niCがたどりついたのはネコ足セットでした。
先週先々週と、ホビボではネコ足車が連続優勝、
代表権を獲得したO沢選手・松○選手をはじめ
ネコ足採用7台中6台が8台決勝のAメインに進出と
どんどんネコ足の輪が広がっています。
スプリングセットにどうしても目がいきがちなので
走行性能について疑問視される方も多いでしょう。
確かに通常のダンパーに同じスプリングをセットしても
フニャフニャの足になるだけなのです。
また、単なる『パッツン』で解決しようとすると
相当の硬度の物体を、かなりの張りで入れねばならず、
そうなると初期の繊細な動作を殺してしまいます。
そのようなサスではとても『ネコ足』とは呼べませんよね。
ネコ足の本当の心臓部、
それはタミグラ用DF-03のサスセットを経て
生まれた『2ステージダンパー』なのです。
その名の通り、ストロークに応じて
作動特性をダンパー自身が切り替えるものであり
その機構部はダンパートップ内にあります。
といっても、複雑な難しいものではなく、
ごく単純なもの。
ピンバイスとアルミ皿ワッシャーがあれば、
これまでにない走行特性を持つネコ足を
誰でも試せるのです。
さて
プライマリー動作(①,②)は大気開放。
ダンパートップの樹脂パーツには
1.5φの穴を2ヶ所開けておきます。
空気がエア室に自由に出入りできるようにするためです。
そして、セカンダリー動作(③,④)は
ダイヤフラム式ダンパーそのものです。
エアアシストのみで、通常のパッツンを上回る
コシが得られます。
プライマリとセカンダリを切り替える
そのスイッチは、ダイヤフラムとアルミ皿ワッシャーです。
2ステージダンパーのトップ裏側には
タミヤアフターパーツオリジナルの
アルミ皿ワッシャーを伏せて圧入します。
当然これには3φの穴が開いており、
プライマリー動作ではここもエアの通路になっていますが、
ストロークが深くなるとダイヤフラムが
油圧でエア室側にドーム状にせり出して、
ある時点で皿ワッシャーと接触し
穴を塞ぎます。
つまりこれ以降のストロークではエアは遮断されるため
ワッシャーの外殻とダイヤフラムの外縁で囲まれた部分が
エア室になるのです。
模式図を描いてみました。
(※画像クリックで拡大します)
この時の有効容積はノーマルの146立方ミリに対し、
2ステージダンパーでは僅か48立方ミリ。
ダンパーシャフトの直径は3mmなので、
断面積は約7平方ミリ。
すなわち、ストローク1mmにつき、
エア室は約7立方ミリづつ体積が減っていく
=空気が圧縮されていくことになります。
気体体積とその圧力は反比例する(ボイルの法則)ので
エア室内の気圧は元の容積との比率で推定することが出来ます。
大気圧との差が分かれば、ダンパーシャフトが
何グラムの力で押し出されてくるか概算でわかりますよね。
試しにストローク1ミリずつの値を計算して
並べたのが以下の表です。
(熱の影響は無視してます)
図では伸びきりから4㎜までが大気開放のプライマリーステージで、
そこから先はダイヤフラムがエア通路を塞ぎ、
ダイヤフラム室が閉じたセカンダリーステージです。
狭い空間に閉じ込められたエアがスプリングの反発力を補います。
ちなみに
ノーマルダンパーの場合は以下の通りで、
圧縮率が小さいため気圧変化は僅かなものです。
たとえば
僕がフロントに入れている
OP.333の黄ショートスプリングの反発力は
150gf/mm程度にすぎません。
しかし2ステージダンパーの場合、
縮みきり寸前、ストローク9mmの時点では
150+175=325gf/mm。
荒っぽい計算ですが、
これがショック全体のレートなのです。
これは通常のダンパーにおける
OP.362黄色ショートスプリングの堅さと
ほぼ同じですし、
さらに2ステージダンパーの場合、
そこからマシンがロールしようとするとレートは
コンマミリ刻みで飛躍的に堅くなっていきます。
そのうえ
大気開放状態の初期作動時には
エアの反発力は働きません。
柔らかいバネ・オイルとの組み合わせもあって
非常に高い路面追従性と素直な操縦性を示すのです。
これまでのダンパーでは
そのような大きな反発力を空気だけで得、
それを安定して維持することは構造上不可能でしたが
ダイヤフラムをエアバルブとして利用する
2ステージダンパーの場合、
ダンパーが伸びた段階でその都度エア室は
大気圧にリセットされるため
通常のダンパーと変わらないメンテナンス頻度で
安定動作が維持されます。
これが全部品です↓
前後共
オイル200番でピストンは3穴、インナースペーサーは2.0mmです。
そのままではダンパー長が長くなりすぎるので
画像のように↓ボールエンド部を2㎜カットし
ネジ穴をボール部まで
2.5φドリルでこのように↓貫通させておきます。
こうしておくことで
同じ全長でも有効ストロークが長くとれ、
2ステージ目の加圧効果もより強力になります。
ショック全長は
前が58mm↓
後が59mm↓
バネは前がOP.333黄色、
後がOP.333青です。
シャーシにつけ、前後共バッテリー搭載状態で
ロアアームが地面と平行な状態を基本として
プリロードを調整してください。
(おそらくバネが若干遊ぶくらいです)
路面状況や路面グリップを選ばない懐の深さは
特にMシャーシにとっては、
もってこいの特性と自負しています。
しなやかにコーナーを舞うM-03。
ネコ足は『駆け抜ける喜び』を
あなたにもたらすことでしょう!
