Dreamtime / Daryl Hall | 洋楽の旅 ~Musical Journey~

Dreamtime / Daryl Hall

FreeBird
『ドリームタイム』ダリル・ホールのセカンド・ソロアルバム『Three Hearts In The Happy Ending Machine』の先行シングルとして、1986年にリリースされた。

初めて『ドリームタイム』を聴いた時には「なんてかっこいい曲なんだ!」と凄く感動してしまった記憶がある。
普通に余裕で全米ヒットチャートでも1位になるだろうと思っていたのだが、ビルボード5位、R&R3位の結果に終わった様である。

どうしてこんなにいい曲が1位にならなかったのか、不思議に思い、そんなことを考えてもしょうがないが、考えてみたところ、一緒に歌いにくいというか、鼻歌で口ずさみにくいところが原因の一つではなかったのだろうかという一因が浮かんできたのであった。

大体、ヒット曲は一緒に歌いやすいというか、シンプルで覚えやすいメロディラインの曲が多いと思うが、ダリル・ホールの場合、『ドリームタイム』以外の曲もそうですが、意図的なのか偶然なのかわかりませんが、口ずさみにくい曲がほとんどのように思えるのであります。

そこがまた、ダリル・ホールのシンガーとしてのプロフェッショナルな、ポテンシャルの高さが感じ取れるところであるようにも思えますが。

『ドリームタイム』のベースは、ホール&オーツの専属ベーシストのトム・T‐ボーン・ウォルクのプレイだそうであるが、非常に聴きごたえのある良いベース音であるとともに、聴き逃したらもったいなすぎるくらい、素晴らしいベースラインが展開されている。

また『ドリームタイム』収録のアルバム『Three Hearts In The Happy Ending Machine』ダリル・ホールデイヴ・スチュワートトム・T-ボーン・ウォルクの3名の共同プロデュースの様であるが、個人的にはどうもデイヴ・スチュワートのプロデュースは苦手である。

というか、アメリカ人のアーティストの曲をデイヴ・スチュワートがプロデュースすると、ユーロポップみたいな感じになってしまうので、なんか中途半端な作風に感じてしまうのであります。
デイヴ・スチュワートが凄い才能の持ち主だという事は感じられますが、組み合わせがアンバランスな感じと言えばいいのでしょうか。

『ドリームタイム』に関しては、凄くいい仕上がりになっているとは思いますが、曲の原型がカノン??から来ているような気がするのであります。

ZARD『負けないで』が、『ドリームタイム』を引用しているのは、明らかにそうである様に聴こえてしまいますが、それ以前に『ドリームタイム』自体、パッヘルベルカノンを基にした様な作風だと感じられるのであります。

誰が思いついたのだろうか、ダリル・ホールとの共同作曲者としてクレジットされている John Beeby なる人物のアイデアだったのだろうか、それともデイヴ・スチュワートの案だったのだろうか。
もしくはこの曲のストリング・アレンジをしているマイケル・ケイメンの仕業だろうか。
ホール&オーツの楽曲群とは、かなり毛色が違うように感じられるので、ダリル・ホールの発案とは考えにくいように思えるのであります。

パッヘルベルカノンをベースにしたような雰囲気の曲は、特に90年代のJ-POPに多く見られた傾向があったような気がするが、それらの曲が大抵、そのアーティストやバンドにとっての代表曲となっているケースがほとんどでもあり、ある意味、反則的な技法と言いっても過言ではない様にも思えてしまいますが。

勝手な推測になってしまいますが、『ドリームタイム』は90年代のJ-POP隆盛のインスピレーションの内の一つになっていたような気がしてならないのであります。

また、話は変わりますが、アルバムの最後に収録の『ホワッツ・ゴナ・ハプン・トゥ・アス』を聴いていると、エアロスミス『ホワット・イット・テイクス』の元ネタだったのだろうかとも思えてくるくらい、雰囲気が似ているのが気になる処でもあります。

なにはともあれ『ドリームタイム』は80年代が生んだ屈指の名曲といって間違いないでしょう!!

daryl hall-three hearts in the happy ending machine
Produced by Daryl Hall, David A. Stewart, Tom"T-Bone"Wolk
Mixed by Bob Clearmountain
Except track6 mixed by Frank Fillipetti
Mastered by Bob Ludwig at Masterdisk

参考音源
DARYL HALL / Three Hearts In The Happy Ending Machine
RCA / BMG Victor / BVCP-7380 (74321-26606-2)
℗1986 RCA Records
Mfd. by BMG Victor, Inc. Tokyo, Japan. from Master Recording Owned or Controlled by BMG Music. 
- 20bit K2 Super Coding -
 [95.4.21] 

スポンサーサイト



YOU NO IT NAME

激しく同意

"DREAMTIME"は名曲です。
86年かぁ...お好みテープに入れて聴いてました。
でもその大好きなDARYL HALL &JOHN OATESですが、とうとう解散声明が発表されましたよね。しかも大人の事情が絡むとかどうとか...ハァ、悲しくなります。

2024年05月15日 (Wed) 22:56
FreeBird
FreeBird

Re: 激しく同意

To YOU NO IT NAMEさん

”渚のカセ~ット~♬ 好きなう~ただ~け~詰~めこんで~♬”なんて歌がありましたが。
曲順考えたりしながら、録音する時間がまた楽しいひと時じゃありませんでしたか。
HALL&OATESの話は本当に悲しくなる出来事ですよね。
あんなにいいコンビだったのに。

2024年05月16日 (Thu) 11:35
FreeBird
Admin: FreeBird
趣味は音楽鑑賞。
主に80’s中心の洋楽への思い入れ強です。
楽器はギターを少しやっておりました。
楽曲の裏話等は詳しくないので、各曲の感想や、どのようにしてその曲と出会ったのかなどを日記みたいな感じで綴っていきたいと思っております。

[Halo] Designed by Akira.

Copyright © 洋楽の旅 ~Musical Journey~ All Rights Reserved.