カナダと日本の医療保険制度を比較してみた

カナダと日本は、それぞれ異なった医療保険制度を採用しており、これらの制度には大きな違いがあります。カナダでは州ごとに別の医療保険制度をもっていますが、連邦政府によって定められた基準に基づいて作られているので、この記事では、私の住んでいるオンタリオ州と日本の国民健康保険に焦点を当て、両国の医療保険制度の主な違いを説明します。

カナダ(オンタリオ)の医療保険

1. 公的な健康保険制度

カナダは、各州や準州が提供する公的な健康保険制度、通称「Medicare(メディケア)」を採用しています。オンタリオ州ではこれが「OHIP(オウヒップ: Ontario Health Insurance Plan)」として知られています。この制度は、対象となるオンタリオ在住者に基本的な医療サービスを提供するものです。

2. 基本的な医療サービスは無料

カナダでは、基本的な医療サービスは無料で提供されます。国民は健康保険に加入していれば、医師の診察や入院などの医療費の大部分をカバーしてもらえます。ただし、特定の医療サービス(眼科や歯科治療など)や処方箋薬には患者負担が発生することがあります。医療費はもちろん国の税金から出されていますが日本のように社会保険料として別途支払いが必要なわけではありません。

3. プライマリーケア・ファミリードクター制度

カナダでは、一般的にプライマリーケア医(ファミリードクター)を通じて医療サービスを受けることが一般的です。この ファミリードクターが必要に応じて患者を専門医に紹介することもあります。専門医の診察には追加の待ち時間がかかることがあるため、一般的な健康問題はファミリードクターが対応します。通常、ファミリードクターの診療は予約制です。しかし、急な健康問題が発生した場合、緊急ケアも提供されます。緊急の医療ニーズに応じるための手続きや緊急診療所(ER)やWalk-in clinicも利用できます。

日本の国民健康保険

1. 国民健康保険制度

ご存知の通り、日本では国民全体が国民健康保険に加入することが義務付けられています。この制度は、国民全体の健康をサポートするために設けられた公的な保険制度です。

2. 共同負担制度

国民健康保険は、医療費に対する共同負担制度を採用しています。患者は一部の医療費を支払い、国も一部を補助します。この共同負担制度により、医療費の公平な分担が実現されています。

3. 自由な医師選択

日本の国民健康保険制度では、患者は基本的に好きな医師を選ぶことができます。専門医への受診に制約はありません。これにより、患者は必要な医療サービスを受けるために選択肢を持つことができます。ただし、患者自身にも医師選択における知識や事前調査が必要になることを意味します。

まとめ

カナダと日本の医療保険制度には国民皆保険制度であるなどの類似点もありますが、根本的な考え方の違いなどが存在します。カナダの制度は州によって異なり、基本的な医療サービスが無料で提供されます。一方、日本では国民全体が国民健康保険に加入し、医療費の共同負担制度が適用されています。患者は医師を自由に選択できるため、専門的な医療ニーズに応えやすいと言えます。

どちらの制度も一定のメリットとデメリットがあり、地域や個人のニーズに合わせて選択されます。健康保険制度は国の文化や社会制度に影響を受け、このような違いがあると思います。皆さんは日本とカナダの保険制度どちらがよりいいと思いますか?何かを考えがあればお聞かせ下さい。

Next
Next

カナダドルについてこれだけ知っておけば大丈夫。知っておくべき7選