。」「規約を s ¥。」 

治す…「病気を治す。」 

改める…「本の記述を改める。」「日を 
改めて出直す。」「かばんの中身を刹 

訇。」 

正す…「間違いを^;。」「姿勢を IHI 
す。」「襟を_。」 


修理する…「故障した時計を修^; 
扣〇」 


P ど5使い分けるか〕 

直すは、悪いところをよい状態に 
する意に用い、治すは、特に人 
間や他の生き物の、病気の場合 
に使われる。 

改めるは、古いものを新しいもの 
に入れ替えたり、新しいよいもの 
にしたりする ことに 用いられるほ 
かに、間違いがないかよく調べる 
ことに も使ぅ。必ずしも前の状態 
が間違っていなくてもよりよい状 
態を求める ときに 使われる。 

正すは、間違っているものやゆが 
んだり格好の悪いものを正式の状 
態に戻す意で、〈直す〉よりも厳 
密さを求める度合いが強い。 



直る•中 370 


正改直 

女めナ 

するす 


〇〇〇 

習悪 
をい 

丨風 

〇△〇 

1姿 
勢 
を 

• 〇〇 

1規 
約 

を 

1 ■〇 

械壊 

をれ 

1た 

機 

〇 * ' 

襟 

を 

1 


修理するは、機械類の故障を直 
す場合に限って用いられ、人の身 
体や行動、あるいは抽象的な事 
柄には使わない。 


® る なおる (〇全快) 

,直る\治?\癒ぃえる\治| 
癒 s する/回復 t?; する 

广使い分け例し 

直る… 「悪い癖が w ^。」 「故障が lal 
§1。」「二人の 仲が , el る。」 

治る…「風邪が^^。」 


癒える… 「病気が VM ぇる。」「痛みがい 
^5。」「心の痛手が!^る。」 

治癒する… 「けがはすっかり治癒し 
た。」®平癒する。 

回復する… 「健康が回復する。」「時 
間の遅れが回復する。」「信用が回 
復する。」 


r ど-つ使い分けるか W 

直る は、悪い状態であったものが 
元のょい状態になる、また、正し 
くなる、訂正される、の意。 

治る は、病気の状態から健康を 
取り戻したときに使ぅ。癒える 
も、病気、けが、痛みなどが治る 
場合に用いられるが、古風な言い 
方で ある。 治癒する もほぼ同義 
だが漢語的な言い方で文章語であ 
る。 


回復するは、 悪い状態でぁったも 
のがょい状態になって元通りにな 
る、 また 一度失つたものを取り戻 
す意味にも用いる。〈直る〉が具体 
的、短時間的に元に戻る場合に 
使われるのに対し、〈回復する〉 
は、総合的、長期的な状態の場 
合に使われる。〈回復する〉は、 
機械の故障が直る場合などには 
使われない。 


4;^■な力 

〔中/内%3\内部1\中身1〕 

( Iffil い分け^3 

中: 「家の制。」「嵐の¥を行く。」 
内:.「胸の ^ 3 | 。」「今日の内に行く。」 




371 仲違い 


内部…「建物の内部。」「内部告発。」 
の人間。」®外部。 

中身…「袋の!^。」 


(どう使ぃ分けるかし 

中は、何かの仕切りで囲まれてい 
たり、何かと何かとに挟まれてい 
たりしている部分を客観的に言 

>つ0 

内は、自己を中心として仕切り 
のこちら 側を 言う。また 時間的な 
範囲を 言う 場合〈内〉を用いて、 
〈中〉は使わない。 

内部は、ものの内側の部分。時 
間的範囲内の意には使わない。ま 
た、組識の中、または組織の中 
の人の意にも用いられる。 

中身は、何かの内側に存在する 
具体的内容物を指す。 


仲違い なかたがい 

1仲違い/不和, 絶交、 1 ?V 

_断交^/反目け\確執^< 


(使い分け例) 

仲違い… 「仲たがいの原因。」「友人と 
いする。 I 丨 

不和… 「家庭の盈。」 

絶交… 「君とは贊だ。」「親友と * fel 

断交… 「隣国と到の状態にある。」 

「両国は®^ている。」 

反目… 「両者の一^。」「民族同士が 
反目する。」 

確執…「父との間にを生じる。」 
「十年来^3てきた両者。」 


f ど-つ使い分けるか」 

仲違いは、人と人との付き合い 
の関係が悪くなることを言い、グ 
ループや国家間などには使わない 
のが普通である。 

不和は、互いの気持ちがしつくり 
とせずかみ合わない関係について 
言い、家庭内の仲に使うことが多 

X4 〇 

し 

絶交は、 〈仲違い〉などの結果交 
際を全くやめることで、友人関係 
によく使われるが、家族には用い 

c NJ 〇 
なレ 

断交も相手との交際をやめるこ 
とだが、国家間の場合に使う。 
反目は、単に仲が悪いだけではな 
く、互いに対立してにらみ合う関 
係を言う。 

確執は、互いに自説を主張して 





仲直り372 


和和仲 
直 

睦解り 


- 〇〇 

丨隣 
す人 
ると 

〇〇_ 

丨敵 
す国 
ると 

△〇1 

が相 
丨続 
I 争 

るい 

_ _〇 

が子 
丨供 
す同 
る士 


な状態に戻すことで、局地的な 
戦争や規模の小さな紛争にも用い 
るが、講和は、国と国との間な 
どの大規模な戦争の場合に言い、 
国際的関係を元の状態に戻すこ 
とである。和平は、講和によって 
実現した平和な状態を言う。 


手打ちは、和解や契約が成立し 
たと き、一同が手を打って祝つた 
ところからきて おり、和解の場合 
に用いるのは古風な、また、俗語 
的な言い方である。 


(注意)〈和平 X 手打ち〉には、「—す 
る」 の形がない。後者の動詞形に相^ 
する のは「手を 打つ。」 


少しも 譲らず、関係が 悪くなるこ 

とを- s -ヲつ。_ 

〔注意〕〈不和〉だけは「—する」の形 
がない。 


仲直り なかなぉり 

I 仲直り/和解 r \ 和睦 i <, 
\講和 r \ 和平手打 dt 
ち , 

い分け例) 

ft 直り…「けんかをやめて仲直りす 
扣。」 I 
和解…「会社の争議の和解が成立す 
る。」「争っていた夫婦が和解する。」 
和睦…「劃を勧める。」「敵国と和睦 


する。」 

講和… 「1 E を結ぶ。」「1^条約。」 
和平…「铜工作。」「和平の実現を 

望む。」 _ 

手打ち…「争いも、そろそろ手打ち 
の時だ。」「契約が終わって手打ちを 
する。」 


(ど-つ使い分けるか 

仲直りは、日常生活上のちよっと 
した争いをやめて、元に戻すこと 
を言い、大人どうしの場合にも子 
供どうしの場合にも使う。 

和解は、〈仲直り〉よりも正式あ 
るいは公式なもので、団体の間や 
裁判沙汰になったような場合など 
に用いられる。子供どうしのけん 
かなどには用いられない。 

和睦は、戦争をやめて元の平和 




373 仲間 


仲間 なかま 

I 仲間/同士^\同志ばぅ\, 
同僚^"ぅ\同輩找\同類 
技\一味 r \ 一同我/グ 

I ループ 

「使い分 け 例〕 

仲間… 「仲間に合図する。」「遊び仲 
間に加わる。」「0外れ。」 

同士… 「好きな者どぅしが一緒にな 

る。」「圍討ち。」「仲間^3。」 

同志… 「3的結合。」 「 gM を募って 
会を結成する。」 

同僚… 「劇に相談する。」「前の職場 
の®と飲む。」 


同輩… 「同輩とは仲良くしている。」 
「_のょしみ。」 

同類… 「3が相集ぅ。」「あの連中の 
一:氧とみなす。」 

I 味…「強盗の一^が捕まる。」「司 
に加わる。」 

一同… 「7^の者が起立する。」「有志 

一同ょり。-_ 

クル I プ… 「グル^~プ交際。」「コ^~ラ 
スのグループに入る。」「生徒を一一つ 
のグループに分ける。」 


r どう使い分けるか) 

仲間は、 物事を一緒にする人々 
の集まりについて言い、広く一般 
的に使われる。 同士 もほぼ同じ 
意味で用いられるが、「隣—」のよ 
うに他の語の後に付けて集団を表 
す場合が多い。 


同志は、 同じ目的、理想、志望 
を持った人々の集まりを言うが、 
〈同士〉と誤用される傾向がある。 
同僚は、 同じ職場に勤める者ど 
うしを言い、先輩や後輩も含む。 
同輩は、 年齢や経歴などがほぼ 
同じ間柄を言い、同じ職場や学 
校に同じ頃入った人に使う。 
同類は、 そのものと同じ種類の 
ものを指し、人に用いるのはやや 
くだけた言い方になる。 

I 味は、特に悪事などを働く仲 
間に用いる。 

I 同は、構成員の一人一人に重 
点を置かず、全体をひっくるめて 
呼ぶ ときに 用いる。 

グル—プ は、何か共通の目的や 
類似点があって集められたり分け 
られたりした集団を指す。〈仲 
間〉が心を合わせ一緒にな って 何 か 




ながら•無(亡)くす374 


を行ぅ集団であるのに対し、〈グ 
ループ〉は単に同じことをするだけ 
で集合していて、互いがあまり親 
しくない場合にも用いられる。 


ながら 

「ながら\つつ v がてら/旁1 


f 使い分け例 〕 

なが6 :.「歩きながら考ぇる。」「狭い 
も楽しい我が家。」 

つつ…「酒を飲み司語る。」「台風は 
北上し^^ある。」 

がてら… 「散歩穿ら立ち寄る。」「夕 
涼みがてら町を歩く。」 

かたがた… 「報告_がた礼を言う。」 


「お見舞いかたがたお伺いする。」 


Q ど一つ使い分け るか W 

なが6 は、別々の動作が一つの主 
体にょって並行して行われる場合 
や、二つの矛盾するかに見える動 
作が共存する場合に用いられる。 
つつは、二つの動作が同時に並行 
して行われる場合や、その動作が 
反復して行われ、多くの場合今も 
引き続き行われてい亀合われ、 
〈ながら〉と同じ意味も受け持つ 
がやや古風で文章語的である。 
また 〈つつ〉には矛盾するかに見え 
る動作の共存を表す用法はない。 
ず てらは、あることをするとき、 
それを良い機会にして別のことも 
してし まう 場合に用いられる。 
かたがた もほとんど同じ使い方がさ 


れるが、書簡文など改まった丁寧 
な表現に用いることができる。 


無(亡)くすなくす 

,無 (亡) くす/失 S しう/紛1 
I 失はする/喪失^する I 

f 使い分け例 } 

無(亡)くす:.「物をなく ' 1 -| 。」「財産 
を無くすご「母を亡くす。」®無 
(亡)くする T 

失-つ… 「地位专失 91 。」「気を^^。」 
「面目を失う。」「友人を失う。」 
紛失する… 「時計を®^する。」「書 
類の^に気づく。」 

喪失する… 「自信を喪失する。」「記 

憶囊。」 



375 和やか 


和やか なごやか 


分けるか) 

無(亡)くす と 失う は、それまで 
持つていた重要なものなどを意に 
反してどこかへやつて しまぅこと 
で、具体的なものにも抽象的なも 
のにも用いる。〈なくす〉のほぅが 
ややくだけた言い方である。人を 
対象とする場合、〈失ぅ〉は必ず 
しもその人の死を意味しないが、 
〈なくす〉では、その人に死なれる 
ことである。この場八口の〈なくす〉 
は〈亡くす >と書く。 

