町字 - 用語 - わかりやすく解説 Weblio辞書

町字 用語

町・字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/03 03:06 UTC 版)

用語

「町または字」の(ちょう、まち)は、市区町村を構成する小区画である[28][29]。 「町」の読みについて、辞典においては、概ね「ちょう」の項においても「まち」の項においても、市町村を構成する区画としての「町」の字義は記載される。また、個別の「○○町」についても、「○○ちょう」と呼ぶ例や、「○○まち」と呼ぶ例がみられる[30]

成立経過から概ね以下のように分類できる。複数の異なった成立経過があることから、一概に「町」といってもその性格は異なる。

①近世からの市街の町などに由来するもの
近世からの市街の町などに由来するものとして、代表的な例は、京都市街の町(ちょう)である。およそ1町分の長さの通りの両側に面した両側町に代表される、古いものでは中世以来の区画を今に受け継いでいる。また江戸城下において近世に町名のなかった武家屋敷の区画に明治になってから名称と区画が設定された町などもこれに類するものと言える。
②市町村合併(編入)などに際して既存の字(大字・小字)を町に改めたもの
町村合併時に既存の字を、町に改めている例としては、京都市の例がある。京都市では、大正期から、編入町村の大字名(大字○○)・小字名(字△△)を用いて、「大字○○字△△[注釈 5]」を「○○△△町」と変更した町名をつけている[31][32]。昭和初期の旧東京市35区(いわゆる「大東京市」)誕生時における周辺町村の編入においても同様に大字・小字の名称と区域を利用した町名を付したが[33]、住居表示に関する法律に基づく住居表示により失われた。
③住居表示に関する法律の住居表示を施行した際に設定されたもの
住居表示に関する法律に基づく住居表示においては、市街においては小さな規模の町を統合して、また郊外においては大字の地域を分合することで、「○○△丁目」といった町を設置した。東京都では町の規模について例えば住宅地では17ha(5万)といった標準[注釈 6]が示された[34]。住居表示により設置された町は、住民の自治組織の単位と合致しない例も多い。
④区画の変更などに伴うもの
土地区画整理事業や、東京都における震災復興事業、第二次世界大戦後の戦災復興事業などにより、古くは大正期から都市部を中心に、町の名称や区域の変更が行われた。大都市では一定の基準により行われ、例えば京都市では、南北の道路1本を中心に東西の道路3本を含み、町域は概ね5,400坪、従来の小字名を尊重し東西南北上下などの字を冠するなどの基準が定められており[35]、実際、土地区画整理事業が行われた区域では、東西南北上下などの字句のついた町名が見られる。また、住居表示に依らず町名と地番を整理する町名地番整理なども同種の事業ということができ、東京都内などでは住居表示の代わりに自治体全域で取り組まれる例も見られ、例えば調布市では市内全域で町名地番整理事業が完了している[36]
⑤その他
近年では、市町村合併の際に合併前の地方自治体名「○○町」を従前の大字・小字名の前に残したものを住所とする例がみられる。「大字△△」から「○○町△△」と名称を変更し、これを大字とする例が多いが、「○○町△△」を町と位置付ける例や、「○○町」を町と位置付ける例もみられる。

個別の町の名称については、「町」や「丁目」を用いた「○○町」「○○△丁目」などが代表的なものとしてあげられ、近世からなど古くからある町名を受け継いだものはもっぱら「○○町」と表記される。一方、住居表示により設置された町は「〇〇△丁目」と「町」を除き「丁目」をつけたものが標準とされたが[37]、のちに「○○町△丁目」といった表記もなされるようになった[38]。また「丁目」も「町」もつけない町名も見受けられる。

(ちょう)は、近世においては「町」の略として用いられ、絵図などに「〇〇町」を「〇〇丁」と記されるのをみることができる。 一方で、仙台城下では町人町は「町」、武家町は「丁」であると厳然と区別され [2]和歌山市では和歌山城三の丸武家地に、現在「一番丁」から「十三番丁」の町名がつけられている[注釈 7][3]。 このように、かつての武家屋敷に由来する「○○丁」があることから、城下町では商人等の町人の居住地として「町」を、武士の居住地として「丁」を区別して用いているという見方もある。

また、堺市では美原区を除き、他の市区町村での「○丁目」に相当するものを「○」と表記する。この表記は明治5年(1872年)の町名改正の際に導入され、以降堺市では、新たに設定される町名においても「○丁目」ではなく「○丁」を用いている。[39]

