続いて91年リリースの岡田徹2nd。こちらは1stと比べるとより積極的な強い音が鳴っています。
リゾート・ミュージックというとマーティン・デニーやGONTITIの名前が浮かびますが、岡田徹の場合は楽器寄りというよりももっと構築的な音楽に仕上がっているような気がします。キーボーディストではあれ、全体のプロデュースもこなした方でしたので、出てくる作品は奥行きが深い。
とはいえボーカルがないのは若干寂しいところですが、よくよく考えればムーンライダーズにもインストの曲はある訳で、ここを起点に楽曲が旅立っていても決しておかしくはない。何かしらの萌芽を見出すのが粋というものではないでしょうか。
時期的には『最後の晩餐』とほぼ同時期。ただ、鳴っている音はもうちょっと箱庭的です。あまりギターの音がしないのは90年代のムーンライダーズに白井良明の存在感が増している証拠でしょう。