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【日本市況】株式ほぼ横ばい、米CPI待ち-債券小幅高、円強含み

更新日時

15日の日本市場では株式相場がほぼ横ばい。米国のインフレ指標が落ち着いた内容となったことが投資家心理の改善につながった一方、米消費者物価指数(CPI)の発表を控えて様子見姿勢が強く、朝高後失速した。債券相場は日本銀行による国債買い入れ減額以降の下げが一服。円相場は中国人民元が上昇した影響もあり、1ドル=156円台前半で強含みとなった。

  日本時間午後9時半に発表される4月の米CPIで、食品とエネルギーを除くコア指数は前月比ベースで半年ぶりの鈍化が見込まれている。これまで3カ月連続で市場予想から上振れ、米利下げ観測の後退につながった経緯があり、今回も結果次第で各市場が大きく変動する可能性がある。

  一方、14日発表の4月の米生産者物価指数(PPI)はまちまちの内容となり、米国株と米国債は上昇、ドルは対円以外の主要通貨に対し下落した。

15日の国内株式・債券・為替相場の動き
  • 東証株価指数(TOPIX)の終値は前日比変わらずの2730.88
  • 日経平均株価は0.1%高の3万8385円73銭-一時は1.2%上昇
  • 長期国債先物6月物の終値は前日比7銭高の143円91銭
  • 新発10年債利回りは1ベーシスポイント(bp)低い0.95%
  • 新発40年債利回りは0.5bp高い2.435%
  • 円は対ドルでほぼ変わらずの156円36銭-午後3時20分現在
    • 156円56銭を日中安値に一時156円18銭まで強含み

株式

  東京株式相場は伸び悩み。投資家が米CPIを見極めようとの姿勢を強め、取引終盤にかけて相場は上げ幅を縮めた。

  半導体関連銘柄や1ドル=156円台と安値圏での推移が続く円相場を好感して輸出関連株が上昇。個別銘柄では自社株買いや中期経営計画が好感されたソニーグループや今期純利益が過去最高を更新する見通しの三井住友トラスト・ホールディングスの上げが目立った。 

  三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフストラテジストは、ドル・円のボラティリティーはあまり上昇しておらず、円安は輸出関連を中心にプラスの材料となっているだろうと指摘した。   

TOPIXの日中チャート
 
 

債券

  債券相場は小幅高。PPIの3月分の下方修正を受けて米長期金利が低下した流れに加え、13日の国債買い入れオペ減額後に幅広い年限で利回りが大幅上昇した反動から買いが入った。一方、米CPIの発表や16日に20年国債入札を控えて上値は限定的だった。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の大塚崇広シニア債券ストラテジストは、米国の金利低下を受けて買い先行で始まり、その後は米CPIを控えて様子見姿勢になっていると指摘。20年債入札については「安定的な買い主体がいないゾーンなので、慎重な入札になる可能性が高い」と指摘した。

  米CPIについて、大塚氏は「PPIを受けて警戒感がやや和らいだ感じがするものの、これまで上振れが続いてきたので一定の警戒感がある」と述べた。

債券先物の日中チャート
 
 

新発国債利回り(午後3時時点)

 先物2年債5年債10年債20年債30年債40年債
 143円91銭0.335%0.555%0.950%1.755%2.050%2.435%
前日比7銭高-0.5bp-0.5bp-1.0bp-1.0bp横ばい+0.5bp

為替

  東京外国為替市場の円相場は1ドル=156円台前半で強含み。米CPIや米小売売上高の発表を前に手控え感が強まる中、中国が売れ残り住宅の買い入れを検討しているとの報道を受けて人民元が対ドルで買われたことが、円を含めたアジア通貨全体を押し上げた。

  みずほ銀行金融市場部グローバル為替トレーディングチームの南英明調査役は、ドル指数が節目の105を割れたことから、米CPIが市場予想通りか予想より弱い結果になるとドル売り方向に値幅が出やすいと指摘。円については、「他の通貨ほど値幅は出づらく、155円台前半までの上昇にとどまる可能性がある」と述べた。

ドル・円の過去2日間の日中チャート
 
 

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