秋が訪れ、紅葉の魔法に包まれる、京都。この目できれいな紅葉を見てみたいと思うのだが、まさか車で訪れようなんて考えてはいないだろうか。京都の紅葉時期は大渋滞必至で、下手すれば目指すスポットにたどり着けない可能性だってある。秋の京都では車はNGだ。
紅葉時期の京都を楽しむなら、おすすめは自転車。自転車に跨り、風を感じながら京都の美しい季節を満喫しよう。
今回は、全国を旅する筆者が実際にレンタサイクルで巡った京都の紅葉スポットを具体的なルートや距離などの情報も踏まえて紹介する。
紅葉時期の特別な京都を自転車で巡り、すばらしい景色を堪能しよう。
■京都の紅葉時期
京都の紅葉時期は、11月上旬頃から12月上旬頃。この時期になると古都の神社仏閣と錦の絨毯が調和し、心に深き感動を残す。街全体がこの季節の贈り物に包まれるとき、多くの人が京都を訪れ、フォトスポットやその周辺は人々で溢れ返るのだ。
■紅葉時期の京都へ車で行ってはいけない理由
京都は市街の大きさに比べ地下鉄網が発達しておらず、道路の渋滞が常態化している。そのうえ、紅葉時期にはたくさんの観光客が京都を訪れるため、大渋滞となるのだ。紅葉で有名な神社仏閣周辺は特に渋滞がひどく、駐車場も満車状態で駐車できない、もしくは長時間待たされるケースが多い。
せっかく貴重な季節を楽しみに京都を訪れても、移動時間ばかり多くなってしまっては本末転倒だ。
■「自転車」紅葉時期の京都のおすすめ移動手段
そこでおすすめなのが自転車。自転車であれば、大渋滞に煩わされることはなく、時間も計算できる。また、 ほとんどの神社仏閣には駐輪場があるので、駐車スペースの心配も不要だ。
さらに、自転車であれば移動中に気になった場所にちょっと寄ってみたり、コンビニに寄るなど、自由度も高い。駐車料金の節約にもなり、大混雑の京都観光には最適な交通手段なのだ。
■自転車を借りて、紅葉時期の京都観光へ
京都にはレンタサイクル店が多数あるが、今回は筆者おすすめの「レンタサイクルえむじか」を紹介する。
店員の方からは、大学生や周辺企業のサラリーマンが通勤通学用に月契約でレンタサイクルを利用することや、1日レンタサイクルで東山地区だけではなく、嵐山や金閣寺方面を目指す人もいることなど、さまざまな話を伺った。
自転車を借りる手順は、所定フォームに記入し、身分証明書を提示し、レンタル代金を払うだけだ。
●【基本情報】
名前:レンタサイクルえむじか
住所:京都市左京区田中上柳町24番地リヴィエール鴨東1階東側
電話:075-200-8219
営業時間:9時00分~21時30分
料金:変速機なし800円/日、3段変速機付き1100円/日
ルートは、京都でも紅葉で美しいと評判のスポットを含め、以下のようにした。
●自転車店→南禅寺→禅林寺→高台寺→清水寺→鴨川→自転車店
さあ、出発だ。最初の目的地は南禅寺だが、途中の平安神宮に寄り道。平安神宮では、広大な境内と朱色の大鳥居・応天門に圧倒される。レンタサイクル店からここまでは約2.5km。
■秋のグラデーションが壮観な南禅寺
左手に何軒かの豆腐料理の店を見ながら、南禅寺に到着。平安神宮からここまで約1.2km。勅使門の近くに自転車置き場があり、そこから歩いて紅葉で染まった境内を奥へ進んでいく。三門にも上って、境内一面の紅葉を楽しむ。水路閣方向も赤や黄色の紅葉がきれいだ。
●【基本情報】
住所:京都府京都市左京区南禅寺福地町
TEL:075-771-0365
営業時間:8時40分~17時00分(12月1日~2月28日は、~16時30分)
