子供のためのプチパレ・パリ市立美術館(2)できたてバゲットはいかが?クータン/パリのパン売り娘|子供のための「はじめての美術館」美術館初心者の皆様にも/パリの美術館から1回1作品
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子供のためのプチパレ・パリ市立美術館(2)できたてバゲットはいかが?クータン/パリのパン売り娘

ここは150年前ねんまえのパリ、街角まちかど何人なんにん

おおきなエプロンをかたでぎゅっとむすんで、そこに
フランスパンをいっぱいれてみちいそいでいるひとがいます。


ふとくておおきいバゲットや、まるいわっかの王冠おうかんのパン、とがったっぱのかたちのエピっていうバゲットも。
いろんな種類しゅるいのパンをぶらげて、いったいなにをしているのでしょう。


じつは、これから、パリにんでいるひといえにパンをとどけにくところなのです。
にち何度なんど配達はいたつするので大忙おおいそがし。
150年前ねんまえのパリのとおりには、こんなパンむすめがたくさんいました。

パンをったおかねは、おおきい財布さいふれて。


できたてのバゲットは、ぱりっとしてなかがふっくら、大人気だいにんき
そしてあたたかくて、とびきりいいにおい!
パリの町中まちじゅうできたてパンのいいにおいでいっぱいです。

彫刻家ちょうこくかクータンは、いつも見慣みなれたパリの日常にちじょう作品さくひんにしました。
クータンのつくったパンむすめは、広場ひろばかざられていました。

La porteuse de pain (bronze) de Jules Coutan,
square Saint-Jacques à Paris

このパンむすめつくったクータンは、パリの中心ちゅうしんにあるセーヌがわおおきなはし、アレクサンドル3世橋せいばし彫像ちょうぞうつくりました。

こっちはなんか、かっこよくない?

La France de la Renaissance par Jules-Félix Coutan


Jules Coutan
La Porteuse de pain 1882
Modèle à grandeur pour la statue en bronze
autrefois square Saint-Jacques
ジュール・クータン
パンを運ぶ人 1882
かつてサン・ジャック広場にあったブロンズ像のモデル 石膏

パン配達人(19世紀後半、主に女性)は、時には一日に何度もパンを各家庭に届けた。手押し車や大きな青いエプロンにパンを入れ、それを持ち運んでいた。パリの街角で見慣れたこの姿を忠実に描くことで、クータンはサロンに日常市民の仕事の世界を持ち込んだ。
パリのサン・ジャック広場にあったブロンズ像は1942年に破壊され石膏のモデルだけが残された。

プティパレ・パリ市立美術館

お読みいただきありがとうございました。
エプロンの色は青、肩のところで前後の長いエプロンの端を結び、なるほど150年前はそうやってたくさんのパンを配達していたのですね。パリの街路を急ぐ青いエプロン姿が見えるようです。
日本ではおいしいたくさんの種類のパンがありますが、フランスはやはりバゲットが主流。昔はほんの数十円でとても長いバゲットが買えましたが、今は倍の値段で短く小さくなりました。
でも、パンのいい匂いは昔も今も格別。出来立てのあたたかいバゲットに当たった時の嬉しいことといったら…❤️

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