紛失するは、 物など具体的なも 
のを失ぅことで、〈失ぅ〉に対して 
漢語的な文章語である。 

喪失するは、心理的、精神的な 

ものを失ぅときに1いる。 


和やか\仲 r がいい/和気, 

—ザ謁 |6 ぁぃぁぃ \睦1まじい I 

('使ぃ ^ ^} 

和やか… 「和やか CI 食事をする。」「和 
やかな—気分。」 

仲がいい… 「あの子供たちは仲がい 
い。」「仲のいい夫婦。」©仲が良い。 
和気藹藹… 「和気 1 SI 々とした職場。」 
「和気|«|々裏に散会する。」 

藹々たる家庭。」 

睦まじい… 「むつまじい夫婦。」「家族 
がいつもむつまじく暮らす。」®中 
睦まじい。 


( ど-つ使い 分けるか } 

和やかは、 気分が和らいでゆった 
りしている様子を言い、人と人と 
の関係だけでなく、個人の表情や 
心情にも言う。 

仲がいいは、友人 どうしが親し 
く付き合っている様子を言い、主 
として子供どうしに使うが、夫婦 
の間柄などにもくだけた表現とし 
て使う こ ♦とがある。修飾語となる 
とき〈仲のいい〉と言う こと もある。 
和気藹藹は 和やかに打ち解けた 
様子を言い、会議や団体など、 
集団の雰囲気について用いる。 
睦まじい は、気が合って、けんか 
やもめ事がない様子を表し、主に 
兄弟 や夫婦など家族関係に用い 
る。 





なぜ•撫でる 376 


なぜ 

1何故,どうして/なん— 
,で/何故?,! 

f 使い分け例、) 

なぜ… 「_泣くの。」「父が怒っている 
のは^^だろう。」 

ど - つして… 「練習量の不足をどうし 
TI 補おうか。」っしてこんなこと 
がわからないのか不思議でしようが 
ないよ。」「どうして死ねよう。」「な 
かなかどうして立派だよ。」 
なんで… 「なんで学校を休んだのだ 
ろうね。」僕がそんなばかな 
ことを言えようか。」 

何故… 「なにゆえ我々は敗れたのか。」 


「なにゆえ民衆は立ち上がつたの 
か。」 


(どぅ使ぃ分ける巴 

なぜは、 どのよぅな原因•理由で 
そぅなのかといぅ疑問や不審の気 
持ちを表す。 

どうしては、 どのよぅな方法や 
手段で、の意。また、〈なぜ〉の 
意。反語的な用法もある。ほか 
に、見かけや予想に反して、いや 
はや、 などの意もある。 

なんでは、 〈なぜ〉とほぼ同じ意 
だが、反語的な用法もある。や 
やくだけた話し言葉的な語であ 
る。 

何故は、〈なぜ〉とほぼ同じ意味 
で用いられるが、古風なかたい言 
い方である。 


撫でる なでる 

〔撫でる\擦れる\摩' rs る1__| 

分け例 〕 

撫でる… 「子供の頭をなでる。」「髪を 
やさしく 「高原の風がほお 
をなでる。」 

こする… 「タオルで体をごしごしこす 
^1。」「目をこする。」 

さする… 「腰をさする。」「腕をさす 
^10」 


( ど-つ使い分 けるか ') 

撫でる は、指先やてのひらを何 
かの表面に軽く触れながら、繰り 
返しある方向に動かす。 




377 何気無く •何しろ 


さこ撫 

すすで 

るるる 


〇〇〇 

丨腕 

を 

〇 • 〇 

わ子 
お供 

〇 ^ 
/頭 

1を 
か 

1〇_ 

ご顔 

V を 

丨ご 

し 

△〇1 

同て 
士の 
をひ 

1ら 


こする は、何かの表面に押し当 
てて前後左右などに強く動かす。 
手だけでなく、布や道具を使ぅ 
場合も指す。何かの刺激を与え 
る ことを 目的に した 動作に用いら 
れる。必ずしも繰り返しの動作で 
なくてよい。 

さする は、何かの表面に指やて 
のひらを当てた まま、 強い刺激を 
与えない程度に滑らかに動かす。 
人間や動物の身体が対象となり、 
身体の痛みを和らげる場合に用い 
られる。〈撫でる〉 よりも 力を入れ 
る感じがある。 


何気無く なにげなく 

,何気無く/何 n となく/ふ— 
と 

使い分け j 

何気無く… 「何気なく外に目をや 
る。」「何気なく振る舞ぅ。」 
何となく… 「何となく来てしまつた。」 

「何と^7いい気持ちだ。」_ 

ふと… 「ふと思い出した。」 「 t 立ち 
止まる。」 


(ど-つ使い分けるか ) 

何気無くは、はっきりした意図を 
持ってやつたのではなく、という意味 


のほか、相手にそれと悟られまい 
として、の意味を表し、特に自 
分の行為について言う。 
何となくは、 特に意識しないで 
何かをする場合に用いるほか、特 
にどの点がそうだと限定できない 
という気持ちも表す。この場合 
〈何気無く〉 では 不可。 

ふとは、 偶然そのことが起きた 
り、 理由 もなくそうしたい思いに 
駆られたりする場合に用い、〈何 
気無く〉と似ているが、相手に悟 
られまいという意味のときには使 
えない。また、急にあることが起 
こるという意味にも用いる。 


何しろ なにしろ 
「何しろ\何分泛\何£せ\1 




何やかや 378 


I - ~とにかく 」 

分け例 d 

何しろ… 「^3^勉強が第一だ 。」 「Ml 
y あの始末だから。」 

何分…夜のことで行けない。」 
「何分子供をよろしく。」 

何せ…急なことで〇」 
とにかく…「とにかくやつてみる。」「と 
朝食は取るべきだ。」 


ハ, ど-つ使い分けるか^ 

何しろは、どぅなつたところでそ 
のこと自身は変化しないだろぅと 
いう気持ちを表す。 

何分は、あれこれ考えてもその事 
実に変わりはないという気持ちを 
持ちながらも相手に何か依頼する 


ような、あるいは何かの取り扱い 
について相手に期待するような場 
合に、やや改まった感じで使う。 
何せは、〈何しろ〉 とほ ぼ同じ意 
味で用いられるが、俗語的であ 
る。 

とにかくは、どんな事情がある 
にせよ、はっきり言えばこうなの 
だ、 という 気持ちを表す。〈何し 
ろ〉より意志的な感じがある。 


何やかや なにやかや 

,何 やかや/何 C * くれ\彼此— 

1 は/彼此^ 

分け例 j 

何やかや… 「何やかやと心配する。」 


「何 やかやで金を使ぅ。」 

何くれ… と世話を焼いてく 
れた。」 「何 くれと面倒をみる。」 
あれこれ… 「あれこれと準備する。」 
「あれこれ考え過ぎるな。」 
かれこれ… 「かれこれ難しいことを 言 
ぅな。」「かれこれ 十二時だ。」 


(どう使い分けるか1 ) 

何やかやは、 互いに関係する項 
目に特別な制限がないことを一括 
して示す。 

何くれは、これと言って限定せ 
ず、いろいろな点に渡ることを示 
す。〈何やかや〉が良いことにも価 
値のないことにも用いられるのに 
対し、〈何くれ〉は相手に好感を 
持っている場合に使われる。 
あれこれは、いろいろな事物や人 




について、まとめて言う。〈何やか 
や〉がやや古風な言い方であるの 
に対し、日常語的である。 
かれこれは、 あまり取り立てて 
言うほどのことでもないことを大 
ざっぱに指して言う場合にも用い 
る。 


生意気 なまいき 

生意気\小生意気 W ま5き\~| 
小賢 r しい\小憎 , r らし 
,い\利きいた風 , -si I 

('使い分け^") 

生意気… 「大人の真似をして生意気 
だ。」「息子は生意気な年ごろだ。」 


小生意気… 「小生意気なことを言ぅ 
やつ。」「小生意気な中学生。」 
小賢しい… 「こざかしい口を利く。」 

一こざかし<1立ち回る男だ。」 
小憎らしい… 「小憎らしい態度を取 
る子供。」「小憎らしいほど落ち着い 
ている。」 

利いた風… 「利いた風な >」とを言う。」 


〇 ど [ 31 使い分けるか ノ 

生意気は、 それ程でもないのに一 
人前の言動をする様子や、見た 
り聞いたりするといかにもしやくに 
触るといぅ気持ちを起こさせる様 
子を言ぅ。 小生意気は、 いかに 
も生意気である様子を言い、場 
面によって〈生意気〉よりも強い意 
味と軽い意味を表すことがある。 
小賢しい は、そんな能力もないの 


に利口ぶっていっぱしのことをする 
様子。相手の態度を非難して言 
う表現である。 

小憎らしいは、やることが生意 
気で、全く憎いという程ではない 
がしやくに触るという感じを表す。 
いい大人には使わず、年少者につ 
いて言うことが多い。 

利いた 風は、分かりもしないのに 
よく知っているというような態度 
を指して言う。 


怠ける なまける(〇不精) 

1台心ける\怠巧」る V ずるけ— 
る/さぼる\骨惜1ねしみ 
する\油1を売ぅる 



生半可 380 


さ怠怠 
ぼけ 
るるる 


〇〇〇 

勉 

強 

を 

1 

〇 - 〇 

ム 

S 

を 

1 

〇 ■ • 

学泳 
校ぐ 
をた 
丨め 

•〇' 

努 

力 

を 

1 


知っていながら、しないで無駄に 
過ごす、の意。 

台心る は、本来すべきであることを 
しないでいる、の意。〈怠ける〉が 
分かっていてやらないのに対し、 
〈怠る〉はついぅっかりしてやらなか 
つたことも含んでいる。 

ずるける•さぼる は、〈怠ける〉 
とほぼ同義だが、俗語である。 
〈さぼる〉の方が新しい。〈怠ける〉 
が、手を抜く感じが強いのに対 
し、〈ずるける X さぼる〉は全くし 
ない場合に多く用いる。 


骨惜しみするは、 実力をすっかり 
出し切らず労苦をいとう意味で、 
〈怠ける〉よりも意識的にそうする 


という感じが強い0 
油を売る は、仕事などをするベ 
き時間に無駄話などをして時間 
を空費する意味で、そういう人を 
からかって言う場合が多い。 

〔注意〕 〈さぼる〉はサボタ ー ジユ(仏 
語 sabotage ) の省略形を動詞化した 
ものである。 

生半可 なまはんか 

,生半可/生齧 rl り/一知— 

半解^?: % \半可通我か/ 

知しったか振ぶり 


〇 使い分け例 ') 

生半可… 「生半可な知識を持つ。」 r^l 


f 使い分け例 ) 

怠ける… 「仕事を怠ける。」「宿題を 
て遊びに行く。」 

怠る… 「勉強を」「注意を怠 

刪。」「義務を^^。」_ 

ずるける …「会社をずるける。」「当 
番をずるける。」 

さぼる… 「授業を^」「練習を^1 

骨惜しみする… 「骨惜しみせずに働 
く。」「成功したければ、骨惜しみ 
をするな。」 

油を売る… 「どこで油を売つていたの 
か。」「勤務中に油を売る。」 


(どう使い分けるか) 

怠ける は、それをするだけの余裕 
があり本来すべきであることを 




381 なまめかしい 


半可な気持ちではいけない。」 

生か じ〇… 「生かじりの知識。」 r ® 
じりのフランス語。」 

I 知半解… 二知半解の徒。」 
半可通… 「半可® I が芸術論を振り回 
す。」 

知ったか振り… 「彼は何でも知ったか 
振りをする。」「知ったか振りはよく 
ない。」 


C ど-つ使い分 けるか ) 

生半可は、 知識や言動が中途半 
端で正確さや徹底を欠く状態。 
生かじりは、 そのことについて 十 
分な知識を持っていない状態を言 
い、知識の場合に限って使う。 