拝観料金:境内無料、方丈庭園600円、三門600円、南禅院400円
■常に京都の紅葉ランキング上位、永観堂 禅林寺(えいかんどう ぜんりんじ)
次は隣にある禅林寺を目指す。途中の道は南禅寺から歩いて向かう人が多い。南禅寺からここまでは約500m。総門の近くに自転車置き場がある。拝観料を払い境内に入ると、いきなりすばらしい赤や黄色、グラデーションのもみじに包まれる。
釈迦堂や阿弥陀堂などのお堂を通って、高台にある多宝塔に向かう。多宝塔からは境内一面に広がる紅葉が楽しめ、その先に広がる京都市街が一望できる。
多宝塔から庭に戻ると、今度は放生池のまわりを歩いてみる。水面に反射する紅葉もまたすばらしい。
●【基本情報】
住所:京都府京都市左京区永観堂町48
TEL:075-761-0007
営業時間:9時00分~17時00分(受付は16時まで)
拝観料金: 一般600円、小中高生400円
禅林寺を堪能したら、次は高台寺を目指す。この間は上り坂があり距離も長い(約2.7㎞)ので、少々疲れるパートだ。八坂神社も近く、道も通行人がたくさんいる。
途中、青蓮院や知恩院もあるので、気が向いたら寄ってみよう。思いついたら寄れる、これが自転車のメリットである。
■美しい紅葉で知られる高台寺
高台寺では車のパーキングに自転車も駐輪できる。高台寺では、開山堂、臥龍廊(がりゅうろう)周辺の紅葉がすばらしい。
●【基本情報】
住所:京都府京都市東山区高台寺下河原町526
TEL:075-561-9966
営業時間:9時00分~17時00分(夜間特別拝観期間中(17時00分~22時、最終受付21時30分))
拝観料金:大人600円、中高生250円
■世界文化遺産の清水寺
ここまで来たら、清水寺にも行ってしまおう。ただ、高台寺から清水寺に行くには、二寧坂(二年坂)や清水坂といった、京都屈指の混雑を誇る(?)道を通るため、自転車でも厳しい。したがって、高台寺の駐輪場に自転車を置いたまま、歩いて清水寺を目指すのがベスト。
高台寺駐輪場から清水の舞台までは、約1.2km。道中は伝統的な建物が立ち並び、土産物屋も多いので、歩いていても楽しい。
旅行者でにぎわう清水坂を登りきると、清水寺の仁王門と三重塔に到着だ。清水寺も魔法の紅葉に包まれて美しい。
●【基本情報】
住所:京都府京都市東山区清水1丁目294
TEL:075-551-1234
営業時間:6時00分~18時00分(夜間特別拝観18時00分~21時30分(21時受付終了))
拝観料金: 一般400円、小中学生200円
■鴨川の紅葉を楽しみながらレンタサイクル店へ
清水寺を楽しんだら、高台寺駐輪場まで戻りそこからレンタサイクル店を目指す。レンタサイクル店までは、約4.1kmだ。たくさん歩き足も疲れているが、最後の力を振り絞って頑張ろう。余力があれば、鴨川沿いも紅葉がきれいなので、立ち寄ってみよう。
■紅葉時期の京都の移動は自転車がおすすめ!
紅葉時期の、京都。移動手段として車はNG! 交通渋滞の罠にはまり、疲れるだけの旅になってしまう。おすすめは、自転車(レンタサイクル)だ。渋滞問題、駐車問題を解決してくれるうえに、自由気ままに寺社巡りができ、しかも財布にやさしいのだ。
今回紹介した自転車ルートは筆者の実体験がベースとなっているが、京都の紅葉スポットのランキング上位の寺社をカバーできている。もちろん、自分用にカスタマイズして京都の紅葉スポット巡りを楽しむこともできる。
紅葉の魔法が京都に広がるこの秋、自分だけの旅を企画してみてはどうだろうか。