正投影図

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

正投影図(せいとうえいず)とは、3次元の物体を2次元で表現する手法の一つ。対象を90度ごとに回転させるか、または視点を90度ずつ回転させて、複数の視点から描画された図。

建築工学デザインなどで、用いられる

概要[編集]

正面図、平面図、側面図などのように三部分に分けて表すことが一般的である(三面図)。これに対して、円柱形などのように平面図を省略しているようなこともある。また、立体物の意匠登録などのように、正面図、背面図、左側面図、右側面図、平面図、底面図の六面求められるような例もある。

対象物と投影面の位置関係によって、第一角法投影図と第三角法投影図とに呼び分けることがある。

第三角法[編集]

  • 図学の理論上では、第三象限に品物を置いて転写する。
  • 具体的には、以下の様になる
第三角法の解説図
第三角法の解説図
品物の正面図(立面図)(図中(1))を中央に図示し、原則として右側面図 (図中(2)) を正面図の右側、上面図(平面図)(図中(3))を正面図の上に図示する。
左側面 (図中(4))、底面図も同様にそれぞれ正面図の左側、下側に図示する。
背面図は右側面図のさらに右側に図示する。製作に必要なだけの図形で品物の形を表すことも規定されている。
この場合、本来は図中(4)の左側面図は不要である。また、底面図・背面図は省略している。
そのため品物の特徴をよく表している面・加工上重要性の高い面を主投影図として選び、主投影図で表せない部分を他の図形で補足する。
従って、旋盤による切削加工では、中心線を水平にして主投影図とする。

第一角法[編集]

  • 図学の理論では第一象限に立体物を置き、それを転写する。

第三角法とは、各面図(平面図、下面図、背面図、左右の側面図)の形状は、隠れ線も含めて同じである。各図の配置が異なり、左側面図を正面図の右側に図示し、平面図を正面図の下に図示する。立体の後ろ側に投影面を置き、前方から立体を見た図を投影面に描いたのち、展開した配置になる。別の言い方では、投影面上に置いた立体を、ゴロンところがした位置に、見えた面を描く手法である。 第三角法と第一角法の配置

注意点[編集]

日本ではJIS により、第三角法を使用することが規定されているが、 諸外国では第一角法が古くから採用されており、現在も使用している国があるため、ISOには第一角法、第三角法の両方が採用されている。 造船の分野で多用されている。

関連項目[編集]