数年前から広がりを見せている70年代、80年代の昭和ソング人気。まだまだ人気は衰えることはない。今年3月には、シンガーソングライターのジャンク・フジヤマが敬愛する70年代後期から80年代にかけてシティ・ポップ・サウンドを集めたカヴァーアルバム『憧憬都市 City Pop Covers』を発売。昨年秋には『ドライフラワー』の優里が『詩-80's』をリリースし、尾崎豊や長渕剛、ハウンドドックなどカヴァー曲を歌っている。他にも、ここ数年、上白石萌音、エレカシの宮本浩次、JUJUなどのカヴァーアルバムも話題になった。

また、松原みきの『真夜中のドア~stay with me』、泰葉の『フライディ・チャイナタウン』、竹内まりあの『プラスティック・ラヴ』などは韓国のDJ Night Tempoなどが新たなブームを作り、ソウルやシンガポール、マレーシアなど世界に広がった。

さらに、3月末まで放映されていたドラマ『不適切にもほどがある!』では、尾崎豊の『15の夜』を『米寿の夜』、桑名正博の『セクシャルバイオレットNo1』を『セクシャル・ハラスメント・No.1』ともじったパロディ曲が流れ、SNSでも「懐かしくて、お腹を抱えるほど笑った」「子どもに原曲はこんな曲だよ、って教えたらいい曲だねと、サブスクでダウンロードしていました」というさまざまな声が上がった。

ドラマ公式サイトより
 

親とのカラオケで「いい曲」を実感

実際に、10代、20代に「昭和の曲」の印象を聞いてみると、「聴いている」という声は想像以上に多かった。

「きっかけはTikTok。流れてきた曲がいい曲で、誰の曲なんだろうって調べていたら昔の曲だった。歌詞がストレートですんなり入ってくる感じが新鮮」(21歳 女性)

「最近、動画の『歌ってみました』で、昔の曲を歌う人が増えている。サビが盛り上がる曲が多くて、カラオケで歌っていて気持ちいい」(23歳 女性)

「ヒトカラ(ひとりカラオケ)が多いから、人が知らない曲でも熱唱出来るものがいい。昔の曲は、メロディが歌いやすくて、歌詞が刺さるものが多い」(19歳 女性)

「親とカラオケに行くと、昔の曲はバラードが多くていい曲だなと思う。覚えて友だちの前で歌ったら『それ誰の曲?』と聞かれたこともある」(18歳 男性)

「母が中島みゆきのファンだったから知っている曲が多くて。友だちとカラオケに行ったときに歌うと、『すごくいい曲だね』っていつも言われます」(19歳 女性)

photo/iStock

ということで、昭和を経験した世代(40代以上)にアンケートにご協力いただき、『10代、20代に知ってほしい「昭和の曲」』に関して調査した。「昭和」と言っても幅広くなりすぎてしまうので、70~80年代に限定。セレクト基準としては、そのアーティストの熱狂的なファンだったという視点は外してもらい、昔よく聴いた、歌ってよかった、昔の想い出とリンクしている、といった視点で選んでもらうことに。また、できるだけ超メジャー級なものは避けて、みなさんが思う名曲を選んでいただいた。もちろん、ここに上げるモノは個人的な視点なので、「違う」の意見もあるかもしれないが、それは「昭和には名曲が多い」ことでご理解いただきたい。

さて、あなただったら、どんな曲を「多くの人に知ってほしい昭和の曲」としてあげるだろうか。