I 知半解は、 知識が浅く不十分 
な様子で、〈生かじり〉と同義の 
漢語。 


半可通は、 よく知らないのに知 
識があるような顔をして振る舞う 
ことで、そうした人物を指して言 
う場合も多い。 

知ったか振りは、 実際は知らな 
いのに知っているような素振りをす 
ること、あるいは人を指す。〈半 
可通〉と同義の話し言葉である。 


なまめかしい 

|籠まかしぃ\色^ぼぃ/妖艶— 
_ il \ 婀娜. S っぽい 

t ; 使: s 分け例 ノ 

なまめかしい… 「なまめかしい浴衣 
姿の女性。」「なまめかしい素振り。」 
色っぽい… 「色っぽい女。」「身のこなし 


が色っぽい。」 

妖艶…美しさの女性に目を 
奪われる。」姿態。」 
あだっぽい… 「あだっぽい年増。」「§ 
っぽい身のこなし。」 


q ど-っ使い分けるか ノ 

なまめかしいは、女性の、 美し 
さの 中に異性の 心をそそるような 
魅力が感じられる様子を言う。 
色っぽいは、女性に異性の情欲 
をそそるような感じが見られる様 
子を言い、〈なまめかしい〉と違い 
必ずしも美しさを要しない。やや 
くだけた言葉である。 

妖艶は、女性の姿が異性を誘惑 
しそうにあやしい美しさを持ってい 
る様子を言い、かたい漢語の文章 
語である。 



波•並べる 382 


あだっぽ いは、女性が異性の情 
欲を そそる よぅな魅力を身体全 
体から発散している様子で、〈色っ 
ぽい〉より さらに 濃厚にセク シーさ 
があり、年少の女性には用いるこ 
とが少ない。 


波なみ 

I波\波浪|'*\波濤2ぅ\波| 

■ U ま 

—舌^»{ん _ 

(' 使い分け例) 

波…「湖が立つ。」「時代の阙。」 

波浪… 「 MW 注意報。」 「 MW が岸壁 
を洗う。」 

波濤… rww を乗り越え進む船。」 
「万里の Ms 。」 


波乱…「波乱に満ちた一生を送る。」 
「一波乱ありそぅだ。」 


〇ど一つ使い 分けるか ) 

波は、水面などに高低が生じて、 
それが次々に移動して伝わる現 
象。また、次々に押し寄せるもの 
のたとえに用いられる。 

波浪は、〈波〉と同義の文章語で、 
主に海の表面波に用いる。 

波濤は、大きな波を言ぅかたい 
漢語の文章語である。 

波乱は' 大小の波の意から転じ 
て、物事に起伏や変化のある様 
子を言い、もめ事や騒ぎなどの意 
にも使われる。 

〔注意〕〈波乱〉は、〈波瀾〉の書き換 
え。「波」は小波、「瀾」は大波のこと 
である。 


並べる ならべる 

I 並べる \連わ ねる/配列, 
(排列) 部する/羅列2っす 
る 


〇使い分け例 

並べる… 「皿を並べる。」「店先にはた 
くさんの品がられている。」「不 
平不満を一?^。」 

連ねる… 「家が軒を!^。」「車を連 

ねて行進する。」 _ 

配列する… 「五十音順に配列する。」 
「_の仕方が悪い。」 

羅列する… 「項目を羅列する。」「肩 
書きの羅列。」 




383 似合う 


( どぅ使い分けるか ) 

並べるは、何かを次々に隣り合 
わせに置く意で、必ずしも列にな 
らないでよい。また、幾つかの こ 
とを続けて言ぅ場合にも用いる。 
連ねるは、何かを、つながって列 
になるように次々に置いて、始め 
から終わりまで途切れていない状 
態にする、の意である。 


連 

ね 

る 

並 

ぺ 

る 


〇 

〇 

1項 
巨 

1 

〇 

子講 
を堂 

1に 
椅 

〇 

A 

名名 
を簿 

1に 

〇 

1 

l J f 

1 

1 が 

1 

〇 

皿 

を 


配列するは、 一定の順序を決め 
て何かを並べる意である。 

羅列するは、 ずらりと並べ上げ 
る意で、必ずしも決まった順序で 
なくアトランタムでよい。 


B 


似合う にあぅ 

,似合ぅ/似付 OK かわしい V 
相応1しい/打ぅって付" 

q 使い分け ^^} 

似合う… 「ょく似合ぅ服。」「富士に 
は、月見草がよく似合う。」 
似つかわしい… 「いかにも彼に 


わしい話だ。」「子供にはその程度の 
品が似つかわしいだろぅ。」 
ふさわしい… 「学生にふさわしい服 
装。」「実力にふさわしい地位。」 
打って付け… 「その仕事は彼にうって 
つけだ。」「自分にうつてつけの役割 
だ。」 


〇 ど-つ使 い分けるか ) 

似合 I つは、 対象物との間に齟齬 S 
や違和感がなく、互いに釣り合っ 
ている感じである、の意で、一般 
的に使われる語である。 
似つかわしいは、 ぴったり当ては 
まる感じで、 ちょう どょい取り合 
わせであるときに使う。必ずしも 
良い意味だけでなく、その辺が分 
相応だという程度にも用いられる。 
ふさわしいは、 対象が理想的なあ 





匂い•賑やか 384 


るいは好ましいとされる基準にぴ 
ったりと合い、しっくりと調和し 
ている感じである場合に言ぅ。 
打って付けは、その人の性格や 
能力などが与ぇられた資格や条 
件などにいかにもぴったりと合ぅ 
様子を表す。〈ふさわしい〉ょりは 
現実的な程度について用いる。 


旬い にぃ 

,匂ぃ/薫 (香} t り \香ノ 臭, 

■一一^ くき 

I ® み I 

n 使い分け例) 

句い…「におい袋。」「ガスのにおいがす 
る。」「生活の^!。」 

薫(香)り…「懐かしい浜風の_。」 


「花の香りが漂ぅ。」 

香:.「木の#|のする新居。」「磯の#|。」 
臭み…「魚の須が取れない。」「あの 
人は官僚の一^が抜けない。」「一^ 
のある演技。」 


(ど-つ使い分けるか) 

匂いは、あるものから漂つてきて 
鼻で感じられる刺激を言い、よい 
場合にも悪い場合にも使う日常語 
である。また、それらしい雰囲気 
があるという場合にも用いる。 

薫(香)りは、いつも身辺に漂わせ 
ておきたいと思うようなよい匂い 
を言う。香は、〈薫(香)り〉と同じ意 
味で用いられるが、雅語的である。 
〈薫(香)り〉も〈香〉も嫌な匂いに用 
いられることはほとんどない。 
臭みは、かぐと嫌な感じがする匂 


いを言ぅ。また、わざとらしい嫌 
な感じのする様子を言ぅときもあ 
る0 


賑やか にぎやか(〇繁盛) 
I 賑やか/騒 S がしい/繁華— 

, r \ 盛況 P 

(使い分け例) 

賑やか…「市場の中はにぎやかだ。」 

「にぎや3人。」 ㊣ 寂しい。静 
i 〇 
力 

騒がしい… 「騒がしい都会。」 r 憲法論 
議で騒^31。」 

繁華… 「駅前の商店街 。」 S 
華街。」 

盛況… 「会場は満員の 


385 握る 


(ど-つ使い分けるか〕 

賑やかは、人や物がたくさん集 
まってきて陽気で活発な様子や人 
声や物音が盛んに聞こえる様子、 
人が陽気にしゃべる様子を言う。 
騒がしいは、不必要な音声や情 
報が聞こえてきて、心が落ち着か 
ない様子。多く不快感を伴う。 
繁華は、人がたくさん集まつてい 
てにぎわう様子。〈賑やか〉と違 
い、物が豊富に出そろつているよ 
うな場合には用いない。 

盛況は、その催しや物事が盛大 
に行われていたり、活気があった 
りする様子を表す。特別な催し 
事などの盛大な様子に用い、町の 
様子など日常的なにぎわいには使 
わない0 


握る にぎる 

I 握る/掘 *>-3 む/撮*-〇む/把握— 
13 くする _ 

(使い分け例) 

握る… 「柄を^^。」「手に汗を^^。」 
「武力にょって実権を_。」「大金 
を握る。」 

摑む… 「本を二、三冊一しょに^^ 
む。」「手掛かりを^5。」「幸運を 

_ 

つまむ… 「菓子をつまむ。」「鼻をつま 
如。」 「とろと いかをつまむ 〇」 

把握する… 「麻薬常習者たちの実態 
を把握$。」「文章の内容を^® 
する。」 


(ど-つ使い分けるか) 

握る は、そろえて曲げた手の指 
とてのひらとで物をしつかりと持つ 
動作を言う。また、何か欲しいも 
のを手中に納め、離さないという 
意も表す。 

摑むは、 何かを指で保持する動 
作を言い、〈握る〉が指同士がつき 
てのひらを使うのに対し、〈摑む〉 
は指同士は離れ、また指だけで 
持つ場合が多い。ぁるものを偶然 
手に入れる場合にも用いる。 
つまむ は、小さな物を指先や二本 
の棒状のもので軽く挟んで持つ意 
で、〈摑む〉が主として指を五本とも 
使用するのに対し、〈つまむ〉は普 
通二、三本しか使用しない。すし 
などは、作る ときには 〈握る〉と言 




逃げる 386 


1摑握 
むむる 


△〇〇 

I ゴ 
ルル 
をフ 
丨ボ 

_ 〇〇 

を証 
丨拠 

〇 ■ 〇 

をす 

1し 

1〇_ 

を幸 
丨運 

〇1 _ 

丨鼻 

を 


い、食べるときには〈つまむ〉と言う。 


把握するは、 手でしっかりと〈握 
る〉意が原義だが、要点を理解し 
たり、支配力を手に入れたりす 
るなどの比喩的な使われ方が ほと 
んどである。 


逃げる にげる 

逃げる/逃1れる V ずらか 
る/逃亡 fl する\逃避 r 
する\亡命^ f する\ェスケ 


_1. —フする 1_ 

(使い分け例〕 

逃げる… 「追っ手から^^。」「檻か 
ら逃げる。」「嫌な仕事から一^ 
^10」 

逃れる… 「戦乱の地を逃れる。」「から 
くも虎口を逃れる。」「責任を逃れ 
る口実を考える。」 

ずらかる… 「護送中にずらかる。」「見 
つかる前にずらかる。」 

逃亡する… 「犯人が逃亡する。」「海 
外への逃亡を企てる。」 

逃避する… 「現実から幻想の世界に 
逃避^^。」行を続ける。」 

亡命する… 「第三国に亡命する。」 
「亡命者。」 

エスケ I プする… 「午後の授業をェ 
スケ^ — プする。」 


(ど-つ使い分けるか ) 

逃げる は、追ってくる者に捕まら 
ないよぅに離れよぅとする意。ま 
た、差し迫る危険や面倒な状況 
から身を避ける意。 

逃れる は、危険な状態から遠ざ 
かる、嫌な ことを しないでもいい 
状態になる意で、〈逃げる〉が目 
前の危険から身を避ける意なのに 
対して、〈逃れる〉は目の前に迫っ 
ていなくても予想される危険な範 
囲の外に脱出する意である。 

ずらかるは、 悪事などを働いてい 
る者が姿や行方をくらます意で、 
俗語である。 

逃亡するは、 〈逃げる〉の意の漢 
語的な文章語である。 

逃避するは、 本来責任を持って 




387 日光•煮る 


しなければならないのにそぅはせ 
ず、あえて現実の困難を避ける 
意で、やはり文章語。 

亡命するは、 迫害されるなどの 
理由で本国を脱出して外国に行 
く意。政治上、宗教上の理由に 
よる場合に限つて用いる。 

エスケープする は、授業をさぼ 
つて教室から抜け出る意で、学生 
の用いる俗語である。 


日光 にっこぅ 

I 日光\日ひ\陽光||\日差| 
W し/天日 tfT ん I 
f 使い分け 

日光…「_が当たる。」「_浴。」 


日…「日に焼ける。」「01当たり。」 
陽光… 「蘭が降り注ぐ。」「明るい_ 
知に包まれる。」 

日差し…「夏の日差し。」「やわらかな 
日差しを浴びる。」 

天日… 「1 RS にさらす。」で乾か 
す。」 


〇ど5使い分 けるか ) 

