医療現場のリアルが分かる!おすすめの医療漫画14選

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医療現場のリアルが分かる!おすすめの医療漫画14選

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※2019/10/3更新: 『アンサングシンデレラ』・『ラジエーションハウス』・『コウノドリ』の3作品を追加しました。

病気やその治療という、誰にとっても身近で、それでいて難解なテーマを分かりやすく見せてくれる医療漫画は、不滅の人気ジャンルです。2015年10月ドラマの原作で、産科医を描いた『コウノドリ』をはじめ、ほぼ毎年、医療漫画は映像化され、人気を博しています。

今回は医療のリアルさを意識して、おすすめの医療漫画を14作品ご紹介します。ひと口に医療漫画といっても、外科医、救急救命医、麻酔医らの技術にスポットを当てたスペシャリストものから、町のお医者さんのように、患者とのヒューマンドラマが中心のものまで、内容は実に多彩。医療現場の実態と課題をヴィヴィッドに描いた秀作ぞろい、ぜひお読みください。

孤高の天才外科医が白い巨塔に挑む!『医龍』

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完結『医龍』 全25巻 永井明・乃木坂太郎 / 小学館

途上国で多くの人命を救いながら、帰国後は医学界との軋轢からメスを捨てた朝田龍太郎。しかし、医師としての情熱から、大学病院へカムバックします。破天荒な行動と天才的な技で周囲の度肝を抜きながら、光る人材をピックアップし、理想の医療チーム「バチスタチーム」を作り上げていく朝田。一方、そんな朝田を警戒する医学部教授・野口賢雄らによって、朝田つぶしの動きが始まるのでした。

本作の魅力は、大学病院の古い体質を朝田が実力でぶち破っていく爽快さにあります。敵役・野口教授の「これぞ悪役!」的な不気味さ、存在感の大きさが展開をスリリングにし、野心家の女医や日和見主義の新人、アメリカ帰りの優秀なライバルなど、強烈な個性を放つ脇役たちが彩りを添えます。原案の永井明先生が医師で医療ジャーナリストだったこともあり、外科と内科の対立や医局制度など、日本医学界の問題点を、実情を知る者の視点から厳しく告発する意欲作となっています。

第50回小学館漫画賞一般向け部門を受賞した本作は、坂口憲二さん主演で4度にわたってテレビドラマ化されるなど、大きな反響を呼びました。ドラマが好きだった人も、原作漫画は一味違う内容になっているので、ぜひご一読を。

『医龍』を試し読みする

偏屈な病理医の診断が患者を救う!『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』

 フラジャイル 病理医岸京一郎の所見 1巻

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』 1~15巻 草水敏・恵三朗 / 講談社

私たちにはあまり馴染みのない「病理医」が主役の、非常に珍しい作品です。主人公の岸京一郎(きし けいいちろう)は、変人と言われていますが非常に優秀な病理医。症例検討会(カンファレンス)では、歯に衣着せぬ物言いで他の医師を追い詰め、場を荒らします。偏屈で口が悪い岸ですが、「病気には必ず原因と機序がある」という大前提のもと、患者の体の中で起きていることを徹底的に観察し、担当医も気づかなかった病気の真実を見つけ出すのです。

病理医は、病院の各診療科から持ち込まれた検体(尿や血液、体組織など)を分析することによって病気を特定し、患者の担当医はその報告を元に診断を確定し、治療の方針を固めます。患者と直接会う機会がない病理医ですが、患者の病気の判断を委ねられた、とても責任のある職務なのです。この作品を読むと、私たちが病院で、どのような過程で病気を特定され、治療を施されているのかという裏側を知ることができます。

病院内でも、病理医に全幅の信頼を置く医者もいれば、懐疑的で対立する医者もいます。それでも自分のポリシーを曲げず、顕微鏡で覗く小さな世界から、見えなかった真実をあぶり出す岸は、他の医療漫画とは一味違う「医者のありよう」を見せてくれます。

2016年1月には、TOKIOの長瀬智也さん主演でテレビドラマ化が決定しています。岸の元で病理医の道を歩むことになった元・内科医の宮崎や、検査技師の森井の今後など、岸以外のキャラがどう成長していくのかも気になる作品です。

