北朝鮮・金正恩氏の妻、約1年ぶりに公の場に

North Korean leader Kim Jong Un and his wife Ri Sol Ju watch a performance that commemorated the Day of the Shining Star

画像提供, Reuters

画像説明, コンサート会場で満面の笑みを見せる金正恩、李雪主夫妻

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏が、約1年ぶりに公の場に姿を見せた。国営メディアが17日、報じた。

北朝鮮の労働新聞によると、李氏は16日、義父の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の生誕記念のコンサートを夫とともに観覧した。

万寿台芸術劇場に夫妻がそろって入場した際には、「割れんばかりの歓声」が上がったという。

写真には、2人が笑っている様子が写っている。周囲も含め、マスクを着けている人が皆無で、社会的距離も取られていないこともわかる。

North Korean leader Kim Jong Un and his wife Ri Sol Ju watch a performance that commemorated the Day of the Shining Star

画像提供, Reuters

画像説明, 出席者の間にはマスク着用や社会的距離確保などの感染防止対策がみられない

李氏はこれまでもよく、重要行事に夫の金氏とともに出席してきた。だが、昨年1月を最後に、その姿は確認されていなかった。

そのため、健康不安説や、妊娠したのではないかとの見方が出ていた。

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韓国の情報機関の国家情報院は前日の15日、李氏について、新型コロナウイルスへの心配から公の場に出ることを避けていると報告していた。また、自らの子どもたちと過ごしているとみられるとした。

北朝鮮は公式には、新型ウイルスの感染者が1人も出ていないとしている。ただ、専門家はその状況は現実的ではないとしている。

英語の肩書きを変更

アメリカの元プロバスケットボール選手のデニス・ロッドマン氏は以前、金氏と李氏の間には、「ジュエ」という名の娘がいるとした。また、金氏について「よき父」だと述べた。

報道によると、李氏は31歳。北朝鮮のエリート音楽組織の銀河水管弦楽団で歌手を務めた。韓国の情報機関によると、夫妻には3人の子どもがいるという

金氏は16日、コンサート観覧に先立ち、父と祖父の故金日成(キム・イルソン)主席の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を訪れ、献花した。故金正日総書記の誕生日のこの日は「光明星節」と呼ばれる。

国営メディアは金正恩氏の肩書きの英語表記をあらためて「President」とし、以前の肩書きの「Chairman」は過去のものとなったことを印象付けた。

Presidentの肩書きは、朝鮮中央通信が先週、初めて使用した。

「President」は、北朝鮮を建国した故金日成主席にのみ使われることが通例となっていた。