日光は、太陽から来る光線を言 
ぅ、やや文章語的だがょく使わ 
れる漢語。日は同義だがもっと日 
常的な和語。 

陽光は、明るい暖かなィメージを 
伴ぅ太陽の光で、好ましい意味合 
いで用いられる。 

日差しは、直射してくる太陽の 
光を言い、強弱の程度について述 
ベる とき使うことが 多い。 


天日は、 熱を伴ぅ太陽の光につい 
て、それを何かに利用する場合に 
使われる0 _ 

〔塗思〕 「天日(てんじつ)」といぅ語は 
太陽自体のこと。 


煮る にる 

■煮る\炊たく\茄®でる/湯, 
_搔| く/蒸むす 

c 使ぃ 

煮る… 「魚を煮る。」「甘辛く煮る。」 
炊く… 「飯を$。」「大根を^7。」 
ゆでる… 「卵をゅでる。」「野菜を!^ 
扣。」 

ゆがく… 「野菜をざっと!^。」 
蒸す… 「もち米を蒸す。」「冷ぇた飯を 



似る 388 


蒸す。」「タオルを蒸す。」 


(ど-つ使い分けるか) 

煮る は、材料を水の中に入れて 
火に掛け、熱を通す料理法を言 
ぅ。多くの場合、調味料を入れ 
て味を付ける目的を持つ。 

炊く は、米などに水を 加え、 熱 
を通して食べられるょぅにする 
意。魚などについては、関東での 
〈煮る〉と関西での〈炊く〉とは同 
じ意味で用いられている。 

ゆでる は、熱湯で味を付けずに 
火を通す意で、塩などを少量入 
れる場合を含む。 

ゆがく は、あくを抜く目的など 
のために熱湯の中に少しの間浸す 
意である。〈ゆでる〉よりも短時間 
である。 


蒸す は、湯気となった熱い水蒸気 
を当てて、その物に十分熱を通 
す、の意。 


似る にる 

—似る/似通1ょぅ/類?す— 
る/類似 s ぃする/相似 0 'I 
する/近似' 0 I する 

( 使い分け例 d 

似る… 「子が親に智。」「刺た話。」 
似通う… 「一一つの絵はどこか^^と 
ころが ある。」 「君と彼とは境遇が側 
ている。」 

類する… 「球技などに行為は 
禁止する。」「これに品物。」 


類似する… 「猿は人間に類似する。」 
「類^:3た品に注意する。」 

相似する… 「二つ並んだ建物の形が 
相^3ている。」形。」 

近似する… た二つの方法 。 j 
「 M 5 値を求める。」 


〇どラ使 い分けるか ■> 

似る は、あるものに別のあるもの 
を比べたとき、形や性質などが互 
いに同じよぅに見える意。 

似通う は、並んだものの間に共 
通する点がある意。〈似る〉が一 
方のあるものを基準にして比べる 
のに対し、〈似通ぅ〉は同等の関 
係で比較して言ぅ。 

類するは、 ある ものと 同じ種類 
や範囲に属している意を表す。以 
下四 語は漢語的な文章語である。 


389 にわか雨 


類似似 
す通 
る5る 


〇〇〇 

たそ 
事れ 
に 

1 

I 〇〇 

丨性 
格 

が 

1 △〇 

父子 

にの 

丨顔 

が 

〇 ' - 

行犯 
為罪 
に 

1 


類似す るは、二つ以上のものの 
間に共通する点が多く見られるこ 
とを言ぅ。〈似る〉と同義の漢語 
的な言い方。 

相似す るは、二つのものが丸写 
しをしたょぅに そつくりで、 見 分 
けが付けにくい意を表す。 

近似するは、 あるものがその基 
準となる既知のものと、そつくり 
ではないが極めて近い状態である 
意を表す。 


にわか雨 にわかあめ 


俄 toic か雨/むら雨ジタ立‘ 
L , f ?\ 時雨%\驟雨^ぅ 


使い分け例 


にわか雨… 「にわか ffll に遭いずぶぬれ 
になる。」®通り雨。 

むら雨… 「野路の^一。」 


〔注意〕 「相似」 は、 幾何学において 
二つの図形の片方の縮尺を変えるとも 
う一方のものと完全に重ね合わせられ 
る関^を言う。 


夕立… 「雷を伴い夕立が降る。」 
白®? く。 

時雨… 「冷たい一®に降られる。」 
驟雨…一過。」 「1®来る。」 




どう使い分けるか 


にわか雨は、 局地的に急に降り出 


し、短時間でやむ雨を言い、特に 
季節には関係なく呼ぶ。 

むら 雨は、むら気の雨、あるい 
はむらのある雨の意、または群が 
つて降る雨の意と言われ、〈にわか 
雨〉と同義の古風な言い方で雅語 
である。 

夕立は、夏の暑い日の午後、急 
に曇り、多くは雷を伴って一時 
的に激しく降り、しばらくして 
やむ雨のことである。他の季節 
には使わない。 

時雨は、晚秋から初冬に かけて 
ひとしきり降つたかと思ぅと、 ま 
た 晴れたり して 定めない雨を言 
ぅ。他の季節には使わない。 
驟雨は、〈にわか雨〉や〈夕立〉の 
意の漢語でかたい文章語である。 




人気•人間 390 


人気 にんき (〇評判) 

I 人気/人望我/評判 S ぅ V 
,受ぅけ _ 

f 使い分 け例〕 

人気… 「彼はクラスで人気がある。」 
が落ちる。」歌手。」— 
人望… 「人々の_を集める。」「_ 
がきわめて高い大統領。」 

評判…「_の高い本。」「彼について 
悪いが立つ。」「前 SP 。」 

受け… 「彼は友人の®がいい。」 


(どう使い分けるかし 
人気は、 その社会で好感をもって 


受け入れられ、名が知られている 
ことを 言う。 

人望は、 立派な人としてその社会に 
受け入れられることを言う。〈人気〉 
ょりも尊敬や信頼の度合いが強い。 
評判は、 そのもののよしあしにつ 
いての世間の評価。〈人気〉や〈人 
望〉がプラスのィメージを持って使 
われるのに対し、〈評判〉 は 良い意 
味でも悪い意味でも話題になるこ 
とを言う。人物以外にも用いる。 
受けは、 周りの人がその人から 
受ける感じや評価のこと。話し 
言葉的な言い方である。 


人間 にんげん 

「人間/人 S \ 者,人物戠\1 


人柄1 4 t \ 人格人類 

ば\キヤラクタ^ 

(使い分け例 ; i 

人間… 「人間は考える葦だ。」「彼は 
^は悪くないのだが。1は万 
物の霊長である。」失格。」 
人…「人にあるまじき行い。」「人が悪 
い。」 rAI に笑われる。」 

者… 「外部の# I は入るな。」「私はこぅ 
いぅ #|です。」「ょそ#|。」「悪#|。」 
人物… 「得体の知れない^^。」「彼は 
なかなかの人物である。」「人物評 
価。」「登場^画。」 
人柄… 「 g がょい。」 

人格… 「彼女は@が優れている。」 
を形成する。」 RW 者 。」 「AI 
樹朋壊。」 

人類… の繁栄。」「人類愛。」「民 




391 抜き差しならない 


族を超えた:^共同の目的。」 

キヤラクタ —「彼のキヤラクターが 
面白い。」 r 主人公の母はこの劇に不 
可欠のキヤラクターだ。」 


G どう使 い分けるか ソ 

人間は、 〈人〉同士のかかわりか 
ら見た社会的な存在を言う。動 
物の一類としての〈ひと〉の意でも 
使う。また、個人の性格としての 
人柄の意、能力や道徳性をもった 
個人としての〈人物 X 人格〉の意 
でも使う。 

人は、基本的には〈人間〉と同じ 
意味だが、ほかに、世間一般の 
人、自分以外の他人などの意で 
使われる。 

者は、〈人〉と同じ意味で用いられ 
るが、形式名詞であり、修飾語 


を付けて使う。軽い卑下、相手へ 
の軽視を込める場合がある。 
人物は、個々の人、その人が持つ 
ている性格や能力.素質など、ま 
た、才能のある人、などを言う。 
人柄は、道徳面から見た個人の 
性質や性格や品位を言う。 

人格は、道徳面から見た人の性 
格や品位を優れたものとしてとら 
えて言う語であつたが、単に一個 
の人間としての資格を指して言う 
場合もある。 

人類は、学術上の分類として他 
の動物と区別して言う言葉だが、 
特に他の動物との区別の意味では 
なく、民族や国家を超えた〈人〉 
全体を意味する場合も多い。 

キヤラクタ— は、性格や〈人 
格〉、また登場人物などの意。 


〇 

抜き差しならない 

ぬきさしならない 
I 抜き差しならない\退のつ— 
引びきならないど一進% 1 C っも 
三進 r もいかない/動むき 
,がとれない 

(使い分け例 W 

抜キ J 差しならない… 「事態は悪化し 
とぅとぅ 抜き差しならない羽目に 




温もり 392 


陥った。」 

のっぴ$ならない… 「のっびきならな 
M 事情が出来て欠席する。」 

にっちもさっちもいかない… 「金詰 

まりでにつちもさつちもいかない。」 

動きがとれない… 「規則に縛られ ill 
きがとれない。」 


ハ ど-つ使い分けるか) 

抜き差しならない は、これ以上 
事態が進行せず、どうすることも 
できない。どうにもやり繰りがつ 
かず、そこから逃れられないとい 
う意味を表すのに対し、 のつぴキ J 
ならない は、ある事態に直面し、 
引くに引けずどうしてもしなけれ 
ばならないさまを言う。 
にっちもさっちもいかない は、行 
き詰まつてしまい、これ以上進む 


ことも退くこともできない、の意0 
〈のつぴきならない〉が急にそぅし 
た事態が起きたときに使ぅのに対 
し、これは徐々にその状態になつ 
たときに用いる。 

動キ J がとれない は、動 こうにも 
動けず、自由に振る舞えな いこと 
を言い、特に事態の進行とは関係 
なくどの場面でも用いる。 


温もり ぬくもり 

「温もり/暖(温) ft l かみ / J 
L 暖(温) r かさ 


0使い分け例 〕 

温もり…「太陽のぬくもりの残る布 


団。」「肌のぬくもり。」®温 <* み。 

暖(温)かみ… 「布団にはまだ!^が 
残っていた。」のある家庭。」 
暖(温)かさ… 「春の!^が近づい 
てきた。」「人の心に暖かさがある。」 
® 涼しさ。冷たさ。 


(どう使い分けるか) 

温もりは、物の内部にこもつてい 
る適度の熱から受ける感じを言 
ぅ。普通、体温程度。 

暖かみは、 熱の発生源に近づいた 
り触つたりして受ける感じを言 
ぅ。〈ぬくもり〉ょり温度がやや高 
い感じ。また、物理的な温暖だ 
けでなく、人情の厚さなど心理 
的なものにも使われる。 

暖かさは、 やや高くて快い温度を 




393 濡れる•寝転ぶ 


湿潤濡 
れ 

る a る 


〇〇〇 

地雨 
がで 
丨土 

〇 • 〇 

具夜 
が露 

1で 
夜 

〇1 _ 

気部 
が屋 

1の 
空 

1〇_ 

懐好 
が景 
丨気 
で 


〇ど一つ使 い分けるか ) 

濡れる は、物の表面に水が付く 
意。比喩的に、男女が情を通じ 
る意も言ぅ。 

潤5 は、本来水分を必要とする 
ものがそれを得る状態を言ぅ。ま 
た、不足していたものが何かの理 
由で豊かになる ことに も用いる。 
湿る は、普段乾いているものが水 
分を含む状態を言う。直接水が 
かからなくて、空気中の水分を吸 
つてなる場合にも使う。 


浸る は、水の中に入り、表面ま 
ですっぽりと水をかぶる、の意。 


□ 


寝転ぶ ねころぶ 

I 寝転ぶ\寝 ねそべる\ 横 ; J : た— 
わる\伏(臥)ふす/横臥1ぅ 
,する\寝転 I fe がる 

0使い分け例) 