『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』を試し読みする

【全巻無料】徹底した取材で医療の現実を描く『ブラックジャックによろしく』

ブラックジャックによろしく1

完結『ブラックジャックによろしく』 全13巻 佐藤秀峰 / 「ブラよろ」ヨロシク!実行委員会

主人公の斉藤英二郎は、医学部を出たばかりの若き研修医。長時間労働や安月給、生活のための当直アルバイトにあえぎ、理想とは程遠い医療現場の実態に苦悩します。悩んだ末、患者のために行動した斉藤は、大学病院側から裏切り者と見なされ……。研修医の葛藤と成長が描かれた意欲作です。

連載当時と現在の状況では当然異なるところもありますが、斉藤の月給が3万6千円で、交通費を節約するために古い自転車に乗る、弁当の買い出し等の雑事まで押しつけられる、徹夜もザラ、といった描写が非常に生々しく、考えさせられる内容です。保険診療制度の問題点や、患者不在の医療などの問題点を告発するほか、精神医療や移植医療など、避けられがちだった分野にも容赦なく切り込み、大きな反響を呼びました。

本作は第6回文化庁メディア芸術祭マンガ部門最優秀賞を受賞し、電子書籍化にあたって、全13巻が完全無料で読めるようになったことでも話題となった作品です。作者の佐藤秀峰先生は、人間の表情を描く巧みさと重いテーマにも真正面から取り組む姿勢でも定評があります。本作は、続編の『新ブラックジャックによろしく』のほか、東日本大震災をテーマとした小説『ブラックジャックによろしく~DYSTOPIA3.11~』があります。

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幕末の日本で命を救う現代人外科医『JIN―仁―』

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完結『JIN―仁―』 全13巻 村上もとか / 集英社

タイムスリップというSF要素が前提ではあるものの、「薬品や医療器具が整わない中で医者はどうあるべきか」という、途上国医療や災害医療とも共通する普遍的なテーマに取り組んだ、本格的な医療漫画です。大沢たかおさん主演のテレビドラマも大ヒットし、あたたかく爽やかな感動を残しました。

主人公・南方仁は、平成の世を生きる脳外科医。ある日、階段から落ちて江戸末期へタイムスリップしてしまいます。手持ちの道具は現代から持ってきた救急医療用パッキングしかなく、入っていた薬品はたちまち消費。しかし怪我人や病人は次々と運ばれてきます。仁は工夫を凝らして身近な道具を医療器具に転用し、新たな薬や器具を開発して、救命に力を注ぐのでした。

幕末の時代の道具だけを使用して、青カビからペニシリンを生成したり、大工道具を医療器具代わりに使ったりと、治療手段が絶対的に不足している中でもめげずくじけず、突破口を開いていく仁の姿勢が、読者の胸を熱くします。江戸の人々を苦しめた疫病や火災、貧しさから遊女に売られた女性たちをむしばんだ梅毒など、当時の実態と医療水準をも教えてくれる作品です。

作者の村上もとか先生は、少年漫画『六三四の剣』をヒットさせ、歴史漫画『龍‐RON‐』で第41回小学館漫画賞青年一般部門を受賞しているベテラン漫画家。本作では、第15回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞しています。

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それでも私は麻酔をかける『麻酔科医ハナ』

麻酔科医ハナ 1巻

『麻酔科医ハナ』 1~6巻 なかお白亜・松本克平 / 双葉社

「どんなに完璧に麻酔しても それが当り前と評価され…失敗(ミス)は一度として許されない…」

それが麻酔科医。どうしても外科医が脚光を浴びることが多い中、その陰で黙々と働いている麻酔科医の存在と、そのありがたみを教えてくれる作品です。

主人公の華岡ハナ子(ハナ)は、2年間の研修を終えたばかりの駆け出しの麻酔科医。長時間労働と「麻酔しかしない毎日」、カップラーメン続きの食事にめげ気味で、ついに辞表をしたためます。それでもやはり麻酔科医という仕事が好き、という気持ちになるのですが……。

麻酔科という専門性が正当に評価されていない現状や、麻酔科医が不足して過重労働となっている問題を、ハナの姿を通してシリアスになり過ぎることなく、コミカルに描いた作品です。

