『ヴァイキング』1958年 : 録音を聴く

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クラシック音楽とジャズとオーディオと歴史映画のブログ [杉本良明]


by yoshisugimoto

『ヴァイキング』1958年

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『ヴァイキング』(原題: The Vikings)は、1958年製作のアメリカ合衆国の映画である。アメリカでは1958年の6月28日(ニューヨークでは6月11日)、日本では同年の9月20日に公開された。日本での公開時は邦題は『ヴァイキング』と表記されていたが、TV放映や発売されたソフトの邦題は『バイキング』となり、2019年に発売されたソフトでは再び『ヴァイキング』に戻った。

あらすじ
9世紀、北欧一帯はヴァイキングの活躍の場となっていた。

悪名高きヴァイキング王ラグナーは、イングランド王を殺害し、王妃エニッドを我が物とした。その後王位を継いだのは、野望に燃えるエイラで、エニッドはラグナーの子を生んだものの、神父ゴドウィンに手放すようにさとされ、別れる際、その子の首に、イングランド王家に伝わる剣の宝石を外してかけておいた。

歳月が流れ、ラグナーとエニッドの子エリックは、運命のいたずらで父の奴隷となっていたが、本人はそのことを知らなかった。一方ラグナーの子アイナーは、鷹匠をしていたエリックと争いになり、鷹のせいで片眼を失う。罰せられようとしていたエリックの首の宝石から、イングランド王家の後継者であることを見抜いたエグバートは、巫女と2人で彼を助け、エリックは、アイナーに囚われていたノーサンブリア王女、モーガナとイングランドに脱出する。(中略)

エイラ王のモデルはノーサンブリア王エラ(ノーサンブリア王)(英語版)、ラグナーのモデルは北欧の伝説に登場する英雄ラグナル・ロズブロークである。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

食べ放題
日本語では「バイキング」と称されることがある。日本初の食べ放題レストランの店名が「バイキング」であったことに由来する。
1957年、翌年に落成する新館の目玉となるレストランを模索していた帝国ホテル社長の犬丸徹三は、旅先のデンマーク・コペンハーゲンで北欧式ビュッフェ「スモーガスボード」に出会った。「好きなものを好きなだけ食べる」というスタイルに注目した犬丸は、当時パリのリッツ・ホテルで研修中で後に帝国ホテルコック長となる村上信夫に料理内容の研究を指示した。一方「スモーガスボード」が非常に言いにくく馴染みのない言葉であったため、新しいレストランの名称を社内公募した。その結果「北欧と言えばバイキング」という発想と、当時帝国ホテル脇の日比谷映画劇場で上映されていた『バイキング』(1958年)という映画の中の豪快な食事シーンが印象的だったことから、新店名を『バイキング』に決定し、1958年8月1日、新しく開館した帝国ホテル第二新館に「インペリアルバイキング」をオープンした。このレストランは好評を博し、ランチ1,200円、ディナー1,600円だったにもかかわらず連日行列ができるほどであった(当時の大卒の初任給が12,800円)。これを模倣した後発店が定額食べ放題のシステムを「バイキングスタイル」と表現したため、バイキングはビュッフェレストランの代名詞となった。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ヴァイキングは日本ではカーク・ダグラスの映画『バイキング』以来、海賊というイメージが強いが、それはどうやら実像とはかけ離れているらしい。北欧社会史の研究者熊野聰氏は、ヴァイキングの語意には「入り江の人」という人物を表すだけでなく、「略奪行為をする」という行為を表す意味もあり、しかもかれらの「略奪」行為は、職業的な海賊としての行為ではなく、日常には農民である人が時期によって洋上に出て「略奪」を行うことを意味していたという。また「略奪」といっても通常は平和的な交易であり、話がまとまらないときに備えて武装したかれらが力を行使すれば「略奪」となるのであった。
 熊野氏は、「ヴァイキング活動の主体となった基本的部分は、直接的生産から分離していない農民たちである」とし、その中で大農場を経営するような農民は家人や従士団を従えて武装し、王権に対抗するものも現れたと説明、その具体的な例を『サガ』の分析を通じて展開している。<熊野聡『北の農民ヴァイキング-実力と友情の世界』1983 平凡社/熊野聰『ヴァイキングの経済学-略奪・贈与・交易』2003 山川出版社>(以上『世界史の窓』)

映画としてはありそうな歴史活劇だと思う。ありえない無理筋の脚本だが、映画なのでそれを突っ込むのは野暮である。ヴァイキングは倭寇と同様、通常は平和的な交易をしていた人々のようだ。略奪をしたらリピートがない。極めて非効率的だし、残酷で非人間的で、生業として持続的ではないだろう。といって武装していないと、生命や金品を奪われる、約束を違えてだまされる、というのが当たり前の時代だった。我が国ではバイキングはビュッフェレストランの代名詞となったが、そちらのエピソードが面白い。

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by yoshisugimoto | 2024-05-16 18:31 | 映画 | Comments(0)