先週先々週と、ホビボではネコ足車が連続優勝、
代表権を獲得したO沢選手・松○選手をはじめ
ネコ足採用7台中6台が8台決勝のAメインに進出と
どんどんネコ足の輪が広がっています。
スプリングセットにどうしても目がいきがちなので
走行性能について疑問視される方も多いでしょう。
確かに通常のダンパーに同じスプリングをセットしても
フニャフニャの足になるだけなのです。
また、単なる『パッツン』で解決しようとすると
相当の硬度の物体を、かなりの張りで入れねばならず、
そうなると初期の繊細な動作を殺してしまいます。
そのようなサスではとても『ネコ足』とは呼べませんよね。
ネコ足の本当の心臓部、
それはタミグラ用DF-03のサスセットを経て
生まれた『2ステージダンパー』なのです。
その名の通り、ストロークに応じて
作動特性をダンパー自身が切り替えるものであり
その機構部はダンパートップ内にあります。
といっても、複雑な難しいものではなく、
ごく単純なもの。
ピンバイスとアルミ皿ワッシャーがあれば、
これまでにない走行特性を持つネコ足を
誰でも試せるのです。
さて
プライマリー動作(①,②)は大気開放。
ダンパートップの樹脂パーツには
1.5φの穴を2ヶ所開けておきます。
空気がエア室に自由に出入りできるようにするためです。
そして、セカンダリー動作(③,④)は
ダイヤフラム式ダンパーそのものです。
エアアシストのみで、通常のパッツンを上回る
コシが得られます。
プライマリとセカンダリを切り替える
そのスイッチは、ダイヤフラムとアルミ皿ワッシャーです。
2ステージダンパーのトップ裏側には
タミヤアフターパーツオリジナルの
アルミ皿ワッシャーを伏せて圧入します。
当然これには3φの穴が開いており、
プライマリー動作ではここもエアの通路になっていますが、
ストロークが深くなるとダイヤフラムが
油圧でエア室側にドーム状にせり出して、
ある時点で皿ワッシャーと接触し
穴を塞ぎます。
つまりこれ以降のストロークではエアは遮断されるため
ワッシャーの外殻とダイヤフラムの外縁で囲まれた部分が
エア室になるのです。
模式図を描いてみました。
(※画像クリックで拡大します)
この時の有効容積はノーマルの146立方ミリに対し、
2ステージダンパーでは僅か48立方ミリ。
ダンパーシャフトの直径は3mmなので、
断面積は約7平方ミリ。
すなわち、ストローク1mmにつき、
エア室は約7立方ミリづつ体積が減っていく
=空気が圧縮されていくことになります。
気体体積とその圧力は反比例する(ボイルの法則)ので
エア室内の気圧は元の容積との比率で推定することが出来ます。
大気圧との差が分かれば、ダンパーシャフトが
何グラムの力で押し出されてくるか概算でわかりますよね。
試しにストローク1ミリずつの値を計算して
並べたのが以下の表です。
(熱の影響は無視してます)
図では伸びきりから4㎜までが大気開放のプライマリーステージで、
そこから先はダイヤフラムがエア通路を塞ぎ、
ダイヤフラム室が閉じたセカンダリーステージです。
狭い空間に閉じ込められたエアがスプリングの反発力を補います。
ちなみに
ノーマルダンパーの場合は以下の通りで、
圧縮率が小さいため気圧変化は僅かなものです。
たとえば
僕がフロントに入れている
OP.333の黄ショートスプリングの反発力は
150gf/mm程度にすぎません。
しかし2ステージダンパーの場合、
縮みきり寸前、ストローク9mmの時点では
150+175=325gf/mm。
荒っぽい計算ですが、
これがショック全体のレートなのです。
これは通常のダンパーにおける
OP.362黄色ショートスプリングの堅さと
ほぼ同じですし、
さらに2ステージダンパーの場合、
そこからマシンがロールしようとするとレートは
コンマミリ刻みで飛躍的に堅くなっていきます。