『麻酔科医ハナ』を試し読みする

「命の選別」を迫られる災害医療『Dr.DMAT~瓦礫の下のヒポクラテス~』

Dr.DMAT~瓦礫の下のヒポクラテス~ 1

完結『Dr.DMAT~瓦礫の下のヒポクラテス~』 全11巻 高野洋・菊地昭夫 / 集英社

一人を救うために最後まで全力を尽くすのが医療――という素人考えを、真っ向から打ち砕く漫画、それが本作です。タイトルの「DMAT」とは、災害派遣医療チーム(Disaster Medical Assistance Team)のこと。要救護者が多い災害現場では、できるだけ大勢を救うために、見込み薄い患者を切り捨てなければならぬこともある――。そういう非情な現実を突きつけてくる漫画です。関ジャニ∞の大倉忠義さん主演でテレビドラマ化もされました。

主人公の八雲響は気弱な青年医師。DMATの医師に任命されてしまい、凄惨な現場や、命を選別するプレッシャーに打ちのめされます。しかし皮肉なことに、八雲が持つ高い情報処理能力や判断力は、まさにDMAT向きの資質であり、立て続けに出動させられる羽目に。八雲は苦悩と使命感のはざまで葛藤しながら、災害医療のプロフェッショナルに成長していきます。

震災をはじめとした災害医療についての知識が得られるだけでなく、DMAT隊員や被害者それぞれの心理と人間模様を丹念に描いたヒューマンドラマとしても、読みごたえのある作品です。

『Dr.DMAT~瓦礫の下のヒポクラテス~』を試し読みする

不良医者が地域医療と患者を変える『町医者ジャンボ!!』

町医者ジャンボ!! 1巻

完結『町医者ジャンボ!!』 全16巻 こしのりょう / 講談社

地元の人々に愛されていた町医者・馬場先生が亡くなり、残された医院は借金のカタに、不良医・ジャンボこと鶴田正義に乗っ取られてしまう……。言動が乱暴で、患者を金ヅル呼ばわりするジャンボに、周囲の反感は募るばかり。しかし実のところ、ジャンボの施す医療は、何よりも「患者本人のため」になっているのでした。冒頭は穏やかじゃない話から始まりますが、地域に根ざした医療を、身近な症例と共に丁寧に描いた作品です。

多くの医療漫画で「いかに病気を治すか」がテーマとなる中、本作は「地域医療は病気を治すだけでは済まない」という現実に焦点を当てています。ジャンボの突飛に思える治療活動が、結果として患者とその家族の人間関係の再構築を促すことになるストーリーは、人情ものとしても読みごたえ満点です。

作者のこしのりょう先生は、ナースの活躍を描いた『Ns’あおい』など、さまざまなテーマで医療漫画を描き続けています。現在は、救命救急が舞台の『Dr.アシュラ』を連載中です。

『町医者ジャンボ!!』を試し読みする

新米医師の日常を描いたほのぼのコメディー『研修医 なな子』

研修医 なな子 1

完結『研修医 なな子』 全4巻 森本梢子 / 集英社

大学医学部付属病院で研修中の女性外科医・杉坂なな子を通して、医師がどのように養成されるのか、どのように働き、学び、楽しんでいるのかを、等身大に描いた漫画です。科対抗の野球大会が意外と盛り上がる、半端でない激務のため家庭との両立に苦労する、重症の患者に告知して落ち込むなど、医師の実態を硬軟おりまぜて描いています。読んだ後には、お医者さんに対して親近感が湧くだけでなく、患者や一般人が医師に対して「すべきでないこと」も理由つきで分かる、目からウロコな作品です。

『ごくせん』『アシガール』などの人気作を手がける森本梢子先生による本作。ちょっと特殊な職場におけるオフィス漫画として読んでも楽しいですよ。

『研修医 なな子』を試し読みする

小児科医のリアル×少年漫画のスリル『最上の命医』

最上の命医(1)

完結『最上の命医』 全11巻 橋口たかし・入江謙三 / 小学館

『焼きたて!!ジャぱん』の橋口たかし先生が手がける、小児科を舞台とした医療漫画です。

自身が大手術によって救命されたことから、医療に興味を持った天才少年・西條命(さいじょう みこと)は、アメリカで医師として大成した後、帰国。小児外科が閉鎖されたばかりの病院にあえて就職し、科の再建に挑みます。いつしか命の周りには、その技術と情熱に魅せられた人々が集まり、行動を共にするようになるのでした。

