大坂なおみ、S・ウィリアムズ破り決勝進出 全豪オープン

エイミー・ロフトハウス、BBCスポーツ

Serena Williams hugs Naomi Osaka

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画像説明, 大坂なおみはセリーナ・ウィリアムズとグランドスラムで2回対戦し、いずれも勝利した

テニスの全豪オープンは18日、女子シングルス準決勝があり、第3シードの大坂なおみが第10シードのセリーナ・ウィリアムズ(アメリカ)を6-3、6-4で下し、決勝に進んだ。

4大大会(グランドスラム)で3度優勝している大坂は、ウィリアムズの序盤の攻勢に耐え、勝利した。

ウィリアムズは、グランドスラムタイトルの女子世界最多記録と並ぶ24個目のタイトル獲得を狙ったが、果たせなかった。同記録はマーガレット・コート氏(オーストラリア)が持つ。

これで大坂は、直近の試合で20連勝となった。20日の決勝は、ジェニファー・ブレイディ(アメリカ)と対戦する。

大坂はグランドスラムの決勝では、まだ敗れたことがない。大坂とブレイディは去年の全米オープン準決勝で対戦し、大坂がフルセットの末に勝っている。

「まずいプレーはしたくなかった」

大坂は試合後のインタビューで、「最初は緊張して怖かったが、そのうち徐々に楽になった」と話した。

「彼女とプレーするのはいつも光栄なことで、まずいプレーだけはしたくなかった。ともかくベストを尽くそうと思った」

Naomi Osaka's camera message to her sister

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画像説明, 大坂は試合後、テレビカメラに姉まりさんへのメッセージを書いた

大坂とウィリアムズがグランドスラムで最後に対戦したのは、2018年の全米オープン決勝だった。この試合は、ウィリアムズが審判に向かって大声をあげたことと、優勝した大坂が表彰式で涙を見せたことで、多くの人の記憶に残った。

その後、大坂はグランドスラムタイトルをさらに2つ獲得。世界ランキング3位まで上昇した。コートの上ではいっそう自信と落ち着きを見せるようになった。

この日の試合で、幸先のよいスタートを切ったのはウィリアムズだった。開始直後のゲームで、緊張気味の大坂のサーブをブレーク。自らのサーブはキープして2-0とリードした。

大坂はサーブが絶好調とは言えなかったが、持ち前のパワーと徐々に改善した動きの良さで対応。続く7ゲームのうち6ゲームを取り、第1セットを手に入れた。

流れが変わりかけたが

ウィリアムズは、大きな武器のサーブが爆発しなかった。渾身(こんしん)のショットが狙いを外れ、逆に大坂の打ったボールがライン上に決まると、いら立ちを募らせた。

パワフルなショットでポイントを奪うこともあったが、凡ミスも重ねた。大坂にブレークを許し、ウィリアムズが「ちゃんと打て」と自分自身を怒鳴りつける場面もあった。

それでも第2セット、大坂が4-3とリードして迎えた大坂のサービスゲームで、ウィリアムズは3ポイントを立て続けに奪い、ブレークバックに成功した。観客席からはウィリアムズに対する大きな声援が上がり、試合の流れが変わるかに見えた。

しかし大坂は気迫あるプレーを見せ、すぐに反撃に出た。4-4で迎えたウィリアムズのサービスゲームをラブゲームで破ると、続く第10ゲームでは威力あるファーストサーブを4本入れ(うち1本はエース)、75分にわたった試合を締めくくった。

ウィリアムズと記録

この大会でウィリアムズは、2018年に出産・育児のために休んでからコートに復帰して以降、最も優れた動きとフィットネスを見せていた。

しかし大坂はこの日、ウィリアムズとの長いラリーをしばしば制した。大坂の力のあるボールはウィナーとなり、ウィリアムズが苦しむ場面が目立った。ウィリアムズはウィナーが12だったのに対し、アンフォーストエラー(原因が自分にあるミス)は24に上った。

ウィリアムズはファーストサーブの確率が下がる中、何とか踏ん張ろうとした。しかし、試合終盤、大坂に8ポイント連続で奪われるのを止めることはできなかった。

Serena Williams acknowledges the crowd

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画像説明, 試合後コートを後にするセリーナ・ウィリアムズ

ウィリアムズのコーチのパトリック・ムラトグルー氏は、39歳のウィリアムズについて、コート氏の記録に並ぶことに「固執はしていない」と話す。だがウィリアムズにとって、記録がツアーに出て試合を続けることの動機になっているのは間違いない。

ウィリアムズについては、コート氏と並ぶことで、史上最も偉大なテニス選手としての地位を確保したがっていると言われる。ただ、この日の試合後に観客席から送られた、心のこもった総立ちの拍手は、ウィリアムズがすでにその地位にあることを示している。