丁目

丁目(ちょうめ)は、町を番地より大きく区分したもの[40][41]とされる。

上述のとおり、辞書において、1つのを複数の区域に分けるものと示されることを踏まえ、「✕✕○丁目」の「✕✕」が町名であり、また丁目が複数あったとしても、町の数は1つであるとするという見方があるが、『街区方式による住居表示の実施基準』(昭和38年7月30日自治省告示第117号)における第1の1(4)では「町の名称として丁目をつける場合」においては「町の名称は、できるだけ✕✕町○丁目とはしないで✕✕○丁目とすることが適当であること。」[42]と、「丁目」を含めて一つの町(町名)として識別しており、住居表示に関する法律の街区方式による住居表示に基づき設けられた「✕✕○丁目」については、それが一つの独立した町(名)と捉えている。また、『角川日本地名大辞典』でも町数の計算は丁目ごとに1つの町と数える方式をとっている。

「丁目」は、近世以降に成立した城下町、宿場町などにおいて、街路に面した背割り町域の両側町をほぼ1丁(約109m)に区分する場合に用いられる名称であったが、近代以降、特に1962年(昭和37年)に公布・施行された住居表示に関する法律に基づく住居表示制度などによる町域の設置においては、距離の基準をまったく失い、同じ地域名を持つ街区の区分名称として用いられる[43]

字丁目

「○○町△丁目」という住所があった時、「○○町△丁目」で一つの固有の町名であり、「△丁目」の数字は漢数字が正式な場合が一般的であるが、横浜市の住居表示を実施してない地域では、「○○町」という町名と、「△丁目」という名称の小字である字丁目(あざちょうめ)の組み合わせの場合があり、字丁目がある場合の住所の表記は「町名」+「字丁目」+「番地」となる。(例:中区港町1丁目1番地」)[44]

この横浜市の字丁目は、住居表示に関する法律の住居表示よりも古く、近世に端を発し、昭和期の町名町界整理事業まで設置された。横浜市では一部の例外を除き、住所の表記における「△丁目」は、この字丁目は算用数字で示され、住居表示により設定された一つの町名の場合は漢数字であらわされる。[45]

なお、全国的にみると、住居表示に関する法律以前からある「△丁目」が必ず小字というわけではなく、例えば、京都市の「本町○丁目」の歴史は近世まで遡れるが、「本町○丁目」で一つの町名である。

町丁・町丁目

町丁(ちょうちょう)は、『大辞林』において「市区町村内の住居表示に用いられる市街の区分。「三崎町二丁目」のように表示される。」と示される[46][47]

「町丁」の語を立項する辞典は『大辞林』のみであり、その他の辞典に「町丁」の語は見られない。また『大辞林』においても初版には町丁の項は見られず、初出は第2版である[48][49]。その記載についても「「三崎町二丁目」のように表示される。[46][47][48]」と「丁目」がつく町名をいうことを示唆するような表現であるものの、字句として「丁」がどのような意図で付け加えられているのかなど、市町村内の「町」との明確な違いなどは判然としない。

一方、「町丁」の語は、総務省がまとめる日本政府の統計において、市町村区内の区域を画する町や丁目を示していると考えられる用語として用いられる。例えば国勢調査では、おおむね市区町村内の△△町、〇〇2丁目、字□□などの区域に対応する地域を、平成7年国勢調査から「町丁・字等」として集計単位としているが、その説明に「町丁・字等」および「町丁」そのものの用語の説明は見られない[50]

町丁と似た用語に町丁目という語があるが、丁目を持たない単独の町と、丁目を含む町双方を含む町を明示的に示すもの(「町」と「丁目」を合わせた「町・丁目」の意味)として用いられる。

「町丁」の語は、単独で用いられる場合もごく一部の市区町村で見られるが[注釈 8]丁目(または丁)のつく町名(区画)を有する市区町村において、その区画ごとの人口を統計として示す時に「町丁別人口」などとして用いられる[51]ことが多い。この場合、同義の語を「町丁目別人口」と表す市区町村もあり[52]、丁目(または丁)のつく町名のない市町村など[53][54]では「町別人口」と表す例も見られる。

条丁目

条丁目あるいは条・丁目(じょうちょうめ)は、北海道における市街地区域の名称。基準となる道路に並行する道路により挟まれる区画を「○条」と、基準となる道路に直行する道路を基準として、その道路に並行する道路に挟まれる区画を「○丁目」とし、それら直行する道路による区画を「○条○丁目」と呼ぶ。 札幌市中心市街のものが代表的であり、東西の大通を基本とし、北(と南)に、北(南)1条、同2条とし、交差する道路区画は、創成川を基準として東(西)1丁目、同2丁目と数え、例えば「北2条東4丁目」などと表記される。また、区画については、60間(=1町(約109メートル))となっている。