少年漫画らしく爽やかで、ライバルとの対決や土壇場で挽回する手術シーンなどが面白い医療漫画です。東大病院の医師による監修のもと、病気や手術法についての図解を載せるなど細部へのこだわりが見事。小児科や小児医療をめぐる問題を提起しているという意味でも、読みごたえがある作品です。

続編に『最上の明医〜ザ・キング・オブ・ニート〜』があります。

『最上の命医』を試し読みする

父の「命への執念」を受け継いだ外科医『ゴッドハンド輝』

ゴッドハンド輝 1巻

完結『ゴッドハンド輝』 全62巻 山本航暉 / 講談社

伝説のゴッドハンド(天才外科医)を父に持つ真東輝(テル)は、ドジな新米外科医。「ヴァルハラ(北欧神話における神々の城)」と呼ばれる、名医が集う病院に就職し、ひたむきな努力を重ねて成長していきます。

主人公テルが「患者の死に直面したことがない」という「天運」の持ち主で、手術の場になると亡き父が乗り移ったかのような名医と化すなど、少年漫画らしい大じかけも楽しい作品です。また、麻酔科医や整形外科医などの、フィクションだと脇役にされがちな医師にも焦点を当てています。

本作で繰り返し描かれているのは、命の尊さや理想の医療現場の姿。全62巻という長編医療漫画ですが、そのメッセージ性は一貫してブレることなく、読者の心を揺さぶります。

『ゴッドハンド輝』を試し読みする

医療漫画の代名詞にして金字塔『ブラック・ジャック』

ブラック・ジャック 1巻

完結『ブラック・ジャック』 全22巻 手塚治虫 / 手塚プロダクション

もはや説明は不要かもしれません。「漫画の神様」手塚治虫先生による、医療漫画の金字塔的作品を最後にご紹介します。

全身キズ跡だらけで、常に黒マントに身を包んだモグリの天才外科医ブラック・ジャックが、神業と言われるメスさばきで難病を治し、颯爽と去る様子は、当時、読者である少年少女たちの胸を熱くしました。「患者の体は癒やせても心は救えない」という問題、「医療はどこまで生命に踏み込んでいいのか」「安楽死は許されるのか」という問いかけは、今日でも古びない命題であり、大人になってから読むとまた違った気づきがあります。

描かれている症例や手術シーンなどはフィクション性が高いのですが、いまだに「医療漫画」の代表格とされ、現役の医師からも熱烈に支持されています。自身が医師免許を持ち、ヒューマニストであった手塚先生だからこそ、一つ一つのエピソードが、我々に強く訴えかけてくるのでしょう。

また現在は、田畑由秋先生(脚本)・大熊ゆうご先生(作画)がブラック・ジャックの若き日を描いた『ヤング ブラック・ジャック』も話題となり、アニメも放送中です。『ブラック・ジャック』の、時代を超えて衰えぬ人気が感じられますね。

『ブラック・ジャック』を試し読みする

縁の下の力持ち? 薬剤師がテーマの新医療漫画『アンサングシンデレラ 病院薬剤師 葵みどり』

『アンサングシンデレラ』1〜3巻 荒井ママレ / 富野浩充 / ノース・スターズ・ピクチャーズ

総合病院に薬剤師として勤務する主人公・葵みどり。
今年2年目になる彼女は、薬剤師という仕事に全力を傾ける一方で、いらない職業なのでは?と疑問を持ちます。
それもそのはず、患者さんに薬を安全かつ正確に届けるべく、医師の処方箋に対して疑問点を確認する「疑義照会」を行うたびに、だいたいの医師からウザがられてしまうから。
薬剤師として職務を全うし、患者さんに薬を届けたいと想う一方で、その存在意義を自分自身で疑ってしまう。
そんな葛藤の日々を通して、葵みどりの薬剤師としての成長が描かれる医療ドラマです。

医療ドラマを描いた漫画は多種多様ありますが、なかなか「薬剤師」を扱った漫画はありませんでした。
直接患者を診断したり、処置の方針を決定したりしない分、少し地味なイメージがあったりするからでしょうか。
この作品では、そんな決して目立つわけではない薬剤師の地道な仕事ぶりをリアルに描きつつ、いかに薬剤師が医療の現場に欠かせない存在であるかを私たちに教えてくれます。

