脊椎…立身中正での重要素とか、記載していましたが、その医学的な働きとかには疎かったと思い、改めて
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脊椎のしくみ
背骨は正確には脊柱といいますが、一般的には脊椎と表現されています。脊椎は、椎骨という骨が積み木のように重なることで構成されています。頭部から臀部に向かって順番に、「頚椎」「胸椎」「腰椎」「仙骨」「尾骨」という名前がついています。
脊椎には、大きく四つのはたらきがあります。第一に、体を支える柱としての役割です。第二に、体を動かす機能を持っています。第三に、肋骨と組み合わさって内臓を守っています。そして最後に、脊髄などの重要な神経を保護するはたらきがあります。
脊椎はトンネルのような構造をしていて、この中を中枢神経である硬膜管というチューブ状のものが通り、その中に脊髄と馬尾が通っています。この脊髄から末梢神経が分かれて全身に分布しています。
脊柱を構成する一つ一つの要素を椎骨とよび、頚椎、胸椎、腰椎はそれぞれ7個、12個、5個の椎骨で構成されていることをお話ししました。それでは椎骨はどんな形をしているのでしょうか? 上のイラストを見てみましょう。椎骨は、前方(腹部側)の「椎体」と、後方(背部側)の複雑な形をした「椎弓」から構成されています。椎体と椎弓で囲まれた空間を椎孔(脊柱管)といいますが、縦につながったトンネル状になっていて、脊髄の通り道になっています。
この中を脊髄が走っています。脊髄は神経で、脳から発せられる指令を末梢に伝える、逆に末梢からの情報を脳に伝えるのが役割です。脊髄が障害を受けると、運動機能や知覚に大きな影響を及ぼします。
脊髄は40cm~45cmの長さで、直径が1cmほどの楕円形をしています。頭部から臀部に向かって順に、頚髄、胸髄、腰髄、仙髄に分けられます。頚髄から8対、胸髄から12対、腰髄から5対、仙髄から5対の脊髄神経が出ています。脊髄は頚椎から第12胸椎~第2腰椎まであり、その先は馬尾神経となります。脊髄から枝分かれした神経は神経根と呼ばれます。神経根は椎間孔を通って、体の末梢へ枝分かれします。
脊髄は外側から、丈夫な硬膜、薄くて半透明なくも膜、そして軟膜と呼ばれる3層の膜で包まれています。くも膜の内側は、脳脊髄液で満たされています。
椎骨と椎骨の間には、「椎間板」と「椎間関節」という2種類の関節があります。椎間板は衝撃を和らげる役割を果たしており、加わる力の約80%を支えていると考えられています。
椎間板には、「髄核」と呼ばれる柔らかいゲル状の組織と、「線維輪」と呼ばれる強固な線維状の組織が挟まれており、これがクッションの働きをして衝撃を吸収しています。線維輪がほころびて、中の髄核が飛び出してきたものが「椎間板ヘルニア」です。
椎骨はそれだけではぐらぐらで、私たちは身体を支えることができません。靱帯と呼ばれる結合組織によって椎体どうしが互いに連結されることで、その機能を維持することができています。