ベイシーの亡くなる5ヶ月前;1983年12月のセッションで録音された最後のアルバムです(「サマンサ」と「ストライク・アップ~」は最後のセッションでないらしいですが)。ガーシュウィンの「ストライク・アップ~」以外全曲がSummy Nesticoのペンによるもので、他のパブロ時代の作品同様にネスティコのカラーが非常に強いです。時代の流れか、ベースの音がエレベみたいで「らしくない」気がします。F.グリーンのギターも何故か小さくミックスされているので、バンドの雰囲気も少しいつもと違う感じ。そのためかアマチュア・ビッグ・バンドがコピーしやすいと思います。特に最後の3曲は比較的楽に出来そう。ちなみにバンドをやってたころ一番苦労したのは「バイ・マイ・サイド」でした(でも一番楽しかったな)。
なお、ジャレットの裏には数十年間ベイシーのアルバムをプロデュースしてきたノーマン・グランツの当時の追悼文が印刷されています。あと、1986年のSummy Nesticoのアルバム"Night Flight"で本作に入っている"Samantha"を聴くことが出来ます。このアルバムは(現在廃盤ですが)big bandの名盤を挙げると必ず入る超傑作ですので是非探してみてください。