寝転ぶ… r 芝生の上に SMM 。」 

寝^へる… S そべつて本を読む。」 
「犬が長々と寝そべつている。」 


身体全体で受ける感じを言い、 
、屯理的なものにも用いる ことが で 
きる。〈暖かみ〉ょりも温暖の空間 
的範囲が広い。 


濡れる ぬれる 

,濡れる \潤5る ぅ\ 湿 ® U る V 
_8る — 

f 使い分け例 1 〇 

濡れる… 「池に落ちて服が 
「しっぽり 

潤|つ… 「雨で庭の樹木が」「観光 
客で町が_。」 

湿る… 「夜露で薪がた気 
持ち。」 

浸る…「田畑が水に簡。」 





ねじる 394 


横たわる… 「寝台に横たわる。」「道に 
倒木が横たわっている。」 

伏す… 「病床に:^。」「地に^;。」 
横臥する… 「贪後すぐに横臥する。」 
寝転がる… 「一日中何もしないで»| 

ていた〇」 


(どう使い分けるか) 

寝転ぶ は、身体を水平に倒し横 
になってごろりと寝る、の意。 
寝そべる は、身体を倒し腹ばい 
になっ たり 横にな ったりしてく つろ 
いだ姿勢をとる場合に使う。〈寝 
転ぶ〉は人間の動作について言う 
が、〈寝そべる〉は動物にも使う。 
横たわる は、身体を床や地面に水 
平にして身体を伸ばす場合に言 
い、文章語的である。また、大き 
な物、長いものが目の前に置いて 


ある様子を表すこともある。 

伏す は、①うつむいて体を地面や 
床につける、②腹ばいになる、③ 
横になって寝る、の意。文章語的 
な言い方。②③は〈臥す〉とも書 

<o 

横臥するは、 身体を横たえて寝 
ると いう 意のほかに、横の方を向 
いて寝る という 意もある。かたい 
文章語。 

寝転がるは、 〈寝転ぶ〉と同じ姿勢 
を取るが、力を抜いて何もしない 
状態を強調した言い方に用いる。 


ねじる 

,捩 (捻)ねじる \捻§ る \捩2~ 
_る/繕(燃)ょる 


( 使い分け例 ) 

ねじる… 「水道の栓をねじる。」「手ぬ 
ぐいをねじつてはちまきにする。」 
ひねる… 「スイツチをひねる。」「頭を 
て問題を解く。」た問 

題。」 

よじる… 「体を^^て笑う。」 

よる… 「糸の先をよって針に通す。」 


(どラ使い分けるか〕 

ねじる は、棒状の比較的固いも 
のを力を入れて何回も回し、変 
形させる、の意。 

ひねる は、比較的柔らかい材質 
のものをあまり無理をせずに軽く 
回す意。また、ちょつと違つた考 
えを出す意にも用いられる。 
よじる は、軟質のものをからまる 




395 ねだる•値段 


せ,せね 
びがだ 
るむる 


〇〇〇 

を小 

1遣 

い 

1 1〇 

を菓 

丨子 

• 〇 A 

く公 
?園 
f に 
丨行 

〇 ■ _ 

を寄 
丨付 
金 


Cjji つ使い分けるか ) 

ねだる は、いつまでもぐずぐずと 
何かを欲しがって甘ぇる意。 
せがむ は、主として目上の人に 
何かの行動や物を甘ぇる気持ちで 
要求する意で言ぅ。〈ねだる〉が 
主として物品そのものを要求する 
のに対し〈せがむ〉は何かをしても 
らぅ行動を要求する場合が多い。 
せびる は、甘える要素が少なく 
なり、無理やり要求を通そうと 
する姿勢が強い。特に金銭を強要 
する場合に使うことが多い。 


値段ねだん 

I 値段\値打5 ち \価値5\, 

価 1 '|\値 v ' l \ 価格 1>代 
I 価1 ノ価額1 く/金額 fl _ 

〇使い分け例 ') 

値段… 「 WW の張る商品。」が 
付けられない。」®値ね。 

値打ち… 「一万円のがある品 
物。」「人間としての^^。」 
価値… 「一見のがある。」「人類に 
とって価鼠の高い業績。」 

価… 「千円の fflil をつける。」二文の刪 
もない。」 

値 11 !…「春宵一刻 f * l 千金。」「 X の fal 


ょうに回して向きや形状を変える 
意である。また、身体を回転さ 
せるょうな動作にも言う。 

よるは、 繊維のょうな細長いもの 
を繰り返し回転させて固めたり形 
を整えたりする場合に言う。 

ねだる 

〔ねだる\せがむ\せびる〕 
f 使い分け I^Jlw 

ねだる… 「幼児が母親に菓子を_ 
51。」 

せがむ… 「遊園地につれて行ってくれ 
とせがむ。」「靴を買えと^^。」 
せびる… 「親に小遣いを?^^。」「チ 
ップをせびられる。」 




熱心 396 


を計算する。」 

価格… 「 SW を査定する。」「販売価 
槪を決める。」「適正® W 。 」 「5 W 協 
定 。」I 

代価…「代価を支払ぅ。」1®代金。 
価額…「遺産! W 。 」「評価 1 W 。 」 
金額…「損害賠償の ' tl 額を提示す 
る。」 「もうけた _。」「お祝いの金 


(どう使い分:^か) 

値段•価•価格•代価は、物品な 

どを売買する際の、そのものの値 
打ちを金銭の額で表したもの。 
〈価 X 代価〉は、金額で表される 
値段の意味を離れ、物事の価値 
の意を表すこともある。〈値段〉は 
日常語、〈価〉はやや改まった古風 
な語、〈価格〉〈代価〉は文章語。 


値打ちは、そのものが持っている 
尊 さや 役に立つ度合いを言う。 
「千円の—」とは言うが、実際の 
売買の〈値段〉として言うのではな 
い。〈値段〉が物質的なものについ 
て言うのに対し、精神的な物事に 
ついて言う場合も多く、金額で表 
すのは特殊な場<口である。 

価値は、〈値打ち〉とほぼ同義の 
漢語で、やや文章語的である。 

値 f たは〈価〉と同じ意味にも使う 
が、数学上のある記号の表す数 
値の意では〈値〉の方を使う。 
価額は、その価格に相当する金 
額の意で売買でない場で多く用い 
る。 

金額は、物品の売買の値段に限 
らず、一般的に金銭の数量を言 


熱心 ねっしん 

,熱心/真剣^/ 真摯 LL ん\| 
一生懸命 1一心 不 


f 使い分け例 ) 

熱心… 「教育に^^親。」「仕事熱 
心を褒められる。」「不熱心。」 
真剣… 問題に取り組む。」「真 
剣に生きる。」「真剣さに驚く。」 
真摯… 「彼の真摯な態度には胸を打 
たれる。」「真摯な生き方。」 

I 生懸命… 「一生懸命に働く。」 © 
一所 K 懸命。 

I 心不乱… 乱に看病する。」 




397 熱中する 


f ど-つ使い分けるか} 

熱心は、情熱を持って一つの物事 
に打ち込み、他に心を動かされな 
い様子を言ぅ。何か具体的な作 
業に集中している場合が多い。 
真剣は、ごまかしや遊びの気持 
ちが全くなく、本気になって物事 
に取り組んでいる様子を言ぅ。具 
体的な卑近な態度や行為だけで 
はなく、抽象的なもの、例えば 
生き方などについて用いる こと も 
できる。 

真摯は、 まじめに、ひたむきに何か 
に取り組んでいる様子で、〈真剣〉 
より比較的抽象的かつ高尚なもの 
について言う、かたい文章語である。 
一生懸命は、 力の限りを尽くし 
て何かをする様子。持つている本 


力や精神力などの力を使って何か 
の行為をする意味合いである。 

I 心不乱は、一つのことに集中 
して雑念が起こらないことを言 
う。〈熱心〉ょりもなりふり構わず 
没頭しているという語感がある。 

〔注意〕〈一生懸命〉は〈一所懸命〉が 
元の形である。 

熱中する ねつちゅうする 

,熱中する/没頭 II する/, 
専念^する/凝 こる\ 耽 ふ 
ける 


(使い分け例) 

熱中する… 「工作に熱中する。」 


没頭する… 「研究に没頭する。」 
専念する… 「学業に専念する。」 
凝る… 「ゴルフに凝る。」「凝るたち。」 
ふける… 「朝まで読書にふける。」 


ハど-0使い分けるか') 

熱中するは、 ある一つのことに 
情熱を傾けて集中する、の意。 
没頭するは、 他のことを忘れて 
その一つのことだけに心を注ぎ、 
夢中になる、の意で、〈熱中す 
る〉よりも時間的に長期に わたる。 
専念するは、 ある一つのことにだ 
け絞ってかかりきりになる場合に 
言い、自分の判断でそぅしている 
といぅ 冷静さがある。 

凝る は、度を越して あることに 心 
を集中させる意。常識的な線を 
越えて完璧さや高い到達度を求め 




0 民る 398 


ま寝眠 

ど 

ろ 

むるる 


〇〇〇 

くし 
丨ば 
ら 

• 〇〇 

2 く; 

丨 す 

_ 1〇 

に永 
丨遠 

* 〇 • 

三病 
日気 
丨で 

〇 - 〇 

す窓 
す辺 

丨の 

い 


多少の刺激ては目覚めない状態に 
なる、の意。また、眠り始める 
意でも使ぅ。 

寝付く は、眠る状態になり始め 
る意だが、病気で床に就く場合に 
も用いる。 

寝込む は、深い眠りに落ち、前 
後不覚になる、の意だが、寝るつ 
もりでなかったのに寝て しまったと 
いぅ気持ちが働く。また、病気で 
〈寝付き〉、その後長く床に就く 
場合にも言う。 

まどろむ は、しばらくの間とろ 
とろと眠る AM で、本式に眠るので 
はない。雅語的。 


る傾向を言う。趣味など、生活 
上余裕のある分野で用いることが 
多ぃ0 

ふける は、一つのことに異常なま 
でに心を奪われる、の意。無意 
識のうちにそういう状態になって 
しまつたという感じがある。 


眠る ねむる (〇居眠り) 

I 眠る/寝ねる/寝入1る/寝— 
付% く\寝込 cfe む/まどろ 
む 


f 使い分け例 j 

眠る… 「一時間ほど^^。」 ㊣ 覚め 
る。「山奥に宝物が^^。」 


寝る… 「ベッドで寝る。」 ㊣ 起きる。 
寝入る… 「いつの間にかぐっすり寝入 
る。」「寝入つ たところを 起こす。」 
寝付く… 「赤ん坊はすっかり 
た。」「病気でている。」 
寝込む… 「こたつの中ででしま 
つた。」「風邪を引いて」 
まどろむ… 「しばしまどろむ。」「木陰 
でまどろむ。」 


0どぅ使い分けるかし 

眠る は、心身の自律的な活動が 
やみ、一時無意識の状態になる、 
の意。比喩的に、価値あるものが 
活用されずにいる場合にも言ぅ。 
寝る は、基本的には、何もしな 
いで横になる意だが、〈眠る〉意で 
用いる場合も少なくない。 

寝入る は、すっかり眠ってしまい、 




399 念入り 


念入り ねんいり 

—念入り/入念 ^う\周到, 
^ぅ\細心は/丹念^/克 
,明^\綿密^ 


(使い分け例 } 

念入り…「念入りに見直す。」「念入 
3化粧。」 

入念…「入念に荷作りをする。」「入念 
^1点検を要す。」 

周到…「周到な準備をする。」「用意 

副。」 

細心…「3の注意を払う。」「3 
釗用意。」 

丹念…「故障箇所を調べてく 


れた〇」 

克明…「事件を克明に報告する。」 

メモ。」 

綿密…計画を立てる。」「織 

窗観察。」 


(どう使い分けるか) 

