台湾鉄路管理局R200型ディーゼル機関車

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台湾鉄路管理局R200型ディーゼル機関車
R201(2023年撮影)
基本情報
運用者 台湾鉄路管理局
製造所 シュタッドラー・レール
製造年 2023年 -
製造数 34両(R201 - )(予定)
主要諸元
軸配置 Co - Co
軌間 1,067 mm
最高運転速度 110 km/h
設計最高速度 120 km/h
車両重量 96 t
全長 20,000 mm
全幅 2,852 mm
全高 3,900 mm
軸重 16 t
機関 Cummins QSK60 Stage IIIB(1,800 rpm)
機関出力 1,985.8 kw(2,700 HP)
主電動機 三相誘導電動機
引張力 430 kN
備考 主要数値は[1][2][3][4][5][6][7][8]に基づく。
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台湾鉄路管理局R200型ディーゼル機関車(たいわんてつろかんりきょくR200がたディーゼルきかんしゃ)は、中華民国台湾鉄路管理局が導入するディーゼル機関車(電気式ディーゼル機関車)の形式。スイスの鉄道車両メーカーであるシュタッドラー・レールが製造を手掛けており、2023年以降の営業運転開始を予定している[1][2][3]

概要[編集]

台湾鉄路管理局は2010年代以降、老朽化した旧型車両の置き換えを目的とした大規模な新型車両の導入を進めている。その一環として新型ディーゼル機関車34両分の入札が行われ、2019年にスイスのシュタッドラー・レールと契約を結ぶ事が発表された。これは同社にとって初の太平洋地域への鉄道車両の導入事例であり、この契約に基づいて開発・生産が実施されるのがR200型である[1][2][3][9]

シュタッドラー・レールが世界規模で展開する機関車ブランドの「ユーロライト英語版」のうち、アジア向けの設計が施されている「アジアライト(AsiaLight)」の1形式で、全長20 m級・両運転台式の車体を有している[注釈 1]。ディーゼルエンジンはカミンズ製の出力(2,700 HP)のものを1基搭載し、台車へ動力を伝達する6基の三相誘導電動機を稼働させる。牽引力は最大430 kNで、旅客車両を最大400 t分(速度110 km/h)、貨車を最大1,200 t分牽引可能な性能を有する。営業最高速度は110 km、設計最高速度は120 km/hである。また、主要機器については台湾の亜熱帯熱帯気候での使用に適した構造が採用されている[2][3][4][6][10][11]

製造はシュタッドラー・レールがスペインバレンシアに有する工場で実施しており[注釈 2]2023年6月に最初の2両(R201、R202)の納入が行われた[注釈 3]。以降試運転を経て、貨物列車の牽引や車庫での入換、車両故障時の救援などの運用に順次投入される事になっている[1][2][3][4][5][6][7]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 車体デザインについては、シュタッドラー・レールが南アフリカを始めとする各地に導入している「サウスアフリカ・ライト(South America Light、SALi)」との関連性が指摘されている[6][10]
  2. ^ バレンシアの工場は2015年までフォスロが有していた[12]
  3. ^ 当初の計画では2022年から納入が開始される予定だった[13]

出典[編集]

  1. ^ a b c d STADLER GANA SU PRIMER PEDIDO EN LA REGIÓN DEL PACÍFICO: 34 LOCOMOTORAS PARA TRA EN TAIWÁN”. Stadler Rail (2019年10月15日). 2021年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2021年6月12日 - ウェイバックマシン
  2. ^ a b c d e 游振昇 (2023年6月13日). “影/台鐵首批R200型柴電機車運抵台中港 預計7月見面會”. 聯合新聞網. 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2023年6月14日 - ウェイバックマシン
  3. ^ a b c d e Stadler to supply 34 locomotives for TRA in Taiwan”. Global Railway Review (2019年10月16日). 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2022年8月8日 - ウェイバックマシン
  4. ^ a b c Stadler wins Taiwan loco order”. Railway Gazette International (2019年10月15日). 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2022年12月20日 - ウェイバックマシン
  5. ^ a b 編輯部 (2020). “世代交替的浪潮 臺鐵局「十年購車計畫」”. 鐵道情報 31 (243): 62-68. ISSN 2073-2163. 
  6. ^ a b c d First Years Of SALis In Service”. Railvolution (2021年6月17日). 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2023年1月4日 - ウェイバックマシン
  7. ^ a b 交通部臺灣鐵路管理局 2020, p. 12.
  8. ^ CUMMINS AND STADLER DELIVER BIG WIN IN THE PACIFIC REGION”. Cummins (2020年2月12日). 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2022年4月25日 - ウェイバックマシン
  9. ^ 交通部臺灣鐵路管理局 2020, p. 4.
  10. ^ a b 交通部臺灣鐵路管理局 2020, p. 27.
  11. ^ 交通部臺灣鐵路管理局 2020, p. 32.
  12. ^ Sale of Vossloh Rail Vehicles to Stadler Rail AG completed”. Vossloh (2016年1月4日). 2023年6月14日閲覧。 アーカイブ 2022年11月15日 - ウェイバックマシン
  13. ^ 交通部臺灣鐵路管理局 2020, p. 11.

参考資料[編集]