ただし、札幌市中心街で付される東西南北の方位は、必ずつけられるものではなく、都市によっては条・丁目に東西南北を欠き、単に1条1丁目などとする場合もある。基準となる道路は必ずしも東西道路とは限らず、東西方向が条、南北方向が丁目となる場合もある。 また、区画については、必ずしも60間ごとではなく、農村地帯が市街地化した場合には200間や300間ごとになったり、条・丁目が60間ずつにならない地域もある[55]

「町または字」の(あざ)は、町や村の中の一区画の名。大字(おおあざ)と小字(こあざ)とがある[56]

大字

大字(おおあざ)とは、市町村の中の土地区画の一つである字(あざ)の一つであり、その中にはいくつかの小字(こあざ)を含むことが多い[57][58]

明治22年(1889年)の市制町村制施行の際に、いくつかの町・村を合して成立した市町村の中の一区画として、従前の町・村の区画を大字としたことに端を発したものである[57][58]。 そのため、市制町村制の際に単独1村で町村制を施行した町・村では、大字のない地域もみられる。

大字の表記

個別の大字の名称は、全国的には「大字」の語を冠して「大字○○」と記したが、京都府内の市町村など一部では、明治22年の市制・町村制により合併し大字となったそれまでの町村の区域「○○町」「○○村」を「字○○」とし、現在もその記載が残る例も見られる[59]。例えば、京都府乙訓郡の大山崎町は、明治22年の明治の大合併(町村制)において、円明寺村[60]、大山崎庄[61]、下植野村[62]の3つの村により大山崎村として成立し、角川日本地名大辞典によれば円明寺、大山崎、下植野の大字を持つとされる[63]が、それぞれの「大字」は「字円明寺」「字大山崎」「字下植野」と記される[64]

また、近年に至って、大字に含まれる「大字」の語を削除し「○○」のみを記載する例も多くなっており、土地の登記簿や住民票に記載される住所では「大字」が記載されるが、その「大字」を外して表記されることもあることから、例えば「△△市○○×番地」と記される住所からだけで「○○」が大字であるか、町であるかを判断することはできない。

大字の変遷

大字は近世からの町・村(藩政村)がもとになる古くからの地縁を基にした土地区画であることから、大都市に周辺町村が編入される場合、大字(及び小字)の区画と名称を用いて、新たな町を設定する例がみられた[注釈 9]ほかは、概ね高度経済成長期までは、町村合併においても、名称を変更しつつも残される例が多かった[26]

昭和37年(1962年)に制定された「住居表示に関する法律」に基づき、街区方式の住居表示が施行された市町村では、住居表示により、従前「大字○○」の地域に「○○△丁目」という区画を置く場合、これを大字ではなく町として設置することが一般的である[65]

その時、「○○△丁目」の区域は「大字○○」の区域から外れることとなり、「大字○○」の全ての区域が住居表示区域になれば、その大字は消滅し廃止され、またそうでない場合も住居表示がなされない部分が「大字○○」として、不自然な形状、また極めて狭小な区画となって残されることもみられる。

このような住居表示の実施や、後述する合併などの機会に大字を町とする例などから、大字の数や面積は総じて減少しているといえる。

町との関係

上述のように、大字を町に変更したり、大字から分離して町を設定したりする例から、大字と町の区域はおおむね重複しないことを踏まえ、後述のとおり「大字・町」を全国統一的な市区町村下の地域区分として用いる例がみられる。 ただし、大字と町は必ずしも排他的なものではなく、名古屋市千種区および名東区の「猪高町大字猪子石」では「猪高町」が「町」と位置付けられており[66]、 また、2005年平成17年)まで島根県邇摩郡にあった温泉津町においては、大字の前に、湯里、温泉津、福波、井田という名称の「町」を置いていたことが、合併に係る町・字の変更の告示[67]から読み取ることができる[注釈 10] など町の下に大字を位置づける例外もあり、大字がある場合は大字が必ず市町村の一番大きなくくりでの行政区画である、というものではない。

合併と大字名

市町村合併の際、従前の大字名「大字○○」に合併前の町村名「△△町」あるいは「△△村」をつけて、「大字△△○○」とする例が昭和の大合併時から見られる[26]。また、合併時に「大字○○」を「○○町」[68]に、また前述と併せて「△△○○町」と改称し、これを町とする例もある[26]。(ただし、この「○○町」「△△○○町」について、「町」がついていても、それを大字と位置付ける場合もある。)

