プレタポルテの意味とは?
プレタポルテはフランス語のプレ(pret、用意できている)とア・ポルテ(à-porter、着る)を組み合わせた造語。第二次世界大戦後、アメリカから既製服の大量生産システムがフランスに輸入された際に英語のレディ・トゥ・ウェア(Ready-to-Wear)がフランス語に置き換えられた。「すぐに着られる服」、「既製服」を意味するが、同じく既製服を意味する既存の用語コンフェクション(confection)が「安物既製服」を指す一方、プレタポルテは高級既製服を指す。
フランスでは19世紀後半から20世紀前半までオートクチュールが世界のファッションを牽引していたが、デザイナーのピエール・カルダンが1954年にブティックを開業、1959年には百貨店で既製服を販売し、本格的にフランス国内で既製服製造・販売に取り組んだ。また1966年にはイヴ・サンローランがブティック「イヴ・サンローラン・リブ・ゴーシュ」を開業し、その後のプレタポルテの興隆に貢献した。
現在は仏オートクチュール&モード連盟(Fédération de la Haute Couture et de la Mode、 FHCM、通称サンディカ)内に、オートクチュール部門、婦人服プレタポルテ部門、紳士服プレタポルテ部門があり、シーズンごとにオートクチュールウィークとファッションウィークを主催している。国際的には、春夏用新作を前年秋、秋冬の新作を同年の春に、ニューヨーク、ロンドン、ミラノ、パリの順番でショーが行われており、世界4大コレクションとして知られる。
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text : NAOKO ASANO
【参考文献】
・『ファッション辞典』深井晃子監修、1999年、文化出版局
・『Dresstudy ドレスタディ』、「1960年代の日本製プレタポルテ ――日本におけるパリ・ファッション受容に関する一考察―― 」新居理絵、京都服飾文化研究財団 編、2007年、第52号、pp.25-32