そのうえ
大気開放状態の初期作動時には
エアの反発力は働きません。
柔らかいバネ・オイルとの組み合わせもあって
非常に高い路面追従性と素直な操縦性を示すのです。
これまでのダンパーでは
そのような大きな反発力を空気だけで得、
それを安定して維持することは構造上不可能でしたが
ダイヤフラムをエアバルブとして利用する
2ステージダンパーの場合、
ダンパーが伸びた段階でその都度エア室は
大気圧にリセットされるため
通常のダンパーと変わらないメンテナンス頻度で
安定動作が維持されます。
これが全部品です↓
前後共
オイル200番でピストンは3穴、インナースペーサーは2.0mmです。
そのままではダンパー長が長くなりすぎるので
画像のように↓ボールエンド部を2㎜カットし
ネジ穴をボール部まで
2.5φドリルでこのように↓貫通させておきます。
こうしておくことで
同じ全長でも有効ストロークが長くとれ、
2ステージ目の加圧効果もより強力になります。
ショック全長は
前が58mm↓
後が59mm↓
バネは前がOP.333黄色、
後がOP.333青です。
シャーシにつけ、前後共バッテリー搭載状態で
ロアアームが地面と平行な状態を基本として
プリロードを調整してください。
(おそらくバネが若干遊ぶくらいです)
路面状況や路面グリップを選ばない懐の深さは
特にMシャーシにとっては、
もってこいの特性と自負しています。
しなやかにコーナーを舞うM-03。
ネコ足は『駆け抜ける喜び』を
あなたにもたらすことでしょう!
エアガン(スナイパーライフル)のエアブレーキピストンに通じる物がありますね。
しかも皿ワッシャーが絶妙な寸法関係で…
ミニの出番があれば、敬意を払って真似させて頂きます。ツーリングでも特設路面とかで有効そうですね。
コレで、インテックスはバッチリ!?
おっちゃんも猫足にしてるのかな?
オイラも今度のレース用にマネしようっと♪
賢すぎます!
どのようなお仕事をされているのか個人的に気になりました。。
ありがとうございます。是非お試しくださいね。
まさに、必要なときにだけピストンに
ブレーキをかける事を狙いとしています。
Mシャーシはロール制御にストロークをたくさん使うので効果が顕著に出るのかもしれませんね。
これまでの感触では多分カーペット路面にも効くように思いますがさてさて・・・
インテックスはどうやらエントリーが大変多いようです。受かればいいですねえ・・・
試してみてちょ(・ω・)ノ
足が良く動くし、しっとりとした実車っぽい挙動になるので
見てても楽しいですよ。
ありがとうございます。
ダンパー組みはRCいじりで最も好きな作業なんです。
始終触ってるもんで、妙なことを思いつくのかも?
ちなみに本業は測量してます・笑
火曜日に試してきますね♪
僕も2ステージダンパーを組んでみました。
60タイヤ縛りレギュなので車高を下げるためインナースペーサーを5mmにしてみました。
質問なのですが、ダンパー長とインナースペーサー厚を決める目安として、1G状態でプライマリーステージとセカンダリーステージの境目になるような状態で良いのでしょうか?
ありがとうございます。
楽しんできてください!
はじめまして、ありがとうございます。
そのくらいになると思います。
インナースペーサーは現状のネコ足では
皿ワッシャーを使用する関係で、
その厚み2mmを基本にしています。
尚、
ネコ足自体は、60Dでセットを出しています※
上記以外の設定では性能が発揮できない
(ネコ足でなくなる)ことも確認できていますので
解説通りボールエンド部を加工されたうえで
インナースペーサー2mm、
1Gでロアアームレベルが基本、
下限バンザイ2°を厳守してください。
よろしくお願いします(・ω・)ノ
※55サイズでも各パーツの寸法構成および
ロアアーム角度は変更しなくて大丈夫です。