特に主人公の葵みどりは、医療ドラマの王道ヒロインという感じで、正直でアツい性格なところが魅力的です。
患者の細かな診察を面倒臭がる医師に対して薬剤師の立場から物申す葵の姿は、やはりこうでなくっちゃ!と胸がスカッとします。

自分の仕事にプライドを持ち、意義を見出すことの大切さを、改めて教えてくれる医療漫画です!
薬に関する知識も豊富に盛り込まれており、読み応えもバッチリです。

『アンサングシンデレラ』を試し読みする

放射線技師は病の写真家『ラジエーションハウス』

『ラジエーションハウス』 1〜8巻 横幕智裕 / モリタイシ / 集英社

2019年 月9枠でTVドラマ化された本作。
やはり着眼点が面白いです。「放射線技師」を題材にした漫画は、数ある医療漫画の中でも類を見ないのではないでしょうか。
コミュ障な天才放射線技師・五十嵐唯織が、CTやMRIを使って写真を撮ることで、患者の体内に巣食う「目には見えない病」を発見する物語。
外科医などオペをする医師とは異なり「写真を撮ること」が仕事の放射線技師、漫画としてちょっと地味なのでは…?と思う方も多いかと思います。
が、決してそんなことはありません!
直接患者を見るだけでは分からなかった病の根源を見つけ出すには、むしろ「撮ること」が重要にな医療行為に。
特に主人公・五十嵐唯織は世界から認められた実力の持ち主であり、医師でも診断できなかった病を写真から次々明らかにしていきます。
その過程で、もちろん院内政治や恋愛沙汰など考えることは山ほどある…けれど、やっぱり五十嵐唯織を突き動かすのは、真実の究明であり患者を救うことです。
様々な想いが錯綜する中で、だからこそ目の前の命をただ救うことを考えている唯織の姿は、誰よりもかっこいい。
そして、放射線技師によるCTやMRIの撮影によってこんなに救われる命があるのか、と改めてその仕事の尊さを実感する事ができます。

作中には様々な病の症状や、それを写した画像が登場し、身近な(他人事ではない)病気のことについて知る上でも役に立つ医療漫画となっています。
またそれだけでなく、放射線科医・甘春杏と五十嵐唯織との、ぎこちなさすぎる恋模様も描かれており、何層にも楽しめる医療漫画です!

『ラジエーションハウス』を試し読みする

命の重さ、そして尊さを知る『コウノドリ』

『コウノドリ』1〜28巻 鈴ノ木ユウ / 講談社

本作は、第39回講談社漫画賞 一般部門にノミネートされ、第40回の同賞同部門を受賞しています。
また、2期に渡りTBS系列でTVドラマ化され、漫画ファン以外の方々にも広く知られることとなった話題作です。

産科医・鴻鳥サクラが、出産の現場で小さな命を救うべく奮闘する医療物語。
妊娠経験のない読者にとっては、何もかもが未知の世界である産科医の世界を、厳しくも温かいタッチで描いています。
「出産は常に危険と隣り合わせである」という前提を持つ産科医と、出産は100%安全なものだと思っている妊婦やその家族たちとの対立は、産科医ならでは。危険を乗り越え、生まれてきた命の尊さに気付かされます。

また産科医でありながらピアニストでもある鴻鳥サクラのキャラクターもまた面白いポイント。
ピアニスト「ベイビー」として人気を博するも、その正体を知る者はほとんどいません(病院の同僚も!)
産科医として病院から緊急の呼び出しが入った際には、ピアニストとしてのステージを早々に切り上げてしまいます。
切り上げ際のサクラの台詞は、彼ら産科医の生き様をストレートに表現していて、痺れます。
「産科医に休みはないから」。
日々、小さな命に向き合い続ける産科医の覚悟を垣間見る名言です。

ぜひ、今妊娠している方や妊娠・出産を経験された方はもちろん、それ以外の方にも自信を持っておすすめできる骨太な作品です。

『コウノドリ』を試し読みする

最後に

医療漫画は、エンターテインメントでありながら、命の大切さや人間の尊厳といった根源的なテーマを、あらためて考えさせてくれるジャンルです。読後、あなたの心に残るものは多いはずですよ。

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