念入りは、細かい点にまでょく気 
をつけて何かをする様子を表す。 
入念は、〈念入り〉と同義の漢語 
で、文章語。 

周到は、準備や注意がょく行き 
届いていて間違いや漏れのない状 
態を言う。〈念入り〉が何か具体 
的な作業をすることについて言う 
のに対し、これは1刖もっての心構 
えのような抽象的な内容にも用い 
る。 

細、3は、注意が細かいところにま 


で行き届く様子だが、心の持ち 
方の状態に用い、具体的な行為に 
ついて、例えば「 I の荷作り」など 
のように言う ことは あまりない。 
丹念は、心を込めて何かを丁寧 
にする様子を言うが、その行為者 
の真情に感ずるような気持ちで使 

>っ0 

克明は、どんな小さなことも見 
逃さず、細かく気を配つている様 
子。物事を冷静に処理している感 
じがある。 

綿密は、注意が隅々まで行き届 
いている様子。〈入念〉とほぼ同義 
だが、心の持ち方な どよりも 行為 
自体の厳密さを要求する時に使 




除く •望む 400 


いたりする場合に言う。 

外す は、今まで、あるいは本来 
そこにあつたものを他のところに 
移す場合に言う。〈除く〉は要ら 
なくなって捨てる場合に言うが、 
〈外す〉は捨てるわけではない。ま 
た、本来の意図とは違うことをす 
る意もある。 


〇 


^> s のぞく 

I 除く/退•とける/除(退)の, 
,ける\退れりけるす— 

c ; 使い分け例) 

除く… 「名簿から一^。 I 「雑草を阐 
|<|。」「二十歳未満は3。」「不安を 
除く。」 

どける… 「大きな石をどける。」 
のける… 「障害物を^^。」「仲間か 


らのける。」 

退ける… 「密談のため人を^^。」 
「主張を^^。」 

外す… 「彼はメンバーから外してお 
く。」「タイミングを外す。」 


(ど I っ使い分けるか) 

除く は、不必要なものをそこか 
ら取り出して無くす、の意で「不 
安」などのように精神的なものに 
ついても言う。 

どける は、その場から他の場所へ 
移動させる意で、物について言う。 
のける は〈どける〉とほぼ同義で 
あるが、人を排除する意に用いる 
ことがある。 

退ける は、何かをある範囲から 
より低い位置に遠ざけたり、意見 
などを取り入れようとしないでお 


望む のぞむ 

I 望む\願 I ぅ/希望 1 I s す— 
る\願望 ff する/期待^ 
する 

( 使い分け例) 

望む… 二層の発展を_。」「君に Ml 




401 後程 


むのは勤勉さだ。」— 

願う… 「友人に援助を^。」「旅の無 
事を願ぅ。」 

希望する… 「取りあえず進学を 
する。」「明るい^ I 。」 

願望する… 「世界平和を願望する。」 
「切なる MM 。」 

期待する… 「彼の将来に期待する。」 
「新しい政策への1¢。」 


(ど-つ使い分けるか〕 

望む は、現在や将来にょぃ見通 
しを立てて、そうなつてほしいと 
思う、の意で使う。 

願5 は、そうなれば ょいと 思う こ 
とを神仏や他人に伝えるなどして 
その実現を切に考える、の意。 
〈望む〉が要求する感じであるのに 
対して、〈願う〉には他に依頼する 


気持ちがある。 

希望するは、 〈望む〉と同義でや 
やかたい漢語的な言い方。これは 
やや漠然とした要求にも使ぅのに 
対し、 願望するは、 目標を定 
め、その実現を強く欲している場 
合が多い。 

期待するは、 望ましいことが起 
きるように心の中で当てにして待 
つている、の意。主として他人の 
行動や状態について言い、自分の 
ことには用いない。 


後程のちほど 

,後程\今如に\其その内%5\, 
後 S で\何作れ\追おって/ 

I 近々 E •!;!./ 艫!:て 


(使い分け例 j 

後程…「すぐは無理ですが のちほど 
伺います。」 

今に… 「今にきつと立派になる 。」 RF 
d 見ていろ。」 

その内 •.•「そのうち雨になるだろ 
う。」「そのうち何とかしよう。」「雪 
が解けると、そのうち草が芽生え 
始めた。」 

後で… 「また^会おう。」「彼の発 
言が^^問題になった。」 

いずれ… 「いずれ来るであろう。」 

追つて… 「詳細は^ V 知らせる。」 
「離任の挨拶状が届き、絵は 
がきがきた。」 

近々… 「_結婚の予定だ。」 

やがて… 「雪はやがて消えるだろ 
う。」「それからやがて雨もやんだ。」 
©まもなく。 



伸ばす 402 


( どう使ぃ分 けるか j 

後程は、現在を起点にして少し 
時間がたってからを言う。改まっ 
た言い方。 

今には、近い将来に きっとそうな 
るということを想定して行う判断 
や決意を表す場合に使用する。 
時間の範囲は〈後程〉より漠然と 
している。 

その内は、 現在からそれ程たた 
ぬ内を指し、〈後程〉がある行為 
をする ことにつな がるのに対し 
〈その内〉は ある 状態がくる場合 
にも使う。 また <今に>以上に時 
間の範囲は広く漠然としている。 
後では、〈その内〉よりも時点を 
ある 程度限定し ようとす る気持ち 
が強く、〈後程〉と同義だが話し言 


葉的である。 

いずれは、 〈その内〉よりも、そ 
れがいつになるのか不明な場合に 
用いる。やや文章語的である。 

追つては、 〈後程〉に近いが、もっ 
と短時間の内といぅ感じがある。 
引き続いての意で用いる。公文書 
や書簡などで使用することが多 
く、やや文章語的である。 

近々 は、すでに予定されていて近 
い将来にそれが実現することがか 
なりはっきりしている場合に用い 
る。従って推量表現にはあまり使 
わない。 

やがては、 その時点からそれ程 
たたない時間を言う。 

〈その内〉〈後で〉〈追って〉〈やがて〉 
は、現在だけでなく過去や未来 
のある時点も基準にできる。 


伸ばす のばす 

I 伸ばす\延®ばす/伸長— 
ねぅする/伸張^ぅする\ 
伸展辻する\延長妓ぅす 
る 

9い 分け例) 

伸ばす… 「枝を伸ばす。」「背筋を 
t - l 。」 「長所を ㊣ 縮める。 
延ばす… 「道路を「時間を 
® si ^ l _ ㊣ 縮める。 

伸長する… 「脚立を伸長させる。」 
:「国力を伸長する。」 ㊣ 縮小する。 
伸張する… 「国威を伸張する。」 
伸展する… 「経済力を伸展する。」 




403 のんびり 


延長する… 「鉄道を延長させる。」 
「試験時間を延長する。」「期間 M 
_。」 ® 短縮する。 


(どう使い分けるか」 

伸ばす は、長さや高さを増す、 
縮んでいたり曲げてあったりした 
ものをまっすぐに長くする、の意。 
具体的な長さを持ったものばかり 
でなく、売り上げや勢力のような 
数量や力などに使うこともでき 
る。 

延ばす は、〈伸ばす〉と同じ意味で 
用いるが、〈伸ばす〉がそのもの自体 
の長さを長くする意であるのに対 
し、〈延ばす〉は同質のものを付け加 
えて長くするという違いがある。 
伸長す るは、長さや高さを増す 
意で、〈伸ばす〉と同義の漢語的 


文章語。 

伸張するは、 物や勢力をのばし 
広げる意、 伸展するは、 物事の 
勢いや勢力範囲をのばし広げる意 
で、 どちらも かたい漢語的文章 
語。また、この二語と〈伸長す 
る〉は自動詞他動詞両用になる 
が、他の三語は他動詞として使 
われるだけである。 

延長するは、 時間や区間を付け 
加えて増す意で、〈延ばす〉と同 
義の漢語的な言葉でやや文章語 
的である。 


のんびり 

—のんびり\悠悠!!\悠然 

i 萇!?>ゆっくり 


Q 使い分け例) 

のんびり… 「週末をのんびり暮ら 
す。」「のんびりした性格。」 

悠悠… 「虎が寝そべっている。」 
「船が§通れる。」 r 悠々たる態 
度。」「_自適。」 

悠然…「時間が迫っているのに 
構ぇている。」「悠然たる山容。」 
悠長… 「悠長にたばこを吸っている場 
合ではない。」「悠長な話し方。」 
㊣ 性急。 

ゆつくり… 「ゆつくりと風呂に入る。」 
「二人がゅっくり座れる椅子。」 


f ど-つ使い分けるか) 

のんびりは、 いろいろな制約を受 
けず、心の 向くままにゆつ くり 行 
動する様子を言ぅ。 



配付 404 


悠悠は、慌てず騒がず自然体に 
おいて行動する様子。また、十分 
に余裕がある様子。〈のんびり〉が 
精神的に緊張がほぐれた状態なの 
に対し、〈悠悠〉は精神的にはし 
っかりし自信を持って行動している 
感じがある。〈悠悠たる〉はかた 
い文章語。 

悠然は、普通なら慌てたり ため 
ら つたり するのに、何の こだわり 
もなく振る舞う様子。〈悠悠〉と 
ほぼ同義だが、周囲の動向を意 
に介さないという語感がある。文 
章語で、特に〈悠然たる〉はか 
たい感じがある。 

悠長は、寸刻を争うときなのに 
急ごうとせず、周囲のものを やき 
もきさせる様子。 あまりよ くない 
評価を伴うことがある。 

ゆつくりは、時間をかけて落ち着 


いて何かをしたり、余裕があつた 
りする 様子。〈のんびり〉 と 同義に 
用いられることが多いが、精神的 
な状態ばかりではなく、時間的に 
のろい状態を言ぅ用法がある。 




配付 はいふ 

I 配付\配布|/頒布|ん\, 

配達筇\配送訪\配給 


「 使い分け例 〕 

配付…「教科書の靜。」 r 必要書類 
を配付する。」 

配布…「選挙公報の配布。」「ビラを配 
布す る。」 

頒布…「試作品を無料で頒布する。」 
「銘菓®会。」 

配達…「郵便® M 。」 「朝早く牛乳を 
配達する。」 

配送…「贈答品の_業務。」「全国 
各地に配送す^|。」「^課。」 
配給…「米を配給する。」「映画の S 2 I 

tl 兀 r 」 


ハど-つ使い分けるか;一 

配付は一人一人に配ること、 
配布は広く行き渡るよぅに配るこ 
とであるが、法令用語では後者に 




405 ばか 


配配配配 
給送達布 


0000 

1家 
す々 
るに 

I _ 〇〇 

し公 

s 報 
回を 
る1 

_ 〇〇 ■ 

の郵 

丨便 

物 

''' 〇 

を試 
丨験 
す問 

る題 

〇 ''' 

丨食 
制糧 
度の 


統一されている。 

頒布は多くの人に配り与えるこ 
とで、〈配布〉に似ているが、「網 
布会」などと言ぅ場合は、特定の 
人に有料で品物を分ける意である。 
配達は郵便.新聞•品物を家々に 
配り届けること。 

配送は荷物や品物を方々に分け 
て送ること。また、配達と発送の 
意。本来の漢語ではない。 

配給は数量に限りのある物を割 
り当てて渡すことを言う。戦中戦 
後の物不足の時、生活必需品が 
少量ずつ国民に配給された。 


ばか 

,ばか \愚找か/愚技かしい\| 

暗愚^/愚昧* <*> 蒙昧 

a !\ 愚鈍 r *\ 魯鈍 r 


( 使い分け 例3 

ばか…「5^やつだ。」事を 
したもんだ。」「ばかに暑い。」 

愚か…「愚かな男。」「言ぅも愚かな 
事。」「¢5者。」 

愚かしい…「愚かしい振る舞い 。」 「SI 
かしい ことを 言うな〇」 

暗愚…国王。」 

愚昧…人の考え。」 

蒙昧…「無知人々。」 


愚鈍… 「愚鈍なたち。」「愚鈍な人物。」 
魯鈍… 「すこぶる魯鈍な男。」 

性質。」 


¢5使い分けるか W 

ばかは知能の働きが鈍い、の意の 
ほかに、まともに取り扱う値打ち 
のないほどくだらない、普通では 
考えられないほど甚だしい、の意 
にも使う。 

愚かは〈ばか〉ょりも文章語的で、 
「言うも一な(言うまでもないごの 
形は「語る•問う•聞く」などの動 
詞にのみ用いる。愚かしいはばか 
げているの意で、やや古風な語。 
暗愚は〈愚か〉の意の漢語。 

愚昧と蒙昧もほぼ同義で、前者 
は愚かなため、後者は知識が不 
十分なため、道理の分からな いさ 




計る•剝ぐ 406 


まを言ぅ。 

愚鈍は頭が悪く満足な働きので 
きないさまを言い、魯純もほぼ同 
義であるが、心理学では精神薄 
弱の程度として、魯鈍は白痴•痴 
愚ょりも軽微な場合に使ぅ。 


計る はかる 

,計る\測|る/量一る/計測— 
!K する\計量 IK ぅ する/測 
j 里 n ぅ する/測定 V T ,! する— 

9い分け例 W 

計る… 「時間を計る。」「計り知れない 
恩恵を受ける。」 


測る…「標高を測る。」「面積を測 
d 。 |「距離を!^。」「物差しで測 
刪。」 

量る… 「目方を」「升で11^。」 
計測する… 「直線距離を計測する。」 
計量する… 「ばねばかりで計量す 

る。」 _ 

測量する… 「土地を測量する。」 
測定する… 「体力を測定する。」 


(ど-つ使い分けるか. 

