◆ 東京「君が代」裁判弁護団の期待の新星、今田弁護士インタビュー - パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

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◆ 東京「君が代」裁判弁護団の期待の新星、今田弁護士インタビュー

2024年05月20日 | 「日の丸・君が代」強制反対

  《『いまこそ』:弁護団に直撃インタビュー(1)》
 ◆ 今田史明 弁護士の巻

 東京「君が代」裁判弁護団の期待の新星、今田弁護士は、「君が代」裁判五次訴訟原告今田和歌子さんのご子息です。今年1月に弁護士になったばかりのピカピカの新人で、弁護士になってすぐ弁護団に加わってくださいました。
 弁護団に入る前から五次訴訟の裁判を傍聴し、報告集会で発言もなさっていたので、注目されていた会員の方も多いのではないでしようか。

Q:弁護士を志したのはいつ頃ですか?

今田:高校生ぐらいからふんわり考えていました。母の影響もあり、弁護士という職業を身近に感じていました。法律にも関心がありました。本格的に決めたのは大学生になってからです。法律の文章が単純に面白くて、違和感なくすんなり入ってくる感じで、判例を読むのも好きでした。弁護士は、腹の立つことにちゃんと物が言える職業だと思ったことも、弁護士になろうと思った理由の一つです。

Q:高校は都立だったんですよね。

今田:都立府中高校です。「最後に残った都立高校」と言われていて、かなり自由な学校で、制服もありませんでした。

Q:高校生の時には、もう「10.23通達」は出ていましたよね。

今田:はい。高校の入学式は起立した状態でいきなり国歌斉唱が始まったので着席できなかったんですが、卒業式の時には、こんな感じだとわかっていたので座りました。

Q:小学校の時に「君が代」を歌わなかったことについて指導を受けたそうですね。

今田:確か5年生のときに音楽の教科書に「君が代」があって、「君が代」の練習を授業でやったんですが、何で歌わなきゃいけないのかわからなくて歌わなかったら、給食の時間に呼び出されて指導されたんです。「どうして歌わないのか」「今後も歌わないのか」と先生に聞かれて、「歌う気はありません」と答えました。歌わなければいけないものだという指導が入ることに違和感がありました。ある意味さらしものになっているわけですし、理不尽だと思っていました。音楽の授業では、普段は歌の背景などの説明があるのに、「君が代」の時はなくて一私は、家で「君が代」がどういう歌なのか聞いていたので、知ってはいたんですが一「この歌は説明しないんだ…」と思った記憶があります。

Q:呼び出されたとき、歌わない理由も話したんですか?

今田:多分、歴史的な背景の話をしたと思います。子どもだったんで、母の受け売りをしてたんじゃないでしょうか。偉いものをあがめるというのが嫌で歌わなかったというのが、当時の気持ちだったと思います。今は、神を作ってしまう行為に荷担したくないと考えています。人の上に人を作るという行為自体、私は受け付けないし、嫌悪感があります。人は人であってほしいというのが私の願いなので、そういう意味では立つこともできないですし、歌って敬意を示すというのは違うんではないかと思っています。

Q:小学校の卒業式でも歌わなかったんですか?

今田:はい、立ってませんし、歌っていません。

Q:大学時代のことを集会でお話になっていましたよね。

今田:大学の入学式はコロナの影響でなかったんです。卒業式で座ったら、「体調悪いのかな?」と話しているのが後から聞こえてきて、「法学部なのに、本当にこの問題を知らないんだな」と驚きました。

Q:君が代裁判については高校生の時から意識していたんですか?

今田:意識というか、当たり前に聞いていたという感じです。「会議に行って来た」とか「だめだった」とか…。もう生活の話なんです。

Q:この弁護団に入りたいと思ったのはいつ頃からですか?

今田:弁護士を目指すことを決めたときに「入るんだろうなあ」とふわっと思っていました。こういう環境に育った以上はやらなければいけないんだろうな、助けにならなければという義務感のようなものもありました。

Q:今後どういう訴訟に関わっていきたいですか?

今田:労働問題です。人が普通に働いて、普通に生きられる世の中にしたい、弁護士がいらない世の中になればいいなというのが私の思いなので。
 自分が腹が立つことに対して当事者と一緒になってやりたいというのが、私のモチベーションです。闘う人たちをずっと見てきて育ったので闘う人のために働きたいと思っています。

 今田弁護士は、家庭で日常的に君が代裁判の話が出てくる環境で育っただけあって、五次訴訟についての意見も非常に的確で本当に頼もしく、「どう育てたらこんな風になるんだろう。私もこんな息子が欲しい」と思ってしまいました。
(川村)

「予防訴訟をひきつぐ会」通信『いまこそ』(2024年5月11日)

 


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