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永井さんおススメの温泉がこの一冊に!『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』
福岡南部の温泉、よすぎるので何回も行っちゃう
全国の温泉取材をしているとき、運転続きで体がしんどくなり、久留米にある接骨院に助けていただいたことがありました。
車中泊でずっと取材をしている事情を話すとたいそう驚き、一宿一飯のお世話にもなりました。
その接骨院のご夫婦が「絶対行ってみて」と教えてくれたのが、原鶴(はらづる)温泉の「光泉(こうせん)」です。
福岡南部は名湯だらけでした。筑後川温泉、原鶴温泉、久留米の温泉はもう、サイッコー。
無色透明なのですが、ぬるぬるとろとろな浴感、適温で新鮮な源泉かけ流し、硫黄のにおいがほんのりして、大興奮です。
固定概念が崩れ去る温泉
「光泉」は、タイル張りの小さな内湯ひとつだけのシンプルな湯屋ですが、化粧水かローションかといったような粘り気で、「水は肌から流れ落ちるもの」という固定概念が崩れ去ります。
湯上がりテッカテカです。シャワーも蛇口も温泉で、ぬめぬめが体にへばりついています。極上すぎました。
接骨院のご夫婦には、感謝してもしきれません。
久留米の田園の中に潜む「あおき温泉」は、私の経験上、全国で十本の指に入る超絶な温泉でした。
前述したような「光泉」の特徴に加え、湯量がハンパない。
ドッバドバにかけ流されていて、新鮮そのもの。硫黄の甘いにおいも充満しています。
温泉街でもなんでもない、地元の人ご用達の素朴な施設に、こんな湯が隠されていたとは……とはちゃめちゃに興奮しました。格別です。
太宰府観光とセットでおすすめしたい温泉
久留米は「慧華(けいか)乃湯」も素晴らしかったなあ。
住宅街に佇む日帰り入浴施設で、湯船は岩造りの露天だけ。
こちらもぬるぬるつるつるな浴感で新鮮、硫黄のにおいもたっぷりで、白く小さな湯の花も舞っていて、シャワーと蛇口からも温泉が出ています。
近所にこんな温泉が湧いていたら無限に通ってしまいますよ。福岡南部の温泉、ヤバすぎます。
ちなみに、太宰府天満宮の近くにある小さな温泉地・二日市温泉でも、似たような浴感の温泉が楽しめます。
柳がしなる温泉街の中心に建つ「博多湯」はぜひ立ち寄ってもらいたいところ。
おしゃれな岩造りの湯船で趣があり、つるりとした肌触り、浴場には硫黄のにおいが立ち込めています。
ラドンを多く含んでいるので、放射能泉的な効果も期待できそう。
太宰府観光とセットでおすすめしたいです。
誘惑だらけの福岡南部
福岡南部の周りは、誘惑だらけです。
西へ行けば佐賀の嬉野(うれしの)・武雄温泉、東へ行けば大分の別府・湯布院温泉、南へ行けば熊本の山鹿温泉……といった具合で、福岡南部に寄る・泊まる旅程を立てるのは、ちょっと勇気がいるかもしれません。
でも、信じてください。
す〜〜ごい温泉が待っていますから。
観光スポットや情緒ある温泉街はないのですが、湯の個性そのものに、触れてみてほしいのです。
※本稿は、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。