さらに、平成の大合併においては、合併前の町村の名称を「△△町」として、大字の前に残す例も見られる。この「△△町」については、「町または字」ではなく、その前に置かれる合併特例区地域自治区の名称である場合もあるが、「△△町」を冠し、さらに「大字○○」の「大字」の語を削除した「△△町○○」を新たな大字名とする場合が多い。 ただし、この「△△町○○」がすべて大字という訳ではなく、町名とする場合(福岡県みやま市の例[27])や、町名か大字名かを明確にせず「町または字」の名称とする例(大分県日田市の例[69])や、小字名まで含めたすべてを小字として位置付け直す京都府南丹市のような例[70]なども見られる。

小字

小字(こあざ)は、市町村の中の土地区画の一つである字(あざ)の一つである。 明治22年の市制・町村制の実施に際して行われた町村の合併(明治の大合併)にあたって、合併前の旧町村名を大字として残したが、それに伴って従前の字と小字を称するようになった[71]。そのため、単に字ともいう[72]

小字の発祥

現在の小字は、地租改正にあたり全国的に実施された地押丈量(土地の付番作業及び調査・測量)により作成された「地租改正地引絵図」(切絵図・地籍図)の一枚ごとに採用された一つの小地名が、以降の字(町村制以降は小字)として確定され、継承されたものである[73]。 その時の字(小字)については、江戸期の検地帳などに小名・下げ名・一筆書きなどといわれた耕地名などを基にしているが[71]、それをおおよそ継承した地域がある一方、地域によっては代表的なものにまとめられたり、番号などを用いることにより、多くの字名が継承されなかった[12][13]

小字というとき、地租改正後の字だけでなく、その時に取り上げられなったものも指していうこともある[73]。「小名」(こな)の語は、小字の同義語として辞書に示されるが[72]、もっぱら地租改正前の字名を指す。

小字の表記

個別の名称は「字〇〇」と表記されるのが通例であるが、京都府内においてはこれを「小字○○」と記す例がみられる[21]。 近年では、「字〇〇」の「字」(あるいは「小字〇〇」の「小字」)の語を、市町村合併に伴う町・字名の変更の際に削除する例もみられる。

小字の廃止・非表示

地租改正時の地押丈量の際に当時の村(町村制後の大字)ごとに通しの地番を付した「一村通し」の地域では、地番による場所の特定に小字が不要であることから、小字そのものを廃止する例もみられる。一方、小字ごとに起番した「字別付番」の場合は地番による場所の特定に小字が必要であることから、小字が廃止されずに残っている。

前述の「一村通し」により地番がつけられ小字がなくても場所を特定できる場合、住民票や戸籍の住所については、小字を表記しない例が多い[74]。 そのため、住民票などの「公式な住所」に小字が表記されていない場合でも、地方自治法に基づく字(小字)の廃止が行われていなければ、その住所の土地の登記簿には小字が記されている場合がある。

これは住居表示が施行されている区域でも同様であり、住居表示に伴う「町または字」の変更において、大字あるいは町だけが変更され、小字の変更(廃止)を伴わない場合、土地の登記簿の大字あるいは町は変更されるが、小字は変更されずに残される。例として、滋賀県の草津市では住居表示において大字を変更して置いた町のみを変更したため[75]、住居表示区域の上笠一丁目に「字骨コボス」という小字が残っていることが確認されている[76]

その他

地割

岩手県北部の「地割」もこの小字に相当するもので、これは地租改正事業の際、南部藩の検地単位に数字を充てて「第○地割」と表したものであり、その下に地番が付き、例えば西根町役場は「西根町大更第35地割62」と表示される[77]

郷・触・名・免

長崎県では、近世から村内の小区域を単位として、(ごう)・(ふれ)・(みょう)・(めん)などの特徴的な名称が用いられ、明治22年の市制・町村制以降も一部の市町村直下に「○○郷」「○○触」「○○名」「○○免」と表記される行政単位が用いられ、以下のような関係がある[78]

郷(ごう)
近世の大島・五島両藩において用いられ、東彼杵郡・西彼杵郡・南松浦郡の行政単位として用いられる。
触(ふれ)
近世の壱岐国(平戸藩)において免とともに用いられ、壱岐・石田両郡の行政単位として用いられる。
名(みょう)
近世の島原・佐賀両藩において用いられ、北高来郡・南高来郡・西彼杵郡の一部の行政単位として用いられる。
免(めん)
近世の平戸藩において用いられ、北松浦郡の行政単位として用いられる。

通称地名・行政地名・法律地名

町・字などの行政地名(ぎょうせいちめい)に対し、俗称・旧称など住民に慣用されている地名を通称地名(つうしょうちめい)と称し、都市部において住居表示により住所として失われた町名や急速に発展した住宅地、郊外における行政区などに多くみられる。市町村によってはこれを行政地名と称し、前述の行政地名を法律地名と呼ぶ場合もある[78]