計る は、ひとまとめにして数え 
る、の意で数量や時間に、 測る 
は、水の深さを調べるのが原義 
で、長さ•高さ•深さ•速さ•面積 
などに、 量る は、榖物の重さを 
調べるのが原義で、目方•分量•容 
積に用いる。なお、〈計る〉は、 
〈図る〉や〈謀る〉と同じく、企てる. 


欺くの意に、〈測る〉と〈量る〉は、 
推しはかる(推測する•推量する) 

の意にも使われる。 

計測するは、 数量•長さ•重さ 
を、 計量するは、 重さや分量 
を、 測量するは、 地形や土地の 
位置•面積などを、 測定するは、 
長さ•重さ•速さ、その他の量や 
価値を、いずれも器械や器具を 
使つてはかることを一言ぅ。 

〔注意〕 「測」や「量」は熟語になると 
原義にこだわらず幅広い意を持つ。 


剝ぐ はぐ 

,剥ぐ/ 剝はがす\剝 むく/殺, 
(削) そぐ \削£ る 




407 白状 


f 使い分け例 ) 

剝ぐ… 「杉の皮をはぐ。」「身ぐるみ ^I 
糾れる。」「官位を,5^。」 

剝がす… 「壁紙をはがす。」「布団をは 
がす。」「つめをはがす。」 

剝 く…「みかんをむく。」「きばをむき 
出す。」「目をむく。」 

そぐ… 「竹をそぐ。」「ごぼぅをそぐ。」 
「感興を^^。」 

削る… 「鉛筆を削る。」「予算を削 
る。」「 リストから 名を削る。」 


(ど!51使い分けるか) 

剝ぐも剝がすも、 表面の薄い物 
を離し取る、身に着けている物を 
脱がせる、の意であるが、「切手 
(ポスタ1 ) を一」と言う場合は後 
者を用いることが多い。「官位を^1 


ぐ」の場合は、剝奪するの意で古 
風な表現、「つめを^^」の場合 
は、意図的でなく、不注意でそ 
うした場合を言う。 

剝 くは、中にある物を取り出す 
ために、外側を覆つている物をは 
がし取ることで、「りんごの皮を 
—」と言うのに対して、皮が必要 
な場合は〈剝ぐ〉〈剝がす〉を用い 
る。「目を—」は、目を大きく見 
開く意。 

そぐ は、物の先を斜めに切り取 
る、薄く削り取る意で、「耳(鼻) 
を—」は昔の刑罰で、耳(鼻)を切 
り落とす意。「興味(気勢)を一」 
の場合は、 減らしたり無くしたり 
する意。 

削る は、刃物で物の表面を薄く 
そぎ取る意で、「人員を—」の場 
合は、削減する、「条文を I 」の 


場合は、削除するの意。 


白状 はくじょぅ 

|白状\告白?|\自白 «0' く\| 

自供1"ぅ\懺悔|>吐露 
IA 披瀝 r 

(使い分け例 W 

白状… 「旧悪を白状する。」「二人の 
仲を白状する。」「もぅいいかげんに 
なさいな。」 

告白… 「愛の® S 。」 「犯した罪を SI 
白す る。 」 

自白… 「自白を強要する。」「拷問さ 
れて自白する。」 

自供… 「犯人の_。」「犯行を¥$ 




激しい 408 


する。」 

懺海… 「 SS を聞く。」「頭 r を垂れて 
慑悔する。」 

吐露.:「真情©5*。」「自由への憧れ 
を手紙の中で吐露した。」 

披瀝…「決意を披瀝する。」「胸中の 


( ど 151 使 い分けるか j 

白状は、秘密や隠していた悪事 
を人前でありのまま言ぅこと、 生口 
白は、それまで隠していたことを 
正直に相手に打ち明けることで、 
前者は必ずしも深刻感を伴わず 
話し言葉的、後者は文章語的で 
ある。 

自白は、自分の秘密を白状する 
こと、_供は、容疑者などが取 
り調べに対し自分から述べること 


であるが、前者は法律語として 
は、民事事件で相手の主張を肯 
定し自分に不利な点を認めるこ 
と、刑事事件で自分の犯行であ 
ると肯定することを 言う。 

懺悔は、過去の罪過を悔い、神 
仏や人に打ち明けて許しを請うこ 
と0 

吐露は、白分の意見や心情を包 
み隠さず打ち明けること、披瀝 
は、心中の考えをすっかり打ち明 
けることで、どちらもかたい文章 
語でほぼ同義であるが、後者は 
「所信—の演説」のょうに積極的 

な意味にょく使われる。_ 

〔注意〕〈懺悔〉は、仏教ではサンゲ 
と言う。キリスト教では、新教の懺悔 
に相当するものを、旧教では告解と 
言う。 


激しい はげしい(〇凄 rt い) 

,激しい \激烈5 1 !\猛烈 ^V 
強烈努ぅ\熾烈,\痛烈 

辟/熱烈鹄\激甚 I 1 ! 


C 使い分け例し 

激しい… 気性。」「雨が 
降る。」練習。」「変化が烈 
1。」「人の行き来が 
激烈 ••.「激烈な地震。」「激烈な競 
'争ご 

猛烈… タックル。」眠 
い。」 「 Ml に勉強する。」 

強烈… 「印象が^^ある。」「強烈な 
パンチ。」色彩。」 



409 励ます 


熾烈… 「熾烈* I 戦闘が続く。」「攻撃 
は熾烈を極めた。」 

痛烈… ヒット。」批判 
する。」 

熱烈… 恋愛。」応援 
する。」 

激甚… 被害。」 


(ど-つ使い分けるか W 

激しい は、勢いが鋭く強い、甚だ 
しい、 しきりに 行われる、の意 
で、激烈は、勢いや程度が非常 
に 激しい さまを 言ぅ。ただし、 後 
者は自然.社会現象には使ぅが、 
人間の性格や行為には用いない。 
猛烈は、勢い.作用が激しい さま、 
程度の甚だしい さま、 強烈は、 
力•作用が 強く 激しい さまを 言う 
が、前者は人間の生理や行為、 


後者は印象や色.音などの強さを 
表す。 

熾烈は、戦いや競争が燃ぇ立つょ 
ぅに 激しい さまを言ぅ 非常にかた 
い文章語。 

痛烈は、攻撃や批判が非常に激 
しく行われるさまを ^1ぅ。 

熱烈は、熱中したり、興奮した 
りして、感情が激しくなつたさま 
を^ 一目う。 

激甚は、程度が極めて甚だしいさ 
まで、損害などについて使うこと 
が多い。 


はげます 

1励ます\力付^ らける/勇, 
気付 r きける/激励煤す 


る/鼓舞する\督励^す 
る/鞭撻^する 

( 使い分け例 W 

励ます… 「受験勉強の子を励ます。」 
力付ける… 「先輩に力づ けられる。」 
勇気付ける… 「落胆した友人を翻 
づけを。」 

激励する… 「選手を激励する。」「激 
刷の言葉。」 

鼓舞する… 「士気を鼓舞する。」 
督励する… 「部下を督励する。」「督 
酬を受ける。」 

鞭撻する… 「弟子を鞭撻する。」「何 
とぞ御指導御のほどを。」 


(ど3使い分けるか} 

励ます は、言葉をかけたりして 



端 410 


元気づくようにしむける意で、 
「声を—」の場合は強くする意。 
力付けるは、不幸 や 不遇に めげ 
そうな人に元気を出せと励まし力 
が出るようにしてやる意。 
勇気付けるは、 何かを恐れたり 
自信を失つたりしている人を励ま 
して、やる気を起こさせる意。 
激励するは、 〈励ます〉の意の漢 
語的な言い方でやや文章語的。 
鼓舞するは、 集団を対象として 
意気を奮い立たせる意で、やや古 
風な表現。以下三語は文章語。 
督励するは、 仕事や任務を進め 
るため、監督して激励する意。 
鞭撻するは、 むち打つが原義で、 
戒め励ます意であるが、現在では 
改まつたあいさつや手紙文などに 
形式的に使うことが多い。 


端はし 

,端/縁 S ジ片端は/先— 
1 端 ^\末端^\端末较, 

(使い分け例) 

端… 「ひもの端。」「本の SI を折る。」 
「道の端に寄る。」「言葉の端をとら 
える。」「枝の端。」「本を綱から順に 
読む。」 

縁2.:「茶ゎんの»|。」「池の»|を巡 
る。」「色糸で SI をと る。」 

縁 V •「川の?^に立つ。」「畳の?^が 
擦り切れる。」 

片端… 「糸の g 。」 「話の^ W 。」 
© 片っ端2。_ I 
先端… 「棒の^ W 。 」「流行の類を行 


く。」「先端的な行動。」 

末端… 「枝の ¥ w 。」 「指令が WW まで 
届く。」 「¥ w 価格。」 

端末… 「端末装置を設置する。」 


(どラ使い分けるか) 

J . UJI は、細長い物や広がりのある物 
の中央から最も遠い部分、転じて 
中心的でない一部分、不要な切 
れはし、また物事のはじめの意も 
表す。 

縁: J と 縁 ^は、広がりのある物の 
端であるが、前者はまわりの部分 
と、「目の I を赤くする」のよぅに 
その外側も意味する。後者は畳. 
ハンカチ•カーテンなどの端に付け 
る布や飾りの意も表す。 

片端は、一方の端、わずかな部 
分の意で、「 I から…する」などと 



411 恥•初め 


片へふ端 
端りち 


0000 

丨板 

の 

〇 - ■ 〇 

丨糸 

の 

_〇〇 1 

のコ 

丨 多 

1 〇 1 1 

Mo 

な 

〇 ' 1 A 

丨 話 
をの 

聞ヂ 

くん 

の 


いう場合は〈片っ端3〉と言うのが 
普通。 


先端は、細い物の先であるが、 
〈尖端〉の書き換え語として、時 
代や流行などの先頭の意を表す。 
末端も物の端の部分であるが、 
組織や機構の中枢から最も遠い部 
分の意にも使う。 

端末は、電気回路における電流 
の出入り口、電子計算機で、入 
出力装置を取り付ける部分を言 


〔注意〕〈はし〉は〈はじ〉とも言ぅ(特 
に関東に多い)。はじつこ。 


@ はじ (〇 恥じる) 

