長いキャリアを誇るシンガー・ソングライターのエピック時代の3枚のアルバムを収録した2枚組CD。特にライヴ盤の「ロックンロール・アダルト」全曲収録のCDはこれが初めて。曲目は以下の通り。
1-1. Modern Lovers, 1-2. Christine, 1-3. Ghost Of a Chance, 1-4. 96 Tears, 1-5. Innocent, 1-6. True Confessions, 1-7. R.O.C.K., 1-8. Graveyard Rock, 1-9. Mystery Kids, 1-10. Jump Jump, 1-11. Lovers' Walk, 1-12. Christine (Ballad), 1-13. Miami Beach, 1-14. We The People, 1-15. Escape Goat Dub (bonus track), 1-16. Wild In The Street, 1-17. 96 Tears, 1-18. I May Not Be Your Kind,
2-1. Matador, 2-2. R.O.C.K., 2-3. 35 Millimeter Dreams, 2-4. Bound To Get Ahead Someday, 2-5. Cool Down Boy, 2-6. Real Man, 2-7. Surrender, 2-8. Fidelity, 2-9. Rebel Love, 2-10. Dance Up, 2-11. Guts For Love, 2-12. Shout, 2-13. What Does It Take (To Win Your Love), 2-14. Loneliness, 2-15. El Salvador, 2-16. American Backslide
1.1~1.10が81年のアルバム「エスケイプ・アーティスト(Escape Artist)」、1.11~1.14が同アルバム付属のEP「エスカペイズEP(Escapades EP)」からの曲で1.15がボーナス・トラックでシングル「96粒の涙」のB面曲。 ?(クエスチョン・マーク)&ザ・ミステリアンズの66年全米一位曲「96粒の涙」以外はジェフリーズの自作曲(1-11のみバンド・メンバーとの共作曲)で、ニューヨーク・ロッカー感覚溢れる捨て曲なしの彼のキャリア最高の作品。スプリングスティーンのEストリート・バンドの鍵盤奏者ダニー・フェデリチとロイ・ビタン、グラハム・パーカー&ザ・ルーモアのリズム隊、スティーヴ・グールディング(ドラムス)とアンドリュー・ボドナー(ベース)、ディランとのライヴ活動でも知られるG.E.スミスとキング・クリムズンのエイドリアン・ブリューのギターが主なメンバーで、テンションの高い演奏によってジェフリーズを盛り上げている。バック・ヴォーカルには故ルー・リード、デヴィッド・ヨハンセン、ノーニャ・ヘンドリクスも含まれている。デニス・ボーヴェル他のレゲエ・アーティストとのロンドン録音もあり。必聴盤。1.16~1.18及び2.1~2.5が81年の「ロックンロール・アダルト(Rock & Roll Adult)」。前作の勢いのままのライヴ録音で、バックはパーカーと袂を別ったザ・ルーモア。先述の二人に加えてギターのブリンズリー・シュウォーツとマーティン・ベルモント、そしてキーボードのボブ・アンドリューズが脱退不在のため、アーティ・フューネロが参加。ライヴ盤なのにディスク1と2で分断されるのはイモな構成だが内容は良い。パブ・ロックのファンにもお奨め。残り曲が82年の「ガッツ・フォー・ラヴ(Guts For Love)」からの曲で、ニューヨークゆかりのメンバーと思しきバックで録音されているが、いかんせん楽曲のテンションが下がってしまっており前2作には及ばない。この分減点だが、2/3は間違いなく5つ星だ。