Late lineにおける抗がん剤治療について | がん患者さんへの服薬指導ポイント
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Late line(後方ライン)の抗がん剤治療について

切除不能・進行再発の化学療法

がん薬物療法において標準治療が確立され、エビデンスに基づき1次治療、2次治療、3次治療と順に治療が実施されています。どこからかがLate lineかという定義が難しい場合がありますが、後の方で行う治療を指していると思われます。Late line治療に臨む患者さんに接する際に私が気を付けていることをご紹介します。

 



例えば1次、2次、3次治療を実施した大腸がん患者さんに、新たに開始した抗がん剤の内服について服薬指導する場面をご想像下さい。

          薬剤師として、どのようにお答えしますか?

       というふうに、お答えするかもしれません。そして・・・

私は、ありました! 「質問無し」で、服薬指導が終わるケースです。

質問にズバリと答える前に

患者さんの治療歴や過去および現在の副作用発現状況を考えてみましょう。これは大腸癌診療ガイドラインの「切除不能進行再発大腸がんに対する化学療法」のアルゴリズムです。このように1次治療から5次治療までガイドラインに記載があります。ですので、患者さんは少なくとも2種類以上のレジメンを経験していることになり、それぞれにおいて効果が得られれば、約2年間程度、治療を継続していることになります。かなり長い期間です。

このように4次治療、5次治療までに複数の抗がん剤を使用しており、すべての抗がん剤について必ずしも副作用を経験されているわけではないと思いますが、かなりの確率で経験していると思われます。骨髄抑制の経験があれば、もしかしたら感染症にかかり発熱したり、貧血でふらついたり、息切れしていたかもしれません。そのため治療を中断したり、入院したこともあるかもしれません。手足のしびれがひどくて、日常生活がしにくくなったりしたかもしれません。今までなったことがなかった高血圧だと言われて、薬が追加になったり、蛋白尿が発現して治療が中断したり、または皮膚にぶつぶつができて、爪がひどいことになって、痛くなったりしたかもしれません。下痢がひどくて、外出ができない状況になったことがあるかもしれません。手足症候群で痛みがでて、つらい思いをされたかもしれません。Late line治療を開始前には、こういった経験をされてきたかもしれないと思うことは大切だと考えます。

ですので、最初の

日常業務や他の業務でお忙しいと思いますがが、是非、患者さんの思いを聞いてみましょう。患者さんがつらいときに、その気持ちを聞いてもらいたいという対象として、薬剤師である私がなれればなと思い、このように取り組んでいます。ご参考にしていただければ幸いです。


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