1恥/赤恥鹄\辱^め/恥— 
辱 r く \屈辱以く\羞恥 

しゆう 

—ち 

,〇使い分け一^} 

恥…「_の上塗り。」 「 w ' l を忍ぶ。」「刺 
を知れ。」 

赤恥…「人前で®をかく。」「_を 
さらす。」 

辱め…「満座の中で酒を受ける。」 
恥辱… 「 SW をすすぐ。」「人々の面前 
で恥辱を被る 。I 
屈辱…「左遷のに耐える。」 

感を味わう。」 I 
羞恥…を覚える。」「1^心。」 


(どう使い分けるか) 

恥は、自分の過失.弱点からくる 
引け目、他人から受けた侮辱で 
あるが、恥ずべき ことを 恥ずかし 
いと思う廉恥心の意もある。 
赤恥は、ひどい恥の意。 

辱めは、相手に恥をかかせるよう 
な仕打ち、恥辱は、その同義の 
漢語で文章語。 

屈辱は、屈服させられて受ける 
恥の意。以下二語も文章語。 
羞恥は、他人に対して恥ずかし 
く思う感情を言う。 


初め はじめ 
「初め\始3め\始2まり\一 





恥じる 412 


起ぉこり\起源(起原) r \ 

_原初ば\原始弋\始原れん_ 

(使い分け例) 

初め… 「年の初め。」「初め別の人かと 
思つた。」1®終わり。おしまい。 

始め… 「御用窗。」「窗からやり直 

す。」®終わり。おしまい。 
始まり… 「授業の!^が遅れる。」 
「けんかのは何か。」 
起こり… n * の^^は双方の誤解 
からであった。」「祭の®^。」 

起源(起原)… 「人類の襲を研究す 
る。」「言語の襲を探る。」 

原初… 「宇宙の MW 。」 「物語の 
的な形式。」 

原始… 「仏教のの姿。」®元 
始〇 「 MW 時代。」「§林。」 
始原… 「始原にさかのぼる。」 


「どう使い分けるか) 

初めと始めは、 前者が時に関し 
て「最初」、後者が事に関して「開 
始」の意の場合が多い。 

始まりは、 物事が始まること、 
また、事の起こり•きっかけの意。 
起こりは、 物事の始まり、事の 
きっかけの意。日常の小さな出来 
事のきっかけの意に多く使う。 
起源は、 幾つもの時代を経てき 
た物事の始まりの意の文章語。 
原初は、 物事の一番初め•初期の 
段階の意を表すかたい文章語。 
原始は、 物事の初めが原義で、 
自然のままで変化や進歩がなく、 
未開で ある ことを言う。 始原は、 
〈原始〉の原義と同じで、かたい文 
章語。 


恥じる はじる (〇恥) 

—恥じる/恥はじ入いる/恥は— 
じらう \含羞 純に む\照 てれ 
る \赤面 ! I する/ 慙愧(慚 
愧) *! する 


( 使い分け例〕 

恥じる… 「無学を®^。」「横綱の名 
に^^ない成績を残す。」— ㊣ 誇る。 
恥じ入る… 「深く恥じ入る次第で 
す。」「ただ恥じ入るばかり。」 
恥じら-つ… 「花も恥じらぅ乙女。」 
はにかむ… 「はにかんでぅつむく。」 
照れる… 「褒められて M ^。」 
赤面する… 「人前で赤面する。」「赤 





413 果たす 


面の至りです。」 

慙愧(慚愧)する… 11111に堪えない。」 
「不敏を深く慙愧する。」 


(.どう使い分けるか J 

恥じる は、自分の欠点や罪過を 
認め、人の軽蔑や笑いを受けると 
感じて、堂々とできない気持ちに 
なる意で、:•に@ない」は、そ 
の地位や名誉にふさわしいの意。 
恥じ入る は、深く恥じる意で、 
両語ともやや改まつた言い方。 
恥じらう は、〈恥じる〉ょぅな態 
度•表情をする意。 はにかむ もほ 
ぼ同義だが、ょり雅語的。どち 
らも若い女性や子供について言う 
ことが多い。 

照れる は、〈恥じる > が他人の軽蔑. 
嘲笑をつらく感じるのであるの 


に対し、多くの場合、賞賛や好 
意などを受け決まり悪い様子をす 
る意で、やや俗語的である。 
赤面するは、恥ずかしさのため 
に顔が赤くなる意。 

慙愧(慚愧)する は、〈恥じ入る> 
の意の漢語的なかたい文章語。 *.• 


果たす はたす 

I 果たす/遂とげる/仕上紅— 
げる/遣ゃり遂とげる/遂 
行^する/完遂はする/ 

I 達成尨する 

n 使い分け例) 

果たす… 「大役を果たす。」「責任を果 


たす。」「有り金を使い果たす。」 
遂げる… 「望みを遂げる。」「哀れな最 
期を」「進歩を」 
仕上げる… 二日で仕上げる。」「絵 
を仕上げる。」 

やり遂げる… 「難事業をやり遂げ 
る。」「なんとか無事にやり遂げた。」 
遂行する… 「任務を遂行する。」「事 
業の_に全力を尽くす。」 

完遂する… 「目標を完遂する。」「計 
画完遂まで努力を続ける。」 

達或する…「使命を達成する。」「目 
標_まで、あとわずかだ。」 


(ど-つ使い分けるか) 

果たす は、しよぅと思つたこと、 
しなければならないことを全部し 
終える意、 遂げる は、しよぅと 
思つていたことを最終的に目的通 



働き 414 


りに実現する意で、「目的を一」 

の場合は同じ意味になるが、後 
者の方がやや文章語的である。 
〈果たす〉は、動詞の連用形に付い 
て、「すっかり…する」の意になり、 
〈遂げる〉は、最終的に そぅいぅ 結 
果になるの意を表す用法がある。 
仕上げる は、仕事などにおいて、 
具体的な物事を完成させる意を 
表す。 

やり遂げるは、 物事を最後まで 
やり 通す意で' 遂行するは、 同 
義の漢語的な言葉。 

完遂するは、 完全に遂行する 
意、 達成する も、目指していたこ 
とを成し遂げる意で、ほぼ同義で 
あるが、前者はやり通すこと、後 
者は成就することに重点がある。 
〔注意〕 〈遂行〉をツイ コウ、 〈完遂〉 


をカンツイと読むのは誤り。 


^きはたらき (〇仕事) 

|1き\機能|*\性能筇\, 

能力||く\力量12ぅ\器量 


( 使い分け例 ) 

働キ」…「頭の豐が鈍る。」「引力の«| 
#10」 

機能… 「ヮープロの®^。」「胃の ■ 
_。」「議会が正しく機能する。」 
性能… 「_のよいカメラ。」 「 SW ア 
ップ〇」 

能力… を生かす。」「運動 tgl 
力。」「当事者^^がない。」 


力量… 「政治家としての力量が問わ 
れる。」「_の差。」 

器量…「指導者としてのに欠け 
る。」「器量を上げる。」 


ハど - 51 使い分けるか} 

働 $は、仕事をすること、その 
能力、その結果としての実績など 
が本来の意味であるが、そのほか 
に、活動する能カー機能、他に 
及ぼす力—作用などの意も表す。 
機能は、 道具•機械•器官•機関 
などの働く能力、また、ある仕 
組みの中でそのものの役割を果た 
すことで、法律では機関がその権 
限内で活動できる能力を言ぅ。 
性能は、 機械などの特性と能力 
の意。 

能力は、 物事を成し遂げること 




415 発火 


能性機働 
力能能き 


0000 

た優 
丨れ 

〇〇〇 ■ 

揮丨 
すを 
る発 

I _ 〇〇 

9言 
丨葉 

〇 ' ' 〇 

て主 
9婦 

1と 
し 

〇1〇1 

丨処 

理 

1 〇 1 1 

械ょ 


のできる力で、法律では「責任—」 
のように一定の事柄について必要 
とされる資格を言う。 


力量は、物事を成し得る力の程 
度の意であるが、〈能力〉と違って、 
人間以外の物に使うことはない。 
器量は、地位や役目に応じた対 
応の能力であるが、「—を下げ 
る」と言う場合は面目を意味す 
る。なお 、「I がいい」と言う場合 
は、主として女性の容貌の意であ 
る。 

〔注意〕〈機能〉だけ、「—する」の形 
がある。 


発火はっか 

I 発火/引火1>点火^/, 
_着火 r / 出火^っ 

〇 使い分け例〕 

発火…「自然_。」「石炭が^^ 
る。」「発火装置。」「_点。」「連隊 
が野外の_演習を行ぅ。」 

引火…「則点。」「たばこの火がガソ 
リンに引火する。」 

点火…「_を確認する。」「ガスに点 

火3。」「自動窗。」 

着火…「ょぅやく薪に着火する。」「*1 
州点に達する。」 

出火…「5^現場。」「台所から!^ 
する 。I 


(どう使い分けるか) 

発火は、火が燃え出すこと、ま 
た、銃砲に火薬だけ詰め、実弾 
を入れずに空砲を撃つこと。 
引火は、燃えやすい物が他の火 
や熱によって燃え出すことを言う。 
点火は、火をつけること、また、 
火をともすことであるが、爆発な 
どを起こして機関を始動させるた 
めに発火の操作をすることも言 
>っ0 

着火は、〈発火〉や〈点火〉の意で 
あるが、「着火—点」は点」と 
言ぅ方が普通で、可燃物が自然 
に燃えはじめる最低温度の意を表 
す。 

出火は火事を出すことを言う。 





発生•発表 416 


生起は、現象や事件が現れ起こ 
ること、惹起は、引き起こすこ 
とで、 どちらも かたい文章語で あ 
るが、後者は好ましくない状態に 
多く使ぅ。 

勃発 も 突発 も、突然起こること 
であるが、前者は戦争などの大事 
件に、後者は事故や病気の症状 
などに用いる。 

激発は、事件が次から次へと起こ 
ること、また急に激情が起こつた 
り、激しい行動を取らせたりする 
ことを 言ぅ。 


発生 はっせい (〇起こる) 

I 発生/発祥3 r \ 生起 ^V 
惹起^/勃発??\突発 
IP 激発契 , 


f 使い分け例 ) 

発生… 「事故の^¥を防ぐ。」「伝染 
病が発生する—。」「台風が発生す 
d 。」 「害虫が発生する。」「個体菊 

5 

発祥… 「文明^^の地。」「仏教の剰 

巧た時。」 

生起… 「争乱の原因。」「日常生 
活において生起する諸問題。」 
惹起… 「混乱と不安を惹起する。」「軽 


率な行動が重大事件を惹起した。」 
勃発… 「第一次世界大戦の WW 。」 
「国民全体を巻き込む大事件が勃 
3た。.1 

突発… 「事故の!^。」「_的な症 
状。」「けいれんが突発する。」 
激発… 「住民運動の_。」「怒りが 
激発する。」 


广どう使い分けるか) 

発生は、物事や現象、あるいは 
生物が新しく生じることで、生物 
学では個体における形態形成の初 
期過程を言う。 

発祥は、歴史的な事象が起こり 
はじめることで、社会的事象につ 
いては〈発生〉は望ましくないこと 
に多く使うが、〈発祥〉はめでたい 
こと、よいことに使うのが普通。 


発表 はっぴょぅ 

,発表\公表^ぅ\披露 r\l 
発布1\公布 r \ 公示 




417 話し合い 


披公発 
S ! 表表 


〇〇〇 

を会 
丨談 
す内 
る容 

I 〇〇 

を調 
丨査 
す結 

る果 

〇 > 〇 

丨新 
す作 
るを 

1〇1 

ぱ丨 
か4 
もは 

〇1 1 

1開 
店 


知らせ示すこと、公表は、表向 
きにして世間一般に広く知らせる 
ことで、客観的な事柄を当事者 
間に限らずに発表することを言 

A つ0 

披露は、新作や技能、あるいは 
縁組みや開業などを広く知らせる 
ことであるが、「失敗談を I する」 
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