注釈

  1. ^ 「町字」の語を立項する辞典は、2023年時点で存在しない。
  2. ^ 地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条第1項は「市町村長は、政令で特別の定めをする場合を除くほか、市町村の区域内の町若しくは字の区域を新たに画し若しくはこれを廃止し、又は町若しくは字の区域若しくはその名称を変更しようとするときは、当該市町村の議会の議決を経て定めなければならない。」とし、同項条文中は「町若しくは字」と表現されているが、これは法文上の「又は(または)」と「若しくは(もしくは)」の使い分けによるものであり、「町又は(または)字」と「町若しくは(もしくは)字」の間に語義の違いはない。
  3. ^ 「字之事 是は田畑其外山林野地等にても、地所の小名を字(あざな)と云。口にて言ふときは名所(などころ)とも小名(こな)とも下げ名ともいへども、帳面証文等に認るには字と書くことなり」(『地方凡例録』)
  4. ^ 今尾 (2004), p. 183-185では、石岡市大字小井戸の例を紹介している。
  5. ^ 「字△△」については「小字△△」も含まれる。
  6. ^ 「街区方式に適した規模」については、商業地は10ha(3万坪)、住宅地で17ha(5万坪)、工業地で27ha(8万坪)が標準として明記された[34]
  7. ^ ただし、これら「一番丁」から「十三番丁」の町名ができたのは、明治5年のことである。『角川日本地名大辞典 30 和歌山県』 (1985)
  8. ^ 千代田区ホームページなど。町丁の語で検索すると国勢調査の集計単位である「町丁・字等」の語が多く抽出されるが、これは町丁の語が当該市町村で用いられているということを示すものではない。
  9. ^ 例えば、京都市の例[32]や、昭和初期の旧東京市35区(いわゆる「大東京市」)誕生時[33]など。
  10. ^ なお、今尾 (2004), p. 28では、温泉津町では、「○○大字」と「大字」の語を大字名の後ろに付していたとするが、これはこれらの町名(湯里、温泉津、福波、井田)が大字名であると錯誤したものと考えられる。

出典

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  58. ^ a b 『大辞林』第4版 (2019), p. 337, 「おおあざ【大字】 」.
  59. ^ 今尾 (2004), p. 264では、後述の大山崎町のほか、船井郡(園部町を除く)がそれにあたると指摘する。
  60. ^ 円明寺村は江戸期から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 245, 「円明寺」)
  61. ^ 大山崎庄は明治初年から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 296, 「大山崎」)
  62. ^ 下植野村は江戸期から明治22年までの村名(『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 718, 「下植野」)
  63. ^ 『角川日本地名大辞典 26 京都府』上巻 (1982), p. 296, 「大山崎」.
  64. ^ 例えば、大山崎町役場の所在地は「京都府乙訓郡大山崎町字円明寺小字夏目3」である。
  65. ^ 例えば高槻市の例規集に掲げられる大阪府の告示を見ると、住居表示の実施に当たって「字の区域を変更し、町の区域を新設する」としている。町の区域変更(高槻市例規集)”. 2023年6月24日閲覧。
  66. ^ a b 名古屋市:千種区の町名一覧”. 2023年5月4日閲覧。名古屋市:名東区の町名一覧”. 2023年6月25日閲覧。
  67. ^ 平成17年島根県告示第1050号(島根県報平成17年号外第98号”. 2023年6月24日閲覧。
  68. ^ 1954年10月に発足した草津町(現在の滋賀県草津市)では発足と同じ年度に草津町内の「大字○○」を「○○町」とすることを議決し、1955年4月1日から施行した。草津市区域内の字の名称変更について(草津市例規集)”. 2023年6月24日閲覧。
  69. ^ 2005年3月に日田郡前津江村中津江村上津江村大山町天瀬町を編入した日田市では、編入した区域の大字から「大字」の語を除いたものに旧町村名を冠した名称を、町とも大字とも判然としない「町又は字」に変更している。(町又は字の区域の変更等について - ウェイバックマシン(2014年7月14日アーカイブ分))
  70. ^ 平成18年(2006年)1月に園部町、美山町、八木町、日吉町の合併により発足した南丹市では、字(小字)名を、「合併前町名+「大字」あるいは「字」の文字を除いた大字名+「小字」の文字を除いた小字名」に変更している。 京都府広報号外第1号(平成18年1月1日 発行)”. 2023年5月27日閲覧。
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