ご挨拶_市場先生 | 東京女子医科大学病院 臨床工学部

ご挨拶_市場先生

 2020年10月より、臨床工学科教授、臨床工学部運営部長を拝命しております。何卒よろしくお願い申し上げます。

 東京女子医科大学病院では、病院全体の医療機器の保守管理および安全な運用を、臨床工学技士により、臨床工学部が一括して行なっております。主として活躍している部署は、手術室、ICU、NICU、救命救急センター、心臓カテーテル室、透析室、そして医療機器管理室です。当院は、様々な難治性重症患者が紹介されてくる、最先端医療の最後の砦としての位置付けにあります。臨床工学技士は、現代医療に不可欠な医療機器のスペシャリストとして、益々増大する医療機器の安全確保と有効性の維持の担い手としてチーム医療に貢献しております。例えば、生体情報モニター、心臓カテーテル治療、人工呼吸器、心臓手術の際に心臓と肺の代行をする人工心肺装置、腎不全の患者さんに対する血液透析、そして重症心原性ショックに対する機械的循環補助法、例えば、大動脈内バルーンパンピング(IABP)、体外式膜型人工肺(VA-ECMO)、補助循環用ポンプカテーテル (Impella®️)、左室補助人工心臓(LVAD)、COVID-19等の肺炎に伴う重症呼吸不全などに対する人工呼吸療法やVV-ECMOなどです。

 現代の医療機器はAI技術の導入により高性能かつ安全性能が追求されていますが、最終的には人の目と手による監視と作動が不可欠であり、その目と手を真剣に鍛錬する必要があります。また、医療チームの他のスタッフにも機器に関する教育を行い、24時間安全な運用を維持する必要があります。東京女子医科大学病院には、多くの患者様が治療を受けられており、臨床工学技士は高度な技術の習得が可能になっています。また、多職種からなる医療チームへの教育を行なって、より安全かつ効率的な医療機器の運用を行なっています。